男「俺の彼女がこんな髪ピンクになるわけがないだろ」女「ええ」 (35)

女「さっきからおかしいよ男。どうかしちゃった?」

男「どうかしてるのはお前の方だ。お前さっきなんて名乗った」

女「なんて名乗った、って……だから、昨日男に告白されて……うふふふ」

男「うふふふじゃねえ早くしろ!」

女「怖いよ男! え、えと、告白されて、晴れてあなたの彼女になった、女が迎えに来ましたよー、って……なんでこんな恥ずかしいこともう1回……」

男「そこは問題じゃない」

女「問題だよ!」

男「俺の知ってる女じゃない!!」

女「え、ええー……?」

男「お前、カップサイズいくつだ」

女「え、ちょっ!?」

男「カップサイズはいくつだ!!?」

女「声が大きいってばぁ!! ……でぃ、でぃー、です……んもう!」

男「Dカップでこんなに乳袋がデカくなるかぁぁぁあああ!!!!」ワシイッ

女「ひいいいいいいっ!!? あ、お、男って、ちょ、ええっ!?」

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男「Dカップはなぁ! こんな手に収まらないほど大きいはずねえんだよォッ!?」モミモミ

女「んひゅッ!? ちょ、ちょっと、ええっ!??」

男「まずそもそもなんだこのどこもかしこも肌肌肌みたいな制服!! コスプレか!」

女「な、ちょ、ちょっと待って!! 私のむっ、胸触ったことを流さないでよ!!」

男「うるせえそんなのどうでもいいっ!」

女「ど、どうでもって……」

男「なんだ? どうなってんだこの世界? ……おい、お前。ちょっと俺のことを殴ってみろよ」

女「……れ……くても……」

男「なんだ?」

女「言われなくてもォォッ!!!」ザシッ

男「!? い、いやそんな、中段の構えとかとるほどじゃなくてぶへぇえええ!!?」バキィッ ドッ ガラガラ…

女「はあ、はあ……あっ……お隣の日下さんのお家の塀が……」

――――――――――

友「ははは。君もえらい目に遭ったね、黒帯の女さんを怒らせるなんて」

男「いってぇぇ……俺をぶっ飛ばしてコンクリの塀を壊すって、どうなってんだあの女……」

友「まあ、惚けてる男に下った女神の制裁、ってとこかな」

男「誰があんな女に惚け……そういえばお前誰だよ」

友「相手が僕でも流石に酷いと思うよ、それ」

男「……さっきの淫乱ピンクが女だとすると、さてはお前……友か?」

友「ご名答。いや、答えられて当然だと思うんだけどね。しかも淫乱ピンクって」

男「お前……ついに女性に……」

友「顔と股間を何度も見比べるのはどんな性別だとしてもよろしくないね」

男「なんだその言葉遣い! 気でも触れたか!?」

友「うーん、なんだろう。男の言葉は丁寧に真を突いてくるよね」

男「嘘だろ……あれだけキワモノAVの好きだった友が……」

友「黒ギャル女優、樫谷mikaちゃんの15ℓ潮噴きの新作、良かったよ。男にも貸そうか?」

男「………」

友「音もなく泣く程嬉しいんだね、あとで準新作と共に貸してあげよう」

男「それはいらない……」

友「様子が変でも相変わらず趣味が合わないね、男」

男「俺の友達のド変態がこんな……僕っ娘? 男の娘? になるはずがない!」

友「……面白いから性別は黙っておこうか、ふふ」

男「制服は女子だけど、この世界なんでもありだからな」

友「ははは、何のことやら」

男「なんだコイツ…面白いから」

男「お前……ついに女性に……」

友「顔と股間を何度も見比べるのはどんな性別だとしてもよろしくないね」

男「なんだその言葉遣い! 気でも触れたか!?」

友「うーん、なんだろう。男の言葉は丁寧に真を突いてくるよね」

男「嘘だろ……あれだけキワモノAVの好きだった友が……」

友「黒ギャル女優、樫谷mikaちゃんの15ℓ潮噴きの新作、良かったよ。男にも貸そうか?」

男「………」

友「音もなく泣く程嬉しいんだね、あとで準新作と共に貸してあげよう」

男「それはいらない……」

友「様子が変でも相変わらず趣味が合わないね、男」

男「俺の友達のド変態がこんな……僕っ娘? 男の娘? になるはずがない!」

友「……面白いから性別は黙っておこうか、ふふ」

男「制服は女子だけど、この世界なんでもありだからな」

友「ははは、何のことやら」

男「なんだコイツ……」

男「それより、友らしきもの。あの端っこの席で俺をずっと見てる小さい茶髪の美少女はなんだ」


幼馴染「………」


友「友だよ。君は彼女のことも忘れたのかい? それは流石に酷いんじゃないかな」

男「いや、生前の記憶から考えて、あそこに座るべき生徒は幼馴染だと、見当は付いている」

友「君生きてるよね? ……お、こっちに来るね」

幼馴染「おはようございます。友さん、男」

友「や、おはよ」

男「………」

幼馴染「……男?」

友「男はちょっと調子が悪いみたいでね」

幼馴染「へえ」

男「……お前は、誰だ」

友「あ、やったこいつ」

幼馴染「……もう一度仰ってください」

男「あそこは俺の幼馴染の席だった筈だ」

幼馴染「……『俺の幼馴染』……」

友「そこはたぶん、名前じゃなくてそのままの意味の『俺の“幼馴染”』だと思うから、そんな簡単に照れない方がいいと思う」

男「?」

さよなら

幼馴染「で、男がどうしたんですか」

友「うん。記憶喪失、と言うのも憚られる感じでね。主に僕らの容姿に違和感があるようだよ」

男「違和感とかじゃない。お前らは、俺の知ってるお前らじゃない」

幼馴染「重症じゃないですか。……ん?」

男「なんだデカ目チビ美少女。その髪の上に眉毛の線が見えてるのはどうやってるんだ。書いてるのか」

幼馴染「うるせえ話しかけんなです。つまり……友さん、彼は女と付き合ったのを……」

友「忘れてはいないよ。ただ、彼の好きだった“女”ではないみたいだ」

男「女はあんな淫乱ピンクではない」

友「髪がピンクなだけじゃないかな」

男「髪がピンクなら性根もピンク、脳内もピンクだ」

友「職員室で怒られてる彼女が飛んでくるよ。文字通り」

男「飛ぶのか……」

幼馴染「なるほど。つまり、私にもまた、チャンスが巡ってきたのですね」

男「ないぞ」

幼馴染「貴方の生来の鈍感さはどこへいったのですか!?」

友「男であって男でない、みたいな感じだね。記憶だけハンパに受け取った別人のようだ」

女「女、見参ッ!!」ガラッ ピシャーン

男「うるさい。他の奴に迷惑だ……なんで他の奴は『ざわざわ』しか喋ってないんだ」

友「女さん、おはよう。大丈夫だった?」

女「大丈夫だった! 日下さんちがお金持ちで良かったよ~」

友「良かったのかいそれは」

幼馴染「女」

女「う、幼馴染……な、なによ。まだ文句あるの? 男が選んだのは私なんだからね!」

友「いや、それがね」

男「俺はお前なぞ選んでない。俺が選んだのは女だ。女を出せ」

幼馴染「この調子なのです」

女「……どういうこと?」

友「それが……なんで僕が毎度説明しなきゃならないのかな。男がやりなよ」

男「……友が言うなら、まあ」

女「……な、なるほど。朝のアレもそうだとしたら、納得できなくもない、のかな」

友「つまり、朝起きた君は身の周りのようすが丸々変わってしまっていたと」

男「俺はあんな生活感のない家に住んでいないし、母親がロリババアではないし、そもそも妹はいない」

幼馴染「まるきり違いますね」

友「ロリババアはちょっと酷いんじゃないか」

男「現実的でなさすぎる。むしろこの世界の俺はどうやって生きていたんだ」

女「んー……鈍感で、女好きで、シスコンで」

幼馴染「特になにができるわけでもなく、ただモテる。そんな感じですね」

男「クズじゃないか!」

友「君だよ」

男「違う!!」

幼馴染「良いところが無いわけではありません。誰に対しても優しく、勇気があって、自信をすごく持っています」

男「そんなもので良いところと言うのなら誰だってモテる!!」

女「そっちではどんな人がモテるの?」

男「顔、金、人望、話術辺りが優れていることか」

幼馴染「そんなくだらないもので女性をだまくらかそうなんて、そうはいきませんよ」

男「……いや、俺は女子ではないから、わからんが」

友「うーん、それはまあ、なくはないだろうけどね」

男「異議があるのか。暫定友」

友「友だよ。まあ、僕は男女問わずモテる方なんだけどさ」

幼馴染「平然と言ってのけました」

女「かっこいい……」

男「そうか? ムカつくぞ?」

友「僕の話を聞いてくれ。……こういう風に、人の話を最後まで聞いてくれない人間がこっちの世界には多いんだよ」

女「おお!」

男「ただ切れ者風なキャラじゃなかったのか。というか、俺のことまで括ったなお前?」

友「何度も話の腰を折らないで欲しいな……で
、こっちの世界の男は、それができる唯一の存在だった」

男「……恐ろしくないか、この世界の人間は」

幼馴染「彼に人が集まる理由、つまりモテる理由はそこにあると」

友「そうなるね」

幼馴染「わからなくもありません。彼は小さいころから人と話したがる……いや、“話されたがる”人でしたから」

男「異常な知識欲だな」

女「そういうことじゃないと思う。男は、人の気持ちが凄くわかる人だから」

友「なんにせよ、当人がここにいないことには真相はわからないよ」

幼馴染「何を考えているのかさっぱりな人、でしたから」

男「……そんな男の、どこに人間的魅力があるんだ」

友「男! それは女さんに対して……!」

女「あはは、いいよいいよ。私もわからないから」

友「……女さん」

女「私、あんまり頭は良くないから。でもね、男と居る時間が一番、幸せだって思うから。だから好きなの」

男「………」

幼馴染「女さんの純な気持ちに毒されましたね、男らしきもの」

男「うるせえ幼馴染っぽいの……」

幼馴染「私もですから、そんなに気にする事はありませんよ」

男「………」

幼馴染「私もいくらか弁を捏ねくり回す人間ですから。こういう人間は、貧乏くじを必ず引くようにできているんですよ」

男「……一緒にするな」

友「まあ、乗りかかった船だ。こっちで生活する上で、できる限りのサポートはしてあげようかな」

男「いいのか? 俺は、お前らの知る男ではないぞ」

友「姿形が変わっても、と言いたいけれど。中身だけが変わっちゃそれは無理だね」

女「でも、可哀想だしね。なんとかしてあげたいよ」

幼馴染「私達の知っている“男”が貴方と入れ替わりでいなくなってしまっていますし。彼をここに呼び戻さねばいけませんから」

女「あ、そっか!」

男「能天気か……礼は言わんからな」

友「言いなよ」

男「ぐっ……あ、ありがとう……」

幼馴染「どうして貴方はそこまで友さんにうだつが上がらないのですか」

友「この人の世界の僕に余程の弱みを握られているんじゃないかな」

男「弱みなどない!!」

女「すごいありそうだ!」

男(……特に授業に変わった様子はなかった。ただ、やはり依然として周囲の生徒の顔はほぼ同じで、髪型や色が違うだけの人形のように見える)

男(唯一判別できるのはさっき話した俺の知人、“らしき”連中くらいのものか……本当、不気味だ)

男(オープンテラスの食堂、死闘が繰り広げられる購買、授業せず自習ばかりさせる教師、超人じみた運動部連中、神童しかいない文化部連中……)

男(思わず今まで自分が居たはずの世界を疑いそうになる。あっちが夢で、こっちが現実なのだと。そう信じてしまえたらどんなに楽だろう)

男(……あっちの“女”は元気だろうか。俺がいなくても、大丈夫なのだろうか)

男(ああもう前髪がうっとおしい!! 目に入って痒い!! 切れよコイツ!!)ブンブン

幼馴染「男さん」

男「ん……すまん。どうした?」

幼馴染「放課後、暇ですよね」

男「ああ。お前が言ってただろう、ここの俺は委員会にも部活にも入ってないと」

幼馴染「ええ。ですので、少し私に付き合っていただけますか」

男「………」

幼馴染「浮気とか考えてますか? 幼馴染と話すくらいで? 勘違い甚だしいですよ?」

男「生憎お前とは馴染んで無いんだがな……いいよ、わかった。少し待ってくれ」

幼馴染「ふふ、はい」

幼馴染「すみません、わざわざ持ってもらってしまって」

男「お前が持てと言っただろ」

幼馴染「そうでした」

男「……こんなに沢山買ってどうするんだ?」

幼馴染「私、一人暮らしなんです。男にいつも付き合ってもらってたんですよ、買い物」

男「………」

幼馴染「不満ですか」

男「不満だよ」

幼馴染「男はそんなこと言いません」

男「うるせえ。道端にレジ袋置いてくぞ」

幼馴染「えー」

男「ハア……こっちの“男”は何も言わないのか?」

幼馴染「言いませんね。というか、ねだる前に袋を奪われます」

男「なのに、お前じゃなくて女なのか」

幼馴染「捻り潰しますよ」

男「曲がりなりにも、好きな男の顔してるもんな」

幼馴染「分かってるならやめてください」

男「俺はこっちの男と違って意地が悪いんだ」

幼馴染「……そっちの私は、どんな人間ですか」

男「……ああ、俺の幼馴染か」

幼馴染「少し気になったもので」

男「一言で言うなら、ビッチ?」

幼馴染「……気分が悪いですね、他人だとしても」

男「端折り過ぎたか。なんなら一通り聞いてくか?」

幼馴染「気分が悪いと言ったでしょう……」

男「買い物付き合ってやったんだ、そんくらいいいだろ?」

幼馴染「……ほんと、あの男とは思えない図々しさです」

男「図々しいか? このくらい普通だぞ」

幼馴染「それもできない益虫系男子だったんですよ、あの人は」

男「ひどい言い草だな……」

幼馴染「ま、話はおいおい聞きますよ。それより、今日はどうしますか」

男「……今日?」

幼馴染「あ、あー……この人男じゃないんでした」

男「男だぞ」

幼馴染「黙っててください」

男「はいよ」

幼馴染「買い物を手伝ってくれた日は、だいたいいつも二人で私の作ったご飯を食べてたんですよ」

男「……はあ?」

幼馴染「おかしいと思いますか」

男「幼馴染の枠を超えてる」

幼馴染「前はよく言われましたね。まあ、これも男の優しさなんですよ」

男「なんだそれは」

幼馴染「私、一人暮らしなんですよ。少しお家に問題がありまして」

男「………」

幼馴染「どこまで踏み入っていいかわからない感じですね?」

男「うるさい」

幼馴染「で、それを見かねた男がたまに家に遊びに来てくれるようになりまして。そこからですね」

男「子どもの頃からずっとか?」

幼馴染「いえ、なんというか……小学校高学年くらいから互いを意識し始めますよね」

男「……ああ、遊ばなくなるな。噂になるから」

幼馴染「はい。で、そのままだったのですが、中学二年生の時に親が家を出ました。そこから何かと気を使うようになりまして」

男「………」

幼馴染「闇深そうだなー、とでも」

男「言ってないだろ」

幼馴染「案外けろっとしたものですよ。ただまあ、昔から男のことは好きだったので、願ったり叶ったりでしたが」

男「なのに負けたのか」

幼馴染「八つ裂きにしますよ」

男「疑問なんだ。そこまで来て、どうしてそうならない」

幼馴染「……私が逃げたから、ですよ」

男「なぜ」

幼馴染「現状維持が一番気持ちいいのだと、考えていたのです」

男「告白して断られたら現状は壊れるだろうが、それだけの付き合いなら受けて貰えるんじゃないのか」

幼馴染「……かもしれませんが、心は変わります。いくら信頼した相手でも、付き合っていれば愛は薄れます」

男「怯えすぎじゃないか。お前の心だって変わるだろう。今が良いのなら、それで良いんじゃ」

幼馴染「変わりませんよ。私、彼に大分依存しているので」

男「……でも、結局奪われてるんじゃ意味がないだろ」

幼馴染「……その顔で言われると無性にイラつきますね」

男「悪いな、少し意識して皮肉ってる」

幼馴染「本当、性格の悪い人です」

男「だろ」

幼馴染「……ただ、すっきりしましたけどね。私が本当に、男にフラれてるみたいで」

男「……そんなつもりはないんだが」

幼馴染「ええ、だから私がそのつもりなだけです。貴方は、悪くも善くもありません」

男「めんどくさい女だ」

幼馴染「ふふ、いいじゃないですか。好きな人の顔をした赤の他人だからこそ、ですから」

男「……こっちの身にもなれ」

幼馴染「それで、どうするんですか?」

男「…………」

幼馴染「まあ、来ませんよね」

男「……いや」

幼馴染「ほほう?」

男「正直、“こいつ”の家族と飯食うぐらいなら、マシだ」

幼馴染「ひどい言い草ですね」

男「朝は恐ろしく居心地が悪かったんだ……」

幼馴染「見ず知らずの人間に家族面されるんですね」

男「母親役のロリババアに『男ちゃん♪』なんて呼ばれて飯が喉を通ると思うか?」

幼馴染「……いや、よくわかりませんが」

男「……まあいい、とにかく晩飯は世話になってもいいか」

幼馴染「畏まりました。親御様には私から伝えておきましょうか? 男さんの心労が加速度的に増しそうです」

男「頼む……」

幼馴染「はいはい」

幼馴染「もしもし、お母様ですか。はい、今晩は……はい、大丈夫です。いえ、こちらこそ。では失礼します」

男「……話が早過ぎる」

幼馴染「いつものことですから」

男「そんなに無防備に自分の子を預けられるか、普通……?」

幼馴染「私にはよくわかりませんが、“そっち”では普通ではないのですかね」

男「……というか」

幼馴染「はい」

男「お前さっき、『今晩は』って言ってたが……晩飯だけだよな」

幼馴染「…………」

男「おい立ち止まんな」

幼馴染「はい着きました、ここがうちです。では、上がってください」

男「おい答えろよ」

幼馴染「いいじゃないですか。折角中身だけ他人なんですから、既成事実のひとつやふたつ」

男「ひとつあったら問題なんだが」

幼馴染「ここは私を助けると思って、一発キメちゃいましょう? ねえ?」

男「結局お前もビッチかこのクソな馴染!!」

友「で、一泊しない約束で晩飯にありついたものの、睡眠薬やらなんやらを盛られ、昏睡状態にさせられ襲われそうになったところ、なんとか脱出。隣の自宅へ逃げ帰ったと」

男「こういうときってどこの窓口に相談すればいいんだ?」

友「惚気話なんだし、僕でいいんじゃないかな」

男「惚気けていない!!」

友「まあ、気をつけなよ。君はまだ孵ったばかりの雛鳥で、他者の悪意によってその産毛を黒く染められてしまう恐れが」

男「どいつもこいつも当てにならない!」

友「だから聞きなよ話を」

男「回りくどくてやってられるか!」

友「要するに、何も知らないんだから不用意に動くのは気をつけなよ、ね」

男「やればできるじゃないか」

友「逐一ムカつくね。……君もだいぶ、ここに馴染んできたような気がするね」

男「……ひっ……!」

友「恐れるなよ」

男「い、いや、こんな連中と同族になりつつあるとか、そんな……」

友「本当、君は中身が変わっても面白いよねえ」

男「うるさい!」

女「あ、男……さん?」

男「……むず痒いから男でいい。お前が区別したいなら知らんが」

女「そっかあ。じゃあ、男くんで!」

男「それはどこから出てきた」

女「男くんさ、いつもお昼どこで食べてるの?」

男「一緒に食べようと誘ってくる奴らがいるが……正直、話を合わせながら食う飯は不味い」

女「……そっかあ」

男「それがどうかしたか?」

女「えっと、良かったら一緒に、どうかな?」

男「……鞍替えか?」

女「…………」

友「黙って聴いていたら最低だね君」

男「ほっとけ。冗談だ」

友「その体の冗談は、ただのデリカシー無しでしかないよ男」

女「あはは……ううん、そんな気持ちはないよ。ただ、学校生活のサポートの為にも、貴方のこと知っておいた方がいいかなって」

男「……分かった。恩に着る」

友「最初と比べて随分素直になったこと」

男「うざい。デリカシー無しはお前だ」

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