【デュエマ】NO.2「希望ヶ峰学園?」【ダンガンロンパ】 (90)

あらすじ!
禁断の力を使いゼロの世界を作ろうと目論む赤城山バサラを筆頭とするレアキラーズ…!
それを阻止するべく新たな力、ファイナルタイムストップデュエルで見事バサラに勝利した真の主人公我らがルシファー!
だが、ドキンダムは消滅したもののバサラは新たな禁断の力を手にし復活を遂げる!
その上レアキラーズのNo.2であるNo.2にルシファーがまさかの敗北、切り札のミラダンテⅩⅡを奪われてしまったのだった…!!

注意事項
・デュエルマスターズVSRFとダンガンロンパ3絶望編のクロスSSです。
・初SSなので何かおかしいところがあるかもしれません。
・また、キャラがおかしい部分もあるかもしれません。
・その他諸々
・デュエマの時間軸は一応27と28話の間辺りです

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1483801686

No.2「禁断が新たな姿になった今俺たちの理想を一刻も早く実現させるためにも強力なレアカードが必要だな、バサラ。」

バサラ「ああ。」

No.2「なのでバサラ、俺もそろそろレアカード狩りに行こうと思う。」

バサラ「そうか。」

No.2(だが…奪うレアカードはできるだけ強力な方が良い。)

No.2(何かいい情報はないか…)タブレットスイー

No.2「…うん?これは…この間の大会のレポートか…」

No.2(今回の大会優勝者はあの希望ヶ峰学園所属の超高校級のゲーマー七海千秋)

No.2(優勝者には特別なプロモカード「不敗のダイハード・リュウセイ」が貰える…か)

No.2「よし、コイツにしよう。」

バサラ「…どうやら獲物が決まったみてぇだな。」

No.2「ああ、決まったぞバサラ。これから行ってくる。」

バサラ「フン、乗れよ。連れて行ってやる。」

No.2「ふっ、ならお言葉に甘えさせてもらうぞバサラ。」

No.2「場所はあの希望ヶ峰学園だ、道はわかるか?バサラ。」

バサラ「ああ、知ってるぜ。あの政府公認の私立高校だろ?」

No.2「そうだ、超高校級の才能を持つ生徒のみが通えるあれだ。」

No.2「…もしもこの世界がまともだったらバサラ、お前も超高校級のレーサーとしてスカウトされたんだろうな。」

バサラ「…だからこそこんな腐りきった世界をゼロにする…そうだろNo.2。」

No.2「ああ、もちろんだバサラ。」

バサラ「よし、行くぜ。」バルルン!

~希望ヶ峰学園~

バサラ「よし、着いたぜ」

No.2「この雨の中あのスピードで全くスリップしないとは…」

No.2「流石だな、バサラ。」

バサラ「フン、当たり前だ。」

バサラ「…俺はあの辺で待ってるぜ、行ってこいよ。」

No.2「ああ、行ってくるバサラ。」スタスタ

No.2「…なんだこの人だかりは…まるでデモの様だが…」

No.2「希望の学園と呼ばれるここがこんな有様とは、この世界が腐りきっている証拠だな。」

No.2(当たり前だが正面からは入れそうに無い、違う場所から侵入するとしよう。)

No.2「…この裏口なら行けそうだ…」

No.2「この程度の扉のロック、俺の前では何の意味も持たない。」タブレットスイー

ピー ウィーン

No.2「フッ…思ったより簡単に入ることが出来たな。」

No.2「さて、奴を探すか…」

No.2(…こんな所にも人だかりがあるのか…と言うか何人も人が倒れているな…)

No.2(ん?あいつは…)

No.2「こんな所で会うとは奇遇だな。」

No.2「…江ノ島盾子。」

江ノ島「ん?あんた確か…」

-約半年前 某ファミレス-

店員「お会計4910円となります。」

江ノ島「はい5000円。」

江ノ島「…」

江ノ島「あーあこの世界何もかもが予測できて退屈でつまんなーい。」(小声)

江ノ島「何かの手違いで世界滅んじゃったりしないかなー」(小声)

江ノ島(ま、だから私は予測のつかない絶望を愛してるんだけどね。)

店員「あ、あれ…?」

江ノ島「?」

店員「も、申し訳ございません!どうやら機械が故障してしまったようで…少々お待ちください!」

江ノ島「…ちょっとーマジありえなくなーい?」

No.2「…俺に見せてみろ。」

江ノ島(あ、後ろに並んでた奴だ。)

店員「お、お客様…?」

No.2「俺はメカニックだ、これくらいなら簡単に治せる」ガチャガチャ

No.2「……」ガチャガチャ

No.2「…これでどうだ?」

店員「…な、治ってる!ありがとうございます!」

No.2「早く会計を済ませろ。」

江ノ島「ちょ、何さり気なく会計の順番抜かしてんの?」

No.2「…おい、お前。」

江ノ島「何?文句でもあんの?」

No.2「話がある、俺と来い。」

江ノ島「も、もしかしてナンパ!?やだー!もう!私が可愛すぎるばっかりに…」

No.2「全然違う、いいから来い。」

江ノ島「で、話って何?」

No.2「お前もこの世界をぶっ壊したいと思っているのか?」

江ノ島「えっ…あんたあの独り言聞いてた上に本気にしてんの?」

No.2「俺の名はNo.2。」

江ノ島「難波通?」

No.2「ナンバーツーだ。」

No.2「俺たちは世界を一度ゼロにして俺たちだけの理想の世界を新たに創ろうとしている。」

No.2「そのために今の世界をブッ壊したいと思っている人間を集めてチームを作っている最中だ。」

No.2「お前もどうだ?この世界に不満があるなら、俺たちと一緒に世界をゼロにしないか?」

江ノ島「うっわー…世界をゼロにするとか新しい世界を作るとか中二病真っ盛りじゃん…」

江ノ島「…あんたそれマジで言ってんの…?」

No.2「ああ、俺たちは本気だ。」

江ノ島「…ふーん、ま、遠慮しとくわ。」

江ノ島「私は私でやりたいことがあるし!」

No.2「そうか…ならいい。」

江ノ島「それじゃあ私は帰るから!」スタスタ

No.2「…」スタスタ

No.2「…うん?この雑誌の女はさっきの…」

No.2「江ノ島盾子か」

-

江ノ島「No.2…だっけ?」

No.2「お前もここの生徒か?」

江ノ島「そ!超高校級のギャルとして自分からここに来たんだよねー。」

江ノ島「…ところでさ、あんたって確か結構優秀なメカニックだったでしょ?」

江ノ島「これから一人増えるとは言え機械に強い人間は多い方がいいんだよねー。」

江ノ島「ここで再開したのも何かの縁だし…今度は逆に私の所に来な」

No.2「断る。」

江ノ島「うわっ…言い終わってないのに即答された…」

No.2「俺はバサラのNo.2だ。」

N.o2「No.1であるバサラの為に生きると誓い、バサラの為なら俺は何でもするつもりだ。」

No.2「それがバサラのNo.2である俺の存在意義だ。」

No.2「だから俺がバサラ以外の奴に従う気はない。」

江ノ島「さっきからバサラバサラ言ってるけど、そいつが前に言ってたチームのリーダー?」

No.2「ああ、世界最速の男であり俺たちレアキラーズのリーダー…」

No.2「それが唯一絶対のNo.1、赤城山バサラだ。」

江ノ島(世界最速の男って…コイツもホモかよ…)

江ノ島「ふーん…ま、しょうがないか!」

江ノ島「それよりもこれからメインディッシュがあるからそろそろ行かないと!」

No.2「あ、待て。」

江ノ島「うん?」

No.2「超高校級のゲーマー、七海千秋に用があるんだが何処にいるか知っているか?」

江ノ島「…へぇ、七海先輩に会いに来たんだ。」

江ノ島「でも残念!もう会えないよ。」

No.2「何?」

江ノ島「だって…七海先輩にはこれからたっぷりと絶望を味わった上で死んで貰うことになるから…!」ヒソヒソ…

No.2「先輩…上級生にでも虐められたのか?」

江ノ島「別に?あえて言うなら…私の欲望を満たしつつ計画を進めるため?」

江ノ島「仲良しこよしで幸せなクラス、その委員長が処刑される姿を見せられるアイツ達の絶望…」

江ノ島「それだけでご飯5杯は食えちゃうって…!」

No.2「…なるほどな。」

江ノ島「それじゃー私行くから!ばいばーい!」ツカツカ

No.2「…」

No.2「…俺も行くか」スタスタ



……

逆蔵(…)

逆蔵(…No.2はNo.1の為に生きる…か…)

逆蔵(…)




……

七海「はぁっ…はぁっ…」

七海「絶対…みんなの所に…帰るんだっ…!」

七海「ううっ…」ズルズル・・・

七海(両足も頭も腕も痛くて…ろくに歩けない…)

七海(それでも…前に進まなきゃ…!)

七海「っ…」ズルズル…

スタスタ…

七海「…えっ?」

七海(後ろから誰か…来てる…?)

七海「誰か…いるの…?」クルッ

No.2「…ようやく追いついたか。」

七海「…だ…だれ?」

七海(でかい何か…鈍器…?を肩に担いでる…もしかして…)

七海「っ…ここまで来て…殺される訳には…!」

江ノ島『ん?なんであんたそこにいんの?』

No.2「言ったはずだ江ノ島盾子、俺はこの女に用があると。」

七海「私に…用?」

No.2「希望ヶ峰学園77期生第一クラスの学級委員長で超高校級のゲーマー、七海千秋で間違いないな?」

七海「そ、そうだけど…」

No.2「今お前に死なれて貰っては困る。」

No.2「だから助けに来てやっただけだ、別に殺すつもりなど無い。」

七海「…え?」

江ノ島『あのさー余計なことしないでくんない?つか何でこの場所知ってる訳?』

No.2「簡単なことだ、この施設のメインシステムにハッキングしてカメラの映像とここの地図の情報を照らし合わせた。それだけだ。」

江ノ島『全く簡単そうに聞こえないんだけど?』

No.2(五月蝿いな…ミュートにしておくか)タブレットポチッ

江ノ島『                    』

七海「…用事って…何かな…?」

No.2「進みながら話すぞ。」

七海「…うん…」ズルズル

No.2「お前はこの前の大会で優勝したそうだな。」スタスタ

七海「はぁ…はぁ…大会って…何の…?」ズルズル

No.2「デュエマのだ、それ以外に何がある。」スタスタ

No.2「…うん?」カチッ

ヒュンヒュン!

七海「あ、危な…!」

No.2「フン!」

ガキィン!!

No.2(ブーメランのトラップか。)

七海(鈍器で吹っ飛ばした…)

七海「…」

七海「デュエマの大会…うん…優勝…したよ…」

ジャキン!

No.2(…またトラップか…)ガキン!

No.2(意地悪でも恐らく引くレベルの危険な罠だな)

No.2「その優勝賞品のプロモダイハードリュウセイ、そいつを賭けて俺とデュエマしてもらおう。」

七海「そ…それだけ…?」

No.2「あぁ。」

七海「っ…こんな…危ない所まで来て…助けてくれる…くらい…だから…はぁっ…はぁっ…」

七海「凄い用事かと…思った…けど…そうでもないんだね…」

No.2「…」

No.2「おい、もっと早く歩けないのか?バサラが外で待っているんだ。」

七海「バサラ…?戦国でレッツパーリィなあれの事…?」

No.2「何の話だ。赤城山バサラ、俺の仲間で、俺のNo.1だ。」

No.2「俺はバサラと生涯を共に生き、バサラのNo.2として一生支え続ける。それが俺だ。」

七海「…そっか…ごめん…ね…足…こんな事に…なっちゃてるから…」

No.2(確かにあの足では早く歩くのは難しいかもな。)

No.2「ふん、この程度の迷路、バサラや俺なら無傷で脱出できたんだがな。」

七海「…私にも…」

No.2「ん?」

七海「…私にも…生涯を一緒に生きたいって思う人が…昔いたんだ…もう…一年以上も前になるけど…」

七海「それに…会ってたのも…そんなに長い期間じゃない…それでも…いつの間にか…好きになっちゃったみたいで…」

七海「突然…ばったり会えなくなって…ずっとずっと…会いたくって…」

七海「それで…今日…偶然…なのかはどうか…分からないけど…再会したんだ…」

七海「…でも…その人は…雰囲気変わっちゃって…私のことも…あなたは誰ですか…って…」

七海「…私の事…忘れられちゃってたんだ…」

七海「…」

七海「…ごめんね…変なこと…喋っちゃって…」

七海「誰かに…聞いて欲しかったのかな…さっきまで…ずっと一人で…正直辛くて…寂しかったから…」

No.2「口を動かしている暇があるなら足を動かせ。」ガキン!

七海「…うん…」

No.2「…もし仮に…」

七海「え?」

No.2「もし仮にバサラが俺の事を忘れたとしても、俺のバサラへの思いは何一つ変わらない。」

No.2「そこにバサラがいる限り俺はバサラを支えるNo.2で有り続ける、バサラが望むなら何でもする。」

No.2「例え…あの約束すらも忘れ去られたとしてもな。」バキィ!

七海「…そっか…」

No.2「…無駄口が過ぎたな。」

No.2「…うん?あれは…」

七海「!ゴ、ゴールの扉だ…!!」

七海「これで…みんなと…!」

No.2「おい、まさかこのまま普通にこの扉を抜けるつもりか?」

七海「え…?そうだけど…ゴールだし…」

No.2「…」

No.2「…呆れた奴だな。」

七海「…?」

No.2「…絶望って言うのは、その時そいつが抱いていた希望が大きければ大きいほど受ける絶望も大きくなる。」

No.2「…例えば作っていたバイクが完成してようやくレースに出場できると喜んでいた途端…」

No.2「資金提供していた人間に裏切られ、さらにレースの出場資格すら奪われる…とかな…」

七海「…それって…」

No.2「あの女はお前とお前のクラスメイトを絶望させるのが目的なんだろう?」

No.2「つまりこういう事だ。」グイッ

七海「えっ…」

No.2「この先がゴールだ。」

ドンッ!!

七海「きゃっ…!」ザッ

No.2「フン!」ガシッ

グイッ

七海「!?」

ジャキン!ジャキン!ジャキン!

七海「…!!」

七海「…こ…これって…!」

No.2「…こんな悪趣味なダンジョンを作ったあのクズの考えそうな事だ。」

No.2「大方最後のこの罠でお前のここから生きて脱出しみんなと会えるという希望を粉々にスクラップするつもりだったんだろう。」

No.2「俺がコイツでお前を持ち上げていなかったら、今頃穴だらけになって死んでいただろうな。」

七海(その鈍器レンチだったんだ…)

No.2(安全圏まで投げ飛ばしてやるか)ポイッ

七海「うっ…!」ドサッ

No.2「後はこの邪魔な針をへし折るだけだな…フン!!」ブン!

バキバキバキィ!!

No.2「これでこのダンジョンは終わりだな、さっさと出るぞ。」

No.2「…ん?」

コツ・・・コツ・・・

No.2「…誰だ?」

むくろ「超高校級の軍人、戦刃むくろ…」

No.2(デュエマはしてなさそうだな…)

むくろ「盾子ちゃんに言われて君達二人共捕まえに来たから。」

No.2「俺もか?…そういえばメカニックが欲しいと言っていたな…」

No.2「!」

むくろ「はぁっ!」ヒュン!

No.2「ッ!!」ガキン

No.2(奴の武器はサバイバルナイフ…俺の大振りのレンチでは相性が悪いか…!?)

むくろ「遅い!」バッ

No.2「後ろッ…!うおおおおッ!!」ブゥンッ!!

ガギン!!

むくろ「ハッ!!」ザクッ

No.2「ぐっ…!だがッ…!」ガシッ

むくろ(!腕を捉えられた…!)

No.2「うおおおぉぉぉ!!」ブン!

むくろ「フッ…!」スタッ

むくろ(一旦距離を取ったか…)

No.2「…おい、戦刃むくろ、一つ聞きたい。お前の…江ノ島盾子の目的はなんだ、何故俺を欲する?」

むくろ「…さぁ。盾子ちゃんに言われたから君と七海さんを捕まえに来ただけ。」

むくろ「目的は…世界を絶望に堕とす…って言ってたと思うけど?」

No.2(…世界を絶望に…?)

むくろ「それにしても君、私の動きにある程度付いていけるなんて、ただのメカニックじゃないね。」

No.2「…当たり前だ。俺達は命懸けで生きてきたんだ、ある程度自衛できる力がなかったらとっくに死んでいるさ。」

No.2(…仕方ない、ここは…)スッ…

むくろ(ゴーグルをつけてタブレット端末を取り出した…?何かするつもりなら…阻止する!)ダッ!

No.2(やはり速いが…間に合うな。)ポチッ

パッ

むくろ「なっ…!?明かりが…消えた!?」

むくろ(だけど視界を消した所で気配と音さえあれば…)

ブオオオォォォ!ドコドコドコ!!

むくろ「え…エンジン音!?」

No.2「うおおおおぉぉぉぉぉッ!!」

むくろ(これは…何となくまずい気がする!一旦距離を…)

ズゴォン!!

むくろ「っ…!多分床が抉れてる…何て破壊力…!」

むくろ「…ん?しまった…音も気配もしない、逃げられちゃった…」



七海「はぁ…はぁ…」

No.2「…何とか撒けた様だな…」

No.2「いくら暗視機能もあるゴーグルとは言え流石に見づらいからな…非常電源に変えておいた。」

七海「…!君…脚を怪我してる…!だ、大丈夫…?」

No.2「俺の心配をするくらいなら自分の心配をしろ。」

No.2(コイツ程じゃないが俺も脚にダメージを受けてしまっている…コイツを担いで移動するのも限界があるな…)

No.2「まさかデュエマをしに来たはずがこんな事になるとはな…」

七海「…ごめん、私のせいで…君まで巻き込んじゃって…」

No.2「一々謝るな、鬱陶しい。」

No.2「…どうする…流石に超高校級の軍人だけあって俺一人では勝てる見込みが恐らくない…良くて相打ちか…」

No.2「バサラなら余裕で勝てるがな…」

七海「…」

七海「…ね、たしか君ってさ…ここの地図…持ってるんだよね…?」

No.2「それがどうした。」

七海「このままだと…きっと私たち二人共…あの人に捕まっちゃうよね…」

七海「脚…怪我しちゃってるし…」

七海「…でもさ…君一人なら…ここから出れるよね…?怪我は…私ほど深く無いみたいだし…」

No.2「…何?」

七海「…外で友達と何か…約束してるんでしょ?…だったら…早くここから出ないと…」

七海「あのね、約束って言うのはさ…破っちゃいけないんだと思うよ…」

七海「…多分…破る方にも…きっと何かしら事情があるんだろうけど…」

七海「それでも…破られた方は…悲しいから…だから…約束は守らなきゃ…」

七海「…私なら大丈夫、きっと…何とかなるから…」

No.2「…別に俺はお前の心配はしていないがな。」

No.2(ん…?これは…)タブレットスイー

七海「…そうだね。」

七海「…それでね…出来たらでいいんだけど…誰か…助けを呼んでほしいんだ。警察とか…何でもいいから…」

七海「さっき…世界を絶望に堕とすとか言ってたけど…このままアイツを放っておいたら…きっと大変なことになるから…」

No.2「…」

No.2「…なら俺はさっさとここから出るとしよう、助けは気が向いたら呼んでやる。」スタスタ

七海「うん、お願い…」

~一方その頃~

ガチャ…

逆蔵「宗方…」

宗方「!…逆蔵、江ノ島盾子はどうだった?」

逆蔵「…宗方…江ノ島盾子は…アイツは…」

逆蔵「…」

逆蔵「間違いねぇ、クロだ。」

宗方「…やはりそうか、奴が全ての黒幕だという事だな。」

逆蔵「あぁ…」

逆蔵「宗方…実は俺…」

宗方「どうした?」

逆蔵「…お、お前のことが…好きだったんだよ!」

宗方「…何?」

逆蔵「友人としてじゃねぇ、恋人としてだ…所謂俺は…ホモってヤツだ…」

逆蔵「その事を江ノ島がお前にバラすって脅されて…俺はアイツに屈しちまった…」

逆蔵「バラされたくなきゃ江ノ島盾子はシロだって報告をお前に伝えろって言われて…わかったって言っちまったんだ…」

逆蔵「お前の右腕として…ナンバー2として俺は…お前を裏切っちまったんだ!!…すまねぇ!!」

宗方「…そうか、顔を上げろ逆蔵。」

逆蔵「…え?宗方…?」

バキィ!

逆蔵「ぐぁっ…!」

宗方「馬鹿が…!」

逆蔵「宗方…あぁ、俺は馬鹿だ…あんな脅しに逆らえず…」

宗方「そうじゃない。」

逆蔵「…え?」

宗方「正直驚いた…お前が同性愛者だとはな…だが…」

宗方「…俺がそんな程度の理由でお前を拒絶する訳が無いだろ?」

宗方「まぁ、流石に俺も男だ。普通に付き合うなら女性がいいから悪いが告白の返事はNOになるがな。」フッ

逆蔵「む、宗方…!」キュン

宗方「それで、奴は今どこにいる?」

逆蔵「それがよ…実は俺、負けちまったんだアイツに…物理的にな…しかも脅される前にだ。」

宗方「超高校級のボクサーのお前が…負けただと!?」

逆蔵「どういう訳か俺の攻撃が全く当たらねぇ、まるで俺の動きが完璧に読まれてるみてぇだったぜ…!」

宗方「…逃げられた…ということか…」

逆蔵「…すまねぇ、宗方。」

宗方「…お前に責任が無い訳ではない、だが江ノ島盾子が俺の想像より厄介な人物だったのが誤算だったな…」

逆蔵「…それに逃げられただけじゃねぇ」

宗方「?」

逆蔵「学園に不法侵入したっぽい奴との会話を聞いてたんだがよ…」

宗方「不法侵入だと?」

宗方(警備部は何を…あ、逆蔵は俺の命令で今は警備から外れているのか。)

逆蔵「あぁ、どうやら江ノ島と知り合いらしいぜ…」

逆蔵「でだ…雪染のクラスの委員長の名前って確か七海千秋…だったよな?」

宗方「あぁ、超高校級のゲーマーで雪染も信頼していると言っていたな。」

逆蔵「そいつを殺す…的なことを言ってたぜ、アイツ。」

宗方「何だと…?」

逆蔵「それに雪染とも相変わらず連絡が付かねぇ…恐らくあいつの身にも何かよからぬ事が起こってるかもしれねぇな…」

宗方「…雪染…っ!」

宗方「……逆蔵、行くぞ…」ガタッ

逆蔵「行くって…何処にだ?」

宗方「勿論江ノ島の所にだ。」

逆蔵「江ノ島の所って…お前アイツのいる所わかってんのか!?」

宗方「一箇所…目をつけていた場所がある、だが…」

宗方「確実にそこにいるという保証はない、一種の賭けだ。」

宗方「だが雪染と七海千秋が危ないのなら考える時間は残されていない…そこに賭けるしかない!」

宗方「付いたぞ逆蔵…ん?あれは…!」

逆蔵「どうした宗方…何だありゃ!?予備学科生が数人伸びてやがる…それにあれは隠し階段か…?」

宗方「…やはり俺の読みは正しかったか。」

逆蔵「どういう事だ?」

宗方「カムクライズルプロジェクトはこの世の全ての才能を予備学科性に詰め込み人工的に超高校級の希望を作り出す計画。」

宗方「そんな事をする為には大掛かりな設備が必要なはずだ。」

宗方「だがこの学園を調査した雪染の報告を見る限りそんな設備がありそうな場所は無かった。」

宗方「だから俺はこう考えた、地上からは発見できない場所…つまり地下にあるんじゃ無いかとな。」

逆蔵「けどよ…どうしてここにあると思ったんだ?」

宗方「このプロジェクトの名前はカムクライズル…希望ヶ峰学園初代学園長、神座出流の名前を使用した計画なら…」

宗方「それを生み出す場所もまた神座出流の下、つまり神座出流像の地下ではないかと思っただけだ。」

逆蔵「なる程な…とんだロマンチストじゃねぇか。流石は宗方だな。」

逆蔵「…だが、俺たちが探してるのはカムクライズルじゃねぇ、江ノ島盾子だろ?」

宗方「雪染によるとカムクライズルは全ての才能と引き換えに思考、感情、記憶等が消されるらしい。」

宗方「そんな奴が自分から生徒会を皆殺しにするとは俺には思えん。つまりあの事件は誰か別の人間の手によって起こされたものだろう。」

宗方「そして今持っている情報を全て照らし合わせるとその人物は恐らく第一発見者の江ノ島盾子だ、間違いない。」

宗方「つまりカムクライズルを探せば自ずと江ノ島盾子を見つけることができるかもしれないということだ。」

逆蔵「そこまで考えてるとはな…流石宗方だぜ。」

宗方「逆蔵、中に入って分かれ道があれば二手に分かれるぞ。」

逆蔵「ああ。」

宗方「江ノ島を発見次第すぐに俺を呼べ、俺も見つけたらお前を呼ぶ。」

宗方「ただし俺が来る間は無闇に攻撃するな、距離をとって防御と回避に専念しろ。」

逆蔵「…あんまりやりたくはねぇが…仕方ねぇな…」

宗方「よし、行くぞ!」

逆蔵「おう!」

宗方(待っていろ、ちさ…!)



七海(あれからどれくらいたったんだろう…5分か…10分位かな…)

七海(あの人…助けを呼んでくれるかな…気が向いたらって言ってたけど…)

七海(そういえば…名前聞いてなかったっけ…)

七海(…ただ助けを待ってるだけじゃ…駄目だ…私も…何かしないと…)

七海(でもどうしよう…下手に動いたら…見つかっちゃうかも知れない…この体じゃ碌に逃げれないし…)

七海(だけど…みんな捕まってるみたいだから…助けに行かないと…)

七海「んうっ…」

七海(結構…やばいかも…血が止まらない…頭が…クラクラしてきた…)

七海(少し休んだら…楽になると思ったけど…何か悪化してる気がする…)

むくろ「…見つけた。」

七海「…え?」

七海「…!!戦刃…むくろ…!?どうして…ここが…?それに…足音も全く…聞こえなったのに…!」

むくろ「血の匂いがしてる方に来ただけ、足音くらいは消せるよ?超高校級の軍人だし。」

七海「っ…」ズルズル…

七海「…痛っ!」ドシャ

むくろ「動かない方がいいよ?その脚の怪我じゃ動くたびに傷が開いて激痛がはしるだけだよ。」

七海「はぁっ…はぁっ…!くぅ…」ドクドク…

むくろ「ところで…もう一人の男の方は?」

七海「…どこ…だろうね…」

むくろ「この辺りに気配は感じない…もしかして七海さんを置いて逃げたの?」

七海「…逃げたんじゃ…無いよ…ただ外で…友達が…待ってるから…うっ…会いに行った…だけだ…よ…」

むくろ「…まぁ要するにここにはいないって事だよね?」

七海「はぁ…はぁ…そう…だね…」

むくろ「…まだ何か諦めてないみたいだけど、もう諦めたほうがいいよ?盾子ちゃんに目を付けられた時点で七海さんもクラスの他の人もは終わりなんだし。」

七海「私は…最後まで…希望を捨てるつもりは…無いよ…!」

むくろ「その状態じゃ何もできないのに?」

むくろ「…まぁいいや、とりあえずあの男を追いかける前に七海さんにうろうろされちゃ困るから…」

むくろ「とりあえず脚をもうちょっと切っておいて完全に動けないようにしとくよ。」スチャ

七海「くぅ…!」

むくろ「…」

むくろ「……ん?」

むくろ(何かが…すごい勢いでこっちに飛んで来る…!!)

辺古山「はあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!」ゴオオオオオッ!

むくろ「!?」

七海「ぺ…辺古山さん…!?」

辺古山「ハァッ!!」ヒュン!!

むくろ「このっ…!」キン!

ズザザッ…

むくろ「…またあんた…?」

辺古山「っ…済まない七海…助けるのが遅くなった…!」

弐大「ぬおおおおおおおぉぉぉぉッ!!」ドドドドドド!!

むくろ「ま、また…!?」

弐大「墳ッ!!」ドゴォッ!!

むくろ「くっ!」サッ

七海「弐大くん…まで…どうして…ここに…?」

弐大「…七海、お前さんは…よぅ頑張った。あとはワシらに任せるんじゃ。」

弐大「辺古山、足は大丈夫か?言われた通り思いっきり足の裏に向かって蹴りを入れたわけじゃが…」

辺古山「全然大丈夫だ、むしろそのおかげでギリギリ間に合った。」

辺古山「…戦刃むくろ、私達の大事なクラスメイトを傷つけた罪…その身で償ってもらうぞ…!!」

むくろ「…私に傷一つ付けることができなかった癖に?」

辺古山「…あの時はお前を止めるのが目的で殺すわけではなかったからな…だが今回は違う。」

辺古山「お前を…殺す気でこの剣を振るおう…!」チャキ…

弐大「よさんかい辺古山、何も殺すことは無いじゃろ?」

弐大「…だがのう…さすがのワシも堪忍袋の緒が久々に切れちまって…全く手加減が出来そうに無いわい…!!」ボキボキ…

むくろ「随分怒ってるみたいだけど、戦場だと冷静さを損なうのは命取りだよ?」

辺古山「…だったらどうした!!」シュタッ!

辺古山「はぁぁぁぁぁぁッ!!」ガガガガガッ

むくろ「ふん…気迫だけはすごいけど…隙だらけッ!」

弐大「ぬおおぉぉぉッ!!!」

むくろ「なっ…!?くっ!」シュバッ

ズドォン!!

むくろ「くッ…!」

弐大「ワシも居る事を忘れとったようじゃのぉ…!」

むくろ(辺古山さんが攻撃に徹して私が反撃に出ようとするとサポートの弐大君が動いて妨害する…)

むくろ(ちょっと厄介かもしれない…!)

辺古山「良し…行けるぞッ!」ダッ

七海「…辺古山さん…弐大くん…ごめん…私の為に…」

終里「おぉーい七海ぃー!!」ドドドドドド

ソニア「七海さん…!?…なんてひどい…!すぐに怪我の手当てをしましょう…!わたくしに出来るかどうかはわかりませんが…」

小泉「良かった…千秋ちゃんが…生きてて…!」

七海「みんな…!来て…くれたんだ…」

七海「…ごめん…みんなが…捕まってたのに…私…何もできなくて…」

左右田「何で謝るんだよ!馬鹿かオメーは!」

九頭龍「むしろ謝るのは俺らの方だ!お前が苦しんでるのにただ見てるだけしかできなくてすまねぇ…!」

七海「…でも…どうしてここが…わかったの…?」

狛枝「あぁ、それはね…」

~数分前~

ダダダダダッ…

詐欺師「おい、急ぐぞ!!早く七海を助けに行くんだ!」

終里「なぁ、所で何で俺たち動けるようになったんだ?」

左右田「よくわかんねーけど、何らかの要因でここのブレーカーが落ちて真っ暗になっただろ?その後誰かが非常電源に切り替えたんだろうな。」

左右田「で、詐欺師の言うとおりあの映像のせいで俺たちが動けなくなってたとしたら多分非常電源は非常灯の分の電気しか流れねぇんだろ。」

左右田「そのおかげであのモニターが映像を流す事ができなくなって俺たちが動ける様になった訳だ、多分な」

終里「さっぱりわかんねー!!」

田中「それにしてもあの漆黒の魔窟より七海を救った悠久たる蒼海の衣を身に纏いし男は何者だ?」

左右田「多分メカニックじゃね?ツナギ来てるし馬鹿デケーレンチ持ってたし。」

ソニア「戦えるメカニックと言うことは…左右田さんの上位互換でしょうか?」

左右田「ソニアさん!メカニックは戦うのが仕事じゃないです!」

西園寺「超高校級のメカニックならアイツと同じようにハッキングとかできないのぉ?」

左右田「俺は機械いじる方が専門でプログラミングの方は…一応できるっちゃできるけどあんまり出来ねーんだよ。」

西園寺「ほんっと左右田おにぃって使えないね!」

左右田「そんな事言われても仕方ねぇだろ!!」

九頭龍「無駄話してる場合か!早くしねぇと七海のあの傷はやべぇぞ!」

澪田「…あ、分かれ道っす!」

花村「ど、どっちに行けばいいの…!?」

狛枝「…ねぇ罪木さん、キミはどっちだと思う?」

罪木「えぇ!?わ…私ですかぁ?え、えーっと…右…だと思いますぅ…」

狛枝「そう、じゃあ左に行こうか。」

罪木「ひ、酷いですぅ!」

小泉「ちょ…ちょっと狛枝!自分から蜜柑ちゃんに聞いといてそれは無いんじゃないの!?」

狛枝「…ねぇ罪木さん、ボクだって本当は希望の象徴であるキミを疑うのは嫌なんだよ。」

狛枝「でもさ、明らかにキミが怪しいんだよね、江ノ島盾子と繋がってるんでしょ?」

罪木「…な、何の話ですかぁ…?」

狛枝「キミの話だとさ、確か七海さんは脚を捻ったんだよね?」

ソニア「そういえば仰っていましたね…」

西園寺「でも七海おねぇは普通に走ってたじゃん!どういう事だよゲロブタ!」

罪木「そ…それは…えぇっと…さっきも言いましたけど七海さんの怪我はあまり大したことはなくて…ちょっと休憩したらすぐに良くなる程度だったんです
ぅ…」

狛枝「その程度だったらわざわざ休憩させる必要はないし、終里さんあたりに担いでもらえば済む話だと思うんだけど?」

罪木「えぇっと…」

狛枝「それにあの部屋にボク達や田中クンと弐大クンを連れて行ったのも確か君だったよね?」

罪木「あのぉ…そのぉ…」

詐欺師「…もし本当にお前が江ノ島と繋がっているのなら…拘束する必要があるな。」

狛枝「あ、そうそう。まだあるよ。」

狛枝「ねぇ詐欺師クン、ボクが教室で罪木さんを見かけたって行ったときちょっと素が出たよね?それはどうして?」

詐欺師「…あぁ。御手洗との連絡が取れなくなって数日後に罪木も教室に来なくなったからな…」

詐欺師「もしかしたら罪木のいるところに御手洗もいるかもとおもったんだ。…流石に何日も行方知らずだと心配になるしな…」

狛枝「御手洗クン…細い方だよね?彼ならボクと七海さんが江ノ島のいた所で見たよ?」

詐欺師「…!!」

狛枝「とても怯えてる様子だったよ…多分江ノ島に何か脅されたんだろうね。」

狛枝「まぁそれは置いといて、江ノ島の居る所に本物の御手洗クンがいて…」

狛枝「御手洗クンの居る所に罪木さんが居るなら…江ノ島の居る所に罪木さんが居たって言うのが成立するよね?」

罪木「っ…!」

九頭龍「だがよぉ…正直罪木が江ノ島の野郎と繋がってるとは俺には思えねぇぜ?」

狛枝「どうして?」

九頭龍「コイツとは一年以上の長い付き合いだが…正直俺らを騙して演技できるような性格にはとても思えねぇ。」

狛枝「成程ね、流石九頭龍クン。キミの言うとおりだよ。」

狛枝「でもさ…もし性格自体が変わってたとしたら話は別じゃないかな?」

辺古山「…?どういう事だ?」

狛枝「ねぇみんな、さっきの部屋で七海さんの映像見せられてる時さ、変な感じしなかった?」

狛枝「例えば…見たくないのに、もっと七海さんが苦しむ映像を見ていたい…って感じたりしなかった?」

西園寺「言われてみれば…そうかも。」

狛枝「簡単に言えば洗脳だよ、多分ボク達もあの映像を最後まで見続けたら今の罪木さんみたいになってたんじゃないかな?」

小泉「せ、洗脳って…!そんな!」

辺古山「…許せ、罪木。」首トン

罪木「ふぇ…?」ガクッ

九頭龍「お、おいペコ!お前何やって…」

辺古山「ぼっちゃん、確かに罪木が本当に洗脳されて江ノ島の手先になってるという確かな証拠はありません…」

辺古山「ですが…七海の事を考えるのであれば今は不安要素はできるだけ消しておくべきです!」

九頭龍「ちっ…確かに…そうかもしれねぇけどよ…」

澪田「ぼ…ぼっちゃんって何すかーっ!?二人ってどういう間柄何すか!?」

九頭龍「い、今はそんな事どうでもいいだろ!!そ、そんな事よりも…さっさと七海を助けに行くぞ!」

小泉「…まぁ、もう気絶させたものは仕方ないから…赤音ちゃん、蜜柑ちゃんを背負ってくれる?」

終里「まかせろ!」

田中「…だが、治癒の秘術を持つ罪木が奴の傀儡と成り果てているというのは正直痛いな…」

左右田「あぁ、七海の怪我を一番治せそうなのは罪木だからな…さっさと急がねぇと!」

花村「確か…罪木さんは右って言ってたよね?それじゃあ逆の左ばいいのかな?」

詐欺師「良し、急ぐぞ!」

弐大「応ッ!!」

ダダダダダッ…

澪田「ん…?ちょい待ち、誰か来るっす!!」

終里「誰だ?」

スタスタ…

No.2「…」

ソニア「あなたは…左右田さんの上位互換さん!」

左右田「その呼び方やめてほしいです。」

小泉「あれ?千秋ちゃんと一緒にいたんじゃなかったっけ?」

九頭龍「おいテメェ!七海はどこにいやがる!」

No.2「…付いて来い、案内してやる。」

花村「案内って…七海さんの所に?」

詐欺師「…どうする?確かに七海を助けてはいたが、正直素性も目的もわからない奴に付いていくのは…」

狛枝「…ねぇ、キミは今七海さんから離れているけど彼女は今どう言う状態なの?」

No.2「今アイツ…とついでに俺は超高校級の軍人、戦刃むくろに狙われている。助けに行ってやったほうがいいんじゃないのか?」

辺古山「戦刃むくろだと…!?それが本当ならかなりまずいぞ!」

弐大「誰じゃ?そいつは。」

辺古山「…皆が罪木を探している最中、私が戦っていた女だ。…正直私より強い。」

九頭龍「じゃあお前をボロボロにしたのもアイツの仕業ってわけか!」

狛枝「…これが本当なら、躊躇してる暇はないね。仕方ないから案内してよ。」

No.2「随分と上から目線だな、まあいい。」

タタタッ…

狛枝「ねぇ、移動しながらでもいいんだけどさ、キミの本当の目的を教えてよ。」

No.2「目的?あの迷路での会話はお前達にも聞こえていたんじゃないのか?」

狛枝「聞こえてたけど、あんなのが本当の理由なんて思う訳無いでしょ?」

狛枝「良く知らないけどデュエマってたかがカードゲームだよね?あんなものの為に危険を冒して七海さんを助けに来るなんて思えないって。」

狛枝「ま、七海さんは何故か信じたけど…あんな極限状態だったらそんな出まかせ信じて藁にもすがる思いで君に助けを求めてもしょうがないかな。」

詐欺師「…藁…?そうか思い出したぞ!」

澪田「何をっすか?」

詐欺師「一時期俺はデュエマーランドという場所でワラマキと言う男に成りすましていた事があったんだが…」

小泉「デュエマーランド…たしかあのやたらとハイテンションなネズミがマスコットなテーマパークだっけ?」

西園寺「知ってるのおねぇ?」

小泉「うん、ちょっとだけね。それで確か去年開園してその年のうちに物理的に潰れたらしいけど…」

詐欺師「あぁそこだ。それでそこにいるときある噂を耳にしてな…」

狛枝「噂?」

詐欺師「…世界を滅ぼす力を持っている、禁断のレジェンドカードと呼ばれるものがこの世には存在するらしい…」

No.2「!」

田中「…馬鹿な、闘いの札如きに俺様と同じように封印を施された禁断の力が存在するだと?」

狛枝「唯の噂でしょ?カードにそんな力があるわけ…」

九頭龍「…いや、カードゲームってのは案外馬鹿にできねぇかもしれねぇ…」

狛枝「まだあるの?」

九頭龍「…確か、三年位前だったか?金丸組と銀月組って言う、まぁ言うなら俺ら九頭龍組と同じようなヤクザの組織があったんだがよ…」

九頭龍「たった一人のデュエマプレイヤーに潰されたらしいぜ…」

花村「そ、そんな大げさな…」

九頭龍「しかもそいつはかなり物騒な噂が広まっててよ…特別な人間以外が使ったら死んじまうカードも持ってるらしいぜ…」

狛枝「…そう…」

狛枝「…もういいや、デュエマで納得するとするよ。」



狛枝「…と、言う訳なんだ。」

No.2「…」

七海「そっか…みんなを…連れてきてくれたんだ…ありがとう…」

No.2「あの女は俺にとっても邪魔だった、利害がたまたま一致しただけだ。」

七海「でも…君のおかげで助かったし…みんなの…無事な姿が見れて安心したから…だから…ありがとう…」

No.2「…フン。」

ソニア「…それにしてもなぜ七海さんにこのような仕打ちを…酷すぎます…!」

小泉「千秋ちゃん、一応聞くけどさ、あの江ノ島って奴に何かした?」

七海「何もしてない…と…思う…第一…今日初めて会ったし…」

澪田「初対面って…!ちゃんちゃらおかしいっすよ!」

No.2「…何かしただとかしてないなど関係ない。ただ自分の欲望を満たすために他人の希望を利用した、それだけだ。」

小泉「それがおかしいって言ってるのよ!千秋ちゃんを一方的に傷つけて…もうちょっとで千秋ちゃん死んでたかもしれないんだよ!?」

七海「小泉さん…悪いのは江ノ島盾子だよ…その人は悪くないから…」

No.2「…悪いのは江ノ島盾子のようなクズに限って力を持っているのが当然なこのゴミみたいな世界だ。」

七海「え…?」

No.2「…用事ができたので俺は行く」スタスタ…

七海「あっ…」

七海(また名前聞き逃しちゃった…)

~某所~

江ノ島「…あ~あ、計画全部パーになっちゃった。」

江ノ島「それもこれも全部あんたの仕業だからね…No.2。」

ウイーン

No.2「…」スタスタ

江ノ島「何しに来たの?」

No.2「…お前の計画を潰しに来た、バサラの為にな。」

江ノ島「…確かあんたらの目的ってさ、この世界をぶっ壊すことじゃなかったっけ?」

江ノ島「世界を絶望に叩き落としたい私とは目的が同じようなもんだし、どうして邪魔すんの?」

No.2「俺たちの目的は世界を絶望させるじゃない、世界を作り直す事だ。だからお前とは根本的に違う。」

No.2「それにお前の野望が達成されればレアカードそのものを手に入れること自体が困難になって俺たちに目的も達成されなくなる。」

No.2「…だからお前の野望を潰す…俺とデュエマしろ、江ノ島盾子!」

江ノ島「…成程、確かに私とアンタじゃ相成れないね。それで、私が勝ったら?」

No.2「俺を改造するなり廃棄処分にするなり好きにするといい。」

江ノ島「へー、大した自信じゃん、いーよ!その勝負、受けてやろうじゃないの!それじゃ場所移動しようか!」

ツカツカ…

No.2「…何処へ行く気だ?言っておくが俺はあの女のように甘くない、罠は通用しないぞ。」

江ノ島「まーまー黙って付いて来なさいっての、もうすぐつくから…」

江ノ島「…って言ってる側から着いたし!」

No.2「…ここは…?」

江ノ島「デュエマだろうが学級裁判だろうが関係ねぇ!シロかクロはっきり付ける場所といえば…」

江ノ島「ここ!裁判場しかないでしょ!」

No.2「なんでもいい、さっさと始めるぞ。」

江ノ島「それでは改めて確認します、このデュエマで私が勝てばあなたを私の好きにしてもいい。」

江ノ島「逆に私が負けたら…私の計画が潰れるんですよね…私が物理的にスクラップになるという形でいいですか…?」

江ノ島「ちょうどオシオキ用に作ったやつがあるし!」

No.2「ああ、それで構わない…行くぞ!」

No.2・江ノ島「「デュエマ、スタート!」」

No.2「呪文、ピーピング・チャージャー発動。そしてマイパッドでシールドをブレイク。」

シールドチェック ×

ナレ太郎「序盤、No.2はチャージャー呪文でマナを増やしつつシールドの数では一歩リード。」

ナレ太郎「対する江ノ島盾子はフェアリー・ミラクル、再誕の社などのマナブースト呪文を使い僅か3ターン目にして驚異の8マナっ…!」

ナレ太郎「マナの数では圧倒的に優位に達していた!」

No.2
手札2
マナ4
バトルゾーン 一撃奪取 マイパッド
シールド 5枚

江ノ島
手札2
マナ8
バトルゾーン 無し
シールド 4枚

江ノ島ターン4

江ノ島「さあ、行っくわよー!私のターン!」スッ…

江ノ島「このドローは激しく絶望的よ…!」ブチブチ…

江ノ島「モノクマ…ベリィ!!」ブチィ!

江ノ島「ワックワクのドッキドキの…絶望ドロー!!」

江ノ島「…うぷぷぷぷ!来たわね、私の切札!」

江ノ島「まず私はマナチャージせずに呪文、セブンスタワーを発動!メタモーフにより山札の上から3枚をマナゾーンへ!

江ノ島「そして残ったマナで龍覇 ザ=デッドマン召喚!」

江ノ島「その登場時能力で超次元ゾーンよりドラグハートフォートレス、侵攻する神秘 ニガ=アブシュームをバトルゾーンへ!」

江ノ島「これで私はターンエンド!」

No.2「そいつの龍解条件はマナゾーンのドラゴン五体を手札に戻す…条件は揃っているはずだが?」

江ノ島「まだやりたい事あるし、龍解はしないだけだけど?」

No.2「まぁいい、俺のターン。」

No.2ターン4

No.2「…フッ、まずはマナチャージ、そして…俺のエンジンに火をつけてやる。」

No.2「D2フィールド、Dの機関 オール・フォー・ワン展開!」

江ノ島「!それが噂に聞くD2フィールド…」

No.2「マイパッドでアタックせずにターン終了、そしてオール・フォー・ワンの能力発動。」

No.2「ターン終了時に自分のクリーチャーを一体破壊、それよりコストが最大2大きい水の進化ではないクリーチャーを手札からバトルゾーンへ。」

江ノ島(中々強力な能力じゃん。)

No.2「マイパッドを破壊し、アクア・スーパーエメラルをバトルゾーンへ!」

No.2「そしてアクア・スーパーエメラルの能力でシールドを一枚交換する。」

江ノ島「明らかにトリガー仕込んだじゃん、見た感じデッキは水単っぽいしクロックあたり?」

江ノ島「ま、たかがトリガー一枚仕込んだところでこれから始まる絶望の波は止められないよ…!」

江ノ島「私のターン!!」

江ノ島ターン5

江ノ島「お待ちかねおっしおきターイム!お楽しみはこれからよー!!」

江ノ島「まずはデッドマンの能力発動!クリーチャーを召喚、又は呪文を唱える時にコストを支払う代わりに火、自然、水、光、闇文明のカードを一枚ずつタッ
プすることができる!」

江ノ島「そしてニガ=アブシュームの能力で私のマナゾーンのカードは全ての文明として扱う!よって5マナで呪文、必殺!絶対絶望を発動!」

江ノ島「その効果でアンタの残りの手札とマイパッドを全部墓地へ!逆に私は二枚ドロー!」

No.2「…!」

江ノ島「さらに!もう一回デッドマンの能力で5マナ使用し…ボルバルザーク・エクス召喚!!」

江ノ島「その登場時能力により、私のマナを全てアンタップ!か・ら・の~…」

江ノ島「再びデッドマンの能力でコイツを召喚!偽りの王ナンバーナイン!!」

江ノ島「これでアンタは呪文を使えない、そしてこれで最後よ!残りのマナもタップして召喚!」

江ノ島「現れよ!永遠のリュウセイ・カイザー!!」

No.2「リュウセイ・カイザー…自軍全てのクリーチャーにスピードアタッカーを追加するクリーチャーか…!」

江ノ島「ご名答!これで私のクリーチャーは全てこのターン攻撃可能!」

江ノ島「まずはナンバーナインでシールドをWブレイク!」

シールドチェック ×

シールドチェック ×

江ノ島「次にデッドマンでWブレイク!!」

シールドチェック ×

シールドチェック ×

江ノ島「続いてリュウセイ・カイザーで…アンタがスーパーエメラルで仕込んだ最後のシールドをブレイク!」

No.2「…」パシッ

シールドチェック ○

No.2「シールドトリガー、改速テンペンチーWを召喚。」

No.2「その能力で相手はアンタップしているクリーチャーを一体、手札に戻す。最後の一体、ボルバルザーク・エクスを手札に戻せ。」

江ノ島「はいはーい。」

江ノ島「…これで私にもう攻撃できるクリーチャーはいませんね、つまりターンを終了するしかないというわけです。」

江ノ島「だけど…ただターンを終わるだけじゃないんです…まだやることが残ってますから…」

江ノ島「ターン終了時、マナゾーンのドラゴン5体を手札に戻すことでニガ=アブシュームの龍解条件成立!」

江ノ島「龍 解 !!」

江ノ島「絶望の大地を潤す破滅の王、五邪王 ニガ=ヴェルムート!!」

江ノ島「さぁ!どうするNo.2、この私様のバトルゾーンの絶望的な布陣!」

江ノ島「ナンバーナインで呪文は使えずリュウセイ・カイザーの能力によりブロッカーを並べたところでアンタのクリーチャーはタップイン。」

江ノ島「しかもニガ=ヴェルムートの能力でクリーチャーがアタックするたびアンタップ状態のクリーチャーをマナ送りにできる!」

江ノ島「おまけにアンタのシールドは0で私の手札にはスピードアタッカーのボルバルザーク・エクス!」

No.2「…」

江ノ島「アンタに残されたのは敗北っていう絶対絶望だけ…潔く諦めたら?」

江ノ島「俺が悪かったです、勝手なこと言ってすみませんでした。江ノ島盾子様がNo.1で俺がそのNo.2ですって言ってくれたら許してあげる…」

江ノ島「わけねーだろ!テメェはアイツらより一足先に洗脳されんだよ!」

江ノ島「さ、アンタの最後のターンよ。精々足掻いたら?」

No.2「…」

No.2「…フッ、この程度が絶望だと?俺を絶望させたければバサラの死体でも持ってくるんだな…まぁそんな事はまず不可能だが。」

江ノ島「あん?」

No.2「…夢も希望も奪われたあの時、バサラと俺の味わった絶望に比べればこんなもの、なんてことのないただの難解な作業。一つの工程に過ぎない。」

No.2「確かに普通のやつならひっくり返すのは難しい状況かも知れない。だが生憎、俺も俺のデッキも普通じゃない。」

江ノ島「普通じゃない?何それ。」

No.2「お前がいくら優秀な人間だろうが人である限り絶対に越えられない力、人智を超えたパワーを持つ禁断のカードの入った俺のデッキ。」

No.2「そして何より…俺はバサラのNo.2だッ!!」

No.2「行くぞ…俺のターン!」スッ

No.2 ターン5

No.2「鋼の体は、止まらない。」

No.2「鋼の意志は、止められない!エネルギー充填、60%…70…80…90…」

No.2「ガン…ガン…ゴン…ゴン…ガンゴンガンゴンガンゴン!エネルギー充填、完了!エンジン機動!」

No.2「ゼロの永久機関、発動!!」

No.2「まずはマナチャージ!そして…」

No.2「現れろ!俺の切札、時を組み替える永遠の絶望製造マシーン!禁断機関VV-8!」

江ノ島「永遠の絶望製造マシーン!?何それステキ!」

No.2「VV-8の登場時能力、山札の上から5枚をめくり、二枚を手札に。残りの3枚でこのカードを封印する!」

江ノ島「封印…?」

No.2「封印されたクリーチャーはバトルゾーンに存在しないものとして扱う。つまりアタックやブロック、アンタップはおろか能力さえも封じられる。」

No.2「そして封印されているクリーチャーは同じ文明を持つコマンドをバトルゾーンに出すことで封印を一枚墓地に置くことができる。」

江ノ島「ふーん、成程ね…だけどアンタの使用できるマナは…」

江ノ島「…!」

No.2「気づいたようだな。」

江ノ島「そのためのD2フィールド、オール・フォー・ワン…!」

No.2「その通りだ、俺はターン終了と同時にオール・フォー・ワンの能力発動!」

No.2「テンペンチーWを破壊し、コストが最大2大きいクリーチャーをバトルゾーンへ!」

No.2「現れろ!D2Wワイルド・スピード!水のコマンドの登場によって、VV-8の封印を一つ墓地へ!」

No.2「さらにワイルド・スピードの登場時能力発動!デッキの上から2枚確認し、その中からコスト6以下のクリーチャーをバトルゾーンへ!」

No.2「来い、アクア・スーパーエメラル!そしてワイルド・スピードのもう一つの能力、自分のD2フィールドがある時、自分のクリーチャー全ての種族にソニッ
ク・コマンドを追加する!」

江ノ島「コマンドって事は…!」

No.2「その通りだ!アクア・スーパーエメラルもソニック・コマンドを得ているので登場時封印を一つ墓地へ!」

江ノ島「ッ…だけどこれで正真正銘終わり…これで私のターンに…!」

No.2「いや、まだ終わっていない。」

江ノ島「なっ…!?オール・フォー・ワンの能力もワイルド・スピードの能力も解決したでしょ!?もう何も…!」

No.2「強力なD2フィールドにはあまりにもデンジャラスすぎる故にバトルゾーンに出ている時一度だけ使用できる禁断の力の一端がある。」

No.2「それが、D(デンジャラ)スイッチ!」

江ノ島「D2フィールドに…まだそんな隠し玉が…!」

No.2「時間が止まろうと世界が滅ぼうと、俺の永久機関は止められない!勝利の永久機関、エターナル・マシン・デュエル!!」

No.2「デデンデンデンデンジャラスイッチ…オン!」

No.2「オール・フォー・ワンのDスイッチ!ワイルド・スピードの登場時能力をもう一度使用することができる!」

江ノ島「!!」

No,2「現れろ、アクア・サーファー!その能力でナンバーナインを手札に戻す!」

江ノ島「くっ…そしてそいつもコマンド…!」

No.2「そうだ…これでVV-8の最後の封印を墓地へ!」

No.2「ブイブイ行くぞ!ブイブイバルルン…ブイバルブイバル…ブイブイブイー!!」

No.2「禁断…機動!禁断機関VV-8!!」

江ノ島「封印が…1ターンで全部…!」

No.2「そしてVV-8の能力発動!禁断機動した時、もう一度続けて俺のターンを行う!」

江ノ島「覇ぁ!?追加ターン!?条件ゆるすぎじゃないの!?」

No.2「俺の追加ターン!」

No.2 追加ターン6

No.2「マナチャージ。そして呪文、フォース・アゲイン!VV-8を破壊し、もう一度バトルゾーンへ!!」

No.2「VV-8の能力、山札の上から5枚を確認し2枚を手札に、残りのカードでVV-8を封印!」

江ノ島「もう一度封印を付け直すって…アンタまさか…!」

No.2「そのまさかだ。マイパッド召喚!封印を一つ墓地へ!そしてターン終了と同時にオール・フォー・ワンの能力発動!」

No.2「アクア・サーファーを破壊し、もう一体のワイルド・スピードをバトルゾーンへ!!能力発動!現れろ、サイバー・N・ワールド!」

No.2「その能力でお互いに墓地と手札のカード全てを山札に加えシャッフル、5枚ドロー!そしてコイツもコマンド!」

No.2「ブイブイバルルン…ブイバルブイバル…ブイブイブイー!!禁断…機動!!」

江ノ島「…これでまた…アンタのターンって訳…?」

No.2「そうだ、俺の永久機関が動き出した今お前のターンは永遠に回ってこない。これが俺の、エターナル・マシン・デュエル!!」

No.2「俺のターン!」

No.2 追加ターン7

No.2「マナチャージ。まずは呪文、スペルブック・チャージャーを唱える!デッキの上から4枚確認し、その中から呪文を一枚相手に見せて手札に加える!」

No.2「俺が手札に加えるのは、フォース・アゲイン!そして発動!VV-8を選択!一度破壊しもう一度バトルゾーンへ!」

No.2「その能力で山札の上から5枚を確認、二枚を手札、残りで封印!ターンエンドと同時にオール・フォー・ワンの能力発動!」

No.2「サイバー・N・ワールドを破壊し、龍素記号Sr スペルサイクリカをバトルゾーンへ!コマンドの登場により封印を一つ墓地に送る!」

No.2「そしてスペルサイクリカの能力で墓地より呪文、フォース・アゲイン発動!ワイルド・スピードを破壊し、もう一度バトルゾーンへ!」

No.2「ワイルド・スピードの能力発動!改速4-Wをバトルゾーンへ!効果終了と同時にフォース・アゲインを手札に!そしてこの2体の登場により封印を二つ解
除!」

No.2「禁断…機動!そしてもう一度俺のターン!」

江ノ島「一体いつまで続ける気よ…!?」

No.2 追加ターン8

No.2「マナチャージして再び呪文、フォースアゲイン!VV-8を破壊しもう一度バトルゾーンへ!その能力でデッキの上から5枚確認し、2枚を手札に、残りのカ
ードで封印する!」

No.2「そして呪文、チューン・アゲイン!バトルゾーンのカード一枚を手札に戻す!俺はVV-8の封印を選択!」

江ノ島「なっ…封印を呪文で…!?」

No.2「そしてそれが自分の水のコマンドならバトルゾーンに出せる!現れろ、もう一体のマスター・イニシャルズ!D2W2ギガスピード!」

No.2「その能力で、バトルゾーンのカード一枚を手札に、そして自分のD2フィールドがあればクリーチャーも一体手札に戻す!」

No.2「俺はVV-8の封印とニガ=ヴェルムートと手札に戻す!」

江ノ島「ッ…龍回避!ニガ=ヴェルムートを裏返す…そいつ自身もコマンドって事は…!」

No.2「ああ、コマンドの登場により封印を一つ墓地へ!禁断機動!」

江ノ島「またッ…!」

No.2「行くぞ!VV-8でシールドをTブレイク!」

シールドチェック ×

シールドチェック ×

シールドチェック ×

No.2「ワイルド・スピードでシールドをブレイク!」

江ノ島「くっ…!」

シールドチェック ○

江ノ島「来た…!シールドトリガー、終末の時計ザ・クロ…」

No.2「無駄だ、確かにターンを飛ばされたら今までのターン終了時に禁断機動していた場合はオール・フォー・ワンの能力さえ使うことができない。」

No.2「だが既にVV-8の能力は発動し、俺は追加ターンの権利を得ている!」

江ノ島「ッ…!ピーピング・チャージャーで既にシールドにクロックが埋まってる事を知ってたから、今回は最初に禁断機動してたって訳ね…!」

No.2「ああ。そして俺のターン!」

No.2 追加ターン9

No.2「VV-8で江ノ島盾子にダイレクトアタック!!」

江ノ島「なんて…絶望的いいぃぃぃぃぃっ!!」ドカーン

No.2「永久勝利、製 造 完 了」

No.2「江ノ島盾子、約束だ。さっさとスクラップになってもらおうか。」

江ノ島「…アンタさ、こんなに可愛くて美人な江ノ島盾子ちゃんに向かって死ねって言うのに抵抗ないの?」

No.2「俺たちがこの腐った世界を壊すとどうせ俺達以外の人間は消えるんだ。いつ死のうが関係ない。」

江ノ島「…」

江ノ島「…うぷぷ、うぷぷぷぷぷ…」

江ノ島「やっぱ気が変わっちゃったー!まだ私、死ぬわけには行かなくなったわー!」

No.2「…何だと?話が違うぞ。」

江ノ島「大丈夫大丈夫!私はこれから何もしない、世界を絶望に叩き落とす計画はボツボツ!」

江ノ島「そもそも最初はそう言う条件だったでしょ?」

No.2「…あぁ。」

江ノ島「だから私はこれから何もしない、普通に逃亡生活を送るとするよ!それからこれ!」ヒュン

No.2「これは…DVDか?」パシッ

江ノ島「それは私が施した洗脳を解く映像が入っているDVD。」

江ノ島「ホントは超高校級の絶望になって色々やらかした後に洗脳を解いて最大級の絶望を与えてやろうと思ったんだけど…」

江ノ島「もう計画全部破棄にしちゃったから、あげる。後で雪染先生と罪木先輩って人、それと予備学科生に見せてあげたら?」

江ノ島「ま、あの二人は既に七海先輩を陥れちゃったから結構な絶望を生み出しそうだけど…七海先輩はやっさしーから笑って許してくれるっしょ!」

宗方「雪染が…洗脳だと…!?」

江ノ島「あれ?宗方先輩じゃーん、何でここが?」

宗方「…逆蔵から全て聞いている、一連の事件の犯人江ノ島盾子!一緒に来てもらおうか…!言っておくが戦刃むくろは倒れている所を逆蔵が捕縛したぞ!」

江ノ島「…あーあ、あのボクサーホモカミングアウトしちゃったかー…」

江ノ島「まぁでも捕まるわけにはいかないし、この辺でトンズラしちゃおーっと!」

宗方「ま、待て…!」

江ノ島「No.2、アンタ達の目指す世界を作るために大勢の人間が死の恐怖で絶望する…そんな絶望まみれのパラダイスを拝むまで私は死ぬつもりは無いから!」

江ノ島「楽しみに待ってるよ…!」スッ

No.2「…」

ボウン!

宗方「ッ…煙玉!?逃がすか!」タタタッ

-数日後・病院の病室-

No.2「…禁断機関VV-8でダイレクトアタック。」

七海「ま…負けちゃったよ…」

No.2「俺の勝ちだ、約束通りこのダイハード・リュウセイは貰っていく。」ガタッ

七海「ねぇ、すごいねそのカード…!そんなコンボ初めて見たよ!もう一回勝負しよ?」

No.2「断る、今の俺の目的はコイツだ。これを手に入れた以上お前とここでデュエマする理由はもう無い。」

七海「…そっ…か…」シュン

No.2「…」ツカツカ

ガラッ

七海「…ねぇ!…どっかで出会えたら…また遊ぼう!」

No.2「…気が向いたらな…」

七海「うん、約束だよ?」

No.2「…」

No.2「ついでだ、これはお前にくれてやる。江ノ島の洗脳を解く映像が入っているらしい。」ヒュン

七海「本当?…ありがとう。」

ガラッ

七海「…あっ…名前、また聞きそびれちゃった…」

-アジト-

バサラ「戻ってきたか、No.2。」

No.2「あぁ、バサラ。この通りレアカードは奪い取った。」スッ…

ヒュン バチバチバチ!

No.2「…バサラ、今回の一連の件…」

バサラ「あん?」

No.2「俺にとってはただレアカードを手にする以上の価値があったかもしれない。」

バサラ「何だそりゃ?」

No.2「…あの女に出会えたことだ。」

バサラ「あの女?まさか惚れたのか?」

No.2「フッ…そんな訳無いだろ?バサラ。」

No.2「…江ノ島盾子…奴に出会えたおかげで再認識できた、やはりこの世界は歪んでいると。」

No.2「アイツのゴミの様な人間性を見ていると思い出す、俺たちをハメたあのオーナーをな…」

バサラ「…そうか。」

No.2「俺達は引き続きレアカード狩りを行う、必ずゼロの世界を作るためにな。」

バサラ「あぁ。」

No.2(バサラ…この世界をブッ壊し新しい世界を作ったそのときは…俺の作ったバイクでお前を必ずNo.1に導いてやる。)

No.2(その夢を叶えるためなら…バサラ、お前の為なら俺は…どんな事だってしよう。…たとえ殺す必要のない人間だとしても見殺しにするさ。)

No.2(俺達はずっと一緒だ…バサラ。)

-病室-

カタカタカタ…

カムクラ「…七海千秋、映像の解析終わりました。確かにこれは江ノ島盾子の洗脳を解く力がある映像のようです。」

七海「そっか、ありがとうひな…」

七海「…ごめん、カムクラくんだったね…。それ、ちさ先生と罪木さんに見せに行ってもらえるかな?…ごめんね、なんか頼みごとばっかりしちゃって…」

カムクラ「いえ、構いませんよ。…それと、さっきの男の件ですが…」

ジー…

七海「…?」

カムクラ(No.2…各地でデュエマで敗北した相手からレアカードを強奪する組織、レアキラーズのNo.2。)

カムクラ(各メンバーに直接指示を与えているのはリーダーである赤城山バサラではなく彼である。)

カムクラ(その目的はレアカードの力を禁断のカードに与え世界を滅ぼすこと。)

カムクラ(…先ほど調べたこの情報を彼女に伝えるべきかどうか…)

七海「…あ、もしかしてさっきの人と私のデュエマ見て君もやりたくなったのかな?それじゃあ…」ゴソゴソ…

七海「はい、諭吉。これで好きなカード買ってきていいよ。」

カムクラ「別に…いえ、受け取っておきます。それでは行ってきます。」ガララ

七海「うん、行ってらっしゃい。」

ガララ

カムクラ「…」

~回想~

No.2「…用事ができたので俺は行く」スタスタ…

七海「あっ…」

七海(また名前聞き逃しちゃった…)

西園寺「何アイツ…唐突にこの世界がゴミとか言い出して…」

ソニア「…何だか変わった方ですね…」

田中「フン、奴もまたこの世界に拒まれしものか…」

左右田「お前も十分変わってるけどな。」

詐欺師「そんなことより、さっさと傷の手当てをするぞ!薬等は罪木から拝借した!」

九頭龍「ペコと弐大は…よし、かなり押してるようだぜ!」

小泉「それじゃあ早く…」

ツカツカ…

澪田「…!誰か来るっす!」

左右田「お前さっきもそれ言ってたな。」

雪染「みんな~!」

終里「今度は誰…って先生じゃねーか!」

七海「!!」

小泉「良かった、無事だったんですね!」

ソニア「先生!実は七海さんが…」

七海「みんなダメだ!!先生はもう…」

雪染「…」ニヤリ

西園寺「え?」

ガスガスガスッ

小泉「きゃっ…」

左右田「ぐあ…!」

ソニア「あうっ…」

九頭龍「ぐわぁ!」

西園寺「ひぎっ!」

七海「み…みんな…っ!!」グイッ

雪染「…駄目じゃない七海さん、ちゃんと最後の罠で死んでみんなを絶望させなきゃ…!」

終里「先生…何やってんだよ!?」

田中「まさか…終末の時は既に訪れ罪木と同じく奴の傀儡となり果てていたというのか…!?」

狛枝「ッ…先生が捕まってから結構な時間が経ってるし、どうやらそうみたいだね…!」

澪田「ち、千秋ちゃんをどうするつもりなんすかー!?」

雪染「とりあえず、辺古山さんと弐大君が戦刃さんに勝ったら困るから…」

雪染「七海さんの絶望に満ちた叫び声をみんなに聞かせてあげる!」

七海「…!」

ガスッ!

七海「うあああああぁぁぁぁぁぁぁっ!!!ああっ、あぐっぁ!!あぎあぁぁぁぁぁぁ!!」

雪染「そーれそれそれっ♪」グリグリ

辺古山「!?なっ…七海!!」

弐大「先生が…踵で七海の右手を…!!」

むくろ「よそ見してていいの?」ヒュン

辺古山「グッ…!!」ガキィン

弐大「七海の叫び声のせいで集中できんッ…」ガガガ

雪染「みんなー!先生の言うことを聞かないと、七海さんの右手大変なことになっちゃうわよー?」グリグリ

七海「ひぎあっ…!!あぐあああぁぁぁぁぁぁっ!!!あああーーっ!!」

七海(このままっ…だと…みん…な…!!)

七海「みん…あっ!!わた…大丈…夫…だ…ら…っ!!ぐぅっ…!!」

辺古山「七海…!?」

七海「はや…くっ!…せん…せいと…そい…つっ!!あぎいいああぁぁはああぁぁっ!!」グリグリ

雪染「もう…七海さんってば。余計なこと言っちゃ駄目じゃない。」グリグリ

小泉「先生っ!!もうやめてください!!」

雪染「じゃあ先生のいう事…ん?」

七海「んぅ…!!ふぅっ…!んんんんんんっ…!!」

雪染「声を出さないように頑張ってるの?生意気ね…」グリグリ

七海「んふっ…!!んん…!んんっ…!」

雪染「このっ…!」

辺古山「七海…!」

弐大「辺古山よ…七海の心意気を無駄にするわけにはいかんぞ…」

辺古山「解っている…!速攻でケリを付けるぞ!」

弐大「墳ッ…後は任せたぞ…!!」

辺古山「何…!」

弐大「ヌオオオオォォォォ!!」ドドドッ!

むくろ「だから隙だらけだって…!!」ザシュッ!!

弐大「グハァッ!!」

むくろ「これでまずひと…!?」ガシッ

弐大「ようやく…捕まったのぉ…!!辺古山ァ!!思いっきりやったらんかいィィッ!!」

むくろ「しまっ…」

辺古山「はああぁぁぁぁぁーーーー!!」ズバアァァァ!

むくろ「がは……っ!!!」どさ

弐大「はぁっ…はぁっ…!!」

辺古山「弐大!大丈夫か!?」

終里「おっさん!!」

弐大「応…ワシは大丈夫じゃ…ッ!!」

雪染「くっ…こうなったら…!」スチャ

七海「はあっ…はあっ…」

九頭龍「おい先生…七海を離しやがれ…!」

狛枝「…そのドスで…何をするつもりなんです?」

雪染「うふ…ふふふ…決まってるじゃない。私も七海さんも、ここで死んじゃうのよ…!」

左右田「は…?な、何言ってんだよ先生!?」

雪染「戦刃さんが負けちゃったからもう私にみんなをもう一度拘束できそうにないのよ。」

雪染「だから目の前でみんなが大好きな先生と七海さんを殺して精一杯の絶望をみんなに与えて死ぬだけ。」

雪染「…まぁ、みんなの絶望した顔が見れないのは残念だけど!」

ガシッ

雪染「…えっ…?」

カムクラ「見苦しいですよ。」

狛枝「キミは…あの時の…!」

七海「日向…くん…?」

雪染「っ…離しなさい!どう言うつもり!?」

カムクラ「いったはずです、見苦しいと。あなた方絶望は彼女達の希望に負けたんです。ツマラナイ悪あがきはやめましょう。」

カムクラ「…所詮絶望もこの程度、なので僕は彼女の希望に味方することにしました。」

ドゴッ

雪染「うあっ…」ガクッ

カムクラ「…」スッ

七海「…日向…くん…助けて…くれたんだね……あり…が…とう…」

ソニア「七海さんっ!!」

カムクラ「早く治療しないと確実に死に絶えますね。」

カムクラ「なので僕は彼女を病院に連れていきます」ドドドドドド

終里「あっ…おい待て!!」

小泉「私たちも追いかけよう!」

西園寺「アイツ滅茶苦茶足はやいよ~!」

七海「日向…くん…あの…ね…」

カムクラ「…」

七海「君は…私の事…なんて…忘れ…ちゃった…みたいだけど…わた…し…それ…でも…ひな…た…くんの…事…が……」

七海「…大好き…だよ…」

カムクラ「…」

カムクラ「…残念ですが、日向創は才能のない以前の僕の事で、僕は日向創ではなくカムクライズルと言うものです。」

七海「…どう言う…事…?」

カムクラ「体は確かに日向創のものですがそれ以外…感情、思考、記憶、趣味等は別物…ほぼ別人という訳です。」

七海「…」

七海「…そう…なんだ…」

七海「…」

~回想終了~

カムクラ(あの後気絶した彼女を病院に運び言い渡された診断結果…両足は暫くすると治るがたまに痺れが出てくる程度の後遺症が残る。)

カムクラ(そして雪染ちさにボロボロにされた右手は…治るのに時間が掛かるとのこと、それまでゲームは禁止。)

カムクラ(…あの病院自体設備が整い腕のいい医者もいて高い薬もある最高峰の病院。なので僕の才能をもってしても同じ結果にしかならないでしょう。)

カムクラ(その事を目を覚ました彼女に伝えた時に彼女の目から溢れた涙、そしてあの言葉…)

七海「…そっか…暫くゲームは出来ないんだ…せっかく…ううん、何でもない。えっと…カムクラくんだっけ?」

七海「改めてお礼を言うよ。助けてくれてありがとう。」

カムクラ(あの時の彼女の顔とその言葉を聞いたとき…胸が苦しくなった気がした。そして…何か彼女の力になりたいと思った。)

カムクラ(感情の無いはずの僕がなぜこの様な思考を…恐らく、日向創の影響でしょうか。)

カムクラ(彼女が一番望んでいるのは恐らく日向創との再会…そして彼とのゲームでしょう。ですが僕が元に戻る事は…恐らく不可能です。

~カードショップ 滝川~

ガラガラ

るる「あ、いらっしゃいませー!」

カムクラ「…構築済みデッキとパックを見せていただけないでしょうか?」

るる「あ、もしかしてこれからデュエマ始める方ですか?それならこのパックなんてどうでしょうか?汎用性の高いカードが詰まってますよ!」

カムクラ「成程…構築済みデッキはこれ下さい、あと先ほどのパックを1BOX。あとは…」

カムクラ(一枚30円のストレージ…ノーマルカードの中にも何か掘り出し物があるかもしれない)バババババッ

カムクラ「…」バババババッ

るる(すごい勢いでストレージのカード見てるけど…これから始めるって言ってたのにどんなカードかわかるのかしら…)

テレビ『次のニュースです。先日、世間を騒がせた希望ヶ峰学園で起こった事件とは別に衝撃的な事実が判明しました。』

テレビ『希望ヶ峰学園上層部は才能のない人間にこの世のあらゆる才能を加えて超高校級の希望と呼ばれる大天才を作ろうとしたもようです。』

テレビ『この実験を受けた被験者は記憶、感情、趣味、思考などあらゆるものを消去されほぼ別人になるそうです。』

テレビ『これは明らかに非人道的な人体実験であり、この事に関わった希望ヶ峰学園の評議会のメンバー及び関係者は全員逮捕されることとなりました。』

テレビ『尚、既に一人人体実感済みであり、その人物は現在も行方は知られておらず指名手配とされています。名前はカムクライズルだそうです。』

テレビ『希望ヶ峰学園については予備学科制度は廃止、本科は継続する模様です。それについての会見の映像をご覧下さい。』

ボスカツ「人体実験たぁ…とんでもねぇ学校だな!」

ハムカツ「ホンマやで、怖い世の中になったもんやなぁ…」

勝太「人体実験までしてそこまで欲しいものかよ才能って。」

カツえもん「怪しげな機械を使ってまで赤ちゃんになった勝太殿達に批判する権利はないと思うでござる。」

ホカベン「ボスカツも思いっきり人体実験って言ってたべ。」

勝太「そりゃーえっと…あれだ。」

ボスカツ「…たとえタブーを犯してでもやらなきゃあいけねぇ事がある、それが男ってもんよ!」

ハムカツ「流石ボス!カッコええで!」

ぶっちゃけ「そもそもあれってどう言う仕組みなんだな?」

ベンちゃん「さぁ…きっとどこかのひみつ道具の風呂敷みたいに中に入れたものの時間を巻き戻すんじゃないかな?」

カムクラ「!!」ガタッ

ぶっちゃけ「あれ?その時って確かべんちゃんはいなかったはずなんだな。」

ベンちゃん「大体のあらましは聞いているよ。勝太君が赤ちゃんブームに乗っかろうとしたあれだよね。」

ボスカツ「まぁ、大方そのひみつ道具みてぇなもんだな。違う点といやぁ体の健康状態が入る前のままなのとあとはなれるのが赤ちゃんに固定されるって事ぐ
らいだな。」

ボスカツ「後者に関しちゃちょこっといじれば何とでもなるし、そもそもギャグアニメだから細かい設定なんて用意してねぇよ。」

カムクラ「少しよろしいでしょうか。」

勝太「あん?誰だお前…って何か見たことあんな…」

カツえもん「か、勝太殿!先ほどまでテレビに出ていた…!」

勝太「……ん?あ、ああ!?指名手配中のカムクライズルー!?」

るる・ベンちゃん・ホカベン・ぶっちゃけ・ハムカツ・ボスカツ「「「「「「な…なんだってー!?」」」」」」

るる「どどどどうしよう!?早く警察呼ばなきゃ!」

勝太「ぶっちゃけ、ここは任せた!俺達は逃げる!」

カムクラ「落ち着いてください、別にあなた方に危害を加えるつもりはありません。」

ベンちゃん「…?」

カムクラ「先ほどの幼児になる機械…それを僕につかわせてもらえませんか?」

勝太「は?何でだよ。お前も赤ちゃんになりてぇのか?」

カムクラ「正確には僕が人体実験を受けカムクラになる前に戻りたいのです。大体一年位前にですね。」

ベンちゃん「…どうしてそんな事をするんですか?理由を話してください。」

カムクラ「ツマラナイんです。全ての才能を持つ僕にとっては全てが予測できてしまう。だからこのツマラナイ世界を僕が生きていても何の感情も生まれませ
ん。」

カムクラ「だから、元の人格にこの体を返そうとしているだけです。」

勝太「なるほど、大体わかった。使わせてやるよ。」

るる「い…いいの?勝っちゃん。」

カムクラ「では…」

勝太「だが!タダで使わせるわけには行かねぇ!」

カムクラ「…やはり交換条件ですか。」

勝太「おう。お前、ありとあらゆる才能を持ってんだろ?当然料理に関する才能も!」

カムクラ「…ええ、料理人の才能くらい、僕も持ってますから。」

勝太「なら…超うまいカレーパンを俺に食わせろ!そうしたらお前の要求を飲んでやるよ!」

ぶっちゃけ「ぶっちゃけ、予想してた通りの条件なんだな。」

カムクラ「…いいですよ、少しここのキッチンを借ります。」

るる「は、はぁ…どうぞ。」

スタスタ…

ホカベン「勝太君、いいんだべか?指名手配中の人のお願いなんか聞いて…」

勝太「いいんだよ、うまいカレーパンが食えるわけだしそれにアイツが自分から消えたがってるんだろ?」

勝太「指名手配中の奴が消えるんなら、それはそれでありじゃねーの?。」

ボスカツ「まぁ、確かに勝太の言い分も一理あるな。」

ハムカツ「カレーパンはともかく意外とまともで驚いたで。」

ベンちゃん「…」

カツえもん「…?どうしたでござるか?」

ベンちゃん「…いや、何か違和感を感じるんだ…」

ナレ太郎「数分後…」

カムクラ「出来ました…具材は冷蔵庫の中にあるものを少々拝借しました。」

勝太「…うん、匂いは上々だな。いい具合に食欲をそそられるぜ。じゃあ早速…頂きます!」ガブッ

勝太「うん…?こ…これは…!?」モグモグ…

カムクラ「どうですか。」

勝太「う…うめぇーーーーーーー!!!!これは俺が今まで食べたどのカレーパンよりも…美味すぎる!!」

勝太「具材はさっき言った通り冷蔵庫にあったあり合わせの食材しか使ってねぇ…はずなのに!なんだこの美味さは!?」

勝太「まさか…適度な調味料とスパイス等の香辛料、具材を炒める時間、カレーを煮込む時間と油から揚げるタイミングだけでこの美味さを作り出したっての
か!?」

勝太「これが…人類が創り出した…超高校級の希望…!?」ガツガツガツガツガツガツ

ホカベン「そ、そんなに美味しいんだべか?オラにも一口…」

勝太「ダメだ!これは全部俺のもんだぁーーーーー」ガツガツガツガツガツガツ

カムクラ「…勝負ありですね。それでは例の装置…」

勝太「…いや、悪いが使わせるわけにはいかねぇ…!」

カムクラ「…え?」

カツえもん「か、勝太殿…?カムクラ殿の作ったカレーパンはそれほどまでに美味しいのに何故でござるか?」

ぶっちゃけ「約束が違うんだな!」

勝太「…おいカムクラ、お前が元の人間に戻ったらお前のその才能もひとつ残らず消えちまうんだよな?」

カムクラ「…えぇ。」

るる「ま…まさか勝っちゃん!?」

勝太「お前が全ての才能を失っちまったらこの究極にうめぇカレーパンが食えなくなっちまうだろ!だからあれを使わせるわけにはいかねぇ!!」

ベンちゃん「や…やっぱり…。」

カムクラ「…いいでしょう、ならばデュエマで勝負です。僕が勝ったら約束通りあの装置は使わせていただきますよ。」

勝太「望むところだ!俺が勝ったら一生俺の専属カレーパン職人になってもらうぜ!行くぜハムカツ、ボスカツ、カツえもん!」

ボスカツ「あんまり気が乗らねぇが…仕方ねぇ。行くぞお前ら!」

カムクラ・勝太「「デュエマ・スタート!!」」

ナレ太郎「序盤、勝太はトップギアを召喚。速攻を狙いつつもブロッカーに阻まれ攻撃できずにいた!」

ナレ太郎「一方のカムクラはボーン踊りチャージャーを使い墓地にカードを貯めていたのであった!」

勝太
手札3
マナ3
バトルゾーン 一撃奪取トップギア
シールド 5枚
墓地 0枚

カムクラ
手札3
マナ4
バトルゾーン 葬送の守護者ドルルン
シールド 5枚
墓地 2枚

ベンちゃん「見たところカムクラさんのデッキは闇と自然の多色デッキか…」

るる「えぇ、さっき買ってきたデッキよ、見たところそれなりに改造してたようだけど…」

勝太「行くぜ、俺のターン!」スッ

勝太 ターン4

勝太「このドローは…ハゲしく熱いぜ!ベリィ!ヴァンソーコ、ワッショーーイ!!」

勝太「…からの、俺は引く!たとえこの指が…ベッキリ折れようと!ボーボーに燃えちまおうと!ドカンと…行くぜ!」

勝太「ドロー!ドロドロドロドロドロドロドロドロドロ…ドローー!!!」

勝太「俺の切り札…勝ったァ!!」

勝太「行くぜ!マナチャージしてトップギアの能力で一マナ減らして漢の2号ボスカツ剣を召喚!」

ボスカツ「てやんでぃ!」

勝太「その登場時能力でドルルンを破壊!」

ボスカツ「喰らいやがれ!」ドゴッ

カムクラ「ドルルンの能力、破壊されたとき山札の上から2枚を墓地へ。」

勝太「ボスカツ剣はスピードアタッカーだ!そのままアタック!からのー…革命!」

ボスカツ「チェンジでぃ!」タッチ

ミシュラ「ミシュラ!!」

カムクラ「革命チェンジ…!?」

勝太「三ツ星鉄人ミシュラ!その能力で山札からレインボークリーチャーを一体手札に加えるぜ!俺が加えるのは蒼き団長ドギラゴン剣だ!」

ぶっちゃけ「勝太の手札にドギラゴン剣が加わったんだな!」

るる「勝っちゃんの手札にはさっき手札に戻したボスカツ剣がいるから次のターンには出せるわね!」

ホカベン「これはもう勝負は決まったも同然だべ!」

勝太「そしてWブレイクだ!」

ミシュラ「シュラ!」ズバ!

シールドチェック ×

シールドチェック ○

カムクラ「…シールドトリガー、デーモンハンド。トップギアを破壊します。」

勝太「チッ…だが俺の有利に代わりはねぇ!ターン終了だ!

カムクラ「僕のターン。」

カムクラ ターン4

カムクラ「ドロー、マナチャージ。そして4マナ使用し暗黒鎧ヴェイダーを召喚します。」

カムクラ「ターン終了時、ヴェイダーの能力発動。デッキの上から一枚を墓地に送りそれがクリーチャーなら一枚ドロー。」

カムクラ「…魔龍バベルギヌス、クリーチャーなので一枚引きます。」

ベンちゃん「彼は相変わらず墓地にカードを貯めているね…」

るる「あの人が買った構築済みデッキは自然文明のカードでマナブーストして闇の大型クリーチャーを早めに出すデッキだったんだけど…」

るる「どうやらマナブーストのカードは少なめにして墓地戦術をメインに改造したみたいね。」

勝太「へん、このターンで決めてやる!俺のターン!」

勝太 ターン5

勝太「ドロー!マナチャージしてボスカツ剣を再び召喚、アタック!からの…革命チェンジだぁ!!」

ボスカツ「頼んだぜ団長!タッチ!」

勝太「蒼き団長ドギラゴン剣!!」

ドギラゴン「ドッドド…ドギラァーーー!!」

るる「出たわ!ドギラゴン剣!」

カムクラ「…!」

勝太「ドギラゴン剣は…LEGEND!ってこたぁ、革命チェンジで出てきた今!今でこそ発動できる必殺技がある!」

勝太「さぁ…ドギラゴン剣!俺とお前で、ファイなろうぜ!ファイナっちまおうじゃねーか!!ファイナル革命!!」

勝太「手札とマナゾーンからコストの合計が6以下になる様に多色クリーチャーをバトルゾーンに出せる!来い、ハムカツ!カツえもん!」

ハムカツ「ワイ、参上!」

カツえもん「ヤム!我ら…ハムカツ団!」

勝太「カツえもんの登場時能力!相手のブロッカーを一体マナゾーンに送ることができる!ヴェイダーをマナゾーンへ!」

カツえもん「切り捨て…御免!」ズバァ!

勝太「そして俺の多色クリーチャーは全てスピードアタッカーになるぜ!まずはドギラゴン剣でTブレイク!」

シールドチェック ×

カムクラ「…」スッ

カムクラ「ツマラナイ…ゲーマー、ギャンブラー、そして幸運…あらゆる才能が僕に告げている…」

カムクラ「予定調和ドロー!…切り札をドローする才能くらい、持っていますから…」

シールドチェック ○

カムクラ「呪文、地獄門デスゲート発動。相手のアンタップ状態のクリーチャーを一体破壊できます、ミシュラを破壊。」

ミシュラ「グアァ!」ドカーン

勝太「くっ、ミシュラ!」

カムクラ「そしてそれ以下のコストを持つクリーチャーを墓地からバトルゾーンへ。」

ベンちゃん「まずい、彼の墓地にはさっき墓地に送ったあのカードが!」

カムクラ「魔龍バベルギヌスをバトルゾーンへ。その登場時能力でバベルギヌス自身を破壊しそして墓地からクリーチャーを一体復活させます。」

カムクラ「甦れ、邪霊神官バーロウ!」

るる「そんな…バーロウはバトルゾーンに出たときに墓地からバロムを出せるクリーチャー!」

勝太「バロムだって…!?それじゃあ俺のクリーチャーは全滅…!?」

ホカベン「このために墓地にカードを送り続けたんだべか!」

カムクラ「…残念ながら僕の墓地にいるバロムは現在このクリーチャーだけです。バーロウを死神明王バロム・モナークに進化!」

ハムカツ「…?何も起きてへんで?」

ベンちゃん「バロム・モナークに破壊する能力は無い、名前に死神とあるクリーチャーかデーモン・コマンドがバトルに勝ったときに墓地のクリーチャーを出せ
る能力があるんだ。」

カツえもん「危なかったでござる…」

勝太「ビ…ビビらせやがって…」

カムクラ「まだ終わってませんよ。」

勝太「え?」

シールドチェック ○

カムクラ「呪文、復活と激突の呪印発動。これによりカツえもんとバロム・モナークを強制バトルさせます。」

勝太「はあぁぁぁぁ!?」

カツえもん「か、体が勝手に…ヤムーー!!」ドカーン

ハムカツ「カツえもーーん!!」

ぶっちゃけ「バ…バロム・モナークがバトルに勝ったってことは…!」

カムクラ「えぇ、その能力で墓地より無双恐惶ガラムタをバトルゾーンへ。」

勝太「く…だが俺にはまだアタックできるハムカツがいる!」

ベンちゃん「…?魔龍バベルギヌスを出してハムカツマンを破壊、トップギアを出せばこのターンを凌げたんじゃ…?」

カムクラ「…」

勝太「どうやら流石の大天才もプレイングミスしちまったようだな!これで止めだ!ハムカツマン剣でダイレクトアタック!!」

ハムカツ「行っくでー!ちゃーーーーーーう!!」

勝太「これでカレーパンは俺の物だーーーー!!」

カムクラ「…僕がプレイングミス?とんだロマンチストですね。」

勝太「へ?」

カムクラ「ニンジャ・ストライク発動、光牙忍ハヤブサマルをバトルゾーンへ。」

ベンちゃん「しまった!ハヤブサマルを握っていたのか!」

カムクラ「ハヤブサマルの能力でバロム・モナークをブロッカーに、そしてブロックします。」

ハムカツ「な、なんやて!?ちゃうー!」ドカーン

勝太「マ…マジかよ…」

カムクラ「そしてバトルに勝ったので当然能力が発動します、バロム・モナークを進化元にこのツマラナイ世界に姿を表せ…終焉をもたらす原初の魔神…覇王ブ
ラックモナーク!」

るる「ま…まさかブラックモナークを出してくるなんて…!」

勝太「く…クソッ!ターン終了だ!」

カムクラ「僕のターン、終わらせてあげましょう。」

カムクラ ターン5

カムクラ「ドロー。呪文、カラフル・ダンスを発動。デッキの上から5枚をマナゾーンに、そしてマナゾーンから5枚を墓地へ。」

ぶっちゃけ「ま、また墓地を肥やしてるんだな!」

カムクラ「そしてガラムタでシールドWブレイク。」

シールドチェック ×

シールドチェック ×

勝太「くっ…トリガーはねぇ!」

勝太(けど…さっきのシールドで革命0トリガーの龍帝の紋章が二枚出てきたぜ!)

カムクラ「続いてブラックモナークでアタック…と同時に能力発動。」

勝太「ん?」

カムクラ「墓地より進化ではない闇のクリーチャー一体と闇のクリーチャー一体をバトルゾーンへ出せます。」

ボスカツ「アイツ…まだ展開するつもりか!?」

カムクラ「まず墓地より知識の破壊者デストルツィオーネをバトルゾーンへ。その能力で相手の手札を全て墓地に送ります。」

勝太「あああぁぁぁぁーーー!?俺の龍帝の紋章があぁぁーーー!!!」

ボスカツ「すまねぇお前ら…」

カツえもん「ボス殿もこちらに来てしまったでござるか…。」

カムクラ「そして二つ目の能力で墓地よりデストルツィオーネを進化元に悪魔神ドルバロムをバトルゾーンへ。」

勝太「ドドドドドルバロムゥ!?」

カムクラ「その能力でお互いのマナゾーンとバトルゾーンの闇以外のカードを全て墓地に送ります。」

ドギラゴン「ドギャァーーー!!」ドカーン

ホカベン「か、勝太君の手札もマナもクリーチャーも全部なくなっちゃったべ!」

カムクラ「そしてブラックモナークでシールドをTブレイク。」

勝太「くっそ…!」

シールドチェック ×

シールドチェック ○

勝太「来た!シールドトリガーRev.タイマン!革命2の効果で…」

カムクラ「残念ですがガラムタがアタックしてる時点でこのターン誰もシールドトリガーを使用することはできません。」

勝太「…え?」

シールドチェック ×

カムクラ「そしてドルバロムでダイレクトアタック!」

勝太「あばばばば…ぎゃーーーーーー!!!」ドカーン

カムクラ「最 終 決 着」

勝太「ち…畜生…カレーパン…が…」

ぶっちゃけ「カレーパンも作ってもらってデュエマで負けて…もう完全に勝太に止める権利は無いんだな。」

カムクラ「それでは例の装置…お漏らしくん3号は使わせていただきますよ。」

ボスカツ「あぁ…ちっと調整してくるぜ。」

カムクラ「大体この辺りの時間に戻して欲しいのです。」(フリップ)

ボスカツ「えらい困けぇな…ま、いいぜ。」

カムクラ「…」

カムクラ「…これで彼女は…」ボソッ

ベンちゃん「!」

るる「ん?何か言いました?」

カムクラ「…いえ、何も。」

ベンちゃん「…そうか、ようやくわかったぞ。僕が感じていた違和感の正体が…!」

ベンちゃん「待ってくださいカムクラさん、あなたにひとつ聞きたいことがあります。」

るる「どうしたのメガネ?」

カムクラ「何でしょうか?」

ベンちゃん「あなたは確か思考も感情も記憶もないんでしたよね?」

カムクラ「それがどうかしましたか?」

ベンちゃん「なら…どうしてデュエマのカードを買いに来たんです?」

ホカベン「どういう事だべ?」

カムクラ「…」

ベンちゃん「感情とか思考とか記憶とかが無いならそもそもデュエマに興味を持つ事自体がないと思うんだ。確かに世界中でプレイされてるとは言えホカベンも
つい数年前まで知らなかった訳だし。」

ベンちゃん「興味を持つならもっと別のものになるはずだと思うんだ。政治とか経済とか…」

ベンちゃん「つまりあなたは…誰かに誘われてデュエマを始めようとしたんじゃないでしょうか?そしてその誰かは…」

ベンちゃん「あなたがさっき言った「彼女」の事…違いますか?」

カムクラ「…えぇ、正解です。その彼女が僕になる前の人間に会いたがっている、それがお漏らしくん3号を使用しようとしている本当の理由です。」

カムクラ「…彼女の独り言を聞いただけですが、どうやら以前の僕になる前の人間は突然彼女の前から消えてしまった愚かな男らしいですので…」

勝太「…なら、仕方ねぇか…」

ベンちゃん「あなたがこれを使おうとしていることを彼女に話したんですか?」

カムクラ「いえ、そもそもカードを買いにこの店に来た時に偶然お漏らしくん3号の話を聞いたんですから。それに話すつもりもありません。」

ベンちゃん「…なら使わせるわけには行きません。」

るる「…そうね。」

カムクラ「…何故です?彼女が会いたがっている人に会わせたいだけ。なのに何故ダメなのでしょうか。」

ベンちゃん「…分からないんですか?今あなたがその人に無断で元に戻ろうとしている行為はあなた自身が愚かと言った人の行為と全く同じなんですよ…?」

カムクラ「…僕が消えたところで彼女は悲しまないでしょう。逆に彼に会って喜ぶと思われますが。」

勝太「馬鹿かお前、わざわざ消えても悲しまないような奴に一緒にデュエマしようって誘うのかよ?」

カムクラ「…」

るる「そうよ!確かにその人はあなたが元に戻って喜ぶかもしれないけど、同時にあなたが消えてきっと悲しむわ!」

カムクラ「…ではどうしろと?僕のままでいつづけて彼女は彼と一生再会させるなということですか?」

るる「そ、それは…」

ぶっちゃけ「…ぶっちゃけ、体が二つ無いと無理なんだな…」

ホカベン「流石にそれは無理だべ…」

ベンちゃん「…何か手は…ん?」

ベンちゃん(…あれは勝太君が赤ちゃんになった時の写真…?どうして飾ってあるんだ…?)

ベンちゃん「…!そうだ、僕にいい考えがある!」

カムクラ「…?」

~一週間後、病院の廊下~

澪田「…先生も蜜柑ちゃんも…千秋ちゃんに会わなくていいんっすか…?」

左右田「そうだぜ、洗脳もカムクラから貰ったビデオのおかげで解けたし、七海の奴も洗脳されてただけだから二人共悪くないって言ってるしよ…」

狛枝「そうだよ!先生も罪木さんも一度は絶望に屈してしまった。だけどそこから立ち直ってこそ本当の希望なんだ!」

西園寺「お前は喋んな。」

雪染「…たとえ洗脳されてたとしても、七海さんが私達の事を気にしてないって言っても…今も私の記憶にはずっとこびりついてるのよ…」

雪染「七海さんを騙してエレベーターに突き飛ばした自分…七海さんが傷ついていく映像を見て喜ぶ自分…七海さんの右手を踏みつけて悦んでいる自分…」

雪染「私はもう…七海さんに会う資格なんてないのよ…」

罪木「わ…私も…皆さんを騙して…あんな場所に連れて行って…あんな映像を見せて…皆さんのクラスメイトでいられません…うっ…」フラッ

九頭龍「お、おい大丈夫か!?」

辺古山「…宗方と言う人物に聞いたが、先生も罪木もここ数日何にも食べていないそうだ…」

花村「何か作ろうか?食べないと体が持たないよ!」

田中「その通りだ。人類はその身よりギャラルホルンの警告が鳴りし時、己のが肉体に他者から生命力を受け取らねばならない。それをしなければ待つのは…」

雪染「そうね…私自身、自分から死ぬことを望んでるのかも…」

詐欺師「なっ…!?」

ソニア「まさか…ジャパニーズ切腹をなさるおつもりですか!?」

ガララ…

七海「…ダメだよ…そんなの…」

雪染「なっ…七海さんっ…!?うぅ…!」ダッ

罪木「こ、来ないで…許してくださぁーーい!!」

弐大「悪いのう先生、罪木…」ガシッ

終里「ちょっと取り押さえさせてもらうぜ。」ガシッ

雪染「っ…!離して弐大君!私…もう七海さんと会いたく無いの!会ったら…あの時のことが…!」

七海「先生…罪木さん…!」タタッ

罪木「七海さぁん…あ、歩けるようになったんですかぁ…!?」

七海「ん…まだちょっと痛むけど…何とか。」

七海「…先生も罪木さんも…私の前からいなくなるつもりだったの…?」

雪染「だって…そうでもしないと…七海さんも私の顔なんて見たくないでしょ…?」

七海「…先生も罪木さんも悪くないよ、洗脳されたてたんだから…許すも何もないよ。でもね…」

抱きっ

雪染「…!?や…やめて七海さん!」

罪木「は…離してくださぁぁぁい!!」

七海「日向くんも…カムクラくんも…勝手にいなくなって…どっかに消えちゃって…!」グスッ

雪染「え…?」

七海「それで先生も罪木さんも…何も言わず遠くへ行っちゃったら…勝手に消えちゃったら…それこそ本当に許さないからっ…!!」

七海「だからっ…!!また前みたいに一緒の教室で…みんな一緒に授業したり…色々な事しようよ…?お願い…二人共…!」

雪染「な…七海さん…!私だって…私だってみんなとまた一緒のクラスに戻りたい…でもっ!」

七海「先生…!先生は生徒のお願いを聞いてくれないの…?また一緒に授業しようって…たったそれだけなのに…?」

雪染「な…七海さぁん…!うぅ‥っ…えぐっ…こんな…私が…あなたに酷いことした…私が…先生でいいの…?」

七海「うん…!先生じゃなきゃ…やだよ…!また前みたいに…」

七海「…罪木さんも…いいよね?」

罪木「は、はいぅあああぁぁぁぁん!!七海さあぁぁぁん!!」ぎゅうう

雪染「うぅ…」グスッ

花村「…それじゃあ、僕は先に帰って何か作っておくよ。」

終里「おうっ!」スタスタ

黄桜「あの~取り込み中の所良いかな?」

七海「あ…黄桜先生…」

黄桜「先生はちさちゃんじゃなきゃ嫌だって…おじさん、ちょっぴり傷ついちゃうよ…まぁそれはそれとして…」

黄桜「はいこれ、責任を取ってクビになっちゃった仁に変わって新しく学園長に就任した宗方君に頼まれて返しに来たよ。」

小泉「それって…辞表ですか!?」

ソニア「それじゃあ先生は…」

雪染「…うん、でもこれを返しに来たってことは…」

黄桜「そ、まだ君は希望ヶ峰学園の教師だよ。それは破くなり焼くなり好きにすれば?」

雪染「京介…。」

小泉?「千秋ちゃん!」

七海「?どうしたの小泉さん。」

デュエマウス「ギャッハー!あなたが七海千秋ちゃんでチュね!探しまチたよ!」

小泉「!?」

七海「確か…デュエマウス…?私に何か」ガシッ

七海「…え」

デュエマウス「どっこいしょ。」

デュエマウス「ギャッハーーーーーーーーーーーー!!」ドドドドドドドド

七海「きゃああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁ…………」

一同「…」

雪染「七海さんが変なのに拉致されたーー!?」

詐欺師「おい、追いかけるぞ!」

雪染「あ、やばい…何も食ってないから力が入らない…でもここで倒れるわけには…!」

???「あの…デュエマウスが人を担いで出ていくのが見えたんですが、何かあったんですか?」

九頭龍「あん?誰だお前、こっちは急いでんだよ邪魔すんな!」

辺古山「そいつが私たちの大事なクラスメイトを攫ったんだ!早く追いかけましょう!」

???「デュエマウスが…?すいません、ちょっと連絡してみます。」

左右田「なんだ。あのネズミの知り合いか?」

ソニア「この方は誰でしょうか…まるで王子様の様に気品に溢れていますが…」

左右田「ソニアさんには及びませんよ!」

詐欺師「…確か…そうだ、思い出したぞ。」

詐欺師「この男の名前はルシファー、現デュエマ界最強の男と言われる人物だ。」

狛枝「…またデュエマ?」

ルシファー「…なるほど、大体わかった。そう伝えておくよ。」ピッ

西園寺「何だって?」

ルシファー「彼女がいるので詳細は話せないが、なんでも大事な人物と合わせるためのようです。別に危害を加える様な事はしませんよ。」

詐欺師「…この男に特に悪い噂は立っていない、まぁ信用しても問題はないだろう。」

ルシファー「それじゃあ僕はこれで。」マントバサァ

ルシファー「…あの、17-73号室に入りたんですが…」

田中「…?堕天使の名を冠する者よ、貴様も七海に用事があるのか?」

ルシファー「七海…?七海千秋…確か超高校級のゲーマー…でしたっけ?」

小泉「君、誰が入院してるかわからないのにここに来たの?」

ルシファー「一つ聞きたいんですが…一週間前あなた方や病院の人以外にこの病室に入った人物はいませんでしたか?」

左右田「…そういや、メカニックの男が来てたぜ。なんでも七海とデュエマしに来たとか…」

ルシファー「!」

澪田「あともう一人居たっすね、カムクムグッ…!」

西園寺「あーあー!いなかったいなかった!そのメカニックだけ!」

ルシファー「カムク…?」

ルシファー(まさか…カムクライズル…?)

ルシファー「…そうですか、ありがとうございました。」スタスタ…

弐大「一体何だったんじゃ…?」

雪染「さぁ…?」

ルシファー(…約一週間前、何者かに僕のパソコンのデータベースをハックされた…閲覧された情報はレアキラーズに関するもの。)

ルシファー(超高校級のゲーマー…恐らく彼女にそんな事は不可能だ…)

ルシファー(そして七海千秋とデュエマしたメカニックの男…No.2で間違いないだろう。確かに彼女なら強力なレアカードを持っていても不思議じゃない。)

ルシファー(だが彼が僕のパソコンにハッキングしてデータを見るだけというのは腑に落ちない…なら…)

ルシファー(…カムクライズル、彼がハックした犯人だろう。だが何故…?)

ルシファー(まさか…レアキラーズに入るつもりなのか?)

~カードショップ 滝川~

デュエマウス「ゼェ…ゼェ…付きまちたよ!あの奥にキミに合わせたい人がいるんでチュ!」

デュエマウス「…ってよく見たら足怪我してるんでチュね…じゃあどっこらしょっと…」

七海「…?」

~カードショップ 滝川の地下~

七海「この店にこんな場所があったんだ…」

デュエマウス「まぁ、基本的に部外者は立ち入り禁止でチュけどね。」

七海「…何あの機械!?」

デュエマウス「あの中でチュよ、ポチッとな!」ポチ

ウィーン…ガガガガガガ……ボトッ、コロコロ…

七海(何か出てきた…)

パカッ!プシュー…

七海「…!?」

日向「うーん…あれ?ここは…たしか俺七海と別れたあと…」

七海「日向…くん…?本当に日向くん…なの…?」

日向「あれ…七海?どうなってるんだ?…お前、泣いてるのか…?」

七海「ひなっ…日向くぅん!!!」抱きっ

日向「うわっ!?」

七海「日向くん…!日向くん…!もう…会えないと思ってたのに…!日向くんっ…!!グスッ…うううぅ…日向くん…」ぎゅううう

日向(マジでどうゆう状況だよこれ…まぁ何だかよく分からないけど…)

日向「よしよし…もう泣くなよ七海。」

七海「日向くんが泣かせてるんだよぉ…!!」

日向「えぇ…」

ボスカツ「どうやら成功したようだな!」

日向「ハ…ハムスターが喋った!?」

ハムカツ「何か久しぶりやなその反応。」

七海「…それで…どういう事?どうして日向くんがここにいるの?」

ベンちゃん「戻したんですよ、彼がカムクライズルになる前…具体的に言うと貴方が最後にあった日までね。」

勝太「そこにある機械を使ってな!」

日向「…何となくどう言う状況か理解できた気がする。」

七海「日向くんに戻した…?そ、それじゃあカムクラくんは…消えたって事…?」

るる「それは…」

カムクラ「心配には及びません。」

七海「…!カムクラくんの声が…どこから?」

デュエマウス「ギャッハー!!」

スポッ

謎のハムスター「よいしょ…」

七海「!?」

ハムクラ「…どうもカムクライズル改めハムクライズルです。」

七海「…え?」

ナレ太郎「それは、遡ること一週間前…」

ぶっちゃけ「…ぶっちゃけ、体が二つ無いと無理なんだな…」

ホカベン「流石にそれは無理だべ…」

ベンちゃん「…何か手は…ん?」

ベンちゃん(…あれは勝太君が赤ちゃんになった時の写真…?どうして飾ってあるんだ…?)

ベンちゃん「…!そうだ、僕にいい考えがある!」

カムクラ「…?」

ベンちゃん「体が無ければ、作ればいいんだよ!」

るる「何言ってるのかしらこのメガネ…」

ボスカツ「流石の俺でもそこまで精巧なロボットは作れねぇぞ?」

ベンちゃん「ほら、実際にいるじゃないか!体を作ってもらった人が!」スッ

勝太「その写真がどうし…そうか!デュエマウスか!」

ベンちゃん「ああ、デュエマウスの中の人…今は頭にメインのシステムが組み込まれているけど、忠次郎は記憶が改ざんされている事を思い出すまで自分の事を
人間だと思っていた。」

ベンちゃん「それくらい精巧なロボットを作れる牛次郎に体を作ってもらえばいいんだ!」

ホカベン「なるほど、流石ベンちゃん先生だべ!」

勝太「よーしっ、じゃあ早速デュエマウスに連絡するぜ!」

カムクラ「…と、いう訳です。」

デュエマウス「本当は同じ姿の体を作ろうとしたんでチュけど、社長が予算があんまりないからこれで我慢してくれって言ってたでチュ。」

七海「え、えぇ…?」

カムクラ「…確かにこの体だと戸惑うかもしれません、ですが…僕はこうしてまだ存在している、日向創も同じくそこにいる…」

カムクラ「とりあえずそれでいいと言う事にしてくれませんか?」

七海「…」

七海「…うん、そうだね。日向くんもいてカムクラくんもいて…みんなが一緒にいてくれれば…私はそれで十分だよ。」

ルシファー「…」←物陰から様子を伺っていた

ルシファー(どうやら…余計な心配だったようだね。)

七海「…ところで日向くん、また明日って言ったのにあの時点で来る気なかったんだね。」

日向「うっ…それは……ごめん。」

七海「いいよ…ただし、もう離さないから!」グイッ

日向「え、えっ!?」

七海「…ずっと会えなくて…寂しかったんだから…!」

日向「…七海…なんの才能もない俺が…俺なんかがお前の側にいてもいいのか…?」

七海「才能なんて関係ないよ!私は…私は日向くんとずっと一緒にいたい、一緒にゲームがしたいんだよ…そのままの日向くんが…いいんだよ…」

日向「…七海…わかったよ…」

日向「…うん?ちょっと待てよ、今まで話からすると多分カムクラになった俺があの装置で元に戻ってカムクラがハムスターになったって事でいいんだよ
な?」

カムクラ「えぇ。」

日向「七海、あの日から大体どれくらい経ってるんだ…?」

七海「1年以上だよ、日向くんが私を放置したのは…」

日向「わ…悪かったから、本当にごめんって…」

日向「…」

七海「…?どうしたの、日向くん。」

日向「どうしよう、多分俺住む場所無いぞ…」

七海「え?」

カムクラ「まぁ、当然ですね。予備学科を退学扱いになったあなたは学生寮を使えないしそもそも一年以上も失踪していた事になるんですから。」

七海「…それじゃあさ、カムクラくんも含めて3人で暮らそうよ、私の部屋でさ!私が卒業するまでの間だけど。」

日向「え、はぁ!?流石にそれはダメだろ!いくらなんでも高校生が同じ屋根の下で暮らすのは!」

七海「…ダメなの?」

ベンちゃん「まぁ別にいいんじゃないのかな?」

るる「は?何言ってるのこのクサレメガネ…」

カツえもん「とうとうおかしくなってしまったでござるか?」

ベンちゃん「いや、別に。あの人たちはもう高校生なんだし…」

ベンちゃん「それに僕だってもうレナさんと…ふふ…」

勝太「…えっ?」

ナレ太郎「このあと、なんやかんやで日向、そしてハムクラは七海と共に暮らすこととなったのであった!」










終わりです。
七海を助けるのとカムクラを日向に戻す目的でこのSSを書きました。
この後悩んでいる日向とドラゴンがデュエマするとかNo.2が希望の戦士達をレアキラーズにスカウトするとか江ノ島にブラックホールサナトス使わせようと思ったとか色々考えがあったのですが日向の使用デッキが思い浮かばなかったり希望の戦士の対戦カードが思い浮かばなかったりしたり収集がつかなくなりそうなのでやめました。
最後まで読んでいただきありがとうございました。


これぞクロスって感じでとっても楽しめた

一気に読ませていただきました! 江ノ島の使用カードの選出にスゴく「らしさ」が出てます
金丸組と銀月組、たーくん回の装置等デュエマ側のネタがこれでもかと仕込まれてて作品愛を感じましたよ
生涯を一緒に生きたいって思ってたとは七海の日向愛は深いですね……カムクラが諭吉を受け取るシーンは何だかヒモ男っぽくてウケました

揚げ足をとらせていただくと、ボスカツ剣でパワー3000のドルルンは焼けません
ドルルンの効果もバトルに勝ったとき限定ですし、ガラムタはシングルブレイクです

>>87
感想ありがとうございます!楽しめたようで何よりです!
>>89
マジだ間違いだらけですね、すいません!
・ドルルンを強襲のボンスラーに変更
・トリガーでプライマル・スクリーム
・最後のターンデスマーチ召喚
に変更で辻褄が合うはずです、これで許してください!ついでに暇つぶしに描いたハムクラのイメージ図置いときます
http://fsm.vip2ch.com/-/hirame/hira126162.jpg

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