【艦これ】ゴーヤ「てーとくの役に立ちたい」 (17)

この鎮守府に着任して数ヶ月が経ちました。ゴーヤは未だに出撃経験がほとんどありません。

着任当初に数回出撃しましたが、あっという間にボロボロにされてそれっきりです。

「てーとく、ゴーヤも出撃したいよぅ……」

「んー、でもゴーヤが出ると何故か駆逐艦や軽巡洋艦に集中攻撃されるんだよな」

てーとくの言う通り、ゴーヤは鎮守府近海ですらすぐに集中攻撃され大破してしまいます。

でもやっばりみんなみたいに……ゴーヤも提督の役に立ちたいよぅ……

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飲み会

「プハーッ!仕事の後の一杯は格別なのね!生ビール最高なの~!」

「はっちゃんはドドド、ドイツカクテルを頂こうかしら」

「ちょっとゴーヤ飲み過ぎよあんた」

「んぐっ、んぐっ……ぷはぁ!これが飲まずにいられますか!すみません!青汁おかわり!!」

みんなの心配をよそに、ゴーヤはヤケ汁を続けました。はっちゃんは今日もドイツぶっています。

鎮守府でなんの役にも立てない自分が情けなくて、飲んで忘れることしか……

「すみません!小松菜汁!」

「それにしても最近は大規模作戦が迫ってきたせいでイクも大忙しなの」

「あー、分かるわそれ。私のところもおんなじ」

大忙し?ゴーヤ達潜水艦のお仕事なんて提督の肩たたきくらいなのに?

でもよく見たらみんな疲れが滲み出ているような?

「みんなはいったい何をして疲れているの?」

「そりゃあんたオリョールにバシーに……潜水艦はやる事だらけでしょ」

「なのー」

「はっちゃんも最近は本を読む時間もなかなか取れません」

「みんなは出撃しているの!?」

ゴーヤが驚いてそう聞くと、みんなは逆に驚いた顔をしていました。

「えっ……あんた出撃してないって、マジ?」

「着任したてに二、三度出撃したっきり……」

みんなはゴーヤを羨ましがります。

はっちゃんは混乱して本を食べ始めてしまいました。

「良いわねーあんたの鎮守府。うちなんてブラックもブラック、真っ黒なんだから」

「でもいっぱい頑張ったらいっぱい褒めてくれるから嬉しいの♪」

「まぁ私だってスマホ代払ってもらってるし……、イベント後は機種変更してくれるって」

働いててーとくに褒めてもらえるイクちゃんが羨ましかった。

働いててーとくにご褒美のプレゼントを貰えるイムヤちゃんが羨ましかった。

鎮守府の為に働いて役に立てるみんなが羨ましかった。

ゴーヤは少し興奮気味に聞きました。

「どうすればみんなみたいに役に立てるのかな!?」

鎮守府

「てーとく、お話があります」

「なんだい?」

「ゴーヤ、オリョールに行きたいです」

イムヤちゃんに聞いた話だと、潜水艦はオリョール海で燃料弾薬を集めたり任務をこなす仕事に向いているらしくて

他のみんなも同じ様にして鎮守府の役にたっていました。

ゴーヤもみんなと同じ様にてーとくの役に立ちたいよ……

「オリョクルって言うのがあるのは知ってるし、気持ちは嬉しいけど危ないからなぁ……」

「大丈夫だよ!いっぱい燃料持って帰ってくるから!任務だってこなせるよ!」

てーとくは少し困った顔をして考え込んでしまいました。

ゴーヤはてーとくの役に立ちたいだけなのにてーとくを困らせて悪い子です。

でも引き下がるわけにはいきません。

「てーとく!ゴーヤは戦えます!大丈夫でち!」

「……ん?でち??」

「あっ……かみました」

1番大事なところで大失敗……てーとくも俯いたまま震えだしてしまいました。

ん?震え……?

「プッ……フッ、ハハハハハッ!でちって、でちって!アハハハハハ」

ゴーヤの一言で真剣な空気をぶち壊してしまいました。

てーとくは泣きながらお腹を抱えて笑っています。

「そ、そんなに笑うなんてひどいよぉ!」

「悪い悪い……、あー苦しい。変なツボ入った」

「もう……」

でもこんなにてーとくが笑った顔なんて初めて見たかも……

もしかしたら誰も見た事のない顔だったりするのかな……?

「そんなにおかしかったでちか?」

「ちょっ、やめ、アハハハハハ」

うーん、どうやらてーとくはコレがえらくお気に入りみたい。

だったら……

「てーとくが出撃を認めるまでこの話し方をやめないでち」

「そしてその緩みきった顔をみんなに晒して威厳を失う事になるのでち!」

ゴーヤは笑い転げるてーとくに乗りかかって耳元で囁き続けました。

「でちでちでちでちでちでちでちでち」

「わかった!わかったから!!」

てーとくは息を切らしながら机に置かれたコップに手を伸ばします。

ゼーゼー苦しそうに言いながら水を飲むてーとくを見て、ちょっとやり過ぎたと反省。

「てーとく、さっきはやり過ぎてごめんなさいでち。許してくだちぃ」

「ブハッ!!」

ゴーヤは水浸しになりました。

「オリョール海に行くことは許可しよう。でもなゴーヤ、それは被弾しないくらい練度を上げてからだ」

「まずは演習で徹底的に鍛えるぞ。あと潜水艦の仲間も必要だな。さっそく建造に取り掛かろう」

「はいでち!」


あれから3年、ゴーヤは何故あの時あんな事を言ってしまったのか後悔しています。

「ゴーヤ、オリョクル頼む」

「お断りでち!有給休暇をいただくでち!」

最近はコレが毎日のやりとりになっていました。

語尾の「でち」もなんだか癖になり、今では後輩に「でっち」などと呼ばれています。

「頼むよ。練度的にもお前が頼りなんだ」

「そんな事いっても騙されないでち」

もし今あの日のゴーヤと同じ様な境遇の子に出会えたなら絶対にオリョクルはお勧めしません。

本当に毎日毎日、後悔の日々。

ただ、でも……

「本当に頼むよ。イベントが終わったら家族サービスするからさ」

「……約束でちよ?」

まぁ旦那のワガママを聞いてあげるのも妻の役目だから仕方ないでちね♪


「そうだ、今度ゴーヤの負担を軽くするためにろーちゃんともケッコンしようと思うんだけど」

「離婚でち!!」


終わり

いざゲームをやってみるとゴーヤがあんまりでちでち言わなかった

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