李衣菜「加蓮ちゃん機嫌直してよ~……」加蓮「しらなーい」 (28)

【モバマスSS】です


――――プロダクション、事務室

李衣菜「私が悪かったから! だからそんなに怒らないでよ……」

加蓮「ふーんだ」ツーン

李衣菜「ねぇってばー」

加蓮「あーあーきこえなーい」プイッ

李衣菜「うぅ、どうしよう……」ションボリ

ガチャ

凛「おはよう……あれ? なんか、珍しい光景だね」

奈緒「どうしたどうした、喧嘩か? 加蓮なにがあった!?」

加蓮「あ、二人ともいいとこに。ちょっと聞いてよ、李衣菜ったら私にひどいことしたんだよ?」

李衣菜「だからごめんって言ってるのに……」ションボリ

凛「李衣菜が? へぇ、珍しいこともあるんだね」

奈緒「なにされたんだ? まさか無理な運動か!? 身体、身体大丈夫なのか!?」ユサユサ


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※多田李衣菜
http://i.imgur.com/i4KchyG.jpg

※北条加蓮
http://i.imgur.com/WQNWzS1.jpg

※渋谷凛
http://i.imgur.com/SsygIpX.jpg

※神谷奈緒
http://i.imgur.com/ZxnMxUL.jpg


加蓮「この後レッスンするのにそんなことするわけないから! というか揺らさないでクラクラするってば!」

奈緒「そ、そうかよかった……」ホッ

加蓮「相変わらず無駄に心配性なんだから……」

凛「それで、結局李衣菜はなにをしたの?」

加蓮「さっきまでファミレスにいたんだけど、そこで私の注文したポテト、李衣菜が半分も食べたの! ひどいよね!」

凛「…………ああそう」

奈緒「なんだそんなことか」

加蓮「えっ、なにその反応、ちょっと悲しいんだけど」

凛「だって加蓮があんまりにも拗ねてるから、プロデューサーに関することで李衣菜がなにか余計なことでもしたのかなって」

李衣菜「プロデューサーさんに余計なことするって、私が?」

凛「そう、例えば李衣菜が気を利かせすぎて、加蓮がプロデューサーに会う口実潰しちゃったとか、そういうね」

奈緒「けど蓋を開けたらポテトの話だろ? そりゃ拍子抜けするっての」

加蓮「むー、ちょっと納得いかないんだけど」ムスッ

奈緒「大体よく考えたら李衣菜が他人に酷いことするなんて考えられないしな」


凛「そうそう、人畜無害って言葉を人の形にしたら李衣菜になりそうなくらいだし」

李衣菜「そ、そうかな」テレテレ

加蓮「んー……でも私、李衣菜にされたひどいことは他にもあったんだよね、実は」

凛「えっ、そうなの?」

奈緒「な、なんだよそれ早く言えよ! 今度はなんだ? 事務所までダッシュに付き合わされたのか!?」

李衣菜「茜ちゃんじゃないんだからそんなことしないよ!?」

加蓮「そしたら今頃倒れてるから。そうじゃなくて、ひどいことされたのはやっぱりさっきまでいたファミレスで」

凛「追加注文したポテトを全部食べられたりでもした?」

加蓮「違う違う! 李衣菜ったら、自分が注文したサラダを全部私に食べさせたの! 今度こそひどいことでしょ!」ドヤッ

奈緒「なっ……!?」

凛「李衣菜、それは……!」

加蓮「ほら、二人も驚くくらいひどいことを私にしたんだよ李衣菜? どうしてくれるのかなー♪」ニコニコ

李衣菜「うぅ……」


加蓮「ねぇー二人とも? 李衣菜にはなにさせたら――」

凛・奈緒「「李衣菜すごいっ!!」」

李衣菜「へ?」キョトン

加蓮「あれ?」

凛「ポテト食べてた加蓮にサラダ全部食べさせるなんてどうやったの!? プロデューサーでも無理だったのに!」

奈緒「お、教えてくれ李衣菜! なにをしたんだ!? 無理やりか!? それともなにかテクニックでもあるのか!?」ユサユサ

李衣菜「えええ特別なことはなにもしてな――ゆれるー!?」グワングワン

奈緒「あっ、ご、ごめん!」

李衣菜「ふぇぇ……と、とにかく、別に私はなにも特別なことをしたつもりは……」

加蓮「ていうか二人共、反応する場所が違うって! 私! 私がひどいことされたのにっ!」

凛「いいや、これは酷いことじゃないよ加蓮。むしろ今後のことに関わる重要な事だから」

奈緒「そうだ! 今後加蓮に野菜を食わせるために必要なことなんだから! だから話してくれ李衣菜! なにをしたんだっ!?」

李衣菜「なにをしたって言われても――」


――――2時間30分前、駅前

李衣菜(うーん、今日はあんまりいいヘッドホンが見つからなかったなぁ。やっぱり今度届くハイレゾ対応の子がくるまで――ん?)

加蓮「どうしようかなー」ブラブラ

李衣菜「あそこにいるは……おーい加蓮ちゃーん!」ブンブン

加蓮「えっ? ――あ、李衣菜。どうしたのこんな所で」スタスタ

李衣菜「いや、ちょっと買い物に行ってて。加蓮ちゃんこそこんな駅前でなにしてたの?」

加蓮「んー、実はこの後事務所でレッスンすることになってるんだけど、それまで時間をどう潰そうかなって考えてたの」

李衣菜「へー、そうだったんだ」

加蓮「適当に服でも見ようかなって思ってたけど、レッスンがあるからいい服見つけちゃうと買いづらいし」

李衣菜「うんうん」

加蓮「だからって化粧品とか見に行くのも今日は気が乗らないから、じゃあやっぱりなにか軽く食べるのがいいかなって」

李衣菜「あぁ、それでお店の周りを」

加蓮「どうせならやっぱりポテトでお腹を満たしたいかなーって。でもハンバーガーショップのポテトは量少ないじゃん?」


李衣菜「わからなくもないけど……」

加蓮「で、悩んでたところに李衣菜が現れたから……うん、丁度いいから今からファミレス行こっ♪」

李衣菜「……あれ? 私が一緒に行くことは確定なの?」

加蓮「だって李衣菜、今どうせ暇でしょ」

李衣菜「ええー!? そ、そんなことないよ! 私だってちゃんと予定がいっぱいで」

加蓮「でも今日入ってるお仕事が始まるのって、6時間くらい先でしょ?」

李衣菜「な、なんで知ってるの!?」

加蓮「今日のスケジュール見てたら、偶然李衣菜の予定が目に入っただけだって。で、どうなの? 行くよねファミレス」

李衣菜「うーん、でも私、今あんまりお腹すいてなくて……」


加蓮「……そっかー」ションボリ

李衣菜「うっ……」

加蓮「そうだよねー、忙しくて人気者な李衣菜は、私なんかに構ってる時間ないよね……」ションボリ

李衣菜「うぅ……!」

加蓮「はぁ、1人って寂しいなぁ。こんなところで誰かに出会っても、私は結局1人になっちゃうんだーかなしいなー」ションボリ

李衣菜「うう……もうわかったよ! しょうがないからファミレスに一緒に行くってばっ!」

加蓮「ふふっ、そうこなくっちゃ♪ 最初からそう言えばよかったの李衣菜は。ねっ♪」

李衣菜「はいはい。それで、どこのファミレスに行くの?」

加蓮「この駅の近くに丁度ポテトの量がいっぱいあって安いファミレスあるから、そこに行こっ♪」


――――5分後、ファミレス

加蓮「さーて、なに頼もうかな♪」

李衣菜「ポテトじゃないの?」

加蓮「それは決まってるけど、それ以外にも注文したいでしょ」

李衣菜「でもこのあとレッスンあるなら、あんまりお腹いっぱいにしないほうがいいんじゃない?」

加蓮「ポテトは別腹だから」

李衣菜「初めて聞いたよそんな言葉。まぁいいや、食べられなくなったら私が食べるから、好きに注文しなよ」

加蓮「やったー♪ つまり今回は李衣菜のおごりにしていいってこと?」

李衣菜「違うよ!? そういう意味じゃなくて!」

加蓮「わかってるって冗談だってば。ふふっ、ほんと面白いんだから」

李衣菜「冗談にしても、もうちょっと分かりやすく言ってくれないと困るんだけどなぁ……加蓮ちゃん演技うまいし」

加蓮「あ、それって褒めてくれてる?」

李衣菜「そりゃもちろん」


加蓮「……しょうがないなぁ、それに免じて今回はポテトとドリンクバーだけにしておいてあげる」

李衣菜「う、うん? よくわからないけど、分かった。それじゃあ私はなにに」ペラッ

ピンポーン

李衣菜「しようかな……え、いまボタン押した?」

加蓮「うん♪ ほら李衣菜、早く決めないと店員さん来ちゃうよ!」

李衣菜「えええ!? そ、そんな急に言われったってこんなにあったら決められないよ!? ええと、ええっとー!」アセアセ

タタタッ

店員「おまたせしました~! ご注文を承りますー!」

加蓮「はーい。私はこの山盛りポテトとドリンクバーで。さぁ李衣菜、早く早く!」

李衣菜「せ、急かさないでってば……ええと、ああもうこれでいいや! 豆腐のサラダとドリンクバーお願いします!」

店員「かしこまりました~。山盛りポテト一つ、豆腐のサラダ一つ、ドリンクバー2つですね? 以上でよろしいでしょうか~」

加蓮「大丈夫でーす」

店員「それではもうしばらくお待ち下さい。ドリンクバーはあちらになりますー」

タタタッ


加蓮「さーて、あとは待つだけ! で、李衣菜、豆腐のサラダってなに注文してるの」クスクス

李衣菜「め、目についたのがそれだったんだからそう言われても……ゆっくり選べなかったし……」

加蓮「なるほど、つまり李衣菜の中のなにかが、あの短い時間で豆腐のサラダをロックだと思ったと」

李衣菜「はっ!? なるほど、そう考えることも出来る……確かに、豆腐にドレッシングかけて食べるのはロックかも……!」キラキラ

加蓮(冗談のつもりだったんだけど……まぁ李衣菜が納得して喜んでるならいいか)クスッ

李衣菜「っと、それはともかく飲み物取ってくるよ。加蓮ちゃんはなにがいい?」

加蓮「あ、いいの? それじゃあ最初は無難にカルピスからお願い」

李衣菜「分かった、ちょっと待っててね」


――――10分後

店員「お待たせしました~、こちら豆腐のサラダと山盛りポテトになりま~す」

加蓮「あ、やっと来た。ここにお願いします」

店員「はーい。以上でご注文の品は全てでしょうか」

李衣菜「あ、はい」

店員「ではごゆっくりどうぞー」

加蓮「うーん、待つの長かったー!」

李衣菜「今日は人も多いみたいだししょうがないよ。それよりほら食べよ」

加蓮「そうだね。はぁ……にしてもやっぱりここのポテトの量は嬉しいな♪」モグモグ

李衣菜「すごいいっぱいあるよね。大丈夫、食べられる?」

加蓮「余裕だってば。李衣菜こそ……なんていうか、足りるの? それだけで」

李衣菜「まぁ、お腹あんまり空いてないからね。適当に選んだけど丁度よかったかも」

加蓮「そっか。でももうちょっと食べないと身長伸びないよー?」モグモグ

李衣菜「ポテトいっぱい食べてる加蓮ちゃんに身体について心配された!?」ガーン


加蓮「だってさ、李衣菜ちっちゃいから♪」モグモグ

李衣菜「そ、そんなことないって! 加蓮ちゃんとは3cmしか違わないじゃんっ!」←152cm

加蓮「でも李衣菜のほうが、一応は年上だしー?」←155cm

李衣菜「うっ、そ、そうでした……」ガックリ

加蓮「ふふっ、まぁ李衣菜は今のほうが丁度いいかもね。立場考えると身長あったら色々大変そうだし」モグモグ

李衣菜「そうかなぁ……もうちょっと伸びてくれたらなーって思う時もあるんだよ? これでも」

加蓮「なるほど……ならそんな哀れな李衣菜にポテトを一つあげよう。これでスクスク成長してみせてね!」スッ

李衣菜「ポテト一個じゃ無理なんじゃ……」

加蓮「じゃ、いらないんだ」

李衣菜「……頂きます」モグッ

加蓮「どう? 身長伸びそう?」

李衣菜「それは分かんないけど……おいしいねこれ」

加蓮「当然でしょ、私が選んだポテトなんだからっ!」


李衣菜「そうだね。ともかくありがとう加蓮ちゃん。じゃあ私もお返しにサラダを」

加蓮「いいよそんなの」

李衣菜「いやいや、加蓮ちゃんの大事なポテトを貰った以上はなにか返さないと。だからほら、サラダ少し食べていいよ」

加蓮「んー、だったら李衣菜が食べさせてよ?」

李衣菜「へ?」

加蓮「お返しなのに私にフォーク持たせてサラダに刺して食べろって変だと思わない?」ニコニコ

李衣菜「そう言われたらそうかもしれないけど……もう仕方ないなぁ」ザクッ

李衣菜「はい加蓮ちゃん」スッ

加蓮「あーん」パクッ モグモグ

加蓮「……野菜だ」

李衣菜「そりゃサラダだからね」

加蓮「私あんまりこういうとこでサラダとか食べないから変な感じ。へー、ドレッシングがイケてる」
 
李衣菜「あれ、加蓮ちゃんってプロデューサーさん達と結構こういうお店来てる気がするけど、サラダとか頼まないんだ」


加蓮「だって基本はポテトだし。でも最近はプロデューサーさんや奈緒が心配してこっそり注文してたりするけど」

李衣菜「それはどうしてるの?」

加蓮「二人を言いくるめてちゃんと食べさせてますとも。奈緒達だってちゃんと野菜とらないとね!」ドヤッ

李衣菜「うわぁ、こんなに説得力がない発言初めて聞いたかも……」

加蓮「失礼なこと言わないで李衣菜。今のどこに説得力がないっていうの?」モグモグ

李衣菜「だって加蓮ちゃん野菜食べてないし……」

加蓮「いやいや、よく考えてよ李衣菜。ポテトの材料ってなにか分かるでしょ?」モグモグ

李衣菜「それは、じゃがいも……え、まさか、ポテトが野菜なんて言い張るつもりじゃ」

加蓮「せいかーい♪ ちゃんと正しい答えを言えた李衣菜にご褒美としてまたポテトを一つあげよう! 大サービスだからね♪」スッ

李衣菜「あ、ありがとう……」モグッ

加蓮「ま、ポテトを野菜って言い張るのが難しいのはわかってるけどさ。こういう味が好きなんだから私は」

李衣菜「加蓮ちゃんってジャンクフード好きだもんね……でも、今はお返しのサラダを食べてほしいな」ザクッ

加蓮「律儀なんだからまったく。けど、お返しって言うなら今度は……その豆腐の部分もつけてくれないと♪」

李衣菜「ええっ!? ぽ、ポテト一個分に対して豆腐もつけるの……?」


加蓮「もちろん♪」

李衣菜「はぁ、わかったよ」ザクッ

李衣菜「はいどうぞ、加蓮ちゃん」スッ

加蓮「あーむ!」パクッ モグモグ

李衣菜「どう?」

加蓮「おいしいよ? 病院で食べてた野菜料理もこういう味が多かったらよかったのにって思うくらいには」

李衣菜「やっぱり病院の食事って味が……?」

加蓮「昔よりは改善されてるらしいけど、どっちにしても子供のころはすごく苦手だったなー」シミジミ

加蓮「入院中に飽きるほど野菜食べたのも、今あんまりサラダとか食べない理由かもね」クスッ

李衣菜「……そっか。だからポテトをこんなに……うーん」ジーッ

加蓮「どうしたの?」

李衣菜「……ああいや、そんな話したばっかりの加蓮ちゃんに言うのもあれなんだろうけど……ポテトもうちょっともらってもいい?」

加蓮「ふーん、まさか、私が2つもポテトあげちゃったせいでもっと欲しくなっちゃった?」


李衣菜「まぁ……はい、そうです」

加蓮「だったら追加で注文しちゃいなよ♪」

李衣菜「そうしたら加蓮ちゃんが余計に食べちゃいそうだし……」

加蓮「あ、ひどい。この後あるレッスンのこと考えたら、これ以上は流石に自重するって……多分」

李衣菜「多分って時点ですごい不安なんだけど……やっぱり加蓮ちゃん、もう少しだけ、本当に少し分けてくれるだけでいいから!」

加蓮「んー……もうしょうがないなぁ李衣菜は。いいよ、李衣菜が満足するまでポテトを分けてあげよう」

李衣菜「ありがとー!」

加蓮「ただし、私が一つずつあげるのを食べてよ。勝手に取ったら怒るからね?」

李衣菜「もちろんだって! その代わり、私も加蓮ちゃんからポテトを貰う度にサラダをあげるから!」

加蓮「それは別に良いってば」クスッ

李衣菜「いやいや! 加蓮ちゃんに無理なお願いを聞いてもらっている以上は、これくらいはしないとねっ!」

加蓮「はー、もう李衣菜はワガママなんだから。分かった分かった、それでいいよ」

李衣菜「へへっ、加蓮ちゃんが優しくて良かったっ!」

加蓮「はいはい。それじゃあまず一つ目いくよー?」スッ

李衣菜「もうくれるのっ!? ああ、いやなんでもなくて……それじゃ、いたたきまーす――」


――――現在、プロダクション、事務室

李衣菜「――っていう具合だったんだけど」

加蓮「ほんと、ひどいと思わない? 李衣菜ったら私の優しさにつけこんだんだよ?」

奈緒「いや、聞いてた限りだと加蓮にも大分問題あった気がするんだが」

凛「そもそも話の流れからすると、李衣菜が加蓮のポテト半分も食べるの無理そうなんだけど、そこはなにがあったの?」

加蓮「それは……ポテト一つずつあげて李衣菜に食べさせてたんだけど、李衣菜の仕草とかがいちいち面白くて……」

李衣菜「ふ、普通に食べてただけだから!?」

加蓮「あと合間合間で李衣菜が口車に乗せるもんだから、ついついポテトあげちゃって」

凛「李衣菜のサラダがなくなって、やっとポテトを食べさせすぎてたのに気づいたってこと?」

加蓮「その通り。どう思う二人共? 李衣菜ってやっぱりひどいでしょ」

奈緒「いやー……むしろこれは参考になるよな、凛?」

凛「うん、私もそう思う。加蓮がノリのいい時を利用すればいいってことだから……」

奈緒「プロデューサーさんにも早く伝えて今後のために活かそう! そのほうがいいって!」

加蓮「ちょ、ちょっと二人共!」


奈緒「よし、そうと決まったら早速――」

ベテトレ「早速、なんだ?」

奈緒「うわっ!?」

ベテトレ「凛、加蓮、奈緒。お前たち、時間になっても来ないから様子を見に来てみれば……なにをしている?」

凛「まずい……レッスンのことすっかり忘れてた!」

加蓮「そ、そうだった! 李衣菜の話の中でも出てきてたのに!」

奈緒「あ、えーと、えーと!」

ベテトレ「いいからさっさと準備してこい!!」

凛・加蓮・奈緒「「「はい!!」」」

バタンッ

凛「はぁ……びっくりした。とりあえずこの話はまた後でだね。プロデューサーとも詳しく相談しておきたいし」

奈緒「だな。いやー、しかし予想外のところから有力な情報ってのは来るもんだ。李衣菜、サンキューな!」

李衣菜「え、あ、ど、どういたしまして……?」

加蓮「だーかーらー! そういうのいいんだってばー!」


奈緒「そんなこと言うなって! アタシ達は加蓮のことが大事なんだしさ!」

凛「悪いようにはしないから、安心しててほしいな」

加蓮「すでに大分安心出来ないんだけど……もう///」

李衣菜「と、とりあえず三人共早くレッスンに行ったほうがいいと思うよ?」

奈緒「あ、そ、そうだな! それじゃあ急ぐぞ凛、加蓮!」

凛「うん」

加蓮「あ、私は李衣菜に少しだけ話があるから先に行ってて。すぐに追いつくから!」

奈緒「そうか? でもあんまりゆっくりするなよ!」

凛「ちゃんと来てね加蓮。李衣菜も、加蓮がサボりそうだったら連れてきていいから。それじゃ」

バタンッ


加蓮「サボらないから! ――っていないし……それで、李衣菜」ジロッ

李衣菜「は、はい……」

加蓮「李衣菜のせいで奈緒達に余計な面倒増やしちゃったんだけど、どうしてくれるの?」

李衣菜「うぅ……」

加蓮「しかもこの話がプロデューサーさんの耳に届いたら、私、今後ますますポテト食べにくくなりそうなんだけど?」

李衣菜「ごめん、こうなるとは流石に予想つかなくて……」

加蓮「謝らなくていいから。その代わり……分かるよね?」

李衣菜「……ええと、お詫びになにかすればいいんだよね?」

加蓮「そういうこと! とりあえず今回のお詫びは……うん、今日のお仕事帰りに、ポテトを買ってきててほしいな」

李衣菜「コンビニのとかじゃなくて、専門店のを?」

加蓮「当然でしょ♪」


李衣菜「だよねー。しょうがないか……」

加蓮「元はといえば李衣菜が悪いんだから文句言わない。あと、買ってくるポテトは一番いいのにしてよ?」

李衣菜「えっ」

加蓮「李衣菜の買ってきたポテトを使って奈緒達を説得するから、それくらいはしておかないと!」

李衣菜「そういうこと……分かった。加蓮ちゃんのためだし、買ってくるよ」

加蓮「頼りにしてるからね李衣菜♪ それじゃ、私はレッスンに行ってくるから!」

李衣菜「うん、気をつけて」

――その後、ポテトを使った説得も虚しく、李衣菜のしたことが奈緒達から
プロデューサーの耳に入り、加蓮はファミレスに行くたびにあの手この手で
野菜を食べさせられることとなるのであった。

〈終〉

昼食をとってたら隣りにいた女性の1人がポテトばっかり食べていたので思いついたネタ
凄まじい光景であった……あ、あと加蓮ちゃんとだりーなの組み合わせもっと流行って下さい
読んでくださった方ありがとうございました

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