黒森峰みほ 「 ミホニスト・ウォーです ! 」 (150) 【現行スレ】


黒森峰女学園


直下「Achtung!」ザッ

直下「全員集まりました、隊ちょ...すいません、今はまほさんでしたね」

まほ「ありがとう直下、恩に着るよ」

直下「いえ、引退されたとはいえ先輩はずっと我々の尊敬する方ですから」

直下「それで、今日はどういった御用で?」


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まほ「ああ、皆、少し話を聞いてほしい」コホン

まほ「私達が引退して2ヶ月が過ぎようとしている」

まほ「皆も知ってると思うが、今年の評判は決して高くはない」

まほ「しかし、君達はその評価を謙虚に受け止め、それを糧に練習に励んでいる」

まほ「この2ヶ月の努力は紛れもない真実だ、周囲を見返してくれると、私は確信している」


まほ「ただ、練習を見学させてもらった中で、一つ欠点が指摘するならば」

まほ「伝統的に黒森峰は、型に入った戦車道に頼りすぎているきらいがある」

まほ「伝統とは言え、これでは私達の二の舞だ、同じミスを繰り返してはならない」

まほ「そこで、だ、今日は私が特別講師をお招きしている、入ってくれ」

みほ「こ、こんにちは、今日から一週間特別講師を務めます、西住みほです、お願いします」ペコリ


小梅「みほさん!」キラキラ

エリカ「え、は、副隊長!?」

ザワザワ

まほ「静粛に、まあその、なんだ、ざわつく気持ちも分かるが」

まほ「みほは、決して恵まれていたとは言えない状況のチームを育て上げ」

まほ「臨機応変な対応、時には奇策を以てして大洗女子学園を優勝に導いた隊長だ」


まほ「名実ともに日本一の名将であることは疑う余地すらないだろう」

まほ「黒森峰とは今後も戦う可能性が十分にあり、決して簡単な決断では無かったが」

まほ「先日の大学選抜との試合での助力に対する恩も含めて、こうして協力を快諾してくれた」

まほ「去年のことを水に流せ、とは簡単に言えない、失った優勝旗は軽いものではないからだ」

まほ「その中で、失った優勝旗の重みを知っているからこそ、来年も同じミスを繰り返さない為に」

まほ「この一週間は来年の優勝が懸かっていると思って、全力で取り組んでくれ、以上だ」


まほ「みほ、訓示を頼む」

みほ「うん、わかった、それじゃあ...」スゥ

みほ「ご存じだと思いますが、大洗女子学園戦車道チームの隊長を務めます、西住みほです」

みほ「おねえちゃ、西住まほさんからの依頼で、特別講師を務めることになりました」


みほ「皆さんとは来年度の試合でも戦う可能性があり、お互い手の内を見せることになりますが」

みほ「こうして依頼された以上、私としては出し惜しみせずに指導しますので」

みほ「皆さんも分からないことがあれば、気軽に質問してください」

みほ「それでは、この一週間、よろしくお願いします」


まほ「そういうことだ、みんなも出し惜しみはしないでほしい、何か質問はあるか」

エリカ「た、隊長!さすがに話が急すぎます!こういったことはもっと事前に...!」

まほ「敢えて伝えなかったんだ、それと、今の隊長はお前だぞ、エリカ」

エリカ「あ、う、すいません...」シュン


まほ「エリカの言いたいことも分かる、が、逆に考えてみてほしい」

まほ「一週間前にみほが来ると伝えたところで、事態は改善すると思うか」

まほ「去年まで同じチーム、そして、今年は決勝で我々を破ったチームだ」

まほ「恨み、悔しさ、羨望、様々な感情に揺れ動かされることだろう」


まほ「本人が来るまでに、そういった複雑な感情に影響されないと誓えるならいい」

まほ「しかし、日に日に感情は増していくばかりだろう、大きく影響も出るはずだ」

まほ「だから、こういうのはその日に伝えるべきだと判断した」

まほ「人間関係は会うまでが一番悩む、会ってからはなし崩し的に悩みは減るだろう」


まほ「今日はこの後の日程をみんなで話し合ってほしい」

まほ「そこで一度わだかまりが解消されることを祈っている、特に2年生」

まほ「明日からはみほは完全に特別講師だ、黒森峰を指導する立場になるが」

まほ「今日だけは元黒森峰副隊長だ、言いたいことは全ては言え」


まほ「後は君達で話し合ってくれ、それでは」

みほ「.........」

エリカ「.........」

小梅「.........」


直下(まずい、誰も喋らない、仕方ない、ここは私が)

直下「あの、にし」

小梅「みほさん!」

みほ「は、はいっ!」ビクッ

直下(喋ろうとしたばっかりなのにぃ!)


小梅「私は、その、去年助けてもらって、本当に感謝してて」

小梅「こうして、再び黒森峰の制服を身に纏って共に練習が出来ることを、夢見ていました」

みほ「小梅さん...」

小梅「でも、いざこうしてその日が来ると、正直言って、悔しい部分もあります」


小梅「去年、私達が発端となって途絶えてしまった黒森峰の覇権を」

小梅「今年は自らの手で取り戻そうと、そう意気込んで臨んだ今年の大会でした」

小梅「この一年間、非常に辛い思いをしてきました、だからこそ、その意気込みも本物で」

小梅「本当に、負けたく、なか、った、から」グスッ


小梅「ごめ、なさい、本当にかん、しゃ、してます、だけど、だけど」

小梅「みほさんが、こうし、て、優勝校の、隊長として、くる、の」

小梅「くやしい、です、ほん、とに、くやしい、よぉ...」ポロポロ

直下「赤星...」


直下(赤星は、ずっと悩んでいたんだね、恩師と敗者の狭間で)

直下(その感情は、悔しさは、思っていても、分かっていても、中々言い出せない感情だ)

直下(最初にその言葉を言うのは、勇気が要っただろう)

直下(私達だって、去年の副隊長の行動全てを非難しているわけじゃない)

直下(助かったのは、私達の同級生だ、だから、もちろん感謝だってしている)

直下(感謝と悔しさが混在して、伝えることが出来なかった、自分でも恐れてた)


小梅「ごめんね、みほさん、わたし、も、わ、わけ、わかんなく、て」

小梅「うぅ、うぅ、うぁぁぁ...」

直下(それを今、赤星が伝えてくれている、一歩踏み出してくれている、だから)

直下(私達も、踏み出そう、副隊ちょ、いや、西住みほさんとの、新しい関係を)


直下「...西住さ」

みほ「.........小梅、さん」ギュッ

直下「ちょ」

小梅「あっ...」

直下「」


みほ「ありがとう、小梅さん、本心を伝えてくれて」

みほ「私も、ずっと恐れてた、みんなの本心を聞くのが怖かった」

みほ「だけど、その言葉を聞かない限り、ずっとこのままだと、そう思ってた」

みほ「ずっと、みんなの言葉を聞きたかったんだ」

直下(私の言葉も聞いてほしかったなって)


みほ「私も板挟みになって、今の今までずっと立ち止まってた、けど」

みほ「その言葉を聞いて、進まないとダメだって、そう決心できたよ」

みほ「去年のこともある、今年のこともある、それでも私達は一緒に前を向いて」

みほ「それで来年、もう一度決勝の舞台で当たろう」

みほ「わだかまりも何もない舞台で、今度こそ決着をつけよう」


みほ「ありがとう、小梅さん、小梅さんのお陰で、私、ようやく」クイッ

小梅「みほ、さん...」ドキッ

みほ「みんなと、新しい関係を築けそうだよ」ニッコリ

小梅「.........ん」トロン

直下(赤星顔!新しい関係ってそっちの関係!?)


エリカ「ああもう!副隊長!」

みほ「ひゃいっ!」ビクッ

エリカ「アンタには去年のこともある!去年って言っても、それは色んな感情があって!」

エリカ「小梅を救ってくれたことの感謝も、放棄したことへの怒りもあるわ!」


エリカ「今年はもちろん悔しさもある!その中で、ライバル心だってある!」

エリカ「水に流すことはもちろんできない!トイレと同じよ!」

エリカ「だって、こんな大きい気持ち、絶対つまっちゃうから!」

直下(良い話なのに例えが最悪だ...)


エリカ「だからそれを全部ひっくるめて、水には流さず受け止めた上で」

エリカ「今日からすぐは難しいかもしれないけど、この一週間の内に関係を改めて」

エリカ「倒すべき相手として、絶対来年、決勝の舞台で今度こそ倒してやるんだから!」

みほ「エリ...逸見さん」


エリカ「関係改めるって言ったのはアンタなんだから、呼び方もそんな他人行儀じゃなくていいわ」

エリカ「分かったわね、みほ!」

みほ「エリ、カ......ス、ン......」

直下(今エリカスって言ったよね!? ん付けてたけどごまかせてないよね!?)


生徒「みほさん、私も本当はずっと言えなかったけど、あの時凄い感謝してて!」

生徒「アタシも!悔しさはあるけど、それ以上にずっと憧れてたんだ!」

生徒「指導するからには、絶対決勝の舞台で待ってなさいよね!約束だから!」

みほ「みんな...っ!」


直下(何はともあれ、私達の間にあった溝は、ひとまず無くなった)

直下(よくよく考えてみると凄い強引な気もするけど、まあ、考えないでおこう)

直下(わだかまりのなくなった私達は、チームの状況や戦車の所持数を伝えて、日程を組んだ)

直下(大洗女子学園を優勝に導いた西住みほ、西住さん、副隊長、いや、今は、みほ)

直下(彼女の指揮するこの一週間が、今から心待ちでならない)

一度お休みまたまたお昼に


初日夜

エリカ「さて、勢いで関係を修復できたのは良いけど」

エリカ「やっぱりあの子、昔から代わってないというか、なんというか」

エリカ「その、人を虜にする魔性のカリスマ性と少し変わった性格してるから」

エリカ「去年も大会前はみほを慕う余り部屋に侵入した生徒がいたっけ、確か」


エリカ「しかも隣部屋、先に注意しておいた方が得策よね」ガチャッ

エリカ「みほ、入るわよ、あなたトラブルだけは起こさないように」ガチャッ

みほ「新しいボコ!何も傷入ってない!お姉ちゃん本当に!分かってないんだから!」ザクッザクッ

エリカ「失礼しました」ガチャッ


エリカ(なに今の!なんであの子人形にカッター刺してんの!?新手の宗教!?)

エリカ(...いや、落ち着け逸見エリカ、あれはみほの大好きなボコられクマじゃないか)

エリカ(きっと傷の入ったボコの方がみほは好きなんだ、ただ単純に見た目の問題なんだ)

エリカ(見た目が気に入らないだけで特に深い意味はない、そうだ、恐れることはない)

エリカ「みほ、入るわね」ガチャッ


みほ「はあ、はあ、あれ、エリカさん、どうしました?」

エリカ「あ、いや、もう夜も遅いけど、何か激しいなって」

みほ「あ、すいません、こうやってストレス発散するの、日課なんですよ」ニコッ

エリカ「そ、そう、大変なのね」ダラダラダラ

エリカ(深い意味はないけど闇は深かった)


エリカ「その、あんまりトラブルは起こさないでね、あんたその、アレだから」

みほ「大丈夫ですよ、エリカさん、大丈夫、絶対に大丈夫」

エリカ「そ、そう?でも、下手すればその行為もトラブルの元に」

みほ「大丈夫、毎日こうして、ストレス発散してますから」

エリカ(大丈夫ってなんだっけ)


みほ「それに」

エリカ「それに?」

みほ「ストレス溜め込んじゃうと、胃に穴が開くって言うじゃないですか」

エリカ「そうね、私はもう穴が開きそうだわ」


二日目

エリカ(二日目、今日から本格的なみほの指導の下、実践演習に入る)

エリカ(的確な指示、予想外の事態にも対処できるその頭のキレ、対応力)

エリカ(こうして実際に目の当たりにすると、思わず見とれてしまう、そんな完成度だった)

エリカ(ただ、難点があるとすれば)


みほ「そこはもう少し相手の出方を窺いましょう、敵の撃破にも、良い撃破と悪い撃破があります」

みほ「大丈夫、きっと出来ますから、ほら、私の手を握って、不安を取り除きましょう」

生徒「み、みほちゃん、ち、近いかなって...」ドキドキ

エリカ(みほの天然ジゴロが絶好調なこと、順調にヤバイ)


生徒「ご、ごめんなさい、外しちゃいました」

みほ「.........」ピキッ

みほ「いえ、大丈夫ですよ、失敗は成功の母です、気にしないでください」ニコニコ

エリカ(みほのイライラゲージが絶好調なこと、順調にヤバイ)


エリカ(黒森峰には夜間、二時間の自由時間が与えられている)

エリカ(その時間にイライラの溜まったみほの部屋にみほを慕う誰かが入ったとして)

エリカ(怒声、悲鳴、隣部屋、引責待ったなし、これだから管理職は!)

エリカ(今夜も右隣の部屋を監視する夜になるわね...)


エリカ(ちなみに、左隣には小梅が住んでいる)

エリカ(こちらも順調にゲージを溜めているようだ)

小梅「あいつ、みほさんと手を繋いで、絶対許さない...」ギリリ

エリカ(順調にヤバイ)


エリカ(...いや、こんなところで慄いてどうする)

エリカ(私は泣く子も黙る黒森峰女学園の隊長、普く三千世界の幾人たりとも屈しはしないわ)

エリカ(そう、注意をするだけよ、トラブルを起こさないで、怒らないで、それだけ)

エリカ(何、死ぬわけじゃないんだし、ここは隊長としてガツンと)


みほ『なんであれ外すかな!私の指導が間違ってるの!ねえボコ!死ね!』ゲシゲシ

エリカ(ひぃ!今のみほに注意なんてしたら命が何個あっても足りないわよ!)

みほ『エリカさんもだよ!どんな甘ったるい指示出してんの!周りもっと見てよ!』

エリカ(キューポラの上に立って指示なんて世界見渡してもアンタしかいないわよ!)


みほ『聞いてんの!ねえ!エリカさん!』

エリカ「は、はいぃ!」

みほ『エリカさんうっさい!』ドン

エリカ「」


小梅『エリカさん、あんなに嫌いって言ってたのに、あんなに会話して』ボソボソ

小梅『壁が薄いこと知ってるでしょうに、もしかして、聞かせてるんでしょうか』ガリ

小梅『ああ、隣の部屋が無くなっちゃえば、すぐ隣にはみほさんがいるのに、本当に邪魔な人...』ガリガリ

エリカ(お家帰りたいよぉ...)シクシク


三日目

みほ「わあ、ベストタイミングの撃破ですよ、これなら勲章待ったなしです」

生徒「そ、そんなことないよ、全部みほちゃんのお陰で...」タジタジ

みほ「上官からの評価を蔑ろにしてはいけませんよ、受け止めて、ほら」

みほ「自信を持ちましょう、私が信じるあなた自身の腕を、信じましょう」ニッコリ

生徒「う、うん、ありがとう、みほちゃん...」ドキドキ


エリカ(三日目、今日こそ練習中に胃に穴が開いて病院直行パターンかと思ったけど)

エリカ(なかなか良い感じじゃないみんな!これなら今晩はグッスリ眠れそうね!)

エリカ(小梅も撃破判定で帰路の中、これなら会話は聞こえないはず!)

エリカ(闇の深い黒森峰は無かったのね!素晴らしい!ハラショー!)

エリカ(グッバイ不眠!ハロー快眠!)


生徒「今日こそはみほちゃんの部屋に行って、私のパンツァーでフォーフォーして、うふふふっ」ブツブツ

みほ「今日こそは穏やかな気持ちで録画しておいたボコが見えそうだね、ふふふっ」ブツブツ

小梅「今日こそは壁壊して部屋繋げて、途中泥棒猫をぶっころして、うふふふっ」ブツブツ

直下(エリカさん逃げて、超逃げて)




みほ『私は!この時間を楽しみにしていたのに!なのにあなたは!』

みほ『どこまで私の時間を奪うつもりなんですか!ねえ!聞いてますか!』

みほ『ねえったら!』

生徒『ごめん、なさい、許して、みほちゃん、ご、ごめん...っ』

エリカ()ガタガタ


エリカ(みほが鼻歌を歌いだした、気分が良さそうなので安心して飲み物を買いに行った)

エリカ(帰ってきたらみほが誰かを罵倒してた、なんで!?)

エリカ(空けたの5分よ!?なんでそんなピンポイントで部屋に侵入するの!?)

エリカ(いや、今はそんなことよりもこの状況をどうにかしないと!)


エリカ(もしみほが手なんて出してそれを訴えられたりしてみなさい)

エリカ(隊長の席を引責辞任するのは確実、退部になってもおかしくない)

エリカ(そのまま学校に居辛くなって転校、左遷、僻地、知波単、吶喊...)

エリカ(それだけはなんとしてでも避けないと!とにかく部屋に行って場を丸く収めて...っ)


みほ『ふざけないでよ!私のボコを、返せ!』パチーン

エリカ「それはいけない」

生徒『きゃあっ!』ドサッ

エリカ「それはいけない」


みほ『...あっ』ハッ

エリカ「はわわわわ...」

みほ『ご、ごめんなさい!』

生徒『.........』


エリカ(退学は嫌だ退学は嫌だ退学は嫌だ丸く収まれ丸く収まれ丸く収まれ)

みほ『そ、そんなつもりじゃ、わたし...っ』

エリカ(ほらみほもそう言ってるんだから!許してあげて!お願い!)

生徒『......ぃ』

エリカ(私の首はあなたの首にかかってんだから!願いよ届け!)


エリカ(逸見!逸見!ネバギブアップ!レディゴーレディゴー現隊長!)

みほ『え、な、なんて...』

エリカ(お願い神様!もっと私をこの学校にいさせてくださ...)

生徒『もっと!ぶってください!』キラキラ

エリカ(あ、もう退学でいいや)


みほ『や、やだ!気持ち悪い!』パチコーン

生徒『ああんっ!』

エリカ(...もう何も考えないでおこう、一度ココアでも飲んで少し冷静に...)ガチャッ

小梅「ころすころすころすころすころすころすころす...」ブツブツ


エリカ「あの、小梅?みほの部屋の前で何してるのかしら」

小梅「あ、エリカさん、見ての通り諜報活動ですよぉ」ニコォ

エリカ「見ての通り?」

小梅「見ての通りです」

エリカ「あはは、そっか、ごめんね気付けなくて?とりあえず右手に持ってるドリル置いて?」


小梅「それにしてもエリカさん、顔色悪いですよ、大丈夫ですか」

エリカ「ええ、その死んだ瞳でも分かるくらいには顔色悪いかもしれないわね」

小梅「体調悪い時はあまり無理をなさってはダメですよ、お薬持って来ましょうか」

エリカ「そうね、小梅が部屋に戻って朝まで寝てくれたらそれが一番の良薬になるわ」


小梅「分かりました、それじゃあ部屋に戻りますね」ガチャガチャガチャ

エリカ「うん、そこはみほの部屋だけどね」

小梅「そっか、間違ってました」

エリカ「だよね」

小梅「ドリル使わないと」ギュイイイン

エリカ「違うよね」


四日目

エリカ「たいちょ、まほさん!明日はいつものようにオフですよね!ね!」

まほ「お、ちょうどその話になっていたんだ、エリカ」

まほ「せっかくみほが来ているんだ、今週くらいは練習しても...」

エリカ「まほさん!我々は100余名を預かるチームです!」

エリカ「みんなにも予定があります!明日は予定通りオフにしましょう!」


まほ「なるほど、お前にも管理する立場の人間の心構えが分かってきたようだな」

まほ「分かった、明日はオフにしてくれ、各自作戦の確認等を徹底してそれで...」

エリカ(やった!これで明日はみほのイライラも溜まらない!全てが丸く収まる!)

エリカ(今晩を乗り越えたら明日は素敵なオフの一日!私のストレスを取り除く日!)

エリカ(讃えよその名は二度寝!快眠!ネットサーフィン!)




みほ「あ、エリカさん」

エリカ「あら、こんな時間に出かけるのは珍しいわね、コンビニ?」

みほ「うん、ちょっと、用事、で」クラッ

エリカ「っと、ちょっとみほ、大丈夫?」


みほ「ん、最近、ボコを目にしてないから、ボコ中毒がきつくて」

エリカ(ちょっと何言ってるか分からない)

みほ「でも、明日の朝にはボコの再放送があるから、それ見て、回復して」

エリカ(あれ、朝からボコのアニメなんてやってったっけ...)


エリカ「そ、そうなの、あまり無理はしないようにね」

みほ「うん、そうする、でも、後ちょっとだけ、こうして...」ギュッ

エリカ「し、仕方ないわね、少しくらいは胸貸してあげても...」テレテレ

小梅「エリカ、さん...?」ジッ

エリカ「パーフェクトミス」


五日目



みほ『ボコの再放送してない!このテレビ局ホントダメ!大洗放送見習ってよ!快眠返せ!』バキッ

小梅『』ギュイイイン




みほ『ボコ、聞いて、この学校ノー部活デー採用してるらしいよ』

みほ『しごきもダメ、毎日部活もダメ、私どうすればいいと思う?』

みほ『モチロンテッケンセイサイダヨ!ゲツゲツカスイモクキンキンノセイシンデガンバロウ!』

小梅『』ギュイイイン




みほ『ホントに気持ち悪い!近寄らないで!』ゲシッゲシッ

生徒『ああっ!お願い!みほちゃんもっと!』

エリカ「胃に穴空いちゃう」

小梅『』ギュイイイン

エリカ「壁にも空いちゃう」


六日目

直下「Achtung!」

直下「みんな、昨日はリフレッシュできた?今日は紅白戦を行って今までの実践を...」

エリカ「」ウツラウツラ


みほ(エリカさん、すごい眠そう、きっと昨日は夜まで作戦を練って...)

まほ(エリカ、昨日は遊んでたのか?最善の休日の過ごし方は部屋に籠って体を休めることだとあれほど...)

小梅(エリカさん、昨日はお楽しみでしたもんね、きっとあの後、朝まで...殺す...)

直下(隊長苦労してんなぁ...)


みほ「エリカさん、今日はよろしくお願いします」

エリカ「ええ、よろしく、今日は砲手としてあなたの指示に従うから」

みほ「はい、私もエリカさんのこと、信頼してますから」

みほ「今日は絶対勝ちましょうね、素敵な共同作業にしましょう」ニコッ

エリカ「そ、そうね、頑張りましょうか」タジタジ


小梅「.........」キュラキュラキュラキュラ

直下「赤星、履帯外れるからそんな飛ばさないで」

小梅「.........」ガンガンガンガン

直下「赤星、1年泣いてるから落ち着いて」


みほ「エリカさん!10時の方向!当てれますか!」

エリカ「大丈夫よ!仕留めたわ!」

みほ「っ!反対方向から砲撃!被弾します!衝撃に耐えて!」

みほ「きゃあ!」トサッ ダキッ


みほ「ご、ごめんなさいエリカさん!すぐ退きますね!」ムクリ

エリカ「だ、大丈夫よ、それよりじょ、状況はっ」カオマッカ

みほ「フラッグは上がってないと思います、すぐに次の行動へと」ムニッ

エリカ「ひゃあ!ちょっと何すんのよ馬鹿みほ!」


みほ「ち、ちが、わざとじゃ、きゃあ!」ドン サワサワ

エリカ「んんっ!み、みほ、やめ...っ」

みほ「え、エリカさん、すごい...」ゴクッ

エリカ「息飲んでないで早くどいてよぉ!ああん!」


小梅「直下さん、私、ちょっとお散歩に出てきますね」ニコッ

直下「はあ?今試合中だよ、何言って、ひぃ!」ビクゥ

小梅「どうしました?」ゴゴゴゴ

直下「い、いや、お、お散歩ねっ、行ってらっしゃい!」

小梅「うふふっ、どうも、直下さん」


後輩「ちょ、直下先輩、なに許可して」

直下「私達は何も見てない」

後輩「え、でも」

直下「見てない」

後輩「はい」


みほ「エリカさん!今日は疲れたね!でも最後まで残って本当に良かった!」

エリカ「そ、そうね、疲れたわ」ドキドキ

みほ「でも、明日は敵同士!絶対負けないからよろしくね!それじゃあお休み」

エリカ「え、ええ、お休み」


エリカ(終始ラッキースケベに踊らされた一日だった、もうお嫁にいけない...)

エリカ(他の子には顔赤くして目を背けられるし、砲手の仕事集中できないし)

エリカ(それでも勝てちゃうんだから、ホントみほってすごいというか何というか)

エリカ(も、もしかして結構私達って相性良い?だって、あれだけ息の合ったプレーで)


エリカ(私とみほの、きょ、共同作業、か、うふ、うふふ、えへへ)ガチャッ

小梅「おかえり、エリカさん」

エリカ「あら、小梅、ごめんね、部屋間違ったみたい」ガチャ

小梅「いえいえ、お気になさらず」


エリカ「全く、私ってば浮かれて部屋間違えるなんて、恥ずかしいったらありゃしない」ガチャッ

小梅「おかえり、エリカさん」

エリカ「あら、小梅、二度もごめんね、部屋間違ったみたい」ガチャ

小梅「いえいえ、お気になさらず」


エリカ「全く、私ってば浮かれて部屋間違えるなんて、恥ずかしいったらありゃしない」ガチャッ

小梅「おかえり、エリカさん」

エリカ「あら、小梅、ごめんね、部屋間違ったみ」ガシッ

小梅「エリカさん?そろそろ現実見ましょ?」

エリカ「見ない、見えない、見たくない」


エリカ「なんであんたがいるの!ここ私の部屋よ!どこから入ったの!」

小梅「壁の穴が貫通したので、そこから」

エリカ「榴弾でも人が通れる大きさの穴は出来ないと思うの」

小梅「部室から工具用のトンカチを持って来て拡張しました」

エリカ「小梅、落ち着いて?深呼吸して?とりあえず出頭して?」


小梅「さて、エリカさん、よくも私のみほさんを寝取ってくれましたね」

エリカ「ち、違うわよ!あれはハプニング!そんなことするわけないじゃない!」

小梅「泥棒猫の血はここで私が間引いて差し上げます、なに、痛くはしませんから」ユラァ

エリカ「や、やめ、わたしが、な、なにしたって、いうのよっ!」ガタガタ


小梅「試合中にも関わらず、エリカさんはみほさんと抱き合い、そして...」

エリカ「」ガタガタ

小梅「そのままみほさんの、お、お、おっぱ、おっぱいを、も、揉んだじゃないですか」カァァ

エリカ「いきなりウブにならないで」


小梅「と、とにかくっ!神は許しても私は許しません!神の御名の下に天誅を下します!」

エリカ「神に許されてないんだけどそれは」

小梅「死んじゃえええええぇぇぇ!」ブンッ

みほ「うるさあああああああああああい!」バタンッ


みほ「今何時だと思ってるんですか!他の人への配慮をしてください!」

小梅「は、はい...」シュンッ

エリカ(よく言ってくれたわみほ、あなただけには言われたくないけどね)

みほ「エリカさん返事は!」

エリカ「は、はいぃ!」


みほ「そもそもなんですかこの状況!」

小梅「ち、違うんですみほさん、これは...」

みほ「なんで壁に穴が開いてるんですか!」

エリカ「ホントにね」


みほ「まあそんなことはどうでも良いとしましょう」

エリカ「壁に穴が開いてどうでも良いと思えるあなたのメンタルが凄いわよ」

みほ「二人で騒いで!隣人に迷惑をかける以上に大事なことでもあったんですか!」

小梅「す、すいません、二人でじゃれ合ってたら楽しくなっちゃって...」

エリカ「誰が何と言おうと私はあれをじゃれ合ったとは言わない」


みほ「明日が最終日、私の判断全てが正しかった、名采配だったとは言いませんが」

みほ「指導したからには、指導した者の責任として、皆さんの変化を見極める必要があります!」

みほ「改善、改悪、私の教え方一つで、100人の戦術が変わるんです!」

みほ「皆さんの顔、名前、戦略上の癖、能力を鑑みるには時間だって必要です」


みほ「今はその最後の時間です!もう一度言います!静かにしてください!」

小梅「ごめん、なさい...」シュン

エリカ「ご、ごめんね、みほ...」シュン

エリカ(これ以上ない正論ね、さすがに申し訳ないわ)


みほ「分かっていただければ大丈夫です、理由は人様々だと思いますし」

みほ「明日は、私とお姉ちゃんが同じ車輌に乗って皆さんを相手します」

みほ「もちろんやるからには勝つつもりですが、負ければそれはそれで収穫があります」

みほ「最高の最終日にしましょう!それではおやすみなさい、小梅さん、エリカさん」ガチャッ


小梅「.........」

エリカ「...寝ようか、小梅」

小梅「...みほさんのことをどう思ってるかはさておき」

小梅「こと戦車道に関しては、あの人に対して、本当に感謝しています」


小梅「あの人から教えてもらったことを生かして、勝利する、それが私なりの最大の恩返しだと思います」

エリカ「そう、ね」

小梅「明日に関して言えば、恩返しも、悔しさも、全部含めて私は勝ちたいです」

小梅「頑張りましょう、エリカさん、共闘して、あの人を倒しましょう」

エリカ「もちろん、負ける気はないわ、黒森峰女学園隊長として、そして」

エリカ「逸見エリカ個人として、絶対負けるわけにはいかない」


エリカ「頑張りましょう、小梅、寝不足は直感の大敵よ、おやすみなさい」

小梅「ええ、分かりました、おやすみなさい」

小梅「よいしょっと」ヒョイッ

エリカ「真面目なシーンが壁の穴のせいで台無しよ」


最終日

直下「最終日の今日は、2つのチームに分かれ模擬戦をしてもらう!」

直下「チーム分けは、前の練習試合でのAチーム対Bチームだ!」

直下「各チーム、それぞれ昇格と降格を意識して試合をしてほしい」

直下「試合は殲滅戦だ、そして、Bチームには西住姉妹が搭乗する車輌を配置する」

直下「それでは総員、配置場所へ移動!」


ツェスカ「エリカさん、どうやって倒しますか?やっぱり最初に西住車狙いますか?」

エリカ「いや、数で圧倒して倒せる相手じゃないわ」

ツェスカ「それじゃあ先に、周囲を潰して?」

エリカ「それも難しいわね、私達があの車輌を牽制しつつ、残るみんなで相手を追い詰めていきましょう」

ツェスカ「でも、あの車輌を牽制なんて、そんな芸当、私達だけじゃ...」


エリカ「目先の敵を追うことなく、勝利に繋がるただ一つの正路を穿つ」

エリカ「もう迷わないわ、私に任せて、残るみんなを指揮するのは、小梅がやってくれるわ」

小梅『はい、任せてください、エリカさん』

エリカ「出来るか出来ないか、なんて愚問ね、それじゃあまた後で」

小梅『はい、すぐ合流してみせますよ、それじゃあ後で』


みほ「お姉ちゃん、相手の動きはどう?」

まほ「予想通り、と言いたいところだが、そう簡単にはいかないな」

まほ「A地点とD地点に我々のチームの車輌を分散させて、相手車輌を二手に分散させる作戦だったが」

まほ「どうやら数車輌、後ろで待機している、三分の一ほどの車輌が様子見と言ったところだ」


みほ「それって...」

まほ「ああ、私達が後ろから相手を叩くことを念頭に入れた慎重な作戦だ」

まほ「今のチームには目先の相手を倒すことに全力を挙げるメンバーが多かったが」

まほ「この期間に色々と学んだのだろう、指揮官を中心にな」


みほ「そっか、エリカさん、そこまで読んで」

まほ「あいつは元々、頭の切れるやつじゃない、だが、努力の天才だ」

まほ「考えられる全ての作戦を考慮して、今日の作戦を練っているはずだ、これは手ごわいぞ」

まほ「しかし、我々もだからと言って相手の作戦に合わせる必要はない」

まほ「次の作戦だ、元隊長としてではない、西住まほとしての戦い方を見せてやろう」


直下『相手のパンターG型撃破!A地点、相手残存車輌残り2両!』

小梅『ティーガーⅠ撃破しました!D地点、優勢と思われます!』

エリカ「残存車輌はこちらが12、相手が7、最高の出だしね」

ツェスカ「西住車は様子見とこちらの読み通り、今頃大慌てじゃないですか」ニシシ

エリカ「そう簡単にはいかないと思うけど、ここまで順調ならそうあってほしいわね」


小梅『撤退車輌を追い詰めます!ズィーク中隊、F地点へ!』

直下『ゲヴィナー中隊!F地点で掃討作戦を開始します!』

ツェスカ「両中隊ともF地点に揃いましたね、あそこ結構見通し悪くて大変ですよ」

エリカ「ええ、相手が後退しながら砲撃してて、気付いたら深追いしていた、とかじゃないかしらね」


ツェスカ「何はともあれ、相手は様子見の3輌を除いて後4輌です」

ツェスカ「10輌で包囲の殲滅戦、これほど簡単なお仕事もそうありませんよ」

エリカ「...っ、しまった!」

ツェスカ「ちょ、ちょっと、どうしたんですか、いきなり大声出して」ビクッ

エリカ「小梅と直下に伝えて!今すぐその場を離れなさい!」


後輩『すいません、みほさん、まほさん、やられてしまいました』

みほ「いえ、作戦は大成功です、本当にありがとうございます」

みほ「お姉ちゃん、相手の主流部隊が集結したよ」

まほ「全く、勝利が近くなったら目先の相手しか見えないなんて、本末転倒も良い所だぞ」

まほ「みほ、周囲の状況を確認して、お前が一番良いと思うタイミングで発進してくれ」

みほ「うん、本当の殲滅戦を見せてあげようね、それじゃあ、パンツァーフォー!」


『11時方向から砲撃!早く態勢を立て直して!』

『ここの地形では無理です!全員衝撃に備えて!』

『すいません!121号車被弾、撃破されました!』

『214号車も被弾!撃破を目視で確認!この場から撤退します!』

『脱輪で身動き取れません!小梅さん!指示をお願いします!』


小梅『皆さん落ち着いてください!慌てれば相手の思うつぼです!』

直下『赤星!いったん撤退してから立て直した方がいい!』

小梅『F地点から撤退可能な正規のルートは2ヵ所です!』

小梅『一つはここから相手残存車輌の間を抜ける必要があります』

小梅『もう一つのルートも相手の後方車輌が配置済みでしょう!安易な撤退は危険です!』


直下『森の中を突っ切って逃げればいい!』

小梅『森は湿地が多いはずです!迂闊に通らないでください!』

直下『それじゃあどうすんのさ!』

小梅『攻撃の中心にあるのは、恐らく11時方向にいると思われる西住車です!』

小梅『その方向からの砲撃に注意しつつ、相手残存車輌の間を突破していきます!』


小梅『3時方向にE地点へと通じる道があります!そこを目指します!』

小梅『相手に隙があれば、行進間射撃でいいのでどんどん砲撃してください!』

直下『分かった!殿は私達が務める!赤星たちは先に進んでくれ!』

小梅『直下さん!撃破されずに合流してくださいね!約束ですよ!』

直下『ああ!わかってる!約束だ!早く行け!』


直下「とは言ったものの」

直下「約束守れそうにないなぁ、こりゃ」

西住車「」キャラキュラキュラ

直下「赤星、隊長、後は任せたよ」


エリカ「小梅!逃げ切ったのね!」

小梅「はい、なんとか、でも、他の車輌は全て途中で」

小梅「直下さん、絶対合流するって、約束したのに...」

エリカ「俯いてる暇はないわ、みんなが稼いでくれた時間を生かしましょう」


エリカ「こちらは後方で待機していた私達2輌と、小梅車を入れて全3輌」

小梅「相手は砲撃開始時に6輌、撤退時に2輌撃破して多くても4輌です」

エリカ「直下たちが撃破される直前に1輌撃破したと言ってたわ、3輌と見るのが現実的ね」

ツェスカ「車輌数は同じです、相手が陣形を築く前に叩きましょう」


小梅「私も同意です、エリカさん、相手の攻撃を待つのではなく、こちらからいきましょう」

エリカ「ここで気持ちが引いてしまったら、起こる奇跡だって起こらないものね」

エリカ「ツェスカはE-14地点、小梅はE-7地点へそれぞれ移動してちょうだい!」

エリカ「小梅、ツェスカ、いくわよ!返り討ちにしてやるんだから!」


みほ「お姉ちゃん、後少しでE地点に入るよ、開けた場所に出るから周囲に警戒してね」

まほ「ああ、小道を出たところで砲撃されては敵わんからな、ところでみほ」

みほ「ん、どうしたの、お姉ちゃん」

まほ「みほはこういった、開けた場所にいきなり出てくる地域での戦闘は初めてか」

みほ「ま、まあ、あんまり経験はないけど、どうして?」


まほ「私は何度かこういった場面を経験している、ドイツでの世界大会でもそうだった」

まほ「開けた場所に出る時は、誰でも警戒する、それはみほも同じだろう?」

みほ「うん、そうだけど、それがどうしたの?」

まほ「では、整備されていない森の中からの砲撃は、砲撃する側にとってどんな危険性を伴う?」

みほ「砲撃の反動で地面が弱いと足場を取られてしまうよね、脱輪もあるし、最悪走行不能もある」


まほ「ああ、そうだ、逆に言うと、その心配がなければ砲撃が可能となる」

まほ「森の中からの砲撃、これほど頼りになる武器も少ない、さて、みほ、ここで問題だ」

まほ「森の中心部は地面がぬかるみやすく、足を取られやすい、逆に、ぬかるみにくい場所は?」

みほ「それは、森から乾地へと接続する場所...っ、そっか!」

まほ「両サイドから砲撃が来るぞ!一気に加速して突き抜けろ!」


ツェスカ『ヤークトティーガー撃破!相手残存車輌2輌を目視で確認!』

エリカ『よくやったわツェスカ!残る2輌もそのまま仕留めて!』

小梅『もう1輌被弾確認!フラッグはあがっていません!残る1輌は無傷で21地点を突破!』

小梅「さすがあの二人ですね、死角ですよ、完全に見抜かれてましたね」ニガワライ


エリカ『217号車の21地点突破をこちらも確認!後続のヤークトパンターも突破したわよ!』

エリカ『両車輌ともこちらに接近中!後ろから二人は砲撃を...うぇっ!』

ツェスカ『どうしましたエリカさん!』

エリカ『217号車の砲塔がそっちを向いてるわ!ツェスカ、そこから離脱しなさい!』

ツェスカ『ひ、ひい!は、早くうごかし、うぁ、う、うってき...きゃあああ!』シュポッ


まほ「いくら地面が頑丈とは言え、周囲が木に覆われている以上、動きにくいのは明白だ」

まほ「作戦を敢行した後の切り替えが大事だと、去年何度も言ったはずだぞ」

みほ「お姉ちゃん!ティーガーⅡが正面に、G型が後方にいるよ!どうする!」

まほ「挟み撃ちでは分が悪い、相手の側面部に出るぞ!」


小梅『後方のヤークトパンターは先程の被弾で動きが鈍っています!先にそちらを撃破します!』

エリカ『ええ!任せたわよ!』

小梅『っ、と、ヤークトパンター撃破!残るは西住姉妹の217号車だけです!』

エリカ『小梅!砲撃右!』

小梅『え、っきゃあ!』


エリカ『大丈夫!?小梅!ねえ!』

小梅『大丈夫、です、ただ、履帯が損傷してしまって、もうこれじゃあ、お荷物です...』タハハ

エリカ『お荷物だなんてそんなこと!』

小梅『いえ、もう満足に動かせません、もう、ただの砲塔にしかすぎませんよ』

小梅『ただ、砲塔は砲塔で、相手を撃つことだけに集中できます、無視できない存在ではあります』


小梅『相手に気付かれない程度に、わざと地面を狙って砂埃を起こします』

小梅『砂埃が晴れるまで待ってくれる人達ではないでしょう、その中を突破するのもリスキーです』

小梅『風向きが強くなった瞬間を狙います、あの二人は視界不良を嫌って風上へ出るはずです』

小梅『砂埃から出てきたその瞬間を狙ってください、なるべく近距離で、なるべく一発で』

エリカ『でも、そんなこと...』


まほ「.........」トントントントン

みほ「あのぅ、その、お姉ちゃん?早く撃たないと勝てる機会逃しちゃうよ?」

まほ「あいつらは今、自分達で作戦を練ってるはずだ、邪魔は出来ない、二人が動き出したと同時に、私達も動くぞ」

みほ(9連覇したチームの隊長さん後輩に対して甘々すぎないかなぁ...)


小梅『成功できるできないじゃないんです、成功させるんです、エリカさんなら出来ますよ』

エリカ『...小梅、あなたの腕を信じるわよ』

小梅『ええ、エリカさん、信じていてください、私もエリカさんを信じています』

小梅『それじゃあ、いきます!』

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