マッシブーン、高みにて待つ。 (9)

私は主とともに最強を目指し日夜戦っている。今日はその一部を諸君らに見せるとしよう。

私たちは常に挑戦者だ。気を抜くことは許されない。私は主を信頼し、主は私を信頼する。この思いはいつでも変わることはない。

どうやら私の出番が来たようだ、私の活躍をお見せしよう。

どうやら相手は仲間の力及ばず既に舞を六回積んだギャラドスのようだ、敵は既に勝利を確信したかのような表情をしている。私の力を思い知るがよい。

貴様の滝登りを我が大胸筋で受ける!驚いているな?貴様がようきであることは倒れた仲間が情報を残してくれていたのだ、食らえ。必殺ぜんりょくむそうげきれつけん。

こうしてまた1歩最強へ近づいた、だがこの程度では足りない。この世界にはさらに強いやつが沢山いるのだから。

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私はベンチにいる時でも鍛錬を欠かさない。ある時共にベンチを守っていた仲間がこう言った。

「マッシブーン、俺はそろそろこのパーティーを離れる。ここから先では御主人に迷惑をかけちまう」

共に戦っていた彼の悩みを理解していたにも関わらず、何も出来なかった自分が憎らしい。

わかった。ではお前が再び戻ってくるまで私はこの場所を守っているとしよう。

それが私がやっと思いで言うことができた彼への別れの言葉だった。

彼がこのパーティーを去ってから新しいメンバーが入ることになった。彼と違い特殊タイプである彼女はみごとにこのパーティーの弱点を解消した。

弱点を克服した私たちは破竹の勢いで勝利を重ね、最強に手が届かんとする位置まで来ていた。

しかし、最強に手が届く応戦者たちは一筋縄で行く存在ではなかった。

今まで考えつかなかったような戦法や戦術で私たちを巧みに翻弄し、気がつくと私たちは再び地の底へ落ちていた。

仲間たちは絶望に打ちひしがれ、私でさえも挫折を味あわずにはいられなかった。しかし、主だけはただまっすぐと頂点を見つめていた。

主はすぐに私たちと共に最強の座へ向かって歩き出した。その姿に私の心は二頭筋のように高く盛り上がっていく。

一度底へ落ちた私たちは、底の者達の洗礼を受けながらも確実に一歩一歩高みへと登っていった。

最強を目指す道の半ば、私はある違和感を感じた。

それは前に私たちが歩んだ時よりも最強を目指す者たちが増えているのだ。その中にはかつて頂点で戦った者たちに勝るとも劣らない腕の持ち主が大勢いた。

その者たちとの戦いに苦戦していうちに一人、また一人と仲間たちが倒れていった。その中にはいつか彼の後に加入した彼女の姿もあった。

主はその者たちを家へ戻し、新たな仲間を招き入れ、また旅を続けた。

私はこの旅で様々な戦いをした。筋肉で氷を砕き、筋肉で龍を殺し、筋肉で鋼を打った。これもまた、主や仲間との絆の力である。

再び最強を目指し歩を進める私たちは、遂にこの場所へ戻ってくることが出来た。

しかし仲間は既に限界を迎え、まともに戦えるものは僅かであった。それでも私たちは全力を尽くし戦い続けた。しかし最強の者に挑むとき、立っているのは私だけだった。

だが、私はかつて交わした約束と主のために倒れることは許されない。全筋肉を隆起させ、敵の攻撃を受け止め、そして敵をねじ伏せていく。

こうして敵を倒していくうちに、力をつけた彼が主の元へ戻ってきたのだ。私と強くなった彼の前にもはや敵はひび割れた岩も同然である。

こうして最強の座を得ることが出来た私たちであるが、これからは最強を貫き通すだけの激しい修練が必要である。そこに妥協は一切ない。

私たちは逃げも隠れもしない、常に君たちの挑戦を受ける。

2000にて待つ。


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