肇「雨の日、2人きり」 (16)



ポツポツポツ……——


肇「雨、止みませんね……」

P「そうだなぁ、肇は傘持ってきてるか?」

肇「いえ、今日は一日晴れると天気予報で見たので」

P「そっか」



ポツポツポツ……——



肇「お茶淹れましたので、どうぞ」


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P「ありがとう、こっちも茶菓子用意できたよ」

肇「これって来客用のでは?」

P「賞味期限が今日までだった、新しいのも入れてあるから食べてもいいだろ」

肇「ふふふっ、そうですね。捨てるのは勿体無いです」

P「数も少ないし、皆が戻ってくる前にこっそりな?」

肇「2人だけの秘密ですね」


ザーザーザー……——


肇「雨、強くなってきましたね」

P「ちひろさん大丈夫かな」


肇「途中で降られてないといいのですけど」

P「必要なら電話でもかけてくるさ」

肇「そうですね、置き傘ってどこでしたっけ?」

P「あー、しばらく使ってないからな。物置かもしれん」

肇「これ食べたら探しておきますね」

P「俺も手伝うよ」


ザーザーザー……——


肇「えっと……物がありすぎてどこにあるのかぱっと見えませんね」


P「とりあえず置き場に困ったらここだからなぁ……奥には行ってない筈だ」

肇「手前から探していきましょうか」

P「俺は半ばあたりから見てくるよ、手前は頼む」

肇「分かりました」


ゴソゴソゴソ……——


P「無いなぁ、結構あった筈だからすぐ見つかると思ったんだけど」

肇「Pさんありましたか? こっちには10本だけありましたけど」

P「おっ、あったか! 多分その辺りにまだ隠れてる筈だ」


肇「えっと………あ、ありました! 全部で5束ですね」

P「50本か、とりあえず全部外に出そう。穴が開いてるかもしれないしな」

肇「わかりました、先に出てますね」


ザーザーザー……——


P「ケホッ、ケホッ!……物置も一回掃除しないと駄目だな、ほこりまみれだ」

肇「ふふふっ、頭真っ白でおじいちゃんみたいです、ふふっ」


P「あー、笑ってないで濡れタオル持ってきてくれたら嬉しいぞ?」

肇「ふふっ、すみません。タオル用意してますよ、どうぞ。……ふふっ」

P「笑い過ぎだって……」

肇「だってPさん……ふふっ、表情までおじいちゃんそっくりで、ふふふっ」


ザーザーザー……——


P「よしっ、穴が開いてるのもあんまりなかったな」

肇「そうですね、何本出しておきましょうか?」


P「とりあえず10本だけ立てておいて、後は物置の入り口そばに置いておこう」

肇「はい、それじゃあ傘立て出しておきますね」

P「おう、俺はまた物置だな……はぁ」

肇「ふふふっ、そうはいっても入り口ですから、埃もそこまで立ちませんよ」


ポツポツポツ……——


肇「あら?」

P「おいおい、傘出した途端これか……」


肇「ま、まあ置き傘が見つかったので良しとしましょう……ね?」

P「そうだな。よし、今度は俺がお茶淹れてくるよ」

肇「お茶菓子、もうありませんよ?」

P「ふっふっふっ、俺の机の中にちょっとだけお菓子が入っている」

肇「もう、お仕事の机に何を入れているんですか……」

P「杏の餌付け用の飴とかな、入れていくうちに棚1つがお菓子用になってしまったのだ」

肇「ふふっ、そういう事にしておきましょう」


ポツ…ポツ……——


肇「雨、上がってきましたね」


P「そうだな」

肇「お茶、ちょっと苦いです」

P「うっ……すまん」

肇「今度は一緒に淹れましょうか」

P「教えてくれるのか?」

肇「お嫌ですか?」

P「いや、よろしく頼む」


サワサワサワ………——


肇「雨、上がりましたね」

P「そうだな、窓開けるか」

肇「はい」


P「雨上がりの風って、ちょっと気持ち良いよな」

肇「ふふっ、分かります」

P「でも焼けたアスファルトの濡れたにおいはちょっと苦手だ、土の匂いは好きだけど」

肇「私は土もアスファルトも嫌いじゃないですよ、創作意欲が刺激されます」

P「あー、雨ってそう言う所あるよな」

肇「はい、耳を澄ませると色々な音が聞こえてきて、それが心地良いんです」

P「そうか、雨なぁ……今度の衣装、雨童っぽくしたりとかいいかもな」

肇「いいかもしれません……けど今からですと梅雨も明けちゃいますよ?」

P「じゃあ来年だな」


肇「ふふふっ、はい」


チュンチュンチュン……——


肇「晴れてきましたね」

P「ああ、いい雨上がりだな」

肇「あ、あそこ。皆さん戻ってきたみたいです」

P「ん? おお本当だ、ちひろさんも一緒か」

肇「皆さんの分のお茶も用意しておきましょうか」


P「そうだな、お菓子も出してくるか」

肇「まだ出てくるんですか?」

P「これで打ち止めだな、また補充しておかないと」

肇「ふふふっ、それじゃあ淹れてきますね」

P「今度は一緒に、だろ?」

肇「はい、ちゃんと教えますから覚えてくださいね?」




おわり

誕生日SSだからって無理に誕生日ネタにしなくてもいいよね、肇ちゃんにカクテルドレス着せたかった……
雨童は小さなお姉さん的な衣装、ハスの葉とか持たせたい

肇ちゃん誕生日おめでとうっ!

画像先輩いつもお世話んなってます!!

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