【ラブライブ!】海未「大丈夫ですか?」花陽「ぴゃぁぁぁああああああっ//////」 (68)

うみぱな。

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──アイドルショップ前──


花陽「はうぅぅっ」テクテク

花陽(今日はたくさんグッズが買えました)テクテク

花陽(特にこのご当地アイドルのキーホルダー!)テクテク

花陽(これが買えたなんてラッキーとしか言いようがありません)ホクホク

花陽「はぁ、なんて幸せな日なん──」


────どんっ!


花陽「きゃっ!」

???「にこぉっ!」

花陽「ててっ……。ご、ごめんなさいっ! 怪我は────」

???「ちょっとぉ! どぉこ見てんのよっ!」ウガー!

花陽「ひぃうっ!」ビクッ

花陽(さ、サングラス?)

???「あんたねー! ちゃんと前見て歩きなさいよ!」

花陽「ご、ごめんなさいっ!」ペコッ

???「ごめんなさいで済んだら警察はいらないのよぉっ!」ウガー!

花陽「す、すみませんっ!」ペコッ

???「その眼鏡は伊達!? ちゃんと度は入ってるの!?」ウガー!

花陽「うぅっ」シュン

???「ガミガミガミガミ!」

花陽「……うぅっ」シュン

花陽(だれか……)

???「ガミガミニコニコ!」

花陽(…………だれかっ)

???「にこぷりにこにこっ!」

花陽(────だれかたすけてぇっ!)


「────そのくらいにして頂けませんか?」


花陽「────っ!」

花陽(だ、だれ!?)

???「────あ、あんた!?」


海未「先ほどからお話を聞いておりましたが……この子だけに非があるような言い方は、良くないと思いますが?」ジロッ


???「な、なによ!?」

花陽(…………音ノ木坂の、制服)


海未「そもそもあなたも前を見て歩いていなかったでしょう?」

???「ぐぬぬぬっ!」ググッ

花陽(す、すごい…………)


海未「ぶつかってしまったのはお互いの不注意が原因かと思いますが……?」

花陽(か、かっこいい……)

???「ぬぬぬぬ…………っ!」

海未「喧嘩両成敗ですっ! 二人ともお互いに謝罪をしてくださいっ!」ニコッ

花陽「…………っ」ポーッ

???「…………わ、悪かったわね」プイッ

花陽「────い、いえ! こちらこそごめんなさいっ!」ペコッ

???「ふんっ! これでいいんでしょ? 私、急ぐから……」スタスタ

海未「……ふぅ、良かったです。大事にならずに」ニコッ

花陽「…………///」ポーッ

海未「荷物、私も拾いますね」ヒョイッ

花陽「…………///」ポーッ

海未「夢中になってしまうのもわかりますが……ダメですよ? ちゃんと周りを見なくては」ヒョイッ

花陽「…………///」ポーッ

海未「…………あの、大丈夫ですか?」ヒョコッ

花陽「ぴゃぁぁぁあああああっ//////」

海未「次からは注意して歩いて下さいねっ」ニコッ

花陽「は、はいっ!//////」

海未「はい。これで全部ですかね…………?」

花陽「は、はいっ!//////」

海未「それでは失礼します」ペコッ

花陽「は、はいっ!//////」ペコッ

海未「…………」スタスタ

花陽「…………///」ポーッ

花陽「…………か、かっこいい//////」ポーッ


◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆


──花陽ちゃんのお部屋──


『────そのくらいにして頂けませんか?』


花陽「…………かっこよかったなぁっ///」

花陽(花陽だったら絶対無理だもん)

花陽(あんな風に、言いたいことをはっきり言うなんて)


『次からは注意して歩いて下さいねっ』


花陽「はうぅぅっ……//////」

花陽(王子様みたいだったよぉー)ポーッ

花陽(お名前、なんて言うのかな?)

花陽「────また、会いたいなぁ」



◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆


次の日


◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆


──一年生教室──



真姫「ちょっと凛、次は体育でしょ? ジャージはどうしたのよ?」

凛「そろそろ届くにゃー♪ 焦らなくてもだーいじょーぶー♪」ニコッ

真姫「届くってなによ? まあいいわ。私はあなたと勝負できればそれでいいんだから」フンッ

凛「えぇ? またバドミントン? 楽しいからいいけど……」

真姫「いいけど?」

凛「凛、ホントはバドミントン苦手なんだけど」アハハッ

真姫「だからよっ! バドミントン苦手な凛に勝てなきゃ私が超下手くそみたいじゃないっ!」バンッ!

凛「もー諦めるにゃ。小学生の頃から真姫ちゃんが超下手くそなのは変わらない事実なんだにゃ」

真姫「うぅぅぅっ! うるさーい!」

凛「それより、凛は幼馴染の花陽ちゃんが心配なのだっ!」ビシッ

真姫「花陽? 花陽がどうしたっていうのよ?」チラッ


花陽「…………っ///」ボー

花陽「…………っ」グー

花陽「────はっ!」

花陽「…………っ」アセアセヌギヌギ


凛「ほらねっ! ぼーっとしてるでしょ?」

真姫「そうね。あのままお腹の時計が鳴らなければずっとぼけっとしてたわね」ジトーッ

花陽「凛ちゃん、真姫ちゃん」トコトコ

花陽「ごめんね、待っちゃった?」

凛「かよちん大丈夫にゃー? 今日、変だよぉー?」

花陽「変? …………朝ご飯はちゃんとおかわりしたよ?」キョトン

真姫「そうじゃなくて。なんだかぼーっとしてるわ?」

花陽「そうかな? 花陽はいつもど────」


がらがら。


海未「────すみません、星空さんはいますか?」オズオズ

花陽「ぴゃぁぁぁあああああっ//////」サッ

真姫「ちょっ、なにっ!? どうしたのっ!?」アセアセ

花陽「うぅっ///」カァーッ

真姫「な、なんで隠れてるのよ?」

凛「あっ! 海未ちゃんこっちこっちー!」

海未「あ、凛っ! もう、ジャージくらいちゃんと持ってきてくださいよ」ジトーッ

凛「ごめんごめんっ♪」ニコニコ

海未「まったく、下級生の教室にジャージを貸しに出向く私の身にもなってくださいっ!」

凛「仕方ないにゃー。お母さんも凛もすっかり忘れてたんだにゃ」アハハッ

海未「仕方なくありませんっ! 日頃から持ち物の確認はしっかりするようにと────」

凛「はいはいわかったにゃ。授業遅れちゃうからっ! お説教はまったこんどーっ♪」ビューン

海未「あっ、こらまちなさいっ!」ウガー!

真姫「あっ! ちょっと凛!? すみません先輩。よく言っておきますので」

海未「ええ、そうして頂けると助かります」ニコッ

真姫「では、失礼します」ペコッ

海未「よろしくお願いします」ペコッ

真姫「花陽? あなたも隠れていないで授業に…………」

真姫「…………っ」キョロキョロ

真姫「…………花陽?」


◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆


──お昼休み、中庭──


花陽「うぅぅっ」シュン

花陽(体育、失敗ばっかりだったなぁ)

凛「かよちん、やっぱり今日変だよ? 大丈夫?」

花陽「だ、大丈夫だよ凛ちゃん! さっ! お昼食べようっ」ニコッ

真姫「…………」カチャカチャ


まきりんぱな「「いただきまーす」」パンッ


花陽「はぐはぐっ♪ んー! おいしいよぉ~♪」ニコニコッ

凛「あー! よかったにゃぁ! お腹が空いてただけなんだにゃ」モグモグッ

真姫「…………凛は、あの先輩とどういう関係なの?」モグモグッ

花陽「…………っ」ピクッ

凛「あの先輩って……あぁ、海未ちゃん?」モグモグッ

花陽「…………っ」モグモグッ

花陽(海未先輩っていうんだ)

凛「海未ちゃんはねぇ、凛の幼馴染なんだぁっ!」ニャッ♪

花陽「おさななじみだったのぉっ!?」ガタッ!

凛「にゃっ!?」ピクッ

真姫「…………花陽落ち着いて」ズズッ

花陽「だって! 花陽の幼馴染は凛ちゃんだけだよぉっ!? なんでぇっ! どうしてぇっ!?」

凛「か、かよちん怖いにゃー」ビクビクッ

真姫「ほら、一回深呼吸して?」

花陽「う、うん……っ。すーっ、はぁーっ」


真姫「ね? 少しは落ち着いたでしょ?」

花陽「うん。ありがとう真姫ちゃん。凛ちゃんごめんね?」

凛「大丈夫! 凛はそんなかよちんも好きだよ?」ニコッ

真姫「それで……どういうことなの?」

凛「ほら? 凛、昔ちょっとだけ剣道してたでしょ? その時通ってたのが海未ちゃんの家だったんだにゃ」アハハッ

花陽「あー、そういえば。でもすぐにやめちゃったよね?」キョトン

凛「うんっ……だけど、やめてからもちょくちょく遊んでたんだよ? かよちんが遊べない時とかに」

真姫「ふーん、なるほどね」クルクルッ

花陽「そうだったんだ……」

真姫「花陽は海未先輩のことが好きなのよね?」クルクルッ

花陽「うんっ♪ そうなんだ」アハハッ

凛「へー! そっか! かよちん、海未ちゃんが好きなんだー」アハハッ

花陽「もー! 凛ちゃん、恥ずかしいよぉ~」クスクスッ

真姫「…………っ」クルクルッ

凛「あははっ! ごめんごめ…………? にゃぁぁぁぁぁっ!?」

花陽「…………あっ/////////」カァーッ

真姫「二人とも気付くの遅すぎ」ハァッ

凛「かかかかかかよちんが海未ちゃんをぉぉぉぉっ!?」

海未「呼びました?」ポン

花陽「ぴゃぁぁぁぁぁぁぁっ!」サッ

真姫「また隠れて……」ハァッ

凛「う、ううううう海未ちゃん!? こんなところで、なななななぁにしてるにゃ?」アハハッ

海未「何って、あなたがいつになってもジャージを返してくれないから取りに行ったんですよ?」 クビカシゲ

海未「そしたら、クラスの方がこちらだと教えてくれたので……」

凛「あ、あー! そういえば返してなかったにゃ」

海未「まったく、しっかりしてくださいよっ。穂乃果じゃないんですから」ハァッ

凛「さすがに穂乃果ちゃんと一緒にされるのは心外だにゃ」ムスー

海未「そうなりたくなければ借りた物はちゃんと返して下さい」ハァッ

海未「ほら? あなたの教室に行きますよ?」

真姫「待ってください、海未先輩っ!」

海未「はい、なんでしょうか?」ニコッ

真姫「海未先輩には好きな人や付き合ってる人はいますか?」

海未「なっ────//////」カァーッ

凛「にゃっ?」キョトン

花陽(ま、真姫ちゃん!?)ドキドキッ

真姫「どうなんですか!?」

海未「い、いませんよっ! な、なんですか急にっ!?//////」アセアセ

真姫「じゃあ、もし、真剣に……あなたのことを真剣に想う子がいたら、その子と真っ直ぐ向き合ってくれますか?」キッ!

花陽(ま、まきちゃぁんっ!?)アワアワ

海未「ど、どういうことですかっ!? 質問の意図がわかりません!///」プイッ

真姫「大事なことなんですっ! 答えて下さいっ!」ジッ

海未「…………そ、それはもちろん。お、お手紙などを頂いた時なども返事は返していますし//////」テレテレ

花陽「────っ!」ギュッ


キーンコーンカーンコーン!


海未「────って、予鈴がなってしまいました! ほら、急いでくださいよ凛!」グイッ

凛「にゃぁぁっ! 引っ張らないでぇ……」


がちゃ! ばたーんっ!


真姫「…………ふぅっ、緊張したわ」ドキドキッ

花陽「まままま真姫ちゃん!? なんであんなことを!?///」ガバッ!

真姫「ふんっ! 宣戦布告よ」クルクルッ

花陽「せんせんふこくぅっ!?」アワアワ

真姫「花陽はあの人のことをどのくらい知ってるの?」

花陽「ど、どのくらいって全然……」

真姫「────園田 海未。実家は日舞の家元で、道場を経営している」

花陽「え!?」

真姫「特技は日舞と剣道。所属している弓道部でも目を見張る成績を残しているわ」

花陽「そ、そうなんだ…………」

真姫「かといって成績も悪くない。文武両道を素でこなすスーパー女子高生……」

花陽「詳しいね、真姫ちゃん」ボーゼン

真姫「そして、後輩からの人気が凄まじく、他校からも海未先輩を尋ねて音ノ木坂に来る人がいるくらいなのよ」

花陽「へぇ、すごいねぇ」ニコニコッ

真姫「すごいねぇ、じゃないのっ!」ズイッ

花陽「ま、真姫ちゃんこわいよぉ~」アハハッ

真姫「もうっ! ライバルは大勢いるのよ?」

花陽「でも、花陽なんかじゃ……」シュン

真姫「……海未先輩、誰かに取られちゃってもいいの?」フンッ

花陽「そ、それは……でも、それで海未先輩が幸せなら……」ウジウジ

真姫「……花陽? ちゃんと言いたいこと、言えるようになんなきゃだめよ」

花陽「うぅっ、でも……」ウツムキ

真姫「それに……何もしないまま誰かの幸せを願うなんて、逃げてるのと一緒よ?」

花陽「────っ!」

真姫「ね? やるだけやってみましょ? 私と凛も出来る限り協力するから」ンフッ

花陽「真姫ちゃん……っ!」ウルウル

真姫「花陽の幸せ、応援させてよ?」ウインクパチッ

花陽「────わかりました。花陽、頑張ります!」グッ!

真姫「ええっ!」ニコッ

花陽「頑張って海未先輩とお付き合いを……っ!」

真姫「花陽ぉっ!」パァァ

花陽「…………や、やっぱりまずはお友達に……っ!」グッ!

真姫「…………ええ、そう、ね」ハァッ




◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆


◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆


放課後


◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆


──学院内廊下──


花陽「えぇっと、この辺なんだけど……」キョロキョロ

真姫「もう、さっきからそればっかりじゃない」ハァッ

花陽「ごめんね、付き合ってもらっちゃって」アハハッ

真姫「別にいいわよ。好きでやってることだし、それに花陽が変な部活に入っちゃったら大変だわ」キョロキョロ

花陽「ありがとう、真姫ちゃん」ニコッ

真姫「あ、あれ? これってもしかして…………?」キョトン

花陽「どうしたの? ここ、生徒会室だよね?」キョトン

真姫「いや、そっちの貼り紙じゃなくてその裏に隠れてるプレートに……」ピラッ

花陽「あ、アイドル研究部って書いてあるね」

真姫「こんなのわかるわけないじゃない」ジトーッ

花陽「もしかして……アイドル研究部ってなくなっちゃったのかな?」アハハッ

真姫「とにかく入ってみましょ? 中の人に話を聞けばいいじゃない?」

花陽「う、うん…………」オズオズ


がらがらばしーんっ!


真姫「あのー、すみません。アイドル研究部はこちらで…………」


にこ「絵里! そっち終わった!?」

絵里「いま終わった! にこ、チェックお願いねっ!」ウインクパチッ

にこ「ほいきた!」

にこ「希? こっちの書類は終わったわ! 過不足があると思うからチェックして、最後に絵里に判を貰って!」スッ

希「合点承知やんっ!」


花陽「す、すごい……高校の生徒会って忙しそうなんだね…………」アワアワ


にこ「────っ!」

にこ(あの子…………)


真姫「────あのっ! こちらアイドル研究部で間違いないですか!?」

希「お客さん?」

絵里「あなたたち一年生よね? 今は作業中で忙しいの。悪いんだけど出直して────」

にこ「────作業はもうすぐ終わるわ。座って待ってなさい」スッ

絵里「にこ…………」

花陽「あ、ありがとうございます」オズオズ

真姫「…………ありがと」ストン

にこ「絵里? あんたはそんな言い方だから氷の生徒会長とか言われちゃうのよ?」

絵里「なっ! 私は────」ガタッ!

にこ「大丈夫、にこはわかってるから」ウインクパチッ

にこ「この子たちのことを思って言ったのよね? 待ってて貰ったら時間がもったいないもん」ニコッ

絵里「…………さすがにこね」クスッ

希「にこっちはなんでもお見通しやんな!」ニシシッ

にこ「さっ! ペース上げてくわよ! 終わったら美味しいお茶とお菓子が待ってるわ!」

絵里「にこ! 今日のお菓子は?」

にこ「あんたの大好きなチョコレートと希が最近はまってるお饅頭よっ!」

絵里「ハラショー!」

希「いいやんっ!」


まきぱな「「…………」」

まきぱな((入るところ間違えた?))

真姫「ま、まぁ。もし違うならアイドル研究部がどこにあるのか聞けばいいわよね」クルクルッ

花陽「う、うん。そうだね」アハハッ


◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆


にこ「────はい、お茶どうぞ」スッ

花陽「ありがとうございます……」ペコッ

真姫「ありがとう……」クルクルッ

にこ「それで、アイドル研究部に何か用? 私が部長の矢澤 にこよ」ニコッ

花陽「え!? あなたが部長!?」ガタッ!

にこ「なによ? その驚き方は」ジロッ

真姫「こ、高校生なの……?」

にこ「ぬぁんでよっ!」バンッ!

絵里「さすがにこね」ズズッ

希「美味しいなぁー♪」モグモグッ

真姫「とりあえず、部活が存在していて良かったわね」

花陽「う、うん」

にこ「コホン。とりあえずウチの部員を紹介するわね」

にこ「金髪の方が絢瀬 絵里。エセ関西弁が東條 希よ。ま、生徒会の挨拶があったから知ってると思うけど」

花陽「あ、あの……私、部活見学に来たんです。小泉 花陽といいます」

にこ「…………アイドル好きなの?」

花陽「は、はいっ!」グッ!

にこ「……ツリ目のあんたは?」チラッ

真姫「西木野 真姫よ。私はこの子の付き添いよ」

にこ「そう。じゃあまずは二人とも見学ってことでいいわね」


絵里「────っと言っても、今日は会議の予定だったからあんまり楽しくないわよ?」

花陽「え、そうなんですか?」キョトン

希「花陽ちゃんたちがそれでもいいならいいけど?」ニコニコッ

真姫「…………どうする?」クルクルッ

花陽「だ、大丈夫です! アイドルに関することなら会議でもなんでも……!」キッ

にこ「ふーん…………」プイッ

絵里「じゃあさっそくはじめましょう?」ワクワク

希「部長! 今日の議題はなんですか!?」ワクワク

にこ「ふふんっ♪ 今日の議題は…………これよっ!」バンッ!

希「おー!」

絵里「これは……っ!」

花陽(ポスター?)

にこ「そう! オトノキにあらわれたスクールアイドル、μ'sのことよ!」ニコッ

真姫「μ'sって…………ん? ねえ、花陽! これって…………」ユビサシッ

花陽「え? ……あっ! う、海未先輩…………っ!?///」

希「おっ! 知ってるん?」

絵里「ハラショー! さすが見学に来るだけのことはあるわ!」ハラショー

花陽「いや、その…………」

にこ「二年生の高坂 穂乃果を中心としたグループよ。ビジュアルも能力も二年でトップクラスの三人だわ」ゴクリッ

絵里「にこが一目置くのもわかるわ」

希「えりち?」

絵里「実際の三人をみたけど凄まじいほどの可愛さだったわ」キリッ

希「そやね。うちも南 ことりちゃんと喋ったけどヤバかった。マジでヤバかったわ」

にこえり「「南 ことりとお喋りしたの!?」」ガタッ!バンッ!

まきぱな「「ひっ!」」ビクッ

希「お、落ち着いて二人とも! 部活申請の出し方聞かれただけやん!」

にこ「でもでも! それってすごくない!? 二年の南 ことりよね!?」ワクワク

絵里「すごいなんてもんじゃ…………

ん? ちょ、ちょっと待って。あの子たち部活を立ち上げるつもり?」

希「そうみたいよ? アイドル部を立ち上げるんだって…………」

にこ「アイドル部かぁ! 凄いわね!

リーダーの高坂 穂乃果は行動力がすごくあるって聞いてるわ」

絵里「ちょ、ちょっと待って! ここ、何部!?」

にこ「…………? アイドル研究部にこよ?」キョトン

希「えりち、どうしたん?」キョトン

絵里「どうしたもこうしたもないわよ! アイドルに関する部活はこれ以上増やせないわよ?」

のぞにこ「はぁぁぁあっ!?」


花陽「そ、そうなんですか?」

真姫「まあ、当然よね。同じような部活が複数あるっておかしいもの」

花陽「じゃあどうするの?」

真姫「さあ? それはわからないけど…………」


にこ「どうにかなんないの絵里!?」ガシッ!

希「そうやん! μ'sの三人が活動出来なくなってまうやん!」グイグイッ!

絵里「わ、わかった! わかったから落ち着いて! 揺らさないでぇ!」グワングワン


花陽(…………こうして、絵里先輩が案を考えるということで今日の部活は終了しました)

花陽(明日は屋上に集合らしいです)

花陽(だけど花陽は…………)


◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆


──アイドルショップ前──


花陽「…………はぁ」トボトボ

花陽(なんとなーく来ちゃったけど。今日は気分じゃないなぁ)

花陽(……μ's、かぁ)


「────なよ?」


花陽(海未先輩がアイドルかぁ。きっと、凄い人気になっちゃうんだろうなぁ)


「────花陽っ!」


花陽「ぴゃぁぁぁあああああっ!?」ビクッ

にこ「なんて声出してんのよあんたは」ハァッ

花陽「に、にこ先輩!? お疲れ様です」ペコッ

にこ「あー、はいはい。そういうのいいから」ヒラヒラ

花陽「先輩はアイドルショップに?」

にこ「うーん…………まあ、そんなところかしらね」

花陽「そう、ですか」アハハッ

にこ「そういうあんたはどうしたのよ? なんだか元気がないじゃない?」

花陽「そ、そんなことな────」


ぐーっ。


にこ「……いまのあんた?」

花陽「は、はうぅぅっ///」カァーッ

にこ「…………仕方ないわねえ」ハァッ

にこ「これ、あんたがかわりに行ってきてよ」スッ

花陽「これは……おはぎ無料券?」キョトン

にこ「今日のお茶菓子あったでしょ? 『穂むら』ってお店で買ったんだけど」

花陽「あ、はい。たまにお母さんがおはぎを買ってきてくれます」

にこ「じゃあ、場所はわかるわね。行ってらっしゃい」ヒラヒラ

花陽「え!? い、いいんですか?」キラキラッ

にこ「いいのよ。お腹を空かせた後輩を助けるのも先輩の役目だもの」

花陽「はうぅぅっ……///」カァーッ

にこ「それに、あんたにはまだお詫びもできてなかったしね」プイッ

花陽「お詫び?」キョトン

にこ「じゃ、また明日学校で」ヒラッ

花陽「え、あ…………」

花陽「…………なんのこと、だろう」



◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

ここまで。

また次回。

コメントありがとうございます。

更新します。

──穂むら──

がらがらーっ。


花陽「…………」ソロー


「いらっしゃいませーっ!」


花陽「ぴゃぁっ!」ビクッ

穂乃果「いらっしゃいませお客様! ゆっくり見ていって下さいねっ♪」ニコッ

花陽「は、はいっ」

花陽(げ、元気な店員さんっ)ドキドキッ

穂乃果「あっ! もしかしてオトノキの一年生?」ニコニコ

花陽「あ、はい…………」

花陽(……あれ? この人どこかで…………)

穂乃果「そっかぁ! だったら穂乃果の後輩だ! サービスしちゃうよぉ~」ニヘラッ


『二年生の高坂 穂乃果を中心としたグループよ』


花陽「────μ's」

穂乃果「おっ! μ'sのこと知ってるんだ!」キラキラッ

花陽「あ、いや、そのっ」アワアワ

花陽(思わず声に出ちゃった…………)

穂乃果「そっかぁ! ついに穂乃果たちも有名になったんだね! これで廃校も────」


「────穂乃果? どうかしましたか?」

花陽「ぴゃっ!」

花陽(そ…………)

穂乃果「あ! 海未ちゃん! この子音ノ木坂の子でμ'sのこと知ってて! それで可愛くて────」

海未「穂乃果、落ち着いてっ」ハァッ

花陽(────園田 海未先輩っ!)

海未「お客様がびっくりされていますよ?」

穂乃果「あははっ。ごめんごめん! でも、つい嬉しくってさ!」アハハッ

海未「もう、穂乃果ったら」クスクスッ

花陽(わっ────)ドキッ

海未「…………たしか、小泉さん。でしたよね? 今日はどうしたのですか?」ニコッ

花陽「あ、えと、その…………//////」

花陽「これ、先輩に貰って……それで…………///」ウツムキ

穂乃果「これ、うちのサービス券だ」

海未「あら? 穂むらの和菓子、好きなのですか?」

花陽「あ、えと────」

穂乃果「────そうだ! ねえ、小泉さんのお名前は!?」グイッ

花陽「ぴゃっ!? は、花陽は小泉 花陽です……」

穂乃果「花陽ちゃん! せっかくだから上がっていって!」ギュッ

花陽「えぇっ!?」

海未「穂乃果? 急になにを…………」

穂乃果「おはぎ、たくさんあるよ?」ニコッ

花陽「お、おはぎがたくさん…………! 是非お願いします!」ギュッ

穂乃果「やったね! じゃあ海未ちゃん、案内よろしくー! 穂乃果はもうちょっとしたらいくから!」ニシシッ

海未「…………まったく、食べ物で人を釣るなんて」ハァッ

花陽「す、すみません! 釣られる花陽が悪いんです! 高坂先輩は、悪く……ない、ですっ」

海未「あら? ふふっ♪ 優しいんですね」クスクスッ

花陽「…………そ、そんなんじゃ///」カァーッ

海未「さ、穂乃果の部屋は二階ですよ。こちらへ来てください」

花陽「は、はいっ!」



◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆


──穂乃果ちゃんの部屋──


ことり「うーん、ここはこうかなぁー」モグモグッ


がらっ。ぱたん。


海未「ただいま戻りました」

花陽「お、お邪魔します……」オズオズ

ことり「おかえりー♪ あれ? その子は? 一年せ────」

海未「こ、ことりぃ!?」バンッ!

ことぱな『ひゃっ!?』

海未「それ……私のお饅頭じゃないですか?」ユビサシッ

ことり「え? …………あ、あぁぁぁっ!?」

海未「どうして食べたのです!? これは私のですよーってこちら側に寄せて置いたではありませんか!」バンッ!

ことり「あ、あはは……。つい、勢い余っちゃって」

海未「笑い事ではありません! それに、勢いが余った割には全く作業が進んでないではないですかっ!」

ことり「そう言われても……どうしよう、一年生ちゃん?」ウルウル

花陽「ぴゃぁぁぁぁ…………っ///」

ことり「一年生ちゃん???」


がらっ! ばしーんっ!


穂乃果「もうっ! 海未ちゃん静かにしてーっ!」プンプン

海未「ほ、穂乃果!?」

穂乃果「お饅頭なら後で持ってくるから! 静かにして! お客さんに笑われちゃったじゃんっ!」プンプン

海未「あうっ、き、聞こえてしまっていましたか…………すみません///」

花陽「ぴゃぁぁぁぁっ……///」

ことり「……ふむふむ」

穂乃果「もう少しで落ち着くから。少し待っててね」ニコッ


ぱたん。


海未「す、すみませんことり。我を失ってしまって……小泉さんも…………」シュン

花陽「ぴゃぁぁぁぁっ! そそ、そんなことぉぉぉ!///」

ことり「ほー、これはこれは……」ジーッ

海未「少し、頭を冷やして来ます」スッ


がらっ。ぱたん。


花陽「あ、園田先輩…………行ってしまいました」シュン

ことり「まあ、座って座って。海未ちゃんはほら、お饅頭に目が無いの」ニコッ

花陽「そ、そうなんですね……お、覚えとこう///」ボソッ

ことり「私は、南 ことり。一年生ちゃんのお名前は?」ニコッ

花陽「は、花陽は小泉 花陽……です」ウツムキ

ことり「花陽ちゃんかぁ。可愛い名前だね。

愛称とか、ないの?」


花陽「愛称……凛ちゃ……あ、友達はかよちんって、呼んでくれます」

ことり「うふふっ♪ ますます可愛いっ♪

よろしくね、かよちゃんっ♪」ニコッ

花陽「こ、こちらこそよろしくお願いします。…………南先輩」ペコッ

ことり「もー! 気軽にことりちゃん、もしくはお姉ちゃんって呼んでよかよちゃぁん♪」

花陽「お、お姉ちゃん!?」

ことり「そうそう! そんな感じ!」グッ!

花陽「む、無理ですよぉ……先輩に……失礼です」ウツムキ

ことり「別に気にしないよ! あ、あと敬語も使わなくて大丈夫だよっ♪」

花陽「え、えぇぇぇっ!?」

ことり「さて、本題だけど…………ズバリ!

かよちゃんは海未ちゃんのことが好きなんだね!」ビシッ

花陽「ぴゃぁぁぁぁっ!!! /// な、なななんでっ!?」

ことり「さっきは色んな表情の海未ちゃんが見られて興奮してたんだね!」ビシッ

花陽「ぴゃぁぁぁぁっ!!! だめ、南先輩、声が大きいですよぉ……///」ソワソワ

ことり「南先輩…………?」 クビカシゲ

花陽「…………あ、う…………///」

ことり「んーーー? ことりは別に大きな声で喋っても良いんだよぉー?」ニコニコ

花陽「──こ、ここ、ことりお姉ちゃん!/// 小さい声で、お願い……///」カァーッ

ことり「うふふっ♪ いい子だねぇ~」ナデナデ

花陽「あうっ///」

ことり「それで、かよちゃんは海未ちゃんのどこが好きなの?」

花陽「えっと、そう言われると……」


がらっ。ぱたん。


穂乃果「話は聞いたよっ!」ニコッ

花陽「高坂先輩!?」ビクッ

ことり「ほのかちゃんっ♪」

穂乃果「これはもう穂乃果たちが花陽ちゃんのキューピッドになるしかないね!」グッ!

ことり「さすが穂乃果ちゃん! 話が早くて助かりますっ♪」ニコッ

花陽「えっ!? えぇっ!?」

穂乃果「じゃあ花陽ちゃんもμ's入ろ?」ニコッ

花陽「どうしてそうなっちゃうのぉっ!?」バンッ!

穂乃果「だって、可愛いでしょ? アイドル」

花陽「意味がわかりませんっ!」

ことり「まあまあ、落ち着いてよかよちゃん」ズズッ

穂乃果「そうそう、追加のお饅頭持ってきたから。

これでも食べて海未ちゃんとの出会いを────」


がらっ。


海未「──穂乃果? お饅頭、持ってきてくれたのですね」パァァ

花陽「ぴゃっ!」

穂乃果「あちゃー」アハハッ

ことり「詳しい話はまた今度だねっ♪」クスクスッ

海未「……? なにかありましたか?」キョトン

花陽「なっ、なんでもないです! なんでもっ!」アワアワ

海未「なら、よいのですが……」

穂乃果「ほら、海未ちゃん座って座って!」

ことり「せっかくだからみんなでお話しようよっ♪」

花陽「あのっ、先輩達、何か作業していたんじゃ……」

穂乃果「いーの、いーの。

それよりもー……花陽ちゃんの話が聞きたいなっ!

ねえ、花陽ちゃんはどうして音ノ木坂に入ったの?」

花陽「え、えっと……花陽は────」


◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

──二人の帰り道──


海未「すみません。穂乃果とことりが色々と……」テクテク

花陽「い、いいんです! 私も楽しかったですから」テクテク

花陽(それに──)

海未「そうですか? なら良かったです」ニコッ

花陽「は、はい……」

花陽(──先輩と、少し仲良くなれた……気がするし)

海未「ふふっ♪ やっぱり似てますね」

花陽「似てる?」キョトン

海未「ええ。小泉さんは……なんだか似てるのです。

穂乃果とことりに」

花陽「えぇっ!? は、花陽が!?

そんなわけないですっ!

地味でちんちくりんな花陽が……お姉さまたちに似てるなんて…………っ///」

海未「そうですか? だから二人も小泉さんを気に入ったのかと思いましたが……」テクテク

花陽「い、いえ! それはきっと、その…………」ゴニョゴニョ

海未「……? まあ、続きはまた今度、ゆっくりと。

私、こっちなので」ニコッ

花陽「あ、はいっ! 先輩、今日はすみませんでした。

作業を中断させてしまって……」

海未「…………大丈夫ですよ。

きっと、今日のことは穂乃果の力になりますから」ボソッ

花陽「えっ?」キョトン

海未「なんでもありませんよ。

それでは、ごきげんよう」ニコッ

花陽「あ、ごきげん、よう…………」ヒラッ



花陽(────花陽が穂乃果先輩の力に?)

花陽「どういうこと、かなぁ……?」


◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆


◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆


次の日、お昼休み


◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

──一年生教室──


真姫「ねえ、花陽は今日、どうする?」

花陽「なにが?」モグモグッ

真姫「部活よ部活よ。話聞いてなかったの?」ハァッ

花陽「あ、ごめん。もうちょっとで食べ終わるから……」

凛「かぁよちんはご飯食べてる時は人の話聞いてないにゃ。

真姫ちゃんもいい加減に慣れるにゃ」アハハッ

花陽「そ、そんなことないよぉ~///」

真姫「実際、聞いてなかったじゃない…………ん?」


「だーれだっ♪」メカクシ


花陽「ぴゃあっ! く、暗いっ! 凛ちゃん! 真姫ちゃん! どこにいったのぉっ!?」アワアワ

凛「あははっ! 凛はそんなかよちんも好きだよ?」アハハッ

真姫「花陽、落ち着いて。目隠しされてるだけよ」

花陽「────あっ、そっか!」

ことり「じゃーん! ことりでしたー!」パッ

花陽「ぴゃっ!? ことり先ぱ……お姉ちゃん///」カァーッ

ことり「よしよし、良く言えましたー♪」ナデナデ

花陽「えへへーっ///」

凛「にゃぁっ!? ことりちゃんとかよちんは姉妹だったにゃっ!?」

真姫「んなわけないでしょ…………って、凛。

南先輩と知り合いなの?」キョトン

凛「海未ちゃん家でたまに遊ぶんだぁっ!」

ことり「ねーっ♪」ニコニコ

花陽「そ、そうだったんだ……」

真姫「ふーん。それで、南先輩は何の用でここに?」クルクルッ

ことり「お昼食べてる時にごめんね。

ちょっとかよちゃんに、ねっ♪」

花陽「花陽ですか???」


◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

──屋上──


花陽「────試合?」キョトン

ことり「そう、試合。剣道の」ニコニコ

凛「あー、海未ちゃんたまにやってるよね」

ことり「みんなで応援したら海未ちゃん頑張っちゃうと思うんだけど……。

ダメかな?」

凛「凛はいいよ。かよちんもいこーよ」ニコッ

花陽「わ、私もっ!?」

真姫「そうね。二人で行って来たら?」

花陽「え、真姫ちゃんは?」

真姫「私はその……行けたら行くわ」プイッ

凛「えー? なにそれー? 真姫ちゃんも行くにゃっ!」

ことり「まあまあ、凛ちゃん。

西木野さんは予定があるんだよ、きっと」クスクスッ

凛「ふーん、そうなんだぁ」

ことり「じゃあ、場所とか連絡するから来られる人だけ来てね」ニコッ

まきりんぱな「「はーい」」


◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆


放課後、アイドル研究部


◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆


──屋上──



ワンツ-スリ-フォ-
コトリ!オオキクウゴイテ!


花陽「あわわわ……」アワアワ

にこ「えー、では今日の部活を始めるにこ」

真姫「…………こ、ここで部活するの?」

絵里「よっ! 部長! 今日の部活はなんですかっ!」

希「よっ! 部長! 今日も可愛いですよ部長!」


ホノカハオオキスギデス!
モットテイネイニ!


にこ「な、何言ってんのよあんたは///」

絵里「そうよ、希。ずるいわよ?

私だってにこにか、可愛いって言いたいもの……///」

にこ「いや、そうじゃなくてね///」

真姫「ちょっと、コントはいいから。

ほら、花陽もなにか言ってやってよ」

花陽「ふぇっ!? なにかって!?」

真姫「……もう、私が言いたいのは────」

希「μ'sが練習してるとこで部活していいの? ってことやんな?」ニコッ

真姫「わかってるなら部長に伝えてよ」ハァッ

希「まー、仕方ないね。にこっちはずっとこの場所で練習してきたから」クスクスッ

花陽「練習って、なんのですか?」キョトン

にこ「はいはーい! おしゃべりお終い!

みんな、体操の隊形に開いてー」パンパンッ

のぞえり「「はーいっ♪」」

真姫「え、なに?」オロオロ

花陽「ど、どうしよう……」オロオロ

にこ「一年生は適当で良いわよ。

にこのポーズを見て自分で考えて欲しいんだけど……ま、とりあえず見てて。

出来そうだったら、やってもらうから」


まきぱな「「ぽ、ぽーず???」」

にこ「じゃあ行くわよ────


にっこにっこにー☆」ニコニーポーズ


のぞえり「にっこにっこにー!!!」」ニコニーポーズ


にこ「あなたのハートににこにこにー☆ 笑顔届ける矢澤にこにこー♪

にこにーって覚えてラブにこー☆」


のぞえり「「うおぉぉぉぉーーーーっ!」」


真姫「えぇ……?」

花陽「ぴゃあぁ……///」


絵里「さすがにこ……今日も可愛いわね」ゴクリッ

希「レベルが違うよね」ゴクリッ

にこ「なにいってんのよ! ほら、次は絵里よ!」


絵里「かしこいかわいいーーー?」


のぞにこ「「えりーちかぁぁぁっ!!!」」


絵里「ハラショー!」


のぞにこ「「ひゅーひゅー!」」


真姫「えぇ……?」

花陽「ぴゃあぁ……///」

にこ「なかなか良くなってきたわね。

じゃあ次、希!」


希「ほな、いくよー?

希パワーたーーーっぷり注入!

はーい、プシュッ☆」


にこえり「「いただきましたーーーっ!」」


真姫「えぇ……?」

花陽「ぴゃあぁ……///」


にこ「テンション上がってきたわねっ!!!

じゃあ次は一年生!

できそう!? やれそう!?」


花陽「に、にっこにっこにー///」

にこ「おぉーっ!」パチパチッ

絵里「ハラショー!」パチパチパチッ

希「いいやんっ!」

にこ「じゃあ次、真姫!」ビシッ

真姫「わ、私……無理…………///」プイッ

にこ「心配しなくても大丈夫よっ!

次の全体練習で徐々に慣れていけばいいわ。

花陽も少しずつ恥じらいを捨てて行きましょう?」ニコッ

花陽「は、はいっ!///」

真姫「うぅっ…………なによこれぇ///」

にこ「じゃあ次、そこのあんたっ!」

穂乃果「はいっ! にっこにっこにーっ☆」ニコッ

まきぱな「「…………へっ?」」

絵里「ハラショー!」パチパチッ

希「…………あれ?」

にこ「すごいじゃない! あんた素質あるわ」

穂乃果「ありがとうございます部長!」

希「なー、にこっちぃー?」ツンツン

にこ「でもまだ腕の角度が甘いっ! もっと体全体で……」

希「なーなー、にこっちぃー?」ツンツン

にこ「なによ! いま一年生に教えてるんだからっ! 邪魔しないでっ!」ウガー!

希「いやいや。よく見てみーにこっち。

この子一年生じゃなくて…………」

にこ「はぁ? 何言って…………」

穂乃果「えへへっ♪ 褒められちゃった♪

こうかなかよちゃん?」ニコニーポーズ

花陽「せ、先輩? ここでなにして────」


にこえり「「高坂 穂乃果!?」」


穂乃果「むー、かよちゃん?

どうしてことりちゃんのことはお姉ちゃんって呼ぶのに穂乃果は先輩なのー?」ブスー

花陽「ご、ごめんね。穂乃果……ちゃん?///」

穂乃果「うんっ! よく出来ましたっ!」ナデナデ

花陽「えへへーっ♪///」

希「穂乃果ちゃん、何しにきたん?」

穂乃果「希先輩! なにやらみなさんが楽しそうなことをしていたのでつい」アハハッ

真姫「別に楽しくなんかないわよ……」ハァッ

穂乃果「あっ、西木野さん……真姫ちゃんもいたんだ」

真姫「気付くの遅すぎっ」プイッ


にこ「ちょっとちょっとあんたっ!

うちらの島で何やってんのよっ!」スチャッ

絵里「そうちか! ここはアイドル研究部の縄張りよ!」スチャッ


真姫「な、なんでサングラスなの?

希せんぱ…………ひっ!?」

希「…………」スチャッ

花陽(あれ? こんな人、最近見たことあるような……) クビカシゲ

穂乃果「え、あっ、ごめんなさい……」シュン

にこ「ちょっと! 落ち込んじゃったじゃない!

どうにかしなさいよ!」ヒソヒソッ

絵里「えぇっ!? 私っ!?」ヒソヒソッ

にこ「あんた生徒会長でしょーが!?」ヒソヒソッ

絵里「関係ないでしょっ!?」ヒソヒソッ

希「落ち着いて二人とも。うちに任せときっ!」ヒソヒソッ

えりにこ「「スピリチュアルのぞみん!」」


希「穂乃果ちゃん。先ほど君は楽しそうと言ったね?」スチャッ

穂乃果「は、はいっ。みんなで元気に声を出していて……すごいなぁって!」キラキラッ

希「そうか……部長も穂乃果ちゃんのことを評価していた。

良かったらアイドル研究部に入らないかい?」スチャッ

穂乃果「いいんですかっ!?」

にこ「ぬぁんで勧誘してんのよっ!」ウガー!

希「だがにこ二等兵。彼女は優秀だ」

絵里「そうよにこ二等兵。おまけに可愛いしとってもチャーミングだわ」

にこ「ロシア語で言いなさいよ。なによチャーミングって」

穂乃果「あの、部長さん?」

にこ「にこにーよ」ハァッ

穂乃果「にこにー! 穂乃果たちはμ'sの活動としての場に困ってて、それで…………」


海未「穂乃果! なにをしてるんですか!?」


花陽「────っ!」ドキッ

真姫「園田先輩…………」


ことり「どうしたの海未ちゃ────穂乃果ちゃん?」

にこ「どうもこうもないわよっ!

この子、連れて帰って!」プイッ

穂乃果「えーっ! そんなぁ~」シュン

凛「穂乃果ちゃーん! 飲み物買ってきたよ…………

あれ? かよちん? 真姫ちゃんも……こんなところでなにしてるの?」キョトン

花陽「り、凛ちゃん? 陸上部は?」

凛「見学してても、なんだかつまらなくて……海未ちゃんたちのところに遊びにきちゃった♪」アハハッ

真姫「あなたねぇ……」ハァッ

海未「穂乃果? 私たちが飲み物を買ってくるまで待っているという約束だったでしょう?」

穂乃果「だってだってー!

かよちゃんたち、楽しそうだったんだもん」プクー

ことり「まあまあ。

楽しそうだったら居ても立っても居られないよ、穂乃果ちゃんは」クスクスッ

希「じゃあ、みんな揃ったところで話の続き。

アイドル研究部に入らない?」ニコッ

ことうみ「「へっ?」」

凛「にゃっ?」


にこ「ちょっ!? えりぃー!」

絵里「落ち着いて、にこ」

にこ「絵里?」

絵里「希の話……しっかり聞いていて。ね?」

にこ「…………わかった」

海未「アイドル研究部……ですか?」キョトン

ことり「どんな部活なんですかぁ?」

希「文字通り、アイドルを研究する部活だよ」

海未「アイドルを…………」

ことり「研究…………?」

希「穂乃果ちゃんたちはμ'sとしての活動の場を探してるんやろ?

けれど音ノ木坂学院にはすでにアイドルに関する部活がある。

だから他に部を作ることは出来ないやん?

だったら、そこしかないんじゃないかな?

μ'sの居場所は」

海未「そうして頂けるなら、私たちはありがたいですが…………」チラッ

にこ「…………」プイッ

希「なぁ、にこっち?」ニコッ

にこ「……なによ」

希「うちずっと想ってたん。

『あんなこと』があって。

えりちと一緒に入ったアイドル研究部。

三人で毎日いろんなことをして……。

とってもとっても楽しかった」

絵里「……私も。生徒会の仕事がこんなに楽しいものだとは思わなかったわ」クスクスッ

にこ「にこだって、まあ…………」

希「────だけど、この時間はいつか終わるんよ」

にこ「────っ」

希「だからうちはこの限られた時間の中で、

なにか残したい。

えりちとにこっちと一緒に過ごした音ノ木坂学で。

最後に作りたいんよ。

どんな青春よりも輝く…………

いつまでもキラキラした想い出を」

にこ「それって────」

希「そうっ!」カードピッ!

穂乃果「太陽の、カード?」 クビカシゲ


希「スクールアイドルやらへん?

────みんなでっ!」ニコッ


花陽「…………えっ?」キョトン


「「えぇぇーーーーーっ!?」」


花陽(────なにやら、大変なことになってきました……)

花陽(花陽が……アイドル?)

花陽(…………みんなで?)


◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

今日はここまで。

また、次回。

コメントありがとうございます。

更新します。


──ファーストフード店──


凛「いやー、副会長さんにはビックリしたよね。

急にあんなこと言うんだもん」アハハッ

花陽「み、みんなでアイドル、だもんね」

真姫「そうよね。話が急すぎるわ」モグモグッ

にこ「ほんっと希にも困ったもんよね」ヒョイッパクッ

真姫「あーっ! ちょっとにこちゃん!

私のポテト勝手に食べないでよ!」バンッ!

にこ「いいじゃない、ポテトくらい!

ていうかなによにこちゃんって!

一応先輩なんだけどっ!」

真姫「…………」プイッ

にこ「無視しないでよっ!」ガタッ!

凛「まーまーにこちゃん、落ち着いて。

こうして一年生みんなで集まったんだし。

楽しくお話するにゃっ☆」ニコッ

にこ「誰が一年生よ誰が!

にこはどこからどうみても三年生でしょうが!」ウガー!

凛「ねえ、かよちん。

凛って三年生に見える?」

花陽「え、えっと……凛ちゃんは一年生、かな?」オズオズ

凛「ねえ、にこちゃん。

凛たち、これからいい友達になれると思うんだにゃ。

四人で仲良し一年生なんだにゃ」ニコッ

にこ「なによそれ! にこがあんたよりちんちくりんだって言いたいわけ!?」

凛「違うよ。凛の二年後。

今と全然変わってなかったら嫌だなって。

凛はにこちゃんの存在を一年生にすることで、

そんな現実からは眼を逸らしたいだけだにゃ」

花陽「て、哲学…………?」

にこ「どっちにしろにこをバカにしてるんでしょ!?

むきーーーーーっ!!!」

真姫「その話はいいから!

それよりなによあの練習は!?

にっこにっこにー☆ って!

あんなのできるわけないじゃないっ!」バンッ!

にこ「あー」

花陽「た、たしかに! 花陽もなんの練習かは気になりました。

にこ先輩、あれは────」


にこ「────『笑顔にさせる』練習」


まきぱな「「え?」」

凛「────っ」

真姫「それって、どういう…………」

にこ「……仕方ないか。もう、みんな無関係じゃないもんね」ボソッ

花陽「にこ、先輩?」

にこ「少し、昔の話よ。

ま、にこの独り言だと思ってなんとなく聞いてくれればいいわ。

あれは、にこが一年生の時────」


◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆


◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇


──矢澤 にこ──


◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆


──生徒会室前、廊下──


にこ「────のぞみんっ!」トコトコ

希「おっ! にこっち、どうしたん?」クスクスッ

にこ「文化祭の講堂……使用許可、貰えたんだっ!

にこ、絶対頑張るよ!」ニコッ

希「おー、それは良かったっ♪

うちも応援行くからねっ!」ニシシッ

にこ「うんっ♪ 絶対来て!

…………ありがとう。

のぞみんが生徒会長さんにお願いしてくれたからだよ」ニコッ

希「そんなんじゃないよ。

うちはなにもしてない。

なにかしたのは────」

絵里「────ちょっと、そんなとこにいられたら入れないんだけど」

にこ「あ…………」

希「えりちっ! そんな言い方しなくてもええやんっ♪

いつものえりちみたいに優しくしてくれればいいのに」

にこ(絢瀬さん、ちょっと苦手)

絵里「別に優しくなんかないわ。

無駄なことは嫌いなだけ。

それと、その呼び方はやめて」プイッ

希「へー! じゃあ、この間の生徒会長との会話。

あれは無駄じゃないん?」クスクスッ

絵里「────っ! あ、あなた見てたのっ!?///」

にこ「わっ! 真っ赤…………」

絵里「し、しらないっ!///」プイッ

希「にこっち、とりあえずお礼言っとき?」ニシシッ

にこ「お礼? …………あっ」

にこ(そっか、絢瀬さんも────)

にこ「ありがとう、絵里ちゃんっ!」ニコッ


ガラガラッ(生徒会室のドアを開ける音)。


絵里「知らないって、言ったでしょっ!?///」


ピシャッ!


のぞにこ「「…………」」

希「なんか、かわいいね」

にこ「…………うん、可愛い」


◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆


ライブ当日


◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆


──舞台袖──


にこ「…………」チラッ

にこ「…………」ハァッ

にこ(お客さん、この前よりも入ってない)

にこ(────けど大丈夫)

にこ(のぞみんが……!

絵里ちゃんが協力してくれたんだもん!)

にこ(ここでたくさんファンを作って……にこはアイドルになるんだっ!)

実行委員「矢澤さん、出番ですよっ!

…………どうぞ!」

にこ「は、はいっ!」ダッ


にこ「に、にっこにっこにー☆

あなたのハートににこにこにー☆ 笑顔届ける矢澤にこにこー♪

にこにーって覚えてラブにこー☆」


◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆


花陽「そ、それで!?」

にこ「いやー、歌い出したまでは良かったんだけどね……」アハハッ

真姫「けど…………なによ?」チラッ

凛「真姫ちゃん、続きが気になってるにゃー!」

真姫「う、うるさいわね! いいでしょ別に!///」

凛「大丈夫にゃ! 凛も気になってるにゃっ!」ギュッ

にこ「…………なんか悲しくなってきたわ。

話すのやめようかしら」ハァッ

真姫「早くしなさいよっ!」ガタッ!


◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆


にこ「…………っ」


にこ(────だれも)


実行委員「ど、どうする? 音楽、止める?」アワアワ


にこ(だれもいなくなっちゃった)


実行委員「ど、どうしよう。

お客さんいないんじゃ────」


にこ「────止めて」

にこ(…………誰かに止められるくらいなら)

にこ「止めて下さい」

にこ(自分で終わりにする)

にこ「もう、これ以上やっても仕方ありませんから」スッ

にこ(アイドルを────)トボトボ


そう思った時だったわ。


「────待って!」


講堂の入り口から大きな声が聴こえたの。

にこ「のぞみん……」

希「どうして、止めるん……?」ハァハァッ

にこ「……だれも、いなくなっちゃったから」

希「いるよっ!」

にこ「──────っ」

希「ここにいるよ。

────たった二人だけど」アハハッ

にこ「ふた、り?」


今でもはっきり覚えてるわ。

希のはにかんだ笑顔と……。


希「えーりち♪ ほら、隠れてないで!」

絵里「…………」ヒョコッ


絵里の恥ずかしそうな顔は。


にこ「え、絵里ちゃん……?」

絵里「…………っ」ピカッ

にこ(さ、サイリュウム?)

絵里「……ピンク。イメージカラーって聞いたから」プイッ

にこ「────っ!」



その言葉で、にこの緊張は切れちゃったの。


にこ「のぞみぃぃんっ! 絵里ちゃんっ!

うわぁぁぁんっ!」ボロボロ

希「ちょっ、にこっち!?」ダッ

絵里「────っ」ダッ



…………そうして、ステージで泣きじゃくるにこを、

二人はぎゅっと抱きしめてくれたの。


希「大丈夫。ここにいるよ。

にこちゃんのファン。

にこちゃんの笑顔で元気になる人が。

……だから、笑って」ニコッ

絵里「…………そうよ。

そんな顔してたら、こっちまで悲しくなっちゃうじゃない」ギュッ



◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆


にこ「あとから気付いたのだけど、

その時の二人の手がすごく汚れていてね。

どうも時間一杯までライブのチラシを配っていてくれたみたいで…………」


まきりんぱな「「うっ、ぐすっ。…………ひっぐ」」ポロポロ


にこ「…………なに泣いてんのよ」ハァッ


凛「だ、だってーっ」グスッ

花陽「うぅっ、まさかそんなことがあったなんて……」ポロポロ

真姫「ふ、ふんっ! 私は泣いてないわよ……」グスッ

にこ「あー、はいはい。

それじゃあこれ、落ち着いたら読んでみてね」ペラッ

凛「なんにゃこれ?」

花陽「『にこにーにこちゃん』?」

真姫「……なによ、これ…………えっ?」

にこ「当時にこが歌った歌よ。

いまではアイドル研究部のテーマソングになってるわ。

来週、みんなで合わせるから。

曲のデータもスマホに送っておくから」ピッ

真姫「……………私、用事思い出したから」ガタッ

花陽「ま、真姫ちゃん!?」

花陽(真姫ちゃん、なんだか様子が……)

花陽「え、えと……あの…………」キョロキョロ

にこ「あー、気にしないで。

にこもそろそろ帰るから」ヒラヒラッ

凛「そうだよかよちん。

凛はもう少しにこちゃんと遊ぶから!

気にしなくてもだーいじょーぶー♪」ギュッ

にこ「ちょっとなにくっついてんのよ!?

やめなさいよ!」ウガー!

凛「いいからいいから!

ねぇ、なにして遊ぶ? ゲームセンター?」ニコニコッ

にこ「いや! にこも帰るんですけど!

ゲーセンとか行ってる時間ないんですけど!」

凛「じゃあ、にこちゃんのお家で遊ぼっか!

それならいいでしょ?」

にこ「ちょ、花陽!? この子なんとか────」

花陽「あ、あの。それじゃあお言葉に甘えて……。

にこ先輩! 来週もまたお願いします!」ペコッ

にこ「えぇぇっ!? どんなタイミングよそれ!?」

花陽「だって、こうなった凛ちゃんは止めるのが難しいので……ではっ!」ダッ

にこ「え、あ、意外と走るの早っ……じゃなくて!」

凛「ねーねー! にこちゃんのお家どこー?

ここから近いにゃ?」ニコニコッ

にこ「はーーーなーーーよーーーっ!

まちなさーーーいっ!」


◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

本日はここまで。

また次回、よろしくお願いします。

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