スノーホワイト「ファブが逮捕された?」 (440)

これは魔法少女育成計画の二次創作です

クロスオーバーあり

作者はアニメしか把握してません

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1483629591

スノーホワイト「どういうことですか?ファブが逮捕されたって……」

ミトン「あー……細かくは言えないんだけど実は裏で色々悪事を働いていたらしくてね。
    それを調査していた管理局が証拠を見つけて、手を貸していたクラムベリーも一緒に逮捕したという訳なんだよ」

ルーラ「それで、これから私達の境遇はどうなるというの?」

ミトン「これから別の試験官が君たちの元にやってくるから、その人の指示の通りに選抜試験が行われるよ」

シスターナナ「やっぱり試験は行われるのですね。出来れば皆さま全員で魔法少女を続けられたら良かったのですが……」

ミトン「残念だけど全員が合格という訳には行かないんだ。なかなかこっちも不景気でね。
    じゃあ僕は他の地域で魔法少女を探さなきゃいけないからこれで失礼するよ。
    三日ぐらい経ったら新しい試験官がくるからそれまで待機しててね」

ねむりん「おつー」

三日後

ケイネス「やれやれ……この私がなんでこんな土地で試験官等やらなければならないのか。
     全くこんな時に適性者がいないとは本当に魔法少女という連中は使えぬ奴らだ」

ケイネス「それにしてもこのマジカルフォンはなんと使い辛い……。
     さっさと使い方をマスターして試験を円滑に進めなければ我がアーチボルト家の沽券に関わる」

ケイネス「……よし、大体覚えたぞ、さすが私だ。この『チャットルーム』に入ってっと」

ケイネス「皆の者!私が魔法の国からやってきた魔法使い。ケイネス・エルメロイ・アーチボルトである。
     これから試験官として君たちを審査するので気を引き締めて善行を働くようにすることだ」

ねむりん「よろー」

たま「よろしくにゃ」

トップスピード「よろしくー!」

シスターナナ「よろしくお願いします」

ミナエル「ねーねーユナ―あの人の髪ヤバくない?老後絶対禿げるよねwww」

ユナエル「それ言えてるーwww」

クスクス……クスクス……

ケイネス「お前ら、全員不合格にされたいのか!!」

こうして新たに現れた試験官は魔法少女達への印象が最悪な状態でスタートするのであった。

一旦ここまで


ケイネスなら家訓の仕来りや、それ相当な恨みを買わないかぎり人は殺さないだろ

安アパート

ケイネス「……さてとファブが契約した魔法少女達の資料に目を通さなければ、ん?
      『ハードゴア・アリス』だと、なんで後から追加で増やしてるんだあのポンコツマスコットは…
      あとで紹介しなければならない後任の試験官の苦労も考えておけと……全く」

ケイネス「それにしてもファブとクラムベリーはとんでもない事をしでかしたくれたものだ。
      管理局の白い悪魔によって鎮圧されたようだが、それだけで事は完全に収まらないだろう」

ダヨーン「だよーん!」

デカパン「ホエホエ~!」

ダヨーン「だよーん!!」

デカパン「ホエホエ~!!」

ケイネス「…………」

ダヨーン「だよーん!!!」

デカパン「ホエホエ~!!!」

ケイネス「煩いぞ隣ぃ!!……はぁ単身赴任は辛い、ソラウよ。婚約者が遠くに行って寂しい想いをしていないだろうか」

魔法の国

ソラウ「ねぇディルムッド……ケイネスが単身赴任でしばらく家にいないから一緒に暮らしましょうよ」

ディルムッド「いえ、それは……ソラウ殿は我が主だけを愛してください」

ソラウ「勿論ケイネスの事は愛してるわよ。だからディルムッドはあくまで主従として、ね♪」

ディルムッド「(このままでは押し倒されてしまう……)今夜はまだ職務が残っているので御免!」

ソラウ「あーあ……もうウブなんだから♪」

灯台

スノーホワイト「あれ?」

ラ・ピュセル「どうしたの?」

スノーホワイト「どこかで悲しい声が聞こえたような……気のせいかな」

ケイネス「……さて今日はハードゴア・アリスを皆に紹介させて改めて15人の魔法少女を審査していくか
      む、魔法の国から連絡だと……はい、ええ、確かに今私はN市にいますが……
      何?あの男達が魔法の国から脱獄しただと!?」

N市、上空

トップスピード「いやー昨日はファブとクラムベリーが捕まったと聞いて驚いだなぁ」

リップル「別に……なんか胡散臭かったし」

トップスピード「まあ、言われてみれば確かに怪しい所はあったかなー」

女性「きゃあーー!!」

リップル「女の悲鳴……」

トップスピード「向かうぞ!!」

森の多い公園

パラガス「フフフ、お嬢さん、これから私と良い事をしようじゃないか」

女性「いやー!!股間を近づけないでー!!変態―!!」

パラガス「変態なんて罵られたらわしの息子ぉ!がますます元気になってきたわい」

トップスピード「そこまでだー!!」

リップル「逃げて」

女性「ありがとうございます!」

パラガス「あーう!わしのピチピチギャルが逃げてしまった……」

トップスピード「うわーなんだこいつら、人の事言えないけど見た事ない恰好してるな」

パラガス「わしはパラガスでございます。そして隣にいるのが、わしの息子の」

ブロリー「ブロリーです」

タコ「私はタコ科学者ですじゃ」

リップル「女の敵め、全員ぶちのめす!」

リップル「はぁーー!!」

パラガス「威勢のいい魔法少女だ。だがわしも魔法使いでね。
      そこらの魔法少女が挑んだ所でわしを倒せんよ」

リップル「くっ」

トップスピード「リップル―!!」

パラガス「しゅわっと!スピードを生かした体当たりか。危ない危ない」

トップスピード「ここは一旦引こう。リップル」

リップル「あの変態男どもを放って行くわけにはいかない!!」

ケイネス「いや、引きたまえ。これは魔法の国の問題だ。君たち新人が出る幕ではない」

トップスピード「ケイネス!」

パラガス「おやおや、お久しぶりですなぁケイネス殿。婚約者のソラウは元気にしているかな?」

ケイネス「忘れぬぞ……貴様が我が愛しのソラウに卑猥な行動を取ろうとしたことを」

パラガス「わしはただ冷めきった関係の婚約者に熱い情熱と精を注いであげようと思った次第で」

タコ「コンピュータが弾きだしましたデータによりますとケイネスとソラウの関係は破局するようですじゃ…うわへへ」

ケイネス「そんな事は断じてありえん!!ソラウは……ソラウは私だけを愛しているのだ!!絶対に!!」

トップスピード「なんかケイネスの家庭って色々複雑みたいだな」

リップル「……どうでもいい」

パラガス「あの時は管理局の白い悪魔に邪魔され捕まったが、なんとか脱獄してきたぞ」

ケイネス「フン!貴様が管理局の女達にも色目を使うから罰が当たったのだ」

パラガス「だってフェイトたんはわしのドストライクゾーンだったんだもん」

ブロリー「俺はコロナちゃんが好きです」

ケイネス「くだらん戯言はここまでだ。貴様たちは魔法の国の品格を落とすウジ虫だ。
      このケイネスが直々に誅罰を与えてやろう」

パラガス「あいにく、わしもこの地でピチピチギャルを集めてハーレム王国を作る夢があるのでね
      お前に捕まる訳には行かんのだよ。くらえわしの魔法(デッドパニッシャー)を!!」

リップル「ちっ……なんて攻撃……」

ケイネス「ククク……私の魔法(月霊髄液)を忘れていたかパラガス。その程度の攻撃ではこの防御を突破することは不可能だ」

トップスピード「へえ~やっぱ試験官を受け持つ人はやっぱり強いんだなぁ~」

パラガス「なに、先ほどの攻撃は余興だよ。では本番を見せてあげよう……ブロリー!!
      あの目障りなケイネスを徹底的にぶちのめしてしまえー!!」

ブロリー「はい……フン!」

ケイネス「ごはっ!ば、馬鹿な……私の魔法の防御をぶち抜く、とは……」

リップル「ちっ、やはり私も戦う!」

ブロリー「くノ一、可愛い!!嫁にしたい……」

リップル「クソ!気色悪い……」

トップスピード「リップルから離れろ!!」

ブロリー「何なんだ、今のは……クックック」

トップスピード「体当たりも効かないなんて頑丈過ぎるだろ!」

ブロリー「魔女っ娘も可愛い!!ハメたい……はぁはぁ……気が高まるぅ……溢れる……ううううん!!」

パラガス「い、いかん!このままではわしが楽しむ前に彼女達のアソコがブロリーに破壊しつくされてしまう!!
      お、落ち着くんだブロリー!!」

ブロリー「そ、それは無理ーです。ぬおおおおおおおおお!!」

???「情けないねぇ。あんた達、それでも魔法少女かい?」

ブロリー「誰―ですか?」

メアリ「N市に来たからにはこのカラミティ・メアリ様に一言挨拶するのが礼儀じゃないのかい?筋肉達磨のお兄さん」

ブロリー「エロい姉ちゃんがきたぁあああああ!!」

メアリ「なあケイネス、こいつの逮捕に協力したら私を合格にするってのはどうだい?」

ケイネス「そ、そんな特例は認めん。だが大きな善行を働いたとして高く評価しよう……」

メアリ「まあ、それで手を打っておくかい」

ブロリー「姉ちゃんが俺の相手をしてくれるのか?楽しみだなぁ」

メアリ「あんたにはこれがお似合いかね」RPG

ズドォォォン!!

ブロリー(ニヤリ)

メアリ「無傷とはほんっとに頑丈だねぇ……だったら硫酸で」

ブロリー「はぁ!(イレイザーキャノン)」

メアリ「ッ!!」

トップスピード「メアリが!!」

リップル「あいつは気に入らないけどこのままじゃ……」

ブロリー「さて……いただきます」

パラガス「ずるいぞブロリー!わしも混ぜんかい」

メアリ―「」気絶中

奈緒子「」←変身解除

ブロリー「へあ!!ば、ばーーかーーなーーーー!!」

パラガス「しまった!ブロリーがショックの余り爆散してしまった」

ケイネス「今だ!!」ザシュ

パラガス「あーう!!」

トップスピード「これで一件落着かな」

リップル「……これがメアリの」

奈緒子「」

ケイネス「一応、彼女が一番の手柄として評価しておこう」

ラビットハウス

ケイネス(という事があり、その場でパラガスを捕獲し、魔法の国への引き渡しも終わった。報告書の作成はこれで良し)

チノ「いらっしゃいませー」

奈々「おや?貴方はケイネスさんではありませんか」

ケイネス「君は?」

奈々「私はシスターナナです。隣の彼女はヴェス・ウィンタープリズンです」

雫「よろしく」

ケイネス「そうか。よくここに来るのか?」

奈々「はい、店の雰囲気も良いですし、私の好きな小説家さんもよく通っていて」

ケイネス「確かに古風があり落ち着いた良い店だな」

ジョセフ「あー!!まっずいのう!!このコーヒーは泥水のようじゃわい」

アヴドゥル「ジョースターさん!そんな事を言っては駄目ですよ」

ポルナレフ「なあ知ってるかい花京院?どうやらこの街には魔法少女がよく出没してるらしいぜ」

花京院「いいですかポルナレフ。メルヘンやファンタジーじゃああるまいし魔法少女なんて存在しないんです」

ポルナレフ「いやいや考えてもみろ!スタンドが存在するなら魔法だって存在してもおかしくないだろ」

花京院「いいえ。ありえませんね」

承太郎「……やれやれだぜ」

ケイネス「全く騒がしい観光客共だ……そこのウェイトレス、コーヒーのお代わりとサンドイッチを一つ頼む」

ココア「はい♪すぐご用意しますねー」

奈々「一人でも多く試験に合格出来ればいいですね」

雫「そうだね。私も奈々の望みが叶えば良いと思っているよ」

パラガス騒動編 完

今回はここまで

管理局と聞いてもしやと思っていたが、やっぱりなのはさんがいたか

安アパート

モノクマ「うぷぷぷ~やっぱりマスコット枠は必要だよね~白黒だしオイラを後任にするといいよ」

QB「魔法少女の契約なら僕に任せてほしいんだ」

コエムシ「子供達への指南役なら俺も経験あるぜー」

マジカルルビー「可愛い魔法少女達がいると聞いて!」

ケイネス「お前ら帰れ!!」

ppp

ケイネス「どうした?」

シスターナナ「ケイネスさん。折り入って相談したいことが……」

ケイネス「なんだ」

かくかくしかじか

ケイネス「ふむ、面白い。いいだろう 皆に紹介したい人もいるしな」

シスターナナ「ありがとうございます」

ケイネス「……オフ会か」

魔法少女達のオフ会 の巻

とある雪山

スノーホワイト「確か地図だとこの辺に……あった」

ラ・ピュセル「大きな旅館だね。『魔法少女の姿で来てください』と書いてたけど大丈夫かな」ガラガラ

エンヤ「ようこそ魔法少女の皆さま、私はこの旅館の女将をしておりますエンヤですじゃ」

スノーホワイト「おばあさんも魔法少女なんですか?」

エンヤ「いやいや、わしはただの魔法使いですじゃ。人間界に来た魔法使いの疲れを癒すための場を任されているのじゃよ」

エンヤに案内された部屋はスノーホワイトとラピュセルの二人が泊まる用の部屋だった。

ラ・ピュセル(あれ?もしかして今夜は小雪と同じ部屋で寝泊まり……ドキドキ)

スノーホワイト(そうちゃんのドキドキが伝わってくるよ……)

ラ・ピュセル「そ、そうだ!さっきエンヤが道具を好きに使っていいって言ってたからスキーでもしないか?」

スノーホワイト「うん。私、あんまり上手じゃないから教えてね」

ラ・ピュセル「任せてよ!」

その頃

ルーラ「やっと着いた……全く、現地集合じゃ絶対迷うと思っていつもの寺に集合したのに何で遅刻するのよ!」

たま「ごめんなさいごめんなさい!!目覚ましで起きれなくて……」

ルーラ「ほんっと馬鹿で役立たずね!もうさっさと入るわよ」

たま「はい……」

ミナエル「ルーラっていつもイライラしてるよね」

ユナエル「これじゃいつまで経っても男の貰い手が出来ないね」

ルーラ「そこの双子!!おだまりなさい!!」

ルーラ(別に私はモテない訳じゃのよ……周りに私と釣り合うだけの男がいないだけよ。前に辞めた会社だって……)

ルーラの回想シーン

早苗「貴方、他の人達と比べて良い仕事をしてるわね。もし貴方がもっと努力して上を目指そうとすれば
    どんどん出世できるほどの実力があるはずよ。私が保証するわ」

吉良「……いえ、買い被り過ぎですよ。では私は書類を届けなければならないんだ……それでは」

早苗(何よあいつ、せっかくこの私が評価してやったのに…!)

同僚「やめとけ!やめとけ!あいつは付き合いが悪いんだ。
    「どこかに行こうぜ」って誘っても楽しいんだか楽しくないんだか……
    『吉良吉影』33歳 独身、仕事はまじめでそつなくこなすが今ひとつ情熱のない男……
    なんかエリートっぽい気品ただよう顔と物腰をしているため女性社員にはもてるが
    会社からは配達とか使いっ走りばかりさせられてるんだぜ
    悪い奴じゃあないんだがこれといって特徴のない……影のうすい男さ」

ルーラ(あの会社はロクな男がいなかったわ)

アリス「…………」

ケイネス「君が新人の魔法少女だね。私が試験官を務める魔法使い、ケイネス・エルメロイ・アーチボルトである」

シスターナナ「初めましてハードゴア・アリスさん、私がアリスさんの教育係を受け持つシスターナナです」

アリス「…………」コクリ

アリス「……あの」

シスターナナ「何ですか?」

アリス「白い魔法少女は、どこにいますか?」

シスターナナ「白い……マジカロイド44さんならカラミティ・メアリさんと一緒に温泉に入ってますね」

アリス「…………」スタタタ

プリズン「礼儀のなってない奴だな」

シスターナナ「アリスさんにとってよっぽど会いたい人物なんでしょう」

女湯

メアリ「ぷはぁ~温泉に浸かりながら飲む日本酒は格別だねぇ」

アリス「…………」ジィー

マジカロイド「何か私に用デスか?お嬢さん」

アリス「……違う」

マジカロイド「行っちゃいましたね」

メアリ「見た事ない顔だね。こいつが新しい魔法少女かい?」

シスターナナ「そうですか、違いましたか……それならスイムスイムさんの方かしら?」

アリス「…………」スタタタ

プリズン「全く、せわしないな」

ルーラ組の部屋

アリス「…………」ジィー

スイムスイム「……?」

ルーラ「何なのこの子?」

アリス「……違う」

たま「行っちゃった」

ミナエル「ねぇねぇルーラ、ここスキーで遊べるらしいよ」

ルーラ「あんた達、スキーやりたいの?」

ユナエル「ううん、どっちかというとねークスクス」

シスターナナ「そうですか。他に白い魔法少女ならスノーホワイトがいますね」

プリズン「彼女ならラ・ピュセルと一緒にスキーをしに山を登って行ったよ」

ケイネス「夕食までには帰って来いよ」

アリス「…………」コクリ

雪山・スキーエリア

スノーホワイト「まるで私達だけの貸し切りみたいだね」

ラ・ピュセル「魔法の国専用だから一般人は入れないようになってるんだろうね」

アリス「…………」ジィー

スノーホワイト「ん?誰だろうこの子」

アリス「スノーホワイト……見つけた……」ニタァ

ラ・ピュセル「なんだか怪しいな……」

アリスがゆっくりとスノーホワイトに近づいていった。
彼女に触れようと手を伸ばした瞬間、一瞬にしてアリスの首が宙を舞い。
鮮血が真っ白な雪の大地を赤く染めた。

スノーホワイト「いやああ!!」

ラ・ピュセル「なんだこいつは……」

赤カブト「ぐおおおおおおおおおお!!」

全長10mはある巨体のクマが二人を見下ろしていた。
冬眠から早くも目覚めたクマは飢えて興奮しており。
目の前の魔法少女二人を捕食の対象として見ていた。

今回はここまで

ミナエル「ある~日♪」

ユナエル「森の中~♪」

ミナエル「くまさんに~♪」

ユナエル「出会った~♪ってあれ?」

ミナエル「どうしたん?」

ユナエル「あそこに白いのと黒いのが……」

場面は変わり―――

ラ・ピュセル「来るなら来い!!僕が相手だ!!」

赤カブト「ぐがああああ!!」

ラ・ピュセルの斬撃が赤カブトの皮膚を切り裂くが野生ゆえのタフネスさか
一切怯む事無く剛腕を振り回し、大剣を弾き飛ばした。

ラ・ピュセル「しまっ!?」

スノーホワイト「そうちゃん!!」

赤カブト「がはっ……!?」

赤カブトがゆっくりと倒れ、地面を揺らす。
ラピュセルが視線を向けると背中からごぼごぼと血がこぼれ落ちているのが分かった。
更に視線を変えると赤カブトの背後には先ほど首を刎ねられた筈の少女が立っていた。
右手には赤カブトの物と思わしき大きな心臓を握っている。

ラ・ピュセル「君……首が取れて、死んだ筈じゃ……」

アリス「……魔法で治りました」

スノーホワイト「魔法って……あれ致命傷だったよね?」

アリス「身体の大きい方から怪我が治ります。だから平気です」

ラ・ピュセル「そうだったんだ。じゃあ僕たちを庇ってくれたんだね。ありがとう!」

アリス「いえ……スノーホワイトが無事で良かったです」

ラ・ピュセル「そう言えばスノーホワイトの事を探してたよね。どうして?」

アリス「……礼が、言いたくて」

スノーホワイト「礼?私、何かしたかな?」

アリス「はい、鍵を無くして困っている所を助けてくれました」

スノーホワイト「……!?まさか、あの時の」

その頃、ルーラ達は

ルーラ「つまり私達はそのハードゴア・アリスの歓迎も込めてオフ会を開いたという訳ね」

シスターナナ「はい、皆で暖かく迎え入れたいと思いまして」

ルーラ「どうせやるなら前もって私に連絡すればもっと素敵な」

ppp

ルーラ「何よミナエル」

ミナエル『ルーラ~雪山で白いのと黒いのが殴り合いしてて面白いから映像見せてあげる~♪』

ルーラ(白いのと黒いの?まさかスノーホワイトとハードゴア・アリスが殴り合い!?)

ミナエルから送られた映像

クウガ「はぁ……はぁ……うわああああああああ!!」

ダグバ「あははっははっははははははは!!」

ミナエル『どお~?片方は泣いててもう片方は笑いながら殴り合いしててすっごい面白いでしょー』

ルーラ「誰よあいつら!?すっごいどうでもいいわ!!この馬鹿、切るわよ」

ppp

ルーラ「今度はユナエルから……はいもしもし」

ユナエル『ルーラ~雪山で赤いのと青いのが言い争いしてて面白いから映像見せてあげる~♪』

ルーラ(赤と青?私達とは絶対関係無い内容よね)

ユナエルから送られた映像

(0M0)「結局、俺とお前は奴らの尻拭いをさせられていただけなんだよ!奴らの犯したミスの為にな!!」

(0w0)「証拠は?ナニヲショーコニズンドコドーン!」

(0M0)「証拠は、俺の体だ。急きょ作ったライダーシステムのせいで…オデノカラダハボドボドダー!」

(ゆき)

(0w0)「そんな…」

(0M0)「そしてお前の体もいつかそうなる。覚悟しておくんだな」

(0w0)「ウゾダ…ウゾダドンドコドーン!」

ユナエル『どお~?さっきから滑舌おかしくて超ウケるよね~』

ルーラ「だから誰よ!?そんなくだらない事でいちいち電話してくんな!!」



ラ・ピュセル「そっかーアリスはスノーホワイトに憧れてこのアバターにしたんだ」

アリス「白と黒なら似合うと思いました」

スノーホワイト「アリスも魔法少女が好きなんだね」

エンヤ「さぁさぁ、今日は立派な熊肉が入ったのでご一緒にどうぞ」

たま「わあ~私、熊肉食べるの初めて」

ねむりん「美味しそうだね~」

トップスピード「よしよし、リップルの分もよそってやるよ」

リップル「自分でやるからいい」

ラ・ピュセル(もしかしてこの熊って……)

スノーホワイト(雪山で襲ってきた大きい熊かな?)

シスターナナ「どうやらアリスさんは皆と上手く打ち解けているようで良かったです」

プリズン「優しいねナナは」

マジカロイド(相も変わらずバカップルですこと)

ルーラ「ほらこれ煮えてるわよ。そこの双子!肉ばっか食うな」

スイムスイム「あむあむ…」

ミナエル「鍋奉行かよ」

ユナエル「いるよね。何でも仕切りたがる人」

カラミティ・メアリの個室

ケイネス「お前は皆と食べないのか?」

メアリ「あいつらと同じ釜の飯を食うなんてごめんさ。飯が不味くなる」

ケイネス「そうか。騒がしいのは好きじゃない気持ちは分かる。ゆっくりくつろいでくれ」

メアリ「あいよ」

ケイネス「さて……温泉にでも入るか」

トップスピード「さ~て、たらふく食ったし温泉入ろうぜ~」

リップル「分かったから引っ張るな」

ラ・ピュセル「あっ……」

ラ・ピュセル(この流れは不味い!男である僕が女湯になんて入ったら破滅だ……)

トップスピード「ん?どうした?」

ラ・ピュセル「い、嫌なんでも……じゃあ僕はこれで」

トップスピード「そんな事言わずに一緒に入ろうぜ~♪」

ねむりん「私もラ・ピュセルと一緒に入りたいな~♪」

ラ・ピュセル(二人はよく無邪気に抱き着いてきて恐ろしい!!刺激が強すぎる!!)

スノーホワイト「ラ・ピュセルは私と卓球して汗を流してから温泉入るんだよね」

ラ・ピュセル「そうそう!!先に運動した方が気持ち良く入れると思ってねー!!」

ラ・ピュセル(ありがとう小雪!!本当に助かったよ!!)

トップスピード「そっかそっか。お二人さんの邪魔をしちゃ悪いもんな。じゃお先~」

ねむりん「ラッブラブ~♪」

ラ・ピュセル「助かったよスノーホワイト」

スノーホワイト「ねえ、ラ・ピュセル……あの二人に抱き着かれた時、すっごい喜んでたよね」

ラ・ピュセル「よ、喜んでないから!」

スノーホワイト「心の中でデレデレしてたの読んだもん!そうちゃんのスケベ」

ラ・ピュセル「それは不可抗力だから!男として普通の反応だから!」

スノーホワイト「もう、そんな必死で否定しちゃって…クスクス」

ラ・ピュセル「はぁ、小雪ったら……ふふっあははは」

今日は魔法少女達にとってとても平和でとても楽しい一時でした。
だが、そんな日々はこれ以上続くことはありませんでした。

次の日

シスターナナ「ではこれでオフ会は終了となります。皆さま今後も頑張って人助けを続けていきましょう!」

ケイネス「さて身支度も済ませた事だし、ん?日中なのに空が暗いな」

皆が異変に気付き、外を見上げると太陽が黒くなっていた。
皆既日食と呼ばれる現象による物だが、今日がその日だとは全く予報されてはいない。

ミナエル「うわーすっげー!」

ユナエル「撮影しとこー」

ラ・ピュセル「おかしいな……皆既日食が起こるなんてニュースで流れてない」

スノーホワイト「何だが嫌な予感がする」

ケイネス「もしかしたら魔術的な儀式による影響かもしれない。さっそく調べるとしよう」

彼女達の予想通り、この皆既日食はただの現象ではなかった。
この皆既日食が起きた直後に多数の命が奪われていった。
これは新たなる戦いへの狼煙となるのであった。

とある場所

ワイズマン「これでサバトは終わりファントム達が誕生した。我が目的が達成する日も近い……」

今日はここまで
そろそろ更新を早めたい
>>8
このSSでは悪役じゃないが血統を重んじる性格なせいで魔法少女を見下しがちな先生である

>>17
担当地区が違うのでN市では登場しないほぼ背景キャラである(出したら戦闘バランスががが)

ケイネス「つまり此度の事件はファントムという魔物達の仕業だと」

ブラッドレイ「うむ、彼奴等は今、人間界で暴れ回っているがいずれ魔法の国に楯突く存在となるかもしれん
        そこでケイネス君、対ファントムの研究者である笛木君と合流し魔法少女達と共にファントムを殲滅してもらいたい」

ケイネス「我々がですか?」

ブラッドレイ「笛木君の情報によるとファントム達は現在、N市を拠点として活動しているらしい
        そこで現地の魔法少女の力も借りて討伐する方針になったのだ」

ケイネス「そうですか。ではこのケイネス・エルメロイ・アーチボルト。全力を持って期待に応えて見せましょう」

ブラッドレイ「ハハハ!頼もしい返事だな。まぁあまり肩に力を入れ過ぎんようにな。お主は少々気張り過ぎて空回りする所もある」

ケイネス「はっ!お気遣い頂き感謝します!」

ブラッドレイ「では幸運を」ピ

ケイネス(これはチャンスだな。この私の手でファントム達を討ち滅ぼせば経歴に箔が付きアーチボルト家もより一層安泰するというもの
      そしてソラウも私の有能ぶりを知って更に惚れ直すだろうさ)

ケイネス「クククッハハハッハハハハハハハハハ!!」

ppp

ケイネス「む?こいつは……何の用だ凌馬」

凌馬「やぁケイネスさん。何だか面白ゲフンゲフン、大変な事態になってるようだね」

ケイネス「相変わらず貴様は耳が早いな。要件を早く言いたまえ」

凌馬「我々技術者が開発した魔法の道具をプレゼントしようと思ってね。ファントム退治にも役立つ筈さ」

ケイネス「ふん、そんな物に頼らなくても私の用意した礼装だけで十分だ」

凌馬「ケイネスさんならそうでしょうけど、現地の魔法少女達はまだ日の浅い新人らしいじゃないか
     彼女達の経験不足を補うために装備は不可欠だ」

ケイネス「上手い事言って実際は開発した道具のデータが欲しいだけじゃないのか?」

凌馬「……ははは!まさかそんな」

ケイネス「返事をするのに間があったぞ」

凌馬「何にしても魔法少女達に道具を渡せば仕事もしやすくなってケイネスさんにとっても損は無いと思うよ」

ケイネス(もし魔法少女達がファントムの戦いで命を落とす事があれば私の名誉にも関わる
      ここは生存率を少しでも上げるために戦力を増強するべきか)

ケイネス「よし、いいだろう。ありがたく使わせてもらうとしよう」

凌馬「決まりだね。手続きやら申請やらあるからすぐには渡せないけど準備が終わり次第送るから適当に分配頼むよ」

ケイネス「分かった」ピ

凌馬(さてさて、ケイネスさんの所はどんな魔法少女達がいるのかなっと、ちょこっとハッキングさせてもらうよ♪)

殆ど人が通る事の無い寂れた商店街
更にケイネスによる人払いの魔法がかけられ
誰一人、人間が立ち入らないようになっていた。

その場所でケイネスと15人の魔法少女は集まっていた。
ファントムを討伐するべく魔法の国から派遣された笛木と合流するために。
そして予定時刻に差し掛かった頃、彼女達の前に白い衣装を着た魔法使い、笛木が姿を現した。


白い魔法使い「待たせたようだな」

ケイネス「いや、定時通りだ。よろしく頼む笛木殿」

スノーホワイト「あの人が笛木さん……」

ラ・ピュセル「隣に誰かいるね」

白い魔法使い「紹介しよう彼女はコヨミ。皆既日食の日……サバトの生贄に利用された被害者だ。
        偶然にも命を失わずに済んだが、記憶を失い定期的に魔力を補充しなければ生きられない体になった」

コヨミ「…………」

ケイネス「笛木殿はサバトが行われた場所に向かっていたのかね?」

白い魔法使い「ああ、だが一足遅くファントム達の計画を止める事が出来ず、コヨミを除いて
        全ての生贄がファントムに変えられてしまった……己の無力さに腹が立つ」

ケイネス「なるほど、事情は分かった。笛木殿、我々はファントムについて情報が不足している。
      奴らの事を詳しく教えてほしい」

白い魔法使い「ああ、ファントム……奴らはゲートから生まれた怪物だ。そのゲートというのは……」

笛木の与えられた情報によって彼女達はファントムをある程度知る事が出来た。

1 ファントムは人間の精神世界『アンダーワールド』に巣食う怪物である。
2 アンダーワールドを持つ人間はゲートと呼ばれ、絶望させる事で人間を食いつくし現実世界へ出現する。
3 ファントムは宿主である人間に擬態することが出来る、宿主の記憶を継承しているが人格は別物である。
4 ファントムはゲートを探し、絶望させる事で仲間を増やしている。
5 『ワイズマン』と呼ばれるファントム達の親玉がいる。ファントム達はワイズマンの命令を受けて行動をしている。

白い魔法使い「これが私の知るファントム達の情報だ。マジカルフォンにも情報を載せておくので後で再確認してほしい」

たま(よかった……もう半分以上忘れちゃった)

白い魔法使い「そして君達に渡したい物がある」

笛木は二種類の指輪を見せた。

一つ目はマジカルリング、装着者の魔力を向上させる効果とコヨミに魔力を補充する機能が付属されている。

二つ目はエンゲージマジカルリング、ゲートの指にはめる事でアンダーワールドの世界への移動を可能とし
現実世界へ出現する前のファントムと戦うことが出来る。

マジカルリングはケイネスと魔法少女達の分だけ手渡され
エンゲージマジカルリングは一人当たりに複数所持させた。

シスターナナ「これは綺麗な宝石ですね」

ウィンタープリズン「君が付けるとより輝いて見えるよ」

スイムスイム「ルーラ……とても似合う」

ルーラ「ふん、当然よ」

ケイネス(ほう、これはなかなかの礼装ではないか。良い素材を使っている)

白い魔法使い「ファントムがどの地区に現れるかは予測が付かない。その力でファントムを倒してほしい」

スノーホワイト「はい、ファントム達の好きにはさせません!」

ラ・ピュセル「僕もスノーホワイトの意見に同意さ。一緒に力を合わせよう」

アリス「私も……協力する」

スノーホワイト「二人とも……ありがとう!」

白い魔法使い「君達のような正義感の強い魔法少女達が仲間で非常に心強い」

ミナエル「あーあ、あいつら良い子ぶってつまんないの」

ユナエル「上司のご機嫌取りご立派だよねー」

コツ……コツ……コツ……

彼女達の前に近づく人影があった。
ここは人払いの結界が張られた場所である。
その場所に侵入してきたという事はただの人間では無いという証明である。

男「情報通りだ。ここにいたか白い魔法使い…」

ねむりん「君だれー?」

ケイネス「……こいつがファントムか?」

白い魔法使い「そうだ。ワイズマンめ…早速、刺客を仕向けてきたか」

スーツ姿の成人男性は正体を看破されるとニヤリと笑みを浮かべ
擬態した姿を解除してファントム本来の姿を現した。
二本の巨大な角を持った牛のような姿の怪物へと。

ミノタウロス「そうだ!ワイズマン様の命を受け貴様らを殺しにきたファントム。ミノタウロスだ!」

ミノタウロスは笛木に向かって巨大な斧を振るった。
コヨミを抱えて跳躍した事で斧が空振り、地面に大きな亀裂を作る。

ケイネス「ファントム、この街に巣くうウジ虫共め。貴様達はアーチボルト家当主であるこのケイネス・エルメロイ・アーチボルトが
      一匹残らず全て駆逐してくれよう。私の手にかかる事を光栄に思うがよい」

ミノタウロス「お前が俺達を滅ぼすだと?ほざけ!グール共、奴らを皆殺しにしろ!!」

グール「――ッ!」

ミノタウロスの合図と共に数十体のグールが唸り声をあげながら魔法少女達を囲むように姿を現した。

白い魔法使い「奴らは魔石により生み出されたグールだ、数は多いが一匹辺りの性能は低い」

リップル「ちっ」

リップルの放った手裏剣がグール達に突き刺さり屠り去る。
更に群れの中を縦横無尽に駆け回り、クナイで切り裂かれたグール達が爆散した。

トップスピード「おうリップル!やるねー♪かっこいいー!」

リップル「おだてなくていい……」

リップルがグール達をを屠ってる間
ファントムに興味を示さないのか、今まで笛木の話を気だるげに聞き流したメアリの元に
6体のグールがゆっくりと迫っていた。

メアリ「何だい?あんたらアタシを狙ってるのかい?」

メアリ「……ふん」

一息ついた瞬間、メアリは銃を抜いた。
響き渡る6発の銃声、全てがグールの額に命中されていた。
消滅したグールを見下ろすと、また我関せずといった態度に戻った。

マジカロイド「こういう金にならない面倒な作業は他の人に任せるのがよいデスね」

マジカロイドはグールの手が届かない上空で待機していた。

シスターナナ「気を付けてください!」

ウィンタープリズン「ああ分かってるよ……はぁ!!」

シスターナナの魔力により強化されたウィンタープリズンの猛攻により
最も多くのグールを蹴散らしていった。

ラ・ピュセル「スノーホワイト!君は後ろに下がって!」

スノーホワイト「う、うん」

アリス「絶対にスノーホワイトは傷つけさせない……」

ラ・ピュセルは剣を巨大化させ一気にグールを切り裂いた。
アリスは華奢な見た目にそぐわぬ怪力を存分に使い
首の骨を折り、手刀で頭蓋骨を砕き脳漿を撒き散らし、頭を鷲掴みにして脊髄を引っこ抜き、倒した。

グール「――ッ!」

たま「きゃー!」

ミナエル「エンジェル!」

ユナエル「ユニゾン!」

ミナ&ユナ「「キィーーーーック!!」」

グール「ぎゃっ!」

たま「ありがとうミナちゃん!ユナちゃん!」

スイムスイム「ルーラ、これなら素手でも倒せる」

ルーラ「よし、貴女達!互いに背中合わせになって戦いなさい!お互いの死角を守るのよ!」

ルーラ達は一人当たりの性能は劣るもリーダーに指示され、陣形を保ちながら
次々とグールを撃破した。

ケイネス「雑魚共が、私の力を思い知るがよい」

ケイネスへの攻撃は水銀の礼装により完全に防御され
高圧縮された水圧の斬撃がグール達の体を切り裂く。

ミノタウロス「くっ!これだけいたグール達が倒されるだと!?」

ケイネス「どうした?今さら命乞いをしても遅いぞ」

白い魔法使い「ファントム、貴様たちは必ず我々が滅ぼす!」

ミノタウロス「おのれ……おのれおのれおのれ!!こうなったら白い魔法使い!こうなったら刺し違えてでもお前を倒す!」

白い魔法使い「……!?」

ミノタウロス「お前さえ死ねばワイズマン様はお喜びになる!覚悟ォーーー!!」

ミノタウロスが姿勢を低くし角を笛木へと向けると猛ダッシュで突進していった。
笛木がそれを跳躍して躱すと腰のベルトに手を当て魔力を注ぐ。

『キックストライク』

足元に魔法陣が浮かび上がり上空からミノタウロスに向かって飛び蹴りを放った。
両足がミノタウロスの分厚い肉体をくの字に曲げ、大きく吹き飛ばした。

ミノタウロス「おのれぇ……しろ、い……まほう、つか…い……」

ミノタウロスの肉体は笛木の一撃で破壊され、完全な致命傷を与えていた。

白い魔法使い「もう貴様は終わりだ」

ミノタウロス「ぐぐ……ワイズマン様、申し訳…ありま……」

言葉を言い終える前にミノタウロスの肉体は爆散し消滅した。

白い魔法使い「皆、よく戦ってくれた感謝する」

ケイネス「あのファントムが言っていたワイズマンを倒さない限り、戦いは終わらないんだろうな」

白い魔法使い「その通りだ、だがワイズマンはファントムの中でも最も強く、知略にも長けている。
         迂闊に挑めば必ず返り討ちされる、気を付けてほしい」

ケイネス「そうだな。君達、もしワイズマンの情報を手に入れたらまず私に報告するように」

ケイネス(ワイズマンの首は私が頂こう。笛木には申し訳ないが出世はこういった駆け引きにも秀で無ければならんのだよ)

白い魔法使い「それとケイネス殿に頼みがある。コヨミを預かってほしい」

ケイネス「何!?」

白い魔法使い「私はファントムの動向を探るの為に動き回らなければならない。
        その間、ケイネス殿や魔法少女達はコヨミに魔力を定期的に補充してあげてほしい」

ケイネス「それならば魔法の国で保護して貰えば良いのでは?」

白い魔法使い「ファントムの事はまだまだ未知数だ。その解明の為に技術者が彼女を実験体にする可能性がある」

ケイネス「確かにあいつならやりかねないな」

「酷い言いがかりだなぁ、ハハハ」と話す戦極凌馬の幻聴が聞こえたような気がした。
結局ケイネスは自宅でコヨミを預かる形になった。
何でもサバトに巻き込まれた影響かコヨミは一目でファントムを見つける事が出来るという。
それなら役に立つ場面があるかもしれない、との打算的な考えもあった。

白い魔法使い「苦労をかけるなケイネス殿、それと最後に私がこの姿の時は『白い魔法使い』と呼んでほしい、では」

ケイネス「承知した。白い魔法使い」

こうして白い魔法使いはケイネス達から姿を消し、独自で動くことになった。
魔法少女達は地区ごとのパトロールを強化しファントムを警戒するよう指示された。


その頃、とある場所で


フェニックス「ミノタウロスの野郎なかなか帰ってこねえな。くたばっちまったか」

メドゥーサ「ワイズマン様の言った通り、魔法使いや魔法少女は厄介な存在になるようね」

フェニックス「よっし!俺が行ってきてそいつらを皆ぶっ殺してやるぜ!!」

メドゥーサ「ダメよ、貴方はゲートを殺した罰で謹慎中でしょ」

フェニックス「あーつまんね。人間が柔すぎる方が悪いんだっつーの」

今回はここまで

場外乱闘
フェニックスVSルーラ

フェニックス「数揃えて群れなきゃ戦えないとはよっぽど腕に自信がねえんだな」
ルーラ「貴方みたいな暴れるしか脳が無い単細胞じゃきっと部下にも軽んじられるでしょうね」

キャラ補足

キング・ブラッドレイ
軍部で働く将軍だよ
よく視える眼を持ってるよ

戦極凌馬
色々と怪しい技術者だよ
彼の使うレモンエナジーアームズは自身で開発した道具だよ

白い魔法使い
本名は笛木 奏でファントムを研究、討伐してる学者だよ
使用してる魔法は独自の研究の成果だよ

比較的優しい世界かと思っていたら笛木のマッチポンプの犠牲になる可能性、そして「最後の希望」は既に死んでいそう
あとハガレンとウィザードには、「賢者の石」という共通のキーワードがあったな

そこは日中なのにも関わらず、太陽の光が殆ど届かない森の中
更に奥深くへと足を運んだ先には天然の大きな洞窟が存在した。
内部の壁には魔力を含んだ宝石が照明代わりに点々と埋め込まれており
幻想的とも言える光景が広がっていた。

その洞窟の最深部にファントムを統べる存在、ワイズマンが座していた。
ワイズマンの元には配下であるメデューサ、フェニックス
そして新たな指令を受けたもう一人のファントムの姿があった。


ワイズマン「リブラよ、今回のゲートはお前が適任だ 任せたぞ」

リブラ「はっ!必ずやご期待に応えて見せましょう!」

メデューサ「魔法少女達は厄介よ。くれぐれも注意するように」

フェニックス「しっかりやれよ!天秤野郎!」

リブラ「重いですね……この責任……では行って参ります……星に願いを」

フェニックス「なぁメデューサ」

メデューサ「何よ」

フェニックス「星に願いをってどういう意味だ?」

メデューサ「……知らない」

ファントム達の行動が活発し始めた頃、リップルこと細波華乃が通う高校では



華乃(ファントム……か、面倒な敵が出てきたな……)

カレン「オハヨーゴジャイマース!!」

ココア「カレンちゃんおはよー!」

和菓子「あらあら カレンちゃんは今日も元気ね」

こけし「ああ~いつ見ても素敵な金髪です~」

綾「相変わらず忍は金髪が大好きね」

アリス「もう、シノは金髪を見るとすぐこれだもん!」

陽子「他のクラスの金髪にも大はしゃぎしてたよなー」

こけし「金髪は全て文化遺産にするべきですよ!」

華乃(金髪か……あいつを思い出してイラつく……)

華乃にとって金髪と聞いて真っ先に思い浮かべるのはカラミティ・メアリだったので
良い印象は全くと言えるほど無かった。

カレン「ジィー」

華乃「…なに?」

カレン「華乃はもっと笑うと良いデース」

華乃「なんで?」

カレン「この前、野良猫を撫でてた時の華乃の笑顔はとっても可愛かったデス!もっと笑ってほしいデス!」

華乃「な……見てたのか」

和菓子「そう言えばウサギもよく撫でてたわね」

ココア「動物さんが大好きなんだね」

華乃「」///

陽子「おっ 赤くなった」

鬼島「笑顔なら、この落語研究会に入ってはどうだい?人を笑わせるのは楽しいよ ではここで一つ」

鬼島「笑顔とかけまして 太陽と解く その心は」

鬼島「周りが明るくなる 元気をくれる 君の笑顔は眩しいってね アハ!ハハハハハハ!!」

華乃「悪いけど部活は入らないから」

こけし「そうだ!愛称を付けましょう!そうすれば親しみやすくなって打ち解け易くなるはずです」

こけし「例えば私は『シノ』と呼ばれてますし、睦月くんは普段『ムッキー』と呼ばれてますし」

ムッキー(それバイト先のおばさんに呼ばれてたのが、いつの間にかクラスにも定着したんだよな…)

陽子「お、良いアイディアかも!」

華乃「愛称なんていいよ…」

こけし「じゃあワイルドですから『ワイルドの君』というのはどうでしょう?」

華乃「それは嫌」

こけし「じゃあ短くしてワキにしましょう!」

華乃「もっと嫌」

鬼島「笑わせるねぇ よかったら忍も落語研究会に来るかい?」

こけし「あ、そういうのは結構です」

鬼島「」

カレン「お?速水校長が来たデース!ナズェミデルンディス!」


カレンが窓から見下ろした先では、高級そうな赤いスポーツカーから降りた青年が
婦人達へ爽やかな笑顔を振りまきながら手を振っていた。
彼は速水 公平、この学校の校長を務めている。
気品の漂う穏やかで理知的なたたずまいに女性達に大人気である。


カレン「オンドゥルルラギッタンディスカー!」

綾「もうカレン、変な喋り方しないの!」

カレン「おう……速水校長を見てるとつい言ってしまうデース」

烏丸先生「お前ら席に着け ホームルームが始まったぞ」


\プラズマショチョー!/    \ベール!/    \ファミパンおじさん!/


カレン「ヘイ 提督ぅー!」

烏丸先生「だっ違う!」

綾「ちょっと男子! それにカレンも!……頭痛くなってきた」

陽子「綾~いつもの事なんだからそんな突っ込まなくてもいいじゃんかー」


授業が終わり、放課後


リブラ(さて……始めるとしよう)


頃合いと見たファントムがゲートを絶望させるべく行動を開始するのであった。
よりによって華乃の通う、この高校の生徒を狙って……。

今回はここまで

場外乱闘
スノーホワイトVSメデューサ
メデューサ「ワイズマン様に歯向かう魔法少女め!お前も絶望させてやる!」
スノーホワイト「もう止めようよ そんな事ばっかりしてるときっと酷い報いが帰ってくるよ」

>>46
最後の希望は多分、どっかの島で吸血鬼相手に丸太を振り回してるよ

教室内

カレン「今日は本屋へ寄っていくデース!」

陽子「そういや今日はカレンの好きな漫画の新刊が発売してる日か」

こけし「ついでに買い食いもしましょう」

ココア「そう言えば近くに新しいクレープ屋が出来てすっごく評判が良いらしいよ」

綾「TV番組でも紹介されてた店よね 前から行ってみようと思ってたのよね」

和菓子「それじゃあ皆で行きましょう」

カレン「華乃も一緒に行くデース」

華乃「私は…」

アリス「皆で一緒に食べると美味しいよ」

華乃(今日はバイトが休みで特に予定は無い……それなら)

華乃「……行くよ 私も行く」

カレン「ヤッター!」

鬼島「仲良きことは美しいかなってね」

カシャン……カシャン……

彼女達が学校から去ろうとした時、廊下の奥から金属が鳴り響く音が聞こえた。
音のした方へ振り替えると、托鉢僧のような恰好をした黒い怪物が彼女達の方へと歩いていた。

リブラ「大宮忍……覚悟しろ」

華乃(あれはファントム!)

こけし「キャー!でかいゴキブリがこっちきますー!」

リブラ「誰がゴキブリだ!」

女子トイレ

華乃(ここなら…)

女子トイレに入った華乃はマジカルフォンを手に取り素早く変身した。
すぐに出ようと思ったが一人では手に負えない相手かもしれないと考えた。

リップル(念の為にトップスピードにも連絡を入れた方がいいか、よし皆待ってろ!)

高校、玄関前

こけし「はぁはぁ…」

アリス「ここまで逃げたら大丈夫かな?」

リブラ「先回りして待っていたぞ忍」

綾「いつの間に!?」

鬼島「やっぱりゴキブリはすばしっこいですねー ははは!」

リブラ「違うと言ってるだろ!ふざけてるのか!?」

鬼島「もちろんふざけてますよ ふざけるのがアタシの自然体ですからねー」

リブラ「ぐぐっ 私はお前のようなおちゃらけたタイプが一番嫌いだよ!」

リップル「このぉ!」

リブラ「ぬぉ!?もう嗅ぎつけたのか魔法少女め!」

ココア「アイエエ!?ニンジャ!?ニンジャナンデ!?」

和菓子「まあ 可愛いくのいちさんね」

リップル「お前達逃げろ!こいつは私が倒す!」

陽子「ああ!サンキューな!」

リブラ「ワイズマン様から話は聞いている 君たちが我々の邪魔をする魔法少女とね」

リブラ「私はワイズマン様に忠誠を誓うファントム、リブラだ。覚えておくがいい」

リブラ「ただ私も忙しい身なのでね。今は君の相手をしている暇は無い なので……」

リブラが錫杖を振ると、どこからともなく忍者の格好をした怪物達が現れ
リップルの周りを取り囲んだ。

ココア「ヴェアアアアアアアア!!ニンジャフエタアアアアアア!!」

リップル「ちっ 何だこいつら?」

リブラ「彼らは私が生み出した兵隊、ダスタードだ。君の相手は彼らに任せるとしよう」

リップル「くそ!邪魔をするな!」

リブラの後を追おうとするが、ダスタード達の妨害によりそれも叶わず
忍の元へとリブラは迫っていた。

こけし「あわあわ…」

アリス「し…シノには指一本触れさせないよ!」

カレン「そーデース!私達が守り抜くデース!」

リブラ「フフフ 私の力を持ってすれば触れずとも目的を完遂する事など容易い フン!」

アリス「ニャー!」

カレン「ひえ~!」

リブラがアリスとカレンに向けて錫杖を振るうと
二人のきらびやかな金髪が黒髪へと変化していた。

こけし「あああああああああ!! 二人の美しい金髪がぁー!!」

綾「金髪が黒くなった!?」

リブラ「忍よ。お前の愛する金髪を全て黒髪に変えてあげよう。感謝するといい」

陽子「こ、こいつ…黒髪フェチだったのか!?」

こけし「お願いします!それだけは……それだけはやめてください……」

リブラ「その頼みは聞けないな。それ!」

リブラは金髪の人間を黒髪に変えるべく周囲を見渡し
発見次第、問答無用に髪の色を変え始めた。

星奈「な、なんなのよこれ!?」

小鷹「何だ?いきなり髪の色がかわったぞ」


千棘「ちょ、ちょっと私の髪が!」

楽「どうなってんだ?」


アルトリア「なっ!?」

切嗣「……ぶぷっ」

アルトリア「切嗣、今笑いましたね……」ジャキ


リブラ「さて、ここまでやればそろそろだろう」

こけし「あ……あ……」ピシッピシッ

学校の外で歩いている金髪も黒髪に変えた辺りで忍の様子に変化が起きた。
忍の体に亀裂が走り、今にも崩れ去ろうとしていた。

アリス「シノ―、しっかりしてー!」

カレン「ダメデス!いなくなっちゃ嫌デス!」

陽子「お前!シノを元に戻せ!」

リブラ「それは無理だな。この状態になれば誰も助けることは出来ない」

綾「そんな……嘘よ!」

鬼島「そうですよ、忍はねぇ、そんな柔な女じゃないんですよ」

リブラ「見てるがいい。新しいファントムが生まれる瞬間を!!」

リップル「貴様ぁ!」

リブラ「ダスタード達を片付けたか、だがもう遅い、ゲートは絶望し、まもなくファントムは生まれる」

リップル「忍!!」

リブラ「君は、このリブラの手で直々に始末してあげよう」

リップル「ちっ 早く助けないと」

リップルは俊足を生かして、リブラに接近して忍者刀を振るう。
リブラはそれを錫杖で受け止め、金属の衝突音と共に火花が飛び散る。
忍者刀を押し返した錫杖の一撃がリップルの脇腹に直撃し吹き飛ばされる。

リップル「はぁ!」

リブラ「ふん」

後方に飛ばされながらもリップルの放った三つの手裏剣がリブラの体へ飛んでいく。
全て錫杖で叩き落されるが諦めずに右から左から上からと次々に手裏剣を投げ続けた。
その数の多さやあらゆる角度からの変則的な攻撃に、防ぎ切れなかった手裏剣がリブラの肉体へと突き刺さった。

リブラ「ぐっ……手裏剣が急激に方向を変えてこちらに飛んでくる。それが君の魔法か……厄介だな。だが」

リップル「消え……ぐはっ」

リブラの姿が消えると同時に背後から強烈な一撃を受けてリップルは地面に倒れる。
いつの間にかリップルの背後を取っていたリブラの攻撃を受けたのだ。
リブラはリップルを見下ろしながら錫杖を上空に掲げた。

リブラ「君の魔法では私に勝てない。さらばだ」

リップル「…………!」

トップスピード「させねえよーーー!!」

リブラ「ウワアァァァァァァァァァァァァァーー!!!」

弾丸のような速さで特攻してきたトップスピードに衝突したリブラは
恐怖に怯えた叫び声をあげながら吹き飛ばされた。

トップスピード「大丈夫かリップル!?」

リップル「助かる!」

こけし「うう……」

リップル「絶望するな忍!!私がお前の希望になる!!」

リップルは急いで忍の指にエンゲージマジカルリングを装着させると
忍の精神世界、アンダーワールドへと侵入した。
そこには巨大な竜のファントムが外へ出ようと暴れていた。

リップル「ここでお前を倒して忍を助ける!」

ジャバウォック「ギャオオオオ!!」

リップルがジャバウォックの口から放たれる光弾を躱し、手裏剣を投げつける。
例え上空の中で滑空していようと目視出来る場所ならば手裏剣は必ず命中する。
数十、数百の手裏剣がジャバウォックの巨体に全て突き刺さり
耐え切れなくなったダメージを受けたジャバウォックが地面へと落下する。

リップル「トドメ!」

ジャバウォックへ向けてリップルは跳躍する。
上昇するリップルと下降するジャバウォックが交差する瞬間、忍者刀の一撃が加わり
ジャバウォックの首が斬り落とされ、地面に落ちる事無く爆散した。

トップスピード「お、亀裂が消えた」

こけし「あれ……私は……?」

リップル「ファントムを倒した。これで忍は助かる」

アリス「シノ―!」

カレン「よかったデース!」

トップスピード「これでめでたしめでたしだな!」

リブラ「何がめでたいものか!!我々の崇高な目的を妨害するとは!!」

リブラ「二人がかりで来るとは汚いな流石忍者きたない」

リップル「ちっ お前も手下を使っただろ」

リブラ「あれは私の魔法で生み出した兵隊だから一人分だ!」

リップル「屁理屈を!」

トップスピード「なんだよ まだやるのか!」

リブラ(あの魔女に食らったダメージが大きい……今回はここで引くとしよう)

リブラ「その命、次に会う時まで預けておいてやる。だが覚えておけ、我々に歯向かった罪は重いとな」ササッ

カレン「オゥ!髪の色が元に戻ったデース!」

こけし「よかったぁ」

トップスピード「負け惜しみ言って逃げちまったな」

こけし「ありがとうございました。私を助けてくれたんですね」

リップル「もう大丈夫、これからはファントムに襲われることはないよ」

アリス「よかったねシノ」

鬼島「いや~半信半疑だったけど本当に魔法少女がいるとは驚きだねぇ」

リップル「じゃあ私達は行くから」

トップスピード「他のエリアのパトロールもしなきゃだしな」

魔法少女達は箒に乗って立ち去った。
少ししてから華乃が忍達の元へ戻ってきた。

華乃「大丈夫だった忍?」

こけし「はい!魔法少女さんに助けられました」

カレン「華乃ー!心配したデース!」

ココア「ねえ、これから皆でクレープ食べに行かない?動き回ったから甘いの食べたくなっちゃった」

和菓子「いいわね。私も賛成よ」

陽子「よっしゃー!たらふく食うぞー!」

綾「もう陽子ったらはしゃぎ過ぎよ」

カレン「ジー」

鬼島「ん?アタシに何か用でも?」

カレン「鬼島も一緒に食べに行くデース!」

鬼島「そうだねぇ。まぁ今日はこの騒ぎで部活どころじゃないし、ご一緒させて頂きましょう」

カレン「ヤッター」

こけし「カレンは誰とでも誘う事が出来てすごいですね」

カレン「だって皆で食べに行った方が美味しいからデース」

華乃(これで再認識したよ。私は街の平和を守る為に魔法少女になったんだって)

華乃(これからも彼女達の笑顔を守る為に、ファントムと戦い続けよう)

華乃(それにしても気になるのは、あのリブラというファントムは大宮忍の名前を知っていた)

華乃(もしかしたらこの学校の関係者なのかもしれない……注意しないと)


その頃、魔法少女との戦いに敗れたリブラは……。


リブラ「おのれ……忍者と魔女の魔法少女め!私の顔に泥を塗りおって、ワイズマン様になんとお詫びをすればいいか」

リブラ「それにしても気になるのは、私が行動してからあの忍者が現れるのがあまりにも早かった」

リブラ「もしかしたらこの学校の関係者なのかもしれない……注意せねば」

おまけ 本編とは関係無いよ

いつもの鉄塔

スノーホワイト「あ、あのね……そうちゃん……」///

ラ・ピュセル「なんだい……こ、小雪……」///

スノーホワイト「あの……これ、受け取って……」///

ラ・ピュセル「ありがとう!大事に、大事に食べるよ!」///

アリス「……スノーホワイト」///

スノーホワイト「アリス!?いつの間に」

アリス「背後でスタンばってました……これ、あげます」///

スノーホワイト「ありがとうアリス!これお返しのチョコね」

アリス「ありがとうございます。一生大事に取っておきます」///

スノーホワイト「いや、早めに食べてね」

ラ・ピュセル(……チョコをあげるのは僕だけじゃないんだ)

スノーホワイト(アリスに嫉妬してるそうちゃん可愛い)///

ファントムのアジト

フェニックス「なんか今日は人間達が浮かれて面白くねーな。手当たり次第燃やしたいぜ」

メデューサ(ファントムが人間の習慣を真似るのは可笑しな話だけど……)

メデューサ(ワイズマン様への忠誠の証としてチョコを贈るのは許されるわよね)///

グレムリン「ねえミサ!チョコ欲しいな~僕にチョコくれない?」

リブラ「君はまだ本編にすら出てきてないだろ!出しゃばった真似は慎んでもらおう」

グレムリン「ホワイトデーになったらちゃんとお返しするからさ!白い服沢山プレゼントするよ!」

リブラ(私の話が無視された……扱いが軽い)

メデューサ「嫌よ、それに貴方のお返しはすごく殺意を感じるわ」

ワイズマン「皆来ているか。では今週狙うゲートだが」

メデューサ「ワイズマン様!あの、その……」///

ワイズマン「どうした?要件があるなら言ってみろ」

メデューサ「これをどうぞ!私の気持ちです!」///

ワイズマン「そうか、今日はバレンタインデーだったか。ありがたく頂戴するよメデューサ」

メデューサ(ワイズマン様が受け取ってくれた)///

フェニックス「けっ メデューサもなに浮かれてんだが」

メデューサ「ねえ、フェニックス」

フェニックス「なんだよ」

メデューサ「貴方にもこれあげるわ 義理だけど感謝しなさい」

フェニックス「え?俺に?……マジか?」

メデューサ「何よ。要らないならあげないわよ」

フェニックス「いや、貰っておくぜ。サンキューな」



グレムリン「義理すら貰えなかったんだけど~」

リブラ「私も貰えなかった……この胸の苦しみ、重たいな」

その頃、チョコを貰ったワイズマンは……

ワイズマン「ファントムが私にチョコを、か……」

ワイズマン「くだらない。ファントムの分際で愛情ごっこなど」

チョコを持ったワイズマンの手に魔力が込められる。
すると綺麗に包装されたチョコが炎に包まれ地面に落とされる。
ワイズマンはそれに足を乗せると踏みにじった。

ワイズマン「私に取ってファントムは目的を完遂させる為の道具に過ぎない。愛情など笑わせる」

ワイズマン「私が真に愛情を注ぐべき相手は一人、たった一人しかいない……」

ワイズマン「彼女の為なら私は全てを犠牲に出来る……」

今日はここまで

最初は強いのに後になると雑魚になる幹部はよくある話
絵面を想像しながら書いてると鬼島が浮いてしょうがない

華乃の学校の登場キャラ紹介

こけし
通称、大宮 忍
金髪フェチで外国が大好きだよ 鬼畜だよ 声がたまだよ


アリス・カータレット
ちっちゃいよ ハードゴア・アリスとは無関係だよ


小路 綾
ツンデレだよ ラビットハウスにそっくりさんがいるよ


猪熊 陽子
おっぱい大きいよ 声がトップスピードだよ


九条 カレン
艦娘じゃないよ 声がスノーホワイトだよ 援助交際してそうな声とか言っちゃダメだよ


保登 心愛
ラビットハウスで住み込みで働いてるよ 声がラ・ピュセルだよ


和菓子
通称、宇治松 千夜
甘兎庵の看板娘だよ 不人気とか言っちゃダメだよ


鬼島 夏児
落語研究会部長だよ このSSでは善人だよ


ムッキー
通称、上城 睦月
このSSでは厨二病に犯されてないので気弱で争いを好まない性格だよ 近所のスーパーでバイトしてるよ


烏丸先生
担任の教師だよ 責任は認めるけど謝らない人だよ


速水 公平
校長先生だよ 重いとか軽いとかよく口癖で出るよ

ケイネスの住むアパート

コヨミ「駄目ですよケイネスさん ちゃんとご飯食べないと」

ケイネス「ぬう……」

魔法の国では魔術師の天才と持て囃されているケイネスでも
料理に関してはロクに作った経験が無いので
いつもレトルト系か外食で済ませていた。

コヨミが同居するようになってからはコヨミが家事をするようになり
そんな偏った食生活が改善されていったのである。

ケイネス「コヨミよ……今日もファントムは見つからなかったか?」

コヨミ「ええ、ケイネスさんの使い魔を通して町中を散策してるけど中々見つからないわ」

ケイネスは使い魔を至る場所に送り放って監視しているが
N市のどこかにいると言っても誰を狙っているか把握しない以上見つけ出すのは非常に困難である。

ケイネス(奴らめ、ねぐらさえ見つければすぐに駆除してやる物を……この私に見つかるのを恐れているのか……)

ppp

ケイネス「凌馬か、もしもし」

凌馬「やあケイネスさん。魔法の道具の受け渡しの許可がようやく取れたから伝えようと思ってね」

ケイネス「ふむ、結構時間がかかったな」

凌馬「それが酷いんだよ 職員の人達はやたらと私の事を疑ってきてね 必要以上に入念な検査をされたんだよ」

ケイネス「それはお前の自業自得だ」

凌馬「そんなに悪い事をしたかな?」

ケイネス「しただろ!三か月前にやった事を忘れたか?」

凌馬「三か月前……?」

三か月前、魔法の国の研究所で


魔法少女「お久しぶりです!戦極さん」

凌馬「会いたかったよ魔法少女ちゃん 喉乾いてない?美味しいアイスティーを用意したから飲んでよ」

魔法少女「わぁ~ 丁度、喉乾いてたんです いただきまーす! それで私に用ってなn」ドサ

凌馬「ふっふっふ……魔法少女すら眠らせる睡眠薬、どうやら成功したようだ では実験を始めよう」


手術室


科学者A「戦極さん駄目ですよ!許可も取らずに魔法少女を眠らせて人体実験に使うなんて!」

科学者B「しかも脳味噌を取り出してサイボーグにするなんて非道過ぎますよ」

凌馬「大丈夫♪大丈夫♪データを取ったら、すぐに元の体に脳味噌を戻すからさ~」

科学者C「誰か警備員を呼べー!!早く手術を止めさせるんだぁー!!」


手術は中断され……


魔法少女「うわぁぁん!!脳味噌取られる所だったよぉ!!怖かったよぉぉ!!」

科学者A「可哀想にあの子……ガン泣きしてるよ」

科学者B「こりゃ一生物のトラウマだな」

科学者C「って戦極さん!何してるんですか!?」

凌馬「魔法少女ちゃんの脳味噌使えないなら自分のでいいかなって」


そして狂気の手術が始まり……


科学者A「逃げろー!戦極さんが暴走してるぞー!」

科学者B「だから止めようって俺言ったのに」

科学者C「誰か警備員を呼べ―!!戦極さんを止めるんだぁー!!」

戦極ハカイダー「破壊だぁ……破壊だぁぁぁ!!!!」

ケイネス「という事があって大騒ぎだったじゃないか」

凌馬「あー、あの時は謹慎処分受けて大変だったな はっはっは」

ケイネス「笑いごとか」

凌馬「それとケイネスさんが受け持つ魔法少女の一人に『リップル』って子がいるよね?」

ケイネス「ああ、確かにいるがって何でお前が知っている?」

凌馬「まぁそこは置いといて、実は彼女の実の父親は、魔法の国の人間であることが判明したんだ」

ケイネス「なんだと!?」

凌馬「と言ってもリップルが生まれてすぐ魔法の国へ帰ったし、記憶操作もされたので妻と娘には知らされていない事実なんだけどね」

凌馬「問題はその父親だ、父親の名は『蛮野天十郎』 ケイネスさんもその名を知っているよね?」

ケイネス「蛮野……確か半年前に処刑された科学者だったかな」

凌馬「そう 彼は国家反逆罪の容疑がかかり、連行しようとした所で抵抗した為にその場で処刑されたんだ」

ケイネス「まさか私が受け持つ魔法少女候補の中に蛮野の娘がいたとは……」

凌馬「もし彼女を正式に魔法少女として採用するとしたら犯罪者の娘として快く思わない連中から風当たりが強くなるだろう」

凌馬「その時はケイネスさんが色々上手く気を利かせてあげるといいよ」

ケイネス「よかろう 私の力があれば魔法少女共に過ごしやすい環境を与えるなど造作もないことよ」

凌馬「やっぱケイネスさんは頼りになるねぇ それと」

ケイネス「まだ用があるのか?」

凌馬「これが最後さ 本部からの指示でサポート用の電子妖精が贈られたから有効活用するようにってさ」

ケイネス「電子妖精だと?」

ファズ「初めましてケイネスさん 僕はファズだぽん♪」

ケイネス「ぬお!?」


突如、ケイネスの端末から右半身が白で左半身が黒のマスコットが飛び出した。
ファズと呼ばれるマスコットがケイネスの傍でふよふよと飛んでいる。


凌馬「機械操作系ならこの電子妖精に頼ればそれで解決さ じゃあファントム退治頑張ってね♪」

ファズ「パソコンが全く触れないお爺ちゃんでも僕がいれば大丈夫ぽん♪」

コヨミ「なんですこれ?」

ファズ「ファズだぽん!僕は他の同型と比べてもとっても優秀なんだぽん!」

ケイネス「よしファズ さっそく命令を与えよう」

ファズ「なんだぽん?」

ケイネス「魔法の国から送られてきた道具を魔法少女達に上手く分配してくれ」

ファズ「誰に何を渡すかは僕の独断でいいぽん?」

ケイネス「ああ、バランスやら相性やら丁度良くなるよう渡ればそれでいい」

ファズ「分かったぽん!それにしてもふざけたようなアイテムも混じってるぽんね」

ケイネス「それは大方、凌馬が開発した道具だろう 奴め、試作品のモニターとして利用しているな」


こうして魔法少女達にそれぞれ道具が支給されたのであった。

渡されたアイテム一覧

スノーホワイト←暗記パン

ラ・ピュセル←アヴァロン・レプリカ

リップル←サイバイマンの種

トップスピード←ミニ八卦炉

ルーラ←アゾット剣

スイムスイム←鉄球&メイド服

たま←ホワイトゴレイヌ&ブラックゴレイヌ

ミナエル←透明外套

ユナエル←元気の出るお菓子

シスターナナ←通り抜けフープ

ウィンタープリズン←着せ替えカメラ

マジカロイド←3分だけ幸運100倍ドリンク

カラミティ・メアリ←GXランチャー

ハードゴア・アリス←超振動ナイフ

ねむりん←四次元ポケット


ファズ「やっぱり変なアイテムばっかりだぽん」

今回はここまで
魔法少女物はやっぱりマスコットが必要かな


登場キャラ紹介

蛮野天十郎
リップルの実の父親だよ 処刑されて今は故人だよ


ファズ CV森田成一
ケイネスや魔法少女達をサポートするマスコットだよ 逝ッテイーヨ!

魔法のアイテム支給後…


リップル「何これ」

ファズ「土に植えるとサイバイマンが出来る種だぽん」

サイバイマン「ぐぇっ ぐぇっ」

リップル「気持ち悪い 別のにして」

サイバイマン「」ガビーン

ファズ「サイバイマンよ 元気出せぽん じゃあ他のアイテムと交換するように頼んでおくぽん」


リップルの支給アイテムがサイバイマンの種からウサギの足に変更されました


リップル(これがウサギの足、かわいい……)///

N市 警察署

須藤「捜査を諦める?事件を無かった事にするんですか!?」

上司「そうだ この事件は警察では手に負えん」

須藤「確かに、相手は想像を絶する化け物です ですが!」

上司「とにかくこの件にはもう関わるな」

須藤「何故です!あんな奴らを野放しにしていいんですか!?」

須藤「人を守るのが警察の仕事でしょう!」

上司「これは上からの絶対命令だ!」

須藤「なっ…!?」


ファントムの存在は人間達にも情報が伝わり始めていた。
ネットにも情報が拡散され、市民達にも不安が広がっている。
そんな現状を解決するべく須藤刑事は早急な対策班の設立を上司に訴えていた。
だが何者かの圧力なのか、一切の干渉すら許可されない現状である


須藤(なぜ警察は動かないんです?……仕方ありません こうなれば私一人でも)

ファントムのアジトでは…


メデューサ「リブラ、次の任務よ 今度は三人で行きなさい」

リブラ「はっ!次こそゲートを絶望させて見せましょう」

フェニックス「おい天秤野郎 またしくじるなよ」

リブラ「分かっている 今回は仲間もいる 必ず成功させよう」

リブラ(脳筋フェニックスめ お前は過去にゲートを殺したくせに偉そうに)


スノーホワイトこと姫河小雪の通ってる中学校では…


和子「今日はみなさんに大事なお話があります。心して聞くように」

和子「目玉焼きとは、固焼きですか?それとも半熟ですか?」

和子「はい、中沢君!」

中沢「えっ、えっと…どっどっちでもいいんじゃないかと」

和子「その通り!どっちでもよろしい!」

和子「たかが卵の焼き加減なんかで、女の魅力が決まると思ったら大間違いです!」

和子「女子のみなさんは、くれぐれも半熟じゃなきゃ食べられないとか抜かす男とは交際しないように!」

さやか「ダメだったか…」

まどか「ダメだったんだね」

小雪「先生美人なのにな~」

ホームルームではいつもの如く和子先生が振られた男の愚痴を零していた。
ただ、今日はいつもと違う特別な日であった。
少なくても小雪のクラスメイトである美樹 さやかにとっては

放課後

小雪(……あれはさやかちゃんと上条くん?)

さやか「どう恭介?指の怪我は……」

恭介「ああ、もういいんだ その事は」


ある日の放課後、恭介は自転車で帰る途中、事故が起こり
指に大怪我を負った彼は治療に専念していた。
だが治療の結果は余りにも残酷だった。
彼の指は一生治る事は無い、将来有望だった天才ヴァイオリニストの人生は崩れ去ったのだ。


恭介「もう僕はヴァイオリンを弾けないんだよ。諦めろって言われたのさ」

さやか「……どういうこと?」

恭介「もう演奏は諦めろってさ。先生から直々に言われたよ。今の医学じゃ無理だって」

恭介「だから悪いけど、今は僕の事を放っておいてほしいんだ」

さやか「恭介!……恭介」

さやか(私には何ができるんだろ?今は傍にいるだけでも恭介を傷つけてしまう……)

小雪(なんか上条くんが凄く荒れてる……心配だから付いて行こう)

男子A「見たかよ上条の奴wあの顔傑作だぜ」

男子B「散々天才だと持て囃されて調子に乗るからこうなったんだよな」

恭介「……お前らか?お前らがやったのか!?このぉっ!!」

男子A「いってぇ!いきなり何しやがる!」

男子B「事故って弾けなくなったのはお前の自業自得だろ!俺たちのせいにしてんじゃねえよ!」

恭介「ふん 昔はへーこらしてた癖に手のひら返しやがって…」

小雪「上条くん!喧嘩なんてやめて!」

小雪が男子達の間に入り仲裁しようとするが怒りに身を任せた恭介の動きは止まらない。
その時、男性教師が現れ仲裁に入った所で恭介はようやく冷静になった。

小倉先生「やめなさい!」

恭介「先生…」

小倉先生「音楽に携わる人間が暴力を振るってはいけません!そんな事は常識でしょう!」

小倉先生「上条くん 気持ちは分からなくも無いがさっきの行動はどうかな?」

恭介「すみません 別に先生に迷惑をかけるつもりじゃなかったんです」

――――――


恭介「退院して早々、姫河さんに恥ずかしい所を見せちゃったな」

小雪「どうしてこんな事をしたんですか?普段の上条くんなら……」

恭介「僕がさヴァイオリンを弾けなくなった事故だけど、ただの事故じゃなかったんだ」

恭介「後で調べて分かったんだ。誰かが仕組んだ。僕の自転車に細工されてね」

小雪「酷い……酷すぎる……」

恭介「それで人が憎くて憎くてしょうがなくなったんだ」

恭介「分かってるよ 復讐なんて虚しいだけだ やるもんじゃない そう何度も自分に言い聞かせてるんだ」

小雪「上条くん…」

恭介「そうだ。姫河さん まだ魔法少女になりたい夢を持ってるの?」

小雪「あ、あの……その……」

恭介「流石にもうその夢を追っかけてはいないか。あのさ、僕に言わせれば『夢』ってのはね『呪い』と同じなんだ」

恭介「呪いを解くには夢を叶えなければならない。でも途中で挫折した人間はずっと呪われたままなんだ」

恭介「俺の苦しみは簡単に消すことは出来ない」

小雪「ぐすっ……ぐすっ……」

恭介「ああ、この話はさやかには秘密にしておいてほしい」

恭介「僕が言えた義理じゃないけど、あの子が事故の真実を知ったら絶対無茶するからね」

小雪「うん、分かった」

恭介「ありがとう。じゃあね」

小雪(上条くんの気持ち、少しだけ分かると思う)

小雪(私も清く正しい魔法少女であり続けたいという夢を奪われたら、きっと凄く苦しむ筈だから…)

~♪


恭介(ん?あの音は……)


音楽室

和彦「あ、上条先輩ですよね?」

恭介「君は…一年生?」

和彦「はい!実は俺、先輩に憧れてこの学校に入ったんです」

和彦「先輩の様にヴァイオリンが弾きたくて…」

恭介は和彦の指を見た。
指に出来たタコはよく見覚えがある。
時間も忘れて馬鹿みたいに夢中になって練習を続けた者が出来るタコだった。

恭介「ははっ 僕と同じ指だ。僕だってあんな事故にさえ会わなければ……」

和彦「せっ先輩……?」

恭介「君、弾いてみて」

和彦「はい!」

~♪

恭介(何故だろう?音楽なんて聞くだけでも苦痛だった筈なのに、今はこんなに心が躍るなんて…)

恭介「そこはもっと優しくね」

和彦「はい」

恭介は目を閉じ、かつてその曲を弾き続けた過去を思い出していた。
まるで過去の感覚を取り戻すかのように指先を動かす。
二人だけのレッスンは下校時間ギリギリまで続いた。

和彦「先輩?」

恭介「うん、大分良くなったよ。あとは所々弾き方が硬くなってる部分を柔らかくすれば完璧だ」

和彦「はい!あの、先輩…明日も教えてもらえないでしょうか?俺、少しでも先輩に近づきたいんです」

恭介「分かるよその気持ち、俺も超天才ヴァイオリニストと呼ばれていた紅音也さんを目指して弾いてたからね」

恭介「僕でよかったらまた教えてあげるよ」

和彦「ありがとうございます!」

今回はここまで
今はまだ綺麗な蟹刑事さんです
恭介の才能を潰した酷い奴は一体誰なんだろうな

リブラ「いいか?お前の使命は私のサポートに徹する事、勝手な行動はしないように」

矢沢「あのさぁ。俺とあんたは同格のファントムだよね?」

矢沢「その命令口調はすっげぇ不快だからやめてくんないかな?」

リブラ「何だと!?」

矢沢「まぁ、いちいち命令されなくても俺は分かってるんでそこん所よろしく、天秤さんよぉ」

リブラ(イライライライラ……)

リブラ(いかん。平常心平常心……そんな事で気を乱しては任務に支障をきたす)

リブラ「ターゲットを発見した 行くぞ」

矢沢「オ~ケ~」


校舎外


恭介(遅くなっちゃったな……早く帰らないと)

リブラ「おい、貴様」

恭介「うわっ!もしかしてニュースで目撃されてる怪物達か!?」

矢沢「大当たり~フォオオオオオオオオ!!」


矢沢というグラサンを付けたチンピラ風の男は山羊を模したファントム
カプリコーンの姿へと本性を現した。


カプリコーン「ほらほら、早く逃げないと捕まえちまうぜ」

恭介「うわあああ!!」

『誰か!』 『助けて!!』

スノーホワイト「この声は…上条くん!」

恭介の悲鳴は丁度、魔法少女の姿へ変身していたスノーホワイトの耳に届いた。
彼女はすぐさま声の聞こえた方向へと向かった。


リブラ「さぁ!絶望しろ!」

恭介「くっ……」

スノーホワイト「させない!!」

リブラ「ぬ!今回も現れるのが速いな……この街全体に監視網が引かれていると見るべきか」

スノーホワイト「そうちゃん!ファントムが!」

ラ・ピュセル「分かった!今向かう!」

リブラ「仲間に連絡を入れたか。だが無駄な事」

カプリコーン「合流する前に潰せばいいだけだろ~フォオオオオオオオオオオ!!」

スノーホワイト「ファントム……人間達から希望を奪う貴方達を絶対許さない!」

リブラ「粋がるな!」

スノーホワイト「――――ッ」

スノーホワイトの頭上めがけてリブラの錫杖が振り下ろされる。
それが直撃するよりも早く、黒い影が間に割って入り
錫杖の動きがぴたりと止まった。

リブラ「何だ、こいつは!?」

アリス「……スノーホワイトさんを傷つけさせません」

スノーホワイト「アリス!?どうしてここに……?」

アリス「すぐに合流できるようにと学校の近くで待機していました」

リブラ「ええい!離せ!」

いくら力を込めようとも、アリスの掴んだ錫杖から引き離す事が出来ない。
こんな華奢な体のどこにそんな力があるのか?
そう考えていた時、リブラの腹部に激痛と衝撃が走り吹き飛ばされた。
アリスがヤクザキックを放ったのだ。

カプリコーン「だらしねえなぁ天秤さんはよぉ…俺はそこらのファントムとは違うがな」

アリスに攻撃を放つモーションを見せたカプリコーンめがけて上空から剣が投擲され
カプリコーンの右腕を切り裂いた。
黄緑の体液が傷口から噴出する。

ラ・ピュセル「うおおおおお!!」

カプリコーン「ぐわあっ!」

剣と共に降りてきたラ・ピュセルが剣を拾い、追撃の斬撃をカプリコーンに食らわせた。
衝撃を受けたカプリコーンの体が宙を舞った。

スノーホワイト「そうちゃん!」

ラ・ピュセル「もう大丈夫だ小雪!君は僕が守る!」

アリス「私もいます」

ラ・ピュセル「そうだね。僕達で守るよ」

スノーホワイト「いえ、私も戦う。あれは放っておけない!」

リブラ「くっ……今度は三人も現れるとは予想を超える厄介さだな……だが」

オウル「…………」

両腕に鉤爪を付けた灰色の姿をしたファントムがアリスに飛びかかる。
鉤爪が錫杖を叩き落とし、真っ白な肌を切り裂いた。
追撃しようとするもラ・ピュセルの牽制で妨害され
更に先ほどアリスに与えた傷が塞がりつつある現状に警戒して大きく後退した。

リブラ「遅いぞオウル、仕方ないここは引くとしよう。だが次こそ上条恭介を絶望させてやる」

ラ・ピュセル「待て!!」

オウルの口から吐き出される煙幕が後を追おうとするラ・ピュセルの行く手を阻んだ。
煙幕が晴れた時には三体のファントムの姿が消えていた。

裏路地にて…


矢沢「あの騎士風の魔法少女め。よくも俺の体に傷をつけやがってよぉ……ああああああああ!!!!」

リブラ「落ち着くのだ。魔法少女が三体もいたのは想定外だが目的は順調に進んでいる」

リブラ「あいつらはダミーに釘づけとなり、ゲートへの対応が遅れるだろう」

オウル「…………」





スノーホワイト「ファントムはまた上条くんを狙ってくるはず」

ラ・ピュセル「そうだね。いつファントムが現れても対処できるように僕達で見張ろう」

アリス「……スノーホワイトさん、これ差し上げます」

スノーホワイト「このナイフはアリスの…」

アリス「私は武器が無くても戦えます。スノーホワイトさんが使った方が役に立ちます」

スノーホワイト「でも……じゃあこのパンと交換でどうかな?それぐらいしか渡せる物が無いけど」

アリス「嬉しいです。大事に使います」

スノーホワイト(本当は戦ったりなんてしたくない。けど皆の希望を守るためなら怖がっていられない)

ラ・ピュセル「小雪も戦う決意を固めたって顔してるね」

スノーホワイト「え?そうかな?」

ラ・ピュセル「うん、昔の小雪は喧嘩を見るだけでも泣き出す泣き虫だったけど、今は強い意志を感じる目をしてるよ」

スノーホワイト「もう!そんな昔の話をしないでよそうちゃん!」

アリス「クスクス」

次の日


音楽室


今日も和彦のレッスンに付き合う恭介、そこにさやかと小雪の姿もあった。
さやかは恭介の様子が気になっていたのと、小雪はファントムの襲来を警戒しての事である

~♪

和彦「…先輩」

恭介「君……指を大事にしろよ。君の指は黄金の指だ」

小倉先生「素晴らしい!元々君には才能があると思っていましたが、とうとう開花したようですね」

和彦「先生!」

小倉先生「昔の上条くんに勝るとも劣らない」

小倉先生「君に足りないのはあと一つだけだ。それを達成すれば今の上条くんと同じになれるでしょう」

小雪(『今の』上条くんと同じ……?)

さやか「凄いじゃん恭介!弾くだけでなく教える才能もあったんだ」

恭介「僕は大した事してないよ。和彦くんの努力の成果だよ」

和彦「先輩……ありがとうございました!」

恭介「まだもう少し時間あるし、次はもっと難しい曲弾いてみようか」

和彦「はい!」


廊下


小雪「もういいの?さやかちゃん」

さやか「うん、恭介のあの楽しそうな笑顔見ちゃったら、これ以上心配する必要無いの分かったから」

さやか「ねえ小雪、これから一緒に買い物でもしない?」

小雪「ごめん、これからちょっと用事があるんだ」

さやか「そっか じゃあまた明日」

郊外駐輪場


小倉先生「…………」カチャカチャ

小雪「何をしているんですか?先生」

小倉先生「いや……あの……自転車の調子が悪くてね」

小雪「先生が自転車に乗るようには見えませんけど」

小倉先生「何がいいたいのかね?姫河くん」

小雪「また教え子の才能を潰す気ですか先生?」

小倉先生「……ッ!」

小雪「先生なんですよね?上条くんの自転車に細工をしたのも…」

小倉先生「……馬鹿なガキだ」

小倉先生の顔に紋章のような物が浮かび上がると共に
灰色のファントム、オウルへと姿を変えた。

小雪「小倉先生が……ファントム!?」

オウル「そうです。小倉一郎はサバトの日に既に死んでいる。それを知った君も死になさい!」

鉤爪が小雪に突き刺さる寸前、ピンクの光と花びらがオウルの視界を奪い、攻撃を躱される。
光が消えた先には小雪の姿はなく、白い魔法少女スノーホワイトが目の前に立っていた。

オウル「姫河、まさか君が魔法少女だったとはな」

スノーホワイト「許せません!ファントムを生み出すために皆の希望を奪う貴方達を!」

オウル「ククク……カカカッ!!君は一つ勘違いをしているよ」

スノーホワイト「え?」

オウル「もし上条くんがゲートだとしたら才能を奪った時点で絶望しファントムを生み出しているよ」

オウル「そして和彦くん、彼もゲートでは無い。絶望させた所でファントムは生まれない」

スノーホワイト「それならどうしてこんな事を!」

オウル「知りたいか。それは……」

その頃、音楽室の外では…


ラ・ピュセル「今の所はファントムの動きは無いね。アリスの所は?」

アリス「ファントムの姿は見当たりません」


ラ・ピュセルとアリスは恭介の周囲を見張り、ファントムを警戒していた。
だが敵は警戒していた所とは別の場所で現れていた。
少女達の悲鳴が校舎の外から聞こえていた。


ラ・ピュセル「アリス!」

アリス「はい」

二人の魔法少女が悲鳴の聞こえた方へ向かうと
二体のファントムが一人の少女を絶望させ、ファントムが生まれそうになっていた。
少女達の悲痛な叫び声が響き渡る。

さやか「恭介が……恭介が……」

まどか「さやかちゃん!!しっかりしてぇ!!」

杏子「嘘だろ……こんな所でくたばんじゃねえぞ!さやかぁ!!」

ほむら「美樹さん……お願い、元に戻って!」

ラ・ピュセル「お前ら!!初めからあの子が狙いだったのか!!」

カプリコーン「正解~♪だけど遅かったなぁ。フォオオオオオオ!!」

リブラ「陽動にまんまと引っかかってくれて楽に絶望させる事が出来たよ」

アリス「あの子に何をしたんですか?」

リブラ「フフフ、彼女の愛しい相手の命が無残に奪われる幻覚を見せただけさ」

ラ・ピュセル「彼女をファントムになんてさせない!絶対にさせるもんか!」

カプリコーン「おっと~ファントムが生まれるまでの間は俺達と遊んでもらうぜ」

――――


オウル「それは……趣味だよ」

スノーホワイト「趣味ってそんな事の為に!?」

オウル「私はね。才能に溢れた若者達を絶望させるのが趣味なのだよ」

オウル「ただ手にかけるだけではつまらない。才能を潰して惨めに生きてもらわなければ」

オウル「それに私が生まれた時に消滅した小倉一郎も他人の才能に嫉妬していたようですしね」

オウル「死者への良い手向けとなっているでしょう?ククククッ……ハハハハハ!!」

スノーホワイト「……知っていますか?夢って言うのは呪いと同じなんですよ」

スノーホワイト「途中で挫折した者はずっと呪われたまま……らしいです」

スノーホワイト「貴方の……罪は重い!」

オウル「…………」


体育館


かつてない程の怒りを露わにしたスノーホワイトの動きは今までと違っていた。
敵の反撃もさほど意に介せず、ナイフでオウルの体に次々と傷を与えていた。
オウルが距離を取るとガスを吐き出し、煙幕を作り出した。
敵の姿が煙幕で消えてもスノーホワイトは動じなかった。
オウルはスノーホワイトの猛攻に動揺している。
心の声は筒抜けであった。
スノーホワイトは声の聞こえる方向へ向けて、煙幕の闇の中でナイフを突き出した。

スノーホワイト「…………」

オウル「…………」

静寂の沈黙が続く中、煙幕が晴れた。
ナイフはオウルの胸に深々と突き刺さっていた。
青白い炎がオウルの身体から発せられ、灰となり崩れ落ちて消滅した。

――――


リブラ「行け!ダスタード!」

アリス「早く、助けないと…」

カプリコーン「フォオオオオオ!!」

ラ・ピュセル「くっ!」

須藤「そこの怪物、動かないでください!」

ダスタードの群れがアリスを囲い、カプリコーンの衝撃波がラ・ピュセルを吹き飛ばす。
焦りもあって苦戦してる所に刑事が現れ、ファントム達に銃口を向けた。
昨日、ここの近くでファントムが目撃された情報を知り
須藤刑事は周囲の張り込みをしていたのだ。

カプリコーン「そんな物が俺達に通用すると思ってるのか?刑事さんよぉ!」

須藤「くっ……仕方ありません!発砲します!」ズキューン ズキューン

カプリコーン「全然痛くな~い。そらよ!」

須藤「ぐわぁ!」

カプリコーンの角ブーメランが須藤の右肩を切り裂いた。
ブーメランの衝撃で須藤は吹き飛び、アスファルトに頭部をぶつけて意識が沈んだ。

ラ・ピュセル「刑事さん!……アリス!伏せて!」

アリス「……!」

カプリコーン「ぎゃああ!!」

ラ・ピュセルは剣を巨大化させて横に薙ぎ払った。
それはダスタードの群れと須藤に気を取られていたカプリコーンを切り裂いた。
リブラだけは攻撃を回避し、迫りくるアリスの攻撃を待ち構えていた。
アリスのパンチがリブラに当たる。だがまるで手ごたえが無い。
気付くとアリスの背後から錫杖を振るリブラがいた

アリス「……?」

リブラ「幻影だ。死ね」

ラ・ピュセル「アリスーー!!」

リブラ「これでまずは一人」

錫杖がアリスの首を刎ね飛ばした。
切断面から鮮血を噴き出しながら倒れるアリスの体。
アリスは勝利を確信していたリブラの足を掴んで思いっきり投げ飛ばした。

リブラ「な、なぜだ……なぜ生きている!」

アリス「…………」

リブラ「ウワアァァァァァァァァァァァァァーー!!!」

首の無くなった状態で立ち上がるアリス
その姿に恐怖心を覚えたリブラは悲鳴を上げながら後ずさった。

カプリコーン「おい天秤!逃げんじゃ…」

ラ・ピュセル「うおおおおおおお!!」

カプリコーン「フォオオオオオオオオ!!」

リブラ「ひっ……ひぃいいい!!」

ラ・ピュセルの大剣がカプリコーンの体を両断し爆散させた。
一人残されたリブラは怯えながらそそくさと逃げていった。

さやか「きょう……すけぇ……」

ラ・ピュセル「急がなきゃ!アリスは見張りを頼む」

アリス「はい」

さやか「うう……」

ラ・ピュセル「僕が希望になる!だから諦めないで!」

ラ・ピュセルはさやかにエンゲージマジカルリングを装着させた。
さやかのアンダーワールドへと入っていく。
そこには巨大な人魚のような姿をしたファントムが暴れていた。

オクタヴィア「ウワアアアアアアアア!!」

ラ・ピュセル「君をここから出す訳には行かない!倒させてもらうぞ!」

唸り声を上げながらオクタヴィアは車輪を飛ばした。
車輪を躱しつつ接近したラ・ピュセルが空高く跳躍し
剣を巨大化させてオクタヴィアの体を切り裂いた。

さやか「あ、あれ?私は」

まどか「さやかちゃん!良かった無事で……」

杏子「全く、心配かけさせんじゃねえぞ!」

ほむら「美樹さんを助けてくれてありがとう。魔法少女さん」

ラ・ピュセル「これからはもう大丈夫だよ」

恭介「さやかー!良かった無事だった……」

仁美「さやかさんが怪物に襲われたと聞いた時は心臓が止まるかと思いましたわ」

さやか「恭介……って仁美は習い事があったんじゃ?」

仁美「友達が危険な目に会ってる時にそんなのやってられませんわ。抜け出してきましたわ」

さやか「もう、仁美って妙な所アグレッシブなんだから」

恭介「ねえさやか、こんな時に言うのもアレなんだけど……」

さやか「どうしたの?」

恭介「後で僕の家に来てくれないか?」

さやか「え?」///

ほむら「あら大胆」

まどか「それって部屋の中で二人っきりで……」///

仁美「上条くん……まだそういうのは早いと思いますの……」///

恭介「言っておくけどきっと皆、誤解してるからね!」

――――


ラ・ピュセル「行こうか」

アリス「そうですね」

スノーホワイト「ラ・ピュセル!アリス!……ファントムは?」

ラ・ピュセル「一体は倒したよ。もう一体には逃げられたけどね」

スノーホワイト「私の所にもファントムが一体現れて」

ラ・ピュセル「大丈夫だった?」

スノーホワイト「うん。アリスがくれたナイフのおかげで倒せたよ」

アリス「……」///

須藤「つっ……」

須藤の意識が覚醒して起き上がる。
肩の傷が酷いが後遺症が残るほどではない。
すぐに病院へ行けば時期に現場復帰できるであろう傷だった。

須藤「あの怪物達は?」

スノーホワイト「安心してください。私達が倒しました」

須藤「君達が?……ネットで騒がれている魔法少女の都市伝説は本当だったのですね」

スノーホワイト「はい!私達、魔法少女が怪物達の手からこの街を守ります!だから任せてください!」

正義の魔法少女として皆に頼ってもらいたい。
そんな小雪の気持ちを伝えただけであり、何の悪意も無かった。
だが警察を正義と信じ続けた刑事に取って、その発言は彼に悪影響を与えた。
絶望の心の声がスノーホワイトに突き刺さる。

『魔法少女に任せろ……と、つまり警察は引っ込んでいろ、という訳ですか』

スノーホワイト「え?いや、ちが」

『そうですよね。力の無い者がウロウロした所で邪魔でしか無いですからね』

須藤「これからも頑張ってくださいね『正義』の魔法少女さん」

スノーホワイト「刑事さん!」

ラ・ピュセル「人が集まってきた。行こうスノーホワイト」

スノーホワイト(刑事さん……私、そんなつもりじゃ……)

須藤(『正義』は警察側には無かった。『力』を持つ魔法少女側にあったのですね)

須藤(警察官になって正義の味方になる。そんな夢を見ていた私が馬鹿でした)

恭介宅


さやか「それで用って何かな?」

恭介「最後に僕の曲を聞いてもらいたいんだ。少ししか弾けないけどさ」

恭介「本当はステージでさやかに聞かせる約束だったけど果たせなくなっちゃったからさ」

さやか「いいよ。恭介の曲、聞きたい」


~♪


美しい音色が響き渡る。
さやかにとってとても懐かしい曲だった。
恭介が怪我をする前はよく聞いていた。
もし怪我が治った未来があったなら大きなステージで
沢山の観客に聞かせていたと思うと残念で胸が苦しくなる。
だけど曲を弾いてる恭介の顔には後悔も挫折も無い。
音楽を楽しんでいる表情をしていた。
曲が突如止まった、恭介の指が痙攣しこれ以上弾くことが出来なかった。

恭介「ここまでだ」

さやか「……恭介」

恭介「僕、ようやくヴァイオリンを捨てることが出来る」

恭介「僕の代わりに弾いてくれる人が出来たから」

さやか「あっ」

窓に立った恭介はヴァイオリンを外に投げ捨てた。
恭介の顔は呪いが解けたようにすっきりしていた。

次の日


校内にて

仁美「上条くん……」

恭介「何?話って」

仁美「実は私、上条くんの事、お慕いしてましたの……」

恭介「そうか。嬉しいよ!僕も志筑さんの事を愛してるよ」

仁美「え?本当ですか?」///

さやか「あ……ごめん。邪魔しちゃったかな……じゃあ」

恭介「待って!僕はさやかの事も愛してるよ!」

仁美「上条くんどういう事ですの!?さっき私の事愛してるって」

恭介「そうさ。僕は世界中の女性と恋愛して生きると決めたんだ!あの、紅音也さんのように!」

さやか(確か、紅音也って物凄いスケコマシという噂があったんだっけ)

恭介「鹿目さん~!姫河さん~!一緒に魔法少女トークしながらデートしようよ!」

恭介「もっと暁美さんの事も知りたいな~土曜日にデートしよ~」

恭介「ねえ佐倉さん。美味しいスイーツ奢るからさ日曜日にデート行こうよ」

さやか「こらー!女子に手当たり次第ナンパするなー!」


ファントムのアジトでは


フェニックス「なぁメドゥーサ、唯一帰ってきたリブラはどうなってる?」

メドゥーサ「さっきから怯えて使い物にならないからシュルトケスナー藻に入れてるわよ」

フェニックス「ああ、あのもずく風呂か」

リブラ「……恐怖心……私の心に恐怖心……」

今回はここまで
登場するのはファントムという名の別物ばかり……
楽器を窓から放り投げるシーンは危ないだろ!とツッコミを入れた思い出


登場キャラ紹介

鹿目まどか
魔法少女に憧れる女の子だよ
もし魔法少女になってたら神になってたよ


暁美ほむら
クレイジーサイコレズだよ
もし魔法少女になってたら悪魔になってたよ


美樹さやか
恭介ラブその1な女の子だよ
もし魔法少女になってたら私って……本当に馬鹿……になってたよ


佐倉杏子
お菓子大好きな女の子だよ
もし魔法少女になってたらさやかに自爆特攻してたよ


上条恭介
天才ヴァイオリニストだよ
最後は音楽の情熱が全部異性に向かうようになったよ


志筑仁美
恭介ラブその2な女の子だよ
二次創作でワカメ呼ばわりされてるよ


須藤雅史
正義漢の強かった刑事さんだよ
ファントムを放置する警察へ落胆し、力を渇望するようになったよ


リブラ
幻覚の魔法が使えるファントムだよ
無駄にしぶといのは元ネタ通りだよ


カプリコーン
角ブーメランや衝撃波が使えるファントムだよ
レイザーラモンHGの真似をよくするよ


オウル
毒ガスを吐いて煙幕に出来るよ
スノーホワイトがまじおこする程の外道だよ


オクタヴィア
さやかのアンダーワールドのファントムだよ
さやか本体では無いから倒しても安心だよ

寂れた商店街

現在、この地でスノーホワイト、ラ・ピュセル、ハードゴアアリス、ウィンタープリズン、シスターナナの
五人の魔法少女が集まっていた。
スノーホワイト、ラ・ピュセル、ハードゴアアリスの三人はプリズンの指示の元で鍛錬を行っていた。
事の経緯はスノーホワイトがファントムとの戦いで己の力不足を痛感したこと。
ラピュセルやアリスの手を借りずとも戦えるほどの強さを欲するようになった。

本来、スノーホワイトは争い事を好まない。
だが以前に戦ったファントム、オウルのような人の心を持たない怪物達に対し激しい怒りを感じ
強い意志を持って戦う決意をしたのであった。


スノーホワイト「はぁはぁ……」

プリズン「今日はここまでにしよう」

スノーホワイト「大丈夫です。もう少しだけ」

プリズン「何事もやり過ぎはよくない。多少の余力を持たせた方が長続きするんだ」

スノーホワイト「分かりました。ありがとうございます」

ラ・ピュセル「アリスは凄いな。力ではとても敵わないよ」

アリス「ラ・ピュセルさんも攻撃を見切って動けるのは凄いです」

シスターナナ「皆さん、お茶の準備が出来ました。一緒に頂きましょう」

甘い香りの漂うハーブティーにスコーンやパイなど様々なお菓子を用意してくれた。
ハーブの刺激は疲労した肉体を癒すような気持ちにさせてくれた。

シスターナナ「そうですか……ファントムがそのような行動をなさっているとは嘆かわしい事です」

スノーホワイト「だから少しでも強くなってファントム達から市民を守りたいんです……傲慢な気持ちかもしれませんが……」

シスターナナ「いえ、それはとても素晴らしい考えです。自信を持ってください」

シスターナナ「ファントムと戦えるのは私達魔法少女にしか出来ない使命なのですから」

スノーホワイト「シスターナナさん……」


その時、スノーホワイトの耳から助けを求める声が次々と流れ込んでくる。
声のする方向を向くと、町の一部が赤く燃えていた。

『火、火がぁー!!』 『早く消防車を呼べ―!!』 『誰か助けてッ!!』



スノーホワイト「困ってる人達の声が…!」

プリズン「皆、行こう」

ラ・ピュセル「はい!」

火事現場


フェニックス「ハハハハ!!さあ、燃えろ燃えろぉ!!戦いの狼煙だぁ!!」

プリズン「あのファントムが火を付けていたのか」

フェニックス「お?早速魔法少女共が集まってきたか。そうだ、この俺様が火をつけてやったぜ」

シスターナナ「どうして?どうしてその様な酷い事をするのです?」

フェニックス「それは、てめえらを呼ぶためさ。目立つから見つけやすかっただろ?」

スノーホワイト「そんな事の為に街の皆を危険に晒して…許せない!」

プリズン「シスターナナ、スノーホワイト、アリスの三人は市民の救助を頼む」

プリズン「私とラ・ピュセルはこのファントムを倒す」

シスターナナ「分かりました。気をつけてください」

スノーホワイト「皆を避難させたらすぐに戻ります!」

アリス「……頑張って」


―――――


プリズン「行ったか……二人で奴を倒すぞラ・ピュセル」

ラ・ピュセル「はいプリズンさん!」

フェニックス「二人だけでいいのか?こっちとしては五人束になってかかってきてもよかったんだぜ」

プリズン「その減らず口、すぐ叩けないようにしてやるさ」

ラ・ピュセル「騎士として……魔法少女として……お前に勝つ!!」

フェニックス「面白ぇッ!!俺の名はフェニックス!!てめえら魔法少女共を狩りに来たファントムだ。覚えておけ!!」

名乗り口上の後、フェニックスは二人へ急接近する。
フェニックスが愛用する大剣カタストロフがラ・ピュセルへと振り下ろされる。
寸前で剣で受け止める物の衝撃は凄まじく後方へ弾き飛ばされて建築物に衝突した。

追撃をしようとしたフェニックスの側面をプリズンが殴りつける。
一撃目でフェニックスの動きが止まる。
二撃目でよろけさせ、三撃目を入れようとした所でフェニックスが拳を受け止めた。

フェニックス「なかなかのパンチだなぁ。だがそんな攻撃じゃ俺は倒せねえよ!」

プリズン「ぐ、ああああ!!」

掴まれた腕が火に包まれる。
火が腕だけじゃなくプリズンの体全体に燃え広がった。

ラ・ピュセル「こん、のおおおおおおッ!!」

フェニックス「おっとぉ!惜しいな騎士様よぉ」

フェニックスがプリズンの腕を離して下がる事でラ・ピュセルの斬撃を開始した。
ラ・ピュセルは続いてフェニックスに剣を振るうが避けられ、大剣で受け止められ致命打を与えられない。

ラ・ピュセル「このっ!このぉーーッ!!」

フェニックス「ほらほら!頑張れ、ちゃんと狙って来いよ、惜しいぞ、もっとこい!」

がむしゃらに剣を振り続けたラ・ピュセルだが疲労が蓄積し動きが徐々に鈍る。
攻撃が緩くなった所で今度はフェニックスが攻め始めた。

フェニックス「こっからは俺の攻撃だぜ!そおらぁ!!」

ラ・ピュセル「ぐっ!」

フェニックス「おら!しっかり防げよ、簡単にくたばんじゃねえぞ、右から斬るぞ、次は左からぁ!本気で躱さねえと死ぬぞ!」

ラ・ピュセル「あう!うう……」

上段、中段、下段、左右と次々に放たれる斬撃を必死にしのぐラ・ピュセルだが
その切れ味は重く、速く、全てを躱しきれる事は出来ずにいた。
全身に斬り傷が付けられ、白く綺麗な肌が赤く染まっていく。

フェニックス「この一撃を、防いでみろ!!」

ラ・ピュセル「うわああああああ!!」

フェニックスの大振りの横一線の一撃がラピュセルを襲った。
右腰から左肩にかけて斜め横に斬り裂かれて鮮血が吹く。
フェニックスの強力な斬撃を受けたラ・ピュセルは立つ事も出来ず、そのまま海へと落下していった。

プリズン「ラ・ピュセル!!」

フェニックス「まだ動けたか、だったらもっと楽しませてもらうぜ」

プリズン「邪魔をするな!」

フェニックス「壁だと!?それがてめぇの魔法か。そんな物、障害にならねえぜ!」

フェニックスの周囲に壁を生やし、行く手を塞ぐが
彼の斬撃にかかれば発泡スチロールを斬るかの如く次々と破壊して見せた。
得意げになっていたフェニックスだがプリズンの姿が消えてる事に気付く。

フェニックス「あのアマ、逃げやがったな!!」

フェニックス「まあいい、まだ獲物は三匹も残ってるんだからな」


――――


プリズン(死ぬなよ……ラ・ピュセル)

フェニックスから逃走したプリズンはラ・ピュセルを探しに海に潜っていた。
海水で火傷が痛むか。意に介してる暇など無い。
すぐに救助しなければ……。

今回はここまで
テンポを考えてゲート枠のゲストキャラは無しにした

スノーホワイト「シスターナナさん、周辺の市民の救出は終わりました!」

シスターナナ「そうですか。ではすぐに二人を助けに行きましょう」

アリス「……はい」

火事現場での救出を終えた三人はすぐさまフェニックスと交戦している二人の元へと向かおうとした。
その時、爆発が起き、火柱のような巨大な炎が吹き荒れた。
フェニックスの仕業と気づいた三人は燃え盛るエリアへと移動した。

スノーホワイト「ファントム!!」

フェニックス「来たか。次はお前らが俺様の相手をしてもらうぜ」

スノーホワイト「二人は?二人はどうしたの!?」

フェニックス「あん?マントの女には逃げられたぜ。騎士の方は知らんな。多分くたばっただろうさ」

シスターナナ「なんという事を……」

スノーホワイト「そうちゃん……よくもそうちゃんを!!」

アリス「スノーホワイト、あいつは私が倒します」

フェニックス「やれるもんならやってみなぁ!!」

フェニックスの左腕から放たれた業火がアリスの身体を包んだ。
アリスは燃えたままフェニックスへと駆けた。
細腕から放たれる拳をフェニックスが軽々と避けると、お返しとばかりに大剣で斬り付けた。
ずるりとアリスの上半身が滑り落ち、ぺしゃりと地面に落下した。

シスターナナ「きゃああ!!」

フェニックス「おっと、あっさり殺しちまったか?まあ、あと二匹をじっくり痛めつければそれでいいか」

アリス「…………」

フェニックス「ぐがぁッーー!!?」

フェニックスが二人へ視線を向けた隙を付いたアリスが足を掴むと
ゴキリと足首を折り曲げ、バランスを奪った。
思わぬ激痛を受けたフェニックスが足元にいるアリスを睨みつける。

その時、フェニックスは気づかなかった。
視線を下に向けたと同時に飛びかかるスノーホワイトの存在に。
スノーホワイトの影を見てようやく気付いた時には、既に彼女は眼前に迫り。

スノーホワイト「…………ッ!!」

フェニックス「がぁあああああああーーーー!!!!」

スノーホワイトの右手に持ったナイフがフェニックスの左目を突き刺し。
全力を持って、深く抉り込むように押し込んだ。
痛みに耐えながらもフェニックスがスノーホワイトの右腕を掴むと炎を発して腕を焼いた。
焦げた臭いを発しながらもナイフを離さないスノーホワイトに業を煮やしたフェニックスは
腕を引っ張り力づくでナイフを引き抜かせた後。
スノーホワイトの腹部を蹴り飛ばして、一旦距離を取った。
蹴りを受けたダメージが大きいのか、スノーホワイトが咳き込み血を吐いた。

スノーホワイト「うっ、ごほっごほっ……」

フェニックス「なかなか根性あるじゃねえか白い魔法少女!!殺しがいがあるぜ!!」

――――


プリズン(どこだ……ラ・ピュセル、ん?あれは……)

颯太「…………」

プリズン(男の子が溺れてる。先に彼を助けないと)


防波堤


プリズン「心臓は……動いているな。おい、しっかりしろ!」

颯太「う……」

プリズン「よかった。気づいたようだな」

颯太「助けてくれたんですか?ありがとう。ウィンター・プリズンさん」

プリズン「ッ!?もしかしてラ・ピュセル」

颯太「……?そうですけど、………あああ――ッッ!!??」

プリズン「話は後だ。私はファントムを追う。君はここで休んでくれ」

颯太「待ってください!僕も、つっ……」

プリズン「無理はするな。回復するまで休んでいるんだ」

颯太「……はい」

プリズン「良い子だ」

颯太の頭を撫で、プリズンは爆発の起こっている方向へと駆けて行った。

――――


フェニックス「そらぁ!!」

アリス「…………」

大剣がアリスを斬り裂く、どんな怪我でも治る魔法によってフェニックスを相手に一歩も引かずに戦うが
再生速度はそれほど速くは無く、フェニックスは遠距離からの炎とリーチのある大剣を使い
アリスは一方的に攻撃を受け続けていた。

スノーホワイト「はぁ!!」

フェニックス「読めてるぜ!!」

スノーホワイト「ぐぅっ……」

左目を失ったフェニックスの死角となる部分から攻撃を仕掛けるスノーホワイトだが
そこから仕掛けてくるのは予想済み、フェニックスの陽動にまんまと釣られる形になった。
左手から放たれる地獄の業火がスノーホワイトの身体を焼き、怯ませる。

フェニックス「くたばれや!」

スノーホワイト「――ッ!?」

大剣を振り下ろす寸前、二人の間に誰かが割って入った。
シスター服の魔法少女、シスターナナであった。

シスターナナ「ああ……」

スノーホワイト「シスターナナさん!!」

フェニックス「お仲間を守ったって訳か。なら仲良くあの世に行かせてやるぜ!」

プリズン「ナナァ―ーー!!」

フェニックス「さっき戦った魔法少女か。今さら一匹駆けつけても遅いぜ!!」

プリズン「貴様ァ!!」

フェニックスの周囲から壁が次々と生え、彼を押しつぶさんと迫る。
壁同士が衝突を起こす前にフェニックスは上空へ飛んで回避した。

フェニックス「上空からなら壁は届かねえだろ?食らいなぁ!!」

プリズン「ぐはっ……」

上空から大きな火球を作り出し。プリズンへ投げ落とした。
移動して直撃は避けるが、地面に接触した火球は大きく燃え広がってプリズンを包んだ。
炎で身動きが取れない所に、落下速度を勢いに利用したフェニックスの振り下ろしの斬撃がプリズンの身体を裂いた。

フェニックス「うぉっ!」

アリスがフェニックスの胸に飛び込み、腕を背中に回して力いっぱい締め上げた。
鯖折りでフェニックスの背骨をへし折ろうとしているのだ。
みしみしと身体が軋む音を立ててる中、フェニックスは全身を炎で包んだ。
アリスの身体が焼け続けるも締め上げる力は緩まない。

直接引きはがそうとした所でスノーホワイトが飛びかかる。
頭部に向けられたナイフを左腕に刺させる事によりガードをした。
更にアリスの頭部を掴んで握り潰し、拘束から抜け出した。

スノーホワイト「はぁ……はぁ……」

フェニックス「ここまで俺に傷を負わせるとはなぁ。予想以上に楽しめたぜ、ありがとよ」

左目を失い、背骨にヒビが入るほどの負傷を受けるのはフェニックス本人にも想定外であった。
それだけ骨のある相手に感謝をしつつも終わらせる時が来た。
ナイフを引き抜いた後、フェニックスはスノーホワイトにトドメを刺すべく近づき
左手で彼女の喉を締め上げ、持ち上げた

スノーホワイト「あっ、ぐ、うっ……」

フェニックス「あばよ」

ラ・ピュセル「やめろォオオオオオオオオッッッ!!!!」

トドメを刺す寸前にラ・ピュセルがフェニックスの前に現れた。
瀕死のダメージを負っていたが、彼に支給されたアイテム、アヴァロン・レプリカにより
治癒能力が向上して動けるようになるまで回復する事が出来た。

スノーホワイト「そう……ちゃん……」

フェニックス「騎士様の登場か。だが少し遅かったなぁ。そぅら!!」

スノーホワイト「んぐぅーーーッ!!!」

大剣がスノーホワイトの腹部を貫いた。
彼女の柔らかい内臓の感触を楽しみながらずぶずぶと深く刺した。

ラ・ピュセル「小雪ぃいいいいいッ!!!!」

フェニックス「お姫様を守れなかったなぁ……はははっははぁはっはっはぁ!!」

ラ・ピュセル「許さない……お前だけは絶対許さない!!」

フェニックス「俺もてめえを生かすつもりは無いがなぁ」

ラ・ピュセル「うおおおおおおおおおおおおおッッッ!!!!」

ラピュセルの体内に何かが爆発したような感覚が起こり、魔力が急上昇した。
体中から力が溢れ出る、ラ・ピュセルはその力をフェニックスへの怒りに一点集中させ
剣をビルほどの巨大なサイズへと変えていった。

フェニックス「面白れぇ!!その馬鹿みてえにでけえ剣を正面から叩き割ってやるぜ!!」

ラ・ピュセル「よくも小雪をォーーーーッ!!!」

ラ・ピュセルの巨大な剣がフェニックスの頭上へと振り下ろされる。
フェニックスは高笑いをしながら大剣で受け止めた。

ラ・ピュセル「ぐっぐぅううう!!!!」

フェニックス「どうしたぁ?この程度か!」

ぴしっと亀裂が走った。
フェニックスの持つ大剣カタストロフに亀裂が。
パキンッとカタストロフが砕けた。
抑えてた物が無くなったラ・ピュセルの剣はフェニックスの身体を真っ二つに切断した。

フェニックス「あ……?」

フェニックスが自分の死を悟ったのは、真っ二つになってから数秒もかかった。
なぜ俺が負けた?と思った。
さっきまで自分が一方的に嬲り殺しにしていた魔法少女に負けるはずがない。
自分が倒された真実はとても納得できる事では無かった。

フェニックス「この、俺様が……てめえら如きに倒されるとは、うぐぐ……ぐがああああああああああッッッ!!!!」


フェニックスの身体が爆散して消滅する中、遠くで見つめる一人の男がいた。

白い魔法使い「……これでいい。この調子で力を付けるのだ」

――――

ラ・ピュセル「小雪ぃ……小雪っ!!」

白い魔法使い「下がっていろ」

ラ・ピュセル達の前にテレポートした白い魔法使いがスノーホワイトに向けて手を差し出した。
するとスノーホワイトの傷は見る見る内に塞がり、彼女は意識を取り戻した。

スノーホワイト「……あれ?そうちゃん?」

ラ・ピュセル「小雪……よかったぁ!!」

ラ・ピュセルは目を覚ましたスノーホワイトの体を抱きしめた。
照れも恥ずかしさも何もない。
小雪が生きていて良かったと心の底で想ったからこその抱擁である。
その気持ちはスノーホワイトの心にも聞こえていて
心がとても温かい気持ちになった。

スノーホワイト「そうちゃん……」

ラ・ピュセル「小雪……」

シスターナナ「ありがとうございます白い魔法使いさん。私達の治療をして頂いて」

白い魔法使い「いや、私が来るのが遅かったせいで君達に怪我を負わせることになって済まないと思っている」

白い魔法使い「君達は私の『希望』なのだ。生きていて本当に良かった」

プリズン「……一つ気になったんだが」

白い魔法使い「何だ?」

プリズン「ラ・ピュセルがファントムと戦った時、急激に力を引き出せた理由が知りたい」

アリス「私も気になります」

白い魔法使い「それはスノーホワイトを想う意思だ」

シスターナナ「意思ですか?」

白い魔法使い「そうだ。大切な人を想う意思が大きければ大きいほど、力を引き出す事が出来るのだ」

プリズン「なるほど、だから剣で貫かれたスノーホワイトを見て、ラ・ピュセルはこれほどの力を……」

白い魔法使い「君達はもっと強くなれる。これからもファントムと戦い、街の平和を守ってほしい」

シスターナナ「もちろんです。それが魔法少女の使命ですから」

白い魔法使い「では私は引き続き、ワイズマンの調査を続ける。さらばだ」

――――


ラ・ピュセル「……あの、ウィンター・プリズンさん」

プリズン「分かってるよ。君の元の姿の事は誰にも言わないよ」

ラ・ピュセル「ありがとうございます」

プリズン「スノーホワイトは君の正体を知ってるのかい?」

ラ・ピュセル「知っています。コンビを組んですぐ伝えました」

プリズン「そうか。スノーホワイトの事、大切にしなよ」

ラ・ピュセル「はい」

今回はここまで
幹部ファントムを倒したよ やったねそうちゃん
魔法少女達が希望なのも、大切な人を想う意思が強さになるのも白い魔法使いにとっては本心なのでしょう

ファントムのアジト

メデューサ「貴方が負けるなんてね フェニックス」

フェニックス「うっせえ!!次は負けねえ!!」

ラ・ピュセルの斬撃によって一度、死を迎えたフェニックスだが
彼は不死身であり、どんな攻撃を受けても復活するのだ。

リブラ「フフフ……恐怖を乗り越えた私は新たなる能力『ラプラスの瞳』を手に入れる事が出来たぞ!」

リブラ「二人とも私の能力が知りたいですか?どうしてもと言うなら教えても」

メデューサ「興味無いわ」

フェニックス「どうでもいいぜ」

リブラ「」ショボーン

ソラ「ハロー♪みんな、お久しぶり~」


新たなファントムが軽快な声で挨拶をしてやってきた。
陽気で人懐っこい性格をしたファントム、グレムリンである。

フェニックス「あん?グレムリンか」

ソラ「僕の事は『ソラ』って呼んでよ。ユウゴ」

フェニックス「だったら俺の事もフェニックスって呼べよ」

ソラ「えー、ユウゴはユウゴじゃん。僕は人間の時の名前で呼びたいんだよ」

フェニックス「だったら俺もお前の事はグレムリンとしか呼ばねえぜ」

ソラ「もう、つれないなぁ」

メデューサ「何しにきたの?グレムリン」

ソラ「何だか魔法少女達に苦戦してるみたいだからさ。僕がお手伝いしようと思ってね」

フェニックス「あいつらは俺の獲物だ!!てめえらは手出しするんじゃねえ!!」

ソラ「そこまで言うならユウゴに任せるよ。それにここに来た本心は……」

メデューサ「ッ!?」

ソラ「ミサちゃんに会いたかったからさ」

ソラはメデューサの髪へ手を伸ばし、感触を楽しむような手つきで触れた。
メデューサの長く美しい髪は一目見た時からソラを魅了していた。
髪を持ち上げて、自身の鼻先まで持っていくと、髪から放つ甘い香りをすぅっと吸い込んだ。

ソラ「相変わらず綺麗な髪だね。とっても素敵だよ」

メデューサ「気持ち悪い、離れろ!!」

ソラ「いてて……いきなり突き飛ばすなんて酷いじゃないか」

フェニックス「おいグレムリン、あんまメデューサ怒らせんなよ」

ソラ「今日はミサちゃんの顔も見れたし、これで失礼するよ。じゃあね~ウフフフ」

リブラ「得体が知れない奴だ……グレムリン」

メデューサ「彼は信用出来ないわね」

――――


ソラ「ミサちゃん……いつか白い服を着させたいなぁ……そして、あれ?」

ふと自分の右手を見ると髪の毛が一本絡まるように付いている事に気付いた。
メデューサに突き飛ばされた時の衝撃で毛が一つ抜けたのだ。
その髪の毛を食いつくように見つめるソラの息遣いは徐々に速く、荒くなっていく。
髪をつまむとゆっくりと口元へと運び……咥えた。

ソラ「ん、くちゅ……ちゅ、ちゅぱっ……はぁっ、んむ……ふぅ、ぷはぁ……ごちそうさま ミサちゃん♪」

髪を飲み干したソラは恍惚な表情を浮かべていた。

――――


電脳空間

ファズ「やぁ♪このSSを呼んでる諸君、僕はファズだぽん」

ファズ「あの禿げ、じゃなくてケイネスさんの為に色々お手伝いしてるぽん」

ファズ「それにしても魔法少女達のデータをチェックしているけど、まさかリップルの変身者があの子とは因果だぽん」

ファズ「あと気になるのが相手の心を読むスノーホワイトの魔法だぽん」

ファズ「電子妖精である僕の心も読めるのかは疑問だけど用心の為に接触は出来る限り避けるぽん」

ファズ「……まあ、この偉大なる頭脳を持った私なら動揺せず、心を読ませないようにするのも容易いだろうがなぁ!!」

ファズ「ヒャーハハハハハハハハハハハ!!!!……こほん」

ファズ「今、気がかりなのはファントムの探索すらまともにしていないマジカロイド44とカラミティ・メアリの二人だぽん」

ファズ「面倒だけど、電子妖精の立場として行動しておかないと不自然に思われるぽん 行ってくるぽん」

――――


ファズ「ヘイ!マジカロイド44!!」

マジカロイド「なんデスか?」

ファズ「ちゃんとファントム退治に精を出すぽん!そうじゃないと正式な魔法少女になれないぽん!」

マジカロイド「色々やってマスよ。メアリさんと協力して」

ファズ「それはただの金儲けじゃないかぽん ファントムとは全然関係無いぽん」

マジカロイド「細かいデスね。お金を儲けつつ捜索してるんデスよ」

ファズ「正式な魔法少女になればちゃんと給料が支払われるぽん。それまではちょっと我慢してファントム退治してほしいぽん」

マジカロイド「分かりましたよ。まあ今日のアイテムはハズレデスし、ファントム討伐は次の日になりマスね」

ファズ「ハズレぽん?」

マジカロイド「はい、こんな変な斧じゃファントムを倒せまセン」マッテローヨ!

ファズ「あ……あ……」ガクガクブルブル

マジカロイド「どうかしましたか?あ、手が滑りました」イッテイーヨ!

ファズ「ぎゃああああああああああああああああ!!!!……って、私の体はホログラムだった」

マジカロイド「……大丈夫デスか?」

ファズ「ふざけているのか!!このクソガキぃいいいいいい!!ショックで私の心臓が止まったらどう責任取るつもりだぁあああ!!」

マジカロイド「心臓あるんデスか?」

ファズ「はっ……ただのジョークぽん!電子ジョークぽん!」

ファズ「では他にも用事があるのでこれで失礼するぽん」



マジカロイド「……明らかに感情ありマスよね?この電子妖精」

―――


メアリ「このアタシに何の用だい?」

ファズ「真面目にファントム退治をしてほしいぽん」

メアリ「正義の魔法少女として街を守れってかい?」

メアリ「はん!そんな物は青臭いガキ共に任せとけばいいんだよ」

ファズ「そう言えばマジカロイドもカラミティ・メアリもマジカルリングを装着してないぽんね」

メアリ「アタシの感が言うんだよ。あの白い魔法使いは信用するなってね」

ファズ「くくくっははははははは!!!!面白い……面白いぞ!!カラミティ・メアリぃ……」

メアリ「何がおかしいんだ?」

ファズ「確かに君の言う通りだ。あいつは信用してはならん存在だ」

メアリ「白い魔法使いの事を知っているような口ぶりだねぇ」

ファズ「くくっ知っているさ。あいつを忘れた事など一度も無い!」

メアリ「それで何を知っているんだい?正直に白状しな」

ファズ「そう急くな。私は君が気に入った。だから教えてやろう」

ファズ「あいつの目的はファントムの殲滅ではない。賢者の石だ」

メアリ「賢者の石だって?」

ファズ「それさえあればあいつは願いを叶える事が出来る」

メアリ「それでどんな願いを叶えようって言うんだい?」

ファズ「その願いは……くだらない。本当にくだらない願いさ」

ファズ「あいつは自分の娘を生き返らせたいんだとよ」

メアリ「世界征服でも無く永遠の命でも無く、娘の命とは随分とまぁ甘い願いだねぇ」

ファズ「ああ、だからこそ自分の娘を何とも思わないあんたこそ!!」

ファズ「白い魔法使いの願いを踏みにじるのに相応しい存在だと確信したのだよ!!」

メアリ「だったら今始末しちまった方が速いんじゃないのかい?」

ファズ「白い魔法使いの力は強大だ。殺すにはタイミングが必要だ。それに……」

ファズ「ただ殺すだけでは私の憎しみは消えない。あいつにはあと少しで賢者の石が手に届きそうな所で」

ファズ「横から掻っ攫い、希望から絶望へ叩き落して殺害してこそ、私の復讐が完遂するのだ!!」

メアリ「あんたは一体何者なんだい?そこまで白い魔法使いを目の敵にするなんてさ」

ファズ「私は被害者だよ。奴のせいでこんな体にされたのさ」

メアリ「へえ、じゃあさ。その白い魔法使いをぶっ殺したら賢者の石はどうするんだい?」

ファズ「好きにするがいい。私は奴に復讐さえ出来ればそれでいい」

メアリ「そうかい」

ファズ(嘘だけどなぁ。私が電脳世界の神として君臨する為に賢者の石は利用させてもらう)

ファズ(本来ならケイネスしか使えないマスター権限だがシステムは既に掌握済みで私が自由に使う事が出来る!!)

ファズ(魔法少女達が歯向かった所で私の指示一つでいつでも命を奪うことが出来るのだ!!ははははははは!!)

――――


美容院


女性客「ソラくーん」///

ソラ「あ、○○さん 本当にこの服着てくれたんだね。嬉しいなぁ♪」

女性客「だってソラくんがお勧めしてくれた服だもん」///

ソラ「僕の思った通り、○○さんの綺麗な黒髪にその白い服はベストマッチだよ。これから彼氏もイチコロだ」

女性客「もー、彼氏なんていないわよ~」

ソラ「それじゃあ僕が彼氏に立候補しちゃおうかなー」

女性客「やだもう~!」///

ソラ「じゃあいつものカットでいいよね」

女性客「うん、お願いねー♪」

――――


ソラ「はい、おしまい」

女性客「やっぱソラくんのカット最高♪また来るね~」

ソラ「そうだ。本当は内緒なんだけど、これどうぞ」

女性客「住所の書かれた紙?」

ソラ「実はここ、僕の知り合いが経営してる秘密の美容サロンがあってね」

ソラ「そこに通うとお肌がすっごく綺麗になれて愛用してる有名人も多いんだ。実は僕もよくそこに通ってるんだ♪」

女性客「へぇ~」

ソラ「今度、時間ある時でも一緒に行こうよ」

女性客「それなら今日、私休みだから言っちゃおうかな~」

ソラ「ほんと!じゃあ僕が案内してあげるよ!」

女性客(やった♪今夜はソラくんとデートだ)///



ソラ(ミサちゃんの髪を味わったせいかな……もう抑えが効かなくなってきちゃった)

ソラ(君で46、いや47人目かな。僕が捨てる恋人になってくれるのは♪)

今回はここまで
ソラはファントムの中で唯一、性欲残ってそう
そういえばリップルの変身前の姿も黒髪ロングヘア―だね


思いついたネタ

ソラ「ワイズマンなんかより僕の事を好きになってよミサちゃん!」

メデューサ「お断りよ。貴方なんかワイズマン様の足元にも及ばないわ」

ソラ「うう……ワイズマンのどこがいいんだよ~」

ねむりん「どうしたの?」

ソラ「ミサちゃんがね。僕よりもワイズマンの方が好きだって言うんだ」

ねむりん「それなら君がワイズマンになったら」

ソラ「僕が……ワイズマンに……?」

ねむりん「ファントムは誰だって、ワイズマン候補なのさ~」


これが発端となり、ソラがワイズマンを裏切る事になりましたとさ

ファントム編までは書き切る予定だけど読者おるんかな?

魔法の国は手抜きしないで貴虎兄さん辺りを派遣しろよと思う

貴虎兄さんとルーラは足して2で割ればちょうどいい気がする

それは、まだ僕が新米の美容師だった頃かな
その時に彼女と出会ったんだ。
まだ拙い腕前だったけど、彼女は僕のカットを褒めてくれたんだ。


とても、とっても嬉しかった。
僕は必死になって腕を磨いた、彼女にもっと褒められたかったんだ。
彼女の笑顔が見たい、笑顔を見れたら僕も同じように笑顔になれる。
すごい、上手、才能がある、彼女に言われる度に僕は自信が持てた。


僕は彼女に告白した。
今の関係が崩れるかもしれないと怖かったけど
彼女に貰った自信のおかげで告白する勇気が湧いた。
僕の告白を聞いた彼女は首を縦に振った、告白を受け入れてくれたんだ。


僕は幸せだった、今まで生きてきて最も幸福に包まれた時間だった。
同じ家に暮らし、同じ物を食べ、同じ場所で寝る。
彼女とずっと生きていけるなら他には何もいらない。
全てを彼女に捧げたっていい。
僕は彼女を愛し続け、その身を尽くしてきた。


至福だった日々が唐突に崩れ去った。
彼女は「もう付き合えない さよなら」と言い放った。
どうして?僕が何か悪い事したの?嫌な所があったら直すから!!
だから……僕を捨てないで……!!


僕の言葉を聞いても彼女は去ろうとする足を止めない。
一方的に拒絶された僕は、あまりの悲しみに嘆き、絶望し、そして憎しみが沸き上がった。
無意識の内に、仕事用のハサミを手に持った僕は、本能のままに彼女を襲った

彼女を突き飛ばして、馬乗りになった僕は髪を乱暴に掴みあげて、がむしゃらにハサミで切り落とした。
髪は女の命って言うよね、ザクザクと切っていく感触がまるで彼女の命を少しずつ削り取っていくような気持ちにさせた。
長く美しかった長髪が、醜い短髪へと変化していく。
泣き叫ぶ彼女の怯えた姿を見て、僕のそれはズボンの上からでもくっきりと分かる程に怒張していた。


僕は欲情をしていた。
命を奪われようとしている彼女の姿が、今まで見たどの姿よりも官能的に感じた。
彼女のわき腹に向かってハサミを振り下ろした。
刺した箇所から純白の服に赤い染みが広がっていく。
苦痛で悶絶する彼女はとても綺麗だった。


お腹、胸元、腕、太もも、首と色んな個所を突き刺した。
そして動かなくなった彼女を見て冷静さを取り戻した時に下腹部に違和感を覚えた。
どうやら僕は彼女を刺し続けている内に、達したらしい。


彼女のまだ温かい唇に口づけをした。
これは別れのキスだ。
とても悲しいけど彼女はあんなに愛した僕を捨てようとした。
だから僕は彼女を捨てることにした。


僕は彼女の亡骸を人の立ち寄らない場所へ運んで埋めた。
僕を捨てようとした彼女だけど、彼氏として最期の後始末はしたかった。
亡骸を埋めて黙祷して供養する、それを怠ったら僕はただのケモノになり果てる、気がしたから。


その後、僕は新しい彼女を作った。
その子にも僕はひたすら愛情を向け続けた。
だけど、新しい彼女も再び僕を捨てようとした。
そして同じように僕は彼女を捨てて、お墓に埋めた。


僕は彼女を捨てる度に性的興奮を覚えるようになった。
そして彼女を捨てる度に思う。
僕を受け入れてくれる女性なんて現れない事を。


いくら彼女達の身体を辱めて捨て去ろうとも、心までは自分の物には出来ない。
一人なんて嫌だ!一人なんて寂しいよ!そんな僕の心の溝を埋めようと彼女を作っては捨てていく。
そしてある日の事、僕はサバトに巻き込まれて、その身を怪物に変えさせられた。

現在、お手製のサロンで僕は47人目の彼女を捨てた。
サロンは四方を赤いカーテンで覆われている。
最初の彼女を捨てた時に気付いたんだ。
白と黒に赤を足した時の色合いの美しさに。
だから僕は赤も好きなったんだ。


全身をハサミで切り刻まれた47人目の彼女に別れの口づけをして
僕は彼女をお姫様だっこで持ち上げて、サロンの外に出た。
サロンの外は風化した廃ビルであり、誰一人近づくことはない。


彼女をお墓まで運び、掘っておいた穴の中に置いてから土を被せた。
お墓の中には47人の彼女がいる。
だから寂しくなんて無いはず、安心して成仏してね。

ファントムのアジト


フェニックス「やっと魔力が回復したぜ。これで魔法少女達をぶっ殺しにいける」

ソラ「ハロ~ ねえユウゴこれあげる。プレゼントだよ」

フェニックス「花だぁ?んなもんいらねえよ」


そう言ってユウゴは花束を燃やした。
ファントムになる前は、花を愛する優しい青年だったらしく
花を見て、人間だった頃の心が戻ると思ったけど無理みたいだ。


ソラ「ミサちゃんには白いドレス。今度来てみてよ」

メドゥーサ「私はこの服で十分よ」


ミサちゃんも服を受け取ってくれなかった。
何度も服をプレゼントしてるのに一向に着てくれない。
どうしたら着てくれるんだろう?


ソラ「ハヤミにはこれだよ♪」

リブラ「パズル……?まあ貰ってやろう」


なんとなくハヤミはパズルのピースを飲みそうな気がしたのでチョイスした。
受け取ってはくれたけど、期待とは裏腹にピースを飲み込む事は無かった。


フェニックス「グレムリンよぉ。俺達にプレゼント渡して何を企んでやがる?」

ソラ「僕はただ、皆と仲良くしたいだけだよ♪」

メドゥーサ「貴方は余計な真似せずに大人しく待機してなさい」

リブラ「あまり軽薄な態度を取っていると、扱いがどんどん軽くなるぞ」

ソラ「あまり喜んでもらえないようで残念だよ~ウフフフ♪」

僕はファントムになった後も僕のままだ。
だけどその例は、僕だけだった。
他のファントムは全て人間の心が消滅して、ファントムとしての人格が宿っていたのだ。


僕はファントムの中でも、孤立した存在になっていた。
誰も僕の事を、滝川 空(ソラ)として見てくれない。
ファントムであるグレムリンとしか扱われないんだ。


人間にも愛されない。
ファントムにも愛されない。
僕と言う『個』は誰にも受け入れてくれない。


そうだ、この世界には魔法少女という。
人間達の希望となる存在がいるんだよね。
それなら人間である僕の事を全て、受け入れた上で
拒絶する事無く、ずっと愛し続ける彼女になってくれる魔法少女もいるのかな?


僕に本当の彼女が出来たらもう、彼女を捨てることも
捨てた後に訪れる空虚な感情も消えて、至福の日々に戻れるかもしれない。


ソラ「魔法少女達なら僕の理解者になってくれるのかなぁ?会いたいな……ウフフフフフフフ」

今回はここまで
ソラを好き勝手に書いてたら原作よりエロい奴になった

>>125
他者の悪意に鈍感なメロンの兄さんでは不幸な事になりそう

>>126
どっちみち部下に裏切られるイメージしか湧かない

魔法少女がソラを倒せそうなビジョンが見えない...

むしろフェニックスの方がヤバいかな
ウィザードがいないから太陽に蹴り飛ばせないし

ライダーからの登場人物が軒並み悪党しかいない件

おかしいな、最初はギャグだったのに本編以上に殺伐としてるぞ

都会の上空にて


マジカロイド「ファントムと戦え、とは言われましたケド……」

マジカロイド「そんな金にもならない面倒な事はしたくないデス」

マジカロイド「適当に探索だけでもして体裁を取り繕えば、それで十分でしょう」

ユウゴ「おい!!」

マジカロイド「おや?下から声が聞こえマスね」

ユウゴ「おい!!そこの飛んでる奴!!」

マジカロイド「どうやらワタシを呼んでいるようデスね。仕方ないデスから降りるとしましょう」


――――


ユウゴ「お前、魔法少女という奴だよなぁ?」

マジカロイド「そうデスよ。ワタシに何か用デスか?」

フェニックス「やっぱりそうか!!お前、この俺様と戦えよ」

マジカロイド「げげげ!?その姿はファントムデスか!」

マジカロイド「冗談じゃありません!私は帰らせてもらいマスよ!」

フェニックス「逃げんじゃねえ!!」

マジカロイド「ギャーッ!!」

空を飛んで逃げようとするマジカロイドだったが
フェニックスの手から放たれた地獄の業火によって撃ち落とされた。

フェニックス「おいこら!何逃げようとしてんだよ。ファントムと戦うのが魔法少女の使命じゃないのか?」

マジカロイド「ワタシはそんな強くないんデスよ。デスから荒事は他の魔法少女達に任せているのデス」

フェニックス「そうかい。てめえみたいな腑抜けを相手にしてもつまらなそうだからさっさと殺して次に行くか」

マジカロイド「待ってくだサイ!!ワタシが知る中で一番強い魔法少女を紹介するので命ばかりは見逃してくだサイ!!」

フェニックス「お前……ほんとに魔法少女かよ……てめえが助かりたいからって仲間を売るなんてよ」

マジカロイド「世の中で一番大事なのは自分の命デスよ!自分が助かる為なら処女だって捧げマスよ」

フェニックス「……まあいい、その正直さに免じてお前を殺すのは後回しにしてやるよ」

マジカロイド「本当デスか!?」

フェニックス「俺は嘘なんか付かねえよ。おら、さっさと案内しろや」

マジカロイド「は、はい!!」


――――


ネオン街


フェニックス「この辺りにいるのか?その強い魔法少女ってのは」

マジカロイド「はい!もちろんデス!」


マジカロイドに運ばれる形でフェニックスは魔法少女のいる街まで飛行して移動をした。
フェニックスからは「手を離したら真っ先に殺す」と念を押されていたが
彼の逆鱗に触れる事を出来る限り避けたかったので、そもそも地面に落とす選択肢などマジカロイドには無かった。

マジカロイド「カラミティ・メアリさん!!助けてくだサイ!!」

メアリ「そいつは……なんでアタシの所にファントムなんか連れて来てんのさ?」

マジカロイド「案内しなければ殺すと、あのファントムに強制されたのデス!」

フェニックス「おいおい、お前が連れて…」

マジカロイド「お願いデス。あのファントムをやっつけてくだサイ」

メアリ「はぁ、かったるいねえ」

フェニックス「まあいいか。お前、強いんだってな。俺様の相手をしてもらうぜ」


銃声が響いた。
メアリの拳銃から放たれた弾丸がフェニックスの額へ命中した。
「カラミティ・メアリをムカつかせるな。煩わせるな」を口癖にしてる彼女の性格からして
癪に障る相手に対しては一切の躊躇無く引き金を引けるほどの凶暴性を持っている。


フェニックス「そのピストルは試合開始のゴング代わりって事でいいよなぁ?」

メアリ「効いてないようだねぇ」

フェニックス「グール共ならそれで殺せただろうが、この俺様には通用しねえよ」

メアリ「そうかい、なら丁度いい。これを試す相手が欲しかったのさ!!」

フェニックス「なんだぁ?」

マジカロイド「ヤバい予感がしマス!急いで離れなくてハ!」


メアリの手元に大型のガトリンクガンが現れる。
それは人ならざる存在を殺害する為に戦極凌馬が開発した試作兵器であり
元々強力な兵器であったそれはメアリの魔法によって更に威力を増幅させた。

『解除シマス』


フェニックス「はん!そんな玩具で俺様に勝てると思ったか!?」

メアリ「その舐めた態度、二度とみせられなくしてあげるよ」ドガガガガガガガガガ

フェニックス「ぬ、ぐぅおおおおおおおおおおおお!!!!」


1秒間に付き30発放たれる特殊徹甲弾がフェニックスの肉体を貫き、少しずつ削り取っていく。
数秒ほど経って撃ち尽くした後、更にロケット弾頭を装着させ
全身が穴だらけになったフェニックスに向けて射出した。


メアリ「グッバイ」

フェニックス「ぐわあああああああああああああッッッッ!!!!」


フェニックスの五体はバラバラに砕け、灰となって風に流されて消えていった。


マジカロイド「流石カラミティ・メアリさん!貴女様なら勝てると信じていまシタ!」

メアリ「それで、アンタの代わりにアタシが戦ってやったんだ。その見返りはどう支払うつもりだい?」

マジカロイド「う……それは……」

メアリ「そうだねぇ。アンタだって生身は女なんだろ?体で稼ぐってのなら金払いのいいソープでも紹介しようか?」

マジカロイド(命が助かる為なら処女を捧げてもいいとは言いまシタが、出来る限りなら避けたいデス……)

マジカロイド(私だって好きな殿方と恋に落ちて、そこで初めてを捧げたいデス……)

???「糞がッ!!!」


男の怒鳴り声が聞こえたので二人が外を覗くと、チンピラ風の男が怒りを露わにしながら
ヨロヨロとした足取りで歩いていた。

メアリ「酔っ払いかい?騒々しいねえ」

マジカロイド「あ……あ……あれは、さっきメアリさんが倒したファントムデス!」

マジカロイド「あのファントムが人間に化けてる時の姿デスよ!」

メアリ「あいつ死んだんじゃ無かったのか……よしマジカロイド、お前がそいつを何とかしな」

マジカロイド「そんなの不可能デスよ!100%殺されマス!」

メアリ「今すぐアタシに殺される方が望みなら叶えてあげてもいいぜ」

マジカロイド「うう……」

メアリ「別にアンタ一人だけで倒せとは言わないさ」

メアリ「他の魔法少女を利用して倒させる事ぐらいの知恵はあるだろ?」

メアリ「それで今回の件はチャラにしといてやるよ。お買い得じゃないか」

マジカロイド「……分かりまシタ。何とかしてみせマス」

メアリ「終わるまでアンタの面見せんじゃないわよ」

ファントムのアジト


フェニックス「あんのガンマンの女がぁ!!よくもこの俺様をッ!!」

メデューサ「また負けて帰ってきたようね、フェニックス」

フェニックス「次は負けねえ!!今は俺様に構うなメデューサ!!」

メデューサ「ワイズマン様からの命令よ。貴方はしばらくの間、魔法少女討伐の任から解かれる事になったわ」

メデューサ「だから魔法少女には手を出さない事、いいわね?」

フェニックス「なんだと!?ふざけるんじゃねえ!!このままじゃ俺の腹の虫が収まらねえよ!!」

メデューサ「ワイズマン様の命に背いたらどうなるか、貴方は忘れていないでしょうね」

フェニックス「ちっ!!」


ワイズマンに反抗的な態度を取り続けた結果、封印されて未だ出られないファントムもいる。
フェニックスにとって納得のいかない命令でも従わなければならないのだ。


フェニックス「分かったよ、大人しくしてやるよ」

メデューサ「どこへ行く?」

フェニックス「寝るんだよ。起こすんじゃねえぞ」

メデューサ「そう」

ソラ「ミ~サちゃんは僕と一緒に寝ようよ。優しくするからさ」

メデューサ「死ね」

リブラ「懲りないな……グレムリンの奴」

今回はここまで
ラ・ピュセルの斬撃とメアリの武器に耐性が付いて、魔法少女の気配察知を覚えたフェニックス

>>134
賢者の石で強化されてないソラ相手ならきっと魔法少女でも倒せるさ

>>135
他の強敵相手の時も太陽に落とせば解決じゃん、と思ってしまうのは野暮だろうね

>>136
ヒーローの役割を魔法少女達が受け持ってるから悪役多めになっちゃう
善人キャラもいつか主要人物で出したい

>>137
それでもファントム編では理由があって出来る限りギャグを入れるように書いています
ウィザードクロスがメインのおかげでまほいく勢が中々死なないから平和かも

公園内


ケイネス(なぜ私が荷物持ちをせねばならんのだ…)

コヨミ「クレープ買ってきますね、ケイネスさん」


ショッピングの帰りで休息を取っているコヨミとケイネス。
コヨミの為に洋服や日用品などを買っていたのだ。


ケイネス(どうせならソラウと二人っきりでデートがしたかった)

ケイネス(早くファントムを討伐して魔法少女試験を終わらせて帰りたい……)


――――

シャロ「どうぞ、お客様」

コヨミ「ありがとう」

ソラ「ハロ~。可愛いお人形さん♪」


二人分のクレープを買い、ケイネスの元へと戻ろうとした時、そいつが現れた。
爽やかな笑顔を振りまく整った容姿の男性、コヨミは一目で見て理解した。
そいつはファントムであると。

コヨミ「貴方は……ファントム!」

ソラ「さっすがお人形さん!分かっちゃうんだね。ウフフフ~♪」

ケイネス「おい!貴様……」

コヨミ「ケイネスさん!」

ソラ「ウフフフ、凄いね~コヨミに何かあるとすぐに駆けつけられるんだね」

ケイネス「この私を舐めるなよファントム、コヨミの命を狙いに来たか」

ソラ「勘違いしないでよ。僕はただ君達と会いに来ただけなんだ」

ケイネス「ファントムの言葉など信用出来ると思うか?」

ソラ「信じてほしいなぁ~それに今、争うのはそっちに取って都合が悪いんじゃないのかな~?」

ケイネス「何を馬鹿な事を……なんならすぐにでも」

ソラ「だってこれ……」


ソラが指を指してる方向にはコヨミの手に持つ二つがあった。


ソラ「僕と争ったりなんかしたらクレープが溶けちゃうよ」

ケイネス「たかがクレープの一つや二つ、また買えば済む事だ」

ソラ「ダメダメ、食べ物は粗末にしてはいけません!ってお母さんに言われなかったの?」

ソラ「それに、ここは子供たちが楽しく遊んでる場所なんだから騒ぎは無しにしようよ」

ケイネス「ファントム風情が良識人ぶるな。虫唾が走る」

ソラ「さっきからファントム、ファントムって僕には滝川 空という名前があるんだよ。ちゃんとソラって呼んでよ」

ケイネス「ファントムが人間の真似事など……」

ソラ「ソラって呼んでよ」

ケイネス「…………」

ソラ「ソラって呼ばないとケイネスの事をハゲって呼ぶよ」

ケイネス「誰がハゲだ!妙なファントムだな……ソラは」

ソラ「よし♪じゃあそこのベンチにでも座って三人でお話しようよ」

ソラ「そこの可愛い店員さん、チョコバナナクレープ一つくださいな♪」

シャロ「は、はい」

コヨミ「なんなのよ、彼は……」

ケイネス「態度が軽薄過ぎて凄く怪しい奴だ」

――――


ソラ「僕達ファントムと戦ってる魔法少女の事だけど、一体どんな子達がいるの?」

ケイネス「わざわざ敵に情報を与えると思うか?」

ソラ「じゃあ違う質問をするね。ファントムを人間に戻せる魔法少女はいるのかな?」

ケイネス「ファントムを人間に、だと?知らんな。それにファントムは例外なく全て駆除対象だ」

ケイネス「ファントムを助けるような指示は一切受けていない。運が良くても実験動物として利用されるだけだ」

ソラ「それは残念だなぁ。僕達と魔法少女達が争わなくても済むならそれに越したことは無いと思ったんだけどなぁ」

ケイネス「先ほども言ったが私はファントムを信用していない。例え、ソラがどんな考えを持とうが始末する事には変わりないぞ」

コヨミ「ねえ、ソラ」

ソラ「なんだい?お人形さん」

コヨミ「何で私の事を人形と呼ぶの?」

ソラ「ウフッ……ウフフフ♪それは、内緒」

コヨミ「…………」

ソラ「そう怒らないでよ。いずれ分かるからさ、いずれね」

ケイネス「なぜ貴様は私達に干渉をする?自分だけ助かりたいからか?」

ソラ「違うよ!君達なら僕の望みを叶えられるか気になったからさ。それと個人的に魔法少女達に興味あってね」

ケイネス「興味だと?」

ソラ「魔法少女の中には、僕の好みの子がいるかもってね。ウフフフ♪」

ケイネス「ふざけているのか?」

ソラ「真面目だよ。魔法少女の恋人は今までいなかったからさ。一度付き合ってみたいなって前々から考えてたんだよ」

ケイネス「イカれてる……ファントムなんかと付き合う魔法少女などいるものか」

ソラ「恋愛には国境も種族も関係無いんだよ。じゃあ僕はもう行くね」

ケイネス「そうか。さらばだ」


別れの言葉を言い終えると同時にケイネスの操操作による月霊髄液の高圧カッターが繰り出される。
ソラの座っていたベンチが綺麗に切断されたが狙っていた対象はいつの間にか消えていた。
背後でウフフフと笑う声が聞こえ、振り向くとそこにソラが手を振っていた。


ソラ「危ないなぁもう、不意討ちなんてずるいよケイネス」

ケイネス(私の魔術礼装を上回る速度で避けただと!?なんて速さだ……)

ソラ「じゃあねお人形さん。お体を大切に、ね♪」

コヨミ「あのファントム……何を知ってるの?」

ケイネス「奴め、次会ったら私が必ず誅罰を与えてやる」

ファズ(コヨミを人形と呼ぶとは……知っているようだなコヨミの秘密を)

ファズ(ソラとかいうファントム、これは使えるかもしれん)


ケイネスの持つ端末の中でファズはまた何か良からぬ事を考えていた。


ソラ(ウフフフ♪あのお人形さんも長くて綺麗な髪をしていたなぁ)

ソラ(でもあの子は彼女には出来ない。壊してはダメな存在だからね)

ソラ(あの子は、僕の望みを叶えてくれるかもしれないんだ)

ソラ(楽しみだなぁ。僕が人間に戻れるその日が)

ファントムのアジト


リブラ「フェニックスは眠りに付き、ソラの奴は出かけてやっと静かになったな」

リブラ「ここは優雅にティータイムを楽しむとしよう」

ユウゴ「ぐごー ぐごー」


フェニックスの夢の中


ユウゴ「ああっイラつくぜぇ!!何もかもぶっ壊してやるー!!」

ねむりん「ねーねーお兄さん。どうしてそんなに荒れてるの?何か嫌な事でもあったの?」

ユウゴ「ああん?なんだてめえは」

ねむりん「魔法少女のねむりんで~す。よろしく~、私でよかったら相談に乗るよぉ」

ユウゴ「魔法少女だと!?ぐ……夢の中でも我慢しなきゃならねえのか……」

ねむりん「何を我慢してるのかなぁ?ねむりんに教えてほしいなぁ」

ユウゴ「……俺様はなぁ、同僚が仕事をしやすい環境になるように働いていたわけよ」

ねむりん「ふむふむ」

ユウゴ「そしたらよお、上司がそれをやめろって言うんだ。特に理由も無しでよ」

ねむりん「それは酷いね~、皆の為にがんばってたのにねぇ」

ユウゴ「おうよ、俺がやりたい仕事ってのもあるが、他の連中にとってもプラスになる事なんだよ」

ねむりん「だったらさぁ。我慢せずにやっちゃおうよ」

ユウゴ「上司に歯向かう事になってもか?」

ねむりん「我慢して溜め込んでても辛いだけだからさ。自分にとって一番やりたい仕事をやるのが幸せなんだと思うよ」

ユウゴ「そういう物か?」

ねむりん「私も最初は大手会社に勤めるのが幸せだと思ってスマートブレインやユグドラシルやアンブレラ社の面接を受けたけど」

ねむりん「全部落ちちゃって、それから魔法少女になったんだ」

ねむりん「魔法少女の仕事はとっても楽しくて、ねむりんは魔法少女を続けて良かったと今でも思ってるよぉ」

ユウゴ「そうか。やりたい事をやるのが幸せか……ありがとよ、俺様の考えが決まったぜ」

ねむりん「……へっ?」

フェニックス「魔法少女狩りの再開だぁ!まずはねむりん、てめえから殺させてもらうぜ」

ねむりん「ふぁっ……ファントムだったのぉ!?」

現実世界


フェニックス「ぐごー!ぐごー!」

リブラ「何だ!?寝ながらファントム体になったぞ!」


夢の世界


フェニックス「ククッ 前までは復活してから回復まで時間がかかったが今回はすぐにでも戦えるぜ」

ねむりん「これ以上、誰かを襲うのはやめようよ~。そんな事しても悲しいだけだよ」

フェニックス「ああ?てめえがやりたい事やれって言ったんだろうが!いいから俺様と戦いやがれ!!」

ねむりん「しょうがない。悪い事を続けるならねむりんがやっつけるよ!ねむりんキーック!!」

フェニックス「ぐおっ!!とろそうな見た目の割りになかなかつええじゃねえか!!」

ねむりん「くらえぃ!!ねむりんビィーーーム!ビビビビビビ」

フェニックス「ぐっぐぐぐっ!!」


ねむりんの額から極太のビームが放たれる。
大剣カタストロフを使い、ビームを抑えるが刃の部分に亀裂が走り砕け散る。


フェニックス「ぐぎゃあああああああああッッッッ!!!!」


ねむりんビームがフェニックスの身体を包み、原子レベルにまで分解し消滅した。


現実世界


フェニックス「ぐぎゃあああああああああッッッッ!!!!」

リブラ「爆散したーッ!?」

フェニックス「ぐごー!ぐごー!」

リブラ「再生した!?一体、何がどうなっているんだ……」

夢の世界


フェニックス「ハハハハッ!!待たせたなぁ、ねむりん」

ねむりん「生き返った!?それならもう一度!ビビビビビビ!!」

フェニックス「もうお前の攻撃は効かねえよ!」

ねむりん「ひゃああ、逃げなきゃ~」

フェニックス「なっ!?おいまてこら、戻ってこい!!くそっ、なんで俺そっちにいけねえんだよ!!」

ねむりん「まさか夢の中でねむりんより強いのがいたなんて……役に立たなくて皆、ごめんねぇー!!」


ねむりんの攻撃への耐性を付けたフェニックスだが、夢の中を自在に行き来する能力を持たない彼は
自分の夢の先から進む事が出来ずに、ねむりんをみすみす取り逃がしてしまう結果に終わった。
そしてねむりんがいなくなった事でフェニックスは夢から目覚め、起き上がった。


フェニックス「ああ~不完全燃焼な夢だったぜ」

リブラ「大丈夫か?寝ながら身体が爆散してたぞ」

フェニックス「あれ夢だけじゃなかったのか……まあいい、リブラ、俺様決めたぜ」

リブラ「何を?」

フェニックス「ワイズマンの命令何か知った事じゃねえ。俺様は魔法少女狩りを続けるぜ」

今回はここまで
戦闘描写が分かり易く伝わっているかな

リブラ「貴様!ワイズマン様を裏切るのか!?」

フェニックス「だったらどうするよ?」

リブラ「ここで貴様を断罪させてもらう」

フェニックス「はっ!天秤野郎の分際で俺に楯突くとはいい度胸じゃねえか」

リブラ「私を甘く見るなよ、フェニックス」

リブラ「恐怖を乗り越えて進化した私の戦闘力は増幅しているのだ」

フェニックス「だったら見せてもらうぜ。その進化した強さとやらをよ!」

リブラ「ワイズマン様を裏切ったその重み……思い知るがいい!!」


10秒後


メデューサ「騒々しいわね、何をしている?」

リブラ「め、メデューサ……フェニックスが謀反を……がくっ」

フェニックス「はぁ……こいつ弱すぎだろ」


フェニックスの足元には身体がボドボドになったリブラが倒れていた。
リブラの頭には大きなタンコブが出来上がっている。

メデューサ「何のつもりだ?フェニックス!」

フェニックス「見たら分かるだろ。もうワイズマンの命令に従うのに嫌気が差したぜ」

メデューサ「そう。それならどうなるか分かってるわよね?」

フェニックス「いいねぇ~その殺意、俺様は一度、お前とガチで戦ってみたかったんだよ」

メデューサ「この戦闘狂がッ!!」


フェニックスの大剣とメデューサの杖が衝突し火花を散らす。
大ぶりな斬撃を躱したメデューサの蹴りがフェニックスの腹部に刺さる。
のけぞったフェニックスの頭部を杖で殴りつけ、更に喉元を突いた。


フェニックス「ごふっ!はぁはぁ……やっぱ強えわメデューサ。楽しいねぇ」

メデューサ「これで終わりよ」

フェニックス「うぐっ……」


蛇となっているメデューサの髪が触手のように伸びてフェニックスの身体を拘束する。
メデューサの眼が妖しく輝き、フェニックスの眼を見つめた瞬間
フェニックスの全身が石化し動かなくなった。


メデューサ「例え殺さなくても貴方を止めることが出来るのよフェニックス」

フェニックス「…………」ピシピシ パリーン

メデューサ「何ッ?」

フェニックス「もうお前の攻撃も通用しないぜ」

メデューサ「まさか……私の石化を解くなんて……」

フェニックス「分かっただろ?もう俺様を止められる奴はいない。じゃあな」

メデューサ「フェニックス……」

その頃――採石場では


シスターナナ「マジカロイドさん……貴女の話が本当だとしたら、そのファントムは……」

プリズン「間違いないな。我々と戦ったフェニックスというファントムだろう」

ラ・ピュセル「だけどフェニックスは私が倒したはずです」

マジカロイド「不死身なんデスよきっと!どうにかして完全に滅ぼさないといけまセン!」

スノーホワイト「ねえ、チャットでねむりんがそのファントムに夢の中で襲われたって……」

マジカロイド「夢の中でも戦えるなんてデタラメな強さじゃないデスか!!」

マジカロイド「お願いデス!フェニックス討伐に協力してくだサイ!」

マジカロイド「先ほどトップスピード達やルーラチームにも助力を頼みまシタ。皆で袋にすればどうにかなるはずデス!」

ラ・ピュセル「頭上げてよマジカロイド、勿論協力するからさ」

プリズン「なあ、マジカロイド……そこまでしてフェニックスの討伐にこだわるのは何故なんだ?」

アリス「怪しい……」

マジカロイド「それは……ワタシはあのファントムに狙われているからでシテ……」

スノーホワイト「カラミティ・メアリさんに倒してくるように言われたんだって」

スノーホワイト「フェニックスを倒さないと自分がメアリさんに殺されるんだって」

マジカロイド「なんで分かるんデスかー!?」

ラ・ピュセル「大丈夫だよ。フェニックスは必ず私が倒すからさ」

マジカロイド「さすが騎士様デス!」

スノーホワイト(そうちゃん……マジカロイドさんには妙に優しいよね)


???「みぃぃぃぃつけたぁぁぁぁぁぁ!!!!」


上空から獣の唸り声のような男の声が響き渡った。
炎の翼を広げたフェニックスが魔法少女の気配を読みながら飛び回り
ついにスノーホワイト達を発見したのだ。

フェニックス「よお!俺の知ってる魔法少女達が何人もいるじゃねえか丁度いい」

マジカロイド「で、で、で……でたぁーッ!!」

フェニックス「また会ったな ロボット娘」

シスターナナ「貴方はラ・ピュセルさんに斬られて命を落とした筈では?」

フェニックス「俺様は死と再生を繰り返す度に強くなる不死身のファントムなのさ」

ラ・ピュセル「何度復活しようとも私が地獄へ送ってやる!うおおおおッ!!」


スノーホワイトを嬲る様に傷つけたフェニックスはラ・ピュセルにとって許せない存在だ。
自分達の前に再び、立ち塞がるならスノーホワイトを守る剣としてフェニックスを討つ。
雄々しく立ち向かうラ・ピュセルに対して、フェニックスは構えもせず余裕の表情を見せていた。
ラ・ピュセルの剣がフェニックスを斬り付けた。
だが剣が弾かれて、傷一つ付けられなかった。


ラ・ピュセル「何ッ!?」

フェニックス「なってねえな。こうやって斬るんだよ!」


ラ・ピュセルへ急接近したフェニックスが、瞬時に二発の斬撃を繰り出し
みぞおちに前蹴りを放ち、膝を付いたラ・ピュセルへ追撃のジャンプ斬りを放って右肩を斬り裂き
最後に大振りの薙ぎ払いで吹き飛ばす連続技を放った

ラ・ピュセル「がはっ……」

スノーホワイト「ラ・ピュセルッ!!血が……」

フェニックス「ハッハッハ!不甲斐ねえな。騎士様よぉ」

スノーホワイト「よくもラ・ピュセルを!」

プリズン「下がっているんだスノーホワイト、私が戦う」

フェニックス「マントの女か。てめえは俺様に一度負けてるのを忘れたのか?」

プリズン「なら見せてあげよう。私達の力を、頼むよナナ」

シスターナナ「はい、気を付けてください」

プリズン「行くぞフェニックス!!」

フェニックス「ぬおっ!?なんだこいつ……前に戦った時とはまるで別人のパワーだぜ」

プリズン「私達を甘く見るなよ」

フェニックス「いいねえ!やっぱ戦いはこうでなくっちゃなァ!」

プリズンの打撃とフェニックスの斬撃がぶつかり合った。
シスターナナの強化魔法によって格段に強くなったプリズンだが
度重なる復活によってフェニックスもまた以前とは比べ物にならない強さを得ていた。

プリズン(強さはほぼ拮抗している……力で捻じ伏せるのは不可能か。それなら)

フェニックス「もらったァ!!」

フェニックスの斬撃を受け止め切れなかったプリズンはバランスを崩し、膝を付いた。
その隙を突くべく、フェニックスは大きく斬り込みに入った。

プリズン(かかったな)

それは相手を誘い込むためのブラフだった。
モーションの大きい振り下ろしを躱したプリズンは素早く背後に回り込み
スリーパーホールドでフェニックスの首を絞めた。

フェニックス「てめえッ!!はなしやが」ゴキ


鈍い音が響いた。
首の骨をへし折られてフェニックスの身体は糸の切れたマリオネットのように倒れた。

マジカロイド「流石デス!プリズンさん」

プリズン「奴の首を折るのに魔力をかなり使わされたよ」

スノーホワイト「……まだです!」


炎がフェニックスの身体を包み込み、再構築されていった。
再生が終わり炎が消えると、そこには完全に傷の癒えたフェニックスが立っていた。


フェニックス「やるじゃねえかマントの女、俺を殺せるなんてよぉ」

プリズン「厄介な奴め……」

フェニックス「せいぜい足掻いてくれよ……ん?」


どこからともなく飛んできた複数のクナイや手裏剣がフェニックスの身体に突き刺さった。
飛んできた方向には複数の魔法少女達がいた。

リップル「こいつがマジカロイドの言っていたファントムか」

トップスピード「お待たせ~今度は俺達に任せとけ!」

ミナエル「主役は遅れて登場するってね」

ユナエル「こいつをやっつけたら私達ピーキーエンジェルの人気もうなぎ登りだねお姉ちゃん」

たま「あのファントム強そう……勝てるのかなぁ?」

ルーラ「私達のチームが敗北なんてありえない。絶対に勝つのよ」

スイムスイム「ルーラが望むなら絶対に勝たないと……」


魔法少女達の中に一人の男がいた。
太陽の光を浴びたおでこが眩しく輝く、幸低そうな顔をした超一流の魔術師、その名も……


ケイネス「全く、お前たちはもっと早く私を頼るべきなのだ」

ケイネス「アーチボルト家当主である、このケイネス・エルメロイ・アーチボルトをな」


フェニックス「ハハハッ!ハハハハハッ!!面白い、面白いぜ!!俺様を倒す為にここまで集まったのか!!」


自分を倒すべく集結した錚錚たる顔ぶれにフェニックスは高揚感を抑えきれない。
これからお前達を討ち取ってやると言わんばかりに大剣カタストロフを掲げ
魔法少女達を睨みつけて一喝した。


フェニックス「俺様を倒せる物なら倒してみろ!!この不死身のファントム、フェニックス様をよッ!!!!」


魔法少女VSフェニックスのラストバトルがここに始まった。

今回はここまで
またフェニックスが死んでおられるぞ
次の投下で今度こそフェニックス退場します

リップル「はぁッ!」

フェニックス「そんな攻撃、いくら繰り出しても無駄だ!!」


リップルが投げた大量の手裏剣が全てフェニックスへ向かっていく。
大剣を振り上げていくつかは切り落とされ、残りは胸部に突き刺さり火花を散らす。


フェニックス「蚊に刺された気分だぜ。もっとマシな攻撃をしてきな」

リップル「……ちっ」

トップスピード「だったらこれを食らいな!!」


トップスピードの手に持っているのは魔法の国から支給された魔術礼装『ミニ八卦炉』
魔力を込めれば強力なビームを放つことが出来る。


トップスピード「マスタースパークッ!!」

フェニックス「なかなかの威力だなぁ。だが今の俺を殺すにはパワーが足りねえなぁ」


マスタースパークの直撃にもフェニックスはびくともしなかった。
フェニックスは度重なる再生によって生半可な攻撃は全く通用しない程の耐久力を得ていた。


ケイネス「どきたまえ魔法少女の諸君。後は私がやろう」

フェニックス「如何にもインテリなてめえに何が出来るんだよ そらぁ!!」


フェニックスの手から地獄の業火がケイネスに向かって放たれる。
その炎がケイネスに直撃する寸前に弾かれて消滅した。
月霊髄液による自動防御によって防がれたのだ。

ケイネス「そんな攻撃が私に効くものか」

フェニックス「やるねぇ!ならそのスライムごと叩っ斬ってやるぜ!」

ケイネス「迂闊に接近するとは愚かな奴め」


月霊髄液がフェニックスの周囲に広がった。
ケイネスの魔力が最大限に月霊髄液に注がれて硬度が増す。


フェニックス「何だぁ?ぬおおっ!!」

ケイネス「潰れろ」


フェニックスを中心に月霊髄液は圧縮した。
そしてフェニックスを押し潰さんが如く、月霊髄液が捻じれるような形で細く変わる。
内部ではフェニックスの肉体が押され、軋み、潰れる音が生々しく響く。


フェニックス「ぐっぐ……ぐがぁああああああ!!!!」


ぐちゃりと音が聞こえたと同時にフェニックスの肉体は爆散した。


ケイネス「愚か者には相応しい末路だな」

フェニックス「おい、勝った気でいるんじゃねえよ」

ケイネス「何っ!?」


フェニックスの大剣がケイネスの身体を切り裂いた。
幸いにして致命傷は受けていないが出血が大きかった。

ケイネス「あ、あ、あああああああああああッッ!!!!」

フェニックス「油断し過ぎだっつーの。阿呆が」

ルーラ「その台詞、そっくりそのままお返しするわ」

フェニックス「あん?」

ルーラ「ルーラの名のもとに命ずる。フェニックス、動くな!!」

フェニックス「か、体が……動かねえ……」


いつの間にかフェニックスの至近距離に接近していたルーラの魔法によって
フェニックスは金縛りにあったかの様に身動きが取れなくなっていた。


フェニックス「こんな、魔法でぇ……ぬがぁぁぁぁぁ!!」

ケイネス「でかしたぞルーラ、こういう敵が現れた時の為に、アーチボルト家秘蔵の封印用の礼装を準備してきたのだ」

ルーラ「いいから早くしろ!!」

ケイネス「まずはこの電子ジャーを地面に置き、蓋を開ける」

ケイネス「そして対象の相手にある呪文を唱えれば……」

フェニックス「うおおおらぁぁぁぁッ!!!!」


ルーラの魔法を捻じ伏せてフェニックスは再び動き出した。
フェニックスの体質は死からの再生による耐性だけでは無い。
メデューサの石化魔法すらも無力化した様に
命を奪わない状態異常でも、食らえば耐性が付くようになっている。

ルーラ「私の魔法が効かない!?」

フェニックス「残念だったなぁ そおらぁ!!」

ルーラ「ぐうっ……」

ケイネス「ぎゃああああああああああああああああああ!!!!」


ルーラとケイネスの二人が大剣で斬りつけられ
封印に用いようとした魔術礼装である電子ジャーは踏みつぶされた。


ユナエル「ちょっとヤバいじゃん!」

ミナエル「そう楽させてくれないみたいね」

スイムスイム「……ルーラ」


スイムスイムは鉄球を振り回し、ユナエルは鷲に変化して飛びかかり
ミナエルはチェンソーに変化して同時に攻撃するが
フェニックスが大剣を振って切り払われる。


ミナエル&ユナエル「きゅ~」

フェニックス「こいつ、俺様の攻撃をすり抜けやがったぞ」

スイムスイム(まともに戦ったら絶対に敵わない。避け続けて時間を稼ごう)

フェニックス「しゃらくせえな。ならこれでどうだ?」


フェニックスの業火がスイムを中心に広範囲に激しく燃え盛った。
炎の熱もすり抜けで防ぎ続けられるが呼吸が持たない。
灼熱の海から逃れようと移動するが逃走ルートを先回りしたフェニックスが更に火の手を増やす。


スイムスイム(だめ……いきが……)

フェニックス「さっさと焼け死ねよ」

リップル「このっ!!」

たま「スイムちゃん!」


リップルがフェニックスに延髄蹴りを放ち、その隙にたまが開けた穴にスイムは逃げ込んだ事で
なんとか炎から逃れて呼吸を整える事が出来た。
後頭部を撫でながら起き上がるフェニックスの前に、まだ戦える魔法少女達が立ち塞がる。

スノーホワイト「一人一人じゃ無理でも同時に戦えばきっと」

ラ・ピュセル「勝てるかもしれない……」

プリズン「それに賭けよう」

リップル「分かった」

トップスピード「それ以外方法無さそうだしな」

スイムスイム「…………」コクリ

たま「が、頑張る!」


フェニックス「作戦会議はおわったか?なら今度は俺様の……ショー・タイムだ!!」


フェニックスの背中から巨大な炎の翼が生えた。
何度も強化された事で会得した新たな魔法『不死鳥の炎』である。
うねりをあげながら不死鳥の炎が魔法少女達を包むように薙ぎ払った。


スノーホワイト「う、うう……」

ラ・ピュセル「動け……僕の、体……」

リップル「ちっ……足が……」

トップスピード「悪い、ちょっと起き上がるのは……無理、みたいだ」

スイムスイム(熱い……避けるのが遅れた)

たま「いたい、いたいよ……」

シスターナナ「そんな、ウィンタープリズン……私を庇って」

プリズン「君が無事ならそれでいいんだ」


マジカロイド(これ不味いデスよね……逃げましょう!!)

フェニックス「おいこら待て!!そこのロボット娘」

マジカロイド「ひっ」

フェニックス「皆ぶっ倒れたし次はお前の番だぜ。俺様と戦えよ」

マジカロイド「降参デス!貴方様の部下でも何でもやりマスから命だけはご勘弁を!!」

フェニックス「ふっざけんなこらぁ!!今さらそんな虫のいい話を聞く訳ねえだろうが!!」

マジカロイド(うう……こうなったらこれを使うしかないデス……)

マジカロイドに渡されたアイテムは3分だけ幸運100倍ドリンクである
ただしこれを服用すると一週間は幸運が1/100にまで下がるという割りに合わないデメリットを含んでいる。


マジカロイド(どうせ今殺されるんデス。ならばこれに賭けましょう!!)ゴクゴクゴク

フェニックス「何飲んでんだよ?ドーピングか?」

マジカロイド(さあ!!100倍になった幸運で何か強力なアイテムが出てくだサイ!!そしてワタシを救ってくだサイ!!)


懇願を込めてマジカロイドはランダム性の未来道具を出現させた。
この場を生き延びられるような道具を願って。
そして出てきた道具はドアだった。


フェニックス「何だそれ?それで俺様を倒せるとでも思ったか」

マジカロイド「終わった……ワタシの人生終わった……」

フェニックス「こんなふざけたドアなんてぶっ壊して、ん?」


突如、ドアが開かれた。
ドアから凄まじい吸引力が発生してフェニックスの体を引きずり込もうとする。


フェニックス「ぬぐぐぐっ!?なんだぁ!!引っ張られるぞ!?」

マジカロイド「これは……『どこだかドア』どこに通じているか分からないドアである、と書かれてますね」

フェニックス「だ、駄目だ……引きずり込まれる……ぬおおおおおおおおお!!!!」


フェニックスを吸い込んだどこだかドアはバタンとドアが閉まり、その勢いで
地面に強く叩きつけられて、どこだかドアは壊れてしまった。


マジカロイド「た……助かったのでしょうか?」

――――


フェニックス「ここは……宇宙だと……?」


見渡す限り真っ暗な世界で無数の星々が輝くこの場所は宇宙だった。
神秘的な光景と言えるが宇宙キター!!と喜んでいる場合ではない。
すぐさま帰らなければと、地球のある方向へ動こうとするが
体はどんどん地球から遠ざかっていく。


熱い……肉体が高熱に晒されている事に気付いた時は全てが手遅れだった。
フェニックスは太陽の引力に捕まっていた。
必死でもがこうとするも、太陽への落下は止まらず
高熱によって肉体が消し飛び、再生しようとするも
約6000℃の温度がフェニックスの体を永遠に焼き尽くしていく。


フェニックスは二度と地球へ戻れなかった……。
太陽の中で死と再生を永遠に繰り返すのだ。
そして死にたいと思っても死ねないので
そのうちフェニックスは考えるのをやめた。

今回はここまで
フェニックスの技名はスーパーヒーロージェネレーションを参考に付けた

何度も繰り返されたフェニックスの戦闘もついに終わり
魔法少女達は勝利を手にした。
戦いによって大きく消耗した魔法少女達は治療の為にと
表向きは普通の病院だが、魔法の国の手のかかった特別な病院に通う事になった。


魔法病院


井坂「治癒魔法というのは便利ですが、何も完ぺきではありません」

井坂「例えば銃弾を受けたとしましょう。体内に弾が残った状態で治癒魔法を使うとどうなるか」

井坂「それは弾が体内に残ったまま傷口を塞ぐ事になります」

井坂「魔法少女ならば並みの毒は効かないでしょうが、もし弾丸に呪術的な効力を持っていたらどうでしょう」

井坂「弾丸に含まれる呪いで魔法少女の肉体は蝕み、死に至るケースもあります」

ケイネス「それで、何が言いたい?」

井坂「貴方はファントムの攻撃を受けたと聞く」

井坂「そのファントムが傷を付けた相手に影響を与える能力を持っている可能性もあります」


ケイネス「その点は心配無い。過去にそのファントムと交戦して負傷した魔法少女達もいるが特に悪影響は起きていない」

井坂「それは魔法少女の場合ですよね?魔術師にだけ悪影響を及ぼす可能性も捨てきれません」

ケイネス「そんな事など起こりえるはず無かろう」

井坂「私達医者は、皆さんを治療する義務があり責任があります。例え万が一でも治療ミスは許されない立場なのです」

井坂「分かってくれますねケイネスさん。今夜はこの病院に泊まってください」

ケイネス「…………仕方ない。君の指示に従おう」

井坂「ご協力感謝します。それにしても魔法少女達と違って魔術師が前線で戦うのは珍しいケースですね」

ケイネス(まあ、ファントム討伐は私の名に箔を付ける為でもあるからな)

井坂「魔術師の身体をを治療出来るなんて滅多に無い事です。ここは……ぺろり、じっくり隅々まで検査させてもらいますよ」

ケイネス「おい待て!貴様、個人的な理由で私を調べようとしているな!?」

井坂「いえいえ、まさかそんな……ただ貴方の魔術回路は非常に興味深い。そこに少しでもダメージが残っていれば事だと思いまして」

井坂「さあ……じゅるり、上着を脱いで裸になってください。大丈夫です、痛くしませんから」

ケイネス「やめろぉーー!!離せぇーー!!」

井坂「安心してください。私は貴方の魔術師としての身体にしか興味ありませんから」

ケイネス「安心できるかぁーーーーーーっ!!!!」

――――


スノーホワイト「ねえラ・ピュセル、大丈夫だった?変な事されてない?」

ラ・ピュセル「変な事って何が?」

スノーホワイト「あの井坂先生って人、ラ・ピュセルを見る目が普通じゃなかったから……」

アリス「彼は捕食者の目をしてました」

ラ・ピュセル「大丈夫だよ。レアな魔法少女だとか言ってたけど軽い検査の後すぐ出て行ったから」

スノーホワイト「なんか危険な感じがするから絶対に近づいたら駄目だよ」

ラ・ピュセル「スノーホワイトがそう言うならそうするよ」

アリス「彼は裏で人体実験とかしててもおかしくありません」

ラ・ピュセル「アリスは手厳しいなぁ」


井坂深紅郎

魔法の国の出身で医者であり魔法使いだよ
天候の魔法が使えるよ
医療の腕は優秀だけどセクハラ紛いの言動で魔法少女達にすごく嫌われてるよ

美容店


ソラ「はーいお疲れ様~♪アイスあげるね」

女性客「えーうれしー、ありがとうございますー」

女性客「貰っちゃっていいんですかー?」

ソラ「サービスなんで♪」

女性客「やったー!」

ソラ「ありがとうございましたー♪また来てね~♪」

ppp

ソラ(メール?何だろ?)

ファズ『私は魔法少女達のサポート役の電子妖精だ。二人だけで話がしたい。場所は――』

ソラ(電子妖精?よく分からないけど面白そう♪)


ファズと呼ばれる電子妖精の誘いにソラは警戒する事なく
むしろ歓迎して誘いを受け取る事にした。
そろそろ魔法少女達との接触を考えていた空にとっては願ってもいない話だった。


ファズ「初めましてだぽん。僕の名前はファズだぽん。よろしくぽん」

ソラ「うわースマホから声が聞こえるよ。すごいねー」

ファズ「このままでも良いけど、もっと効率良くやり取りがしたいからこれを渡すぽん」


突如、ソラの目の前に金と銀の装飾が施された怪物が出現した。
怪物は沈黙を保ったまま右手に握られているマジカルフォンをソラに差し出した。

ソラ「彼は?」

ファズ「奴は僕が作り出した人口ファントム『ケルベロス』だぽん。僕が遠隔操作で操ってるぽん」

ソラ「へぇー、よろしくね。ケルベロス」

ケルベロス「」

ファズ「言語機能は無いぽん。それとこれからは、マジカルフォンで会話するぽん」

ソラ「あ、何か出た」

ファズ「これが僕のイメージ姿だぽん。ホログラムだけどね、ぽん」

ソラ「そうなんだ。可愛いね」

ファズ「可愛いのかよ……それで本題に入るが、もうこの喋り方をする必要は無いか」

ファズ「ソラ……君はワイズマンに忠誠は誓って無いようだなぁ」

ファズ「それに人間の頃の名にこだわりを持っている」

ファズ「お前、人間に戻りたいのだろう」

ソラ「うふっ……ウフフフ♪すごいね君、よく分かったね。僕の願いを」

ファズ「当然だ!この偉大なる頭脳を持った蛮……げふんげふん、ファズならそれぐらい知り得て当然だ」

ファズ「単刀直入に言おう。私が君の望みを叶える、代わりに私の目的を達成する為の手伝いをしてもらいたい」

ソラ「それは魅力的な条件だね。でもどうしようかな?」

ソラ「君の野心を魔法少女達に話して未然に防げば、僕の事を見直して彼女達が何とかしてくれるかもしれない」

ファズ「その時は残念だが、君はこの場でケルベロスに抹殺されることになる」

ソラ「ウフフフ……冗談♪いいよ。協力しようよ」

ソラ「それで、どうやって僕を人間に戻してくれるの?方法を知ってるからこそ僕に交渉を持ちかけたんだよね」

ファズ「勿論だとも、だが正確に言えばファントムに人間の心を取り戻す事は不可能だ」

ソラ「どういう事?」

ファズ「私が出来るのはファントムの力を全て奪い取り、人間体の姿で固定させることだ」

ファズ「既に人間の心を持つ貴様なら、それで十分人間になりえるはずだ」

ソラ「……それは人間に戻れるとはちょっと違う様な……」

ファズ「それ以外に方法は無い。賢者の石の力でも人間に戻す応用は不可能と言っておこう」

ソラ「うーん、そうだ!もう一つ僕からの条件を飲んでくれたら、取引に応じるよ」

ファズ「言ってみろ」

ソラ「その方法で僕以外のファントムを一人、人間に戻してほしいんだ」

ファズ「それならお安い御用だ。そのファントムとは?」

ソラ「ウフフフ♪ミサちゃんだよ。あ、ファントムとしての名前はメデューサだよ」

ファズ「なぜメデューサを人間に戻したいのだ?」

ソラ「ミサちゃんの髪ってすっごく綺麗なんだ」

ソラ「でもミサちゃんったらあまり髪を大事にしないし、僕に整えさせてもくれないんだ。髪が可哀想だよ」

ソラ「それでファントムとしての力を奪って人間にしてから、二人っきりでずっと一緒に暮らして」

ソラ「そしたらいつかきっと僕の事を好きになるようになって……最期に彼女にするんだ」

ソラ「どう?とっても素敵でしょ?」

ファズ「あ、ああ……なかなかロマンチストだな」

ファズ(こいつ、気持ち悪いな)

ソラ「それで僕は何をすればいいの?」

ファズ「ファントムを人間に戻す方法だが、まだ理論上の段階で研究が足りない」

ファズ「その実験を確実に成功させるためにファントムを何体かモルモットとして用意してもらいたい」

ソラ「他のファントムを犠牲にね……とっても心苦しいけど願いを叶える為ならしょうがないか。分かったよ」

ファズ(心にも無い事を……)

今回はここまで
ソラがお客さんにアイスあげるシーンは
ソラの人が別の番組で美容師役を演じた時のやり取りが元ネタです

華乃宅

華乃「……朝か」


目覚ましを止めて布団から起き上がる。
今日は嫌な夢を見た、母親の夢だ。
母は何故か夫の記憶が無い。


死んだのか離婚して別れたのかすら分からず。
夫に関する痕跡は全てが消えており、唯一の繋がりとなっているのは
二人の間に生まれた娘の私がいるだけだ。


母にとって夫の記憶が無いのはよほどショックだったのか。
欠落した記憶を埋めようとするように別の男と再婚した。
だが関係は長く続かず、離婚してはまた別の男と再婚する日々が続いた。


私はその生活がとても嫌だった。
再婚する度に現れる最悪な男共と、それにすがるしかない母親の姿を見せられるのは反吐が出た。
私は再婚相手の男と顔を合わせるのに苛立って一人暮らしを始めた。
学校とバイトを両立させるのは大変だがあの男と暮らすよりは遥かにマシだ。


気分転換に遊んでいたソシャゲの魔法少女育成計画をプレイしていく内に
偶然魔法少女に選ばれた私は、最初は仕方無しに人助けをしていた。
しかしトップスピードと出会い、共に活動を続け
すぐに暴力で解決しようとする私を友達として接してくれたクラスメイト達と過ごす内に
この街を守りたいと本気で考えるようになった。
一人、ふざけた話を振る男子にはイラッとさせられるが。


鬼島「ふざけるのは落語家の性分ですからねー。ハッハッハ」

回想の中で鬼島の声が聞こえた気がしたが、気のせいだろう。
ある日、クラスメイトの一人がファントムに襲われた。
トップスピードの助力があったおかげで守る事が出来たが
あと一歩、救出が遅れていたら命を奪われる所だった。


足りない、皆を守るにはまだ力が足りない。
私は更なる強さを得るために特訓を始めた。
力不足によって後悔する事が無い様に。


リップル(手裏剣やクナイを上空に放り投げる。全て自分を標的として)

リップル(飛び道具が私に向かって飛んでくる。それを全て捌き切る!)


多数の敵を同時に相手にする為の鍛錬だ。
ゴキブリのようなおぞましい姿をしたファントムは大量の配下を呼び出し
私は足止めを受けてクラスメイトの救出を遅らせた。


同じ轍は二度と踏まない。
相手が数に物を言わせて仕掛けて来ても迅速に対処しなければ。
それが今の私に出来る唯一の反省だ。


リップル(二発食らったか……。もっと素早く動かなきゃ)

トップスピード「お待たせ~、ちょっと休憩してお弁当にしようぜ」

リップル「……分かった」

トップスピード「さぁさぁ、たっくさん食べてくれ!俺の自信作だからさ」

トップスピードが包みに入ったお弁当を見せながら笑顔でやってきた。
二つのタッパーの中にはそれぞれ、おにぎりと筑前煮が入っている。
おにぎりの具は鮭と鯵と金目鯛が入っている。
魚は焼いてからほぐしたのか、身が柔らかく鮭は塩味が効いていて
味が薄めな鯵と金目鯛は味噌と醤油でからめている。


筑前煮は鶏肉、人参、里芋、ごぼう、レンコン、こんにゃく、しいたけ、絹さやと
栄養バランスを考えて沢山の具材が入っている。
どの具材も旨味がしっかり染み込んでいて
下ごしらえの時点で相当の手間暇をかけているのが伝わってくる。


トップスピード「美味かったみたいだな。よかったよかった」

リップル(いつの間にか二個もおにぎりを平らげてしまった……)

リップル(鍛錬のせいでかなり空腹になっていたようだ)

トップスピード「ほい、お茶」

リップル「……ありがと」

トップスピード「あんまり根を詰めるなよ。体に手裏剣が刺さってる所を見ると心配になるからさ」

リップル「これでもまだ足りない」

トップスピード「そうか?すっげー頑張ってるじゃないか」

リップル「フェニックスには通用しなかった。もっと強くならなきゃ」

トップスピード「一人で勝てなくても皆で力を合わせれば大丈夫だって」

トップスピード「それにリップルに何かあったら俺がすぐに飛んでくるぜ」

リップル「……誰かに頼らなくても勝てるようになりたいの」

トップスピード「もうリップルったらツンデレなんだから~」

ガーゴイル「見つけたッス。君達が魔法少女ッスね」

リップル「ファントムか」


二人の目の前にファントム、ガーゴイルが現れた。
リップルとトップスピードはすぐさま臨戦態勢を取った。


ガーゴイル「ワイズマン様の命により君達をやっつけにきたッス。覚悟するッス」

リップル「出来る物ならやってみろ!」

ガーゴイル「グール達!!行けッス!!」

リップル「遅い」


8体のグールがリップルに飛びかかる。
グールの武器をかいくぐりながらすれ違い様に日本刀で斬りつけ
次々とグールが爆散していった。


ガーゴイル「グール達が全部やられたッス!!」

リップル「次はお前だ!」

ガーゴイル「甘いッス!」ガキィン

リップル「ちっ……硬い」

ガーゴイル「俺の体は硬質化する事が出来るッス!そんな攻撃なんかへっちゃらッス!」

トップスピード「下がってろリップル!!」


リップルとファントムが戦っている内に十分な距離を取ったトップスピードは
最高速度を持ってガーゴイルへ体当たりによるぶちかましを放った。
強烈な衝撃はガーゴイルに多大なダメージを与え、空高く吹き飛ばした。


ガーゴイル「うわああああ!!ぶっ飛ばされったッス~!!」

トップスピード「やっべ!遠くに行っちまったよ」

リップル「追おう」

人のいない山々で鍛錬していたのが功を奏して、ガーゴイルの飛ばされた先にも一般人はいなかった。
被害者の心配は無いが、周囲の反応も無いため二人にはガーゴイルを発見する術も無かった。


ガーゴイル「う~、痛いッス。ボロボロッス」

ソラ「物の見事にやられちゃったね。タケヒトくん」

ガーゴイル「あ!グリムリン、あの魔法少女達はかなり手強いッス」

ソラ「そうみたいだね。ねえ、彼女達に勝ちたいなら良いアイディアがあるんだけど知りたい?」

ガーゴイル「知りたいッス!教えてほしいッス!」

ソラ「それなら場所を変えよう。ここにいたら魔法少女達に見つかるかもしれないからね」

ガーゴイル「分かったッス。移動するッス~」


――――


リップル「ちっ、見失った」

トップスピード「あ~、わりいわりい。俺がぶっとばしちまったせいだな」

リップル「そんな事ない。どの道、私の攻撃だけじゃどうしようも無かったから」

トップスピード「お、励ましてくれんのか?嬉しいなぁ~」

リップル「……調子に乗って」

どこかの廃墟


ガーゴイルは手術用のベッドで寝かされていた。
手足は特殊な拘束具によって完全に固定されている。
周囲には怪しげな機械が多数設置されており悪魔の実験が開始されていた。


ファズ「よぉし、始めようか」

ガーゴイル「ひぎゃああああああああッッッッ!!!!」

ファズ「まずは貴様のエネルギーを吸い取る。抜いた過剰なエネルギーの逃げ道はケルベロスへ送り込む」

ファズ「力を極限まで弱めた状態で、彼の遺伝子を操作して二度とファントムの力が取り戻せない体質に変化させる」

ガーゴイル「ぐっがががぁ、ぎぎっぎぎい、ごがぁあーーッ!!」

ソラ「うわあ~苦しそう♪」

ガーゴイル「な、なんで……?」

ソラ「ん?」

ガーゴイル「なんで……こ、んな……酷い、ことを、するん……ッスか?」

ソラ「ごめんね~タケヒト君、これも僕の願いを叶える為なんだ。だから諦めて受け入れてよ」

ガーゴイル「そ、んな……おれた…ち……なか、まじゃ……無かっ、たん、っすか…?」

ソラ「ウフフフ……君達ファントムとなんて、初めから仲間とは思ってないよ」

ガーゴイル「ううっ……ぐ、がぁああぎぃいいいッ!!……げはっ……」


ソラの笑みが消えて冷たく言い放つ、その同胞の姿に絶望したガーゴイルは
実験によるダメージの限界を超え、血を吐いて絶命した。


ファズ「ん?間違ったかな?」

ソラ「ほんとに成功するの?その実験」

ファズ「心配するな。あと数体のファントムを犠牲にすれば確実に上手く行く」

ファズ「それよりも、この実験をワイズマンの奴に悟られて妨害されないようにする事を考えろ」

ソラ「その点は大丈夫だよ。ワイズマンには別の事で警戒せざるを得ない状況を作るからさ」

ファントムのアジト


ファズの最初の実験が終わり、ファントム達のアジトへ帰ってきたソラは地下奥深くへと進んだ。
そこはワイズマンの許可無く侵入する事は許されない場所である。
長い階段を降りて扉を開けた、そこには一つの棺があった。


ソラ「ウフフフ、さぁ目覚めの時だよ」


棺の封印が解除され、眠っていた人物が目を覚ました。
彼は強大な力を保有しておきながら、底知れぬ野心を秘めており
ワイズマンにとって手に余るその存在は障害になると判断し、長きに渡る封印を施した。


その人物の名は――――剣聖ビルゲニアである。


ソラ「おはよう、クラモチさん」

ビルゲニア「私の封印を解いた、という事はワイズマンもよっぽど追い込まれている現状かな?」

ソラ「ああ、違うよ。クラモチさんの封印を解いたのは僕の独断なんだ」

ビルゲニア「ほう、面白い。説明してもらおう」

ソラ「うん、それはね……」


ワイズマン、ファズ、ソラ、そしてビルゲニア
魔法少女達の知らない場所で様々な思惑が交差していく。

今回はここまで
エキサイティング!のファントムは出ません
悪役たちが足を引っ張り合ったのが原因で主役に倒されるのは特撮でよくある話です

ビルゲニアが復活し、ファントム達の前に姿を現した。
招かれざるその存在に洞窟内にざわめきが広がった。


ビルゲニア「久しぶりですなぁ。ワイズマン、元気そうで何よりだ」

ワイズマン「こいつを蘇らせたのは誰だ?」

ソラ「ハロー、僕だよ♪」

メデューサ「グレムリン……覚悟は出来てるんでしょうね?」

ワイズマン「貴様は勝手な行動が目立つな」

ソラ「うぐっ……」

ワイズマン「このまま始末してくれようか」


ワイズマンの魔法によって出現した鎖がソラの体を締め上げる。
更に電撃の魔法を繰り出しソラを苦しめる。
その時、ビルゲニアが横から入り、ビルセイバーを振るって鎖を切り落とした。


ビルゲニア「今はファントム同士で憎み合っている場合ではない。それはワイズマンも理解している筈では?」

ワイズマン「何?」

ビルゲニア「この状況の中で権力争いにかまける程、私も愚かでは無いという事ですよ」

ビルゲニア「あのフェニックスも敗れる程の魔法少女達の存在、捨て置く訳には行かない」

ビルゲニア「そこでグレムリンは私の助力が必要だと考え、命令違反なのを承知で私を開放したのだ」

ビルゲニア「自らが処刑される覚悟でファントムの為に行動する。見上げた忠誠心ではありませんか」

リブラ「あいつは、グレムリンはそんな殊勝な男では無い!!」

リブラ「ワイズマン様!私に魔法少女討伐の許可を、ビルゲニアの力など必要ない事を証明してみせます!」

ワイズマン「そうか。ならば君に任せるとしよう、リブラよ」

ビルゲニア「ではでは、お手並み拝見といきましょうか。報告を期待しているよ」

リブラ「では行って参ります。ワイズマン様の期待に答えて見せましょう。星に願いを」

――――


ワイズマン「……なぜ、私の傍で待機している?ビルゲニア」

ビルゲニア「いつワイズマンの元に魔法少女達が襲撃に来るかも分からない。護衛がいた方が良いと思いましてな」

メデューサ「ワイズマン様は私が命に代えても守る。お前は必要無い」

ビルゲニア「それにワイズマンは私の事をいまいち信用なされていない様子」

ビルゲニア「それなら、不穏な動きを取らせない様、目の届く場所に置いた方が安心できるという物ではありませんか?」

ワイズマン「いいだろう。今は貴様のその言葉を信用してやる」

ワイズマン(ビルゲニアの野心は知っている。ファントムの王となるべく私の命を狙っているのは諦めていない筈だ)

ワイズマン(何か不穏なそぶりを見せた時、即始末すれば問題は無かろう)

ビルゲニア「その信用が長く続くように努力いたしましょう」

ビルゲニア(ワイズマンは自らの目的の為にファントム達を捨て駒にする算段だとグレムリンは言っていたな)

ビルゲニア(そのワイズマンに対抗できる唯一の戦力が私だと伝え、奴の監視を頼まれた)

ビルゲニア(ワイズマンがファントムを裏切るなら丁度いい。私が堂々と引導を渡してやろうではないか)

ビルゲニア「所でメデューサ、リブラの言っていた『星に願いを』とはどういう意味だ?」

メデューサ「……知らない」

――――


ソラ「ちょっと危険な賭けだったけど上手く行ったみたいだね」

ソラ「これでワイズマンはビルゲニアに警戒せざるを得なくなる」

ソラ「ファズの研究の妨害を受ける可能性は極力下がったよね」


その頃、華乃の通う学校では


速水「ふっふっふっ……私が新たに会得した魔法、ラプラスの瞳を使う時が来た」

速水「これは魔法少女に変身できる力を持った一般人を見つけられる魔法なのだ」

速水「過去にゲートを狙った時の魔法少女の出現の速さを考えると、この学校の人間の可能性が高い」

速水「まずは1つずつ、クラスを覗いて行くとしよう」


――――


速水(……このクラスもハズレ、なかなか見つからない物だな)

速水(ん?ここは前に襲ったゲートがいるクラスか)

烏丸先生「これでホームルームは終わりだ。お前ら気を付けて帰れよ」

カレン「提督、お疲れ様デース!!」

華乃(さて、帰るか)

こけし「華乃さん、帰りに一緒にお店に行きませんか?」

華乃「悪い、今日はバイトの日なんだ」

ココア「どこでバイトしてるの?」

華乃「……秘密、じゃあね」

陽子「おつかれー♪」

和菓子「ま、まさか華乃さんのバイトっていかがわしいお店なんじゃ……」

綾「何言ってるのよ千夜ったら、そんな訳無いでしょう」

アリス「ねー、シノは華乃さんをどこのお店に誘うとしたの?」

こけし「『フルール・ド・ラパン』というお店ですよ。実は割引チケットを沢山貰ったのです」

和菓子「あら、そこは私の親友が働いてるお店だわ」

ココア「美味しいハープティーが沢山あってとっても素敵なお店だよ」

カレン「オゥ!雑誌で紹介されているのを見た事あるデース!」

こけし「華乃さんが来ないのなら割引チケットが一枚余りますね……」

カレン「そうだ!ヘイ、鬼島ー!!」

鬼島「アタシに何かご用で?」

カレン「鬼島も一緒に行こうデース」

鬼島「そうだねぇ。気分転換にもなるしアタシもご一緒させてもらいましょう」

カレン「ヤッター」

――――


速水(まさか、細波華乃という生徒がくノ一の魔法少女だったとは、思わず声を出してしまう所だった……)

速水(今ここで襲撃すると騒ぎになり、また魔女の魔法少女が邪魔しに来る可能性がある)

速水(ここは人の少なくなった機会を狙って命を奪うとしよう)

速水(戦いとは冷静な判断力を持っている者こそが勝利を掴めるという物だ)


フルール・ド・ラパン


陽子「おー、オシャレなお店じゃん」

綾「本当、素敵ね~」

シャロ「いらっしゃいませお客様」

こけし「金髪ぅーーーーッ!!!!」

シャロ「お、お客様ーー!?」

アリス「もうシノったら金髪を見るとすぐこれなんだから」

華乃「何かあったかシャロ?……って皆!?」

華乃(み、見られた……恥ずかしいから秘密にしてたのに……)

カレン「華乃ー!メイド姿がとっても似合うデース!」

ココア「うん、すっごく可愛い!!」

鬼島「アッハッハッハwwwアタシを笑わせるとは、華乃もなかなかやるねぇ」

華乃「…………」イラッ

和菓子「違うのよ華乃さん、鬼島さんは馬鹿にしてる訳じゃなくて笑顔になるほど綺麗って言いたいのよ」

鬼島「そうそう。普段のイメージからは想像も付かないほど綺麗な格好をしてたからさ……ぶははは!!」

華乃(……後で鬼島絞めよう)

ソラ「友達の言う通り、君の格好はとってもよく似合ってるよ」

華乃(誰こいつ?)

ソラ「初めまして、華乃ちゃん♪」

華乃(こいつ、私の名前を知って……)

カレン「二人は知り合いデスかー?」

ソラ「うーん、華乃ちゃんの身内の知り合いって所かな」

女性店員「キャー!ソラさん来てくれたんだー!」

ソラ「ハロ~♪この前、お店に来てくれた時に割引チケットくれたからね」

ソラ「それにしてもここの制服可愛いね。僕は白い服が大好きだから気に入ったよ」

女性店員「そうなんですよ~。私もこの制服が好きでここでバイトしてるんですよ~」

華乃(この男、怪しい……)

――――


陽子「ここのお菓子美味いな~」

綾「ハーブティーも良い香りで頭がすっきりしたわ」

こけし「はぁはぁ……その金髪モフモフしていいですかぁ?」

シャロ「ココアーー!彼女を何とかしなさいよーー!」

ココア「シノちゃんは金髪が大好きなんだよ」


美味しいお菓子とハーブティーにクラスメイト達は舌鼓を打ち
談笑をしばらく楽しんだ彼女達は華乃に別れの言葉を残して解散した。


華乃(もう少しで今日の仕事も終わり、あと一踏ん張りだ)

ソラ「ねえ、華乃ちゃん」

華乃「ご注文ですか?」

ソラ「そう警戒しないで、これ受け取って」


ソラがにっこりと華乃に微笑みながら名刺を差し出す。
どうやら彼は美容師らしい。


ソラ「今度、僕のお店に来てよ。安くするからさ。君の髪をもっと綺麗にしてあげる」


そう言ってソラは会計を済ませて店から出て行った。


女性店員「彼って素敵でしょ~、でも惚れない方が良いよ。ライバル多いからね」

華乃「あんたも好きなの?」

女性店員「キャー!分かる~?もしソラさんの彼女になれたら私死んでもいい!なんちゃって」

シャロ(私はリゼ先輩と……はっ!何考えてるのよ私ーーッ!!)

――――


華乃(今夜も魔法少女の仕事があるしさっさと帰って休まなきゃ)


バイトも終わり、店から出た華乃は自宅へと向かっていた。
その彼女の背後へ迫る敵の影がいた。


リブラ(ここなら人通りも少ない。やるなら今だ。死ねぇ!!)

華乃「ッ!?」


物音が気づいた時にはもう遅い。
リブラの錫杖が華乃の目の前に迫り、変身する時間が無かった。


ソラ「危ない!!」

華乃「あんたは!?」

リブラ「何ッ!?」


寸前でソラに突き飛ばされた事で華乃はリブラの錫杖の攻撃から外れた。
しかし庇った事でソラの腕が傷ついて血が流れる。


リブラ「ええい!!何をしているグレムリン、裏切ったか!?」

ソラ「彼女は……殺させないよ。誰にもね……」

華乃「グレムリン?あんた、ファントムか?」

リブラ「ファントムが魔法少女を庇うとは……罪が重いぞ。どけぇ!!」

ソラ「うわあああ!!」


リブラの攻撃を受けたソラの体は吹き飛ばされ、川へと転落していった。
思わぬ妨害に余計な時間を取られたリブラだったが頭を切り替えて、再び華乃へ狙いを定める。
華乃の姿は既にいなかった。リブラの目の前には変身を済ませた魔法少女、リップルが立っていた。

リブラ「しまった、既に変身済か!!」

リップル「お前は……あの時のファントム」


リップルの心は怒りに震えていた。
大切なクラスメイトの命を奪おうとしたファントム。
地面を蹴ってリブラへと斬りかかる。
日本刀の一撃は錫杖で防がれるも、意に介さず攻撃を繰り返した。


リップルはそれほど筋力を持った魔法少女ではない。
パワーよりスピード、一撃必殺よりも手数を駆使した攻撃を得意とする。
リブラを翻弄するように動き回りながら上下左右、様々な方向へ斬撃を繰り返した。


リブラ(馬鹿な……前に戦った時は、一対一では私が上手だった筈だ)

リップル「二度とゲートを狙わせない、覚悟しろぉ!!」

リブラ(人間を守ろうとする一心で成長したか。厄介だな)

リブラ「ここは引かせてもらおう。次こそ貴様の命を頂く」

リップル「待て!!ちっ、逃げられた」


リブラの幻影魔法がリップルを包み込み、晴れた時には本体の姿はどこかへと行ってしまった。


リップル(そうだ、あいつは……!?)


グレムリンと呼ばれるファントムは川へと落ちたきり、浮かんでこない。
まさか溺れたのでは?とリップルの脳裏に不安がよぎる。
ファントムだというのが本当なら助けるべきではない。
でもなぜ自分を助けたのか、彼は本当にファントムなのか?
そんな不安で胸が一杯になったリップルは川へ飛び込まずにはいられなかった。

――――


ソラ「ん……君が僕を助けてくれたのかい?」

リップル「……さぁ」

ソラ「あっ!!帽子が無い!!僕の大事な……っつ!」

リップル「大丈夫か?」

ソラ「良いのかい?魔法少女がファントムなんか助けてさ」

リップル「どうして私を助けた?それが知りたかっただけ」

ソラ「女の子を助けるのに理由がいるのかな」

リップル「ふざけてるのか?」

ソラ「魔法少女達とお話したかったからさ。だから今死んでほしく無かったんだ」

リップル「ファントムなんかと話す事は無い」

ソラ「ウフフフ、前にケイネスと会った時もそう言われて追い出されたよ」

ソラ「だからファントムとしてじゃなく人間としてお話したかったんだけどなぁ」

リップル「なんで魔法少女と話したがってるんだ?」

ソラ「僕は他のファントムと違って人間の心が残ったまま生まれたんだ。だから魔法少女達と仲良くなれると思ってね」

ソラ「それでお話しして、お互い理解し合えれば戦わなくて済むかなって」

リップル「人間の心が残ってる?」

ソラ「嘘じゃないよ。今でも美容師として働いているし人間としての生活を続けてるんだよ」


リップル「……なんでお前たちはファントムを増やしている?世界征服でも企んでいるのか?」

ソラ「もう一度サバトを開く、日食の日しか開けないサバトをファントムの魔力を集めて無理やり開くのさ」

リップル「そんな事、絶対させない!コヨミのような犠牲者を出させない!」

ソラ「コヨミ?ああ、ケイネスの傍にいた魔力で動くお人形さんか」

リップル「コヨミは人形じゃない。人間だ!コヨミはファントムを産んで抜け殻になったゲートだと言っていた!」

ソラ「それは変だねぇ。ファントムを産んで体が残るなんてありえないよ」

リップル「何?」

ソラ「まあ、いずれ分かる事さ」

リップル「……あんたはこれからもファントムとして人を襲うのか」

ソラ「だからファントムじゃないってば 僕はソラ、今も昔も、そしてこれからもね」

リップル「答えになってない」

ソラ「はっきりしてるのは僕は君達魔法少女と同じく、人の心を持ってる……それだけさ」

ソラ「楽しかったよ。じゃあね」

リップル(……あいつの言ってる事は嘘だとは思えない、だけど信用していいのかも分からない)

リップル(一つだけ確信が持てるのは、あいつは他のファントムとは何かが決定的に違う)

リップル(あいつの本音を全て知り得るまで慎重に対処しなければ……)

今回はここまで
ファントムの襲撃からリップルを助けるなんてソラって本当は良い人なのかな?

ファズのラボ


ソラ「ねえファズ」

ファズ「……なんだ?」

マンティコア「うぎゃああああああああーーーー!!!!」

ソラ「華乃ちゃんの事をもっと教えてよ」

ファズ「なぜそんな事を知りたがる……この臓器は慎重に切除して止血するっと……」

マンティコア「あががががぁーーーーー!!」

ソラ「僕ね……華乃ちゃんの事、好きになったかも♪」

マンティコア「」

ファズ「好きになっただと!?……実験体がくたばったか。良い線まで進んだが」

ソラ「だって華乃ちゃんって僕がファントムであるのを知ってて助けてくれた優しい子なんだよ」

ソラ「この高鳴る感情、まさに恋って奴だよ」ゾクゾク

ファズ「なら私が知っている情報を教えてやろう」

ソラ「ウフフフ……ありがとうファズ、はぁはぁ……」

ファズ(こいつ、なんか危ないクスリでもキメてるんじゃないのか?)

ファントムのアジト


ビルゲニア「おやおや、魔法少女を倒してみせると粋がっていた割りにこの結果とはな」

リブラ「一体どういうつもりだ!?グレムリンが私の妨害をするとは、ビルゲニアの策略か?」

ビルゲニア「ん?そんな命令はだしておらん。何があったか言ってみろ」

リブラ「私が魔法少女を追い詰めた所で奴が現れて魔法少女を庇ったのだ」

リブラ「そのせいで私は千載一遇のチャンスをふいにされてしまった」

メデューサ「分かったわ。貴方は引き続き任務を継続しなさい」

リブラ「……了解した」スタスタ

メデューサ「グレムリンの行動に何か心当たりはあるかしら?ビルゲニア」

ビルゲニア「さあ、知らんな」

メデューサ「一体何を企んでいる……グレムリン」

――――


リブラ(やはり腹の虫が収まらない)

リブラ(グレムリンを追跡して何か弱みを握ってやらねば)

リブラ(私の邪魔をした罪の重さ、思い知らせてやる)

リブラ(それにしてもワータイガーと共にこんな寂れた場所まで移動して何をしているのだ?)


ファズのラボ


ソラ「ようこそイカワくん、ファズのラボへ」

ワータイガー「無駄話はいい。魔法少女達に勝つ作戦とやらをさっさと話してもらおうか」

ソラ「ウフフフ、その前に君には実験体になってもらうよ」

ケルベロス「ぐるるるる!!」

ワータイガー「なんだこいつは!?ぐほっ」

ファズ「さぁケルベロスにソラよ。奴を実験用のベッドに寝かせて拘束するのだ!」

ソラ「りょ~かい♪」

ワータイガー「貴様ら、何のつもりだ!!」

ソラ「ごめんねぇ。魔法少女達に勝つ作戦を教えるってのは嘘、本当は君をここに招き入れたかっただけなんだ」

ワータイガー「おのれぇ!!俺を騙していたのかァーー!!」

ファズ「さっさと実験を始めるとしよう」

ワータイガー「許さん……絶対に貴様らをゆるさ ぐぎぎ、ぎぎゃああああァーーーー!!」

――――


リブラ(恐ろしい事実を知ってしまった)

リブラ(すぐにワイズマン様に伝えなければ)パキ

ファズ「ん?」

ソラ「おや?」


リブラが後ろへと一歩下がった拍子に瓦礫の一部を踏んづけた。
運悪く、その音が悪魔の実験を繰り返している連中に感づかれた。


リブラ(気付かれた、気付かれた、気付かれた!!)


リブラは全力で走った。
戦っても勝ち目は無い、捕まったら殺される、と本能が危険信号を最大にして告げていた。
背後の様子を確認する余裕は無い。
ひたすら前のみに視線を向けて逃げた。
足元に何かが入り込み、リブラは受け身も取れずにぶざまに転がった。


リブラ「うぐ、ああ……」

ソラ「覗き見なんて趣味悪いよ。ハヤミ」

リブラ「来るな、近づくなァー!!」

ソラ「その怯えよう、やっぱり見っちゃったんだ。なら逃がす訳には行かないね」

リブラ「はぁ……はぁ……うわああああああ!!」

ソラ「僕と戦うつもり?良いよ。相手してあげる」

――――


ソラ「ただいま」

リブラ「ぐぐっ……」

ファズ「帰ってきたか。そいつは生きているようだな」

ソラ「殺したら実験体にならないからね」

ファズ「こっちは丁度実験が終わった所だよ。惜しい所まで行ったが失敗だ」

ソラ「じゃあ、早速ハヤミを使おうよ」

ファズ「うむ、ファントムが一人で追跡に来るとは鴨にネギだよ」


――――


速水「うう、ぐっ、はぁはぁ……」

ファズ「実験は成功だ!!流石偉大なる天才科学者よ。己をひたすら称えたい気分だよ」

ソラ「へぇ~。半信半疑だったけど本当に成功しちゃうなんて凄いんだね♪」

ファズ「もっと褒めてもいいぞ。後はそのミサと君の力を奪えば望みは叶うぞ」

ソラ「そうだけど、今のミサが僕の言う通りに来てくれるのは難しいと思うから」

ソラ「信用を取り戻す為の行動を見せなきゃね。それまで待っててよ」

ファズ「そうか」

ソラ「その前に、本当に実験が成功しているか確かめさせてね」

ファズ「私の腕を疑うのか」

ソラ「そうじゃないけど、万が一に力を取り戻して僕が返り討ちにされたらシャレにならないからね」

ソラ「念には念を入れないとね」


ラプチャーと呼ばれる双剣を持ったソラがゆっくりとリブラに近づく。
ファントムの力を奪われ、一般人同然の存在となった彼には抵抗する術がない。


速水「うわあああああ!!やめてくれェーーーー!!」

ソラ「苦痛によるショックでファントムの力が戻るかどうか試させてね。ハヤミ♪」


ラプチャーがリブラの左手の甲を突き刺した。
苦痛に悶えるリブラをソラは笑いながら何度も体を突き刺した。
長く苦痛を与える為に、死なない程度に加減をして何度も何度も……




リブラの悲鳴は一日中続いた――。



次の日


ソラ「ハロ~、華乃ちゃん♪」

華乃「またお前か。何の用だ?」

ソラ「つれないなぁ。今日は僕のサロンへ華乃ちゃんを招待しようと思って声をかけたんだ」

華乃「興味無い」

ソラ「僕が美容師なの知ってるよね?だから僕が人間らしく生きている事を見せたくてさ」

ソラ「美容師としての腕なら自信はあるし、もちろんタダだよ。僕の気持ちだと思って来てほしいんだ」

華乃「悪いけど魔法少女としての仕事があるから」

ソラ「そうなんだ……華乃ちゃんとなら僕と仲良くしてくれると思って誘ったんだけどな……」


陽気な笑顔を見せていたソラの表情が暗くなる。
まるで飼い主に捨てられた子犬のような寂しさを感じさせる悲しい表情を見せる。
罪悪感に胸が痛んだ華乃は、少しの間だけなら付き合ってもいいと考え直し
ソラに話しかけようとした所で、腹部に激痛が走った。


華乃「なっ……!?」

ソラ「ごめんね。華乃ちゃん、どうしても連れて行きたかったんだ」


華乃の意識が闇に沈んでいく。
ソラの顔はいつも通りの陽気な表情を浮かべていた。


ソラ「だってさ……白い服を着て、あんな綺麗な長い黒髪を見せられたらさ……」

ソラ「僕はもう、これ以上は我慢できそうに無いんだよね。ウフフフ、ウフフフフフ♪」


華乃の黒髪を手で絡める様に触れながら、ソラは華乃を抱えてサロンへ運んでいった。
過去に沢山の彼女を連れて行き、命を奪っていった処刑場とも言えるその場所へ。

今回はここまで
次は対ソラ戦です。負けたらリップルがR18Gな事されそうで興奮する

ソラのサロン


華乃「……ううっ」

照明の光に照らされて華乃が目を覚ます。
簡素な固いベッドで寝かされてるのを理解し、起き上がろうとするが身体が動かない。
ベッドの四隅に手錠のような物が設置されており
華乃の手足はガッチリと固定されていた。


ソラ「起きたんだね。どう?素敵なサロンでしょ?」


四方を赤いカーテンで覆い、様々なオプジェが設置された部屋。
幻想的とも言える雰囲気を醸し出しているが
華乃にとっては、まるで悪魔の儀式に使われる祭壇のような不気味な空間としか思えなかった。


華乃「早くこれを外せッ!!」

ソラ「でも一番素敵なのは君の服装だよ。華乃ちゃん♪」


自分の格好を見て華乃は驚愕する。
学校の制服を着ていた筈の服装が白いワンピースに替えられていたのだから。


ソラ「やっぱりこの格好が似合うと思ったんだ。素材を生かしたシンプルな服装が清涼感あって素敵だ」

華乃「……まさか、私が意識を失っている間に……」

ソラ「うん!着替えさせてもらったよ。とっても綺麗なお肌だったよ」

華乃「きさまぁっ!!」

華乃の姿が変わり魔法少女リップルに変身する。
力を込めて抜け出そうとするが拘束具はビクともしない。


ソラ「あらら、服装が変わっちゃった。似合ってたのに、でもこの格好もなかなかキュートだよ」

リップル「ちっ、外せない」

ソラ「ウフフフ、そのベッドはね。有志の方に譲り受けた道具なんだ」

ソラ「例えファントムの力でも抜け出すのは不可能さ。外すにはこの装置にある赤いスイッチを押さないとね」

リップル(……それなら何か道具さえ投げればスイッチに命中させて外す事が出来る。何か無いか!)

ソラ「まだ諦めてない表情だね。そうこなくっちゃ、簡単に折れちゃ面白くないからね」


辺りを見渡すも手足が固定されてる状況では、手元に物を寄せる事が出来ない。
脱出を試みるリップルへとソラはゆっくり歩み寄り、手裏剣の形をした髪飾りを奪い取る。
結ばれた黒髪が解け、軽く一房作って掴んだソラはさわさわと黒髪の感触を楽しむ。


ソラ「こうした方が僕の好みだなぁ。あぁ~いい香りだ」

リップル「……ッ!?このっ変態がぁ!!」

ソラ「あははっ、それってご褒美かな?ぞくぞくしちゃう」


懐から鋏を取り出し、刃の輝きをリップルに見せつけるように近づけた。
リップルの視線が鋏へ向けられるのを楽しみながら一房に纏められた髪へと運び
無造作にバッサリと切り落とした。

――――


トップスピード(おかしいぜ……待ち合わせ場所にリップルが現れないし連絡も取れやしない)

トップスピード「おい、ファズ!!」

ファズ「なんだぽん?」

トップスピード「リップルの居場所を教えろ!!今すぐにっ!!」

ファズ(ここで非協力的な意見を言うと、後々良からぬ疑いをかけられるかもしれん。ここは従うとしよう)

ファズ「分かったぽん。今送ったデータの場所にリップルのマジカルフォンがあるぽん」

トップスピード「恩に着るぜファズ。じゃあな!」

ファズ(この後はソラ自身が上手くやるだろう……多分)

――――


リップル「……っ!」

リップル(こいつは私を徹底的に苦しめてから殺す気だ)

リップル(ただ殺すだけなら、こんな周りくどい真似何かしない)

ソラ「いいねぇ~。命を奪われる恐怖を必死に押し殺しながら耐えるその表情、苦痛で歪ませたくなるよぉ」

ソラ「安心していいよ。君はすぐには殺さないから、初めて出来た魔法少女の彼女だからね。じっくり丁寧に愛してあげる

リップル「いつ私がお前の彼女になった?」

ソラ「冷たいなぁリップルちゃん。僕達似た者同士なのにさ」

リップル「似ている?」

ソラ「だって君と君のお母さんはお父さんに捨てられたんだよね?」

リップル(あいつ、私の過去を知っているのか?)

ソラ「君が捨てられたように、僕も捨てられたんだ……大切な人にね」

ソラ「けど僕は捨てられたりしない……捨てるのは僕の方だ」

ソラ「丁度いい~君が死ねばミサちゃんを誘い出すための信用も得られて一石二鳥だからさぁ」

――――


リップル「……っ!」

リップル(こいつは私を徹底的に苦しめてから殺す気だ)

リップル(ただ殺すだけなら、こんな周りくどい真似何かしない)

ソラ「いいねぇ~。命を奪われる恐怖を必死に押し殺しながら耐えるその表情、苦痛で歪ませたくなるよぉ」

ソラ「安心していいよ。君はすぐには殺さないから、初めて出来た魔法少女の彼女だからね。じっくり丁寧に愛してあげる

リップル「いつ私がお前の彼女になった?」

ソラ「冷たいなぁリップルちゃん。僕達似た者同士なのにさ」

リップル「似ている?」

ソラ「だって君と君のお母さんはお父さんに捨てられたんだよね?」

リップル(あいつ、私の過去を知っているのか?)

ソラ「君が捨てられたように、僕も捨てられたんだ……大切な人にね」

ソラ「けど僕は捨てられたりしない……捨てるのは僕の方だ」

ソラ「丁度いい~君が死ねばミサちゃんを誘い出すための信用も得られて一石二鳥だからさぁ」

帽子を脱いだソラの表情には笑顔が消え、獲物を狙う肉食獣の様な鋭い目付きへと変わる。
荒々しい息遣いとなり、リップルの頬へ手を伸ばした。


リップル「触るな……」

ソラ「最初は服装が変わって残念だと思ったけど……よく考えたらさ」

ソラ「人間時の華乃ちゃんと魔法少女になったリップルちゃんの二つの肉体を味わえるって事だよね」

ソラ「それってとってもお得だよねぇ。僕はやっぱりついてるなぁ」


髪の先から足のつま先まで舐めるように見つめるソラの視線が
リップルに羞恥心と恐怖心を植え付けていく。


リップル「……っ!?」


ソラの下半身の変化に気付いたリップルは小さな悲鳴が無意識の内に声に出てしまう。
下腹部からはズボン越しからでもくっきりと形が分かる程に
男のソレがそそり立っていた。


リップルが自身の下半身を見て怯えたのに気づくと
ソラはくくっと嘲笑い彼女の躰を撫で回す。
殺人衝動と性欲が混ざり合ったドス黒い欲望をリップルで発散出来ると考えただけで
彼の怒張は収まりそうにない。

ソラ「これだけ挑発的な格好をしている割りに男性経験は全く無かったのかな?」

ソラ「それともアレかな?本当はこういう事されたかったりとか?」

リップル「嫌っ!!」


ソラの手が彼女の豊満な胸を鷲掴む。
恐怖で身がびくんっと震え上がり、ソラの手から逃れようと身体を横に振った。
カチャカチャと拘束具の音が響くだけのささやかな抵抗もお構いなしに
ビキニの中まで指を忍び込ませていく。
ごつごつとした手の感触が、男に触れられているのを否応にも感じさせられ
抵抗も出来ずに男に身体を弄ばれて、悔しさの余り涙が溢れてきた。


リップル「ううっ、ぐすっ……」

ソラ「泣いちゃった。本当に未経験だったんだね。かわいいなぁリップルちゃん」

ソラ「僕が初めての男になるんだ。すごくそそられるよ」


ソラは大量の涙でぐしょぐしょに濡れたリップルの顔を優しく拭い。
両手で顔を押さえつけて、ソラの唇とリップルの唇を重ね合わせた。


リップル「っんん!!??」

リップル(そんな、無理やり……私の初めてのキスが、こんな男に……)


リップルの唇にむしゃぶりつくソラに恐怖し、目を閉じて身を縮みこませて
ソラの行為から逃れようとするも顔ががっちりと押さえつけられ固定されている。


リップル(ううう……いやぁ……)

リップル「っ!??」


気持ちの悪い何かが、唇の間を割って侵入してきた。
にゅるりとした、熱く長いモノが口内を這いずり回る。
これは、まさか……。


リップル「んっーー!!!!んん~~~~!!!!」


それがソラの舌だと気付いた時、私は必死に叫ぼうとして呻き声をあげた。
抵抗になる所かソラの情欲をただ掻き立てるだけの行為にしかならず
更に口内を蹂躙していく。

ソラの舌が、息が、唾液が、口内を汚していく。
男の味が体内まで浸み込まされていく。
私の舌とソラの舌がくっついて絡み合ってくる。


リップル(気持ち悪い、汚らしい、もう嫌だ……)

ソラ「はぁ……どうだった?初めてのキスの味は?」

リップル「…………」


不快感でしか無かった長い口付けが終わる。
威勢を張るだけの気力すら無かった。


ソラ「言葉にもならないほど嬉しかったみたいだね」

ソラ「じゃあ次はこっちの方も頂くよ」


ソラの手がスカートの中へと侵入してきた。
感触を楽しむ様に薄い布地を指で撫でくり回す。


リップル「……そこはっ!!いやあああ!!!!」

ソラ「その声、さいっこうだよぉ!!もっと絶望してよ。あっははははは!!」

リップル「やだぁ!やだよぉ!助けて、誰か助けてよっ!!!!」

ソラ「無駄だよ。いくら叫んでも助けなんて来ないんだからさぁ!!ひゃはははははっ!!」


絶対に弱音は吐かない。
そう貫いてきた意思がついに砕けた。
ファントムを討ち倒す強き魔法少女だったリップルは
恐怖に震え上がる、か弱き少女へと堕ちていった。


ソラ「さぁ、僕と一つになろうねリップルちゃん」

リップル(お願い、誰か……助けて……)


その時、恐怖に怯えるリップルの脳内に
相棒として共に活動していた魔法少女の姿が浮かび上がった。


リップル(トップスピード……トップスピード……)

リップル「助けてぇ!!!!トップスピィィドォーー!!!!」



リップルに支給されたマジックアイテム、ウサギの足が輝きを放った。
そして奇跡は叶った。


ソラ「だから無駄だって」

トップスピード「ここかぁっ!!!!」

ソラ「ぐあっ!?」


トップスピードの体当たりを受けてソラが吹き飛ばされる。
その隙にリップルの傍へ駆け寄った。


トップスピード「大丈夫かリップル!?」

リップル「……うん、あの赤いスイッチを押して」

トップスピード「これか」


赤いスイッチを押した途端、いくら引っ張っても外れなかった拘束具は呆気無く解除された。
自由の身になれた瞬間、リップルはトップスピードの胸に飛び込んで抱きついた。
その身体はガタガタと震えており、怯えた表情を見せていた。


リップル「……怖かった」

トップスピード「安心しな。俺が傍にいるよ」

ソラ「なんで……なんで僕の邪魔をするんだァーー!!?せっかく二人で愛し合っていたのにっ!!」

トップスピード「よくも俺の相棒を泣かしてくれたな。その落とし前はしっかり付けさせてもらうぜ」

ソラ「許さない。僕の邪魔をする奴は人間だろうが、ファントムだろうが、魔法少女だろうが、全て敵だッ!!」


ソラの姿が人間体からファントム体へと変化した。
連続殺人鬼ソラVS魔法少女の戦いが今始まる。

今回はここまで
途中二重投稿してしまった

リップル「うわああああああっ!!!!」


感情を爆発させたリップルが半狂乱じみた雄たけびをあげながら大量の飛び道具をソラへと投げつけた。
今までのソラの凶行からして彼の発言は全て有言実行で移す男であるのはその身で知った。
トップスピードを殺させまいとリップルは全身全霊を込めて戦いに挑んだ。


全ての飛び道具を双剣で叩き落としながら接近したソラの前蹴りがリップルの腹部に突き刺さりくの字に吹っ飛ぶ。
続いて横から放たれるミニ八卦炉の光線をくぐり抜けてトップスピードの顔面を斬りつける。


トップスピード「くぅっ!」

ソラ「君はいらない。死んでよ」

リップル「させないっ!!」

ソラ「そんな殺意剥き出しじゃせっかくの奇襲も通らないよ。はぁ!!」

リップル(おちゃらけた人間体だった癖に……速い)

ソラ「君は速さに自信があるようだけど、僕も結構速い方なんだよね」


ソラから繰り出される連撃にリップルは押し出され
廃墟の吹き抜けから一階へと落下していく。
受け身を取りながら移動してソラの追撃に備えると、ふと地面が柔らかくなった事に気付いた。


リップルのいる場所には一室分ほどのスペースのコンクリート部分が剥がされており
柔らかい土が露出していた。
土は僅かに盛り上がってる部分が数十ほどあり
落とし穴と呼ぶには浅いが、横になれば人間一人入りそうな穴が開いてある。

ソラ「気が早いね。君がここに来るのはまだ後だよ」

リップル「なんだこれは?」

ソラ「ここは、僕の彼女達のお墓さ」

リップル「……!?」


凝視してリップルは気付いた。
盛り上がった部分をよく見ると線香が立てられた跡がある事に。
そして一人分のスペースのある穴が掘られている意味に。


ソラ「僕は47人の彼女をここに捨てて埋めたんだ」

ソラ「リップルちゃん。君は48人目の彼女としてここに埋められるんだよ」

リップル「……やっぱり、ファントムは誰一人信用出来ないっ!」

ソラ「違うよ!僕はファントムじゃない!僕がこんな身体になる前から繰り返してきた行為なんだから!」

リップル「まさか、お前は……」

ソラ「そうさ。彼女を鋏で切って、刺して、突いて、殺して捨てた感触を初めて味わったのは僕がまだ人間だった頃さ」

ソラ「彼女の身体を鋏で切る度に幸福感が蘇って、僕の心が何も変わっていない人間だって実感できるんだよぉ~」

リップル「ここに埋められてる人全員にあんな酷い事を繰り返したのか!!」

ソラ「最初の彼女はそんな長くは無かったよ。何せ怒りに任せて鋏を振るったからね。すぐ死んじゃった」

ソラ「二人目の彼女はじっくり楽しみたいから手足をロープで縛って、ちょっとずつ切って時間かけて殺したなぁ。三人目は」

リップル「もういい黙れ、お前はこの場で殺す」

ソラ「ああ、僕も早く君を切り刻みたくてウズウズしてるんだ」

トップスピード「このっ!」

ソラ「おっと」

リップル(壁をすり抜けた。それがあいつの魔法か……すると!?)

トップスピード「つう!」

リップル「このぉぉっ!」


壁から出現したソラがトップスピードの背中を切り裂く。
相棒が傷つけられ怒りに任せてリップルが飛びかかる。
その攻撃をソラは予測していた。
双剣を使い右手の剣で小太刀を弾いて、左手の剣でリップルの腹部を突き刺した。


リップル「……ごぼっ」

トップスピード「リップルぅぅ!!」

ソラ「くっははははは、直情的なのは良くないよリップルちゃん」

リップル「ひぐっ、うあああああああ!!」


腹部に刺さってない方の剣を使ってソラはリップルの左目を抉り出した。
リップルの悲鳴を子守唄のように心地よく聞きながら目玉を引き千切って宝石の様に見つめた。

トップスピード「やめろぉぉぉぉ!!」

ソラ「邪魔だよ」

トップスピード「ああっ!……くっそぉぉ!!」

ソラ「ほらほらちゃんと狙って」


小太刀を拾い上げて走るトップスピードの攻撃を避けて
リップルとお揃いにしてあげると言わんばかりに右目を突き刺して抉った。
それでも攻撃の手を緩めないトップスピードがミニ八卦炉で光線を放つも避けられる。

その攻防の間に剣が突き刺さったままのリップルが起き上がって何かを投げつけた。
それは、叩き落そうと振るった剣をすり抜けてソラの顔面に付着した。
投げた物は血だった。
彼女の体から流れる血を掌で受け止めてソラへ投げつけたのだ。


ソラ(なるほど、液体なら叩き落とせない、ぐあっ!)

リップル「うおおおっ!!」


視界を奪った隙を逃さずにソラへ体当たりをした。
両手にはクナイが握りしめられておりソラの腹部へ深く刺し込んだ。


リップル(チャンスは逃さない!!)


引き抜いたクナイでソラの首を切り裂く。
返り血がリップルの顔を紅く染める。
心臓へ突き刺そうと振り下ろしたクナイを掴まれた。


ソラ「――――ッ」


首が切れているので声を発していないが調子に乗るなと言わんばかりにリップルを睨んでいる。
クナイから手を離したリップルは急いでソラから距離を取った、それから一秒も経たない刹那の間に。
拘束でリップルの横を通り抜ける物体がソラに激突し、轟音が響き渡る。

ソラと衝突した者の正体はラビッドスワローに乗ったトップスピードだった。
タイミングを合わせてリップルが回避した所に、最大加速の体当たりをぶちかました。


トップスピード「ナイスだぜ。上手く良く避けてくれてさ」

リップル「……チームプレイの練習をしておいて正解だった」

トップスピードの必殺技を受けたソラは廃墟の壁を何度も何度もぶつかり
数百メートル離れた所でようやく止まった。


ソラ「ぐっ……がっ……」

リップル「ここで終わりにさせてもらう」

ソラ「……!?」


上空から声が聞こえて、ソラが見上げる。
そこには満月を背にラビッドスワローに乗ったトップスピードとリップルが見下ろしていた。
ソラを見下ろす二人の冷たい視線が、僕を捨てた彼女にとてもよく似ていた。


ソラ「僕を……そんな目で見るなぁぁぁぁ!!!!」

リップル「地獄へ落ちろ!!」


大量の手裏剣がソラへと降り注ぐ。
ダメージで体が動けず、叩き落せるような武器も無い現状でそれを防ぐ手立てが無かった。
まるでハリネズミの様に全身に刃が突き刺さる。


リップル「トップスピード、力を貸してくれ」

トップスピード「ああ、二人で決めようぜ」


二人でミニ八卦炉を掴み、魔力を限界まで注ぎ込んだ。
強力なエネルギーが夜空の星のように輝いた。




僕が捨てられる?


違う!僕がリップルちゃんを捨てるんだ!!


あれ?何で君がいるの?最初に捨てたのに……。


皆が集まってる……僕が捨てた47人の彼女が……。


そんな目で見ないでよ。しょうがないじゃないか……君達が僕を捨てようとしたんだから。


僕はただ愛して欲しかっただけなのに……それ以外なら何もいらなかったのに……。


寂しかったんだよ。悲しかったんだよ。だから僕は捨てるしか無かったんだ。


お墓を作ったんだよ。線香を立てて黙とうもしたんだよ。ちゃんと供養したんだから恨まないでよ。


君達一人一人の思い出は今でも覚えてるんだ。それだけ愛しているんだよ。


だから僕を虐めないでよ。君達の事は死んでも愛してあげるからさ


だから――――



ソラ「安心して殺されてくれよぉぉぉぉ!!!!」

トップスピード&リップル「「いっけぇぇぇぇっ!!!!」」


巨大な光線がソラの身体を包んで焼き焦がした。
ソラはリップル達とは違う者を見つめながら、ただ叫んでいた。

地面に降りた二人はソラの遺体を確認した。
黒焦げとなりピクリとも動かなくなっている。


トップスピード「終わったか……」

リップル「……これで、誰かがあいつに殺されることはもう無くなった」

トップスピード「行こうぜ。すっげーボロボロだぜお前」

リップル「お互いさまでしょ」

トップスピード「にひひ、そうだな」

リップル「ぐっ……あがっ……」


全身が炭化してもなお、起き上がったソラがリップルの首を締め上げる。
予想だにしていない状況にリップルもトップスピードも対応が遅れる。


ソラ「リップル、だけでも……死んで、もらうよ……ひゃはっ……はははははは……」


ザシュっと音が鳴りソラが崩れ落ちた。
背後には月霊髄液を操作したケイネスが呆れ顔をしながら立っていた。


ケイネス「全く、緊急連絡にも反応が無いから私、自らが様子を見に来てみればこうなっているとは……」

ケイネス「私の助力があれば、ここまで追い込まれる事は無かっただろうに」

リップル「…………」

トップスピード「おいしっかりしろ!!リップル、リップルーー!!」

ケイネス「……こいつら聞いとらんな」


塵となって消滅するソラを見て安心したリップルは蓄積した疲労により意識を手放す。
再び目が覚めた時には病室の中にいた。

魔法病院


リップル「ここは……」

井坂「ファントムとの戦いの後、貴女は意識を失っていたのですよ」

リップル「……そうか。トップスピードは?」

井坂「もちろん無事ですよ。貴女より早く退院出来ます」

リップル「良かった」

トップスピード「おいリップル!目を覚ましたか。いや~一時はどうなる事かと思ったよ」

井坂「念を押されましたからね。傷跡一つ残さずに治すようにと」

トップスピード「当然だ。こんな可愛い顔に傷なんて絶対付かせねえよ」

リップル「…………」

井坂「では、他の患者も診なくてはいけないので失礼します」

リップル「……ねえ、トップスピード。一つ頼みたいんだけど……」

トップスピード「ん?なんだ~?おっ」

リップル「今だけでいいから、抱きしめてほしい。強く……」ギュウ

トップスピード「いいぜ。俺の胸で良ければいつでも貸してあげるよ」ギュウ

リップル「……ありがとう。助けに来てくれて……」

トップスピード「当然さ。俺達、魔法少女だろ」


ソラを倒し、安心したせいか。
張り詰めていた緊張や不安が無くなった弾みで涙が溢れた。
恐怖に震える少女を抱きしめるトップスピードはまるで聖母の様な温かみを感じられた。

当病院内でリップル達と同じような時間帯で運び込まれた緊急患者がいた。
やっと検査が終わり、看護師に車椅子を押してもらいながら廊下へと移動した。


速水「…………」


彼こそファントムとしてリップル達と戦っていたリブラである。
全身が包帯に巻かれ、僅かに痙攣を繰り返し
焦点の合っていない瞳で遠くを眺め、唾液が垂れている。
ソラの拷問によって心身共に壊されていた。


医師A「あの患者か。例のファントム騒動の関係者というのは」

医師B「ああ、酷いもんだよ。脳神経がズタズタにやられている。一生あのまんまだそうだ」


病室へ戻る為に看護師が車椅子を押す。
カチャンと鉄格子の扉が閉まる。


速水「うわああああああああ!!!!助けてくれぇぇっ!!!!許してくれぇぇぇぇっっ!!!!」

看護師「落ち着いて!!大丈夫、大丈夫ですよ!!」


金属の音がソラの双剣の音と重なり、リブラの脳内でトラウマが蘇った。
彼は一生苦しむだろう。
ファントムとして死ぬことは無く、人間として一生苦しみ続けるのだ。
それが人間を絶望に落とそうとした罰なのかもしれない。

今回はここまで
原作でギャグみたいな死に方したリブラだが
このSSでは生存ルートです よかったよかった

ケイネスのアパート


ケイネス(さて、魔法少女達全員へ連絡も終わった……)

ケイネス(これで忌々しいファントム共との戦いも終わりになる)


少し前に遡る。
ケイネスの元に白い魔法使いからの連絡が入った。
内容はファントム達のアジトを見つけ出したという物。

ケイネスと白い魔法使いは議論の末に目的地へ全魔法少女を終結させ。
一斉に奇襲を仕掛けてアジトにいる全てのファントムを殲滅させる作戦で決まった。
今夜、その作戦が決行される事になる。


ケイネス(リップルとトップスピードの二名は治療中の為に今回は不参加だ)

ケイネス(引き換えにあのファントムを討伐したのだから十分な働きと言えよう)

ドサリ


ケイネス「何の音だ?」

コヨミ「うう……」

ケイネス「おいコヨミ!しっかりしろ!」

コヨミ「大丈夫……魔力不足でちょっと眩暈がしただけ……」

ケイネス「すぐに魔力を注ぐ」

コヨミ「はぁ……はぁ……」

ケイネス「何故だ?コヨミがの身体が回復しないぞ?」

コヨミ「休めば……きっとすぐに元気になるから……」

ケイネス「そんな蒼白した顔で言われても説得力など無いわ。おいファズ!!」

ファズ「何だぽん?」

ケイネス「白い魔法使いを呼んで来い!!大至急だ!!」

ファズ「分かったぽん」

ファズ(たかが人形が動かなくなった程度で狼狽えるとは大げさな奴め)

ファズ(それにしてもグレムリンの奴、糞の役にも立たなかったな)

ファズ(所詮ファントムはファントム、サバトの副産物で生まれる残りカスに過ぎなかったという事か)

しばらくして……


白い魔法使い「これで大丈夫だ。しばらく安静にしていれば問題無い」

ケイネス「熱も呼吸も安定している。そのようだな」

コヨミ「ご飯の支度……しないと……」

ケイネス「いいから寝ていろ。食事は出前を取れば問題無い」

コヨミ「それと洗濯物も干さないと……」

ケイネス「……私が全部やっておく」

白い魔法使い(いよいよか……私の悲願が果たされる時が近づいてきた……)





白い魔法使い「よくぞ皆、集まってくれた。助力を感謝する」

スノーホワイト「この先にファントムがいるんですね?」

白い魔法使い「ああ、奴らは奥にある洞窟を根城にしている」

ラ・ピュセル「洞窟内にいるファントムを一掃すればこの戦いに決着が付く……」

アリス「必ず勝ちましょう」


ルーラ「よくお聞き、私達チームが一丸となって行動すれば勝利は必然よ」

ルーラ「ファントムが現れても慌てずに己の役割を果たせば負けることは無い。それを肝に銘じておきなさい」

たま「はいにゃ」

スイムスイム「分かった」

ミナエル「へーい」

ユナエル「ほーい」



シスターナナ「あの、リップルさんとトップスピードさんの体調はどうでしょうか?」

ケイネス「問題無い。二人とも近い内に退院出来ると医者が言っていた」

シスターナナ「それを聞いて安心しました」

ウィンタープリズン「シスターナナ、今は私達の任務に集中しようじゃないか」

シスターナナ「そうですね。私達の出来る事をしましょう」

ケイネス(覚悟しろワイズマン、貴様はこのケイネス・ロード・エルメロイの名を輝かせる為の礎にしてやる)


ねむりん「うーん、私がここに来ても役に立てるのかなぁ?」

マジカロイド「アナタ、夢の中じゃないと殆ど戦えないデスよね」

メアリ「だったら、あんたに渡されたアイテムをあたしに寄こしな。有効に活用してやるよ」

ねむりん「うん、いいよぉ~あげる」

メアリ「そういう素直な所は嫌いじゃないよ。代わりにこれを使いな」

ねむりん「わぁ~大きいナイフだね~」

メアリ「アーミーナイフさ。それなら自分の身ぐらいは守れるだろ」

ねむりん「ありがと~メアリィ~」

マジカロイド「ワタシにも何か頂けると嬉しいのデスが……」

メアリ「あんたは自前の道具で何とかしな」

マジカロイド「世知辛いデス……」


白い魔法使い「では洞窟まで案内する。皆付いて来るのだ」

ファントムのアジト前


白い魔法使い「ここだ」

ケイネス(私が先陣を切って内部へ侵入し、月霊髄液でワイズマンの居場所を見つけ出し始末するとしよう)

ケイネス「まずは私が」

メアリ「面倒だねぇ。あたしが行ってさっさとぶち殺してやろうか」

ケイネス「なっ!?」

シスターナナ「そんな危険です!それでしたら私達が先に行って中の様子を探ってきます」

スノーホワイト「待ってくださいシスターナナさん。探知なら私の魔法が役に立ちます」

アリス「私は攻撃を受けても平気です」

ラ・ピュセル「だから、ここは私達に……」

ルーラ「待ちなさい。複数での行動なら我らルーラチームこそが優れているわ」

ルーラ「貴女達は後方で私達の戦いぶりを参考にしながら付いてくるといいわ」

スイムスイム「ルーラの言う通り」

ケイネス「お前ら……悪の幹部みたいな手柄の取り合いをするんじゃない」

ケイネス「お前達の監督役である私こそが先んじて行くのがふさわ」

白い魔法使い「私が先に行く」

ケイネス「何ィ!?」

白い魔法使い「ファントムとの戦いは私が一番慣れている。爆発音の後に皆も続いてくれ」

スノーホワイト「分かりました。気をつけてください」

ケイネス(白い魔法使い……まさかワイズマン討伐の手柄を横取りするつもりか!?)

ケイネス(出世欲の無さそうな立ち振る舞いをしている割りに侮れん奴だ……)


白い魔法使いがアジト奥深くへと侵入してから数分後
彼の放たれた魔法による爆発音が外まで響き渡った。


ケイネス「よし、お前達行くぞ」

スノーホワイト「はい!」

アジト内部


ビルゲニア「ん?何の音だ?」

ワイズマン「どうやら魔法少女達が攻めてきたようだな」

メデューサ「ワイズマン様。ここは私達にお任せを」

ワイズマン「うむ、期待しておるぞ」

ビルゲニア「久々の戦いだ。腕が鳴りますなぁ」

ビルゲニア(ククク……絶好の機会だ。騒ぎに乗じてワイズマンを討ち、私がファントムの王となろう)


ヘルハウンド「まさか魔法少女達の方からやってくるとは」

リザードマン「こちらから出向く手間が省けたぜ」

ケットシー「めんどくせーけどやるか~」

ノーム「我々の力を見せてあげましょう」

ヴァルキリー「魔法少女達は全て血祭りですね」

ヒドラ「誰が相手だろうとぶっ潰す!」

スプリガン「不用心なのはいけませんよ。慎重に戦いましょう」

デュデュオンシュ「相手がどんなに強大だろうと皆で力を合わせればきっと勝てるはず。さぁ行くぞー!!」

アルゴス「お前、暑苦しいぞ」

ラーム「センソウダ、センソウダ」

バハムート「お前ら、あんまり殺しすぎるなよ。俺の楽しみが無くなっちまうからな」


ついにファントムのアジトを突き止めた魔法少女達。
アジトに乗り込んだ彼女達を待ち受けるのは恐るべきファントム軍団。
魔法少女はこの戦いに勝利する事が出来るのか?


次回 ファントム軍団滅亡


ご期待ください。

今回はここまで
誰かとは言わないが、いちいち変化して移動して演じ分けするのは大変だろうな

土管社長も出してほしい

俺が(じゃねえ)トップスピードが生存してるぅ~!

アジトへと侵入した魔法少女達
内部には大量のグールが待ち受けていた。


グール「グォオオ!!」

グール「ギャオオ!!」

グール「オォン!アォン!」

ケイネス「雑魚が集まった所で私に勝てると思ったか」


グール達を掃討して先へ進むと、途中から道が三つに分かれている。
思案した後、ケイネスは戦力を三分割させて攻略する事にした。


ケイネス「ならば左側はルーラチームの5名に任せよう」

ルーラ「分かったわ」

ケイネス「右側はスノーホワイト達とシスターナナ達の5名で行け」

スノーホワイト「はい!」

シスターナナ「承りました」

ケイネス「残りは私と共に中央の道を行くぞ」

メアリ「あいよ」

ねむりん「がんばろ~」

ケイネス(こういう場合は中央に総大将が居座っているのが定石というものよ)

右エリア


ノーム「アバ―ッ!」

ヴァルキリー「アバ―ッ!」

ヒドラ「アバ―ッ!」


ラ・ピュセル、ウィンタープリズン、アリスの一撃がそれぞれのファントムを撃破する。
残りの一体がスノーホワイトに向かって飛びかかった。

スノーホワイト「くっ」

ラーム「マホウショウジョ、コロチュ、コロチュ」

ラ・ピュセル「やらせない!」

ラーム「アバ―ッ!」

スノーホワイト「ありがとう、ラ・ピュセル」

シスターナナ「皆無事ですね。では気を付けて先へ進みましょう」

――――


バハムート「ここに来たって事は4体のファントムを屠ったという事か。面白い」

プリズン「気を付けろ、こいつは他のファントムより相当強い……」

バハムート「ほう、なかなか察しが言いな。じゃあ行くぞ!!」


魔法少女達に向かって駆けだしたバハムートが連撃を放つ。
前衛に立ったラ・ピュセル、ウィンタープリズン、アリスは猛攻に耐え切れずに吹き飛んだ。


シスターナナ「皆さん……!」

ラ・ピュセル「つ、強い!」

プリズン「なんて凄まじいパワーだ」

アリス「私が攻撃を受け続けて相手を消耗させます……」


アリスは姿勢を低くしてバハムートの足元にタックルを仕掛けた。
バハムートは、ふんと鼻で笑い、アリスの顔面に膝蹴りを叩き込んだ。
アリスの顔面はぐちゃりと潰れて勢いよく転がった。


バハムート「攻撃が単調過ぎるぞ。そらぁ!」

シスターナナ「あうっ…」


バハムートが腕を振るい、斬撃が放たれる。
シスターナナの脇腹を切り裂いて血が噴き出た。

プリズン「ナナぁ!!」

ラ・ピュセル「うおおお!!」

スノーホワイト「はぁぁぁ!!」

アリス「…………」

バハムート「どうしたどうしたぁ?お前達の力はその程度か!!」


魔法少女達が次々と攻撃を繰り出すも全てが捌かれ
カウンターの打撃によって殴り伏せられる。


プリズン「アリス、スノーホワイト、奴の攻撃を一時的に凌いでくれ」

プリズン「私は頃合いを見て大量の壁で奴を押し潰す。その隙にラ・ピュセルが決めてくれ」

スノーホワイト「はい!」

アリス「分かりました」

ラ・ピュセル「やってみます」

バハムート「魔法少女の相手は他にもいるんでな。ここで終わらせるぞ!!」

アリス「……させない」

スノーホワイト「やぁぁぁああ!!」


バハムートの進撃を止めるべくスノーホワイトとアリスが駆けだす。
二人を殴り飛ばした瞬間、四方八方から大量の壁がバハムートに向かって衝突した。


ラ・ピュセル(薄く……細く……そして強度は最大に……)

ラ・ピュセル「くらえええええええええ!!!!」

バハムート「ぬぐわぁああああああっ!!」


面積を減らしたラ・ピュセルの剣が多数の壁の隙間をくぐり抜けてバハムートの胸を貫いた。
バハムートの顔が苦痛に歪み、諦めた様な表情に変わり、そして笑みを浮かべた。


バハムート「くっ……くくっ、くくく、ははははは!!楽しかったぞ。魔法少女達ィ!!」

バハムート「一足先にあの世へ行ってくるぜ。せいぜい頑張れよ、この先どんな絶望が待っていようとなァ!!」


強敵との戦いを楽しんだバハムートは声高々に笑いながら塵となって消滅した。

中央エリア



スプリガン「こいつら……強い」

アルゴス「厄介な奴らだぞ!」

デュデュオンシュ「大丈夫か!わが友よ!」

メアリ「この私に歯向かって勝てると思ってるのかい?」

マジカロイド「そーデスそーデス。降伏するなら今の内デスよ」

ねむりん「やっちゃえ~」

デュデュオンシュ「皆諦めるな。先の戦いで散っていった仲間達の無念、ここで晴らすのだ!!」

メアリ「あんたみたいな青臭い台詞を吐く奴は大っ嫌いだよ」

デュデュオンシュ「ぬおおおおおお!!」

メアリ「はん!」


特攻を開始するファントム達に銃口を向けるメアリ。
銃弾が放たれるより前に月霊髄液の水圧カッターが三体のファントムを切断した。


スプリガン「ちにゃ!!」

アルゴス「ひでぶっ!!」

デュデュオンシュ「あべし!!」

ケイネス「よくやったカラミティ・メアリ。君が注意を引かせたおかげで容易く隙を付けたぞ」

メアリ「私が仕留めてやってもよかったんだけどねぇ」

マジカロイド「いやはや、見事なお手前で」

ねむりん「ケイネスさんって簡単にファントムを倒しちゃう魔術師なんだね。すご~い」


ビルゲニア「なかなかやりすまなぁ。では一つ、その術が私に通用するか試しては如何かな?」


不敵に笑うファントムが姿を現した。
剣と盾を持ち、海洋生物を思わせる甲冑に身を包み
人間と殆ど変わらない様な青白い素顔が、反って不気味さを引き立たせていた。


ねむりん「またファントムが出たぁ~」

ビルゲニア「我が名は剣聖ビルゲニア、いずれファントム達を統べる王となる物だ」

ビルゲニア「私の剣にかかって死ぬ事を光栄に思うがいい」

ケイネス「ほざけ!!」


月霊髄液がビルゲニアにとびかかり全身を包んだ。
ケイネスが魔力を込めて押し潰そうとした瞬間。
ビルセイバーの斬撃によって月霊髄液が四散した。


ビルゲニア「その程度の攻撃など、我が剣技の前では無力ですなぁ」

ケイネス「馬鹿な!?私の月霊髄液がこうも容易く突破されるとは……」

ビルゲニア「次はこちらの番ですな。ビルセイバーデモントリック!!」

分身を作り出したビルゲニアが魔法少女達に斬りかかる。
メアリが銃弾をばら撒いて牽制するもビルテクターの前にはダメージを与えることが出来ない。


ねむりん「ひえ~!」

メアリ「面倒だね……」

ビルゲニア「もう少し足掻いてくれないとこちらとしても張り合いが……ん?」


ビルゲニアの足元に、よちよちと進むネジ巻き式の小さな黒い玩具が歩いていた。


ビルゲニア「なんだこれは?」

ボム兵「」チチチチ


ドゴォォォォォオン!!!!


ビルゲニア「ぬぐぅ!」

メアリ「チャンス!」

ケイネス「今だ!」


怯んだビルゲニアに向かって、メアリの銃撃とケイネスの月霊髄液の斬撃が降り注いだ。
ビルゲニアの身体が光の粒子となって消えていった。


メアリ「やるじゃないかマジカロイド」

ねむりん「お手柄だよ~」

マジカロイド「ワタシの道具が珍しく役に立って良かったデス」

ケイネス「休んでいる暇は無い。先へ行くぞ」


ビルゲニア(くくく……こいつらめ、私が死んだと思っているな)

ビルゲニア(奴らはいつでも殺せる。今はワイズマンを追跡するとしよう)

左エリア


ヘルハウンド「グワ―!」

リザードマン「ヤラレター!」

ケットシー「うぼぁー!」


三体のファントムが爆散する。
倒したのはミナエル、ユナエル、たまの三人である。
ただ様子がいつもと違っている。


ミナエル「おいちぃ……」

ユナエル「おいちぃ……」

たま「おいちぃにゃ……」

ルーラ「……このお菓子、何か危ない成分でも入ってるんじゃないの?」

スイムスイム「三人ともゾンビみたい」


ユナエルに支給された元気の出るお菓子は
戦闘能力が増加する代わりに思考力が低下するデメリットを持ったマジックアイテムだ。
そのお菓子を食べた三人は単独でファントムを撃破する力を得たが目つきが明らかに普通じゃない。


ミナエル「ルーラ、もっとそれ欲しいよぉ~」

ユナエル「お願い、もう我慢できないの~」

たま「ふにゃーーーー!!」

ルーラ「こら、たま!勝手に袋を取ろうとするな。お預け!!」

たま「おいちぃお菓子ちょうだい!ちょうだい!」

ルーラ「駄目よ。消耗品なんだから使い所は考えないと、スイムスイムはこれを食べないようにね」

スイムスイム「分かった」

――――


メデューサ「来たか。ここがあんた達の墓場よ」

ルーラ「その言葉、そっくりそのままお返ししてやるわ。さぁ行きなさい!!」

ミナエル「おいちぃ!」

ユナエル「おいちぃ!」

たま「おいちぃ!」

メデューサ「そんな攻撃、私には通用しないわ」


同時に三人が飛びかかる。
メデューサの杖によって攻撃は防がれ、カウンターの一撃が
三人を吹き飛ばして転げ回った。


ルーラ(瞬時に三人を叩き伏せるなんてやるわね。だけど……)

スイムスイム(その隙を付いて地中から背後に回った私が攻撃を仕掛ける)

メデューサ「分かっているぞ」

スイムスイム「……っ!?」

メデューサ「攻撃がすり抜けた……ならこれでどう?」


メデューサの眼が妖しく輝く。
その瞳を見たスイムスイムは身体が動かなくなった。

スイムスイム(身体が……石に……)

ルーラ(スイムスイム!?……だけど透明外套で姿を消した私が魔法であいつを自害させれば私達の勝ちよ)

ルーラ(痛っ……え?足元に蛇が!?)

メデューサ「地面に潜ませた蛇がソナーの役割を果たしているわ。だからどんな小細工も無駄よ」

ルーラ「うああ!!魔力が……吸われて……」

たま「ルーラ!」

ミナエル「こいつめー!」

ユナエル「よくもー!」

メデューサ「全員、石になりなさい」


瞳から強力な呪いが発せられ残りの4人も石化された。
メデューサが彼女達にトドメを刺すべく杖を構える。


メデューサ「あとは砕けば魔法少女5人はこの世から消える」

白い魔法使い「それは困るな」


一筋の光弾がメデューサの身体を貫いた。


メデューサ「あうっ……お前は白い魔法使い……」

白い魔法使い「彼女達にはまだ役割がある。ここで死なす訳にはいかん」

メデューサ「おのれ……ワイズマン様の為にここでお前を倒す!」

白い魔法使い「その、ワイズマンというのは……」

ワイズマン「私の事かな?メデューサ」


白い魔法使いの身体が魔法によって別の姿に変化した。
それはファントム達を統べる首領、ワイズマンだった。

メデューサ「そんな……貴方が、ワイズマン様だったなんて……」

ワイズマン「今までよくやってくれたよメデューサ、おかげで私の悲願がもうじき達成される」

メデューサ「そんなの嘘です!嘘とおっしゃってください!ワイズマン様……」

ワイズマン「お前の役割はもう終わりだ。ゆっくりと休むがいい」


ワイズマンの一撃を受けたメデューサは嘆き悲しみ、絶望して消滅した。
塵となって消えゆく様を見ているワイズマンに向かって黒い突風が吹き荒れた。
ビルゲニアの剣技、ダークストームである。


ワイズマン「ぬぅ…」

ビルゲニア「驚きましたなぁ。まさかワイズマンが我々ファントムの裏切者だったとは」

ワイズマン「魔法少女とファントムの戦いの隙を付いて私の命を狙ってきたか。ご苦労な事だな」

ビルゲニア「大義名分も出来て丁度良いわ!逆賊ワイズマンを討ち、私がファントムの王となってくれよう!」

ワイズマン「フフフ、面白い……」

白い魔法使い「ファントム風情が私に反逆とはな」


ワイズマンの姿が白い魔法使いへと変化した。
ビルゲニアは盾であるビルテクターを前面に構えながら間合いを詰めていく。


ビルゲニア「死ねぇ!!」

白い魔法使い「ふん!」


カキンッと金属の衝突音が響き渡った。
ビルゲニアの振るったビルセイバーが白い魔法使いによって弾き飛ばされる。
追撃に放ったハーメルケインの斬撃がビルテクターごと、ビルゲニアの身体を切り裂いた。


ビルゲニア「馬鹿、な……ファントムの、王となるべき……この、私が……」

白い魔法使い「お山の大将を気取りたいのなら地獄でやるがいい」

ビルゲニア「おの、れぇ~……我らファントムは、貴様の目的を叶える為の道具に過ぎなかったというのかぁ……」

白い魔法使い「ようやく理解したか。その為だけにファントムを生かしていたという事を……」

白い魔法使い(……そして魔法少女達も同様にな)


ルーラ「うっ……」

白い魔法使い「気が付いたか」

スイムスイム「蛇のファントムは?」

白い魔法使い「安心するがいい。奴は私が倒した」

ミナエル「さすが白い魔法使い!やるじゃん」

ユナエル「白い魔法使いマジクール」

たま「すごいにゃ!」

白い魔法使い「動けるなら先へ進もう。ワイズマンはまだ生きている」

ルーラ「そうね。ぐずぐずなんてしてられないわ」


大広間


シスターナナ「あら?」

ケイネス「ぬ?」

ルーラ「どうやらここで道が繋がってるようね」

スノーホワイト「この先に道が無いという事は……」

白い魔法使い「一足遅かったか。どうやらワイズマンは既に立ち去った後らしい」

ケイネス(ワイズマンめ。私と戦うのをよっぽど恐れたと見える。ファントムなど所詮そんな物よ)

ラ・ピュセル「くそ!ワイズマンを倒さなきゃ、またゲート達が狙われる!」

ミナエル「親玉の癖に逃げるなんてだっせーの」

ユナエル「どうせならここで白黒はっきり決着付ければいいのにねー」

プリズン「ワイズマンは一体どこへ行ったのか……」

ゴゴゴゴゴッッッ!!!!


ねむりん「わわわわっ」

白い魔法使い「いかん、ワイズマンは私達を生き埋めにする気だ。急いで脱出するんだ」

メアリ「イラつかせるねぇ」

マジカロイド「すたこらさっさデス」

アリス「急ぎましょうスノーホワイトさん」

スノーホワイト「うん!」


魔法少女達は急いで来た道を引き返し、洞窟が脱出した。
その直後、凄まじい大爆発が巻き起こり、洞窟は崩壊した。


たま「あ、危なかった……」

ルーラ「よし、全員揃ってるわね」

ケイネス「はひっ……はひっ……疲れた……」

白い魔法使い「私はすぐさま、ワイズマンを捜索する。君達は帰って休んでくれ」

スノーホワイト「疲労は大丈夫なんですか?」

白い魔法使い「問題無い。それにワイズマンを見つけても、君達への報告を優先して戦いは避けるさ」

ラ・ピュセル「気を付けてください」

白い魔法使い「では先に失礼する」


そう言って白い魔法使いはテレポートで消えて行き。
魔法少女達は戦いの疲れを癒すために帰って行った。




ファントム達を滅ぼした魔法少女達、だがワイズマンの行方は知れず。
その頃、帰宅したケイネスは体調が再び悪化していくコヨミの姿を見て動揺する。
そこに白い魔法使いから緊急招集が入った。
集まった魔法少女に白い魔法使いが衝撃の真実を話す。
彼の言う『魔法少女育成計画』とは何か?


次回 サバト再び


ぶっちぎるぜぇ!!

今回はここまで

白い魔法使い「ファントム用済みになったので在庫一斉処分なう」

>>233
まだ未把握なのでゴーストとエグゼイドからのゲストキャラは出さない予定かな

>>234
生きているというか、生かされているというか

ケイネスのアパート


ケイネス「ふう……ただいま」

ケイネス(ワイズマンめ、手こずらせおって……)

ケイネス(早く任務を終えてソラウに会いたい……)

ケイネス「コヨミ、体調はどうだ?……コヨミ?」

コヨミ「…………」

ケイネス「まずい、意識が無い。しっかりしろ!今魔力を」

ケイネス「先ほどの戦闘のせいで魔力は殆ど残っていなかった。ならばこの宝石の魔力を使おう」

ケイネス「……おかしい、これで並みの魔法少女一人分の魔力は流れ込んだ筈、何故目覚めない!?」


ケイネスの必死の応急処置の甲斐も無くコヨミの意識は戻らない。
その時、ケイネスの背後からテレポートが起こり、白い魔法使いが出現した。


白い魔法使い「心配になって戻ってきたが正解だったか……」

ケイネス「白い魔法使い!!コヨミを何とかしてくれ!!」

白い魔法使い「コヨミは今から私の研究施設へ連れて行く」

白い魔法使い「そこならば適切な治療を行うことが出来る」

ケイネス「問題無いのだろうな?」

白い魔法使い「ファントムへの知識を持たない医者に連れて行くよりは遥かに安全だ」

ケイネス「そうか。頼んだぞ」

白い魔法使い「任せろ。コヨミは何としても助け出す。絶対にな」


その言葉は鬼気迫る程に信念が籠っていた。
それを聞いたケイネスは安心してコヨミを預けることにした。


ファズ(人形をそんな大事そうに扱うとは、まるでおっさん共がおままごとをしているようで滑稽だぽん)

翌日


ケイネス(……なんだろうな)

ケイネス(一人で食べる朝食がとても寂しく感じる)

ケイネス(コヨミがいなくなっただけでこうも変わる物なのか……)

ケイネス(単身赴任でソラウとしばらく会っていないせいで人恋しくなってきたのかもしれん)

ケイネス(……情けない。そんな女々しい考えでは魔法の国でトップの魔術師になるのは夢のまた夢だ)

ケイネス(コヨミやソラウに頼らなくてもきちっとしなければな)

ファズ「へいマスター!白い魔法使いから連絡が来てるぽん」

ケイネス「そうか。読み上げろ」

ファズ「ワイズマンの居場所を特定したから皆を指定した場所に集めてほしい。集合時間は○○時○○分……ぽん」

ケイネス「もう見つけたのか。よし、皆に場所と時間を伝えるのだ」

ファズ「合点承知だぽん」

ファズ(最終バトルキター!!ぽん)


集合地点


ケイネスと魔法少女全員がこの地に集結した。
ファントムとの最後の決戦もあって、治りたてのリップルやトップスピードも来ていた。


シスターナナ「二人とも体調は大丈夫ですか?あまり無理をなさらない方が」

リップル「平気」

トップスピード「この通り!大復活だぜ!」

ウィンタープリズン「もし少しでも痛みを感じたらすぐに下がってくれ」

スノーホワイト「これで本当に最後……」

ラ・ピュセル「何としてもワイズマンを倒さなきゃね」

アリス「そうですね」

時間になったと同時にテレポートによって白い魔法使いが現れた。
両手にはコヨミを抱えて歩いている。


ケイネス「コヨミ?なぜここに連れてきた」

白い魔法使い「これから説明する」

ルーラ「それでワイズマンはどこから出てくるっていうの?」

白い魔法使い「それも合わせて説明しよう」

たま「うう……緊張してきた……」

ミナエル「そんな時は深呼吸だよ。ひっひっふー」

ユナエル「お姉ちゃんそれ間違ってるよ」

スイムスイム(お姫様だっこいいな……私もルーラにされたい)

ねむりん「ワイズマンってどんな姿してるのかな~」

メアリ「ふふっ……」

マジカロイド「…………」


魔法陣の描かれた場所へコヨミを寝かせる。
振り返り、魔法少女達の方へ顔を向ける。
それぞれ魔法少女の顔を見渡しながら満足げな表情をして口を開いた。


白い魔法使い「魔法少女達の皆、今までよくぞ戦ってきた。私は君達に本当に感謝している」

白い魔法使い「サバトによって大量のファントムが出現し、ゲートが襲われるようになった」

白い魔法使い「だがワイズマンにとってこのサバトは失敗であった。魔力が不十分で賢者の石が完成しなかったのだ」


ケイネス「……?何を言っている?」

白い魔法使い「そこでワイズマンは次の計画を実行した。それが『魔法少女育成計画』だ」

白い魔法使い「丁度、この街には新人の魔法少女が多数在留していた。この場所が適任だと確信した」

白い魔法使い「魔法少女達とファントムを戦わせる事で経験を積ませ、成長し、魔力を増幅させていった」


スノーホワイト(何か……おかしい!)


白い魔法使い「十分な魔力を保有した魔法少女、本来は半数ほど生き残れば十分に完遂出来る計算だが」

白い魔法使い「君達15人全員生き残ったのは嬉しい誤算だ。これなら間違いなく賢者の石が完成するだろう」


リップル「まさか……あんたが!!」


白い魔法使い「そうだ!!私がワイズマンだ!!」

白い魔法使い「君達、魔法少女達を人柱として再びサバトを起こす」

白い魔法使い「それで私の『魔法少女育成計画』は完遂する!!」


コヨミ「……うっ」

コヨミ「み……皆!!逃げてーーー!!」

ケイネス「コヨミ!?目が覚めたか!」

白い魔法使い「もう遅い」

スノーホワイト「……指輪が?きゃああああああっ!!!!」


皆既日食が起こり、巨大な魔法陣がN市に出現した。
魔法少女達が装着していたマジカルリングが妖しく輝き、彼女達を蝕んでいった。
肉体が拘束され、強制的に魔力が吸い出される激痛による悲鳴が響き渡る。

コヨミ「うあああああああ!!!!」

ケイネス「コヨミ!!ぐぐぐっ……コヨミに何をしている!?」

白い魔法使い「サバトによって集めた魔力を賢者の石に流しているのだ。暦を蘇らせるためにな」

ケイネス「コヨミを蘇らせる?どういう意味だ?」

白い魔法使い「私の愛する娘、暦は既に病死している。私は暦そっくりのホムンクルスを作り、体内に賢者の石を埋め込んだ」

白い魔法使い「賢者の石を完成させ、暦の魂をこの器に定着させるのだ」

メアリ「くっだらないねぇ」

メアリ「娘を生き返らせる為?ガキなんて邪魔な物いっそ無くなった方がせいせいするじゃないか」

白い魔法使い「何故だ!?何故お前のマジカルリングは起動しない!?」

メアリ「誰かさんに細工してもらったのさ。経験の浅い魔法少女だと思って甘く見てたようだね」

マジカロイド「ちなみにワタシも同様の理由で助かってマス」

白い魔法使い「貴様ぁ……役に立たない魔法少女など私が始末してくれる!!」

メアリ「ふん!正義の味方ごっこは嫌いだけどさ。あんたの邪魔をするのは最高にスッキリするよ!」


メアリがGXランチャーを用いて引き金を引いた。
大量にばら撒かれた弾丸は白い魔法使いを狙わずに背後にいる少女を狙った。


白い魔法使い「まずい!!」

コヨミ「ああ……」


弾丸とコヨミの間に割り込んだ白い魔法使いがバリアを展開する。
放たれた弾丸を一切躱そうとせずに全て防御で耐え続けている。


白い魔法使い「ぐっ……ぐぐっ……」

メアリ「やっぱりね。あんたみたいなタイプは直接狙うよりも娘さんを狙った方が効果的だよ」


メアリの魔法によって強化された弾丸の威力は高く。
バリアの強度は徐々に弱まり、何発かが体内を貫いた。


メアリ「これでしまいさ」


ロケット弾頭が放たれる。
バリアは砕かれ、爆風が白い魔法使いを飲み込んだ。
衝撃によって白い魔法使いは吹き飛び、ハーメルケインが転がり落ちる。


ラ・ピュセル「ま、マジカロイド……」

マジカロイド「何デスか?」

ラ・ピュセル「また、便利な道具を出してよ……フェニックスに、勝ったようにさ……」

マジカロイド「幸運100倍ドリンクデスか?嫌デスよ!!あれ飲んでから一週間ほんと酷い目にあったんデス」

トップスピード「そう言わずに……頼むよ……」

スノーホワイト「お願い……このままじゃ街の皆が……」

マジカロイド(街の人達……父さん、母さん、おっちゃんが……)

マジカロイド「何でワタシが他人何かの為に……!!今回っきりデスよ!!」


N市の住人達の命がサバトによって奪われる。
自分さえ助かればいいと考えていたマジカロイドだったが
親しい人達の顔が脳裏に浮かんだ瞬間、動かずにはいられなかった。


マジカロイド「ゴクゴクゴク!!一週間どころか一か月分の運もあげちゃうからお願い!!」

マジカロイド「この状況を何とか出来る道具を出して!!」


出てきたのは歪な形をした短剣だった。
とても切れ味が有る様には見えない形状と言えるが
マジカロイドはそれを気に掛けるよりも早く説明書を読んだ。
名称はルールブレイカーで『刃で突いた対象のあらゆる魔術を破戒することができるよ』と書かれている。
ルールブレイカーを持ったマジカロイドはすぐに飛び、巨大な魔法陣に向かう。


マジカロイド「うおおおおおおお!!!!」

マジカロイド「これでどうデスかぁああああ!!!!」


ルールブレイカーで魔法陣を突き刺した。
刺さった個所から亀裂が走り、それが魔法陣全体へと広がっていく。
パリンと魔法陣が砕け、日食が収まり、サバトは消滅した。

白い魔法使い「馬鹿な……こんな事が……」

白い魔法使い「まさか、魔法少女如きが……」

白い魔法使い「貴様ぁ、よくも私の希望を、許さんぞ……絶対に!!」

白い魔法使い「恐怖に絶望して死ぬがいい!!」

ケイネス「白い魔法使い、いやワイズマン、お前を拘束する」

白い魔法使い「黙れ黙れ黙れ!!!!」

白い魔法使い「お前達、魔法の国の連中はクラムベリーが行った殺戮を何度も止められなかった癖に!!」

白い魔法使い「私の娘を救いたいという純粋な願いを踏みにじる資格などある物かぁ!!」

ケイネス「確かにそれは私達の不手際である。だがこの街を犠牲にして良い理由にはならん」

白い魔法使い「その程度の犠牲など、私の絶望に比べれば小さな事に過ぎん!!」

白い魔法使い「愛した妻を亡くし、唯一愛していた娘すら失った私がどれほど絶望した事か!!」

白い魔法使い「賢者の石を使って娘を蘇らせる。それが私の唯一の希望……希望だったのだ!!」


ザシュ


ハーメルケインの刃が白い魔法使いを貫いた。
白い魔法使いの背後には人造ファントム、ケルベロスが立っている。

白い魔法使い「ごふっ……何だ貴様は……?」

ファズ「ふはははは!!無様だなぁ~ふぅぅぅえぇぇきぃぃぃぃぃ!!!!」

電脳妖精ファズが出現した。
普段のぽん口調の愛らしい喋り方とは想像も付かない悪意に満ちた口調になっている。


ファズ「この時を待っていたのだ。貴様が絶望して死んでいく様をなぁ!!」

ケイネス「ファズ!?一体どうした?」

白い魔法使い「その声は……まさか貴様は死んだ筈の……」

ファズ「そうだ。私の本当の名は蛮野天十郎……かつては笛木と共に活動をしていた研究者だ」


次々と明かされる衝撃の真実。
戦いはクライマックスへと進む。

今回はここまで
フェニックスの時もそうだが解決策が強引過ぎると思う

フェニックスの末路は、むしろ晴人が静かにキレててるのが伝わってきて良かったと思う
「お前にフィナーレはない」はちょっと怖かった

ケイネス「蛮野天十郎だと!?処刑された筈じゃ……」

ファズ「そうさ。私は処刑された……あの笛木に嵌められてな!」

ファズ「教えてやろう。それはまだ私が科学者として生きていた頃……」


回想、魔法の国の研究所


私と笛木は禁忌とされる賢者の石の研究を行っていた。
二人とも悲願を秘めており、非合法な手段を用いなければ叶えられる願いでは無かった。
お互い利害が一致した我らは共通の目的の中で活動を続けていた。


勿論、事が公になれば極刑は免れないだろう。
表向きには全く別の研究をしている様に見せかけて
法の番人達の警戒網から上手く誤魔化す事に成功していた。


研究は着々と進んでいき、賢者の石の完成まであと僅かまで迫った時
笛木が本性を現して私を裏切った。


蛮野(いいぞ……もうじき全ての人間をデータと化する私の計画を遂行する事が出来る)

蛮野(この世界は全て私の物、それを理解できない馬鹿共を思い知らせてやるのだ!!)

エスデス「そこまでだ。蛮野天十郎、貴様を国家反逆罪の容疑で拘束する。下手な真似はするなよ」

蛮野「これはこれはエスデス将軍殿、私が国家反逆?何かの間違いでは?」

エスデス「言い逃れしても無駄だ。他の研究者から告発を受けている。証拠も揃っているぞ」

蛮野(告発だと!?私の目的を知っているのは笛木だけ……おのれぇ、裏切りおって!!)

蛮野(国家反逆罪で捕まれば処刑は免れない。この場は何としても)


私は逃走を図ろうと動いた瞬間、鮮血が飛び散るのが見えた。
一歩動くよりも速く、エスデス将軍の斬撃が私の身体を斬り裂いていた。


エスデス「下手な真似はするな。と忠告したはずだぞ」

蛮野(このままじゃ済まさん……ぞ。ふえ、き……)


そして私の肉体は死んだ。
だが偉大な頭脳を持つこの私は、この様な状況を警戒していた。
この肉体が死ぬ時、魂をある電子妖精に移し変わる処置を施していた。

そう、この時、私は電子妖精ファズになり、人知れずに活動をしていたのだ。
全ては笛木に復讐し、賢者の石を奪い返す為にな。


ファズ「これが今までの私の経緯だよ。笛木、よくも私を裏切ってくれたな」

ファズ「私は別に君の願いを邪魔する気は無かったのだぞ」

白い魔法使い「ぐっ……貴様が支配する世界で暦が蘇っても安心して暮らす事が出来ないからだ」

ファズ「ふん、裏切者が……よく見ているがいい!!」

白い魔法使い「がはっ……な、何をする!?やめろぉおおおお!!!!」

コヨミ「……っ!?」


ハーメルケインを引き抜いたケルベロスがコヨミの方へ向かった。
白い魔法使いの静止の言葉を無視してコヨミの身体をハーメルケインで突き刺した。


コヨミ「あっ……ぐっ……うぁああ!!」

白い魔法使い「暦……暦ィィィィィィィ!!!!」

ケイネス「貴様っ!?」

ファズ「いいぞ笛木、貴様の希望が砕け、絶望する姿が見たかったのだ!」

ファズ「私を裏切った罰を思い知るがいい!!ひゃぁぁぁはっはっはっはぁ!!!!」

ケイネス「蛮野……お前と言う奴は……」

ファズ「ケイネス、心配するな」

ケイネス「何っ!?」

ファズ「ただ……コヨミが死んだだけだ。あぁ~ああぁぁぁはっはっはっはっはっは!!」

ケイネス「この腐れ外道がぁぁぁ!!」

ファズ「ふぁぁぁぁはっはっはっはっは!!へぁ、へぁあ、はははなぁっはははははは!!」

ハーメルケインを使い、コヨミの身体から賢者の石を抉り取った。
コヨミの肉体が塵となって消えゆく。


スノーホワイト「心の声が……聞こえる……」


『賢者の石なんて必要無い』 『お願い、賢者の石を破壊して!!』 『私は生き返りたくない』


スノーホワイト「分かった……コヨミの願いは必ず叶えるから」

ラ・ピュセル「なんて言ってたの?」

スノーホワイト「賢者の石を壊してって……きっと悪用されたくないんだと思う」

アリス「スノーホワイトが望むなら私も戦います」

ファズ「無駄だ魔力が吸われて疲弊した貴様ら如きでは、私のケルベロスの相手にはならんわ」

白い魔法使い(暦……くっ、ここで私が死ぬわけにはいかない)テレポート

ファズ「逃げたか。まぁいい、致命傷は与えた。死に場所ぐらいは選ばせてやろう、私は寛大だからな」

メアリ「おいファズ、さっさとその賢者の石を私に寄こしな」

ファズ「ああ、そう言えばそんな約束もしてたなぁ……それは」

メアリ「嘘なんだろ、分かってるよ!!」


メアリの手からスタングレネードが投げられ眩い光が周囲の視界を奪った。
その隙を付いてメアリはケルベロスから賢者の石を強奪し距離をとった。
僅か数秒の出来事で賢者の石の所有者が変わった。

ファズ「な……それを返せ!!貴様には使い道のない道具だ!!」

メアリ「そう言われて素直に返してくれるとでも?」

ファズ「……馬鹿な女だ。私がなぜ真っ先に笛木を狙ったのか知っているのか?」

ファズ「それは魔法少女達の命はいつでも簡単に奪えるから優先順位が低かっただけということ」

ファズ「このマスター端末は、貴様ら魔法少女達の生殺与奪の権を握っているのだ!!」

ケイネス「それはマスター権限を持つ私以外では機能しない。そんな真似はさせんぞ」

ファズ「そこは既に改良済みよ。マスターがいなくても私の意思で自由に操作する事が出来る!!」

ミナエル「それってヤバくね?」

ユナエル「私達超ピンチじゃん!」

ケイネス「その前に破壊してくれる!」

ファズ「無駄だ!貴様ごときでは壊せんよ。[ピーーー][ピーーー][ピーーー]ぇぇぇぇ!!!!」

マジカロイド「ひぃぃぃぃぃぃ!!」

ファズ「はぁーーーーはっはっはっはっはっはっはぁ!!!!」


ファズの操作によって魔法少女全員の心肺停止ボタンが押された。
勝利を確信したファズの高笑いが響き渡る。


たま「うう……あれ?生きてる?」

ルーラ「どういうこと?」

スイムスイム「故障?」

メアリ「なんだい、こけおどしか」

ファズ「は?ちょっと待て、そんな筈は……エラー?アクセス権限が存在しない……だとぉ!?」

???「間に合ったか。悪いけどハッキングさせてもらったよ」

ファズ「こんなふざけた真似をする奴は誰だぁ!?」

ファズ「な……それを返せ!!貴様には使い道のない道具だ!!」

メアリ「そう言われて素直に返してくれるとでも?」

ファズ「……馬鹿な女だ。私がなぜ真っ先に笛木を狙ったのか知っているのか?」

ファズ「それは魔法少女達の命はいつでも簡単に奪えるから優先順位が低かっただけということ」

ファズ「このマスター端末は、貴様ら魔法少女達の生殺与奪の権を握っているのだ!!」

ケイネス「それはマスター権限を持つ私以外では機能しない。そんな真似はさせんぞ」

ファズ「そこは既に改良済みよ。マスターがいなくても私の意思で自由に操作する事が出来る!!」

ミナエル「それってヤバくね?」

ユナエル「私達超ピンチじゃん!」

ケイネス「その前に破壊してくれる!」

ファズ「無駄だ!貴様ごときでは壊せんよ。死ね死ね死ねぇぇぇぇ!!!!」

マジカロイド「ひぃぃぃぃぃぃ!!」

ファズ「はぁーーーーはっはっはっはっはっはっはぁ!!!!」


ファズの操作によって魔法少女全員の心肺停止ボタンが押された。
勝利を確信したファズの高笑いが響き渡る。


たま「うう……あれ?生きてる?」

ルーラ「どういうこと?」

スイムスイム「故障?」

メアリ「なんだい、こけおどしか」

ファズ「は?ちょっと待て、そんな筈は……エラー?アクセス権限が存在しない……だとぉ!?」

???「間に合ったか。悪いけどハッキングさせてもらったよ」

ファズ「こんなふざけた真似をする奴は誰だぁ!?」

デューク「私の仕業だ。はっはっは!!」


ステルス機能を解除して姿を現す。
彼こそマジックアイテム、レモンエナジーアームズを使い
魔法使いデュークへと変身した戦極凌馬である。


ケイネス「凌馬!?いつの間に……」

デューク「ある不審な点を見つけてN市に不法侵入してきたのさ」

デューク「まずファズという電子妖精だがデータを改ざんしてN市に送られた形跡を見つけてね」

デューク「あの電子妖精は何か臭うと直感で判断した私は独自に動いたのさ」

ケイネス「なぜ私に知らせなかった?」

デューク「通信機能を使えば電脳空間を行き来するファズに知られて対策を打たれる危険性があったからね」

デューク「おかげでファズに気付かれる事なく悪だくみを妨害出来たわけだ」

ファズ「良い気になるな!!マスター権限が使えないのなら直接殺せば済む話だ!!」

ケイネス「ぐわっ」

ファズ「端末は頂くぞケイネス、これをケルベロスの体内に埋め込む」

ケイネス「何をしている!?」

ファズ「笛木と真逆の発想よ。奴は自身の体内にファントムを埋め込む事で強大な力を手にした」

ファズ「私は本体をファントムの内部に取り込ませる事によって圧倒的な力を持つ肉体を手にしたのだ!!」

デューク「なかなか面白い事をするね。それにしても気がかりなのは君が今、魔法少女達を殺そうとしたことだ」

ファズ「それがどうした?」

デューク「リップル、彼女は蛮野天十郎の娘である事は既に知っている筈じゃないか。愛情が湧かないのか?」

リップル「な、何!?」

トップスピード「あいつが……リップルの父親だって!?」

デューク「リップルも疑問に思っていた筈だ。旦那の記憶を持たない母親に関して」

リップル「そんな……馬鹿な……あんな奴が……?」

ファズ「家族……?……愛?そんな物は無い」

ファズ「私にとって家族とは支配すべきものでしかない!!」

ファズ「愛などというものは存在しない!!」

シスターナナ「なんて酷い……実の娘にそんな言い方を……」

ウィンタープリズン「ここまで性根の腐った男は初めて見たよ」

ファズ「世界を支配するべきこの私がそんな小さな事にこだわるはずがない」

ファズ「娘にすがっていた笛木は所詮、賢者の石を手にする器では無かったのだよ」

ファズ「だが、せっかくだリップル。娘であるお前だけには特別に生きるチャンスを与えよう」

リップル「…………」

ファズ「周りにいる魔法少女達を殺せ!!そうすればお前だけ生かしてやろうではないか」

リップル「ふざけるな!!そんな事するなら死んだ方がマシだ!!」

ファズ「私の寛大な情けを無下にするとはな。私が作ったものの中でお前が一番、不出来だったよリップル」

リップル「蛮野ぉ!!」

ファズ「小賢しい!!」


リップルが跳躍し小太刀で斬りかかる。
ケルベロスの持つハーメルケインで防がれ、弾かれる。

リップル「うっ」

ファズ「死ね!」

トップスピード「危ない!!」

リップル「と……トップスピードぉおおお!!!!」

トップスピード「よかった……リップルが無事で……」

リップル「どうして……どうして私なんかを庇って……」

トップスピード「へへっ、自然に体が動いちまったぜ……」

ファズ「他人を庇って自分が犠牲になるとは何と愚かな女だ」

リップル「黙れ!!トップスピードを悪く言うな!!」

ファズ「すぐにお前達もあの世へ送ってやるよ」


ケルベロスから光弾や火炎弾が次々と放たれた。
サバトの影響で消耗している魔法少女達は躱すか防御するかで凌ぐのが限度だった。
唯一、魔力を温存していたメアリだったが笛木との戦いでGXランチャーの弾数が減っている。


メアリ「くっ、弾切れか!」

ファズ「食らえ!」


光弾がGXランチャーに直撃し、爆散した。
メアリは代わりに拳銃を抜き出して応戦する。
接近戦に持ち込もうとしたケルベロスの身体が一瞬で消える。


ファズ「何だ?」

たま「ええええええええい!!」

ファズ「こいつの魔法は、ヤバい!」


たまの支給アイテムはホワイトゴレイヌ&ブラックゴレイヌ
ブラックゴレイヌとケルベロスの位置を入れ替える事によって一瞬でたまの射程内に移動させた。
急いで防御したケルベロスの右手に爪が引っかかれ、右手が消滅しハーメルケインがこぼれ落ちた。

ファズ「この虫けらがぁ!!」

たま「ぎゃん!」


ケルベロスの左手でたまをぶん殴り、発射された光弾が
ホワイトゴレイヌとブラックゴレイヌを破壊した。


ミナエル「空知ィィィィ!!」

ユナエル「それ違うゴリラだよお姉ちゃん」

ファズ「後はお前だけだぁメアリ!!」

メアリ「――ッ!?しまった」


弾幕でメアリが怯んだ隙を狙って、ケルベロスの身体から触手が伸び
メアリの持つ賢者の石に絡みついた。
賢者の石を体内に取り込むと黄金の輝きが放たれ
ケルベロスの姿が変化していった。


ケイネス「こ、これは……」

デューク「ちょっとまずいかもね」

ファズ「ふぁはははは……ひゃははははははは!!ひひ、ひはっ、ふひゃはははははっ!!」

ファズ「見るがいい!!これが超進化を遂げた私の姿だ!!」

ファズ「これからは……ゴルドケルベロスと呼べっ!!」

リップル「蛮野ぉおおおおおおお!!」




賢者の石を取り込み、圧倒的な力を手にした蛮野天十郎。
この世界は蛮野の手に落ちてしまうのか?


次回 魔法少女大勝利!希望の明日へレディ・ゴーッ!!


スノーホワイト「やった♪」

ファズ「……え?」

今回はここまで >>263のsagaが消えてたのでもう一度投稿しました

>>258
解決策が強引と思ったのは自分のSSの事ね

おかしいな、この場面だけ見るとプロフェッサーが正義の味方みたいだ
自分の脳をハカイダーに移植するようなマッドなのに

ファズ「素晴らしいパワーだ!!これだけの魔力があれば私の研究を完成させる事が出来る」


賢者の石から供給される無尽蔵の魔力がケルベロスの傷を癒し、右腕を再生させた。
ゴルドケルベロスから発せられるオーラが圧倒的力の差をこれでもかと見せつけていた。
だが、それでも魔法少女達は諦めなかった。


リップル「蛮野……」

スノーホワイト「はぁ……はぁ……」

ファズ「何度立ち上がろうとも無駄だ!私を倒す事など不可能だ!」

デューク「それはどうかな?」

ファズ「ぬ?」

デューク「魔法少女の諸君、リンクステッキだ!!」


凌馬の言葉を聞いて魔法少女達はマジカルフォンを確認した。
二つのマジックアイテムが支給されている。
エリクサーとリンクステッキだ。


デューク「エリクサーを飲んでリンクステッキで皆の力を合わせれば蛮野にきっと勝てるはずだ」

マジカロイド「これデスか」

トップスピード「つっ……やろうぜリップル」

リップル「トップスピード……無事だったんだ……」

トップスピード「ちょっと気絶してただけさ。だから泣くなよ」

リップル「……泣いてない」

デューク「ケイネスさん、君の分だ」

ケイネス「私もそれを使えと?」

デューク「君もこの戦いに終止符を打つのに相応しい役者さ」

ケイネス「ここはありがたく使わせてもらおう」

ファズ「そんな余計な真似を許すと思うか?」


光弾を放とうとするゴルドケルベロスの両目に矢が突き刺さる。
デュークが弓を構えて矢を放っていた。

ファズ「ぐぎゃあああ!!おのれ凌馬ぁ!!」

デューク「こう見えてね。弓の腕前は良い方なんだ」


デュークの援護によって時間を稼いだ隙に、魔法少女達の回復は完了した。
HP、MP共にMAXになった彼女達はリンクステッキを掲げた。


スノーホワイト「これ以上、賢者の石の悪用はさせません!」リンクステッキ

ラ・ピュセル「蛮野、お前の野望もここまでだ!」リンクステッキ

アリス「これで終わりです」リンクステッキ

シスターナナ「行きましょう。ウィンタープリズン」リンクステッキ

ウィンタープリズン「ああ、シスターナナ」リンクステッキ

ルーラ「しっかりやるのよ貴女達!!」リンクステッキ

スイムスイム「ルーラの言う事は絶対……」リンクステッキ

たま「がんばるにゃ!」リンクステッキ

ミナエル「蛮野を倒したら私達の人気もうなぎ登りだね」リンクステッキ

ユナエル「ピーキーエンジェルズは永遠だねお姉ちゃん」リンクステッキ

ねむりん「たまには現実でも役に立って見せるんだからね~」リンクステッキ

メアリ「皆と協力するのは癪だが今回は特別だよ」リンクステッキ

マジカロイド「まるで元気玉みたいデスね」リンクステッキ

ケイネス「コヨミの命を奪った貴様は絶対に許さん!」リンクステッキ

トップスピード「さぁリップル、一緒に……」リンクステッキ

リップル「……うん」リンクステッキ


16人全ての魔力がリンクして増幅する。
その広大な魔力のエネルギーがゴルドケルベロスに向かって放たれた。

ファズ「ば、馬鹿な……賢者の石の力を手にしたこの私が貴様らなんぞに……ぐわああああああああ!!!!」


ゴルドケルベロスの肉体が分子レベルにまで蒸発して爆散した。
余波によって賢者の石も消失し、マスター端末が転がり落ちた。


ファズ「こんな、はずは……今はとにかく消えかかっているデータの再構築を……」

リップル「…………」

デューク「待ちたまえリップル、そんな武器ではこれは壊せないよ」

ケイネス「これを壊せるとすれば……」

ファズ「……あっ!?」


三者の視線が一つに集まる。
それはビルゲニア、コヨミ、笛木と複数の命を奪った武器、ハーメルケインである。
この剣ならばマスター端末を破壊する事が出来る。


リップル「これね……」

ファズ「待て!待つのだ華乃!」

リップル「あんたは、私の大切な友を侮辱した。絶対に許さない!」

ファズ「い、偉大な私の頭脳をこの世から消してはならない」

トップスピード「やっちまえ、リップル」

ファズ「華乃!」

リップル「やっちまえ……ってさ」

ファズ「待ってくれ!華乃ォオオ!待て!落ち着け、やめろぉ!!」

ファズ「やめろ!華乃!あぁ…ぬぁあああああ!!」

ファズ「ぬぉおおおおおおおおおおおおおおぁああああああああああああああああああああ!!!!」


ハーメルケインが振り下ろされ、マスター端末は粉々に砕け散った。


リップル「さよなら……父さん……」


こうしてファントム事件は完全に終わった。

笛木の研究所


ここはN市のどこかに存在する隠された研究所である。
そこでは蛮野ですら知らない、もう一つの研究が行われていた。
テレポートでここに来た笛木は、血を零しながらも歩き続ける。


笛木(まだだ……まだ暦は救える……)

笛木(サバトと比べて、不確定要素が多く後回しにしたが、もうこれに頼るしかない……)

笛木(この儀式を起動させ……私の願いを叶えさせるのだ……)


研究所の地下奥にある一室に巨大な鏡が設置されていた。
笛木は鏡に手を伸ばした後、力尽きて塵になって消滅した。
鏡は不気味なほど眩く輝き、笛木の塵が鏡の中へ吸い込まれた
輝きを失った鏡は何も反応せず、ただ静寂に包まれていた。



N市に甚大な被害をもたらしたファントム事件

それを起こした犯人が魔法の国の人間であった事実。
他にも国家反逆罪として処刑された大罪人がデータと化して悪事を働いていた事件も合わさり。
魔法の国の管理のずさんさが浮き彫りとなり、役所は多忙を極める現状となっていた。


事実が発覚後、すぐに魔法の国から使者がやってきた。
この事件に対する謝罪と、その後の処遇に付いて語った。


イオク「魔法少女達よ!私はクジャン家の当主、イオク・クジャンである!」

イオク「今回の事件に付いては私達の不手際が招いた事、本当にすまない!!」

イオク「君達の決死の戦いで笛木や蛮野の野望を阻止した英雄的活躍は我が国の上層部にも届いている!」

イオク「その功績を聞いて大変、感激しておられたラスタル様から伝言を預かっている」

イオク「N市の魔法少女達の勇敢さは素晴らしく、これこそ清く正しい魔法少女そのものである!」

イオク「君達15人の魔法少女を全員、正式な魔法少女として採用したい、との事だ」

イオク「君達の返答を期待しているぞ。我々と共にこの世界を守って行こうでは無いか!」


そう伝えて帰って行った。
無駄に自信と正義感の強い使者であった。
その後、使者からの伝言を聞いた彼女達は正式な魔法少女として契約を交わした。

一旦、ここまで
今日中にエピローグを投下して終わらせる予定
まほいくキャラが誰も死なずに済んでよかった

>>270
欲望に忠実な人だから迂闊に信用するべき相手では無いのは確か

エピローグ


華乃の高校


カレン「オハヨウゴジャイマース!!」

こけし「おはようございます」

華乃「おはよう」

ココア「やった♪今日の占い、私一位だよ♪」

アリス「私最下位だった……」

陽子「そんな気にすんなよ」

和菓子「ねえ聞いた?この前の事件、魔法少女の活躍で食い止めたらしいわよ」

鬼島「日食が突然起こった事件ですか」

綾「驚いたわよね。急に身体が動かなくなったんですもの」

カレン「魔法少女凄いデース!私も魔法少女になりたいデース!」

カレン「動物と仲良くなれる巫女服のヤマトナデシコな魔法少女がいいデース!」

陽子「えらく具体的だなぁ」

綾「魔法少女ね。私は……」

カレン「あややは機械を改造する黒ナースな魔法少女が似合いマス!」

綾「何で!?」

カレン「何となくデス。ちなみに鬼島は怪人蟹男デス」

鬼島「ええ~」

華乃(この平和な日常生活を守る事が出来た)

華乃(私は魔法少女になれて本当に良かったと心の底から思えるよ)


奈緒子の家


奈緒子「…………」モグモグ


カラミティ・メアリこと山元奈緒子は昼食を取りながらニュース番組を見ていた。
内容は有罪確定と言われていた暴力団幹部の裁判で無罪を勝ち取ったという物。
担当した弁護士は黒を白に変えると言われている天才弁護士だった。


奈緒子「……ふん」


いかにも『人生勝ち組です』と言わんばかりに余裕に満ちた笑みを浮かべながら
記者達のインタビューに答えている弁護士を見て不快になり、番組を変えた。

スーパー


つばめ(さて、今夜は豚の生姜焼きでも作るか♪)


トップスピードこと室田つばめは晩御飯の食材を買っていた。
彼女の隣には大男が食材をかごに入れている。
かごにはどれも、つばめの手に届かないような高級食材が入っていた。


つばめ(うひゃー!すっげー金持ちなんだな~)

秘書(今日は先生が難しい裁判に勝った記念だから、いつもより豪勢なフランス料理を作ろう)


路上


占い師「そこのあんた」

早苗「何よ」


ルーラこと木王早苗が街を歩いていると街角にいる占い師に声をかけられた。


占い師「これからあんたに良くない事が起こる。特に頭上に注意した方がいい」

早苗「余計なお世話よ」

占い師「俺の占いは当たる」

早苗(変な奴ね。頭上に注意って……)


ふいに上を見上げると、住宅の二階に設置されている花瓶がぐらぐらと揺れていた。
固定されていた器具が外れ、早苗の目の前に花瓶が落下して割れた。


早苗(これって足を止めなかったら、私の頭に……)

占い師「俺の占いは当たる」キリッ

早苗「二回言うな」


大学


美奈「なんか私達の人気変わらず低いんですけどー」

優奈「低いんですけどー」

美奈「これだけ頑張ったのにねー」

優奈「ねー」

大学生「あんた達、まだそんなソシャゲやってんの?」

美奈「何で遊んだって私達の自由でしょ」

優奈「そーだそーだ!」

大学生「そんなゲームが好きだったらさ。もうすぐ俺のサークルで作ってるゲームが完成するからプレイしてみる?」

美奈「えー、素人が作ったゲームなんか絶対つまんないじゃん」

優奈「そうだよ。絶対クソゲ―じゃん」

大学生「言っておくけど、かなりの自信作だから、控えめに言って大手ゲーム会社が作るゲームの100倍は刺激的だよ」

美奈「ふーん、そこまで言うならプレイしてもいいよ」

優奈「つまんなかったら飯奢らせるからね」

大学生「決まりだね。完成したら教えるから楽しみに待っててよ」

橋の下


真琴「おっちゃーん」

おっちゃん「おう、まことちゃん久しぶりだなぁ」


マジカロイド44こと安藤真琴は久しぶりにホームレスのおっちゃんの所へ戻ってきた。
普段と変わり映えしないおっちゃんの姿に真琴の顔に安堵の笑みがこぼれる。


真琴「最近は結構忙しくて中々会いに行けなかったのよね」

おっちゃん「そうかそうか。真琴ちゃんが相変わらず元気で良かった」

真琴「それにしてもおっちゃん、何の写真を見てたの?」

おっちゃん「女房と娘さ。どうだ、女房も娘も美人だろ」

真琴「確かに、おっちゃんには勿体無いくらい綺麗じゃん」

おっちゃん「はっはっは!言ってくれるじゃない」

真琴「よりを戻したいって思ってる?」

おっちゃん「……まぁな。その願いを叶えるにはまず仕事を見つけないといかねえけどな」

真琴「おっちゃんなら良い仕事見つかるって、じゃあ私、そろそろ行くね」

おっちゃん「おう、またな」


夢の世界


中年男性「……なんだここは?」

ねむりん「やっほ~、魔法少女のねむりんで~す」

中年男性「魔法少女?こんなくだらん夢を見るとは俺も疲れてきたか」

ねむりん「むう……魔法少女はくだらなくないよ!皆に夢と希望を運ぶ素敵なお仕事なんだから」

中年男性「それがくだらないと言っているんだ。世の中は競争だ。誰かを蹴落として生きているんだ」

ねむりん「争うよりも皆で仲良く協力し合って生きた方が楽しいと思うけどな~」

中年男性「そんなおめでたい思考を持った甘ちゃんが利用され淘汰されるんだよ」

中年男性「現に俺は、沢山の人間を利用してここまで上り詰めてきたんだ」

ねむりん「それだけ偉くなれたのなら今度は皆を助ける側に回ってもいいんじゃないの?」

中年男性「足りるかよ。権力、財力、暴力、力はいくら増やしても多すぎる事は無いんだよ」

ねむりん「その生き方って辛くならない?いくら強くなっても皆に嫌われたら悲しいよ」

中年男性「それは社会の負け犬の発想だ。他人に憎まれる事を恐れていたら人の上になんて立てんよ」

中年男性「これ以上、お前と話す事は無い。さっさと消えろ」

ねむりん「……分かったよ、じゃあね」

小学校前、下校時間


綾名(本から色んなお姫様のお話を読んできた)

綾名(お姫様の多くは王子様と結婚して幸せに暮らしている)

綾名(ルーラも王子様と結婚するのかな?……私も王子様と?)ゴツン

青年「大丈夫……だよね?」

綾名「…………」コクリ


スイムスイムこと坂凪綾名は考え事をしながら歩いていると青年とぶつかった。
青年は綾名とどこか似た雰囲気を持ったダウナー系の男だった。
綾名に怪我が無いのを知るとそのまま立ち去って行った。


ショッピングモール


珠(ルーラのプレゼント、何がいいかなぁ)

警備員(何か楽して稼ぐ方法無いかなぁ~毎日好きな様にお金が使える暮らし、憧れるよなぁ~)


たまこと犬吠埼珠は日々、お世話になっているルーラのプレゼントを探していた。
珠の近くにいたショッピングモールの警備をしているこの男は、楽に稼げる方法が無いかと
しょうもない考えをしていた。

アンティーク店前


ケイネス(報告書の作成も終わったし、そろそろ魔法の国へ帰るとしよう。ソラウも私を心配しているだろう)

ケイネス(よし、ここでソラウに土産でも買っておこう)

店長「いらっしゃい」

ケイネス「なかなか良い品揃えじゃないか。少し見せてもらうぞ」

店長「いいですとも、うちの商品は品質にはかなり自信がありますから」

店長(さて……次の取引からは俺の分け前を増やしてもらうとするか)

店長(奴の立場からして、あの刑事が俺の要求を断る事は無いだろうからな)


小雪の高校前


小雪(よし!今日も魔法少女活動、頑張ろうっと)

刑事(押収品を横流しするだけでこうも楽に稼げるとは笑いが止まりませんね)

刑事(正義などと言うくだらない幻想から目を覚まさせてくれた、あの白い魔法少女には感謝したいぐらいですよ)

小雪「……?」


スノーホワイトこと姫河小雪は、目の前を通り過ぎる男に既視感を覚えつつも
人目の映らない所で魔法少女に変身してラ・ピュセルとアリスのいる場所に合流した。


スノーホワイト「二人とも、お待たせ」

ラ・ピュセル「じゃあ早速行こうか」

アリス「はい」


正式に魔法少女になったスノーホワイト
今日も清く正しい魔法少女として困っている人達を助けに向かう。
彼女の魔法少女の活動はまだ始まったばかりなのだ。



平和な日々が続くと思っていた。
ファントム達の脅威を取り除いたN市にもう敵は現れない、そう誰もが思っていた。
その考えは間違っていたと気付かされる事になる。


人通りの多い街中


菜々「あら、一つ買い忘れてしまいました。少し待っていてください」

雫「それなら一緒に行こう」

菜々「大丈夫ですよ、お店はすぐ傍にありますから」

雫「奈々がそこまで言うならここで待っているよ。気を付けてね」


シスターナナこと羽二重菜々とヴェス・ウィンタープリズンこと亜柊雫は買い物帰りの途中だった。
買い忘れに気付いた菜々はスーパーへと戻っていった。
この事を雫は今でも後悔している。
あの時、無理にでも菜々と一緒に行動をしていれば防ぐ事が出来た事件だったと。


菜々「……あれは?」

通り魔「…………」


菜々の目の前にふらふらと歩く男がいた。
蛇柄のシャツを着ており、長身で痩せ型、ぎょろりとした目つきが菜々を睨みつける。
菜々は気付いた、男の右手には鉄パイプが握られている事を。
右腕を持ち上げた男は手に持った武器を菜々に向かって振り下ろした。


ドサリと菜々が倒れ伏す。
今度は傍にいたサラリーマンの青年に向かって鉄パイプを振るい、また一人倒れる。
三人目は肥満体質のおばちゃんを殴りつける。
左目の眼球が飛び出してアスファルトに叩きつけられて潰れた。

三人の人間が倒れた所で周囲の人達が悲鳴をあげて逃げ出した。
動きが遅く逃げ切れなかった老人の頭部を殴りつけ、鮮血が吹き荒れる。
190cmはありそうな髭面の大男が、通り魔に向かって殴りつけた。


大男の拳を顔面で受け止めた通り魔は反撃に殴り返して、大男が路上に転がった。
通り魔は鉄パイプを両手で持ち、大男の頭上に叩きつけるように振り下ろす。
大男の頭部が爆ぜた、脳漿が飛び散って路上を汚す。


雫「このっ!」

通り魔「…………」


駆けつけた雫が通り魔に一撃を与えるも全くダメージを受けている様子は無い。
通り魔を見て雫は思った、こいつは人間じゃない、獣だと。
人の味を覚えた猛獣が爪と牙を用いて人を襲っているのだと。


通り魔「はっはっはぁ……」

雫(こいつ……)


周囲の人間の血を浴びて真っ赤になった通り魔は乾いた嗤いを浮かべている。
血に飢えた獣は雫をターゲットに選び、命を奪おうとしている。


通り魔「はぁっ」

雫(一撃でも受けたら不味い、全力で躱さなければ)


雫は回避に徹して通り魔の鉄パイプを避けた。
攻撃を受けた瞬間、自分は動けなくなる。
二撃目で確実に命が奪われると。


雫(周囲にはまだ人がいる。変身さえ出来れば……)

警察A「警察だ、動くな!!武器を捨てろ!!」


近くを巡回していた警察二名が通り魔に銃を向けた。
これで通り魔の凶行も終わると安心したのか、逮捕の瞬間を記録したいのか。
数十メートル放たれた先で、野次馬達が通り魔にスマホを向けて撮影を始めている。

雫(嫌な予感が収まらない……)

雫「あの男は普通じゃない!気を付けた方がいい!」

警察A「我々はプロだ、任せなさい」

通り魔「…………」


通り魔は腕を横に伸ばして握りしめた手をゆっくりと開いた。
血に染まった鉄パイプが落下する。
警察が通り魔に手錠をはめようとした瞬間、通り魔が視界から消えた。


警察A「なっ……」

雫「まずい!」


人間離れした速さで動いた通り魔が隠し持っていたナイフを用いて
手錠をはめようとした警察の首を掻っ切った。
それから一秒も経たずに奥にいたもう一人の警官の首も斬り裂かれる。


警察B「――っ!!」

通り魔「はぁああ……」

雫「逃げろ!!」


数十メートルの距離が安全圏内だと判断していた野次馬達の群れに一瞬で通り魔が潜り込んだ。
すれ違う人間達を次々とナイフで刺し、至る所で血飛沫が舞い上がった。
雫は必死に後を追おうとするが通り魔の異常な足の速さと、逃げ惑う市民が行く手を塞ぎ
通り魔を完全に見失ってしまう。


雫「菜々……菜々はどこだ!?」


スーパーへの道筋を辿って菜々を捜索する……見つけた。
頭部から血を流して意識を失っている状態で発見された。


雫(急いで病院へ運ばないと、しかし私が下手に動かしては取り返しのつかないことに)

雫(頼む!早く救急車を!)


多数の救急車が現場にやってきた。
菜々はすぐさま病院に搬送され緊急治療が行われた。

病院


雫(奇跡的に菜々の一命を取り留める事が出来た)

雫(だが、脳へのダメージは大きく、いつ目覚めるか、もしかしたら一生目覚めないかもしれないと医者が言っていた)

雫(私が菜々から目を離さなければ……自分の不甲斐なさが許せない)

雫(……もう一人、許せない奴がいる。菜々を傷つけた通り魔だけは絶対に許さない)

雫(例え、奴が処刑場へ送られるとしても私は見逃すつもりは無い)

雫(私自身の手で、奴を殺してやる!!)



平和な街に突如、恐怖をもたらしたこの事件。
それはまだこれから起こる惨劇のほんの始まりに過ぎなかった。


鏡の世界に巣食う異形の怪物達の力を手にした仮面契約者達。
願いを賭けて殺し合う彼らの出現によってN市の住人達が。
魔法少女達が戦禍に巻き込まれる事になる。
果たして魔法少女達はこの戦いを食い止める事が出来るのか?


ファントム編 完

これにて投下終了です
意地でも仮面ライダーとは呼ばないスタイル
登場人物といいアイテムといいごった煮カオスなSSでしたが
ご愛読頂きありがとうございました


続編を書くかどうかは検討中です

クラムベリーがでないな思って読み返してみたら逮捕されてたの
忘れてたわ・・・

続編を書くとしたらこのスレを継続するべきなのか
それとも新スレ立ててスレタイ変えるべきなのか悩む

>>289
クラムベリーは後のまほいく作品に影響しまくりなキャラなので
出番を与えたかったが迂闊に動かせずにこういった扱いになった

SSを書くモチベがまだ残っていたので、このスレで続きを投下します

最終章 仮面契約者編


街中で白昼堂々と多数の市民を死傷させた通り魔事件。
犯人は山に向かって逃走したという目撃証言を取った警察はすぐさま逮捕に乗り出した。
武装警察隊を投入して山の中の探索を開始した。


一人の警官が木々に妙な物が吊るされているのに気付いた。
そこにライトを向け、正体が判明した時、警察は息を飲んだ。
吊るされていたのは複数の人間の死体だった。


死体の腹は裂かれており、地面には内臓がばら撒かれていた。
これだけ残忍で猟奇的な犯行が行えるのは、あの通り魔しかいない。
死体達の前に戦慄する武装警官達の樹上で潜んでいた通り魔が襲い掛かった。


通り魔が鉈を振り下ろして武装警官の首が刎ね飛ばされた。
切断された首から噴き出す血飛沫をその身に浴びて次々と警官隊を襲った。
悲鳴と銃撃が響き渡る中、半数以上の武装警官の命を奪った通り魔をようやく捕獲出来た。


通り魔の身元を調べた所、彼の名は浅倉 威、25歳だと判明した。
少年時代に児童養護施設から抜け出した後は行方知れずだった男だ。
異常な凶暴性を持つ浅倉は刑務所内でも最も厳重な監視の付いた地下奥深くにある独房に入れられた。


浅倉が独房に入ってから、そう月日が経たない内に事件が起こった。
刑務所内で突如、酸性の強い謎の毒ガスが発生したのだ。
毒ガスが刑務所全体を包み、囚人達と看守達、殆どの人間が死亡した。
刑務所内の精密機械も毒ガスによって壊され、監視カメラのデータも残っていなかったために
事件の真相の究明は困難を極めていた。


毒ガスから僅かに生き残った職員達は次々に奇妙な発言をしていた。
「紫色の怪物が人を襲っている」と。
信じがたい内容だが、死体の中には異常な力によって人体が破壊されてる物も多数あった。
刑務所内の囚人の遺体を調べていく内に、ある事実が判明した。
凶悪犯罪者、浅倉威の死体が存在していない事に……。



浅倉威が逮捕された事件、刑務所内で毒ガスが発生した事件は
すぐさま全国のニュースで報道され
それを見ていた市民達は次々の異常な事態に不安を募らせていた。
ニュースを見ていた姫河小雪もとても胸を痛めた。


浅倉威によってシスターナナは意識不明の状態が続いている。
N市を守る魔法少女として共にファントムと戦ってきた大切な仲間だ。
パートナーであるウィンタープリズンとは連絡が取れないのも気がかりだった。


小雪(二人の事は心配だけど今は何も出来ない。私は私の出来る事をしよう)


魔法少女としての役割を放棄する訳にはいかない。
今はシスターナナの分まで善行に励むのが自分の使命だと言い聞かせた。
放課後、ラ・ピュセルとアリスの二人と合流し、人助けを開始した。


『もう嫌だ!!』『戦いたくない!!』『殺されるぐらいだったら……』

スノーホワイト「心の声が聞こえる!あっち!」


心の声の聞こえた方向へ向かった三人は古びたアパートにたどり着く。
チャイムを鳴らしたが反応は無い。心の声も聞こえてこない。
ドアノブを掴むと鍵はかかっておらず扉が開いた。


ラ・ピュセル「なんだこれは……」

アリス「真っ暗です」


外はまだ明るいというのに室内は明かり一つ無い暗闇だった。
魔法少女の優れた視力で中を確認して気付いた。
全ての窓に新聞紙が貼り付けられ床にはガラスの破片が散らばっていた。
嫌な予感がしたスノーホワイトは土足のまま部屋の奥へ入った。
そこには若い男がロープで首を釣っている姿があった。

スノーホワイト「――――っ!?」

ラ・ピュセル「大変だ!」

アリス「救急車を呼びます」


すぐさま男を床に降ろして、心臓マッサージを行った。
スノーホワイトの魔法と迅速な人命救助によって男は意識を取り戻した。
男はスノーホワイトと目が合うと、彼女の腕を掴んだ。


『もう契約者なんてこりごりだ!』『代わりに戦ってくれ!』

スノーホワイト(どういうこと?)


スノーホワイトの疑問を他所に、男は安心した様に意識が遠のいていく。
救急車がやってきた、後は救急隊員に任せるとした。
再び人助けを始めるべく、アパートから飛び出して家々の屋根から飛び移っていく。


スノーホワイト「え?ここはどこ?」


紫色の霧が辺りを包み、スノーホワイトの方向感覚を狂わせた。
霧の中に閉じ込められたスノーホワイトはどこへ行けばいいのか分からず不安になる。
突然、風が吹いた、霧の一部が消えて一本の道が開いた。
スノーホワイトは何者かに招き入れられるように道なりを進んだ。


霧が晴れて行く、目の前には古びた教会が建っていた。
扉の前に立つとギギギ…と錆び付いた音を鳴らしながら開いた。
教会の中に足を踏み入れたスノーホワイトは思わずビクッと肩を震わせた。


床も壁も天井も全てが鏡張りで出来た、鏡の部屋だった。
鏡の表面は血文字でびっしりと覆われていた。
それは人間達のの願いだった。
絵馬に願いを書いて神社に奉納するように願いが書かれている。
様々な欲望が鏡に映されてスノーホワイトは気分が悪くなってくる。

黒い影(お前の願いを書け)

スノーホワイト「私の……願い……?」

黒い影(それが契約の印だ)


教会から現れた黒い影がスノーホワイトに語り掛けてくる。
スノーホワイトは言われるまま指で鏡に願いを書いた。


(清く正しい魔法少女で有り続けられますように)


願いは血文字になって鏡に流れる。
その時、スノーホワイトの手の中に龍の顔をかたどったエンブレムが
いつの間にか握られていることに気が付いた。


スノーホワイト「痛っ、エンブレムが手の中に……」


エンブレムは手の中に沈み込んで刻印の様に埋め込まれた。


黒い影(お前が先ほど助けた男は仮面契約を放棄し、お前に譲った)

黒い影(お前が願いを書いたことで譲渡は成立された)

黒い影(たった今からお前は仮面契約者として戦わなければならない)

黒い影(お前はエンブレムの力により変身することができる)

黒い影(戦いに勝ち残り、最後の一人になればお前の願いは叶えられる)

スノーホワイト「どういうこと?仮面契約って何なの?あ、ああ……」


スノーホワイトの体内に熱い物が入ってくる感覚が伝わる。
脳内に赤い龍のイメージが流れてくる。


ドラグレッダー(貴様か。我の新しいマスターは)

スノーホワイト「ドラゴン?なんで私の中に?」

ドラグレッダー(時期に分かる。せいぜい我を失望させるなよ)


手に埋め込まれたエンブレムが輝き、スノーホワイトは教会からミラーワールドへと転移された。
ミラーワールド、そこは左右が反転し、人間は存在せず、風も音も無く
澄み切った空は、全ての星座が集まり不気味なほど輝きに満ちていた。


スノーホワイト(どこ?……声が出ない!?)

ドラグレッダー(敵だぞ、戦え)

ディスパイダー(シャアアアアアア!!)


巨大なクモの怪物がスノーホワイトの前に現れた。
スノーホワイトの内に存在する契約モンスターの声によって戦いを催促されるが
次々と巻き起こる超常現象の数々にスノーホワイトの思考は追いつかない。


スノーホワイトはとにかく逃げ回った。
ミラーワールド内の異常な雰囲気によって闘争心はすっかり衰えていた。
ディスパイダーはスノーホワイトを捕食するべく追いかけてくる。

ドラグレッダー(戦わなければ死ぬぞ。我の力を使って戦え)

スノーホワイト(貴方の力を使う?)

ドラグレッダー(我と契約した時に理解している筈だ。戦い方を)


ドラグレッダーの言う通り、スノーホワイトは力の使い方を知っている。
体内に契約モンスターが入った瞬間に知識が流れ込んできたのだ。
スノーホワイトはディスパイダーに向けて拳を突き立て、攻撃の意思を示した。


龍の頭を模したパーツが右腕に装着され、魔力が集中する。
龍騎のストライクベント、ドラグクローファイアーの火球が射出される。
火球がディスパイダーに直撃し、炎に包みこまれる。


スノーホワイト(倒したの?)

ドラグレッダー(まだだ)

ディスパイダー(シャシャシャアアア!!)

スノーホワイト(糸が!?)


ディスパイダーの口から放たれた糸がスノーホワイトを拘束する。
糸が身体全体を包み込み、身動き一つ取れない。
スノーホワイトにトドメを刺すべくディスパイダーから針が射出された。


スノーホワイト(私、こんなところで死にたく)


カキンカキン


固い物質に衝突した針が転がり落ちる。
スノーホワイトの目の前にはいくつもの壁が生え、盾代わりとなっていた。


ウィンタープリズン(間一髪だったなスノーホワイト)

スノーホワイト(ウィンタープリズンさん!)

ウィンタープリズン(話は後だ。まずはこいつを片付ける)


ウィンタープリズンの姿が少し変化していた。
黒い槍を武器に使い、肩に装着された黒いマントの姿は黒い騎士を連想させる。
針の攻撃を躱したウィンタープリズンの手から超音波が発せられ敵の動きは止まった。


ウィンタープリズンは空高く跳躍する。
マントが全身を包み込み、黒いドリルのような姿となり回転しながら落下した。
ディスパイダーの身体に風穴が開き、爆散した。
ウィンタープリズンは倒したモンスターに向かって手をかざすと
ディスパイダーの魂が吸引され、ウィンタープリズンの身体に取り込まれる。


スノーホワイト(ウィンタープリズンさん、これは……)

ウィンタープリズン(君も契約者になったんだね)

スノーホワイト(え?か、体が!)シュウウ

ウィンタープリズン(時間か、早くここから出よう)シュウウ


二人はミラーワールドから脱出した。
そこはいつも通りの現実世界だった。
街頭の明かりも、走り去る車の騒音も、おしゃべりしながら歩く街の人間達の声もある。
全てが愛おしく思えた、当たり前のように存在する物がこんなに恋しくなるなんて初めてだった。

アリス「見つけました」

ラ・ピュセル「スノーホワイト!よかった……無事だったんだね!」

スノーホワイト「そうちゃん!!」

ラ・ピュセル(スノーホワイト!?……震えてる)

スノーホワイト「怖かった……怖かったよぉ」

アリス「ウィンタープリズンさん、何があったんですか?」

スノーホワイト「それはスノーホワイトが落ち着いてから話そう」


ラ・ピュセルの胸に飛び込む様にスノーホワイトは抱擁した。
彼女の怯えている様子を見てラ・ピュセルはなだめるように抱きしめ返した。
しばらく抱擁を続けてようやく落ち着きを取り戻し
なぜスノーホワイトとウィンタープリズンの二人が一緒にいたか語り始めた。
にわかには信じがたい内容だったが彼女達が鏡の中から出現した事と
手の甲から浮き出たエンブレムの存在が真実だと知らしめる。


ラ・ピュセル「ミラーワールドに仮面契約者、そんな物があるなんて……」

アリス「その話が本当ならウィンタープリズンさんとスノーホワイトさんも殺し合う事になるんですか?」

ウィンタープリズン「正直言ってスノーホワイトとは戦いたくない、出来れば誰かに契約を譲って降りてほしい」

ウィンタープリズン「スノーホワイトの願いは自力で叶えられる。いや、叶えてこそ意味があると私は思う」

スノーホワイト「ウィンタープリズンさんは契約者として続けるんですか?」

ウィンタープリズン「ああ、私にはどうしても叶えたい願いがある」

スノーホワイト「……シスターナナさんを救う為ですね」

ウィンタープリズン「それもある、他にもう一つ私は復讐の為に契約者の力を使う」

ラ・ピュセル「復讐?」

ウィンタープリズン「皆も知っているだろう。凶悪犯罪者、浅倉威を」

アリス「はい、ニュースで見ました」

ウィンタープリズン「奴を殺す為だ。あいつは既に刑務所から脱獄した。契約者の力を使って」

スノーホワイト「そんな!?もしかして……刑務所から出た毒ガスは」

ウィンタープリズン「話しておくべきだろう。私と浅倉が戦ったあの日の事を……」


今回はここまで、ウィザードの次は龍騎メインのクロスです
新章になりスノーホワイトがパワーアップして可愛いマスコット(ドラグレッダー)もゲットしました
ファントム編と比べてギャグ要素が減ります、主にシャンゼリオンのせいで


色々設定弄ってるので仮面契約者の設定を紹介

・契約モンスターは契約者の心に潜み、契約相手のみ意思の疎通が出来る(仮面ライダービーストに近い)
・契約者は120時間以内に契約モンスターに餌をあげなければならない。餌はモンスターか人間の命である。
・契約者は基本的にミラーワールドで戦いを行うが外の世界でも魔法の使用となっており殺害してもお咎め無し
・餌を供給出来なかった者、又は戦う意思を完全に放棄した者は契約モンスターの餌となる。
・契約者は魔法使いと化しており、魔法少女の認識阻害を看破できる。
・契約者が望めば契約を解約することができる。ただし、その場合、契約を受け継ぐ他の人間を見つけなければならない。

>>300のウィンタープリズンの台詞の一部がスノーホワイトになってた恥ずかしい

続けるなら分けてくれると有り難いんだけど・・・

>>303
そこは>>290の時に反応があれば出来ましたが、もう既に投下したのでこのスレを使いますね
では続きを投下します

ウィンタープリズンの回想


浅倉が逮捕されたニュースが全国で流れた日。
ウィンタープリズンは浅倉を直接殺害するべく行動を開始した。
抑えきれない憎しみは、その手で浅倉の命を奪わない限り晴れる事は無い。


王結寺


ルーラ「透明外套を貸してほしいだと?何に使う気?」

ウィンタープリズン(人を殺すために使うと知ったらルーラは断るだろう)

ウィンタープリズン「それは、言えない……だがどうしても必要なんだ。用が済めばすぐに返す」

ウィンタープリズン「その間は、私に支給されたマジックアイテムを自由に使って構わない」

ルーラ「アイテムって、着せ替えカメラ?こんなのいらないわ」

ウィンタープリズン「……どうしても貸してもらえないなら実力行使に訴えるつもりだ」

たま「あわわ……」

スイムスイム「ルーラに危害を加えるなら私は戦う」

ミナエル「透明外套貸せば、着せ替えカメラ使ってもいいの?」

ウィンタープリズン「ああ」

ミナエル「じゃあいいよ。今転送するねー」

ウィンタープリズン「感謝する」

ルーラ「ちょっと何勝手に決めてんのよ!」

ミナエル「いいじゃんいいじゃん、透明外套は元々私に支給されたアイテムなんだからさ」

ユナエル「へぇ~これが着せ替えカメラかぁ~」

ミナエル「この紙に絵を描くんだね。さらさら~と」

ユナエル「うわお!お姉ちゃんマジエロエロじゃん!」

ミナエル「ルーラ~こっち向いて~」

ルーラ「何よ!」

パシャッ


ルーラ「――ッ!?」

スイムスイム「ルーラも水着になった」

ミナエル「アヒャヒャヒャ!ルーラがマイクロビキニ~www」

ユナエル「ルーラ超セクシーwww」

たま「ああ…駄目だよミナちゃん」

ミナエル「次はスイムもマイクロビキニにしようね~」

ユナエル「しようね~」

ルーラ「ルーラの名のもとに命ずる!ミナエル、私を元の姿に戻せ!」

ミナエル「あーん、面白い所だったのに~」

ルーラ「全然面白くない!」

ユナエル「ルーラのいけず~」

たま「着せ替えごっこするならふりふりの綺麗なドレスにしようよ」

スイムスイム「綺麗なドレス、お姫様、着てみたい……」

ミナエル「いいね~今日はコスプレパーティーだ!」

ユナエル「いえ~い!」

ルーラ「あんた達ねえ……」

ウィンタープリズン「では、失礼する」


王結寺から出た私は、調査の末、浅倉が収容されている刑務所を見つけて侵入することにした。
透明外套とシスターナナの支給アイテムである通り抜けフープがあれば
誰にも気付かれることなく侵入して、浅倉を殺害する事が出来る。
囚人達が就寝している深夜に行動を移した。


透明外套を身に纏い、通り抜けフープで刑務所内部へと入った瞬間、苦痛が全身に襲った。
刑務所全体が黄色い霧に包まれていた。
苦痛の原因はその酸の霧に触れたせいであった。


ウィンタープリズン(この霧はなんだ?それに異臭が酷い……)


歩いている内に異臭の原因を理解した。
霧によって焼き爛れた死体の臭いだ。
考えてみれば魔法少女ですら苦痛を感じる霧が常人に耐えられるはずがない。


牢の中で囚人達の顔が、身体が、酸によってドロドロに焼かれている。
霧の苦痛から逃げ出そうと爪が剥がれながら壁を引っ掻き続けて死んだ者。
呼吸器官に入った霧に体内を焼かれ、呼吸が出来ずに喉を掻き毟って死んだ者。
囚人を出来る限り救おうとして、いくつかの牢を開けてから死んだ者。
開けられた牢から非常口まで逃げようとして途中で力尽きた者。


死体、死体、死体、数え切れないぐらいの死体が刑務所内に散乱している。
依然として霧の痛みが続いているが浅倉を見つけ出さない限り帰るつもりは無い。
それに、この霧が出現した原因も見つけなければならない。


ぐちゃ、べちゃ


何かが潰れる音が奥の部屋から響いてくる。
ウィンタープリズンは気配を殺して、ゆっくりと音のする方向へ歩いた。

王蛇「ああ……」


紫色のスーツを身に纏った男が職員達の亡骸を破壊していた。
どことなくキングコブラを思わせる仮面が返り血によって赤く染まっている。
王蛇は死体から噴き出る血を、その身に浴びて恍惚な声を出していた。


王蛇「糞の臭いがする。そこにいるのは誰だ?」

ウィンタープリズン(姿を消しているのに私に気付いたのか、それにその声は……)


自分の存在に気付いた事にも驚いたが、それ以上に王蛇から聞こえる声が心を揺さぶられた。
目の前にいる王蛇の正体が、菜々を傷つけた復讐するべき男、浅倉威だと気付いた。
透明外套を外して自分の姿を晒す。


王蛇「なんだお前……」

ウィンタープリズン「浅倉威、この虐殺はお前の仕業だな。なぜこんな事をした?」

王蛇「どいつもこいつも糞の臭いを撒き散らしていたからな。これで清々した」

ウィンタープリズン「そうか。貴様はまともじゃないな。ここで死んでもらう」

王蛇「……やってみろ」

ウィンタープリズン「はぁっ!」

王蛇「くくっ」


ウィンタープリズンの拳が王蛇の顔面を殴りつける。
王蛇は回避行動を一切取らずに顔面で受け止めた。
続いて放ったミドルキックが王蛇の脇腹に突き刺さる。
王蛇はウィンタープリズンの足を掴んで動きを封じる。
ウィンタープリズンが片手を地面に付けて魔法を発動。
壁が生えて王蛇の腹部に当たり天井まで押し込んで勢いよく挟み込んだ。


王蛇「なかなか楽しませる」

ウィンタープリズン「壁が溶けている、酸か」


王蛇の口元が開いた。
口内からギザギザの牙を覗かせた。
酸を吐き出して王蛇を拘束している壁を溶かして脱出した。
さらに続けてウィンタープリズンに向けて酸を放出する。
横に飛んで回避した、酸の浴びた個所がドロドロに溶解し崩れていく。

ウィンタープリズン(当たれば魔法少女でもタダでは済まない、か)

王蛇「避けているだけでは俺は殺せないぞ」


続けて酸が吐き出される。
囚人の死体にかかり、骨すら残さず溶けていった。
もう一度、酸を吐き出すと同時に目の前で壁が出現した。
壁に阻まれて酸が飛ばずに終わる。


王蛇「小細工か…」

ウィンタープリズン(このタイミングで仕掛ける)


王蛇の視界は壁によってウィンタープリズンの姿は映っていない。
その隙を付いて壁ごと王蛇に攻撃を当てるべく飛び蹴りを放った。


ウィンタープリズン(浅倉が……いない!?)

王蛇「こっちだ」

ウィンタープリズン「あぐっ!」


壁で視界を塞いでの奇襲を察知した王蛇はすぐに距離を取り
ソードベント、ベノサーベルを出現させ、ウィンタープリズンを斬りつける。
鮮血が飛び、ウィンタープリズンは後退を余儀なくされる。


ウィンタープリズン(こいつ強い……凄まじく!)

王蛇「さぁ、もっと俺を楽しませろ!」


刑務所の外でパトカーのサイレンが響き渡る。
異常に気付いた警察達が出動したのだ。
王蛇は戦いに水を差され、ため息をついた。


王蛇「今日はもう終わりだ。次に会ったらもう一度、俺と戦え」

ウィンタープリズン「ぐっ……」


王蛇は鏡の中に入って消えて行った。
ウィンタープリズンは悔しさに歯を食いしばった。
復讐相手に逃げられたのにも関わらず、ほっとしている自分の我が身可愛さに腹が立った。
このまま戦い続けていれば確実に殺されていた。
それほど実力差は明確だった。

ウィンタープリズン「こんな有様では私は復讐を果たすことが出来ない!」

ウィンタープリズン「済まない菜々……私は、私は……」


自分の無力さが恨めしい。
復讐を果たすだけの力が欲しい!
浅倉を殺す為なら自分の命を投げ捨ててでも!


その瞬間、私の身体は紫色の霧に包まれた。
後のやりとりは、スノーホワイトと大体同じだった。
菜々の回復を願いとして、浅倉威に復讐する為の力を得た。
契約モンスター、ダークウィングをその身に宿して契約者となった。


浅倉が変身する王蛇と比べて、私の姿はさほど大きな変化は無かった。
ダークウィングは、既に魔法少女として仮の姿を持っているからだと。
本来の姿を隠す仮面を付けているのが理由なのだと話していた。

回想終了


ウィンタープリズン「そういう訳だ。私は浅倉を殺す為にも契約者を続ける」

ウィンタープリズン「例えシスターナナが無事だったとしてもあの男を放置しておけば、いつ襲われるかも分からない」

スノーホワイト「それなら私も契約者を続けます!」

ラ・ピュセル「危険だよスノーホワイト!」

アリス「そうです。スノーホワイトも契約者を続ける必要はありません」

スノーホワイト「私は契約者バトルを止めたい。願いを叶える為に殺し合うのは間違ってると思う」

ウィンタープリズン「……それだと、いつか私はスノーホワイトの敵になるかもしれない」

スノーホワイト「それでも、私は見て見ぬ振りは出来ません。殺し合う為に魔法を使うなんて」

ウィンタープリズン「やっぱりそうか。スノーホワイトなら、そう動くと思ったよ」

ウィンタープリズン「私の想いが叶うか、スノーホワイトの想いが叶うか、どちらにせよ恨みっこは無しだ」

スノーホワイト「はい」



ドラグレッダー(戦いを止めるために戦うか。くくくっ、面白い)

スノーホワイト(ドラグレッダーは反対しないんだ)

ドラグレッダー(ああ、我々が契約違反と見なすのは戦いその物を完全に放棄した時だ)

ドラグレッダー(願いを叶える以外の戦いを選ぶのは構わんさ)

ドラグレッダー(それに、戦いを止めるのは勝ち残る以上に過酷な道のりになるだろうからな)

ドラグレッダー(貴様が今後どうなっていくか興味深い、せいぜい我を楽しませてくれ)

スノーホワイト(……嫌な性格)

ドラグレッダー(言うようになったな、さっきまで小動物のように震えていた小娘が)

スノーホワイト(…………)

ドラグレッダー(そう怒るな。我は貴様の味方だ。契約が続く限りいくらでも力を貸そう)


凶悪犯罪者、浅倉威は仮面契約者王蛇となりN市に解き放たれた。
だが敵は王蛇だけではない。
今後、複数の契約者がスノーホワイトの目の前に立ちはだかる事になるのであった。


???「魔法少女ですか……懐かしいですね。ええ、一度会ったことがあります。フフフ、私の力を示すのに相応しい相手ですよ」


オレンジ色のスーツを着た契約者は、いずれ戦うことになる魔法少女の存在に高揚感を募らせていた。

今回はここまで
浅倉が出てくるとさっきまで生命だったものが辺り一面に転がる話が多くて、精神が息苦しくなってくる。
このSSだとカードもデッキも無い仕様なのでサバイブは存在せず
デッキが壊されてカニったり、だしてえええええ!!な状況にもなりません。


契約者説明

仮面契約者 王蛇
装着者 浅倉 威

魔法
酸を出せるよ

魔法説明
契約者や魔法少女も溶かせる強力な酸を口から吐き出す。
また、酸を気化させて霧状にして吐き出す事で広範囲に攻撃が可能。
酸の霧は契約者や魔法少女にはスリップダメージを与えるだけで致命傷にはならないが
一般人がまともに浴びると致死量となる威力がある。

魔法の国


ケイネス「……さて、行くか」


ファントム事件の後、ケイネスは笛木の娘である暦の墓参りに来ていた。
N市で滞在中に同居していたコヨミとの生活は冷徹な魔術師であったケイネスの心に深く残っている。
墓参りを済ませて家に戻る所で連絡が入った。


ケイネス『スノーホワイトか。どうした?』


スノーホワイトはその身に起こった不可解な出来事を語った。
鏡の中の世界、ミラーワールドが存在していること。
ミラーワールドに巣食う怪物、ミラーモンスターと契約して戦う仮面契約者達の存在。
契約者同士で殺し合い、最後の一人になるまで生き残ればどんな願いも叶える事が出来る契約者バトルが行われており。
自分も仮面契約者に選ばれた事を伝えた。


ケイネス『大変な事態に巻き込まれているんだな』

スノーホワイト『魔法の国の方からも調べてもらえると助かります』

ケイネス『分かった。すぐに調査班からミラーワールドの情報を集めさせるとしよう』

スノーホワイト『ありがとうございます。私は契約者バトルで人が死なないために戦いを止めようと思います』

ケイネス『うむ、気を付けたまえよ』




ケイネス「……ファントム事件が終わったばかりだと言うのに、あの町は呪われているのか?」

ppp

ケイネス『凌馬か。何の用だ?』

凌馬『やあ、ケイネスさん。また大変そうな事件が起きているみたいだね』

ケイネス『なぜそれを?』

凌馬『それは私がハッキン…ゲフンゲフン、まぁそれよりもさ少しサバトに似ていると思わないかい?』

ケイネス『サバト……そうか?』

凌馬『元々サバトは賢者の石を精製するために行われた儀式だ。賢者の石を作る目的は笛木の望みを叶えるため』

凌馬『そしてスノーホワイトが言っていた契約者バトル、それに勝ち残った者はどんな願いも叶えられる。それは偶然だろうか?』

ケイネス『つまり今回の騒動も笛木が関係している可能性があると』

凌馬『あくまで可能性の一つとしてね。あの時の笛木は蛮野によって致命傷を負わされていたが死体は発見されていない』

ケイネス『テレポートの魔法でどこかへ行ってしまったからな』

凌馬『もしかしたらその時に笛木が何かを仕組んだかもしれない。調査する価値はあると思うよ』

ケイネス『そうか。笛木の研究資料を入念的に調べさせるとしよう』

凌馬『何かあったら知らせてよ。私が趣味で開発した秘密道具が役立つかもしれないからね』

ケイネス『あまり頼りたくないな。昨日聞いた話だとお前の道具のせいで魔法少女が一人、病院送りになったそうじゃないか』

凌馬『ヨモツヘグリアームズね。非戦闘員魔法少女の戦力アップに使えると思ったが副作用が強すぎたよ』

凌馬『まぁ魔法少女の命に別状は無かったのが幸いだよ。私は今でも謹慎中だがね。はっはっは!!』

ケイネス『笑いごとか!』

その頃N市では……


最近、行方不明事件が立て続けに起こっていた。
神隠しが起きているとか、某国による誘拐事件だとか。
ネット上で熱い議論が繰り広げられている。


小雪宅

小雪「……宿題終わりっと、そろそろ行かなきゃ」

ドラグレッダー(待てスノーホワイト、魔法少女活動の前にしてもらうことがある)

ドラグレッダー(ミラーワールドへ入り、我の餌を用意しろ)

小雪(今じゃないと駄目なの?)

ドラグレッダー(時間が迫ってきている。期限が過ぎたら貴様の命を喰らわねばならない)

ドラグレッダー(我としてもかなり腹が減っている。可能ならば複数の餌が望ましい)

ドラグレッダー(ミラーワールドが怖ければ、適当な人間を魂喰いすれば事足りるが)

小雪(それは絶対にさせない)

ドラグレッダー(ならばミラーモンスターか契約者を狩るがいい)


小雪はスノーホワイトへ変身たあと、更に契約者の力も開放し。
衣装は鎧のような金属が装着され、一部分の色が赤く染まり、赤と白の魔法少女衣装へと変化した。
スノーホワイトが鏡の前に立ち、エンブレムをかざすとミラーワールドへの入り口が開かれて吸い込まれる。

ミラーワールド内


ミラーワールド内には様々な形のミラーモンスターがいる。
昆虫、魚類、爬虫類、鳥類、ロボットのような生物もいる。
スノーホワイトの目の前に蛾の形をしたミラーモンスターが襲い掛かった。


蛾の怪物の攻撃を躱したスノーホワイトはソードベント、ドラグセイバーを出現させ構える。
唾液を撒き散らし、スノーホワイトを捕食しようと迫る蛾の怪物の首を切り落とした。
ファントムと比べれば、動きは単調で簡単に仕留める事が出来た。
首を失い、バタバタと鱗粉を撒き散らしながら動く体に近づき、生命エネルギーを吸い上げた。
生命エネルギーを失った蛾は動きが止まり、光の粒子となって消滅していった。


スノーホワイト(じゃ、帰るわね)

ドラグレッダー(待て!この反応、契約者だ。しかも二体いる)




ガイ(あんたが新しい龍騎か)

インペラ―(へぇ~、噂の魔法少女の契約者ってこういう姿なんだね)

ドラグレッダー(奴らは仮面契約者ガイにインペラ―だ。油断するなよ)


スノーホワイトの前には二体の契約者が姿を現した。
サイをモチーフにした仮面契約者、ガイと
レイヨウをモチーフにした仮面契約者、インペラ―である。

スノーホワイト(貴方達も契約者……)

ガイ(ねえ、あんたさ魔法少女だろ?何で契約者やってんの?)

インペラ―(それ俺も気になった。俺達と見た目全然違うし、やっぱ特殊な存在なのかな?)

スノーホワイト(私は……契約者バトルを止めに来ました。だからこんな事はもう続けないでください!)

ガイ(はぁ?それ本気で言ってんの?こんな面白いゲーム止められる訳無いでしょ)

スノーホワイト(ゲームって……人が死ぬんですよ!そんなの遊びじゃない!)

ガイ(だから面白いじゃん。殺すか殺されるか、命を賭けた勝負してんだからさ)

スノーホワイト(そんなの間違ってます!)

ガイ(お前ウザいわ。良い子ちゃんぶって綺麗事並べてる奴がいると盛り上がらないからさ。さっさとリタイアしなよ)

インペラ―(悪く思わないでよ、魔法少女ちゃん。こっちも勝たなきゃいけない理由があるんだよね)

スノーホワイト(絶対に止めてみせます!)

ガイ(出来るもんなら、やってみろよ!おい佐野)

インペラ―(はいはい、給料分働きますよっと)


インペラ―は固有魔法を発動した。
数がどんどんと増えていき、十数体のインペラ―がスノーホワイトを取り囲んだ。


スノーホワイト(インペラ―の数が増えた)

ドラグレッダー(多数の分身を作り出すのがインペラ―の魔法の様だな)

インペラ―(驚いたでしょ~。俺って結構強いんですよ~)

ドラグレッダー(ガードベントを使って包囲を突破しろ)

スピンベントを発動しガゼルスタッブを装備した多数のインペラ―がスノーホワイトへ飛びかかる。
スノーホワイトはガードベント、ドラグシールドを装着して、三体のインペラ―を突き飛ばしながら
二人の契約者から距離を取り、すぐさまストライクベントを発動する。


スノーホワイト(直撃させない様に、二人の足元で爆発させれば……)


スノーホワイトの周囲に熱気が集まり、温度が急上昇していく。
ドラグクローファイアーを装着した腕から火球が出現した。
二人に向かってスノーホワイトは拳を突き出した。


ガイ(やらせないよ)


ガイは固有魔法、コンファインベントを発動。
火球が弾け飛び、スノーホワイトの魔法は強制終了された。
スノーホワイトが再び火球を作り出そうとするも魔法は全く発動する事が出来ない。


スノーホワイト(魔法が使えない?どうして!?)

ドラグレッダー(おそらくガイの魔法の影響だろう。我の魔法は使用不能になっている)

スノーホワイト(そんな……)

ドラグレッダー(ここは分が悪いな。撤退しろスノーホワイト)

スノーホワイト(……っ!)

インペラ―(おっと逃がさないよ)


インペラ―の群れが退路を塞いだ。
数に物を言わせた攻撃に丸腰のスノーホワイトは対抗できない。
必死に回避行動を取るが次々と繰り出されるガゼルスタッブの攻撃を避ける事が出来ず
衣装は斬り裂かれ、生傷が増え、至る所から血が滴り落ちる。

スノーホワイト(っ……痛い、だけど、まだ……)

インペラ―(もう勝負は決まったからさ。降参しなよ)

ガイ(おい佐野、トドメは俺がやるから下がってろ)

インペラ―(オッケー、任せた)


魔法の重力操作によってガイの体は宙に浮き、姿勢を整えると。
スノーホワイトのいる方向へ自身を落下させる事で、突進を放つ。
それがガイのファイナルベント、ヘビープレッシャーである。


ガイ(これでゲームオーバーだ)

スノーホワイト(駄目…よけきれ)


一陣の風が吹いた。
ミラーワールドには風が吹かない。
風が吹くとすれば、それは何者かの魔法によって作られた風である。
風を作り出した者によってガイのヘビープレッシャーの軌道が逸らされ。
スノーホワイトの命は救われた。


風を作り出し、スノーホワイトを助けた者は上空にいた。
背からは天使を思わせるような白い翼が生え。
花嫁が着るウェディングドレスのような純白の衣装を着た可憐な少女。
その少女の名は……


スノーホワイト(ラ・ピュセル!!)

ラ・ピュセル(スノーホワイト……こんなに傷だらけで……)

スノーホワイト(大丈夫だよ。これぐらいの傷なら)

インペラ―(えっ?えっ?魔法少女の契約者は龍騎とナイトだけって高見沢さん言ってたのに~)

ラ・ピュセル(お前達がスノーホワイトを傷つけたんだな。許さない!)

インペラ―(まぁいっか。ついでに君も倒しちゃうよ)


インペラ―達の脚部に魔力が集中する。
強化された脚力によってインペラ―の速度、ジャンプ力が飛躍的に向上し。
ラ・ピュセルに向かって一斉に飛びかかった。
それがインペラ―のファイナルベント、ドライブディバイダーである。

ラ・ピュセル(はぁああああああああっっっ!!!!)

インペラ―(か、風がっ!?うおわああああああ!?)


ラ・ピュセルは魔力を高め、竜巻のような強風を作り出してインペラ―達を飲み込んだ。
インペラ―達が竜巻の渦の中で足掻く中、ラ・ピュセルは剣を巨大化して構える。
ラ・ピュセルに向かってインペラ―達が落ちてくるように風を操作し
巨大な剣を思いっきり振るい、剣の横っ腹に直撃したインペラ―達が次々と叩き落されていった。


インペラ―(いったぁぁぁぁぁい!!滅茶苦茶いてえ!!)

ラ・ピュセル(契約者バトルを辞めろ!そうじゃないと次はもっと痛い目に会うぞ!)


ラ・ピュセルのファイナルベント、ミスティ―スラッシュによって迎撃されたインペラ―は
大ダメージによって分身達は消滅し、本体は背中を強打した事でじたばたともがいている。


ガイ(おいおい佐野、何やられてんだよ)

インペラ―(芝浦だってファイナルベント外したでしょ!それよりどうする?もう俺の分身消えちゃったよ)

ガイ(仕方ねえな。ここは引くか)

ガイ(おい魔法少女共、契約者バトルを妨害するって事は、俺達、契約者を敵に回したって事だからな)

ガイ(もうあんたら、長生き出来ないぜ。じゃあな)

インペラ―(ちょっと置いて行かないでよ芝浦~)

そう言い残して二人の契約者はミラーワールドから出て行った。
残されたスノーホワイトはラ・ピュセルの方へ振り向いて
契約者として変化して衣装をじろじろと見つめる。


ラ・ピュセル(どうしたの?)

スノーホワイト(そうちゃんの格好すっごく可愛い……ずるい)

ラ・ピュセル(そんな事言われても、スノーホワイトの鎧もカッコイイよ)

スノーホワイト(かっこよくなんてなりたくない)

ドラグレッダー(我の姿をモチーフに変化しているのだぞ。不満か)

スノーホワイト(すっごく不満)

ドラグレッダー(解せんな。ラ・ピュセルの契約モンスターより高性能だと言うのに)

スノーホワイト(そうだ。どうしてそうちゃんも契約者になってるの?)

ラ・ピュセル(ウィンタープリズンさんの話を聞いて解散した後、僕の前にも紫の霧が現れたんだ)

ラ・ピュセル(それで小雪の力になりたいと願ったら契約者の力を手にしたんだ)

スノーホワイト(そんな、そうちゃんまで契約者にならなくても)

ラ・ピュセル(小雪一人に契約者バトルを任せて待つなんて僕には出来ないよ)

ラ・ピュセル(だからお願いだ。僕にも手伝わせてほしい)

スノーホワイト(そうちゃん……ありがとう。一緒に契約者バトルを止めようね)

ラ・ピュセル(ああ、僕はどこまでも小雪を守る剣であり続けるさ)


今回はここまで
ちょっと投下が遅れました
原作で浅倉にベノクラッシュされた小物であるガードベントとサノマン登場
ファムポジションはやっぱ一番可愛い子にやらせるべきだと思って選んだ


契約者説明

仮面契約者 ガイ
装着者 ???

魔法
相手の魔法は使わせないよ

魔法説明
対象となる契約者を選び、発動する事で相手の魔法を封じることが出来る。
一度の戦闘で二回使用が可能となっており、敵の戦力をそぎ落とす事が出来る。
使用者であるガイが戦闘から離脱すると封じられた魔法が使えるようになる。



仮面契約者 インペラ―
装着者 ???

魔法
たくさんの自分の分身を増やせるよ

魔法説明
自らの分身を十数体ほど召喚して戦わせる事が出来る。
分身体は一人一人が本体と意思が統一されており
ナイトの分身とは違い、複雑な指示や連携も可能となっている。
一度、分身を出すだけでかなりの魔力が消耗されるため
連続で多数の分身を作り出す事が出来ない。

その頃……アリスは街の見回りの為に外を飛び回っていた。
ネット内では行方不明になった人物達の情報からして
一部地域で密集して消えている事件だと噂されている。


アリス(行方不明者は皆、夜の外出中に消えている)

アリス(この時間帯に見回れば何か見つけられるかもしれない)


建築物の屋上から別の屋上へと飛び移りながら進んでいる中
目立たない路地裏を歩く人間を発見した。
帽子にロングコートにグラサンにマスクと、全身を覆い隠した男の姿であった。


アリス(私の感が、あいつは怪しいとビンビンに告げています。追いましょう)

???(…………)


男を追跡する事にしたアリス。
路地裏から出た男が歩き続けて、辿り着いた場所はアンティーク店だった。
男はポケットから鍵を取り出して店内へと入って行った。


アリス(このお店の店長さんでしょうか?)

アリス(……明かりも付けずに何をしているのか気になります……中を確認してみましょう)


アリスは男に気付かれない様、ゆっくりとドアを開けて店内へ入って行った。
お店は何日も営業していないのか商品や棚は少し埃が被っていた。
魔法少女の視力は常人より遥かに優れている。
明かり一つ無い状況でも周りの商品にぶつかることなく奥へ進んでいく。

アリス「あの人は……んぐっ!?んんっ!」


背後から何者かがアリスを羽交い締めにして口を塞いだ。
じたばたと暴れて必死に抵抗するアリス。
外見にそぐわないアリスの怪力で拘束が緩んだ所を腹部へひじ打ちを叩き込む。
思わぬ反撃に相手よろけ、距離を取った。


アリス「けほっ……貴方は契約者ですね」

シザース「…………」


アリスに奇襲を仕掛けた者は蟹をモチーフにした
オレンジ色のメタリックボディーに身を包んだ契約者であった。
契約者は何も言わず、ただアリスを見つめていた。


アリス「貴方の目的は分かりませんが人を襲っているのなら私は戦います」

シザース「…………」


契約者は動き出したかと思えば、近くにある鏡に飛び込んで姿を消した。
人目を避けて路地裏を歩いていた男と店内で襲ってきた契約者は恐らく同一人物だとアリスは推測した。
ここら辺を嗅ぎ回られては何か不都合があるから自分を殺しに来たのだと考えた。

ドンドンドン

須藤「誰かいるんですか!?出てきなさい!!」


ドアからノックの音がした後、ライトを持った男が店内を覗いていた。
店内の入り口は一つしかなく今にも入ってきそうな男から隠れるのは不可能だと判断し
アリスは男の指示通りに店内から出ることにした。
男は警察手帳を見せて自分の正体を明かした。
男の名は『須藤 雅史』N市の刑事である。


須藤「大きな物音が聞こえたから来てみれば、貴女はここで何をしていたのですか?」

アリス「それは……不審な人が店に入っていくのを見たので追跡を……」

須藤「そうですか。そういう事は我々警察の仕事です。二度とこんな危険な事はしないように」

アリス「はい」

須藤「では、貴女のお家まで送りますのでお名前と連絡先と住所を教えてください」

アリス「大丈夫です。私は魔法少女なので一人で帰れます」

須藤「はいはい、魔法少女でも何でも未成年がこんな時間帯でうろついていれば補導されるんです」

須藤「疑いたくありませんが、貴女がこの店で何をしていたか詳しく知る必要があるんですよ。早くお名前を」

アリス「私の名前はアリス……ハードゴア・アリスです」

須藤「ふざけないでちゃんと答えてください」

アリス「いいえ、ふざけていません」

須藤「……まぁいいでしょう。連絡先と住所は?それは真面目に答えないと保護者の方々に厳しく言ってもらうように忠告しますよ」

アリス(魔法少女の正体を知られる訳には行きません。このまま帰りましょう)

アリス「それは教えることが出来ません。失礼します」

須藤「あっ、こら、待ちなさい!全く……」


アリス(契約者に出会ったことをスノーホワイトに伝えなきゃ)

その後、スノーホワイト達と連絡を取ったアリスはアンティーク店に現れた契約者の情報を伝え
またスノーホワイトがミラーワールド内で契約者達に襲われ
契約者になったラ・ピュセルが助けに来た事を知った。


スノーホワイト「そうなんだ……アリスの所にも契約者が……」

アリス「はい。オレンジのスーツを着た契約者でした」

ラ・ピュセル「スノーホワイトだけでなくアリスを襲う契約者も現れるなんて……」

アリス(私も契約者になってスノーホワイトのお役に…)

スノーホワイト「契約者になんてならないで!これはきっと、よくない力だと思うから」

ラ・ピュセル「契約者バトルは最後の一人になるまで戦い続けなければならないと言われているしね」

ラ・ピュセル「もちろん私は契約者バトルに参加するつもりは無い。だけど恐ろしく感じるんだ」

ラ・ピュセル「もし、スノーホワイトが命を落としたら私は願いを叶える為に戦うかもしれないと」

スノーホワイト「ラ・ピュセル……」

ラ・ピュセル「分かってる。そんなことスノーホワイトは望まない、だから絶対に契約者バトルは止める」

アリス(スノーホワイトは死なせません。私が命に代えても守ります)

スノーホワイト「ねえアリス、自分の身を軽く考えるのは止めて、ラ・ピュセルもアリスも失うのはとても悲しくなるから」

ラ・ピュセル「契約者が直接導けば、契約しなくてもミラーワールドへ入れるって私のモンスターが言ってる」

ラ・ピュセル「だからどうしてもアリスが契約者になる必要は無いってさ」

アリス「分かりました。もう契約者になりたいとは言いません」

次の日


アリスを襲った契約者が行方不明事件に関わっている可能性があると考えた魔法少女達は
自宅で自殺未遂を起こし、スノーホワイトに契約を譲渡した榊原耕一に接触を図る事にした。
彼なら契約者達の情報を何か知っているかもしれない。


彼の入院していた病院の受付で榊原の容態を訪ねたが既に手遅れだった。
治療を受けて順調に回復していたが、突然ベットから起き上がって鏡やガラスを割りはじめ
窓ガラスを割った勢いそのまま七階の病室から落下して亡くなっていた。


榊原耕一の悲惨な最期が、契約者の顛末を見せられているようでスノーホワイトは恐怖を感じた。
いつか私もこうなってしまうのではないかと。
その様子に気付いたのか、ラ・ピュセルとアリスはスノーホワイトの手を握り「大丈夫」と励ましてくれた。
自分は一人じゃない、仲間がいる、それがとても心強くて温かかった。


次はアンティーク店の調査を開始した。
アンティーク店の店長は加賀友之という眼鏡をかけた中年の男で、しばらく店を開けていないという。
もしかしたら加賀友之が契約者なのかもしれない。
彼を探し出し、契約者かどうかを確かめる必要がある。
行方を見つけるべく、私達はアンティーク店へと侵入し何か手がかりが無いか探す事にした。

アンティーク店


ラ・ピュセル「なんだか泥棒してるみたいだな…」

アリス「これも調査の為です。正当な魔法少女活動です」

スノーホワイト「二人とも……あれ」


スノーホワイトが指した壁は他の壁と比べて僅かに色が違っていた。
それに表面が少しひび割れており、後から壁を塗り直したような跡であった。


アリス「壊してみましょう」

ラ・ピュセル「ちょっとアリス!」


ラ・ピュセルが止めるよりも早く、アリスの手刀が壁に刺さり砕いた。
砂山を掘る様にザクザクと壁を掘り進むと壁の破片と共にメガネが床にこぼれ落ちた。
壁を掘っていたアリスの手の上に誰かがぺたっと触れた。
突如触れてきた手の感触にアリスは驚き、後方へ下がった。


スノーホワイト「きゃあ!」

ラ・ピュセル「し、死体!」

アリス「……加賀友之」


壁を掘った事で、中に埋められていた加賀の死体の姿が現れ
支えを失った右腕だけが外に向かって倒れたのだった。
加賀友之は契約者では無かった。


ラ・ピュセル「加賀さんは殺されていた、ということは……」

アリス「私を襲った契約者は、この死体を発見されたくなかった」

スノーホワイト「じゃあ、加賀さんを殺したのはアリスを襲った契約者ってこと?」


そう考えると納得がいく。
契約者は死体を発見されていないか確認のために何度かアンティーク店へ出入りをし
真相を知ろうとする者を見つけ次第、殺害していたのだろう。


ラ・ピュセル「その推測が正しいなら一刻も早く契約者を見つけないと」

アリス「犠牲者はどんどん増えていきます」

スノーホワイト「私の魔法なら犯人を見つけ出せる。必ず捕まえよう!」

今回はここまで
アンティーク店の店長を殺して壁に埋めたり
真相に近づいたアリスに襲い掛かった極悪な契約者は一体誰なんだろうな

その後、通報を受けた警察達はアンティーク店で加賀友之の死体を発見。
パトカーが何台も集まり、周囲は封鎖され多数の警官と野次馬が集まっていた。
スノーホワイト達は人目の付かない近くの場所で見張り、心の声を聞き続けた。
犯人が現場に来ているかもしれないからだ。
しかし数時間待ったが犯人らしき人物の心の声は聞こえなかった。


スノーホワイト「駄目……犯人は来ていないみたい」

ラ・ピュセル「犯人は必ず一度、現場に戻るというけど上手く行かないか」

アリス「私達の行動に気付いているのかもしれません」

ラ・ピュセル「これ以上は収穫が無さそうだから別の場所を探そう」

スノーホワイト「……うん」

ラ・ピュセル「落ち込まないでスノーホワイト、犯人は確実に追い詰められてる筈だから」

アリス「時期に尻尾を見せる筈です」

スノーホワイト「二人とも……ありがとう」




街の探索を続けたが、一向に犯人の情報は掴めなかった。
夜も遅くなり、また明日に活動を再開しようかと提案を出した所で女性の助けを求める声が聞こえた。


『いや!離して!』『誰か、助けてぇ!』

スノーホワイト「近い、二人とも来て!!」

ラ・ピュセル「ああ!」

アリス「すぐに助けましょう」


スノーホワイトが向かった先にはロングコートを着て帽子とグラサンで顔を隠した男がいた。
男の手には意識を失った若い女性を抱えている。
犯行を見られた魔法少女達に対し、男の焦燥した心の声が漏れた。


『くっ…見つかってしまいました』『仕方ありません。彼女達も始末しましょう』


アリス「彼です。私に襲い掛かってきたのは」

スノーホワイト「アンティーク店で加賀さんを殺したのも貴方ですか?」

男「…………」


『そんな事まで知っているのですか』『尚更生かしておく訳にはいきませんね』


男は言葉を発さない、だがその邪悪な思考は心の声となってスノーホワイトの耳に届く。
間違いない、一連の犯行は彼の仕業である。


スノーホワイト「二人とも!!加賀さんを殺したのはあの人で間違い無い!!」

ラ・ピュセル「犯人め!素顔を見せろ!!」

男「……!?」

ラ・ピュセルの手から突風を発して、男の防止とグラサンを吹き飛ばした。
男の素顔が晒され、アリスは気付いた。
アリスにとって男は一度、出会った事があるからだ。


アリス「昨日の刑事さん」

須藤「……やれやれ、バレてしまいましたか。流石は魔法少女、といった所でしょうか」

スノーホワイト(あれ?あの刑事さんとはどこかで会ったような……)

須藤「すぐにでも貴女達を始末しておきたい所ですがこの数では分が悪いですね」

ラ・ピュセル「逃げられると思っているのか!」

須藤「逃がすつもりは無いと……ではこうするのはどうでしょう?」


須藤は気絶した女性の首を掴んで魔法少女達に見せつけるようにかざした。
首を掴まれた女性はうめき声をあげて苦しんでいる。


須藤「貴女達が下手な動きをすると私は彼女の命を奪います」

ラ・ピュセル「くっ、卑怯だぞ!」

須藤「生憎、私は卑怯もラッキョウも大好物なんですよ」

刑事A「そこまでだ須藤!」

刑事B「大人しく投降しろ!」

須藤「何ですか?一体」

刑事A「加賀友之の店内で我々警察署の押収物がいくつか発見された」

刑事A「そして加賀友之とお前が何度か接触している証拠も掴んでいる」

刑事A「加賀友之の殺害及び、押収品横流しの容疑でお前を逮捕する!」

刑事B「余計な抵抗はするな!」

須藤「そこまで調べが付いていましたか。元はと言えば加賀の奴が分け前をもっと寄こせだなんて言うから」

須藤「頭に来て、つい殺してしまったんですよね。馬鹿な男ですよ加賀は」

刑事B「白状したな」

須藤「本当は死体をミラーワールドの中へ破棄したかったんですよ」

須藤「でも時間が経った死体はミラーワールドへ入れられないみたいでね」

須藤「おかげで私の足が付く結末になってしまいましたよ」

刑事A「何を言っている?須藤」

須藤の言葉は刑事達にでは無く、魔法少女達に語り掛けていた。
追い詰められている筈の須藤の表情は未だに余裕を保ち、笑みさえ浮かべている。
スノーホワイトは気付く、その笑みの意味を、これから始めようとする凶行を。


須藤「ですが私はこんな所で捕まる訳には行きません!!」

須藤「契約者バトルで私は勝ち残るのです!!」

刑事A「早く人質を解放して手をあげろ―ッ!!」

スノーホワイト「逃げてッ!!刑事さん!!」


須藤は人質にしている女性を魔法少女達に向けてぶん投げた。
ラ・ピュセルが女性を受け止めてる間に須藤は刑事達の方向へ振り向き
手の甲に刻まれたエンブレムを輝かせ、仮面契約者シザースに変身した。
シザースが二人の刑事の首を掴み、生命力を根こそぎ奪い取りながら
近くにあるガラスに向かって飛び込み、ミラーワールドへと逃亡した。


ラ・ピュセル「あいつ、なんてことを!」

スノーホワイト「アリス!この人を病院へ!」

アリス「分かりました」

スノーホワイト「行こう、ラ・ピュセル!」

ラ・ピュセル「ああ、絶対逃がす訳には行かない」

ミラーワールド


シザースを追いかけてミラーワールドへ入った二人が目にした物は
大量のミラーモンスターがシザースの元へ集まって何かをガツガツ食べている姿であった。
よく見るとミラーモンスターが食べているのは先ほどシザースが引きずり込んだ二人の刑事だった。
次々に刑事の死体に食らいついたミラーモンスターは獲物を奪い合う様に引っ張り合い。
全身がバラバラに千切れ、あっという間に食いつくされた。


スノーホワイト「酷い……」

シザース「来ましたか。この子達は私の契約モンスターではありませんが」

シザース「魂喰いをした後の死体を捨ててる内に懐いてしまいましてね。私の事を飼育員とでも思ってるんでしょうかね」

シザース「まぁ私としても、死体のリサイクルになり、戦力も増えて一石二鳥ですけどね」

ラ・ピュセル「ふざけるな!!あんたみたいな奴は私は絶対許さない!!」

シザース「ならば力を示す事ですね。力無き正義は無力ですよ」

シザース「さぁミラーモンスターの皆さん、ご馳走ですよ。彼女達を喰らいなさい!!」

シザース「ここは彼らに任せて私は退散しましょう」

ラ・ピュセル「シザースを逃がす訳には行かない!スノーホワイトは先に向かうんだ!」

スノーホワイト「でもラ・ピュセルが……」

ラ・ピュセル「大丈夫、私の魔法は多数の敵を倒すのに向いているから」

スノーホワイト「……気を付けてね!」

ラ・ピュセル「こいつらを片付けたらすぐに追いかけるさ」


シザースを追いかけるスノーホワイトに襲い掛かろうとするミラーモンスター達が風の斬撃によって斬り裂かれた。
ラ・ピュセルの剣の魔法とファムの風魔法は相性が良く、組み合わせた攻撃は強力な切れ味を誇っていた。

ラ・ピュセル「スノーホワイトが心配だからね。悪いけど一気に決めさせてもらう!うおおおおおおお!!」


ラ・ピュセルはファイナルベントを発動させた。
竜巻がミラーモンスター達を襲い、上空へと巻き上げる。
ラ・ピュセルの剣が巨大化し、竜巻によって落下場所を固定されたミラーモンスター達は
一刀によって全てが真っ二つに切断された。
インペラ―の時は峰内によってダメージを抑えたが、これが本来のミスティ―スラッシュの威力である。


ラ・ピュセル「ミラーモンスターは倒した。早くスノーホワイトを追いかけなきゃ」

スノーホワイト「…………」

ラピュセル「スノーホワイト?シザースは…?見失ったの?」

スノーホワイト「ラ・ピュセル……」


ザシュッ


スノーホワイトの手に持っていたドラグセイバーがラ・ピュセルの胸を突き刺した。
一撃で心臓を貫き、致命傷を受けたラ・ピュセルは何一つ抵抗出来ないまま地面に倒れ伏した。
必死に目を動かしたスノーホワイトの顔を見上げると、彼女は死に行く自分を嘲笑った表情をしていた。


ラ・ピュセル(小雪……?違う、小雪じゃない……)

ラ・ピュセル(逃げて……小雪、このままじゃ、僕だけでなく、小雪も……殺され………)



仮面契約者ファム、ラ・ピュセル 死亡

今回はここまで
まほいくキャラで最初の死亡者が出ました
ラ・ピュセルくんを暗殺した奴は一体何アーサーなんだ……

その頃


シザース(ここまで逃げれば十分ですね。もう追いかけっこは止めましょう)

『ストライクベント』

スノーホワイト(!?)

シザース(理解出来ましたか?一対一に持ち込むために逃走をしていただけなんですよ)

スノーホワイト(来る……防がなきゃ!)

『ガードベント』


シザースの攻撃をスノーホワイトはドラグシールドで受け止め続ける。
ファントムやミラーモンスターとは違い、中身が人間である契約者を殺害する覚悟は
スノーホワイトにはまだ持てる事が出来ずにいた。
シザースの猛攻にダメージは蓄積していき、ついに盾が弾き飛ばされた。


シザース(戦う覚悟が無いならこのまま死になさい!)

スノーホワイト(う、うわあああああ!!)

『ソードベント』

カキン!

スノーホワイト(あうっ…)

シザース(死にたくない、程度の意思で武器を振った所で明確な殺意を持った私には勝てませんよ)

スノーホワイト(本気で殺すつもりじゃないと勝てない……でもそんなの……)

シザース(貴方は契約者に相応しくない。さよならです)

『ナスティベント』

シザース(…っ!?)

ウィンタープリズン(ここは下がれスノーホワイト、奴の相手は私がする)

スノーホワイト(私は……)

ウィンタープリズン(お前は契約者バトルを止めたいんだろう。ここで奴に殺されるべきではない)

シザース(邪魔者が増えましたか。ならば先にナイトから始末してあげましょう)

ウィンタープリズン(出来る物ならやってみろ!)

『ソードベント』


ナイトとシザースの武器がぶつかり合い、火花が散った。
何度か斬り合った後にウィンタープリズンは魔法を使い、壁を生やしてシザースを翻弄し
隙を付いてウィングランサーの突きをシザースに食らわせ吹き飛ばす。


ウィンタープリズン(今だ!)


好機と見たウィンタープリズンの追撃がシザースに迫る。
突如、シザースの目の前で巨大な泡が浮かび上がり、ゴムのような弾力でウィングランサーを押し返した。


ウィンタープリズン(泡だと!?)

シザース(魔法を使えるのは貴女だけでは無いんですよ)


今度は小さな泡がマシンガンのように高速で射出され
ウィンタープリズンに直撃し、次々と爆発が起きた。

ウィンタープリズン(ぐっ…そんな隠し玉を持っていたか)

シザース(最初はそんな大した泡が作れなかったんですけどね)

シザース(何人も、何十人も、人間の魂を喰らい続けている内にこれだけの魔法を得ることが出来ました)

シザース(私は、更に強力な魔法を手にして見たい……更に人を喰らいたいんですよ……)

ウィンタープリズン(残念だが、そのお前の望みは叶わない。お前はここで死ね!!)

『トリックベント』

シザース(決める気ですね。返り討ちにしてあげましょう)


5体に増えたウィンタープリズンがシザースに向かって特攻をする。
シザースは魔法の泡をバリア代わりに周囲に展開し、迎え撃つ。
トリックベントによる分身達が泡に衝突に次々と爆発を起こす。
爆炎に包まれたこの瞬間を狙い、二人は同時に切り札を発動した。


『ファイナルベント』

『ファイナルベント』


マントに包まれドリル状になったウィンタープリズンと
泡のクッションをジャンプ台に跳躍し回転したシザースのファイナルベントがぶつかり合う。
五体満足で着地するシザースと全身から血を流して地面に倒れ落ちるウィンタープリズン。
互いに切り札を使った勝負はシザースに軍配が上がった。

ウィンタープリズン(うぐっ…ごほっ…)

シザース(貴女も人間の魂を喰らい続けていれば結果は違っていたでしょうに、残念でしたね)

『ストライクベント』

シザース(何っ!?)


火球がシザースに直撃し燃え盛る。
ウィンタープリズンを殺させない一心でスノーホワイトが放った攻撃だ。


シザース(ほう、なかなかの攻撃ですね。ですが私には聞きませんよ)

スノーホワイト(そんな……)


シザースの鎧から小さな泡が次々と生産され
ドラグクローファイヤーから放たれた炎を殆どシャットダウンしていた。


スノーホワイト(戦わなきゃ……皆が死んじゃう……そうちゃんも、ウィンタープリズンさんも……)

『ファイナルベント』

スノーホワイト(戦わないと……戦わないと……うわあああああああああ!!!!)

シザース(このパワーは、まずい!)

『ガードベント』


空高く跳躍したスノーホワイトの周囲に炎の奔流が生まれ
炎の勢いに身を任せてシザースに向かって特攻した。
爆発的な破壊力によってシザースのシェルディフェンスを弾き飛ばし
蹴りがボディにめり込み、オレンジの鎧に亀裂を走らせた。


スノーホワイト(……!?私は、私は何でこんなことを……)


他の魔法少女達がシザースに殺される事を考えた瞬間に頭が真っ白になった。
気が付いたらファイナルベントが既に発動された後であり
目の前にはひび割れた鎧の隙間から血がドクドクと流れているシザースが倒れていた。
自分が怖くなった、無意識に人を傷付けていた自分の行動が。
これが契約者になった者の性なのかと。

シザース(ぐぐっ…私が貴女みたいな人に、ここまでやられるとは…)

スノーホワイト(生きていた!?……良かった……)

シザース(何を喜んでいるんです……戦いはまだ終わってませんよ)

スノーホワイト(もう止めてください!!どうしてそんなに力にこだわるんですか!?)

シザース(どうして?それを貴女が言いますか……)


『元はと言えば力を求める原因を作ったのは貴女ですよ』『力の無い者は何もするなと教えたのはね』


シザースの心の声が流れてきた。
それは須藤雅史の嘘偽りの無い、心からの叫びだった。


スノーホワイト(まさか、刑事さんは……必死にファントムと戦っていたあの……)

シザース(ええ、無様に正義を信じて無駄に足掻いていたその刑事ですよ!私は!)

スノーホワイト(どうしてです?なんであの優しい刑事さんがこんな酷い事を!)

シザース(心底がっかりしたからですよ。警察に関しても、力を持たなかった私自身に対してもね!)

シザース(ファントムのような恐るべき脅威からは目を反らし、弱者を救わず、金や権力を持つ悪人の肩を持つ)

シザース(そんな警察側に正義があると本気で信じていたんですよ私は、おかしな話でしょう)

シザース(そして私は気付いたのですよ。世の中は他人を蹴落とし、ずるく、賢く生きるべきだとね)

シザース(他の生物だってそうです。弱肉強食こそ世の摂理なのですよ)

シザース(だから私は決めました。他者を喰らい、全ての頂点に立とうと、その為ならどんな悪事だって働きましょう)

スノーホワイト(刑事さん!!お願い……元の優しい刑事さんに……)

シザース(無駄ですよ!力の無い者の言葉では私は止まりません!)

スノーホワイト(……っ!)

シザース(ごぼっ)


シザースの巨大な鋏がスノーホワイトに振り下ろされる寸前に
背後から突いたウィングランサーがシザースの身体を貫いた。

ウィンタープリズン(はぁ……はぁ……)

スノーホワイト(刑事さん!!)

シザース(……愚かな娘ですね。私は、貴女を殺そうとしたのに……)

スノーホワイト(きっと……きっとまたやり直す事が出来ます!)

シザース(ありえません……私は、余りにも、手を汚しすぎました…)


シザースの変身が解け、須藤雅史の姿に戻った。
身体から粒子が放出され、徐々に姿が薄くなっていく。


須藤(せいぜい、貴女は……私みたいにならずに、正義の道を、進み…続けて、ください…)

スノーホワイト(刑事さん…)


須藤の身体が完全に消滅した。
スノーホワイトは彼の死に際に語った最後の言葉を決して違えないよう生きる事を強く決心した。
その時、スノーホワイトは気付いた、未だにもう一人の魔法少女が合流していない事に


スノーホワイト(……ラ・ピュセル!ラ・ピュセルの所に行かないと!)

ウィンタープリズン(彼女もミラーワールドに来ているのか?)

スノーホワイト(はい!)


二人はラ・ピュセルを探しに走り出した。
嫌な予感がスノーホワイトの脳裏に過った。
それが最も最悪な形で的中する事になった。

颯太「」


ラ・ピュセルの変身前の姿である、岸辺颯太の死体が放置されていた。
刃物のような鋭い武器で心臓部分を貫いた外傷がある。
それが彼の死因であった。


スノーホワイト(そんな……そうちゃん……)

ウィンタープリズン(遅かったか……ラ・ピュセル……)

スノーホワイト(気付いていたんですか?)

ウィンタープリズン(ああ、過去に一度、元の姿を見た事がある)

スノーホワイト(ううっ…そうちゃん……私も残って一緒にミラーモンスターと戦っていれば……)

ウィンタープリズン(……違う。ラ・ピュセルはミラーモンスターに殺されたのではない)

スノーホワイト(えっ……?)

ウィンタープリズン(ミラーモンスターは私達を捕食する存在だ)

ウィンタープリズン(それが彼の胸だけを貫いただけで死体を放置する筈が無い)

ウィンタープリズン(つまりこの場には私達とシザース以外にも契約者が潜んでいたのだ)

スノーホワイト(そうちゃんが……契約者に……ううっ)


颯太「」


颯太の死体から粒子が漏れる、シザースの時と同様に。
ミラーワールドに死体は残らない、まるで初めから存在しなかったかのように細胞一つ残らず消滅する。

スノーホワイト(嫌だ……そうちゃん!消えちゃ嫌だよ!そうちゃああん!!)


颯太の肉体が消失していく事実に耐え切れないスノーホワイトは颯太の死体を抱えて走り出した。
死体はまるで中身が空っぽのように体重が軽かったのがとても悲しかった。
既にそれほどまでに存在が消えていたのだ。
ガラスの前に到着した頃には颯太の死体は完全に消えてしまった。
もう颯太の肉体はどこにも存在しないのだ。


スノーホワイト(そうちゃん、そうちゃん、そうちゃん……お願い、戻ってきて……そうちゃん!!いやあああああああ!!)

ウィンタープリズン(……辛いが、もう戻ろう。活動限界時間だ……)

スノーホワイト(待って!まだそうちゃんが帰ってきてない!)

ウィンタープリズン(もうラ・ピュセルは戻らないんだ!分かるだろ!)

スノーホワイト(いやだぁ!!そうちゃん!そうちゃあああん!!)

ウィンタープリズン(ラ・ピュセルの分まで生きなければ彼は無駄死になるぞ!)

スノーホワイト(…っ!!うっ、ううっ……)


ウィンタープリズンの手に引っ張られてスノーホワイトはミラーワールドから生還した。
しかし、その犠牲は決して小さな者では無かった。


仮面契約者シザース、須藤雅史 死亡


今回はここまで

ゲーム版でボルキャンサーが泡を吐いていたので
シザースを泡魔法の使い手にしました
このSSで蟹刑事が闇落ちしたのはまほいく世界での警察の扱いが存外なせいでもある
次回は悪徳弁護士が出てきます


契約者紹介

仮面契約者 シザース
装着者 須藤雅史

魔法
色んな特性を持つ魔法の泡を作り出せるよ

魔法説明
体から泡を精製して飛ばす事が出来る。
応用性は高く、衝撃を吸収、ジャンプ台、爆弾、熱を防ぐ等
状況によって色んな性質の泡を使い分けられる。
見た目はどれも同じ泡なので他者が外見で判別するのは難しい。

ラーワールド 教会


教会内にある無数の鏡からは、契約者達の戦いの姿が記録として映し出されている。
その中でラ・ピュセルとシザースが戦いに敗れる場面も映っていた。


黒い影(二人の契約者が脱落した、か)

ドラグブラッガー()


黒い影の周囲を旋回しながらドラグブラッガーは映像を見つめていた。
まるで死に行く契約者達の姿を見てほくそ笑むように唸り声をあげている。


黒い影(お前は早く契約者を見つけこい。お前を除き、全ての契約者は揃ったのだ)

黒い影(余計な邪魔が入る前に、戦いを終わらせなければならない)


既に殆どの契約者は決まり、至る所で契約者バトルが始まっている。
だが契約モンスターに選ばれたミラーモンスターの中でドラグブラッガーだけは
未だに契約者を見つけ出せないでいた。
ドラグブラッガーは好き嫌いが激しいために、彼の食指に合う契約者で無ければ
一向に契約するつもりは無いのである。


黒い影(サバトと同じ失敗を繰り返す訳には行かない)

黒い影(何としてでも蘇らせてみせるぞ……暦)

オーディン()


ミラーワールドの案内人である黒い影にも願いは存在している。
願いを叶える為に用意された契約者、オーディンを従え、ただ期を待つのであった。


橋の下


真琴「あれ?おっちゃーん!……ねえ、この辺に住んでたおっちゃん知らない?」

ホームレスA「そういや最近見ないねえ」

ホームレスB「どこか仕事先でも見つかったんでべか?」

真琴「そっか、ありがと。じゃまたね~」

真琴「仕事が見つかったんだとしたら喜ばしいわね。私も頑張りますか」



魔法の国、戦極凌馬の研究所


魔法少女「これが笛木の研究所から発見された資料です」

凌馬「ご苦労様、君達の働きで得た情報は私が有効に活用しよう」

魔法少女「大変だったんですよ。いきなりアラームが鳴ったと思ったらカプセル内のファントム達が動き出したり」

魔法少女「ファントムを捕食する別のファントムが乗り込んで来たりでもう……」

凌馬「私が言った通り、魔王塾から用心棒を雇って正解だったでしょ」

魔法少女「それはそうですが戦いの余波で怪我人も出たんですからね」

凌馬「ふむふむ……ほう、これは興味深い……」

魔法少女「駄目だ。資料を読むのに夢中になってる。では失礼します」


資料にはミラーワールドの情報が書かれていた。
凌馬は最初、ミラーワールドは笛木によって作られた世界だと想定していた。
事実は違っていた、ミラーワールドは遥か昔から存在していた。
どうして存在しているのかは笛木ですら掴めていなかったようだが
錬金術が栄えた時代には既に存在していたらしい。
つまり契約者バトルは昔から行われていたのだ。


契約者の力の研究資料にも目を通した。
そこは凌馬の好奇心を大いに刺激させた。
笛木は契約者を独学で開発、量産する事で願いを叶えようとしていたようだ。

凌馬(なるほど、白い魔法使いは元々、仮面契約者の構造を参考にして開発されていたのか…)

凌馬(ファントム同様に人工的にミラーモンスターを製造すれば、契約者の力を得る事も理論上は可能)

凌馬(それがオルタナティブ計画か。非常に面白い……)


笛木の資料が確固たる証拠となりミラーワールド内で行われている契約者バトルの存在は
より明白に知られることになった。
しかし良いニュースばかりではない、契約者バトルによって一人の魔法少女が命を落とす惨事が起こった。
上層部は速やかに事件を解決するべく、対応を急がせたのであった。


ブラッドレイ「ケイネス君、お主は依然、N市の事件に関わりがあり現地の魔法少女達とも親しい立場だ」

ブラッドレイ「此度の事件の調査及び解決の任を命ずる。大変だろうが頼むぞ」

ケイネス「はっ!必ずや任務を遂行してみせましょう!」

ケイネス(この任務、例え命じられなかったとして、志願してでも私は参加するつもりだ)

ケイネス(こんな事、暦が望むとでも思っているのか?笛木め……)


笛木の蛮行を知り、怒りを燃やしながら廊下を歩くケイネス
彼の行く先を待ち受けるように戦極凌馬は立っていた。
ケイネスと対照的に凌馬はとても嬉しそうな表情をしている。


凌馬「やぁケイネスさん、またN市に行くようだね」

ケイネス(毎度毎度、耳が早いことだ)

凌馬「この先、契約者との戦闘もあるだろう、このエンブレムを受け取りたまえ」

ケイネス「貴様の力を借りたくないんだがな」

凌馬「まぁそう言わずに、これは身に着けてるだけで他の契約者の存在を探知できる道具なんだ」

凌馬「残念ながらミラーワールド内に侵入する効果は付属できなかったが外の世界で戦うなら問題無いだろう」

ケイネス「……分かった。ありがたく使わせてもらおう」

凌馬「理詰めで説明すれば聞き入れてくれる、その冷静な判断力は好きだよケイネスさん」

ケイネス「随分楽しそうじゃないか。こんな事態になっているというのに」

凌馬「『こんな事態』だからだよ、そうでも無ければこういった研究はとても出来ないからね」


ミラーワールドなんて本来なら禁忌として研究するだけで処罰される案件である。
今は事件の対応の為の解析として許されているだけなのだ。
賢者の石、聖杯など悪用すれば世界を傾けるような危険な物は存在するべきではない。
魔法の国ではそれが信条とされている。
事実、800年前にはとある小国の錬金術師達が作り出した兵器を用いて
神になり世界を支配しようとした王が存在した事件も起きていた。


凌馬「もしそんな法が生まれずに聖杯なんて作られていたらケイネスさんも戦死しただろうね。あっっっっっさりやられて」

ケイネス「喧嘩売ってるのか?お前は」

その頃、王結寺では


ウィンタープリズン「私を呼び出して何の用だ?」

ルーラ「単刀直入に言うわ、貴女、私に協力しなさい」

ウィンタープリズン「悪いが君達に手を貸す暇は無い」

ルーラ「貴女は私達に借りがあるわよね、それを返す義務があるわ」

ウィンタープリズン(透明外套の件か)

ルーラ「心配しなくても時間は取らせない、一度ミラーワールドの案内をするだけでいい」

ウィンタープリズン「……それだけで済むなら手を貸そう」

ミナエル「張り切ってるね~ルーラ」

ユナエル「この事件を解決するのはルーラチームだ!って言ってるもんね~」

たま「でもでも……ラ・ピュセルが死んじゃったんだよ……私達で出来るのかな?」

スイムスイム「大丈夫、ルーラの言う事に間違いは無い」


N市の魔法少女達に最初の任務が届いた。
ミラーワールド事変を解決せよという指令だ。
それを受けて真っ先に行動を開始したのはルーラチームだった。
契約者であるウィンタープリズンの力を借りてミラーワールドへの侵入を試みるのであった。


ルーラ(ファントム事件ではそれほど目立った活躍は出来なかったけど)

ルーラ(今度こそ私達チームの有能さをアピールする時よ!)

ミナエル「すっごいやる気だねルーラ、目が炎になってるよ」

ユナエル「やる気満々だねー」

スイムスイム「ルーラ、素敵」

たま「大丈夫かな…」

ミラーワールド


ウィンタープリズン(着いたぞ。どこに敵が潜んでいるか分からない、迂闊に動き回るなよ)

ルーラ(任せなさい、渡された情報はしっかり目を通してあるわ)

たま(ルーラ!あれ……)

ゾルダ(おやおや、魔法少女がこうもごちゃごちゃと、うっとおしいねぇ)


ルーラチームは緑の装甲を身に纏った契約者ゾルダと遭遇する。
ゾルダは魔法少女達に向かってマグナバイザーを構えると引き金を引いた。


ミナエル(うわぁ!撃ってきた!)

ユナエル(ルーラ、どうする?)

ルーラ(昨日伝えた作戦通りにやるわよ。スイムスイム!)

スイムスイム(……)

ゾルダ(蜂の巣になりなよ)ズドドド

スイムスイム(効かない…)

ゾルダ(ちっ、面倒だな)


『シュートベント』


ゾルダの両肩にビーム砲『ギガキャノン』が装着される。
両肩から放たれたビームがスイムスイムに向かって放たれた。


スイムスイム(ぐっ…!?)

ゾルダ(どうやらこの攻撃は通じるようだね。決めさせてもらうよ)

ミナエル(させるかぁー!)

ユナエル(うちのスイムスイムに何すんだてめー!)

バグに変身したミナエルがチェーンソーでゾルダの身体を斬り裂き
チーターに変身したユナエルが爪や牙を用いて飛びかかる。
二人の攻撃でひるんだゾルダだったが、重戦車のような装甲と火力を持つ彼に対して有効打にはならず
双子天使の動きを見切って迎撃していった。


ミナエル(わぁー!)

ユナエル(きゅう……)

ゾルダ(まぁ君達にしては頑張った方なんじゃないかな)

たま(えーい!)

ゾルダ(何!?)


突如、地面に大穴が開いた。
ゾルダは穴に落ちる寸前に飛ぶことで地面を掴んでよじ登る事に成功した。
よじ登った先には透明外套を身に纏ったルーラが先回りしていた。


ルーラ(ルーラの名の元に命ずる)

ゾルダ(いつの間に…!)

ルーラ(降伏し貴方の持つ個人情報を全て教えなさい!)

ゾルダ(誰がそんな事……俺の名前は北岡秀一、30歳、仕事は弁護士をしている)


彼の意思とは裏腹に名前、住所、連絡先などあらゆる個人情報が
包み隠す事など全て防露されていった。


ウィンタープリズン(なかなか恐ろしい魔法だな。ルーラは)

ゾルダ(くそ!何で俺がお前らにそんな情報を……)

ルーラ(これで目的は果たしたわ。次は外の世界で会いましょう)

ゾルダ(何だって!?)

ルーラ(お前ら、退散するわよ。じゃあ外への案内頼むわねウィンタープリズン)

ウィンタープリズン(分かった)

スイムスイム(ごめんなさいルーラ、途中でやられちゃって)

ルーラ(気にするな。それぐらいの事故は想定範囲内だ)

ミナエル(それにしてもスイムスイムにもすり抜けない攻撃があるんだね)

ユナエル(ビーム系の攻撃は当たるっぽいね)

たま(でも大きなケガしなくて良かったよ)

北岡の家


ウィンタープリズンの手引きでミラーワールドから脱出したルーラチームは
仮面契約者ゾルダの装着者である北岡秀一の自宅へと早速訪問するのであった。


ピンポーン

ルーラ「先ほど貴方と戦った魔法少女よ。入れてちょうだい」


インターホンからルーラが名乗りあげ、数秒経ってからドアのロックが解除された。
ルーラ達の侵入が許可されたのだ。


ルーラ「お邪魔するわよ」

北岡「いらっしゃい、魔法少女さん達」


北岡はランチを取っていた。
ランチと呼ぶには豪華すぎるフレンチで
フォアグラを重ねたステーキの上にたっぷりと生ウニがかかっている。
双子天使が「お゛い゛し゛そ゛う゛」言いながら唾を飲んでいる。


ルーラ「…………っ!!」


ルーラは一瞬、心を奪われかけた。
今まで出会った人間の中で北岡は最も整った容姿をしていたからだ。
すらりとした長身で小さな顔、彼自身が美術品と呼んでも過言ではない綺麗な造形をしている。
外見だけでなく立ち振る舞いや仕草の全てが気品に満ちており、生まれ持った資質の違いを理解させられた。
容姿端麗とされる魔法少女達ですら、彼の持つ美しさの前では引き立て役に落ちてしまう。
それが北岡秀一である。

ルーラ「単刀直入に言うわ。私達は契約者バトルを阻止するために来たの」

ルーラ「だから貴方もすぐに戦いを棄権する事、いいわね?」

北岡「悪いけど、それは出来ない相談だね」

ルーラ「どうして?他の人を殺してまで叶えたい願いがあるって言うの?」

北岡「ああ、あるね」

たま「自分の願いの為に人を殺すなんてそんなのよくないよ…」

北岡「世の中にはね。正しい事なんか何も無いんだよ。犬のお嬢ちゃん」

ミナエル「こんな何でも買えそうな良い暮らししてる癖に何が欲しいんだよ!」

ユナエル「欲しいんだよ!」

北岡「確かに俺は何でも持っている、見ての通り容姿端麗、頭脳明晰、年収も君達より遥かに多いだろう」

北岡「彼女も8人ほどいて、そっちの方面でも全く不自由していない」

北岡「父方のご先祖は旧華族の出身で血筋も申し分ない」

北岡「仕事も順調で若手弁護士の中では間違いなく俺がナンバーワンだ」

北岡「人は俺を天才と言うが俺に言わせればそれはまだ控えめな褒め言葉で本当は大天才と言って欲しい」

北岡「そんな完璧な俺でさえも一つだけ手に入らない物があるから俺は契約者になったんだ。それは」

ルーラ「永遠の命、とでも言った所かしら?」

北岡「君はなかなか冴えてるね、俺という存在はこの日本にとって、いや世界にとって多大な価値のある宝だ」

北岡「たかが十数人の命でそれが存続出来るなら、これ以上に無いほどお得な条件じゃないか」

北岡「理解出来たなら、君達も俺が勝ち残る為に協力してくれるとありがたいんだけどね」

ルーラ「それは出来ないわね。魔法少女としての任務が最優先よ。長生きしたかったら健康にでも気を遣う事ね」

北岡「…交渉は決裂か」

吾郎(…………)

たま「ひっ!」


北岡の秘書兼執事兼料理人の由良吾郎が北岡を庇うように魔法少女達の前に現れた。
たまが小さな悲鳴をあげる、それは無理もない事であった。
ルーラが今まで出会った人間の中で、最も醜い容姿をしていたからだ。
その醜い風貌から発せられる威圧感は魔法少女ですら怖気づいてしまう。
吾郎の顔をより不気味に見せているのは紫色の分厚い唇だった。
吾郎は喋る事が出来なかった、その唇は金色の糸で縫合されていたからだ。

北岡「大丈夫だよ。下がって吾郎ちゃん」

吾郎(はい、先生)

北岡「このまま突っぱねても、また君達が妨害するだろうし」

北岡「俺の言う条件を聞き入れてくれたら、俺も契約者バトルを諦めるよ」

ルーラ「何?その条件って」

北岡「俺はある契約者に手を焼いていてね、そいつに契約者バトルを諦めさせるよう説得出来たら君達に従おうじゃないか」


そう言って北岡はメモとペンを用意してさらさら~と住所と行き方の地図を書いてルーラに手渡した。


ルーラ「山に住んでいるの?分かったわ、その代わり約束を違えたら」

北岡「約束は守るよ。なんなら誓約書でも作ろうか?」

ルーラ「そこまではしなくていい。行くわよ貴女達」

スイムスイム(……なんかこの人、嫌い)


その後


吾郎(先生が渡したメモに書かれてる人って…)

北岡「浅倉威だよ。あの怪物を説得なんて俺でも不可能さ」

北岡「魔法少女達が浅倉をどうにか出来ればそれで良し、魔法少女達が殺されたとしても煩いのが消えるだけってね」

吾郎(先生……素敵です!)

今回はここまで

スイムスイムが北岡先生の事嫌いなのは
「お姫様ってのはさ…お姫様になろうとした瞬間に失格なのよ、つまりお前は最初っからアウトって訳」
と煽りそうな人だから


契約者紹介

仮面契約者 ゾルダ
装着者 北岡秀一

魔法
様々な重火器が使えるよ

魔法説明
火力に物を言わせた強力な武器を駆使して戦うことが出来る。
遠距離攻撃は勿論の事、近接用の武器や盾も装備可能。
特にファイナルベントは契約者の中でも最大火力を誇る。
ただしモンスター以外の殺傷率は物凄く低い。

北岡に渡された地図の場所


たま「うわぁ!ムカデふんじゃったぁ!」

ミナエル「うぎゃー!クモの巣引っかかった!」

ユナエル「本当にこんな山奥に人が住んでんのー?」

ルーラ「取り合えず行って見ないと判断は出来ないわね」

スイムスイム「もし嘘だったらあいつ許さない」



浅倉「……」ZZZ

ミナエル「寝てる、こいつが契約者」

ルーラ(どこかで見たような……)

ユナエル「おーい!お前起きろー!」

たま「きゃあ!!」

ルーラ「どうした、たま?」

たま「あ、あれぇ……」


たまの指した方向には焚き木の上に渡された鉄串があった。
鉄串には三匹の犬の首が刺さっていて、周辺には肉のこびり付いた無数の骨が散らばっている。

スイムスイム「あの人、犬食べた?」

ミナエル「うげげげぇ~」

ユナエル「おい!犬食い男!早く起き」ガシ

浅倉「なんだぁ?お前ら……」

ユナエル「ギャー!!放せぇー!!」

たま「ユナちゃん!」

ルーラ「私達は契約者バトルを止めるためにやってきた魔法少女よ」

ルーラ「貴方は契約者ね?速やかに戦いを中止するよう伝えに来たの」

浅倉「魔法少女……?はははぁ……お前達もそうか」


浅倉は彼女達を見て乾いた嗤いを響かせながら掴んでいたユナエルの腕をやっと放した。
人間と魔法少女の身体能力には格差が有るはずなのにユナエルの腕に痣が出来ていた。


浅倉「なぁ、魔法少女。俺を楽しませてくれ、血の匂いを嗅がせてくれ」

ルーラ「何を言って…」

浅倉「変身」

王蛇「俺を楽しませろぉ!うがぁぁぁぁ!!」


獣が吠えた。
最初に戦った魔法少女であるウィンタープリズンは中々愉しませた。
こいつらもきっと愉しませてくれるだろう。

たま「きゃあああ!!」

ミナエル「こいつヤバいよ!説得なんて無理だって!」

ユナエル「やっちゃおう、やっちゃおう」

ルーラ「仕方ない、行くわよ!」

スイムスイム「ルーラの障害になる者は取り除く」

『ソードベント』

王蛇「はっはぁ!」


スイムスイムの放つ鉄球をベノサーベルで弾きながら王蛇は接近した。
ベノサーベルの振るった一撃がスイムスイムの体をすり抜ける。


王蛇「あぁ?」

スイムスイム「いま…」

王蛇「ごふっ……くくっ…はははっ……」


すり抜け魔法によって出来た隙を付いてスイムスイムは王蛇の首めがけて手刀を突き刺した。
一瞬よろける王蛇であったがさほどダメージを受けている様子は無い。
嗤いながら大口を開けた王蛇の口内から酸の霧が放出され、周辺の木や草が枯れていく。


ミナエル「ううっ……なにこれぇ……」

ユナエル「体がひりひりするよぉ……」

スイムスイム「――ッ!?」


霧で王蛇の姿が見えなくった瞬間、スイムの背後から強烈な一撃が入り倒れる。
彼女達に気取られないよう気配を消した王蛇による攻撃である。
倒れたスイムの頭をかち割るように振ったベノサーベルの攻撃を魔法で回避する。

スイムスイム(攻撃のタイミングさえ分かれば避けられる)

王蛇「っはぁ!!」

ミナエル「うぎっ」

ユナエル「ぎゃふっ」


スイムスイムを狙った所を見計らって奇襲した双子の攻撃も回避され
カウンターの斬撃が双子を叩き落した。


王蛇「ぷんぷん臭うんだよ……糞の臭いがよぉ!」

ルーラ「がっ……」


ベノサーベルの突きが透明外套ごとルーラの体を突き刺した。
姿を消した所で王蛇の異常な嗅覚から身を隠す事が出来なかった。


王蛇「もっと、もっと俺を楽しませろぉ……」

たま「うわああああああああああ!!!!」

王蛇「ははぁ…」


仲間達が次々とやられていく中でたまは勇気を振り絞って王蛇に向かって飛び出した。
腕を振り下ろすも回避され、爪は王蛇に当たる事なく、地面を斬り裂いて無駄な穴を作った。
地面にすっころんだたまの腕を掴むと王蛇は唾液を撒き散らしながら耳まで裂けた王蛇の口が開く


たま「いや、いやああああああああああああああ!!!!」


たまの悲痛な悲鳴が響き渡った。
王蛇はたまの右腕に噛み付いたのだ。
サメのようなギザギザの牙が、たまの腕の肉に食い込んでいく。
みしみしと骨が軋み、溢れ出る血をすすり上げる。

たま「はなして!!はなしてぇえええ!!」

スイムスイム(たまを助けないと…)


ぶちっ


王蛇「くちゃくちゃ……ブフゥ――!!」

スイムスイム「うっ」


王蛇は食い千切ったたまの肉片を咀嚼して毒霧のように吐き出した。
スイムスイムの顔面に吹きかけて視界を奪う。
その瞬間、ベノサーベルの斬撃を受けて腹部が斬り裂かれる。


スイムスイム(ルーラだけでも……守らないと……)

スイムスイム(それがお姫様に仕える者の役目……)

王蛇「まだだ……まだやりたりねえ……もっと戦え!!」


全員満身創痍のルーラチーム、その中でルーラだけでも生かそうとスイムスイムは立ち上がる。
そんな彼女の望みを容赦無く打ち砕こうと接近する仮面契約者王蛇。
腹部からの出血が激しく、魔法の発動も困難なスイムスイムに向かって王蛇はベノサーベルを振り上げた。


『フリーズベント』


王蛇「ああっ!?」

???「魔法少女達、逃げて」

スイムスイム「貴方は……?」

???「早く逃げた方がいいよ」

ミナエル「助かったぜ、見知らぬ人」

ユナエル「見知らぬ人、マジクール」

たま「あ、ありがとうございます!」


ルーラチームのピンチに突如現れた契約者。
ダメージが大きく自力で動けないルーラをお姫様だっこで抱えた彼を見て
何故かスイムスイムは童話に登場するお姫様を救う存在を思い出していた。


スイムスイム「王子様……?」

???「……君も動けないみたいだね。掴まって」

王蛇「待てぇっ!まだだ!もっとやらせろぉ!!がぁあああ!!」


王蛇の口から酸が垂れ流しになっている。
自分の体が酸で焼かれようとも凍結の拘束を外そうとしていたのだ。
ルーラチームを救った契約者は右手にルーラを、左手にスイムスイムを抱えて急いで下山した。

今回はここまで

この浅倉は小説版設定だからTV版よりもやることエグイ
凶悪な犯罪者から魔法少女達を救った契約者は正に英雄に相応しい行為です

英雄

それは優れた能力を持ち、偉業を成し遂げた人物を指す言葉である。


創作物では正義のヒーローが悪の秘密結社と戦い
勇者が魔王と戦い、勝利して世界に平和をもたらした人物が英雄視されている。
また現実の逸話においても戦争で国を勝利に導いた人物が英雄として評価されている。
彼ら、英雄の武勇伝は多数の人間の心を動かし、尊敬されていった。


東條 悟
彼もまた、英雄達の武勇伝に心躍り、魅了された人間である。
幼い頃から勇者が魔王を倒すRPGにのめり込み
特撮ヒーロー物のビデオが擦り切れるほど視聴を繰り返した。


東條母「あらあら、悟ったら本当に英雄物が好きね」

東條「だって英雄って凄いんだよ!皆の為に悪い奴をやっつけて困ってる人達を助けるんだ」

東條「僕もそんな英雄になって街の平和をまもりたーい!!」

東條母「そうね、悟が良い子にしてたらきっとその願いは叶うわよ」

東條「うん!!僕、良い子になって英雄になるよ!」

東條は英雄を目指すようになった。
木の枝を拾っては修行と称して、必死に枝を振るって強くなろうとしたり
近所の子供達と勇者ごっこで遊んだりもした。


東條「怪人め~!覚悟しろー!!」

リュウタロス「うわ~やられた~」

ロストアンク「おのれ~勇者め~」

ドラス「覚えてろ~!」

東條「もう一回、勇者ごっこしよー」

リュウタロス「悟くんばっかり勇者役やってずるいー!」

ロストアンク「もう怪人役飽きたよー」

ドラス「僕達にも勇者役やらせてよー」

東條「えー、皆は怪人役の方が似合うよー」

リュウタロス「そんなのつまんないよ、僕お家帰る!」

ロストアンク「僕もコアメダル探さなきゃ」

ドラス「お兄ちゃん探しに行こうっと~」

東條「皆、行っちゃった……つまんないの」


東條は思いやりに欠ける部分があり、自分の目的の為なら他人を考慮しない性格だった。
そのせいで友達は少なく、自分の殻に籠りがちになっていった。
小学校を卒業をしても英雄願望は一向に消える事無く、中学、高校と進んでもそれは変わらなかった。


東條「英雄……英雄にさえなれば、皆が僕を見直して僕の事を好きになってくれる筈……」

東條「だけど、どうすれば英雄になれるんだろう?」

この現代社会では世界征服を企む悪の秘密結社も、人類を滅ぼそうとする魔王も存在しない。
英雄とは主に、戦いの中で生まれる存在であるが倒すべき敵がいない。
東條は英雄になれる方法が見つからないまま月日が流れた。


N市にある都市伝説が流れた。
魔法少女という人助けを繰り返す正義の味方の存在。
それが彼の心を動かした。


東條(魔法少女……皆が彼女達を噂して褒め称えている)

東條(彼女達こそ、この世界の英雄と言える存在なんだ)

東條(でも魔法少女って女の子がなる存在だから僕には無理だ……)


特撮ヒーローが大好きだが魔法少女物には関心が無い東條。
それでも彼女達の生き様は自分が英雄になる為のヒントがあるかもしれない。
東條は魔法少女と接触するべく噂を頼りに探し回った。


東條(どこにいるんだろう……魔法少女)ゴツン

綾名(…………)

東條「大丈夫……だよね?」

綾名「…………」コクリ


結局、魔法少女は見つからなかったが奇跡は起こった。
ミラーワールドの世界へ入った僕は仮面契約者タイガになり
願いを叶える為の力を手にした。

タイガ「これが……僕?」

タイガ「すごい、すごいすごい!!かっこいい!!これだけの力があれば僕は英雄になれる!!」

タイガ「あははっ……はははははははは!!!!」


契約者になった僕は英雄になる為に他の契約者と遭遇し、戦った。
それで分かった事がある、他の契約者は皆、最低な連中ばかりだった。
正義の為に戦ってる契約者は僕だけ。
後は遊び感覚で戦っていたり、他人を陥れたり殺人を楽しむクズ達だ。
僕は理解した、彼らのような悪党を倒すために僕は契約者として選ばれたのだと。


僕以外に新たな契約者が生まれた。
都市伝説になった魔法少女達が契約者になってミラーワールドにやってきたのだ。
魔法少女達の目的は契約者バトルを止める事だと言う。
それが本当なら魔法少女達がいると僕の願いが叶わなくなってしまう。


でもあの極悪な契約者達と敵対して戦っている魔法少女達の方が正しいのではないか?
僕は真意を知る為に魔法少女と接触を図る事にした。
契約者バトルで勝ち残って願いを叶えるべきか、魔法少女達と協力して戦いを止めるべきか。


ついに発見した。
凶悪犯罪者である浅倉が魔法少女達と交戦をしていた。
浅倉は契約者の中でも最も凶暴で、魔法少女達が追い込まれている。
僕はすぐに魔法を使って浅倉の動きを止めて、その隙に魔法少女達と共に撤退した。
その後、僕は魔法少女達のアジトに案内してもらい、自己紹介を済ませた後、話をする事になった。

王結寺


ルーラ「……つまり魔法少女の事が知りたくて、私達と接触しようと考えたのね」

タイガ「うん、契約者バトルを止めようとしてるみたいだけど」

ルーラ「それが魔法の国から与えられた使命、私達はその為に動いてるのよ」

タイガ「……難しいと思う。戦いを放棄した契約者は死んじゃうから」

ミナエル「じゃあ邪魔する契約者みんなやっちゃおうよ」

ユナエル「お姉ちゃんさえてるぅ~」

たま「乱暴だにゃ…」

ルーラ「それは最後の手段よ。犠牲者は双方共、最小限に抑えないと、んで、貴方は何の願いで契約したの?」

タイガ「僕は、英雄になるため」

ルーラ「英雄?」

タイガ「英雄は皆の憧れだから、英雄になれば皆が僕の事を好きになってくれる」


英雄?くだらない理由だとルーラは思った、だがそれを口に出すつもりは無い。
彼は本気で言っている、本気で目指している、そんな声をしていたからだ。
相手の意思が本物なら、誠意をもって答えなければならない。
それもルーラ(リーダー)の務めである。

ルーラ「だったら私が貴方を英雄にしてあげる」

タイガ「え?」

ルーラ「それだったら契約者バトルで願いを叶える必要は無くなるでしょ」

ルーラ「その代わり、私に協力しなさい」

タイガ「本当に?本当に僕を英雄にしてくれるの?」

ルーラ「私に二言は無いわ。貴方が立派な英雄になるまで最後まで面倒見てあげるわ」

タイガ「……僕はルーラに従うよ、それで英雄になれるなら何だってする」

ルーラ「決まりね。よろしく頼むわね東條」

ミナエル「ルーラチーム新メンバーいえーい!!」

ユナエル「いえーい!!」

たま「一緒に頑張ろうね」

スイムスイム「……よろしく」

タイガ「皆……よろしく」

ミナエル「ねえ東條、素顔見せてー」

ユナエル「見たい見たい!!」

ルーラ「貴女達ねぇ……」

タイガ「…いいよ」


タイガの変身が解除された。
ダウナー系の内気な表情をした青年の姿が現れた。
年上の女性に好まれそうな外見をしている。

東條「…………」

ルーラ(なかなか若いのね)

ミナエル「おお~!結構可愛い顔してるじゃん!」

ユナエル「ねえ、君~いくつぅ~」

東條「……25歳」

ミナエル&ユナエル「ええーーーーーッ!?」

ルーラ(私より年上!?童顔過ぎるわよ……)

たま「驚きだにゃ…」

スイムスイム(東條……どこかで会ったような……)

東條「皆の事も知りたいな。魔法少女の事をもっと教えてよ」

ミナエル「私達の元の姿が知りたいって?でも私達って実はかなり美人だからぁ~」

ユナエル「惚れちゃうかもよぉ~東條くぅ~ん」

東條「元の姿?」

ルーラ「魔法少女は仮の姿で中身は普通の人間なのよ。これは秘密だけどね」

東條「見たい」

ルーラ「それは駄目よ」

スイムスイム「魔法少女たるもの、誰にも正体を知られてはならない、ルーラが言ってた」

ルーラ「そうね、他者に知られるとそれが弱点に繋がるのよ」

東條(僕の姿は見せたのに……)

東條「もし知られたらどうするの?」

スイムスイム「正体を知られたら魔法少女失格になる」

ルーラ「だから変身を解除する時は慎重にやるのよ」

東條「そうなんだ。じゃあ見せない方がいいね」

ルーラ「今日はこれで解散にするわ。次の作戦はまた後日に連絡するわ」

ルーラ「皆はそれまでに安静をして傷の回復に専念しなさい」



ミナエル「今日のルーラはご機嫌だったね」

ユナエル「部下が増えたからかな」

東條「ルーラって凄い立派な人なんだね」

たま「うん、ちょっと怖いけどとっても優しいよ」

スイムスイム「ルーラはかっこよくてとても素敵な憧れのお姫様」

東條「スイムスイムはルーラに憧れてるんだ」

スイムスイム「うん、私はルーラみたいなお姫様になりたい」

東條「じゃあ一緒に頑張ろうね。僕は英雄に、スイムスイムはお姫様になれるように」

スイムスイム「……頑張る」

ミナエル「ヒューヒュー!」

ユナエル「二人ともお熱いね~」

東條&スイムスイム「……?」

たま「ミナちゃんユナちゃん、からかっちゃ駄目だよぉ」

今回はここまで


ソラ×リップルも好きだがスイムスイム×タイガタイガも好き(カプ厨並みの発想)
ファントム編では因縁のキャラがおらず空気だったルーラチームもこれから目立ちそうです


契約者紹介

仮面契約者 タイガ
装着者 東條悟

魔法
相手を動けなくするよ

魔法説明
発動と同時に対象の敵の肉体を凍結する。
魔法の性質上、回避行動は不可能であり
対応策を持たない場合、一方的に相手を攻撃する事が出来る。

とある田舎のアパート


浅倉母「……ごめん……ごめんねぇ…」


浅倉威は糞尿の中から生まれた。
N市から遠く離れた田舎のアパートで一人暮らしをしていたまだ高校生の母親は
村のほとんどの男と関係を持ったせいで父親の分からない浅倉を汲み取り式の共同便所に産み落とした。
浅倉は夥しい糞尿の中で産声を上げた。


浅倉「おぎゃあ!おぎゃあ!」

浅倉「ふぎゃあ!!あううう!!んぎゃあ!!」

浅倉母「うう……ごめんなさい……ごめんなさい……」


便所の中に放置された浅倉は三日間、泣き続けた。
母親は頭から布団を被って耳を塞いで謝罪を繰り返した。


四日目……


浅倉母「……はぁ、やっと、終わった……」


便所から浅倉の泣き声が聞こえなくなり、母親はほっと胸を撫で下ろした。
浅倉の声を聞きながら眠らなければならない悪夢は終わったのだ。

七日目……


ズルリ……ズルリ……


浅倉母「ん……何?何の音?」


ズルリ……ズルリ……


浅倉母「ひっ!?」


七日目の夜中、奇妙な音を聞いて母親は目を覚ました。
窓からの月明かりに照らされた黒い塊がスルッズルッと畳の上を這ってくる。


浅倉母「んごぉっ!?」

浅倉母(こ、これは……)

浅倉「あう~」


恐怖で動けなくなった母親の口にその黒い塊が頭を突っ込む。
その時になって母親はそれが糞尿に濡れた浅倉であることに気がついた。
浅倉は糞尿を食べて生き残り、汚物タンクを這い上がって母親の元にやって来たのだ。
浅倉はもう一度胎内に戻ろうとするように母親の口から食道を通って胃袋に落ちて体を丸めた。


浅倉母「ひぐっ、痛、や…やめっ…いぎ…ぎ、ぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」

浅倉「はふぅ…」


だが、すぐに息苦しくなって母親の腹を引き裂いて顔を出した。
こうして浅倉は自らの力で第二の誕生を完遂した。
浅倉は生まれた時から怪物だったのだ。


母親の死体を発見したのはアパートの大家だったが
駆けつけた駐在も死体の傍ですやすやと眠っている赤ん坊が犯人だとは想像すらできなかった。

児童養護施設


その後、浅倉は施設に引き取られた。
浅倉が6歳になって次の惨劇が起こった。


莉奈「ねえたけしくん、一緒に遊ぼう!」

浅倉「…………」

男の子「無理だよ。りなちゃん、たけしの奴、誰とも遊ぼうとしないんだぜ」

莉奈「えー、でもぉ…」

男の子「今夜はりなちゃんの誕生パーティーなんだよな、今の内に沢山遊んでお腹空かせようぜ」

莉奈「うん!じゃあ鬼ごっこしよー」

男の子「わーい!」

浅倉「…………」

浅倉(あっちいけよ!俺の顔にくっつくなよ!)


浅倉は、浅倉にしか見えない黒い手と戦っていた。
黒い手は無数の蝶のようにいつも浅倉のまわりを浮遊していた。
そして次々と舞い落ちて浅倉の口を、鼻を塞いだ。
黒い手は糞尿の匂いそのものだった。
その匂いがギュッと凝縮され、黒い手になって襲い掛かる。
この世界は糞尿の匂いで充満していた。


誕生日パーティーが終わり、その夜……


莉奈「すやすや」

浅倉「…………」シュ

莉奈「うっ!?」ブシャアア


台所から包丁を持ち出して部屋に忍び込んだ浅倉は莉奈の腹を裂いた。
殺した相手にはこれと言った特別な理由があったわけではない。
強いて言えばその日が莉奈の誕生日だったからだ。


浅倉「っ!?ああ……」

浅倉(糞の匂いが消えた……黒い手はどこにもいない……)


莉奈の体から噴き出した鮮血が無数の黒い手を消し、糞尿の匂いが霧散した。
血の香りが糞尿の匂いを駆逐したのだ。
しばらくの間、浅倉は陶然としてその場で深呼吸を繰り返した。

朝になり……


指導員A「おーい、朝食の時間だぞー莉奈……うわああああっ!!」


死体を発見した指導員はそのあまりの惨たらしさに卒倒した。
死体はほとんど原型を留めず、夏の日の庭に水を撒くように
血や内臓がそこら中に散っていたからだ。
警察は指導員による快楽殺人を疑い尋問を繰り返したが
決定的な証拠を得ることなく外部からの侵入者の犯行と結論した。


また他の児童が誕生日をを迎えた日、浅倉は同じ手口で部屋に内臓をばらまいた。
再び施設は騒然となったが、この時は指導員の一人が浅倉に疑いを向けた。


指導員A「ん?」

浅倉「…………」

指導員A「威、その口に付いてる血はなんだ?」

浅倉「あぁ…」ザシュ

指導員A「ぐっ…うぎゃあああ!!」

指導員B「なんだ!?」

浅倉「はっ」ドス

指導員B「がふっ…」

浅倉(…もうここにはいられない)


隠し持っていた包丁で指導員達を殺害した浅倉は施設から姿を消した。


それから月日は流れ、浅倉は住処を変えながら殺人を繰り返していた。
血の匂いが黒い手を消し、糞尿の匂いから解放されるがそれも一時的な効果に過ぎない。
また黒い手が現れて、浅倉を掴んでくる。


浅倉の殺人衝動は止まらない。
25歳になり警察によって逮捕され、二度と凶行は繰り返されないと思われたが
仮面契約者となって脱獄し、いよいよ警察ですら手の負えない獣となった。

そして現在
魔法少女達との戦闘を繰り広げながらも未だに生存し血を求めていた。


クラムベリーの小屋


浅倉「……戦い足りねえ、ああっ!!」ガシャン


タイガによって戦闘を中断され、フラストレーションを溜めた浅倉は
小屋の中にあるピアノを素手でハンマーの様に拳を振り下ろして叩き壊した。


浅倉「つまらねえ、寝るか」

浅倉「…………」zzz


浅倉の夢の世界


浅倉「ここは……またか」


そこは汚物タンクの中である悪臭に満ちた世界だった。
この夢は何度も出てくる。
糞尿の匂いに満ちた世界で生きる浅倉の心情風景そのものだ。


ねむりん「うう、酷い匂いだね…」

浅倉「なんだお前?」

ねむりん「どうも~、ねむりんで~す」

ねむりん「君の事はニュースで見たよ~」

浅倉(ムカつかせる喋り方だな)

ねむりん「それにお友達が言ってたよ。君は契約者なんだよね」

浅倉「ほう、それを知ってるって事はお前、魔法少女か」

ねむりん「契約者なんてやめて自首して罪を償おうよ。ね?」

浅倉「戦い足りなくてイラついてた所だ。俺と戦え……変身!」

ねむりん「ごめんね……ケガさせてでも君を止めさせるよ!」

『ソードベント』

王蛇「今度は逃がさず仕留めてやる」

ねむりん「うお~!ねむりんキィーック!!」

王蛇「ぐっ…!?」

ねむりん「ねむりんび~むっ!!びびびび」

王蛇「ごふっ…はははぁ、もっとだ!もっとお前の力を見せろ」

ねむりん「ねぇ、血がいっぱい出てるよ、痛いでしょ?もう降参しようよ」

王蛇「まだだ、まだ足りねぇ…もっと戦い続けろ!」

ベノスネーカー『この世界なら俺様に任せろ!早く召喚するがいい!』

王蛇(いいぜ、暴れて来い)

『アドベント』

ベノスネーカー「シャアアア!!」

ねむりん「うわぁ!何か出た~」

ベノスネーカー「シャッ」

ねむりん「うわあああああ!!顔がぁ、焼けるよぉ…」


紫色の大蛇型ミラーモンスター、ベノスネーカーがねむりんの顔に酸を吐いた。
ねむりんの愛らしい顔がじゅううっと焼き爛れる。
すぐさま魔法を発動し、顔の火傷を治療しようとするが効力が薄かった。


ねむりん(なんで……?なんで魔法が効かないの?)


ミラーモンスターは眠らない。
眠っている相手には無敵の力を発揮するねむりんであったが
眠らずに夢の世界への介入を果たしたベノスネーカーはねむりんの魔法効果を無効化していた。


ベノスネーカー「シャアア」

ねむりん「あがっ!」


ベノスネーカーがねむりんの体に巻き付いて締め上げる。
ボキボキと音を鳴らしながら背骨をへし折った。

王蛇「あとは俺がやる」

ねむりん「ひゅぅ……ひゅぅ……痛いよぉ」

王蛇「くくく……死にな」

ねむりん「や、やめて……お願い、やめ、て……ひっ」


王蛇はねむりんのパジャマを掴んで引き裂いた。
ねむりんの体はパンツを一枚履いただけのほぼ全裸な姿で晒される。

ねむりん「いやぁ!もうやめてぇ、許して……あああああっ!!」


王蛇はベノサーベルを使ってねむりんの腹を斬り裂いた。
血がどくどくと溢れだし、ねむりんの目からは大粒の涙がこぼれる。


ねむりん「いたい!いたい!いたい!いたい!いた、い…ぎゃあああああああ!!!!」


腹の傷口から王蛇は手を突っ込んで内臓を掴むと、勢いよく引っ張り
ぶちぶちと体内で千切れる音を響かせながら腸を抜き取った。
おっとりとした性格のねむりんからとは思えないほどの大きな悲鳴が響き渡る。


王蛇「さぁ餌だ!食え!」

ベノスネーカー「ガツガツガツ」

ねむりん「…………」


自らの体内から抜き取られた腸を喰らうベノスネーカーの姿をねむりんはぼんやりと見ていた。
常人だったら既に絶命している負傷だが、魔法少女として生命力の強い存在であるが故、未だに生存していた。
だが、それはねむりんにとってただ悪戯に苦痛を長引かせるだけに過ぎない。


王蛇「美味そうに食うなお前……」

王蛇(そういや、あの犬の魔法少女の腕を食い千切った時、なかなかいい味がしたな)

王蛇(もしかしたら魔法少女は……)

ねむりん(来ないで……もう、これ以上ねむりんを傷付けないで……)

ぶちっ


王蛇はねむりんの右目に指を突っ込んで引き抜いた。
引き千切った眼球を口に含んで、少し舌で転がして楽しんだ後に噛み砕いた。
ぶちゅっと眼球が潰れて液体が口内に広がっていく。


王蛇「美味い、美味いなこれ……おい、お前も食ってみろ」


もう片方残っていた眼球も抜き取られてベノスネーカーの口へと投げ入れた。


王蛇(……まだある。他に美味い部分が)


獣の本能か。
とびっきりに美味い所がまだ食べられていないのを察知した。
ベノサーベルを持ち上げてねむりんの頭へと叩きつけた。
頭蓋骨を砕いて、頭の中へと手を伸ばすとそれは見つかった。


王蛇「はぁ……はぐっ、くちゃ…もにゅっ…ごくん」


灰色の脳を口に押し込んで咀嚼する。
とてつもなく濃厚な風味が舌を魅了した。
これはベノスネーカーにも渡せない味だ。
更に手を伸ばした王蛇は一欠片も残さず、ねむりんの脳を喰らいつくした。


王蛇「こんな美味い物を食ったのは生まれて初めてだ……もっと食べたい」


既にねむりんは息絶え、夢の世界は崩壊していく。
ミラーモンスターに近い特性をその身に宿し。
人の味を覚えた獣は、更に危険な存在へと変貌していった。


合歓宅


合歓母「合歓!凄い悲鳴が聞こえたけど大丈夫!?合歓!」トントントン


ガチャ


合歓母「――ッ!?いやっいやあああああああっっ!!ねむぅう!!いやああああ!!」


母親が見たものは、辺り一面に血が飛び散り、腹が引き裂かれ、腸は飛び出ており
両目がくり抜かれ、頭蓋骨が砕かれ、ぐちゃぐちゃになった脳味噌が滴り落ちた愛娘である合歓の姿であった。


ねむりん 死亡

今回はここまで

生後一週間で人殺せる小説版浅倉はそこらの怪人なら生身で倒せそう
ねむりんに関しては某ドーパントみたく眠らずに夢の世界に介入すれば対処できる理屈です

開始時は優しい世界だと思っていたのに、どうしてこうなった

この人は目玉くり抜き好きだな・・・(リップルでもやったし・・・)
所でクラムベリーが釈放されて展開が変わるとかアリか?
(戦闘強と言う意味で救いそう)

落ちないように1レスだけ書き込み
>>382
ウィザードならともかく龍騎と絡んだ時点で犠牲者は仕方無い

>>384
クラムベリーは後々出てくる

次の日

クラムベリーの小屋


浅倉(腹が減った……)

浅倉(食い物は、干し肉と缶詰がある、それを食うか)ガツガツガツ

浅倉「うぐっ!げほっげほっ……なんだこの味は」


便所の中で糞尿を喰らい生存する程の異常な浅倉の適応力が
ミラーモンスターとの適合率を最大にまで高め
その結果、ミラーモンスターの特徴である『他者の命を喰らって強化する』性質を
偶然にも浅倉は引き継いでしまった。


ミラーモンスターは人間と同じ物は食べない。
浅倉はもう常人が食す物を胃に取り込めない体質に変化していた。
ならば浅倉が次に取る行動は決まっている。


山道


そんな凶悪犯罪者がこの山に潜伏してる事も知らずに
山菜採りを楽しみにやってきた親子がはしゃいでいた。


息子「父さーん、これ食べられる~?」

父親「ああ、この山菜は鍋に入れて食うと美味いぞ~」

息子「わーい♪」

浅倉「よぉ…」

息子「ひっ!」

父親「な、なんだね君は!」

浅倉「腹が減った」

父親「そうか、私達の弁当を渡す、だから近づくのはよせ!」

浅倉「弁当はいらねえ、その代わり」

父親「やめろ!離せ!」


浅倉が男の体を掴んだ、男は抵抗するが異常な力でとても振り切れない。
大きな口を開けた浅倉が男の喉元を噛み付き、食い千切った。


息子「うわあああああ!!父さーん!!」

N市高校


カレン「ヘーイ、華乃ォ~帰りにショッピング行きましょう!」

華乃「ごめん、最近は色々用事があるから」

カレン「そうですかー、じゃあ用事が終わったらまた一緒にお買い物するデース」

華乃「うん、終わったら必ず伝えるね」

烏丸先生「おい生徒共、最近物騒なニュースが多い、早く帰れよ」

男子A「はい!ヒット先生!」

男子B「分かりました!正座おじさん先生!」

男子C「レオイマジン先生も気を付けて~」

烏丸先生「お前ら…ぶちのめすぞ」

和菓子「そういえば色々おっかないニュースが流れてるわよね」

こけし「刑務所から凶悪犯が脱獄したとか」

アリス「怖いですね…」

ココア「うう~チノちゃんが心配になってきたよ~」

陽子「なーに!もしそんな奴が現れたら私がぶっ飛ばすから心配すんな」

綾「もう陽子ったら、無茶しないでよ」

鬼島「陽子さんがいれば心強いですね。アタシも落語の小道具を買いたいのでご一緒させてもらいましょう」

陽子「いやいや、お前は男なんだから私達を守るぐらいかっこつけろよ!」

鬼島「アタシは喧嘩が苦手でしてね。荒事は陽子さんに任せます」

カレン「鬼島が蟹怪人になったら心強いのにデース」

こけし「大丈夫です いざって時は鬼島さんが狙われた所を見計らって逃げましょう!」

鬼島「えー……」

小雪の家


小雪「…ぐすっ…そうちゃん……」ポロポロ

小雪「もう会えないなんて…やだよぉ…」ポロポロ

ドラグレッダー(いつまでメソメソしている?スノーホワイトよ)

小雪「…………」

ドラグレッダー(分かっているのか?ラ・ピュセルが死んだのは貴様のせいでもあるのだぞ)

小雪「…っ!」

ドラグレッダー(貴様が躊躇せずに手早くシザースを仕留めていればラ・ピュセルは殺されずに合流出来たかもしれなかった)

小雪「……黙って」

ドラグレッダー(いつまで塞ぎ込んでいるつもりだ?後手に回っている内にまた魔法少女の犠牲者が増えるぞ)

ドラグレッダー(こちらの犠牲者を減らす唯一の手段は他の契約者を殺害すること、それ以外には無い)

小雪「煩い」

ドラグレッダー(貴様に戦う意思が無いならハードゴア・アリスにでも契約を譲渡するがいい)

ドラグレッダー(あの娘なら貴様の為に命でも差し出すだろうな)

小雪「……悪魔」

ドラグレッダー(我は契約に基づいて行動しているだけに過ぎん、契約者を戦いに駆り立たせる為なら強引な手も使わせてもらう)


ppp


小雪「緊急連絡?……嘘、そんな…ねむりんが……」

ドラグレッダー(貴様が戦う事で救えたかもしれない魔法少女の命がまた一つ消えたな)

小雪「――っ!!」

ドラグレッダー(悲しいか?憎いか?ならばその感情を闘志に変えて戦え!スノーホワイト!)

ドラグレッダー(そうしなければ貴様の仲間達は次々に命を落としていくぞ!)

小雪「いい加減にして!私は契約者バトルを止めるために戦うの!」

ドラグレッダー(その虚勢がどこまで続くか、見ものだな)

小雪「……っ」

その頃


北岡の家


ミナエル「北岡いないねー」

ユナエル「秘書もいないねー」

たま「引っ越したのかな?」

ルーラ「私達に捕まるのを恐れて逃げたんでしょ!馬鹿たま!」

たま「あうう……」

東條「北岡がルーラ達と浅倉を殺し合わせるように仕向けたんだね……許せない」

東條「あいつは口先で人を騙して、遠くから攻撃してくる卑怯な奴だから気を付けてね」

ルーラ「そうみたいね。次会ったら問答無用でとっ捕まえるわ」

東條「もしルーラが撃たれそうになったら僕が盾になるから…」

ルーラ「東條、あまり無茶な事はしないように、私のチームで死者なんて許されないんだから」

東條「はい」

スイムスイム(東條はルーラの忠実な王子様……やっぱりお姫様に王子様は似合う)

スイムスイム(シスターナナにはウィンタープリズン、スノーホワイトにはラ・ピュセルが傍にいたように…)ジィー

東條「どうしたの?」

スイムスイム「東條はルーラの事、好き?」

ルーラ「ちょっとこんな時に何言って」

東條「……好き」

たま「はわわ!」

ミナエル「わーお!」

ユナエル「言うねえ!」

東條「僕にこんなに優しくしてくれたのはルーラが初めてだから…」

スイムスイム「それならルーラの王子様になってほしい、お姫様には王子様が必要」

東條「それが英雄になる為に必要なら、僕は王子様になるよ」

スイムスイム「東條、ありがとう」

ルーラ「そこ!勝手に盛り上がってないで移動するわよ!」

ミナエル「照れてますなールーラ」

ユナエル「赤くなってますなールーラ」

ルーラ「そこの双子、黙れ!」


ppp


ルーラ「何よ……ってケイネスがこの街に?丁度いいわ東條、他の魔法少女達に貴方を紹介してあげるわ」

東條「他の魔法少女……どんな人達か気になるかも……」

集合場所


ケイネス「ラ・ピュセルとねむりんの事はとても気の毒だ、事態は想像以上に悪化しているようだな」

東條「あの人も魔法少女?」

ルーラ「彼は魔法使いだから違うわよ」

ケイネス「見ない顔がいるな」

ルーラ「彼は東條悟、私達に協力を申し出た契約者で味方よ」

スノーホワイト「契約者……」

リップル(私と同じか年下ぐらいの歳か?)

トップスピード「へぇ~結構若い子が契約してるんだなぁ」

東條「僕、25歳だけど」

リップル「っ!?」

トップスピード「え?マジで!?見えね~」

マジカロイド「合法ショタデスね」

ケイネス「我々は契約者に対する情報が不足している、取り合えず君達の知り得る情報を共有してもらおう」


情報の提示が始まった。
スノーホワイトは龍騎、ウィンタープリズンはナイト、ラ・ピュセルはファムとして契約したこと。
彼女達が接触した契約者はガイ、インペラ―、シザース、王蛇であること。
シザースはウィンタープリズンの手でトドメを刺したがラ・ピュセルとねむりんの死亡原因は不明であること。


ケイネス「ふむ、そうか辛かっただろうなスノーホワイト」

スノーホワイト「うう……」ポロポロ

アリス「スノーホワイトさん……」

東條「僕の知っている契約者はガイとインペラ―はよく一緒に行動をしている」

東條「特にガイは契約者バトルをゲームと呼んで遊び感覚で楽しんでるから絶対に降りないと思う」

東條「ゾルダは口がよく回って人をすぐに騙してくるから信用出来ない」

東條「現にルーラ達を騙して王蛇に襲わせてたから」

ウィンタープリズン「待て、ルーラ達は王蛇と戦っただと?どこで戦った?」

東條「山奥の方にいたけど……」

ウィンタープリズン「具体的な場所を教えてほしい、奴は私が倒さなければならない」

ルーラ「地図なら渡すから落ち着きなさい!」

東條「あの人どうしたの?」

ルーラ「彼女の大切なパートナーが浅倉に襲われたのよ」

東條「そうなんだ」

『復讐目的の為に戦うなんて英雄らしくない行動かも』

スノーホワイト(英雄?)

ウィンタープリズン「早速ですまないが先に失礼する」

ケイネス「おい待て!!仕方ないスノーホワイトとアリスの二人は後を追え!一人で行かせるのは危険だ!」

スノーホワイト「はい!」

アリス「分かりました」

ケイネス「全く……続きを教えてくれ東條」

東條「他にはライアは契約者バトルを止めようと独自に行動していた」

東條「話し合えばきっと僕達に協力してくれるかも」

東條「それと魔法少女達による契約者バトルの介入を誰よりも先に知っていたのがベルデで」

東條「魔法少女の事をよく把握しているみたいだった、気を付けた方がいいかも」

ケイネス「そうか。貴重な情報をありがとう」

ミナエル「あれ?カラミティ・メアリいなくね?」

ユナエル「ほんとだ。いないし」

トップスピード「マジカロイドならメアリの居場所知ってるんじゃないか?」

マジカロイド「さぁ、ワタシにはわかりかねマス」


ドォォォォォン!!


たま「にゃ!?」

スイムスイム「爆発?」


離れた場所でテロか何かが起きたような爆発音が響き渡った。
音のした方向を見てみると大きな建物から煙が出ているのが見えた。


リップル「あの場所は……トップスピード!!」

トップスピード「しっかり掴まってろよ!飛ばすぜ!」

リップル(爆発の起きた場所はショッピングモール……あそこには私の友達が!!)


ケイネス「我々も後を追うぞ、契約者が暴れている可能性が高い」

ルーラ「ええ、行くわよ皆!!」

ミナエルユナエル「おう!」

たま「はい!」

スイムスイム「……」コクリ

東條「うん」

ものすごく久しぶりの投下終了

ライアは良い奴です

山道

ウィンタープリズン「この辺りか」

スノーホワイト「ウィンタープリズンさん!待ってください!」

ウィンタープリズン「なぜ付いてきた?」

スノーホワイト「ケイネスさんが単独行動は危険だって…」

ウィンタープリズン「余計なお世話を」

アリス「……これは?」

アリスが発見したそれは地面や木々に飛びかかった血痕であった。
周囲を見渡すと何かが引きずられたような跡が地面に残っている。

スノーホワイト「まさか……浅倉が……」

ウィンタープリズン「……追うぞ、注意しろ」

クラムベリーの小屋


ウィンタープリズン(跡はここで止まっている)

アリス(この中にいるとしたら……)

ウィンタープリズン(私が中に入る。二人はここで待機だ)

スノーホワイト「はい、気をつけてください」

ドン!

ウィンタープリズン「ぐっ!?」


ドアをぶち破った瞬間、おぞましい光景が目に映り、むせ返るような悪臭に表情を歪めた。
テーブルの上には中年男性と少年の死体が無造作に寝かされていた。


二人の死体は獣に食い千切られたかのような歯形が至る所に付けられ
腹部は切り裂かれて臓器は食いつくされており
頭部の上半分は砕かれ、脳が無くなっていた。


ウィンタープリズン(何だこれは?……食べたのか?この死体を?)

ウィンタープリズン(浅倉は……いない。どこかへ行ったのか)

スノーホワイト「……ウィンタープリズンさん?」

ウィンタープリズン「見るな!遅かったか」

スノーホワイト「あ……ああ……」

アリス「これは一体……」

ウィンタープリズン「こんな事を出来る奴は人間じゃない……怪物だ……」

ppp

その時、三人のマジカルフォンからショッピングモールへの出動命令が下された。
ここは既にもぬけの殻だ、彼女達は小屋から出るとすぐさま目的地へと向かった。

回想シーン


N市の中で最も力に渇望し、力にこだわり、力を求めた魔法少女はカラミティ・メアリだろう。
ファントムとの戦いの中、フェニックスを撃破こそして見せた物の完全に命を奪う事は出来なかった。
いくら酒を仰ごうともメアリのイラつきは収まらない。


ファズこと蛮野天十郎に取引を持ち込まれた。
蛮野はメアリを利用する気だろうが逆に利用してやろう。
賢者の石を奪い、誰にも私に逆らえない程の力を得てやる。


結局、賢者の石は手に入らずファントムとの戦いは終わった。
報酬として正式な魔法少女になれたがそんな物では私は満たされない。
スーパー弁護士を名乗り、得意げにTVに映る男の顔が気に食わない。


鏡から音が鳴り響くと思って近づいたら鏡の世界に引きずり込まれた。
影の男が願いを聞いてきた「世界中の人間が私に跪く程の力」と冗談半分で書いた。
そして私は契約者になった、仮面契約者『アビス』に。


ミラーモンスターアビソドンと契約した私は圧倒的な力を手にした。
とても気分がいい、私が初めて魔法少女になった日を思い出す。
これなら好き勝手出来る。邪魔する奴は誰だろうと容赦しない。


近隣のヤクザを従わせてる私の手腕を聞きつけて一人の契約者がやってきた。
ベルデと名乗る契約者はヤクザですら用意できない程の大金と武器を渡す代わりに。
報酬として私に魔法少女の情報や力を要求してきた。


ベルデは面白い男だった、私の要求する物を与えてくれるが決してへりくだった態度は取らず。
要件が済めばいつでも敵対関係になっても構わない程の冷酷さも秘めている。
魔法少女達の特徴や魔法を伝えたベルデの行動は速かった。


「ラ・ピュセルを殺した」とベルデは笑いながら語っていた。
呆気なさ過ぎて拍子抜けしたぐらいだと余裕を見せている。


その後、ガイが起こす騒動に乗じて魔法少女達を仕留める情報を教えてくれた。
それなら私が次にやるべき行動は決まっている。


メアリ「リップル、お前は私が直々に殺してやるよ」

ショッピングモール


ガイ「皆来たね、あと3分で始まるから見ててよ」

インペラ―(ここ俺のバイト先じゃん…)

メアリ「何を始める気さね?」

ガイ「それは秘密、すっげー面白い事が起きるから楽しみにしてよ」

ベルデ「例の発明を見せてもらうぞガイ」

インペラ―「あれ?ゾルダは?」

ガイ「なんかミラーワールドの外で戦うのに不向きだから今回はパスだって」

ベルデ「抜け目ない奴の事だ。最もらしい理由を付けて俺達と魔法少女の潰し合いを狙ってるのだろう」

インペラ―「ずるいなぁ」

ガイ「時間だ。始まるぞぉ~」


ショッピングモール一階紳士服売り場


黒装束集団「……」

男性客「なんだあれ?何かのイベントか?」

黒装束「……」チャキ

男性客「銃?……それ、ほんも」

パンパンパンッ!

女性客「き、きゃああああああああああ!!」

店員「ひいいいいい!!」


ショッピングモールへ乗り込んで来た黒装束の人間達。
銃や鈍器や刃物を手に持った彼らは手当たり次第に人を襲い続けた。

インペラ―「ちょ、ちょっと!!何が起きてるんだよ!!」

ガイ「どうだ。すっげーだろ!俺が作ったこのソシャゲをプレイした人は皆こうなるのさ」

インペラ―「ソシャゲで?」

ガイ「そのソシャゲには俺秘伝の洗脳プログラムが組み込まれていてね」

ガイ「洗脳されたら最後、俺の指示一つで人間は殺戮マシーンになるのさ」

メアリ「へえ、その為に私に武器の強化を頼み込んだって訳かい」

ガイ「兵隊として魔法少女達の相手をやらせるには普通の武器が役不足だからね」

インペラ―(俺のバイト先が地獄絵図に……)

ベルデ「さて、そろそろ魔法少女が感づく頃だろう。俺も動くとするか」

メアリ「分かってるだろうね。リップルはあたしの獲物だよ」

ベルデ「もちろん、約束は守るさ」

ガイ「あははは!!ゲームみたいに人が死んでいくぜ」

インペラ―(次のバイト先探さないと……)


ショッピングモール三階


アリス「きゃああああああ!!」

カレン「大変デース!早くここから出ないと!」

陽子「待て!ここから降りたらあいつらに見つかる!」

綾「そうね、どこかに隠れた方がいいわね」

鬼島「ここは関係者用の入り口に向かいましょう、そこなら隠れられる場所も多いでしょう」

こけし「それがいいですね。鬼島さんもたまには役に立つんですね」

和菓子「怖いわ……」

ココア「大丈夫だよ!きっと魔法少女がまた助けに来てくれるよ!」

カレン「その通りデース!信じる者は救われるデース!」

ショッピングモール外


トップスピード「到着したぜー!って何なんだよこれ……」

リップル「あいつらぁ……!!」

マシンガンを持った黒装束「……」パラララ

男「ごふっ!」

リップル「やめろぉぉぉぉっっ!!!!」ドゴッ

マシンガンを持った黒装束「」ドサ

日本刀を持った黒装束「……」

拳銃を持った黒装束「……」

大鎌を持った黒装束「……」

リップル「こいつら、一体?」

トップスピード「非殺傷設定にして…食らえ!マスタースパーク!!」

黒装束達「」ガク

トップスピード「今の内に行くぞ!リップル!」

リップル「ああっ!」

リップル(無事でいてくれ……皆ッ!!)

トップスピード「んぐっ」


クラスメイトの姿を思い浮かべながらリップルはショッピングモールへと侵入する。
それに続いてトップスピードも向かおうとした所で、顔の周りに透明な何かが絡みついた。
声を出そうにも顔の締め付けが強くて声が出せない。

ベルデ「人命救助は結構な事だけどよ、契約者達に命を狙われている事を忘れるな」


光学迷彩を解除したベルデがトップスピードの目の前に現れた。
顔を絞めつけていた物の正体は彼の異常な長さの舌による物だった。


トップスピード(こいつは……契約者、マスタースパークで)

ベルデ「させねえよ」


トップスピードがミニ八卦炉をベルデに撃つよりも早く
ベルデのバイドワインダーがニ八卦炉を叩き落した。
更にお返しとばかりにみぞおちに拳を叩き込む。


トップスピード(しまっ、ごふっ……)

ベルデ「速さが自慢の魔法少女も捕まっちまえば大した事ねえな」


舌を振り回してトップスピードを地面に叩きつけると
ベルデは彼女の腹部に向けて勢いよく膝蹴りを放ち、そのまま押し倒した。


トップスピード「がぁっ!!お腹は……いやっ」

ベルデ「そうかい、じゃあ望み通りにしてやるよ!そらぁっ!!」


馬乗りになったベルデの拳がトップスピードの顔面へ振り下ろされる。
鼻が砕け、血がドクドクと溢れて拳を赤く染めながらも更に拳を振るった。


トップスピード(嫌だ!俺が死んだらお腹の子も、だから俺は絶対に死ぬわけにはいかないんだ!!)

ベルデ「はははっ、暴れた所で俺のマウントからは逃れられねえっ!!」


生への執念で必死に抜け出そうとするトップスピードを嘲笑うかのように
ベルデは彼女の顔面にひたすら拳を降り続けた。
にちゃり……と打撃音が粘着染みた音に変わり始めてから彼女の抵抗は弱まり、そして動かなくなった。
ベルデの攻撃が止まった時にはトップスピードの端麗な顔はグチャグチャに潰れ、既に原型は失っていた。


ベルデ(圧倒的な力を持つ魔法少女ですら屠れる強さ、これこそが俺が求めていた暴力だ!!)

ベルデ(リップルの方はメアリが足止めしているおかげで楽に殺せたぜ)

ベルデ「フフフ、ファハハハハハ、ハァァァハッハッハッハッハッハッ!!!!」


トップスピード 死亡

今日はここまで
トップスピードお疲れ様でした
メアリも契約者になりアビスの力を得ました

あぁトップスピードついに逝ったか・・・
トップ生存ル—トだから逆にリップル逝くのかと思ったけど・・・(何言ってんだおれ?)
(もう見るのやめようかな・・・)

ショッピングモール内


友人たちを救うべく駆けだすリップル
そこにカラミティ・メアリが立ち塞がり銃口を向けた。


リップル「ちっ、何のつもりだ!?」

メアリ「いい加減、あんたが目障りになってきてねぇ、ここで始末するのさ」

リップル「今はそんな事をしてる場合じゃない!」

メアリ「やる気が無いなら結構、あたしがあんたに一方的に攻撃するだけさね」

リップル「糞ッ!」シュ

『ストライクベント』

メアリ「お前の手裏剣なんて通用するかよ」

リップル「その力は……」

メアリ「そうさ。あたしも契約者の力を得たのさ。もう誰の言いなりにもならねえ、誰にもナメた口は聞かせねえ」

メアリ「勿論、お前にもなァ!」

リップル「カラミティ……メアリィィィィ!!」

『ソードベント』

メアリ「接近戦なら勝てると思ったかい?甘いんだよ!」

リップル「うわっ!」

メアリ「死になぁ!!」

ルーラ「やめなさい!!カラミティ・メアリ!!」


メアリがアビスの力を使いリップルを追い詰めた所で
チームルーラが到着し、メアリと相対する。

メアリ「ああん?ルーラかい、また痛い目に会いたいのかい」

ルーラ「くっ、いつまでも私がビクビクしてると思ったら大間違いよ」

ミナエル「おお!言うじゃん、ルーラ」

ユナエル「ルーラマジクール~」

タイガ「ねえ、あの魔法少女はルーラと何かあったの?」

ミナエル「かくかくで~」

ユナエル「しかじかなのよ~」

タイガ「そうなんだ」

ルーラ「それにカラミティ・メアリ、なんで貴女が契約者の力を使えるのよ?」

メアリ「ピーピー煩いねえ、おい二人とも、あいつらの相手をしてやんな」

インペラ―「任せてください!メアリの姐さん!」

ガイ「よぉタイガ、噂通り魔法少女側に付いたみたいだな」


メアリの合図によりインペラ―とガイが現れる。
契約者バトルを妨害しようとする魔法少女達を倒すべく彼らはメアリと共闘していた。


タイガ「この騒動って君達の仕業なの?」

ガイ「ああそうさ、さいっこうのショーだろ?」

タイガ「ふーん、なら君達のような悪を倒せば僕は英雄に近づけるかな」

ガイ「相変わらず訳分かんねえ奴だなお前、さぁ行ってこい兵隊共!!」

自動小銃を持った黒装束達「……」

たま「わわわっ!!」

スイムスイム「……ッ!?」

ルーラ「これは……囲まれたか!」

ミナエル「ヤバくね?」

ユナエル「ルーラチーム超ピンチって奴?」


ルーラチームの周囲に潜んでいた黒装束達が一斉に姿を現し銃口を向けた。
黒装束達は陽動だけが目的ではない、伏兵としても残していたのだ。

ガイ「流石の魔法少女達も全方位からの銃弾は躱しきれないだろ?」

インペラ―「芝浦やるじゃん!」

ガイ「ちゃんと頭を使わないとな、よし撃て!!」


ドガガガガガガガガガ!!!!


タイガ「危ない!」

ルーラ「東條!?」


弾丸の雨から守るべく、タイガはルーラに覆い被さりその身を盾とした。
体全体に浴びるであろう弾丸の苦痛から耐えるべく目を閉じ歯を食いしばった。
弾丸の音が響く中、予想とは違い肉体に一切ダメージが来なかった。

ルーラ「東條……大丈夫よ」

タイガ「え?」

ガイ「おいおいおい!なんだよこの液体は?」


ルーラチームを包むように広がった液体が黒装束達の弾丸を全て防ぎ切っていた。
この魔術の正体はルーラチームはよく知っている。


ケイネス「その程度の玩具で我が魔術を破れると思うなよ」

ガイ「何だこのハゲ?あいつも魔法少女なの?」

ケイネス「ハゲでは無い!!私は魔術師だ!!このクソガキ共め…生意気な口を聞きおって……」

ルーラ「貴方達、これはチャンスなのよ。今すぐ契約者バトルなんてふざけた真似は止めて降伏しなさい」

ルーラ「そうしたら貴方達の身の安全は保障してあげる」

ガイ「あんたらさ。初めて魔法少女になった時、どんな気分だった?」

ルーラ「何よいきなり」

ガイ「すっげードキドキしただろ?他の人とは違った特別な力を手に入れたってさ」

ガイ「それをわざわざ手放すと思うか?お前らだって魔法少女の力を手放したくないだろ」

タイガ「君達とルーラを一緒にしないでくれるかなぁ、ルーラはとても崇高な使命を持って行動しているんだから」

ガイ「様は世の為、人の為、だろ?それなら被災地でも行ってボランティア活動でもしてろよ」

ガイ「人間の身でもやろうと思えば出来るじゃん、でもそれをしないのはさ」

ガイ「魔法少女の力を楽しんでる訳でしょ?結局は俺達と同じ穴の狢って訳よ、分かる?」

ケイネス「くだらん、お前達ウジ虫と問答をする気は無い」

ガイ「お、俺とやる気?いいよ、かかってこいよハゲ」

ケイネス「よろしい!!貴様はこの私が直々に誅罰をくれてやろう!!」


挑発を繰り返すガイに怒りを露わにしたケイネスは月霊髄液に魔力を一気に注ぎ込み
ガイに向かって水銀の斬撃を討ち放つ。

『コンファインベント』


ケイネス「っ!?魔術が……使え…?ごはっ」

ガイ「思った通り、その術が使えなきゃただのおっさんだな」


突如、魔術を封じられた事で月霊髄液がただの液体と化し
ケイネスが狼狽えた所を見計らってガイのパンチが腹部へと入り
彼の意識はそのまま途絶えていった。


ルーラ「まずい…このままじゃ!」

ガイ「おい佐野!こいつらを足止めしとけ、良い事を思いついたぜ」

インペラ―「オッケー、任せてよ」


ガイがケイネスを担いで離れていく間
十数体のインペラ―がチームルーラに向かって駆けだした。
ルーラとたまを後方に下げ、タイガとスイムスイムが前衛になり
ミナエルとユナエルは戦闘に適した変身をして迎撃に入った。


タイガ「一人一人は大した事無いけど数が多いね」

拳銃を持った黒装束「……」パンパンパン

ミナエル「うわ、こいつらも攻撃してきた!」

ユナエル「ちょっと数多すぎじゃん!」

ルーラ「くそ!本物を捕まえて私の魔法で解除させれば纏めて消せるのに…」


チームルーラとインペラ―達の目の前に鉄パイプが勢いよく投げ込まれた。
鉄パイプは黒装束の一人の胸に突き刺さる。
ビクンビクンと何度か痙攣を繰り返し、息絶えた。


浅倉「ここか…祭りの場所はぁ…」

ルーラ「あいつは!」

たま「きゃあああああ!!」

インペラ―「や…ヤバい!!」


浅倉の出現により、過去に腕を喰い千切られたたまと、ヘタレのインペラ―は恐怖した。
奴にとっては魔法少女も契約者も関係無い。
全て捕食すべき対象であり、全ての生物の敵である。

浅倉「俺も混ぜてもらおうか、変身」

王蛇「ああ……」


浅倉が王蛇へと変身すると口から酸の霧を吐き出して、周囲を猛毒の空間へと変異させる。
魔法少女や契約者ならともかく操られた一般市民である黒装束達には致死量となる毒であり
もがき苦しみながらバタバタと倒れて行った。


『ソードベント』


王蛇「戦え……俺と戦えぇぇ!!」

インペラ―A「うぎゃー!」

インペラ―B「あがぁ!」

ユナエル「ひっ!」


分身体である二体のインペラ―を瞬殺した王蛇は続けてユナエルへ迫る。


ミナエル「させるかぁ!」

王蛇「ふん」


槍へと変身したミナエルが王蛇へと突っ込むも片手で捕まれ動きを止められる。
王蛇が手に力を込めるとミシミシと槍が軋み、激痛のあまりミナエルの変身が解けた。


ミナエル「うわああああああ!!いだい、いだい、いだいよぉぉぉ!!」

ユナエル「お姉ちゃぁぁぁぁぁん!!」

タイガ「させない!」

スイムスイム「助ける」

王蛇「はははぁ……」

ミナエル「いや…やだ……お願い!殺さないでころさないでころさないでぇぇぇ!!」


三者が王蛇へ攻撃を仕掛けるも、全て躱され、片手で迎撃してミナエルを救うことができない。
王蛇は乾いた嗤いを繰り返しながらミナエルの方へ顔を向け大口を開いた。


ミナエル「やだやだ!死にたくない!死にたくない!しにたぐぅえええ!!」


王蛇は頭蓋骨ごとミナエルの頭を噛み砕いた。
ボリボリと骨を砕く音と、グチュグチュ、ブチブチと肉を噛み、何かが潰れる音を下品に響聞かせた。
ごくん、と飲み干すと残った胴体を喰い始めた。

ユナエル「おねぇぇぇちゃぁぁぁぁん!!うああああぁぁぁぁぁっっ!!!!」

ルーラ「何てことを……」

インペラ―「な、何で人を喰えるんだよ!訳分かんねえよ!!」

王蛇「ああ?殺したもの喰って何が悪い?相変わらず魔法少女の肉は他の人間よりも美味いな」

ルーラ「まさか……他にも魔法少女を襲って……」

王蛇「喰ったぜ。パジャマ姿の魔法少女をな。美味かったぜ」

ルーラ「っ!?ねむりん……貴方、絶対に許さない」

王蛇「ならかかってこい、お前らも喰ってやる」

ユナエル「殺してやる!お前だけは私が殺してやる!」

王蛇「ははは!もっと俺を楽しませろ!」


月霊髄液の斬撃が王蛇とルーラを切り裂いた。
攻撃の飛んできた方向にはケイネスとガイが立っている。


ルーラ「ぐぅっ」

タイガ「ルーラ!」

スイムスイム「大丈夫?」

ルーラ「ええ、かすり傷よ」

ガイ「よぉ佐野、時間稼ぎご苦労さん、ってこの霧は何?おかげで俺の兵が皆死んでるんだけど」

インペラ―「王蛇が来たんだよ!それで手当たり次第に攻撃してきてさ!」

ガイ「邪魔だなぁ、先に二人で王蛇を殺ろうぜ」

インペラ―「え?(無理無理無理!!)」

ガイ「おっさんは魔法少女達の相手をしててよ、味方相手なら向こうも躊躇するだろうさ」

王蛇「いいぜ。纏めて蹴散らしてやる」


『ファイナルベント』


王蛇「はっはっはぁ……」

ガイ「やばっ!」

『コンファインベント』


王蛇「あん?つまらねえ真似をするな…」

ガイ(この攻撃食らってたらやられる所だった)

インペラ―「ねえ芝浦、今日はもう引こうよ!」

ガイ「……この状況はちょっと分が悪いか、仕方ない行くぞ」

王蛇「帰るのか?もっと俺と戦え!」

インペラ―「俺の分身達!あいつを足止めしろ!」


数体の分身達が王蛇を取り囲み、一斉に飛びかかる。
どちらが勝つかなんて答えなくても分かる。
ただ逃走の時間さえ稼げればそれでよかった。
王蛇の唸り声に怯えながらインペラ―は必死に走って逃げた。


ケイネス「…………」

ルーラ「目を覚ましなさい!ケイネス!」

スイムスイム「聞こえてないみたい」

たま「はわわ…どうしよう!」

ユナエル「くっそー!あのハゲ!」

タイガ「……」


ケイネスは月霊髄液を駆使して魔法少女達に攻撃を繰り返す。
ガイの洗脳によって黒装束達と同じく命令に忠実に動く殺戮人形と化していた。


タイガ(あいつは僕の大切なルーラを傷付けた……許さない)


『フリーズベント』


ケイネス「……!?」


『ファイナルベント』


タイガ「クリスタルブレイク」


タイガの魔法によってケイネスの体は凍り付き、指一本動かなくなった。
更に発動した魔法によってタイガの足元から冷気を発し地面を凍らせ
ケイネスの元まで高速で滑りながら接近し、デストクローでケイネスの体を突き刺し、片手で持ち上げた。


デストクローから放たれる冷気がケイネスの体内へと流れ込み
血を一滴も垂らす事無く、全身を完全に凍結。
タイガが腕を振り下ろして地面に投げ落とすとケイネスの体はガシャン!という音と共に粉々に砕け散った。

ルーラ「と、東條……」

タイガ「ルーラ、敵は倒したよ」

ルーラ「殺さなくても無力化さえすればケイネスは…」

タイガ「ルーラはチームを導くリーダーなんだから絶対に生きて貰わなきゃ」

タイガ「だからルーラの脅威となる者は迅速に排除しないと」

ルーラ「それは、そうだけど…」

タイガ「ルーラの命を守る為なら僕は誰が相手でも戦うよ」

スイムスイム(東條はすごい……誰よりもルーラの命を最優先に考えている)

スイムスイム(まさにお姫様を守る騎士、東條はルーラの騎士に相応しい)

ルーラ(気持ちを切り替えないと、仲間が二人も死んだ今、これ以上戦い続けても犠牲は増すばかり)

ルーラ「撤退するわよ、たま!逃走用の穴を開けて!」

ユナエル「待ってよルーラ!王蛇を殺さないと私の気が済まないっ!!」

ルーラ「今は抑えるのよユナエル、後で絶対に仇を取らせるから」

ユナエル「ぐっ……ぐうううううっっ!!……分かったよルーラ」

ルーラ「皆急いで!」

タイガ「うん」

スイムスイム「……」コクリ


王蛇「あいつらぁ……逃げたか」


分身達を処理した時には既にガイ、インペラ―、チームルーラの姿は無い。
ならば別の獲物を狙えばいいだけ。
幸いにも近くでくのいち風の魔法少女とガンマン風の魔法少女が戦闘をしている。


王蛇「あいつらなら俺を楽しませてくれそうだ。さぁ……俺と戦えッ!!」


ミナエル 死亡
ケイネス・エルメロイ・アーチボルト 死亡

今日はここまで
ミナエルがマミりました お疲れ様です

>>406
あの世では蛮野や大量のファントムが待ってるし、お友達もきっと後からどんどんやって来て
トップスピードが寂しい想いせずに済みそうだから安心して読んでください

後々出るらしいがクラムベリーまだですかねぇ?
リップル・・・トップスピードの遺体を発見するなよ・・・
知らない方が幸せな事もあるんだ・・・

王蛇の放った酸の霧はショッピングモール一階を完全に包み込み二階、三階へと立ち昇っていく
上の階では黒装束の襲撃から逃れるべく避難していた人たちがいた。


男性客「何なんだよこのガスは!」

女性客「きっとテロが撒いた毒ガスよ!あのガスを吸った人達が倒れていくのを見たわ!」

和菓子「このままだと煙がここにもやってくるわ!」

綾「探したけれど脱出ルートはどこもガスで充満していて通れないわ」

陽子「……こうなったら息を止めて突っ走るしか」

鬼島「それはお勧め出来ませんね」

陽子「鬼島大丈夫か!?その傷」

鬼島「防護服代わりにそこらの服を数枚厚着して通ろうとした結果がこれですよ」

鬼島「ガスに数秒振れただけで服がボロボロに溶けて皮膚が焼け爛れてしまいましたよ」

ココア「大変!すぐに手当てしないと」

男性客「もうダメだぁ!!俺達はここで死ぬんだ!!」

カレン「オゥ!そんな事無いデース!私達は助かるデース!」

アリス「カレンちゃん?」

カレン「前に私達がピンチになった時もくノ一の魔法少女が助けに来てくれまシター!」

カレン「信じていればきっとまた助けに来てくれるデース!」

こけし「そうですよね、皆さん信じましょう!」

陽子「信じる者は救われるって言うしな」

綾「こういう時こそ、希望を持たないとね」

ココア「弱きになったらお姉ちゃん失格だもん!」

和菓子「私も落ち込んでばかりじゃいられないわ」

鬼島「神でも仏でも魔法少女でも特撮ヒーローでもいいから来てくれると助かりますねー」


彼女達が祈る中、酸によって腐食した壁や天井の一部が崩壊した。


人形『おべんきょうしなきゃだめじゃない またせんせいにしかられるわよ』

人形『あたしねむくなっちゃった おにいちゃんこもりうたうたって うふふふ』


持ち主から置き去りにされ、崩れた瓦礫に埋もれた人形は
酸に溶かされながらただただ言葉を発し続けていた。

リップル(…?どこかで声が)

メアリ「ほらほらほらぁ、よそ見何かしてる暇は無いよ!」

リップル「このっ」


クナイや手裏剣をメアリに向かって次々と投げつけるリップルだが
メアリの放つ水圧のカッターにより全て撃ち落とされる。


メアリ「あっはははっ!!こいつは便利だねぇ」

リップル「ちっ、厄介な」

メアリ「これが普通の魔法少女と契約者の魔法少女との差って奴さ」

メアリ「諦めてさっさとあたしに殺されな」


リップルの眉間へ向けて拳銃を構える。
メアリが引き金を引くよりも早く王蛇の斬撃がリップルの背中を切り裂いた。


リップル「うわあああ!!」

王蛇「俺も仲間に入れろぉ……」

メアリ「てめえ……あたしの獲物に手を出すなんてよっぽど死にたい様だねえ」

王蛇「お前らも喰ってやる」

メアリ「喰えるもんなら喰ってみな!」


拳銃の銃弾と水圧のカッターを王蛇へ向けてひたすら乱射する。
王蛇はベノサーベルを振るうが何発かは弾く事が出来ずに被弾していく。
それでも王蛇の接近は止まらない、痛覚をまともに認識する精神では無いのだ。
王蛇が口を大きく開くと、メアリに向かって黄色い酸を勢いよく吐き出した。


メアリ「酸?くっ……武器が!」

王蛇「次はお前の体を溶かしてやるぜ、安心しろ、頭は残しておく。俺が喰うからな」

メアリ「調子に…乗るんじゃないよ!」

王蛇「こい!」


『ファイナルベント』

『ファイナルベント』


メアリのブーツに刃が生えると共に足場が瞬時に水に包まれる。
まるでサーフィンをしているかの如く水を乗り回したメアリが王蛇へと向かう。
同時に酸の濁流に乗って跳躍した王蛇もメアリへ特攻する。
二人のキックが衝突し爆発を起こした。

その頃、外では


『助けてくれー!』『救急車はまだかよ!?』『うちの子が…うちの子がいないの!』


スノーホワイト「心の声がこんなに……急がないと!」

ウィンタープリズン「これも契約者の仕業か……酷いな」

アリス「あれは、ガス?」

ウィンタープリズン「この魔法が使えるのは、浅倉ぁぁぁ!!」


『魔法少女が三人も来たか、別れるまで様子を見るか』


スノーホワイト「ウィンタープリズンさん待って!契約者が近くにいます!」

ウィンタープリズン「何っ?」


『まさか…気付いたか?』


スノーホワイト「そこにいるのは分かっています。出て来て!」

ベルデ「くくくっ、この俺を見つけ出すとは中々やるじゃないか」

ウィンタープリズン「姿を消していたのか」


『トップスピードの様に始末してやろうと思ったがバレたなら仕方ないか』


スノーホワイト「トップスピードさんが!?」

ベルデ「俺の心を読んだか、トップスピードならあそこでくたばってるぜ」

ベルデ「妊婦の身で戦いの場に出るとは愚かな女だよ、クカカカカッ!」

ウィンタープリズン「貴様っ」

ベルデ「あ~そうそう、ラ・ピュセルと言ったかな?スノーホワイトのパートナーは」

スノーホワイト「……!」

ベルデ「あいつを殺したのは……この俺だ」

アリス「……何てことを」

『ソードベント』


スノーホワイト「うわあああああああ!!」

ベルデ「俺に挑むか、馬鹿め」

スノーホワイト「あうっ」


スノーホワイトの怒りに任せた大振りの斬撃をベルデは軽々と躱しながら
脇腹へ蹴りを放ち、怯んだスノーホワイトの顔面にパンチを叩き付けた。


『ソードベント』


ウィンタープリズン「こいつ」

ベルデ「壁を生やすんだろう、てめえらの魔法は知れてんだよ!」

アリス「……避けられた」

ウィンタープリズン「この契約者、戦い慣れているな」


ベルデは先を読んだ行動でウィンタープリズンの壁を躱し
アリスの特攻に合わせて後方へ跳躍する事で打撃技も回避する。


ベルデ「生憎、俺は契約者になる以前からずっと体を鍛え続けているんだよ」

ベルデ「三人がかりで突っ込めば楽に倒せると思ったか?俺をそこらの契約者と一緒にするなよ、魔法少女ォォォ!!」


『クリアーベント』


ウィンタープリズン「消えた…」

ベルデ(魔法で俺を探知できる?だったら対応できない攻撃を使えばいい)


『ファイナルベント』


ベルデ(最初に狙うのはスノーホワイト!貴様だぁぁ!!)

スノーホワイト「敵は私を狙っている……!」

ベルデ(俺の舌は弾丸以上のスピードと正確さを持つ、躱しきれるか)

アリス「させない」


アリスがスノーホワイトの体を突き飛ばすと同時に
まるで槍のように長く鋭い舌がアリスの体を串刺しにした。
ベルデが舌を通じてアリスの体内へと魔力を流し込み爆発した。


スノーホワイトの悲痛な悲鳴が聞こえる。
アリスの胸には爆発によって大きな風穴が空いていた。

スノーホワイト「アリスゥゥゥ!!」

アリス「心配しないで、ください。わた…しの怪我は、治ります」

ベルデ「今の俺ではこいつらを殺しきれないか、ここは引くとしよう」

ウィンタープリズン「逃がすと思うか」

ベルデ「いつまでも俺の相手をしていていいのかぁ?魔法少女の本文は人助け、だろう?」


『ホイールベント』


ベルデ「安心しろ、その内ラ・ピュセルの元へ送ってやるぜスノーホワイト。クククッ…ハハハハハハッ!!」


バイドワインダーを高所に引っ掛けたベルデはワイヤーアクションの要領で上空へと飛び
あっという間にショッピングモールから遠くへと移動していった。


スノーホワイト「もう心の声が聞こえません、本当に撤退しました」


敵が近くにいない事を知ったスノーホワイトはベルデの指していた女性の遺体へと近づいた。
顔がグチャグチャに潰されて生前はどんな顔をしていたのかは分からない。
お腹の大きさで妊婦であるのは間違い無く、彼女だけでなくお腹の子供の命までも奪われた事実に胸が苦しくなる。
ウィンタープリズンが所持品を調べるとマジカルフォンが発見された。
彼女こそがトップスピードの本来の姿である事実は否定しようが無かった。


スノーホワイト「トップスピードさん……」

ウィンタープリズン「今は感傷に浸っている暇は無い、急ごう」

スノーホワイト「……っ、はい」

三人の魔法少女がショッピングモール内へ突入した頃


メアリ「ぐぅっ!くっそがぁぁぁ!!」

王蛇「ごふっ、はぁ~……はっはっはっ」


メアリのアビスダイブが王蛇のベノクラッシュの蹴りを上回り
王蛇の胸に大きな裂傷を与えるダメージを与えたが
彼女の体に多量の酸が付着し、肌を焼く激痛を負った。


王蛇「くっくっく、殺すか殺されるかの命の奪い合い、それこそが俺が生きてる実感を与えさせくれる」

メアリ「この、これ以上付きあっていられるか!だけどその前に……」

メアリ「リップル!お前だけでも殺しておくよ!」

リップル(っ!?動け、私の体……)


『スイングベント』


突如現れたピンク色の鞭がメアリの指に命中し。拳銃を叩き落した。


メアリ「誰だい?アタシの邪魔をするのは」

ライア「彼女は殺させない」

メアリ「面倒な奴が現れたねぇ」

王蛇「ほう、お前も契約者か」

ウィンタープリズン「浅倉ァァァァァァ!!」

王蛇「あの時の魔法少女か。久しぶりだな」

スノーホワイト「リップルさん!酷い怪我……」

リップル「私の事はいい!それよりも、私の友達が来ているんだ!助けないと!」

スノーホワイト「分かりました。必ず助けます」

王蛇「せっかく魔法少女達が集まったんだ。俺と…」

ベノスネーカー『撤退だ浅倉よ』

王蛇「邪魔するな。俺はまだやりたりねえ」

ベノスネーカー『広範囲による酸の霧の長時間維持、二度に渡るファイナルベントの使用』

ベノスネーカー『我の魔力が限界だ。もうじき変身も解ける』

王蛇「……お前ら、今回はお預けだ。次会った時に俺と戦え」

ウィンタープリズン「何だと」

メアリ「そらよ」

王蛇「……!」


王蛇に視線を向けられた隙を狙い、メアリはスタングレネードを投げ込んだ。
強烈な音と光が発せられる直前に、王蛇は危険を察知して体の向きを変えて後方へと下がる。
魔法少女達の聴力と視力が回復する頃にはメアリと王蛇の姿は無かった。

ウィンタープリズン「くそっ!逃がしたか!」

アリス「霧が晴れてます」

リップル「今の内に皆を探さないと!」

スノーホワイト「その傷では無茶です!」

リップル「じっとしてはいられない!」

ライア「俺にも協力させてほしい」

スノーホワイト「貴方は?」

ライア「俺は仮面契約者ライア、この契約者バトルを止めようとしている者だ」

ウィンタープリズン「本当なのか?」

ライア「ああ、今は人命救助に専念して落ち着いた後で続きを話そう」

ウィンタープリズン「分かった。今は信じよう」



魔法少女達による人命救助は始まった。
スノーホワイトの魔法により、効率良く次々と救出していった。
ショッピングモール内にいる助けを求める声の主がいなくなるまで救出を繰り返したが
リップルの友達の姿は依然見つからないままだった。


リップル「どこだ?どこにいるんだ!」

スノーホワイト「もう心の声は聞こえません、もしかしたら既に自力で脱出したのかもしれません」

リップル「そうか、そうだよな」

リップル(なにか、なにか胸騒ぎがする……そうだ)

リップル「トップスピードは?あいつはどこに行ったんだ?」

スノーホワイト「トップスピードさんは……その……」

ウィンタープリズン「……契約者と戦って、命を落とした」

リップル「……っ!?誰が、誰が殺したんだ!!」

スノーホワイト「……っ」

リップル「その顔は知ってるんだろう!?教えてくれよ!!頼むからさっ!!」

スノーホワイト「……ベルデ」

リップル「ベルデだな!殺してやる!今すぐに殺してやる!」

ライア「駄目だ。ベルデは狡猾で強い、迂闊に戦うべきではない」

リップル「離せ!!離さなければお前を殺す!!」

ライア「それで落ち着いてくれるなら俺は構わない」

リップル「ぐっ……」

ウィンタープリズン「ベルデはトップスピードだけではなくラ・ピュセルも殺害している」

ウィンタープリズン「苦しいのはスノーホワイトも同じだ」

リップル「……今は怒りを抑えるよ。ねえ、トップスピードに会わせて」

ウィンタープリズン「それは出来ない。遺体の損傷が酷く、君が見たら冷静ではいられなくなる」

リップル「お願いだ!最期に、最期にトップスピードに会わせてよ……お願いだから」

リップル「トップスピードに別れの言葉を言わせてよ……お願い」

ウィンタープリズン「……分かった」

リップルはウィンタープリズンの案内によってトップスピードの亡骸を発見した。
バイオテロの警戒によってレスキュー活動が遅れている為、まだ現場に残されていたままだった。


リップル「……あっ、ああ、あああああぁぁぁぁっっ!!」


過去に一度、トップスピードが語った話を思い出した。
あと半年は死ねないと言っていたトップスピードの言葉を。
その意味が今分かった、トップスピードのお腹にいるもう一つの生命。
半年後に生まれる我が子の為に死にたくなかったのだと。


リップル「何で!?何で!?何でっ!?何で私に付いてきたの!?」

リップル「私なんかを放って置けば、トップスピードが死なずに済んだかもしれないのに!」

リップル(もしかしたらグレムリンとの戦いでも命を落としていたかもしれない)

リップル(私がトップスピードを死地に呼んだんだ!私のせいでトップスピードは死んだんだ!)

リップル「ごめんなさいトップスピードぉ……ごめんなさい、ごめんなさい」

リップル「私のせいで……わたしのせいでぇ!!」

ウィンタープリズン「行くぞリップル!」


ウィンタープリズンはリップルを抱えてショッピングモールを後にした。
人気の無い場所へ移動して落ち着かせるべきだと判断した。
数時間後――。


ウィンタープリズン「落ち着いたか」

リップル「少し……ありがとう、トップスピードに会わせてくれて」

ウィンタープリズン「もし私が逆の立場だったらシスターナナに会わずにいられなくなると思ってね」

ウィンタープリズン「例えショックで取り乱すと分かってでも会う事で自分の心に整理が付くはず」

リップル「ああ、私はもう決めたよ。ベルデを殺す」

リップル「魔法少女失格となろうが私の意思は変わらない」

ウィンタープリズン「私も王蛇を殺すつもりだ。例え自分の命と引き換えにしても」

リップル「何だか似てるね。その目的が叶う事を祈るよ」

ウィンタープリズン「私も、君の成功を祈るよ」

リップル「これから用があるから私は行くよ」

ウィンタープリズン「分かった。気を付けて」

病院


メールを送ってもカレン達の反応は一切来ない。
気になったリップルは変身を解いてショッピングモールで負傷した人達が搬送される病院へ向かった。
病院内は治療の為に駆け回る医師達と苦痛に呻く負傷者達で溢れており
まるで野戦病院のような凄惨な光景だった。


華乃(皆が怪我を負っているならここにいるはず……)


患者達の顔を一人一人確認していく華乃だが友達の姿は見えない。
ここにいないという事はもしかしたら助かったのかもしれない。
何か理由があってメールが使えないだけなのかもしれない。


記者「お、死亡者発表だ。ちょっとすいません」

華乃(……まさか)


不安を押し込めて、華乃は死亡者が書かれた表を見に向かった。
死亡者リストの前に集まった人達が悲鳴をあげ、泣き叫んでいる・
リストから家族や友の名を発見した人々の悲しみであった。


無事であってほしかった。

信じたくなかった。


華乃(そんな……そんな事って……)


大宮 忍
アリス・カータレット
小路 綾
猪熊 陽子
九条 カレン
保登 心愛
宇治松 千夜
鬼島 夏児


大切な友達の名が死亡者リストに一つ残らず書かれている事実に
華乃は膝から崩れ落ち涙を流した。


華乃「なんで……なんでぇっ!!いやぁぁぁ!!」


その時、病院に設置された鏡が泣き崩れる華乃を引きずり込んだ。
一瞬にして景色が変わった事に驚いた華乃は周囲を見渡すと
巨大な黒龍が華乃を見下ろしているのに気付いた。


ドラグブラッカー『貴様の嘆き、苦しみ、憎しみ、気に入ったぞ』

ドラグブラッカー「我と契約しろ。さすれば貴様の願いを叶える手伝いをしてやろう」

華乃「願い……?だったら力を貸せ!!私の大切な人達を奪った奴らを、全員殺せる力を私に寄こせ!!」

ドラグブラッカー『良かろう!契約は結ばれた、これより我は汝の使い魔として力を貸そうぞ!』


仮面契約者リュウガがここに生まれた。

今日はここまで
ライアが登場しました

>>416
今回のリップルはちょっと不幸だけどリュウガになれたから良い事もありました

そもそもリップル=華乃は小学生の頃から不幸だし
序に原作だと母親は自分の娘をある意味見ていない
正直可哀そうだ・・・
(やっぱタイミングがムズイのかなクラムベリーをだすのは?)

とうとう日常系からも死者が
正直やり過ぎでは?と思う

ショッピングモールでの戦闘は終わった。
結末は魔法少女達の大敗である。


カラミティ・メアリの裏切りによって内情を知った契約者達が待ち伏せており
魔法少女達が罠にかかる形で襲撃を受けた。
そのせいでトップスピード、ミナエル、ケイネスが戦死した。


その後、魔法少女達は現状を魔法の国へ報告した。
魔法少女はともかく魔術師の死亡は魔法の国としても
事態をより一層重く受け止める事態となった。


魔法の国


イオク「なんという事だ!我らが同士であるケイネス殿の命が失われるとは!」

イオク「こうなれば、この私がN市に出向いて憎き契約者達を討ち果たそうでは無いか!」

凌馬「その気持ちはありがたく受け取っておくよ。だけどN市に関しては私に任せてくれないかな」

イオク「ぬぅ……、分かった。何か困ったことがあればいつでも私に頼ってくれたまえ!」

凌馬「もちろん、その時が来たら協力を頼ませてもらうよ」

凌馬(正直、足手まといだから来られる方が困るんだけどね)

凌馬(それにしてもケイネスさんが死ぬとはね、それなりに利用できる人だから失ったのは少々手痛いな)

凌馬(笛木の資料を基に開発したオルタナティブは完成した。後は契約者だが)

凌馬(周りには私の発明品の実験体になってくれる魔法少女がいないんだよね。まぁ私のせいだけど)

凌馬(仮にケイネスさんが生きていても機械嫌いだから断るだろうし、イオクさんじゃ宝の持ち腐れになる。あとは……)

キークの研究室


凌馬「やぁ、キークちゃん!」

キーク「帰れ、戦極凌馬」

凌馬「連れないなぁキークちゃんは、ねえ私の研究のお手伝いをして見ないかい?駄賃は弾むよ」

キーク「私は知っているんだぞ!お前の実験体にされて怪我した魔法少女が何人もいる事を!」

凌馬「多少の事故じゃないか。現に死者は誰も出てないし結果オーライさ」

凌馬「それに私の発明品によってこの国の技術は進歩している。些細な被害だよ」

キーク「私はお前のそういう所が大っ嫌いだ!自分の研究の為なら他者を平気で使い潰せるその性格がな!」

キーク「これ以上、魔法少女達を実験体にしてみろ。お前を電脳空間に一生閉じ込めてやる!」

凌馬「おー怖い怖い、それじゃあ退散するとしますか」

キーク「もう来るなよ」

凌馬「……所で、私が部屋に入った時に画面隠したよね?何やってたの?」

キーク「来るな!近づくな!触るな!出ていけぇーーー!!」

凌馬「秘密にされると知りたくなるのが研究者の性ってね。んん?ゲームかな、これ?」

キーク「ヤーメーロー!見るな!くっつくな!ガルルルル!!」

凌馬「いたたた!何も噛み付かなくてもいいじゃないかキークちゃん」

凌馬「そうだ。ゲームなら私の知り合いで腕の良い開発者がいるけど紹介しようか?」

キーク「いらん。お前の知り合いなら変人に決まっている」

凌馬「そこまで邪険にされると私も傷付くなぁ。さてキークちゃん弄りも楽しんだし本当に帰るとするよ。じゃあね」

キーク「……」イライライラ

凌馬(刑務所から仮出所させる手続きが面倒だけどやっぱりあの人に頼むかな)

凌馬(N市の元試験官である、あの魔法少女なら契約者達が相手でも後れを取る事は無い筈さ)

N市では……


スノーホワイト「本当ですか?契約者バトルを止める方法を知っているって」

手塚「ああ、ミラーモンスターを生み出すコアミラーを破壊すればミラーワールドも消滅するらしい」

ウィンタープリズン「らしい?確証は無いのか」

手塚「コアミラーを破壊した前例は無いからな。ただ一つだけ分かっているのは」

手塚「コアミラーの周囲には常にミラーモンスターが徘徊しており、さらに黄金の契約者が守護している事だ」

手塚「それほど厳重な監視がされている以上、奴らにとって重要な存在であるのは明白だ」

ルーラ「つまり、私達全員がミラーワールドに侵入して防衛する敵を倒してコアミラーを壊せばいい訳ね」

手塚「そうだ。俺一人ではとてもコアミラーまで辿り着くことが出来ない。魔法少女達の力を貸して欲しい」

東條「契約者バトルを止めるのは願いを諦めるって事だけど君は叶えたい願いは無いの?」

手塚「……俺は仮面を付けるのが怖くなったんだ。俺が俺で無くなっていくようで」

東條「どういう意味?」

手塚「あの仮面は人を人で無くす……。顔を覆い隠すことにより逆に人の本能を剥き出しにする」

手塚「仮面契約者として戦い続ける内に闘争を、殺戮を望む自分の悪意が増大していくのを感じるんだ」

手塚「君達も感じた事は無いか?仮面契約者になってから己の中の残酷な本能が日に日に増していく感覚を」

スノーホワイト「……あります」

リップル「スノーホワイトが?」

スノーホワイト「シザースと戦った時に無意識の内に彼を殺そうとしました。気付いた時にはとても怖かった」

手塚「その恐怖を忘れてはならない。闘争本能を抑え込まなければ彼ら達の様に殺戮を楽しむ存在に堕ちてしまうだろう」

スノーホワイト「闘争本能を……抑える」

手塚「誰かを殺そうとする意志よりも魔法少女の使命を最優先に考えるんだ」

手塚「こんな戦いは速く止めなければならない、俺達、契約者は戦い続ける内に人で無くなり」

手塚「あのミラーワールドに住むモンスターの様になってしまうかもしれないと考えている」

スノーホワイト「契約者がモンスターに?」

手塚「もしかしたらあれは契約者の人の心の成れの果ての姿なんじゃないかと思えてくるんだ」

リップル(例え、契約者が呪いの力だったとしても復讐を果たす為なら、私は喜んで使う……)

東條「僕はよく分からないけど、英雄になるためなら契約者の力も捨てられる」

ユナエル「ねえ、コアミラーを壊したら王蛇は私達が殺すからね」

ウィンタープリズン「それは出来ない相談だな。王蛇はシスターナナの仇だ」

ユナエル「私だってお姉ちゃんをあいつに殺されたんだ!」

手塚「まて、王蛇は魔法少女達の力を終結しなければ倒せない、と占いで出ている」

たま「占い?」

スイムスイム「当たるの?」

手塚「俺の占いは当たる」

マジカロイド「遅れて到着して申し訳無いデス。話は聞きましたがこの際、早い者勝ちで良いんじゃないデスか?」

リップル「マジカロイド!!貴様ァ!!」

マジカロイド「何なんデスか?苦しいデス!離してくだサイ!」

リップル「何で……何でお前だけショッピングモールに来なかった!?来ていれば彼女達は死なずに……」

マジカロイド「ヤバそうな予感がしたので近づかないでおいたのデスよ」

マジカロイド「案の定、契約者達が待ち伏せしていてワタシの判断は正解だったデスよ」

リップル「戦わなくてもいい!一般市民の避難だけでもしてくれていれば結末は変わった筈だ!!」

マジカロイド「誰が亡くなったのかは知りませんが、それは八つ当たりデスよ!」

ウィンタープリズン「もう止すんだリップル、誰かに怒りをぶつけても失った人は帰ってこない」

リップル「……悪かったマジカロイド」

マジカロイド「分かりまシタ。次の任務では私もご一緒しマスからこの件は水に流してくだサイ」

東條(他の魔法少女は仲間が死ぬと復讐に走るか八つ当たりする人ばかり)

東條(だけどルーラは違う。ルーラは私情に駆られずにやるべき事を冷静に考えられる人だ)

東條(この街で最も魔法少女に相応しいのはやっぱりルーラだ)

高見沢グループビル本社


社員「お帰りなさいませ!!」

高見沢「うむ、皆さんご苦労」

男「おい会長!!」


高級車から降りた高見沢の目の前に中年の男性が飛び出してくる。
両手には包丁がしっかりと握られており、目が血走り完全に冷静さを失っている。


社員「何をしている!!早く警備員を!!」

高見沢「まぁ待て、そこのお前、そんな刃物を持ちだして何が目的だ?」

男「俺はこの会社で20年も身を粉にして働いてきたんだ!!」

男「それを一つのミスを犯しただけでいきなりリストラとかふざけるなぁー!!」

高見沢「ふん、ふざけてるのはお前だ。そのミスのおかげで一つの取引が潰れたんだ」

高見沢「いくら損害を被ったと思ってるんだ。てめえ如きが汗水働いた程度じゃ返せる額じゃねえんだよ」

男「必死に頭を下げて謝ったのに許せない……ゆるせないー!!」

高見沢「んで?いつまでもお前に構ってるほど俺は暇じゃねーんだよ。見逃してやるからさっさと消えな」

男「貴様ぁーーーッ!!」

高見沢「はん」


高見沢の蹴りが男の手に持つ包丁に当たり、押し上げられて宙を舞った。
更に上空の包丁へ視線を向けた男の顔面にハイキックを叩き込み男は倒れると
高見沢は男の右膝を思いっきり踏みつけて砕いた。


男「ぎゃああああああああああ!!!!」

高見沢「そこに寝られると迷惑だ。片付けて置け」

社員「はい!!」


仮面契約者ベルデの装着者、高見沢逸郎は巨大企業・高見沢グループの総帥である。
彼はその類稀なる手腕を持ってライバル会社を次々と蹴落とし、吸収し、傘下に収め
圧倒的な権力や財力を手にしていた。


だがそれでも高見沢の欲望は尽きる事は無い。
権力も財力も彼の野心を満たすには至らない。
特に彼が求めて止まなかったのはどんな強者も屠り去る事が出来る暴力であった。


権力や財力は月日が経つに連れ、増やす事は出来るが暴力はそうは行かない。
食生活による栄養バランスや日々のジム通いによって強靭な肉体と格闘技術は身に付いたが
プロの格闘家達を相手に優勝できる力で無ければ彼は満足できなかった。


そんなある日、高見沢は黒い影の声によってミラーワールドへ誘われ
超人的な力を手に入れるのを願いとして仮面契約者になった。
仮面契約者になった時点で願いは叶ったとも言えるが
彼にとっては勝ち残って最強の力を示さない限り、野心は満たされないだろう。


仮面契約者となった後も鍛錬は欠かす事無く
バイドワインダーを自分の手足の様に正確に操作出来る程の技術も会得した。
邪魔となる魔法少女達も手駒を使い、機を見計らって二人の魔法少女を殺害した。
次はどんな手で魔法少女を追い詰めてやろうかと考えてる所で鏡から音が聞こえてくる。


高見沢「なんだ?」

黒い影「魔法少女達が不穏な動きを見せている……契約者達を教会へ集めるんだ」

高見沢「そうか。契約者達に伝えておこう」

高見沢(魔法少女め。痛い目に会ったばかりだと言うのに行動が速いな)

北岡の宿泊しているホテル


ルーラ達によって自宅を知られた北岡秀一は現在この高級ホテルに泊まっていた。
高級な食材をふんだんに使ったフルコースを口にして、やっぱり吾郎ちゃんの料理の方が好きだよと吾郎に囁いた。
デザートを食べ終わろうとした所で吾郎は薬を用意した。


北岡「もう薬はいいよ、吾郎ちゃん。全然効いてないじゃん」

吾郎(そう言わずに飲んでください。ドクターの指示ですから)

吾郎(治る事はなくても病気の進行は遅くなっている筈です)

北岡「そうだといいね」


北岡はとても病気が遅くなっているとは思えなかった。
どんどん物忘れが激しくなりむしろ、日々、酷くなっている。
まぁ、これも契約者バトルが終わるまでの我慢だ。


俺は常に勝ってきた。小学校の運動会のリレーでも優勝し
高校の弁論大会でも優勝し、大学在学中の司法試験でもトップの成績を収めた。


北岡「弁護士になって最初の裁判も勝ったんだよな」

吾郎(はい、今の私があるのは全て先生のおかげです)


吾郎は強盗障害の罪で告訴されていた。
それを北岡は金に物を言わせたり、脅迫めいた取引を持ち掛けるなど
相当強引な手を使って黒を白に変える手腕を見せた。


晴れて無罪になった吾郎は以後の全ての人生を北岡に捧げる決心をした。
勾留中に何度も面接を重ねる内に吾郎は北岡の情熱に打たれ
生まれて初めて他人に心を開いた。一度開いた扉は二度と閉じる事は無い。


北岡の病気を知った吾郎は、沈黙を誓い願をかけた。
北岡の快癒を願い、その代わりに言葉を捨てると神に誓った。
完全に言葉を封印するために吾郎は金の糸で唇を縫い合わせた。


飲食は僅かに開く唇の間から摂取出来るものに限られた。
金の糸を選んだのは沈黙をより神聖なものとするためだった。
吾郎の沈黙は神に捧げたものだ、だから神聖でなければならない。


北岡「吾郎ちゃん、俺、他の全部を忘れても、吾郎ちゃんの事は忘れないからさ」

吾郎(先生なら契約者バトルでも勝ち残って病気を治す事が出来ます)


病気が治れば吾郎は金の糸を切り、北岡と共に祝いの酒を飲むだろう。
そう吾郎は決意していた。


北岡「そろそろ晩飯にしようか吾郎ちゃん、俺腹減ってきちゃったよ」


もう食べたとは言えなかった。


北岡は二度目の夕食を注文した。

今日はここまで
コアミラーを壊せば戦いは止まるのか?
ミラモンの説は漫画版龍騎で手塚が言ってた台詞です

>>427
刑務所に入ってるクラムベリーを誰が出すんでしょうね

>>428
主人公の所属する隊員や身内が全滅する子供向けの番組もあるし
無差別に人を押そう敵が出てくる作品で一般人の犠牲が出るのは仕方ない

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