【まほいく安価】ファヴ「突然だけど17人目を追加するぽん!」【魔法少女育成計画】 (1000)


・なんどめだまほいく並何番煎じ
・安価とコンマで進行
・キャラメイクは1人のみ
・基本的にそのキャラが主人公となる視点
・無印(アニメ)が舞台なので原作要素はそんなに無いぽん!多分
 でも突然原作QUEENSまでのネタバレが出ても責任はとれないぽん

・頑張って生き残ってほしいぽん


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・・・・・・

~16人目の選抜終了(スノーホワイトが魔法少女になってから数日後)~


クラムベリー「そろそろ間引きしましょうか」

ファヴ「分かったぽん。じゃあ週末にでも皆にお知らせするぽん」

クラムベリー「よろしくお願いしますよ。……フフッ、これでまた、遠からず……」

ファヴ「…………あー、マスター。ひとつ相談というか提案があるぽん」

クラムベリー「提案? なんでしょうか」

ファヴ「実は、16人目をもう決めちゃった後だけど、他に1人すっごく適性のあるのを見つけてしまったぽん。これは見逃せないぽん」

クラムベリー「ほう……やはりこの街は多いですね」

ファヴ「どうするぽん? 自分から持ち掛けておいてなんだけどこれ以上多くするのもなんかアレだぽん」

クラムベリー「いいですよ。参加させましょう。以前やった100人試験よりは遥かに少ないのですから」

ファヴ「了解ぽん! じゃあその子の端末にアクセスしてみるぽん」


ファヴ「こんにちは! マスコットキャラのファヴだぽん!」

ファヴ「あなたは本物の魔法少女に選ばれたぽん!!」


17人目の魔法少女の……

名前・人間状態の名前

>>6

木野 結衣(きの ゆい)

結衣「……?」

ファヴ「ちょっと、話聞いてるぽん? 木野結衣……いや、魔法少女>>直下」

結衣「!?」

ファヴ「驚いてるぽん。それは正常な反応だぽん」



【魔法少女キノ】木野結衣の……

年齢・性格・職業

>>11

17歳
アグレッシブ
声優


結衣「ま、マジ……? い、いやいやいや、そんなはずない……今度やる魔法少女モノの仕事の役作りに夢中になりすぎただけだよね……?」

ファヴ「ああ、キノは声優さんだったぽん。いやー高校に行きながら声優もやってるなんてビックリだぽん。個人的に武内君と呼んであげたいぽん」

結衣「いやいやいや、あの人には遠く及ばないし性別違うから!」


木野結衣は高校2年生だ。アグレッシブな性格で学内外に友達がいて、クラスでは2番目に大きなグループの輪の中心と1歩引いたところの中間くらいにいる
そのグループで遊びに行くときには必ずお呼びがかかるが、断っても「そっか。じゃあまたね」で済むし、かといってどうでもいい存在というわけではなく、誘いを断った後日には友達に「やっぱ結衣が居た方が面白いよね~」と言われるくらいの立ち位置だ
成績は普通。平均だ。もう少し頑張ればもっと上を目指せると言われているが、結衣はそれをまた別の仕事のせいにしていた
声優である
小学生の頃、国語の教科書を順番に読むという誰しもが経験するであろう場面で、結衣は少し調子に乗った。その声はクラス中で絶賛され、「声優になりなよ!」などの声もあった
おばあちゃんにも「結衣はいい声だねぇ」などと日頃言われていたため、中学時代、親に声優になりたいと言って養成所やスクール、ワークショップの門を叩いたのは当然の結果で、そこでも結衣は褒められた
そこから数年、元の素質と共に実力も伴ってきて、今や深夜アニメの準レギュラーやラジオも任されるほどの期待の新人である


結衣が声優となったきっかけは他にもある。小さい頃やっていた魔法少女アニメだ。「キューティーヒーラー」と言えば大抵の女子は理解してくれる

幼い頃見たアニメ、魔法少女への憧れは声優になることで現実になることとなる……といったところで、これである

N市には魔法少女の目撃情報が多いのは結衣も知っている。数日前までまさかねと鼻で笑っていた自分が当事者となる……誰が予感できただろうか


ファヴ「――というのが魔法少女だぽん。まぁ細かいことはなってからのお楽しみ! とりあえずこの画面をタッチして、魔法少女になってみるぽん!」

結衣「………………」ゴクリ

ファヴ「どうしたぽん?」

結衣「……!」ポチッ


押した。魔法少女になって人助け――演技の練習や学校の勉強、友達との交流でいっぱいいっぱいだった自分の時間がさらに割かれる……という考えも無くはなかった。だがその考えは「今度やる仕事の演技勉強になるかも」という自分でも下手な言い訳1割とワクワク感9割によって打ち消された


キノの……

容姿

>>20

黒い短髪に大きな瞳、白いシャツの上に黒のジャケット、茶色いコートを羽織って銃を持っている


キノ「……すご」

ファヴ「あ、そうそう。魔法少女は一般人に正体を知られてはいけないぽん。うっかり友達に話したりラジオでペラペラ喋ったらその資格をはく奪されてしまうので注意だぽん」

キノ「うわああぁぁぁぁ!! すごい! すごいすごい!! なにこれ!? すごい!!」

ファヴ「ああ気持ちは分かるぽん。でも今はファヴの話を――」

キノ「えっ、この顔なに!? 全然違う! 綺麗!! 髪も朝何時間もかけてセットしたみたい……!」


結衣は自分の容姿について特に何を思ったりはしたことはない。声優は声で勝負するものだからだ

とはいえ自分に顔出しで仕事が回ってくるのと、グループの立ち位置から言って美醜であれこれ言われる顔でないことは自覚していた

だが、キノは違う。鏡の中に映る魔法少女は結衣とは全然違う。かわいい。クール。美麗。なんかそれらすべてが揃っている気がする

髪は黒い短髪で一見ボーイッシュ。白いシャツに黒いジャケット、茶のコート。これらもボーッシュだろうが、その中に可愛さが見え隠れしているのだ。キノは自分に萌えた


ファヴ「なんかすっごく既視感があるぽん。でもファヴはなんちゃらの旅とか読んだことないから、キノはそんなこと言わない~とか言われても責任とれないぽん」


ファヴの独り言なのか周りに言ったのか分からないような呟きもキノには聞こえない。キノの今の興味と視線はすべて鏡に注がれているからだ


キノ「ねぇ、これって本物?」チャキ

ファヴ「その銃ぽん? コスチュームと一緒に出て来たんだから勿論撃てるぽん。でも撃って本物の銃と同じ結果が訪れるとは限らないかもしれないぽん」

キノ「どういうこと?」

ファヴ「鉛玉なのか麻酔弾なのか、はたまた空砲なのか、撃って見ないと分からないぽん。最悪ただの飾りということもあるぽん」

キノ「へぇー……ってか今更だけど恰好暑苦しい……」

ファヴ「魔法少女はその程度で汗をかいたりしないぽん。もしかいたとしても多分フルーティなにおいがするぽん」

キノ「…………ねぇファヴ、私、魔法使えるんだよね?」

ファヴ「勿論! 魔法少女は1人に1つ、とっても便利な魔法が使えるようになってるぽん! 確かキノの魔法は……>>25だぽん」

強化・弱体化


ファヴ「その銃から撃った弾で色々な物を強化したり弱体化できたりするぽん」

キノ「……………………????」

ファヴ「後は自分でやってみるのがいいぽん。さぁ、魔法少女になったからには人助けだぽん!」

キノ「よーし! じゃあ>>直下!!」


1.外に出て人助けをしてみる
2.外に出て自分の能力を試してみる
3.魔法の端末を見る


 キノの能力
 【魔法の銃で撃ったものを強くしたり弱くしたりするよ】


 ここから先、コンマでキノの命運が決まることが多々あります
 その時少しでも優位に立つには、キノの基本能力がモノを言う時があるでしょう


 ステータス

 コンマで決める欄はコンマ二桁で、01~00(100)で決めます


身体能力(公式ステ基準の『破壊力・耐久力・俊敏性』をまとめたステ)……>>↓1コンマ

知性……>>↓2コンマ

幸運……>>↓3コンマ

自己主張……性格と職業から★★★★★

野望・欲望……性格と職業から★★★

魔法のポテンシャル……???

好きなもの……↓4

嫌いな物……↓5


 木野結衣 ステータス

年齢 17
職業 高校2年生・声優
見た目 声優として顔出しして売れるレベル
性格 アグレッシブ
特性 良い声

 魔法少女キノ ステータス


見た目 黒い短髪に大きな瞳、白いシャツの上に黒のジャケット、茶色いコートを羽織っている

身体能力 58(★★★)
知性 20(★)
幸運 78(★★★★)
自己主張 ★★★★★
野望・欲望 ★★★
魔法のポテンシャル ???
好きなもの 一人旅
嫌いなもの ショットガン

基本ステは普通
どうやら頭に振るべきステを声に振ってしまったようだ
しかし運がいいので土壇場でしぶといかもしれない
魔法少女になって銃に興味を持つようになり、ハンドガン系は大好きになったが、ショットガンは美しくないと嫌っている


・・・・・・

~近所の裏山~


キノは人気の少ない裏山にやってきた。目的は勿論自分の能力の確認だ。ファヴは人助けしろとうるさかったが、この好奇心が自分を含む誰に止められるわけがない

銃を構える。アニメや映画でよく見たことのあるリボルバータイプの銃。だが銃身が長い。30cmはあるのではないか


キノ「えっと、弾……弾…………」ゴソゴソ


キノが腰にあるバッグをまさぐると、中にはジャラジャラと弾があった。そのひとつを取り出してみる。なんの変哲もないマグナム弾だ

とりあえずテレビで見たような感じで、見よう見まねで装填して木に撃ってみる。反動が大きいが魔法少女というからには武器に振り回されるという無様は晒さない

大きな銃声と共に木には大穴が――開かない


キノ「あれっ? 外した?」


続いて2発3発、6つの穴にすべて弾を込め、すべてを木に撃ち込んだが、木には何の変化も無い

自分の射撃の腕が絶望的なのだろうかと木に思い切り近づけて撃って見ても、何も起こらない


キノ「もしかして……使えない?」


なんということだ、密かに憧れていた魔法少女になれたというのに、肝心の魔法が使えない

そう思うと思考は一直線。まず自分の恰好が魔法少女らしくない。なんだよコートって、フリフリしてないのかよ、もっとキュートでキャピキャピしてないのか。という考えまで浮かんでくる


キノ「(い、いや……絶対なにか使えるはず! 絶対……なにかしら……)」


 コンマ判定では、キノの能力に応じたコンマ二桁での判定となります。TRPGと言えば分かる人は分かるでしょうか

 例えば、敵の攻撃を避けるときのコンマ判定はキノの身体能力(58)よりも低ければ回避成功、58を超えた場合は回避失敗となります

 キノは運が高いので、常にコンマ判定には+10という得点付きです


 知性(20+10)ロール……直下コンマ二桁

 成功→自分の魔法の概要を思い出す
 失敗→何も分からない

 今回の場合、直下のコンマが30以下なら成功です


 21……成功!


キノ「(ん……? そういえば私の魔法って……)」

【魔法の銃で撃ったものを強くしたり弱くしたりするよ】

キノ「………………もしかして」カチャッ


 キノは再び弾を取り出す。今度は先ほどのように何も考えずではない

 対象は目の前の木。その木の耐久を弱くする

 そう考えながら取り出した弾は、先端の色が青くなっていた。先ほど取り出した時には色はついていなかった

 ビンゴ! と心の中で喜ぶ


キノ「耐久弱くなれ!」バァン!


 青い弾丸が木にヒットした手ごたえがあった。

 すると、弾が当たった場所がミシミシと音を立て、そこから木は自重で折れ崩れた


キノ「おおおぉぉぉぉ…………!!」キラキラ

キノ「す、すごい……!」


 目の前の現象を見て、興奮する。これは自分がやったことだ

 冷めやらぬまま、傍にあった岩に銃を構える。込めた弾は『岩の堅さを弱くする』

 撃った岩を触ると、ふにょん、とまるでスライムに触ったかのような感触が指に伝わって来た


キノ「おおおおおおおおぉぉぉ!!!!」


 こうなったらもう好き放題だ

 身の回りにあるものすべてに何かしらの弾を撃ってみる

 落ちていた葉っぱに『堅さを強くする』を撃つと、まるで手裏剣のようになり、本当に手裏剣みたいにならないかなぁと『端の鋭さを強くする』を撃って投げたらなんと木に突き刺さった

 逆に、魔法少女でも持ち上げるのが困難であろう大岩の『重さを弱くする』と、片手で持ち上げられた

 キノは一晩中山ではしゃぎ回った


 一晩中はしゃいで分かったこと


 ・なんでも強くしたり弱くしたりできる

 ・既に強くなったり弱くなったりしたものにも別の強弱を重ね掛けすることができる

 ・対象は頭の中で考えたものではなく、撃ったもの。つまり弾を取り出すときに考えるのはアバウトに『堅さを強くする』と考れば撃った物が堅くなる

 ・弾の効果はポーチから取り出すときに決まり、6発弾倉内に込められる

 ・人には試してないから分からないけど、もしかしたら人にも使える?


・・・・・・

~翌日~


結衣「うーん……」ムクッ

結衣「…………学校行かなきゃ」フワァ


 一晩中山を駆け回り、帰って来たのは日が昇った頃だった。魔法少女に食事・睡眠・排泄は必要無いらしいが、育ち盛りの結衣に睡眠は必要である

 家に帰って変身を解き、興奮で眠れずに登校時間を迎えてしまった

 枕元に置いていた魔法の端末を見る。本当に自分は魔法少女になった。その事実だけで結衣は破顔した


「結衣ー、早く起きなさい! 学校遅刻するわよ! あと今日は放課後に収録でしょー」

結衣「あ、はーい」


・・・・・・

~学校~


「ねぇ結衣聞いた? 昨日さ、なんか近所の裏山ですっごい物音したらしいよ」

結衣「えっ!?」ビクッ

「なんでも、木が倒れたり、大岩が倒れたりとか……地震じゃないかって言われてるけど夜中に地震なんか無かったよね」

結衣「う、うん! そうだよね……」アハハ

結衣「(ヤッバー…………派手にやりすぎた)」


 クラスを見渡す。いつも通りの風景だ。いつもの面子が話しかけてきて、いつもと同じくだらない話をして笑う。違うのは自分だけ

 始業の鐘が鳴り、教師がやってきて授業を始める。いつもの退屈な授業だ


結衣「(さーて、この魔法の端末とやら、マナーモードにして色々見てみようかなぁ)」

教師「おや、アイツはまた遅刻か?」


 教師がそう言った瞬間、ガラガラと教室のドアが開き、ぼやいたであろう対象の生徒が入って来た
 その生徒が教室に入った瞬間、皆その子と目を合わせないようにする


 結衣は……>>50

 1.そんなことは関係ない、と魔法の端末を見た
 2.舌打ちしながら入って来た遅刻生徒を見た


結衣「(あの子また遅刻かぁ……いつになく目つき悪いし、寝不足なのかな?)」

教師「おい細波……今日で何回目だ?」

「……すみません」


 細波華乃……クラスきっての不良だ

 彼女の黒い噂は友達を通して色々聞いていた。小学生の頃男子を殴っただの、中学に上がったら女子を殴っただの、高校に上がって誰を殴っただの、苗字がコロコロ変わるだの、聞いた武勇伝は両手の指でギリギリ足りる

 華乃はいつも通りの席に着くと、いそいそと筆箱と教科書を取り出した。不良と言われていても、学業への姿勢は真面目に見える


結衣「(………………)」


いつもなら彼女を見る目は『クラスの雰囲気を悪くする不良』だが、今日は何故か違った

親近感というか、友達になれそうとか、話しやすそうな感じがした

恐らくそれは魔法少女になった今、何も怖い物はないという結衣の高揚感からくるものであろうが、結衣はその理由が分からず、とにかく華乃に興味を持った


1限目が終わり、10分間の休み時間

いつもなら友達と軽く喋って終わりだろうが、今ばかりは教室から出て行った華乃を追いかけることを選んだ


「結衣どこ行くのー?」

結衣「ちょっとトイレ!」


まったくのデタラメだ。しかし華乃が入っていったのは女子トイレで、結衣は「これで嘘は言ってないね」と安心して華乃を追ってトイレに入った


トイレに入ると、華乃は手を洗っていた。どうやら用は足してないようだ


結衣「(うう……なんか追いかけて来ちゃったけど、どう声をかけたらいいの……)」

結衣「(というか、なんで追いかけて来たの……?)」

結衣「(って、ダメダメ! 考えてる間にも細波さんは手を洗い終わっちゃう!)」

華乃「……?」クルッ

結衣「あ」

華乃「…………なに?」

結衣「あ、えーっと……」

華乃「何か用?」

結衣「…………あ、うん、用というか、その……」


 幸運(78)ロール……直下コンマ二桁

 成功→華乃が自分から話を振って来る
 失敗→フンと一瞥され、トイレから華乃が去る


 21……成功!


華乃「……あのさ」

結衣「ひゃい!?」

華乃「…………木野ユイ、だよね? 声優の……」

結衣「えっ? あ、うん。そうだけど……」

華乃「下の名前カタカナにしてるんだ」

結衣「うん、本名活動だけどまぁ漢字は、ってことで……って、知ってるの!?」

華乃「まぁ……少しだけ。スタフル見てたし」

結衣「!!」


 「スター・フルーレ」……通称スタフル。深夜アニメだ。結衣は主人公のライバルとして対立し、最終的には協力として諸悪の根源を倒すという役を演じていた
 
 まさか知っているなんて……という思いと、まぁ当然かという思いと、初めて話す人間に仕事の話をされる恥ずかしさで結衣の混乱はピークに達しようとしていた


結衣「あ、ありがとう……実は今度、『なんでも粛清マジカル・スターリン』って言うアニメにも出るんだ。昔から憧れてた魔法少女モノにやっと出られるの」

華乃「魔法少女…………そうなんだ」

結衣「(もしかして、今、細波さんと会話できてる?)」

結衣「ぜ、是非見てね! し、深夜アニメだけど……一応毎回出るというか、そういう役だけど……」

華乃「……見てみるよ。それじゃ」

結衣「う、うん………………」


華乃が女子トイレから立ち去ると同時に、どっと緊張が口から吐き出る

どうやらファーストコンタクトとしては上々じゃないか。むしろ好感を得られたのではないか

最悪殴られることも想定していた結衣にとって、このやり取りは今月二番の収穫と言える。一番は勿論魔法少女キノだ


・・・・・・

~放課後・スタジオ~


音響監督「はい、じゃあユイちゃんはここで食い気味にね」

結衣「はい!」


魔法少女キノになった高揚感は、仕事にも良い影響を与えていた

マジカル・スターリンの中で与えられた役はギャグキャラだが、そのキャラは堂々と振舞い天然ボケで周りからツッコミを入れられるキャラなので、今の自信に満ちた結衣にピッタリだ


音響監督「はいOK! とてもよかったよ!」

結衣「ありがとうございます!」


収録が終わり、学校で開きかけてからずっとバッグの中に放置していた魔法の端末に目が行く


結衣「(あ、忘れてた……私、こっちにも仕事があるんだ)」


・・・・・・

~夜・街中~


キノ「今日は流石に人助けかな……」


ビルの屋上を蹴って移動する。電車を使う必要が無いのでこれからはスタジオへの電車代が浮きそうだ

ファヴからうるさく言われていた人助けもしてみよう。とは思ったものの困った人は見つからない。

魔法少女は困った人を助けてマジカルキャンディーを集めるのが魔法少女の目的らしいからにはやらなければならないだろうが、見つからないんじゃ仕方ないね、と諦めようとしたところだった

眼下に酔っ払いに絡まれている若い女性がいる。あれは困っている内に入るだろうか。まぁ入るだろうなと結論付け、キノは路地裏に飛び込んだ


 この日のマジカルキャンディー収穫数……直下コンマ二桁
 (コンマぞろ目で他の魔法少女と遭遇)



手に入れたマジカルキャンディーは53個

今日は3、4人助けたと思う

酔っ払いに絡まれていた女性を助け、踏切で寝ているホームレスを移動させ、塾の帰りに自転車のチェーンが切れて困っていた女の子を助けた。自転車に関しては銃で耐久を強くしたのでもうちょっとやそっとじゃ壊れないだろう

そんなこんなで帰宅したのは11時を回る


結衣「はぁ~~~~……疲れた」フゥ

「お帰りなさい。随分遅かったじゃない」

結衣「うん、ちょっと収録長引いて」

「夜道は危ないから気を浸けなさいね」

結衣「分かってるよ。お風呂湧いてる?」

「ええ。ちゃっちゃと入りなさい」

結衣「はーい」


・・・・・・

~お風呂~


結衣「これ、防水機能あって嬉しいね~」ピッ

ファヴ「初仕事お疲れ様ぽん」

結衣「どもども~」

ファヴ「初めてにしては上々だぽん。この調子で沢山人助けをするぽん!」

結衣「うん………………ねぇファヴ、この街ってもう既に16人も魔法少女がいて、私が17人目なんだよね?」

ファヴ「そうだぽん」

結衣「今日はスタジオからの帰り道で目についた人を助けたけど、魔法少女なんて1人も見なかったんだけど」

ファヴ「他の魔法少女とコンタクトをとってみたいぽん? ならチャットルームに行ってみるといいぽん」

結衣「チャットルーム……?」

ファヴ「他の魔法少女もそれぞれが持ってる魔法の端末からログインしてるぽん。交流にはうってつけだぽん」

結衣「へぇー……じゃあ、行ってみようかな」


・・・・・・

~チャットルーム~


結衣「これが……」


トップスピード『お、飛び入り新人のお出ましだ』

シスターナナ『こんばんは。新しい魔法少女さん。あなたが16人目ですか? それとも17人目?』

スノーホワイト『こんばんは』

ラ・ピュセル『やぁ』

キノ『こ、こんばんは』

ねむりん『こんばんは~』

クラムベリー『こんばんは』


チャットルームには十人十色……という言葉がピッタリな面々が揃っていた

魔女、龍騎士、忍者、修道女、コート、パジャマ、白い制服、ヴァイオリン……なんとも個性豊かだ。茶のコートなんてやっぱり地味なんじゃ……と改めて自分のアバターを見るがこれはこれで気に入ってしまっているため何とも言えない

それぞれから自己紹介を受け、自らも自己紹介をし、状況を教えてもらう。本当に自分の他に魔法少女なんていたのかと驚いた

しばらく話が進み、キノには魔法少女としてのイロハを教える教官がつくことになった。これは新人が現れた時のお決まりのパターンらしい


 キノの教官は……>>67

リップル


シスターナナ『あなたの教官には、リップルさんに決まっています』

キノ『リップルさん……? えーっと』

トップスピード『ほらほら、挨拶くらいしろよー!』

リップル『チッ、なんで私が……』

トップスピード『あれ、理由知らないのか? 部下が出来ればリップルも多少は丸くなるんじゃねーかってシスターナナに俺がお願いしてみたんだよ』

リップル『余計な事するな!』

キノ『え、あの……』

リップル『チッ、じゃあ明日の午後10時に〇×公園集合。それじゃ』シュンッ

トップスピード『あっ、アイツログアウトしやがった! ……まいっか。俺はアイツとコンビ組んでるんだけど、上手くいったらトリオになれるかもな。陰ながら見守ってるぜ』」

キノ『はっ、はい! よろしくお願いします!』

トップスピード『それはリップルに言ってやんなって』ハハハ


結衣「ふぅ……」


諸々の挨拶を交わし、魔法の端末を閉じる

気付くと1時間も風呂に入っていた。いくらなんでも長すぎだとお母さんは怒るだろう。体もふやけきっている


結衣「教官、かぁ……」


要は先生だ。現役学生である結衣にとって先生という存在は当たり前で、まぁ魔法少女も縦社会なんだなと思えばなんとも思わない

結衣は体を拭いて髪の手入れをした後すぐにベッドに横に入り、寝た


・・・・・・

~翌日~


学校に行ったが、昨日ほどの高揚感は無く、華乃に話しかける気も今は起こらない。華乃は華乃でいつものクールだ

収録も無く、学校が終わってから友達と遊びに行き、解散したのが夜9時半。30分もあればあの公園には余裕で間に合う

やはり魔法少女同士のやりとりなのだから魔法少女の恰好で行くべきだろうなと思った結衣は物陰でキノに変身し、ビルや家を蹴って公園にたどり着いた

約束の5分前ではあるが、リップルは木の上に立っていた。まさに忍者だ


キノ「あ、あのーこんばんはー」

リップル「……」シュッ

キノ「え?」


リップルが手を振ると、手裏剣が3枚飛んできた。キノが驚く前に、足元に3枚とも突き刺さる

地面に手裏剣が生えてから1秒ほどして、キノは悲鳴を上げて尻餅をついた

するとリップルは舌打ち交じりに木から降り、手裏剣を回収する


キノ「あ、あの……あの……」ワナワナ

リップル「……注意して」

キノ「はい?」

リップル「魔法少女同士で戦えば、死ぬこともある。だから、油断したら死ぬ」

キノ「死ぬって……ま、魔法少女同士で戦い?」

リップル「チッ……とにかく立て」

キノ「はいぃ!」


トップスピード「おいおい、いきなり鬼教官かよ……」コソコソ


リップル「魔法少女の目的は知ってる?」

キノ「え、あ、はい! 困ってる人を助けてマジカルキャンディーを……」

リップル「そう。だけどそれをせず、人をいたぶることで喜ぶクズも、このN市の魔法少女の中にはいる」

キノ「えっ……?」

リップル「カラミティ・メアリ。西部劇のガンマンみたいな奴にだけは近付くな」

キノ「(カラミティ・メアリ……確か、昨日シスターナナも同じ名前を……)」

リップル「その顔だと、心当たりはあるようだけど、今のアンタじゃ多分会ったら死ぬ」

キノ「えぇぇ……」


 リップルは……>>75

 1.トップスピードが作った教官用マニュアルを読みながら指導した
 2.とにかく戦闘訓練を叩きこんだ


リップル「じゃあまず…………」パラパラ

キノ「なんですかそれ。『麻乳亜流』とか書いてるんですけど」

リップル「説明書。じゃあまず心得から」

キノ「は、はい」


リップルはマニュアルに書いてあることをそのまま読んだ

途中に入るレディースやバイクに例えた表現は読んでいる本人すら怪しい顔をしていたが、キノはおおむね理解できた


 リップルの指導によってキノの知性が1上がった!(21)


リップル「――ということ。ここまで何かわからないことは?」

キノ「いえ、特に」

リップル「じゃあ質問も無い?」

キノ「質問……えーっと……>>直下」


 ※キノとリップルはお互いの正体を知りませんのでそういった質問以外で


キノ「あの、昨日チャットでトップスピードさんがリップルさんとコンビを組んでるって聞いたんですが……」

リップル「チッ」シュッ


リップルが腕を振り、手裏剣を近くの林に吸い込まれていく

その内の1本にカンッと刺さり、短い悲鳴が聞こえてきた

その声の方を向くと、後頭部をさすりながら魔女ルックの少女が姿を現した


リップル「余計なことをベラベラと……」

トップスピード「いや~話の流れってやつで。ってか見てたの分かってたのかよ」

リップル「バレバレ」

キノ「(知らなかった……)」


トップスピード「昨日言ったことは本当だよ。コイツはツンデレだから人と組んでるって知られたくなかったみたいだけどな~」

リップル「チッ」

キノ「そうだったんですか」

リップル「他に質問は?」

トップスピード「ほらそうやって怒気を含ませない!」

キノ「え、えっと…………じゃあ、他にも複数で行動してる人、とか……」

トップスピード「ああーそういや昨日はあんま教えられなかったな」

リップル「沢山いる。むしろ徒党を組んでない方が少ない」

トップスピード「おっ、リップルさん今日は饒舌だねぇ~」

リップル「チッ、うるさい」


リップルとトップスピードが教えてくれたのは、複数人で行動している魔法少女のことだった

シスターナナとヴェス・ウィンタープリズン、スノーホワイトとラ・ピュセル、そしてルーラをはじめとした5人のチーム、リップルとトップスピードを合わせると、大体3分の2が複数行動をしている

となると浮かび上がってくるのは単独行動をしている魔法少女のことで、カラミティ・メアリ、マジカロイド44、森の音楽家クラムベリー、まだ魔法少女になっていないのだという16人目。ねむりんは例外らしい


キノ「どちらかというと私が16人目なんじゃ……」

トップスピード「だよなー」

リップル「どうでもいい……」

トップスピード「で、どうよ。リップルから見てキノは」

リップル「マニュアルに書いてあることは理解したみたいだけど、戦闘面ではダメ」

トップスピード「そりゃリップル基準だろ。そもそも魔法少女に戦闘なんて、なぁ?」

キノ「あはは……」

リップル「チッ」


トップスピード「おっ、そろそろ俺は門限かー……じゃあ帰るわ! それじゃあな!」

キノ「お気をつけて~」

リップル「……」


リップル「それじゃ。次の集合はまた連絡する」

キノ「あっ、はい。今日はありがとうございました!」

リップル「……」シュンッ

キノ「き、消えた……! 流石忍者」


・・・・・・

~翌日~


「おはよー」

結衣「うん、おはよう!」

「おっ結衣いつにもまして元気だね」

結衣「そうかな?」

「なになに、結衣がどうしたの?」

「ハイになる薬キメたんだって」

「ええーマジー?」

結衣「もう、違うよ!」アハハ


・・・・・・

~放課後~


結衣「(明日はラジオの収録だけど今日は特に無し……どうしようかな)」


 今日は……>>86

 1.人助け
 2.リップルに指導を乞う
 3.他の魔法少女とコンタクトをとる
 4.その他

2


結衣「やっぱりリップルさんに指導してもらおう!」ピッ


キノ『リップルさん、今日も集合ですか!?』

リップル『……じゃあ、今日の10時』

リップル『あと、さんはいらない』

キノ『……?』

リップル『リップルでいい』

キノ『あ、はーい』


結衣「じゃあ今日って……もしかして気分なの?」


 魔法少女と行動を共にすると、信頼度(MAX10)が溜まっていきます
 信頼度の内訳は会っていない状態だと01で、
 01……知らない
 02……知ってるけど他人
 03~04……それなり
 05~06……友達
 07~08……親友
 09~00……親愛

 現在

 02
 スノーホワイト、ラ・ピュセル、シスターナナ、ウィンタープリズン、ねむりん、クラムベリー

 03
 リップル、トップスピード


・・・・・・

~公園~


キノ「こんばんはー」

リップル「……」シュッ

キノ「おわぁっ!?」

リップル「……尻餅をつかなかっただけマシか」

キノ「そ、そりゃ昨日も受けましたから……」

リップル「それでも慌てて後ずさるだけ。弱すぎる」

キノ「うへぇ……」

リップル「今日は>>直下する」


 1.戦闘訓練(身体能力UP)
 2.他の魔法少女の特徴を教える(知性UP)

 数字と共に、魔法をリップルに教えるかも書いてください


リップル「とりあえず、私が知っている限りのヤバい奴の特徴を教える」

キノ「は、はい」

リップル「カラミティ・メアリの事は昨日言ったから、ルーラ組について」

キノ「ルーラ組……」

リップル「あの連中は王結寺を溜まり場にして動いてるから、とりあえずその辺には近付かないこと。メンバーは――」


リップルはルーラ、スイムスイム、たま、ピーキーエンジェルズの外見的特徴を教えてくれた

魔法についてはリップルでも分からないようだ

リップルの指導により知力が1上がった!(22)


リップル「――ということ」

キノ「なるほど……」

リップル「…………じゃ」

キノ「あっ、ま、待ってください!」

リップル「?」

キノ「あの、えっと……私の魔法、ちょっと扱いづらくて……」

リップル「魔法……? チッ」

キノ「えっ?」

リップル「あんまり他人に魔法を教えない方がいい。下手したら教えた相手が敵で、その内容がそのまま弱点になる」

キノ「えっ、でも……リップルさんは敵なんですか?」

リップル「っ…………チッ、分かった。教えてもらえれば少しは使い方も考えてあげられるかも」


キノ「私の魔法は――――というもので」

リップル「……人間には?」

キノ「えっ?」

リップル「それ、人に撃っても効果はあるの?」

キノ「いや、それはまだ確かめてないというか……」

リップル「じゃあ確かめてからまた聞いて」

キノ「えぇぇぇー! 教えてくれるって……」

リップル「『人にも効果があるなら色々やれるかも』と教えた。それじゃ」シュンッ

キノ「ああちょっと、リップルさーん!」


キノ「人に……撃つ? これを?」

キノ「そりゃ、殺すなんてことにはならないだろうけど…………」

キノ「いやいやいや、無理無理無理!」

キノ「はぁ……とりあえず今日は帰ろう」


 リップルと行動を共にし、信頼度が03→04になった!


・・・・・・

~数日後~


キノ「(とりあえずリップルさんに指導してもらったり、私生活をこなしながら人助けをして週末まで過ごしてきたけど……魔法少女って時間食うなぁ……)」

キノ「(寝ないでいいっていうのはいいんだけどさぁ……)」

キノ「(キャンディーは……ちょうど200個かぁ。多いのか少ないのか)」

キノ「(そういや今日、ファヴがなんか重大発表があるからチャットルームに集合って言ってたけど、なんなんだろ。とりあえず行ってみよう)」


・・・・・・


ファヴ『皆には申し訳ないけど、この街の魔法少女が多くなりすぎちゃったため、魔法少女の数を半分に減らすぽん!』


どよめきがチャットルーム全体に広がる

どういう意味だと疑問をぶつける者、そちらの管理ミスだろと激昂する者、涼しい顔で静観している者……キノは意味が分からず呆然とするだけの者であった


ファヴ『いや~ホンット申し訳ないぽん。運営側としてはこの失敗をバネにさらなる管理状態の向上を目指していく所存ですぽん』

トップスピード『ふざけんな!』

ミナエル『腐れ饅頭が!』

ユナエル『野郎ぶっ殺してやぁぁる!!』

ファヴ『そんなこと言われても困るぽん! ジャンジャカ魔法を使いまくった君達にも責任の一端はあるとファヴは思うぽん!』

リップル『チッ、しゃあしゃあと……』

スノーホワイト『そんな……魔法少女になれたと思ったのに……』

ラ・ピュセル『スノーホワイト……』


メアリ『それで……』


ガンマン風アバターの魔法少女が発言し、他の者のチャットが止まる

彼女がカラミティ・メアリなのだろうか。恐れられてはいても、アバターは可愛いなというのが上の空のキノの感想であった


メアリ『どうやって半分にするんだい?』

ファヴ『これから毎週、キャンディーの獲得数が一番少ない魔法少女が1人ずつ脱落していくぽん』

ルーラ『キャンディーの数?』

ファヴ『正しい魔法少女というのは、清く正しく美しく! 自分の魔法に酔って人助けを怠った魔法少女が必然的に脱落してくシステムぽん!』


なるほど、確かに理に適ったシステムだ。と思ってしまうのは話を聞き流していたからか、だが現実はキノを待ってはくれない

キノが一言も発言しないまま、解散がファヴによって言い渡されようとしている


 なにか質問しますか?……>>104
 質問する場合は質問内容を。「質問しない」でもOK

質問しない…かな


ファヴ『それじゃあ今日は解散だぽん!』


キノが質問しようか、質問するなら何を聞こうかと迷っている内にファヴは消えた

そしてチャットルームにいる魔法少女達が次々とログアウトしていく

最後に残ったのはキノと、ねむりんとクラムベリーだった


ねむりん『大変だね~お互い頑張ろうね~』

クラムベリー『そうですね。キノさんもお気をつけて』

キノ「(お気をつけて??)」

キノ『は、はぁ……』


ねむりん『まぁねむりんは適当に~いつも通りだね~』

キノ「(凄い余裕……下手したら自分が脱落しちゃうのに…………)」

キノ「(この人、きっと沢山キャンディー持ってるんだろうなぁ)」


キノは自分のキャンディーを再度確認した。200という数字は変わるはずもなく画面上に表示されている

先ほどまではそこそこ溜まったなという数だったが、こうなってしまうと200なんてちっぽけにも感じる。キノは焦燥感に駆られた。何かしなければ。何をする? 今更こんな気分でぐっすり寝られるわけがない


 キノの行動……>>108

 1.ねむりんと話す
 2.リップルに相談しに行く
 3.とにかく人助けをしてキャンディーを稼ぐ
 4.他の魔法少女とコンタクトをとる

1


キノ『あっ、あの、ねむりんさん』

ねむりん『ねむりんでい~よ~。なぁに?』

キノ『かなり余裕みたいですけど、そんなにキャンディー溜まってるんですか?』

ねむりん『うん。今何百万だったかなぁ……』

キノ『何百万!!?』

ねむりん『まぁそれは夢の中の話で、現実では0個なんだけどね~』

キノ『へ?』

ねむりん『私の魔法は他人の夢の中に入れる魔法なんだ。だから困ってる夢を助けて、夢の中でキャンディーゲット~なんだけど現実に反映できないみたいで』

キノ『そ、そんなんでいいんですか!? 脱落しちゃいますよ!?』

ねむりん『ん~確かに魔法少女楽しいから脱落したくないけど、まぁ脱落したらしたで考えればいいよ』

キノ『ええぇぇー……』


 キノは……>>直下

 1.ねむりんにどうにかしてキャンディー集めようよと説得した
 2.どうにもならんとログアウトしてキャンディーを集めに行った
 3.クラムベリーに話を振った


キノ『で、でもねむりん。魔法少女ですよ? ここにいる皆って、憧れて魔法少女になったんじゃないんですか!?』

ねむりん『まぁ~そりゃそうだけど』

キノ『……』チラッ

クラムベリー『あ、私の事はお構いなく。なんならログアウトしますね』シュンッ

ねむりん『気を遣われちゃった』

キノ『私はこんなことで、魔法少女をやめたくない……それに、数回しかチャットで話してないけど、ねむりんにだってやめてほしくないです!』


 説得
 知力+幸運(22+10)ロール……直下コンマ二桁

 成功→ねむりんが現実でのキャンディー集めをやってみる
 失敗→ねむりんの考えは変わらない


 31……成功!リップルの指導にカンシャ



ねむりん『…………分かった、めんどいけどやってみるよ~』

キノ『ッ! ねむりん……!』

ねむりん『あはは、ありがとね~心配してくれて』

キノ『そんなこと……』

ねむりん『キノも頑張ってね。何か相談があったらいつでもチャットで聞くから』

キノ『はい!』


キノ「(あ、もうこんな時間……)」

キノ『それじゃあねむりん、私はもう寝るので……』

ねむりん『うん、おやすみ~』


 ねむりんを説得し、ねむりんの信頼度が大幅に上がった!(02→05)


・・・・・・

~翌日~


キノ「(月曜日……だけど、学校に行ってる場合じゃない。キャンディーを集めないと……!)」

キノ「(大丈夫、沢山集まったら明日学校に行けばいいから……)」

キノ「(どこかに困った人……いないかな)」


 自分の担当地区から少し外れたところまでチェックするキノ。この際縄張りがどうこうというのは他の魔法少女と会ってから考えよう

 キノは……>>直下コンマ一桁

 奇数→困ってる人を見つけて助けた
 偶数→なかなか見つからない……
 ゾロ目→他の魔法少女と遭遇


キノ「(見つけた! 路地裏でオヤジ狩りに会ってる中年と、タイヤが溝にはまっちゃった乗用車!)」

キノ「(乗用車は後回し、まずあの人を助けよう!)」


「オラ、金出せよ! さっき銀行から出て来たの知ってんだぜ」

「や、やめてください……」

「あぁ? テメェ、俺達恵まれねぇ奴に出す金はねぇか」

「ねぇだろうから奪い取ってやるよ!」

「ひいいいぃぃ!!」


キノ「(よし、この建物の真下……なら飛び降りて2人に手刀を当てて、残った1人をすぐに気絶させる。そうすればあの3人のチンピラを潰せる)」


ふと、腰にさげてあった銃に手が振れる。それと同時にリップルの言葉がよみがえる

『人にも効果があるなら色々やれるかも』

1度思い出してしまうと、銃口を中年の男に向けてしまいそうだ


キノ「(ど、どうする……? あの人に耐久を強くする弾を撃てば、もしかしたら…………で、でも、効果が無かったら…………そもそも、人に銃を撃つって……!)」

キノ「(っ、なんで持ってるの! なんで銃口をあの人に向けるの! 駄目だキノ! そんなの魔法少女じゃ……)」


 キノの銃は……>>直下

 1.中年の男を撃った
 2.なんとか撃たずに腰にしまわれた


バァン! という音が辺りに響く。これだけでも警察が来るレベルだ


「なっ、なんだ!?」

「どっかで銃撃った奴がいるぞ!」

「しかも近ぇ!」

「や、やべぇ逃げろ! 乱射魔とかだったら死ぬって!」ダッ

キノ「(あれっ、普通に逃げて行った……)」

「ひ、あ、……に、逃げないと……! でもよかった……これで娘に誕生日プレゼントを買える……」ダッ

キノ「(…………ホッ)」

キノ「(あの人に当たったみたいだけど、効果は確かめられないか……まぁあの人が助かったならそれでいいや」


キノが中年から目を離し、先ほど見た乗用車の助けに向かおうとした時、強いブレーキ音が聞こえ、何かと何かがぶつかる音が聞こえてきた


キノ「ッ!?」

「キャアアアアアァァァ!!」

「ひ、人が轢かれたー!!」


視線の先にはトラックと、先ほど助けた中年の男

キノは思わず目を背けた。なんてことだ、なんてことだ……なんてことだ……自分のせいだ、いや、自分は悪くない、自分はただ助けただけだ。走り出したあの男の人が悪い。キノは悪くない。悪くない……


「おいアンタ、大丈夫かー!?」

「って、なんだ? ピンピンしてるじゃないか!」

「スタントの撮影?」

キノ「え……?」


見ると中年の男は自分でも何が起こったのか分からないというように立ち上がっていた。遠目でも魔法少女の視力なら男の隅々まで観察できる。ケガをしていない


キノ「……ま、まさか…………」


震える手の中にある銃を見る。証明された。人に撃っても効果があるのだ


・・・・・・

~夕方~


とにかく目につく困った人を片っ端から助けた。何かを落とした人、部屋から出てこない息子に困る親、暴力沙汰の仲裁(両成敗)、自殺しようとしている人の『生きる意志の強化』、とにかく沢山だ

キャンディーも溜まったはずだ。ひと段落ついたし、キャンディーの数を確認してみよう


 キノのキャンディーの数……直下コンマ三桁


 夜の行動……>>↓2

 1.リップルに会いに行く
 2.引き続きキャンディー集め
 3.その他


キノ「凄い……! 200個だったのが659個!」

キノ「このままいけば、1週間あれば沢山溜まる……沢山溜まれば、脱落は……ない、はず」

キノ「……とりあえず、リップルさんは今どうなってるかな」ピッ


キノ『リップルさん、夜会えますか?』

リップル『キャンディーを集める』

キノ『集めながらでも……』

リップル『……分かった。公園に10時』


キノ「ふぅ……10時になるまでまだ時間がある……キャンディー集めよう」


・・・・・・

~公園~


リップル「遅い」

キノ「す、すみません(時間まであと10分あったんだけど……やっぱり焦ってるのかな)」

トップスピード「まぁまぁ、まだ9時50分だぜ? それにキャンディーは夕方から集めてたからそれなりに溜まってるじゃねーか」

リップル「チッ」

キノ「トップスピードさんも、こんばんは」

トップスピード「おうさ、新人はどんぐらい溜まった?」

キノ「(えっと、夕方からまた集め出して、50個くらい増えてて……)」

キノ「今、743個です」

トップスピード「おおーやるな! その調子なら最下位はなさそうだな!」


リップル「それで、何の用」

キノ「ああ、はい。実は……私の魔法、人に使ったんですけど……」

トップスピード「え、魔法? なんの話だ?」

リップル「うるさい、黙ってて」

トップスピード「ちぇー……」

リップル「人に使える……ということは、誰かを強化したり弱体化できたりするということ……なら、使い道はいくらでもある」

キノ「どんな?」

リップル「例えば、相手が刃物を持っていたら、その刃物の鋭さを弱くしたり、逆に自分が持ってたらその刃物の鋭さを強くしたり……とにかく便利な魔法だ」

トップスピード「えーそんな魔法持ってんのかよ! すげえな!」

キノ「い、いえ……でもそれを使うにはこの弾を相手に撃ち込まなきゃいけなくて」

リップル「話なら箒に乗りながらでもできる。早く行こう」

トップスピード「だな! ちゃちゃっとキャンディー集めるか!」


トップスピード「あとさリップル」

リップル「?」

トップスピード「さっきの例えだと、人に通じなくてもできる使い道じゃん。教えたいなら『追ってくる相手の足の速さを弱くする~』とかさ、そういうのじゃない?」

リップル「…………チッ」

キノ「あ、いえそんな」

リップル「……ゴメン、今日ちょっと気になることがあったから考えてただけ」

トップスピード「ははは! リップルさんが考え事か~」

リップル「チッ!」

トップスピード「さ、乗れよ2人とも。俺の箒は3人乗りでも問題ねぇぜ!」


・・・・・・


トップスピード「結構キャンディー溜められたな。キノなんか1000超えたじゃん」

キノ「はい。ありがとうございます!」

トップスピード「いいっていいって。それじゃあ俺は帰るが、送ってくぜ」

リップル「ここでいい」

キノ「私も、お気遣いありがとうございます」

トップスピード「そうか? じゃあここでだな」

リップル「……」シュタッ

トップスピード「じゃあなお前らー!」


キノ「ふぅ……リップルさんもありがとうございました。おかげで沢山キャンディーが集まりました

リップル「そう…………あのさ」

キノ「はい?」

リップル「マジカル・スターリンって見てる?」

キノ「へ?」

リップル「…………なんでもない」

キノ「い、いえ! 知ってますよ! 今期のアニメで……確か…………あ、昨日が第1話放送日だ」


準レギュラーをもらっているというのに、放送日を忘れてしまっていたなんて、声優失格だと自責する

だが何故リップルが今そんなことを聞いてくるのだろうか。試しに見ているのか聞いてみたところ、リップルは首を縦に振った


リップル「ただ、それを見るって約束した人と、今日、会えなかったから……どうしたのか気になった……それが今日上の空だった理由。それだけ。それじゃ」シュンッ

キノ「あ、ちょっと…………行っちゃった。なんだったんだろう」


・・・・・・


リップル「………………」ピッ


華乃「ふぅ……」

華乃「…………今度、連絡先聞いてみよう」

華乃「……あと、サインも…………」


 リップル、トップスピードと行動を共にし、信頼度が上がった!

 リップル(04→05) トップスピード(03→04)


・・・・・・

~翌日~


結衣「(昨日でキャンディー結構溜まったし、今日はちゃんと学校行って……夜には収録。よし、いつも通り)」

「おっはー結衣。昨日どうしたの? サボりなんて珍しい」

結衣「熱が出ちゃって。お母さんに頼んだんだけど学校に電話し忘れてたみたい」

「ああーそうなんだ、大丈夫?」

結衣「うん! 元気元気!」


華乃「…………」チラッ

結衣「?」

華乃「……」

結衣「(……今、すぐ逸らされたけど……目、合ったよね?)」


鐘が鳴り、休み時間。初めて華乃と話した時と同じように、華乃が教室の外に出る。恐らく行先はこの前と同じトイレだろうか


「でさー、そこでマジカル・スターリンがね、結衣の役のアイツをスコーンって!」

「あはは! 結衣そんな役なのー?」

結衣「そうそう、回を重ねるごとにギャグが強くなっていって……あ、ちょっとトイレ~」

「はいはーい」


この前の女子トイレ。今度は華乃の姿を追うことはなかったが、おそらく彼女はここにいるだろう

そして入ってみると、案の定、居た。変わりない。あるとすれば、こちらにすぐ気付いたくらいだ


華乃「あ……」

結衣「あ……」

華乃「………………」

結衣「(き、気まずい……)」


華乃「…………1話、見た」

結衣「え?」

華乃「マジカル・スターリン……」

結衣「え、ああ、うん! どうだった?」

華乃「面白かった」

結衣「よかったぁ……いや私が作ってるわけじゃないけど、声当ててるわけだし、面白いと言ってもらえるのは嬉しいというか」

華乃「……よかったら」

結衣「?」

華乃「サイン、ください」

結衣「…………へ?」


・・・・・・

~夜~


マジカル・スターリンの収録を終え、キャンディー集め。先週までは帰って寝たり、能力を物に試してみたりだったが、今はもうこれを日課にするしかない

脱落は嫌だ。ねむりんが何もしないまま脱落していくのも嫌だ。ねむりんだけではない。リップルだってトップスピードだって、知った顔がいなくなるのは嫌だ


キノ「ふぅ……これで3人目。でもまだまだ足りない……」


 ピロリロリン!


キノ「ひゃっ!? あ、なんだ連絡か……」ピッ


 魔法の端末にあったのは……>>141

 1.ファヴからのお知らせ
 2.他の魔法少女からのメッセージ

http://xvideos.com.gu-ru.net/video2337113


キノ「他の魔法少女から、メッセージ……?」


キノは身構えた。リップルの教えが少しだけ体に染みついている

魔法少女の中には油断できない者がいる。キノが魔法の端末を確認した隙に後ろからズドンということだってありうる。リップルはそんなことを言っていた

だがそんなことはいつまで経っても起こらないようだ。キノはため息をひとつ、メッセージの内容を開いた


 誰から、何の要件?……>>145


 今日はここまでだぽん

スノーホワイト 友達になりたい


キノ「スノーホワイトから……?」


スノーホワイト『こんばんは。もしよろしければ今からお会いできませんか? 〇〇区の鉄塔の上にいますので』

キノ『こんばんは。なにかあったんですか?』


打ってからキノは後悔した。ただ会いたいと言われて遠回しに「何故だ」と聞いているのだ

教官は正しい行動だと言うだろうが、何分キノには心が痛い


スノーホワイト『いえ、特に何がというのではなくて……ねむりんについて、お礼を言いたかったので』

キノ「……ねむりん…………」

キノ『分かりました。では今から行きますね』


・・・・・・

~鉄塔~


キノ「(リップルさんは魔法少女と会う時は注意しろって言ってたけど、流石にスノーホワイトはいいよね……?)」シュタッ

スノーホワイト「あっ、キノさん」

キノ「キノでいいですよ。スノーホワイト」

ラ・ピュセル「チャットで何度か会ったね。ラ・ピュセルだ」

キノ「キノです。よろしく」


挨拶もそこそこに、話題は早速ねむりんになる

スノーホワイトが先ほど人助けをしているねむりんを見て驚いたということ。聞けばキノに言われてやってみようと言っていたこと

ラ・ピュセルも驚いたようで、まさかあのねむりんがね。と感心した目でキノを見てきた

2人に褒められ、キノはどこかこそばゆい


キノ「いや、私はそんな……」

ラ・ピュセル「君は確かリップルに師事しているんだったか。もしよければ、私達も君の力になるよ」

キノ「えっ?」

スノーホワイト「えーっと、お互い困ったことがあったら助け合いましょうって思って……ねむりんと話してるとキノさんっていい人なんだなって」

ラ・ピュセル「まぁ要は、君とお近づきになりたいということだね」

キノ「こ、こちらこそ! 頼れる人が増えるのは嬉しいです!」

スノーホワイト「本当ですか!? ありがとうございます……あと、別に敬語とかいいですよ」

キノ「そう、かな……? じゃあこっちも敬語はナシで、キノでいいです…………いいよ!」


 スノーホワイト、ラ・ピュセルに一目置かれ、信頼度が上がった!

 スノーホワイト(02→03) ラ・ピュセル(02→03)


・・・・・・

~翌日~


結衣「昨日はスノーホワイト達と喋っててキャンディー少ししか貯まらなかったな……ま、いっか!」

結衣「さーてラジオの収録頑張ろうっと」


結衣がやっているインターネットラジオ『まれにシスターズ』は1年前にやっていた「まれにすごい」というアニメのラジオで、アニメ放送後もこうして続いている

仲のいい先輩女性声優と2人で配信スタートしてからここ1年、いまだにお便りが送られてくる大ヒットラジオである


『最近のユイちゃん、すごくキラキラしてるよね! 現場で会った時も声デカいし』

結衣『ええーそれ誉め言葉ですか!?』


今日も笑い、お便りを読み、収録を終えて帰路につく

勿論電車などは使わず、魔法少女の足だ


キノ「(脱落者発表まであと少し……今日は……>>161かな)」


 1.キャンディー集め
 2.リップルに会いに行く
 3.スノーホワイト達に会いに行く
 4.他の魔法少女とコンタクトをとる

安価指定ミスこのレスの直下


キノ「(よし、リップルさんに会いに行こう)」


キノ『リップルさん、進捗どうです?』

リップル『まぁまぁ』

キノ『じゃあまた色々教えてもらっていいですか!?』

リップル『分かった。いつもの場所に』


キノ「よしっ」


足取りが軽い。今ならビル2つくらい飛ばしても下に落ちることは無さそうだ

ラジオの収録が楽しいから終わった後はいつもこんな気分である。キノは昂揚したまま公園に着いた


キノ「リップルさーん」タッタッタ

リップル「……チッ」

キノ「あれ、今日は攻撃してこないんですか?」

リップル「あのさ、この前私なんて言ったっけ」

キノ「え?」

リップル「さんはいらないって言ったでしょ」

キノ「ええぇぇ……で、でもリップルさんを呼び捨てなんて……(噛みつかれそうだし)」

リップル「いいから。そうやって下から見られる方がイラつく」

キノ「す、すみません……うーんでも急に呼び捨ては…………………………あ、師匠とかどうです!」

リップル「却下」

キノ「えぇーだってリップルさん忍者だし、師匠とかそういう呼び方の方がしっくりきますよー! ね?」

リップル「………………チッ、もういい。好きにすれば…………それで、今日はどうしたい?」


 今日は……>>167

 1.戦闘訓練(身体能力UP)
 2.カラミティ・メアリと何かあったのか聞く(知力UP)
 3.自分の魔法について一緒に試す


キノ「私の魔法について、色々調べたくて」

リップル「その実験台になれって?」

キノ「え? ………………あ、いやそういうんじゃ!」

リップル「でもそうでもしないと分からないでしょ。殺傷能力や変なことにならないって約束するなら撃って来ていい」


そう言ってリップルはキノから距離を取り、6歩目で立ち止まる

両手を広げているから撃っていいというサインだろうが、なにせ2度目だ。いまだにキノは引き金を引くことに躊躇する

キノが何を思ったのか、リップルの胸に「堅さを弱くする」弾を撃ち込んだのは目の前の仏頂面に急かされてのことだった


キノ「ど、どうです? 痛かったり……」

リップル「……………………特に……どんなの撃ったの?」

キノ「え? あ……えーっと…………」ポリポリ

リップル「ど ん な の?」

キノ「え、えーっと……胸に、堅さを弱くする弾を――ぎゃあああああ!! や、やめてください! 手裏剣投げないで!!」


リップル「ふざけてんの!?」

キノ「だって急かすから!」

リップル「チッ!! ったく…………」フヨフヨ

キノ「なにか変わりました……?」

リップル「…………自分のだからあんまり分からないけど……柔らかいんじゃない?」

キノ「へー」ソー

リップル「触るな!」ベシッ

キノ「いたっ!」

リップル「ハァーーーーーー…………それで、いつ戻るの?」

キノ「え?」

リップル「いつ元に戻るのか聞いてるの。まさか一生このままとかだったら……」ギロッ

キノ「そそ、そんなことないですよ! 多分」

リップル「多分!?」

キノ「いや、そのー……まだ効果の持続時間とか調べたこと無くて」

リップル「ハァーーーーーーーーーーーー」


リップル「私の胸じゃいつ戻ったかなんて分からないから、その辺の石で試して」

キノ「は、はい(戻ったかどうか分からないくらいいつも柔らかいのかな?)」


キノが石の堅さを弱くし、スライムのようにプニプニになった石をつつく

撃ってから丁度

直下コンマ一桁

分後に、石は元の堅さを取り戻した


キノ「どうやら効果は8分らしいです」

リップル「そう……こっちも戻ってるし効果はどれも8分か」

キノ「(分かってたんじゃん……)」

リップル「それで、考えられる疑問点は…………堅くした後また別の変化を重ね掛けは?」

キノ「あ、それはできます。葉っぱを堅くして鋭くしたら手裏剣みたいになりました」

リップル「そう。あとは、上限は?」

キノ「上限?」

リップル「その銃を撃って8分以内に、どれだけの数に対して有効なの? 一定以上の弾を撃ったらあとはまったく効果の出ない空砲なんてことになったらいざという時に使えない」

キノ「ああそれなら問題ないです。自分でも沢山の物に当ててみたんですけど、撃った物全部変化がありました」

リップル「なるほどね。それじゃあ人に効いて私――魔法少女に効くということは、もちろん自分も強化できるということ。分かってる?」

キノ「え、ええ……まぁ、理屈上は」

リップル「それならやれることは沢山ある。私の魔法より使える幅が広いと思う」


キノ「そういえば師匠の魔法って……手裏剣の精製ですか?」

リップル「違う。私の手裏剣は魔法少女の服みたいなもので、無限に出てくる。私の魔法は……」シュッ


リップルが無数の手裏剣を一斉にキノの方へと投げる

キノがビビるより先に、手裏剣の群れは頬や腕を掠め、キノの背後にある地面に突き刺さった


キノ「な、何するんですか!?」

リップル「後ろ見て」

キノ「え? …………あ! これ、手裏剣が星型に刺さってる!」

リップル「こういうこと。私の能力は、手裏剣を投げれば百発百中」

キノ「ほえー…………」

リップル「じゃ、後の魔法の使い方は自分で考えて」

キノ「あ、は、はい! ありがとうございます師匠!」

リップル「……やっぱ師匠っていうのは」

キノ「師匠!」

リップル「……………………チッ」シュンッ


キノ「私の魔法は、使い勝手がいい…………かぁ」

キノ「ま、師匠がそう言うならそうなのかな」

キノ「今日は師匠と過ごしたのは1時間にも満たないから……まだちょっと動ける」

キノ「どうしようかな」


 キノは……>>直下

 1.キャンディー集めに勤しんだ
 2.もっと魔法を友好的に使えるか考えた


キノ「よし……ちょっとでも多くキャンディーを集めて脱落しないようにしよう!」


 キノが集めたキャンディー……>>直下コンマ二桁

 ここから発表の日までキノはとりあえずキャンディー集めに勤しみます
 発表の日にキノが持っている数は、現在持っている1009個にプラスした数です


キノ「11個……あんまり集まってなーい!!」

キノ「よ、よし! あと3日……ちゃんと集めよう!」


 キノが発表の日までに集めたキャンディーの数

 直下コンマ二桁x3


・・・・・・

~脱落者発表の日~


キノ「集まったキャンディーは1285個…………これだけあれば……いいのかなぁ…………」ハァ


不安で仕方がない。他の魔法少女はもっと効率よく集めて沢山のキャンディーを持っているのだろうか……緊張で胸が張り裂けそうだ

いや、脱落したらしたでまたいつもの生活に戻ればいい。少しの間夢を見せてもらったと思えば……

ねむりんの考えが今更になって良いものではないかとまで思えてきたところで、ファヴによる招集が始まった


ファヴ「今日は皆お楽しみ! 脱落者発表の日だぽん!」


・・・・・・

~チャットルーム~


トップスピード『チッ、胸糞悪いぜ……』

たま『うう……足りるかにゃあ』

キノ『あ、ねむりん!』

ねむりん『ううー……眠いよ。本来寝て夢の中にいる時間をリアルに費やしてたから、ねむりん的にお疲れで~す』

ファヴ『それじゃあ早速、今回キャンディーが一番少なかった魔法少女を発表するぽん!』


 脱落者は……>>直下コンマ一桁

 00~01→ねむりん
 02~03→ユナエル
 04~05→たま
 06~07→ねむりん
 08~09→ミナエル


ファヴ『ねむりんだぽん!』


名前が発表された時、誰もが安堵というよりも「やっぱりな」という顔をした

その顔をしていないのは、キノとスノーホワイトだけだ


キノ『そんな……!』

ねむりん『あっちゃー流石に数日やっただけじゃダメか~』

ファヴ『それじゃあまた来週! シーユー』


スノーホワイト『ねむりん!』

ねむりん『スノーホワイト、少ししか絡めなかったけど楽しかったよ~』

キノ『ねむりん……』

ねむりん『そんな顔しないでよキノ。キノのお陰で、リアルでも沢山感謝されたんだ~嬉しかったよ』ニコッ

キノ『うう……はい……』

ねむりん『まぁ魔法少女として絡むことはできなくなっちゃったけど、まとめとかで皆の活躍見てるからね』

スノーホワイト『うん、ねむりんも元気で……』


【ねむりんが削除されました】

今日はここまで
キノが介入しない場合、大体原作通りに事態は進んでいきます
今回は介入してねむりんのフラグを……折れなかったぽん。悲しいぽん。辛いぽん

君は知るだろう
本当の悲劇は絶望によって生まれるのではないことを
運命に抗うことで見出される希望
それが僕らを 犠牲へと駆り立てた


結衣「はぁ……ねむりん…………」


魔法の端末を机に投げ、ベッドにうつ伏せに倒れこむ結衣

もっと話がしたかった。もっと絡んでおけばよかった。アバターからして外見も可愛いんだろうなぁ

いくら思ったところでねむりんが戻って来るはずもない。すべては後の祭りだ

だが嫌な事ばかりではない。言い方は悪いが、自分は脱落せずに済んだ。ねむりんもまとめサイトでいつも見てると言ってくれていた。なら自分にできることは何か

今までのように人助けをして、ねむりんを心配させないことではないか

結衣はよしと呟いて寝返りをうち天井を見上げた。意識はいつの間にか眠りの世界に飛んでいた


・・・・・・

~翌日~


「結衣おはよ~」

結衣「あ、うん。おはよう」

「テンション低いじゃん。どうしたの?」

結衣「ああーちょっとね……えーっと、仕事場で仲の良かった人が声優辞めちゃって」

「そうなん?」

結衣「うん。もう少し私が頑張れば辞めずに済んだのかなぁ……って」

「別に結衣が頑張ってもその人に関係なくね?」

「言えてる」

結衣「あれ? ああーそうだね! 何言ってんだろ私」アハハ


結衣「(細波さんは……スマホに夢中か)」

結衣「(どうしよう。今日は収録が無いから学校が終われば自由時間……)」

結衣「(もう悠長なことは言ってられない……今週は私かもしれないんだから……!)」


 今日は……>>224

 1.キャンディー集め
 2.リップルに会いに行く
 3.スノーホワイト達に会いに行く
 4.他の魔法少女とコンタクトをとる


結衣「…………」


机の下で手の中にあるのは魔法の端末

これは他の魔法少女とコンタクトをとることもできる……会ったことのない魔法少女とも

結衣は教科書を見るフリをして端末を操作した


 コンタクトをとる魔法少女……>>227
 (リップル、スノーホワイト以外で。ラ・ピュセルと個別に会いたいでも可)

ラ・ピュセル


結衣「(スノーホワイトはキャンディー所持数トップ……うわあすごい)」

結衣「(ラ・ピュセルはスノーホワイトの教官……もしかしたらキャンディーをうまく集めるコツとか知ってるかも)」


キノ『ラ・ピュセルさん』

ラ・ピュセル『珍しいね。君が私に話しかけてくるなんて』

キノ『あの、夕方に会いたいんですけどいいですか?』

ラ・ピュセル『いいよ。夜になったらキャンディー集めに行かなければならないから少しの間でよければ』

キノ『ありがたいです。場所はどこがいいでしょうか』

ラ・ピュセル『この前会った鉄塔にしようか』


結衣「よし……これで」


・・・・・・

~夕方・鉄塔~


キノ「よっと……」シュタッ

ラ・ピュセル「やぁ。待っていたよ」

キノ「早いですね。まだ4時半なのに」

キノ「(この人……夕方に自由になるってことは私と同じ学生か……それとも早く終わる会社の社員さんなのかな?)」

ラ・ピュセル「さて、呼び出した理由はなにかな?」

キノ「(どうする……)」

 話題は……>>直下

 1.キャンディー集めのコツ
 2.ラ・ピュセルって強そう(身体能力UP)
 3.その他


キノ「あの、スノーホワイトってキャンディーの所持数トップじゃないですか」

ラ・ピュセル「スノーホワイト?」

キノ「ラ・ピュセルから色々教えてああなったんですか? もしよければそのコツなんかを少しだけでも……」

ラ・ピュセル「えっ、違う違う!」アタフタ

キノ「え?」

ラ・ピュセル「これは彼女の許可なしに教えてもいいのかは分からないが……まぁキノなら大丈夫か……」ブツブツ

キノ「あのー……」

ラ・ピュセル「コホン、別に私がスノーホワイトに色々教えたんじゃないよ。むしろ逆というか……」

キノ「逆?」

ラ・ピュセル「スノーホワイトの魔法は『困った人の声を聞く』ことができるんだ。つまり、困ってる人がどこにいるか分かって、そこを的確に回ってるから効率がかなり良いわけ」

キノ「なにそれズルい!」

ラ・ピュセル「ズルいは無いだろズルいは!?」


ラ・ピュセル「まぁ、そういうことだから。私から君に色々教えることはそんなに無いんだよなぁ……私にできることと言えば剣を振るうくらいだし」

キノ「あ、やっぱ剣使うんですね」

ラ・ピュセル「もしかして、アテが外れた……とか?」

キノ「いえいえ! 別にそんな!」

ラ・ピュセル「うーむ…………」


 幸運(78)ロール……>>直下コンマ二桁

 成功→ラ・ピュセルが一緒に集めてみるかと提案してくる
 失敗→力になれずすまないと頭を下げられる


 42……成功!


ラ・ピュセル「…………そうだ! よかったら今夜、一緒にキャンディーを集めてみないかい?」

キノ「え?」

ラ・ピュセル「私から教えることは無いが……スノーホワイトと回ればどの辺りに困っている人が多いのか分かるかもしれない」

キノ「い、いいんですか!?」

ラ・ピュセル「勿論だ。スノーホワイトに確認をとってみるよ」

キノ「ありがとうございます!!」


 ちなみに

 能力値ロールが行われた場合、クリティカルとファンブルが発生することがあります
 こちらもTRPGが分かる人には分かるのですが、簡単に言うと
 クリティカル……とてもいい方向に転ぶ
 ファンブル……とても悪い方向に運ぶ
 です

 判定基準は元ネタよりも簡略化し、コンマが09以下ならクリティカル、90以上ならファンブルとします


 例:敵の攻撃を避ける場合

 クリティカル→避けた上に隙を見つけて反撃・逃走ができる
 ファンブル→致命傷or即死


 ファンブル判定は一律90以上です。仮に能力が補正込みで90以上ある場合は、90台での失敗=ファンブルとなります
 ですので某お嬢や某吉岡のように知力が100ある状態で知力ロールをした場合は失敗無しの化物です


日が沈み、星が顔を出す頃にスノーホワイトがやってきた

ラ・ピュセルから連絡済みだったようで、キノの顔を見るなり「今日はよろしくお願いします」と握手してくる

キノはラ・ピュセルと共にスノーホワイトの向かう先に行き、困った人を次々と助け出した


キノ「(凄い……短時間でもうこんなにキャンディーが溜まってる!)」

ラ・ピュセル「私達はおこぼれをもらっているようなものだが……まぁ、そこはね」

キノ「ですね」

スノーホワイト「次、あっちから――」


 今日集まったキャンディーの数……直下コンマ三桁


スノーホワイト「今日はこんなもの、かな」

ラ・ピュセル「ああ。今日もかなりの数が集まったようだ」

キノ「(400くらい貯まった……本当にすごいなこの人達……いや、スノーホワイト)」

ラ・ピュセル「じゃあ今日は解散――」


ファヴ「バージョンアップのお知らせぽん!」


キノ「ひっ!? ふぁ、ファヴかぁ……」

ラ・ピュセル「急になんだ?」

ファヴ「今から魔法の端末を使ってキャンディーの譲渡ができるようになったぽん! 色々と活用してほしいぽん!」


スノーホワイト「キャンディーの譲渡……どういうことなんだろう?」

ラ・ピュセル「コンビやチームとかで平等にすれば誰か1人が脱落することが無い……とか?」

キノ「ああなるほど。そういう考えが」

キノ「(………………なんか、本当は違う気がする……)」


キノ「(………………あ、そうだ)」

キノ「2人とも、ちょっと魔法の端末をこっちに向けてください」

スノーホワイト「?」

ラ・ピュセル「いいけど……」

キノ「じゃあ……」ピッ

スノーホワイト「えっ、キャンディーが送られてきて……」

ラ・ピュセル「こっちにも200個送られてきた……どういうことだ?」

キノ「今日のお礼です。色々と勉強になったので!」

スノーホワイト「そんな、悪いよ!」

キノ「いいんですって! それじゃあ解散ですね! またー!」

ラ・ピュセル「あ、行ってしまった……」


キノ「(結局今日の取り分は30個だけど……まぁ、いっか)」

キノ「(スノーホワイト……可愛かったなぁ)」

キノ「(フリフリしててお花いっぱいで……なんか、いかにも魔法少女だよ。あとはステッキとか持ってたら完璧かも)」


 スノーホワイト、ラ・ピュセルと行動を共にして信頼度が上がった!

 スノーホワイト(03→04) ラ・ピュセル(03→04)


 スノーホワイトのキャンディー集めを見ての知力(22+10)ロール……直下コンマ二桁

 成功→大体どの辺に困った人がいるのか分かった

 失敗→何も分からなかった


 35……失敗


キノ「(でもあのやり方ってスノーホワイトならではというか……私じゃ到底無理か)」

キノ「(地道に集めていこう)」

ファヴ「あ、あと言い忘れてたけど、16人目の子も既に活動開始してるぽん。キャンディーは全員の平均を与えてるぽん。仲良くしてほしいぽん」

キノ「はいはいー」

キノ「(私のある意味先輩にして後輩の人だよね。まぁいつか会うこともあるでしょうね)」


・・・・・・

~翌日・学校廊下~


結衣「ううー……まさか制服にお弁当ついちゃうなんて……これくらいで取れたかなぁ」ゴシゴシ

結衣「(そういえば昨日は師匠と話さなかったけど、師匠何してるかな)」


キノ『師匠、今何してます?』

リップル『私達は友達なの?』

キノ『友達なんですか?』

リップル『こっちが聞いてる。用もなく話しかけるな』

キノ『えええー……』

リップル『何かあった時にのみ。分かった?』

キノ『はーい』


結衣「ちぇー……あ、細波さん」

華乃「ん」

結衣「……なんか嬉しそうだけど、どうしたの?」

華乃「なんでもない。それより、2話見た」

結衣「本当!? ありがとう!」


ラ・ピュセル『スノーホワイトとも話したんだけど、これからももしよかったら一緒にキャンディー集めをしないかい?』

キノ『ええっ!? い、いいんですか?』

ラ・ピュセル『昨日はキャンディーを分けてもらったし、せめてものお礼ってことで。あと敬語』

キノ『ああごめん。でも本当にいいの?』

ラ・ピュセル『もちろんさ。君が……例えばいつもリップル達と一緒に集めているというのならこちらとしても引き下がるが……』

キノ『いえ! そんなことないよ! 私ボッチ!』

ラ・ピュセル『そ、そうか……じゃあ気が向いたら来てよ。いつも鉄塔にいるから』


 スノーホワイト達とキャンディーを集められるようになった!


キノ『もし一緒に行くとしたら、集合は何時くらいにすれば?』

ラ・ピュセル『そうだね、大体――』


シスター・ナナ『皆さん、急に申し訳ありません。来れる方はチャットルームに来てください』


結衣「ん?」


シスター・ナナ……確かチャットでは何度か見たことがある。その名前の通り、スノーホワイトもラ・ピュセルも彼女をいい人だと言っていた

そのナナが急用というからには、何かあるのだろう。結衣は机に戻り、授業を聞くフリをしてチャットルームに入った


ナナ『急にお呼び立てしてすみません……ただ、この事実を他の人にも知ってほしくて……』

トップスピード『なんだよ騒々しいな』

ナナ『その……このチャットルームにはログがあるのはご存じですね?』


チャットルームに来たのはキノの他にスノーホワイト、ラ・ピュセル、リップル、トップスピード、マジカロイド44だ

ウィンタープリズンの横でナナはログを操作し始めた

チャットルームのログとして出されたのは、数日前であろうファヴとクラムベリーの会話。その内容は誰しもが驚くに値するものだった


キノ『脱落したら……死ぬ…………?』

トップスピード『お、おいおい冗談キツいぜ!』

ラ・ピュセル『そうだ! まさかただのゲームでそんなこと……』

ウィンタープリズン『こうして我々が魔法少女になれている時点でただのゲームでないことは分かっているだろう?』

ラ・ピュセル『くっ……』


スノーホワイト『じゃあ、それじゃあ……ねむりんは…………』

キノ『で、でもねむりんが死んだって証拠は……!』

リップル『見て』


リップルが貼ったURL……それはN市在住の24歳女性が心臓麻痺で在宅中に急死したとのことだった

女性の名前は三条合歓。その名前と死亡時の日付……すべてが合う

結衣は椅子から転げ落ちた


「ちょ、結衣大丈夫!?」

「おい木野どうした!」

結衣「あ、す、すみません! ボーッとしちゃって」

「貧血か? 保健室行くなら――」

結衣「大丈夫でーす! 大丈夫!」


結衣「(ウソ……ねむりんが………………)」

結衣「(じゃああの時、ねむりんは……)」

結衣「(でも、ファヴは何も……!)」


マジカロイド『ということハ……イヤー……まぁ、そういうコトでしょうね……』

トップスピード『やべぇ……つまりキャンディーを死に物狂いで集めねぇと……』

ウィンタープリズン『どの道脱落者は出る……ただ、この事実を知ってほしかっただけだ。混乱させてしまったらすまない』


結衣は学校を早退した。何か言われると思ったが先ほど椅子から落ちたのを見てどうやら察してくれたようだ

友人達の心配を背に、結衣は学校を出てキノに変身。すぐさまキャンディー集めに向かった


 キノは……>>直下

 1.とりあえず手当たり次第に助けて回った
 2.近くに困った人がいない。他の魔法少女の担当地区にも足を踏み入れた


キノ「(クッ……いない……困ってる人、いない……!)」

キノ「(………………まだお昼だし、私みたいに普通の生活をしてれば、今はまだ学校や職場)」

キノ「(夕方になるまで、他の人の担当地区に……行ってみようかな…………)」

キノ「(もし遭遇しても謝れば……うん、きっと大丈夫)」


 キノは……>>直下コンマ一桁の担当地区に足を踏み入れた
 

 00~01→スノーホワイト達
 02~03→シスター・ナナ達
 04~05→木王早苗たそ~
 06~07→カラミティ・メアリ
 08~09→16人目


遠くにリップルが言っていた建物……王結寺が見える

キノは周りに注意しながら困っている人を探した

いない、いない、いない……いた。よく見たらざっと見ただけで意外といる。まさかこの辺りは治安が良くないのだろうか。と思ったが自分が困っている人を刈りつくしただけだと気付いた

重い荷物を持ったおばあちゃんだ


キノ「大丈夫ですか?」

「ああ、あなた……犬の子じゃないのかい……」

キノ「え?」

「あの子ねぇ……いい子でねぇ……ついつい撫でたくなっちゃうけど……違うかぁ……」

キノ「……助けなくてもいいですね」

「ええ!?」

キノ「冗談です」


お年寄りのグループというものは侮れないもので、そのおばあちゃんは他にも助けられたことのあるというお年寄りの話も話してくれた

犬の子はとっても可愛くて優しいということ。ハレンチな恰好をしたのがいて怒ったら素直だったこと。天使が来てお迎えかと思ったら家まで運んでくれたこと。どれも良い噂だったが、肝心のルーラと思わしき情報が無い。彼女は司令塔として王結寺に居座っているのだろうか


キノ「(よし、意外と貯まる……やっぱり来てよかった!)」


 キノは……>>直下コンマ一桁

 01~04→何も起こらずキャンディー集めに成功した
 05~06→頭上から姦しい声が聞こえてきた
 07~08→おどおどとした声が話しかけてきた
 09~00→後ろから怒声と共に何かを向けられた


・・・・・・

~路地裏~


キノ「(よし、夕方までまだ時間はある。このままあと少し助けて自分のところに戻って――)」

「人の庭でなぁにしてるのかしら~?」ピキピキ

キノ「!?」


明らかに怒気を含んだ声が背後から聞こえる。魔法少女だ

キノはうまくいきつつあるキャンディー集めに夢中になり、油断していた。完全に失態だ

振り返ると王笏が向けられているのが確認できた


「この泥棒が! ルーラの名のもとに命ずる、動くな!」

キノ「ッ……ぁ…………っ……!(う、動けない……!!)」


王笏を向けて来た人物――ルーラは青筋を立てながらキノを舐めまわすように見る。どうやら彼女1人のようだが、この状況はよくない。というかぶっちゃけヤバい

よく見るとポーズをとっていて、キノはともかくルーラも微動だにしていない


キノ「あ、あの……私…………」

ルーラ「何度か見たわね……あんた、飛び入りで入った17人目だったかしら」

キノ「(こっちの正体は割れてる……!)」

ルーラ「大方、こっちのキャンディーを稼いで私達のスコアを落とそうとかいう考えだろうけど……どうやらここまでのようね」

キノ「(迂闊だった……まさか、私以外にこの時間に動いてる人がいたなんて……!)」

ルーラ「さて、私の名のもとに洗いざらい喋ってもらいましょうか!」


キノはシスター・ナナが見せて来たログ、リップルが貼ったニュース記事、焦りから他の魔法少女のテリトリーに足を踏み入れたことを話した……いや、口が勝手に話していた


ルーラ「………………なるほどね……さーて、この狼藉者はどう料理してやろうかしら」

キノ「(まずい! なんか知らないけど、体を操られてる!)」


キノ「あ、あの……」

ルーラ「ん?」

キノ「ご、ごめんなさい……私、焦ってて……」

ルーラ「謝るならバカでもできる。そんな言葉で私が許すと思っているのか?」

キノ「う……」

キノ「(どうやら、放してくれそうにない……どうしよう……!)」


 キノは……>>307

 1.ここで集めたキャンディーは渡すから見逃してくれと懇願した
 2.隙を見つけて逃げ出せないか模索した
 3.その他

1から反撃の方法を探る


キノ「あ、あの……ここで集めたキャンディーはお返しするので、見逃してください……」ビクビク

ルーラ「…………ふぅん」


ルーラの表情が変わる。チャンスだ

キノとて魔法少女という自覚と自信がある。相手は1人。どうにか隙を見つけて逃げ出そうという魂胆はあった


ルーラ「足りない」


ならばすべてのキャンディーとでも言えばいいか。とにかく自由になる時間が必要だ

リップルから教わった。初対面の相手はその一挙手一投足を見逃すな、と

先ほど、ルーラが体の拘束から喋らせる命令、喋らせる命令から再度拘束する命令の時にポーズが微妙に変わり、身体が自由になる感覚が一瞬ではあるがあった

一瞬あれば魔法少女にとっては十分すぎる時間だ。とにかくこの拘束が解ければいい


キノ「わ、分かりました……なんでもいいので、早く……見逃して……」


 身体能力(58+10)ロール……>>直下コンマ二桁

 成功→拘束が解けた瞬間を見逃さず逃げる
 失敗→ルーラの方が速かった


ルーラ「フッ、キャンディーの数など問題ではないわ。私がすべて寄越せと言えば、あなたはそうするのよ」スッ

キノ「(ッ、解けた!)」バッ

ルーラ「なに!?」


このまま逃げれば大丈夫だ。よし、逃げられた。あとは自分の地区に戻ってリップルなりラ・ピュセルなりに助けを…………いや

キノはルーラに対して銃を向けた。貴重なキャンディー集めの時間を潰してくれたささやかな礼だ


キノ「……!」バァン!

ルーラ「ッ!?」


何も考えてない弾――空砲だが、ルーラは怯み、思い切り身を退げた


ルーラ「……なに?」

キノ「>>316

近々アナタになにか悪いことがおきるでしょう!


キノ「い、今あなたに撃ち込んだのは呪いの弾! 近々あなたになにかしら悪いことが起こるでしょう!」ダッ

ルーラ「くっ、待ちなさい!」


ビルを蹴る、蹴る、蹴る。今までで一番のスピードだ

後ろからルーラが追ってきている気配があったが、銃を向けるとどうやら回避行動をとろうとしたのか、減速する気配があった

ルーラを完全に振り切り、近くの駅の路地裏に向かい変身を解除。人間の姿で電車とバスを使って結衣は帰宅した


結衣「ハァッ、ハァッ、ハァッ……!」

結衣「だ、大丈夫…………大丈夫…………」


キノが何と言おうと、人のショバ荒らしをしたのはキノだ。正義は向こうにある

ルーラの目は本気だった。恐らく、人を蹴落とすことに何の躊躇もない。

もし捕まればキャンディーをすべて取られ、ねむりんのように……考えるだけで恐ろしい

肝を冷やし切った結衣は、もう軽々しく他の魔法少女の地区に入らないよう心に決めた


・・・・・・

~夜・王結寺~


ルーラ「………………」イライライラ

ユナエル「ねぇねぇお姉ちゃん、なんかルーラ超怒ってねー?」

ミナエル「メッチャ怒ってる。あの日かな?」

ユナエル「魔法少女にも来るのかな?」

ミナエル「それか彼氏にふられたとか~」

ルーラ「うるさい馬鹿ども!!」

ルーラ「こんな屈辱を受けて……このルーラが黙っているものか……!」

たま「あ、あの……昨日言ってたキャンディー奪い合えとかどうとかって……」

ルーラ「ああ……そうね。次の発表までに決行するわ。他の魔法少女からキャンディーを奪い取る」

たま「やっぱりそうするしか、ないの……?」

スイムスイム「誰を狙う?」

ルーラ「今キャンディーが多いのはスノーホワイト……定石通りに行くなら、お付きの騎士様を引っぺがして1人になったスノーホワイトから大量のキャンディーを根こそぎ奪い取る……けどそれはまた今度」

ルーラ「私の庭を荒らし、あまつさえ私に弓を引いたあのクソバカには、それ相応の報いを与えなければならないのよ……!」


今日はここまで

ちなみに
能力値ロールでクリティカルを叩き出した場合、クリティカル報酬としてその能力値が1上がります

それと今まで忘れてたステータス「精神力」を今更ながら設定>>直下コンマ二桁


・・・・・・

~夜~


結衣「はぁ……あの地区で結構集まったから今日は出るのやめておこうかなぁ……」

結衣「明日からは普通に自分の地区でやらなきゃ」

結衣「今日は……どうしよう……」


 >>直下

 1.1人で自分の地区でキャンディーを集める
 2.スノーホワイト達とキャンディーを集める
 3.リップルに相談しに行く


結衣「スノーホワイト達と一緒に居よう」ピッ


キノ『あのー、今日一緒にキャンディー集めていいかな?』

スノーホワイト『いいですよ!』

ラ・ピュセル『前の鉄塔で待っているよ』


結衣「よかったぁ……これでもしルーラが私の地区に来ても私はいないから大丈夫だね」


・・・・・・

~鉄塔~


スノーホワイト「今日も頑張ってキャンディー集めましょうね!」

キノ「うん!」

ラ・ピュセル「脱落者発表まで日数が無い。週を重ねるごとに必要となるキャンディーは多くなってくるから、今のうちに沢山集めておかないとね」

キノ「(流石にルーラのところまで行って集めてたなんて言えない……)」


 今日集まったキャンディーの数……直下コンマ三桁+昼間の分50


ラ・ピュセル「ふう……今日はこんなもんかな。スノーホワイトはどれくらい集まった?」

スノーホワイト「私は700くらい」

ラ・ピュセル「私は500だ。キノは?」

キノ「私は400弱くらい。スノーホワイト達といるとキャンディーが沢山集まって本当に助かるよ」

ラ・ピュセル「リップル達はいいのかい?」

キノ「師匠はトップスピードさんがいるから、邪魔できないというか……」

スノーホワイト「師匠?」

キノ「さん付けするなって言われたから、呼び捨てだとアレだし師匠って呼んでるの」

ラ・ピュセル「そんな仲なら一緒に集めているものばかりだと思っていたよ」

キノ「(本当は私が師匠達に一緒に集めようって言ってないのが悪いんだろうけど……でもスノーホワイト達の方がキャンディー集まりやすい、かも?)」


ラ・ピュセル「私はそろそろ帰るよ。スノーホワイトとキノは……」

キノ「私も帰ります」

スノーホワイト「私はもう少しだけ……」

ラ・ピュセル「なるほど。分かった、じゃあまた明日! あ、キノもまた明日かな?」

キノ「え?」

スノーホワイト「キノと一緒に居た方が楽しいから、よかったら……ね? ラ・ピュセル」

ラ・ピュセル「ああ」

キノ「そ、そう言ってくれるなら、また明日!」


 スノーホワイト、ラ・ピュセルと行動を共にし信頼度が上がった!

 スノーホワイト(04→05) ラ・ピュセル(04→05)


 現在のキノのステータス

身体能力……58
精神力……78
知力……22
幸運……78

キャンディー所持数……1760


 信頼度

リップル……06(友達)
トップスピード……04(それなり)
スノーホワイト……05(友達)
ラ・ピュセル……05(友達)
ルーラ……02(憎悪)
他……02(知己)


・・・・・・

~王結寺~


ルーラ「キノを見つけられなかったぁ?」

ミナエル「あいつの地区をあちこち飛び回ったんだけど~」

ユナエル「影も形も無かった」

ミナエル「ルーラにビビッて雲隠れしたんじゃね?」

ユナエル「なるほど! お姉ちゃんマジプロファイラー」

ルーラ「チッ……スイムもたまも?」

スイムスイム「……」コクッ

たま「う、うん……」

ルーラ「何としても見つけなさい! アイツさえ見つければ今週はキャンディーを集めなくても脱落しないんだから何よりも優先するの!」


・・・・・・

~翌日・夕方~


キノ「(スノーホワイト達との集合時間までまだある)」

キノ「(よかったぁ今週収録が無くて……先週2本録りとかしてたし)」

キノ「(さて、どう時間を潰そうかな)」


 集合時間まで……>>357

 1.自分の地区で適当にキャンディーを集める
 2.リップルに連絡をとる
 3.他の魔法少女とコンタクトをとる

3


キノ「(ルーラを怒らせた今、味方は沢山いる方がいいかも……我ながらなんという寄生虫根性)」

キノ「(いやいやいや! 虎の威を借る狐になっても生き残る方が大事だし!)」ピッ

キノ「(とにかく誰かと……ルーラは論外。他の誰か……>>360とかいいかな)」


キノ「(そういえば、16人目の人って見たこと無いんだよなぁ)」

キノ「ねぇファヴ」

ファヴ「なんだぽん?」

キノ「16人目の人にコンタクトってとれる?」

ファヴ「とれないこともないけど……やるぽん?」

キノ「お願い。もしよければ一緒にキャンディー集めませんかって感じで」

ファヴ「じゃあ送ってみるぽん!」


ファヴ「送ったぽん」

キノ「ありがとう。そういえばその人のこと何も知らないんだけど……情報とか無いの?」

ファヴ「魔法少女一覧から見てみるといいぽん。会ったことのある魔法少女なら名前と姿、ない魔法少女なら名前だけ確認できるぽん」

キノ「これか……ハードゴア・アリス?」

ファヴ「まぁこう言うのもなんだけど、見れば一目で分かるぽん」

キノ「そんな奇抜な見た目なんだ……っていうか魔法少女って大体そうじゃん」

ファヴ「それをキノが言うぽん? 悪いけどキノは容姿は置いておいて、人ごみの中でちょっと目立つくらいの服だぽん」

キノ「うるさいな! 気に入ってるんだよ!」

ファヴ「あ、ハードゴア・アリスから返信だぽん」

キノ「なんて?」


 幸運(78)ロール……直下コンマ二桁

 成功→条件付きで承諾
 失敗→興味がないと一蹴


ファヴ「一つ条件を付けていいなら一緒にキャンディーを集めてもいいと言ってるぽん」

キノ「条件?」

ファヴ「『白い魔法少女について知っていること全部教えろ』だぽん」

キノ「白い魔法少女~?」


キノの記憶の中の白い魔法少女は……これから会うスノーホワイト、あとはチャットの中で見ただけだがスイムスイムが当てはまる

アリスが何故その情報を欲しているのかは分からないが、キノはとりあえずスノーホワイトとスイムスイムに分けて自分の知る限りの情報を送った

するとすぐにアリスの方から「今会えるか」という旨が送られてきたため、快諾の文を送って集合場所を決めた。いつもの公園だ


・・・・・・

~公園~


キノ「師匠はいない、か……そろそろ時間だな。スノーホワイトとの時間はまだ少し先」


ふと、背後に気配を感じる。静かな気配だ

振り返ると飲まれそうなほど真っ黒な衣装と正反対な病的なまでに白い肌のゴスロリ少女が立っていた

思わず下のくまに視線が行ってしまう目に見つめられる

キノは彼女の容姿の幼さ加減から敬語を使わないことを選択した


キノ「あ、あのー……ハードゴア・アリス?」

アリス「……」コクッ

キノ「初めまして、だよね。私はキノ。今日は誘いを受けてくれてありがとう」

アリス「…………」

キノ「………………」


アリス「………………」

キノ「………………(き、気まずい)」

キノ「あのー……アリスでいいかな?」

アリス「……」コクッ

キノ「よかった。あ、私もキノでいいからね」

アリス「……」コクッ

キノ「…………」

アリス「…………」

キノ「…………………………あの――」

アリス「白い」

キノ「え?」

アリス「白い魔法少女は……どこに?」


キノ「ああ、さっき送った情報的にスノーホワイトとスイムスイムだよね。スイムスイムは多分王結寺に他の魔法少女達といるんだろうけど……」

アリス「……」フリフリ

キノ「え、違う? じゃあスノーホワイト?」

アリス「……」コクッ

キノ「(なんでスノーホワイトの事を……うう……考えても私の無い頭じゃ無理か)」

キノ「(でもまぁラ・ピュセルもいるし、教えてもいい、かな……?)」


キノ「実はこの後スノーホワイトとラ・ピュセルと一緒にキャンディーを集める予定なんだけど……君も――」

アリス「……!」

キノ「うわぁ近い近い!」

アリス「行きましょう……」

キノ「は、はひ……」


・・・・・・

~鉄塔~


アリス「…………」

キノ「(ううーん……連れてきてよかったのかなぁ)」

ラ・ピュセル「やぁ、今日は早いね…………誰だ?」

キノ「あ、ラ・ピュセル」

アリス「……」

キノ「この子はハードゴア・アリスって言って、16人目の魔法少女なの」

ラ・ピュセル「……君がか」

アリス「……」


 ラ・ピュセルとアリスは……直下コンマ一桁

 奇数→意気投合
 偶数→犬猿の仲に


ラ・ピュセル「君は何故キノと?」

アリス「……白い魔法少女」

ラ・ピュセル「白い……ッ、スノーホワイトに何かするつもりか!」


キノがその言葉に驚くと同時に、ラ・ピュセルが背中に手をやる。出現させてはいないものの、いざという時には剣を抜くつもりだ

アリスはアリスで「お、やるか?」という雰囲気を醸し出しており、まったく隙がない


キノ「ちょっと、違うよ! アリスからも説明して!」

ラ・ピュセル「なにか弁明があるならしてみろ、ハードゴア・アリス!」

アリス「……」

キノ「なんでだんまりなの!?」


アリス「……会いたい、だけ」

ラ・ピュセル「なに?」

キノ「ほら! 戦う気は無いんだって!」

アリス「それを妨げるなら……」

キノ「なんでそう煽るの!?」

ラ・ピュセル「キノ、離れるんだ!」

キノ「いや大丈夫だよ! それにそもそもアリスを呼んだのは私なんだから!」

ラ・ピュセル「なに……?」

スノーホワイト「ごめん、おまたせー…………って、なにこれ……」

キノ「あ、スノーホワイト助けて!」

ラ・ピュセル「ここから離れるんだスノーホワイト!」

アリス「ッ、スノーホワイト……!」

スノーホワイト「えっ、えっ、ええぇぇ……!?」


キノは困り果てた。まさかこんなことになるとは……誰かこの場を仲裁してくれ!

という声が天に――いや、スノーホワイトに届いていた


スノーホワイト「あの、キノの声が凄く聞こえるんだけど……」

キノ「え?」

スノーホワイト「この場を仲裁してほしいって、どういうこと?」

キノ「ああ、それはね……」


いまだに睨み合うアリスとラ・ピュセルを尻目に、キノはスノーホワイトに事の次第を説明した


スノーホワイト「そうだったんだ……あの、アリス……?」

アリス「はい……!」ニタァァ

スノーホワイト「ひぃっ!」

ラ・ピュセル「オイ! スノーホワイトを怖がらせるな!」

アリス「……邪魔」

ラ・ピュセル「なんだとぉ……!」

キノ「あーはいはいラ・ピュセルも落ち着いて!」


とりあえずスノーホワイトと共に場を収めてキャンディー集めに奔走する

道中、幾度となくラ・ピュセルとアリスがいがみ合ったが、その度にキノやスノーホワイトが仲裁してなんとか4人パーティという形を保った


 ここから脱落者発表の日まで、キャンディーをこの4人で集めます

 脱落者発表の日までに集まったキャンディーの数……直下コンマ三桁x3


・・・・・・

~脱落者発表の日・昼~


キノ「キャンディーは4181個……もう怒涛の日々だった……」


今週、N市には少し大きな事件があった。銀行強盗だ

キノ達4人は偶然その現場に居合わせ、見事強盗達を倒して警察に引き渡した

この街の大手の銀行すべてを狙う気の大規模な集団だったようで、間接的に助けた人が大量におり、結果的にそれだけで現在のキャンディーの大半が集まってしまった


キノ「これなら脱落は無いね! 発表まで何してようかな」

キノ「また他の人と……いや、今日は自分が脱落するかもしれない日で皆ピリピリしてそうだから知ってる人にしておこう」


 キノは……>>直下

 1.リップルに会いに行った
 2.スノーホワイト達に会いに行った
 3.1人で過ごした


ふと、ピリピリしてるという自分が発した言葉に思い出す。ルーラを

完全に忘れていた。キノは今更になって背中に寒気がした

どうしようどうしようという思いが、スノーホワイト達と一緒にいた安心感とキャンディーが沢山集まった安堵感を塗り替える

だがその陰で、今までなにも無かったしルーラも諦めたのかという楽観もあった


キノ「とりあえず師匠に会おう」


 スノーホワイト、ラ・ピュセル、アリスと3日間行動を共にし信頼度が上がった!

 スノーホワイト(05→06) ラ・ピュセル(05→06) アリス(02→03)


・・・・・・

~公園~


キノ「師匠~トップスピードさん~」

トップスピード「急な呼び出しだったな~! ま、丁度俺らも暇してたしよかったよな?」

リップル「別に……それで、何の用?」

キノ「あの、ちょっと相談したくて……」

リップル「キャンディー分けろはナシ」

キノ「そんなんじゃないです! 実は――」


キノは数日前、ルーラの担当地区に入ってキャンディーを集めた事の顛末を話した

頬を張られた


キノ「あ……」ヒリヒリ

リップル「ッ、なんでそんな危ない真似をした!」

キノ「っ、ご、ごめんなさい……」

リップル「チッ!」

トップスピード「まぁまぁリップル! そう怒るな……と言いたいが、今回ばかりはオイタが過ぎたなぁ。どう見てもお前が悪い」

キノ「うう……」グスッ

リップル「この馬鹿! 馬鹿野郎! 間抜け!」

トップスピード「おいおい!? 怒るにも限度があるぞ!!」


リップル「チッ……その後ルーラは?」

キノ「えっ、あ……何も……その後からずっとスノーホワイト達とキャンディーを集めてたので、地区も違うし」

トップスピード「そりゃお前、運がよかったな」

キノ「やっぱり、そうなりますか……」

リップル「あのルーラが黙っているハズが無い……チャットでは何も言ってなかったが……絶対お前を探してるに違いない」

トップスピード「穏やかじゃねぇ話だが……まぁお前からちょっかいかけたんだから当然だよなぁ……」

キノ「わ、私……そんなことになるなんて……」

リップル「言い訳はいい! とにかく、対策を考えないと……」

トップスピード「おっ、リップルさんは弟子を助けたいと」

リップル「うるさい! 少し考える」スタスタ


トップスピード「……なぁキノ」

キノ「グスッ……はい」

トップスピード「誤解しないように言っておくけど、リップルはお前のことが嫌いなわけじゃないからな」

キノ「それは、分かってます……師匠は優しいですよ」

トップスピード「ははは! 優しいか! はははははは!」

リップル「うるさい! 2人も考える!」

キノ「うう、はい……」


 知力(22+10)ロール(3人で考えたのでさらに+20)……直下コンマ二桁

 成功→キノの魔法をより有効活用してリップルとのコンビネーションをする方法考えた
 失敗→リップルがキノを守るくらいしか思いつかなかった


リップル「私1人であの連中からキノを守るのは無理……キノも戦うしかない」

トップスピード「そういやキノの魔法は戦い向けなのか?」

リップル「使いようによっては……キノ、自分に何か撃って」

キノ「え、私に?」

リップル「自分で撃てないなら私が撃つから弾込めて銃を渡して!」

キノ「は、はい!」スッ

リップル「……何を込めた?」

キノ「ベタに堅さの強化を」

リップル「じゃあキノの腕に撃つから、動くな」バァン!

トップスピード「どうだ?」

キノ「……腕がカチコチしてます」

リップル「もう1発同じ弾を」

キノ「え?」

リップル「早く」


リップル「2発腕に堅くなる弾を撃ち込んだ……どう?」

キノ「なんか、堅さが増した気が……」

リップル「やっぱり効果の重ね掛けが可能か……」

キノ「重ね掛け?」

トップスピード「リップルの方がキノの魔法を理解してそうだな」

キノ「あはは……」

リップル「笑いごとじゃない」

キノ「はーい……」

リップル「じゃあキノ、仮にルーラ達がキノを襲ってきた時は呼んで」

トップスピード「俺も呼べよ! 逃げる役には立つからな!」

キノ「っ、はい! ありがとうございます!」

リップル「それじゃあ、実際に戦う時の――」


 リップルとのコンビネーションを作り、戦いの対策を練った。知力が1上がった!(23)

 素直に相談したことでリップルとトップスピードの信頼度が上がった!

 リップル(06→07) トップスピード(04→05)


トップスピード「いいかキノ、リップルは動きが速いから強化の弾を当てるときはちゃんと狙えよ」

キノ「は、はい!」

リップル「急造だけど、無いよりマシ……動くから当ててみて」シュバッ

キノ「………………ていっ!」バァン!

リップル「遅い! 下手糞!」

キノ「すみませぇぇん……」

リップル「次!」

キノ「はい!」バァン!

トップスピード「お、今のは当たったな」

リップル「敵にも当てられるように訓練しておくこと」

キノ「は、はい!」


 キノに「技能訓練」という選択肢が増えた! 身体能力が1上がった!(59)


 発表までどう過ごしますか?……>>413

 1.1人で過ごす
 2.リップル達と過ごす
 3.スノーホワイト達と過ごす



トップスピード「今日はその辺でいいんじゃねーかー? もう夜だぞー」

キノ「は、はいぃ……」ゼェゼェ

リップル「ん」スッ

キノ「え?」

リップル「立って」

キノ「あ、はい。ありがとうございます」

リップル「今日はもう帰る?」

キノ「もしいいのなら、このまま師匠達と……」

リップル「いい?」

トップスピード「いいさいいさ。2回目だが発表なんて1人で見られる気がしねぇや」


キノ「あの、師匠……本当にすみませんでした」

リップル「…………別にいい」

トップスピード「そこは笑顔なりなんなりで弟子を安心させてやれよ~ホントにツンデレなんだから」

リップル「チッ、うるさい」

キノ「(よかった……『こんなアホの教官はもう降りる』とか言われないで)」


 襲撃判定……直下コンマ一桁

 1、5→何も起こらずそのまま発表へ

 それ以外→木王早苗(24歳無職)たそ~


ファヴ「今週も楽しい脱落者発表の時間だぽん!」

リップル「チッ……」

トップスピード「ホントむかつくなこのクソ大福」

キノ「(何もなくてよかった……あんなにキャンディー集めたんだから大丈夫だよね?)」

ファヴ「今週も皆頑張ってキャンディーを集めたと思うけど、残念ながら脱落は脱落ぽん」

トップスピード「いいから早く言いやがれ!」


 今週の脱落者……直下コンマ一桁

 00~01→ルーラ
 02~03→ユナエル
 04~05→ミナエル
 06~07→ルーラ
 08~09→たま


ファヴ「今週は~~~~~今週は~~~~~……」

トップスピード「おいおい遅いぞ」

リップル「ん? なにこれ……キャンディーが……」

キノ「あれっ? これ……」

トップスピード「なんだよ?」

リップル「端末見て」

トップスピード「あん? ………………あれ、増えてる」


ファヴ「ルーラだぽん!」

キノ「ッ!」

トップスピード「ルーラが!?」

リップル「…………」


まず驚いた。あのルーラが脱落したということは、キノへの脅威がひとつ減ったということだ。その事実にキノは安堵した

だが、その後に残るのは何故ルーラが? という疑問である

そして、急に端末に増えたキャンディー……2000以上も増えている


ファヴ「それじゃあ、来週もこの時間にぽん! シーユー!」

リップル「……何はともあれ、ルーラは消えた。急いで作った戦法も無駄になった」

トップスピード「おいおい無駄ってことは無いだろ? 2人の共同作業じゃねぇか」

リップル「チッ」

キノ「…………」

トップスピード「キノもよかったな! また来週までに頑張ろう!」

キノ「は、はい……」

トップスピード「それじゃあ門限ギリギリだから帰るわ!」

リップル「私も」

キノ「お、お疲れ様でしたー……」


キノ「………………キャンディーの差出人は、スイムスイム……」

キノ「どうして……?」


 キノは……>>直下

 1.王結寺に向かった
 2.大人しく帰った


・・・・・・

~王結寺~


キノ「…………」コソコソ

キノ「(確か、ここを根城にしてるって……まだいるかな?)」

「「やったーやったーやったったー!」」

キノ「っ!」ビクッ

キノ「(中から声……やっぱりここに……)」ソー


早苗「な、ぜ……!」

スイムスイム「…………」

たま「…………」メソメソ

ユナエル「嫌な奴がー!」

ミナエル「いなくなったー!」

スイムスイム「じゃあ、皆解散」

ユナエル「はい! 新リーダー!」

ミナエル「スイムちゃんマジニューリーダー!」


キノ「(えっ、もしかして…………これ、いや、もしかしなくても…………)」

キノ「(ルーラが、部下に裏切られた?)」


・・・・・・

~どこかの庭~


早苗「う、ぐっ……スイム、スイ……ム……」

スイムスイム「ルーラ、私、キャンディーを集めるの嫌になっちゃった」

スイムスイム「魔法少女の戦いの中で生き残った方が、よりお姫様っぽいかなぁって」

早苗「馬鹿、な……!」

スイムスイム「ルーラは私にとって一番大事な人だった。だから犠牲になってもらわないと……私がお姫様になるために」

早苗「ぁ…………が、………………」ガクッ

スイムスイム「ごめんなさいルーラ……今までどうもありがとう」


キノ「…………!!」


 身体能力(59+10)ロール……直下コンマ二桁

 成功→気付かれずに立ち去る
 失敗→木の枝を踏んでしまう


キノ「(ぁ……あ、ああぁぁ……!)」ダッ


スイムスイム「でも大丈夫……私がルーラになるから。ルーラは死なない。ルーラは生きてる」

スイムスイム「あなたの教えは、守ります。何があろうとも」


キノ「(ふ、普通じゃない! 普通じゃない!!)」

キノ「(なんなのあれ、ルーラを殺した? ルーラになる!? お姫様!??)」

キノ「(意味が分からない! アレは駄目……近付いちゃ、駄目!)」グスッ


キノは一心不乱になりながら帰宅した

すぐに寝ようとして寝れないことに気付き、自分が変身を解いていないから眠気が来ないのだと分かるまでに1時間を要した


・・・・・・

~翌日~


「結衣どうしたの? メッチャ調子悪そうだけど……」

結衣「あ、うん……大丈夫」

「顔青いし、寝てないんじゃない?」

結衣「よく分かったね~でも大丈夫だよ。家で台本読んでたら熱中しちゃっただけだから」ハハ

結衣「(あんなのを見て寝られるわけないじゃん……)」


最悪の気分だ。自分が死ななかったことはこの際棚に上げておき、昨夜見た衝撃的な光景が脳裏に焼き付いて離れない

結衣はとりあえず廊下の蛇口で顔を洗うことにした


結衣「うう……」バシャバシャ

華乃「……あの……」

結衣「え? ああ、細波さん……」

華乃「3話……見た」

結衣「あはは、ありがとう………………」

華乃「………………何か、あった?」

結衣「え?」

華乃「……なんでもない。それじゃ」


 結衣は……>>直下

 1.華乃を呼び止めた
 2.今日ばかりは華乃に構っている暇は無かった


結衣「あ、あの!」

華乃「……?」

結衣「……もしよければ、一緒に抜けてくれない?」

華乃「…………いいよ」


結衣は早退した。先週に引き続き2回目だが、教師も結衣の顔色を見て察したのか、思いのほか簡単に許してくれた

華乃といえば、不良のレッテルが貼られている彼女は中抜けしようが何しようが諦められているようだった


・・・・・・

~ハンバーガー屋~


結衣「まさか学校さぼってこんなところでお昼なんてするとは思わなかったよ」

華乃「…………」

結衣「(う、そういえば細波さんってこんなんだった。なんで誘ったんだろう私……というか、なんでついてきたの!?)」

結衣「ハンバーガーのピクルスっていいよね、アクセント的に」

華乃「……私は苦手」

結衣「そうなの? じゃあ頂戴!」

華乃「ん……」スッ

結衣「ありがとう!」

華乃「…………マジスタ、3話の最後になんか変なのあったけどアレなに?」

結衣「ああアレ? アレはマスコットの真の姿で――って、ネタバレしちゃった……!」

華乃「ふふっ、別にいい」


華乃「なにか、あったでしょ?」

結衣「え?」

華乃「見れば分かる」

結衣「あはは……そっか…………うん、まぁ、そうだねー……そう、今度渡された台本でね」

華乃「うん」

結衣「かなーり衝撃的な展開があって……あ、マジスタのことじゃないよ。また別の。それ見てショック受けちゃって寝れなくて……」

華乃「そんなんで受けるものなの?」

結衣「結構入り込んじゃうタイプだから……まぁそういうこと」

華乃「そう…………木野さんは――」

結衣「待って」

華乃「え?」


結衣は今だけは魔法少女キノとしての生活を忘れたかった。故にキノを連想させる自分の苗字はあまり聞きたくない


結衣「結衣って呼んで」

華乃「え、でも……」

結衣「いいから」


結衣「(この際木野以外だったら結衣でもアホでもなんでもいいよ……)」

華乃「…………分かった。じゃあ、結衣」

結衣「うん」

華乃「……私も、別に…………それでいい」

結衣「え?」

華乃「下の名前で…………」

結衣「細波さんの下…………華乃ちゃん?」

華乃「ちゃん付けはおかしい!」

結衣「いいや、おかしくない! 華乃ちゃんでいこう」

華乃「…………!」カァァ

結衣「それじゃあ華乃ちゃん、カラオケにでも行こうか!」

華乃「帰って寝なくていいの?」

結衣「大丈夫! 遊んでから帰って寝た方がきっと良い!」


今は魔法少女のことを忘れられるものならなんでもよかった。不良だなんだと噂される華乃も悪い人ではない

とりあえずカラオケで気を晴らす。そう決心した結衣だったが、華乃が魔法少女モノの曲を歌うたびに内心少し鬱になった。とはいえ懐かしい曲が多く、華乃の歌も歌手並にうまいため、マイナス要素よりも楽しみ要素の方が上回り、結果的に結衣は有意義なサボタージュを行うことができた


・・・・・・

~夜~


スノーホワイト「今日はキノ来ないね」

ラ・ピュセル「みたいだね……って、アリス! スノーホワイトにそんなにくっつくな!」

アリス「私が何をしようと……」

ラ・ピュセル「私はまだお前を信用したわけじゃない。おかしな真似をすれば……!」

アリス「やれるものなら……」

スノーホワイト「もうー2人ともやめてよ!」

ラ・ピュセル「でも……!」

アリス「やめます」

スノーホワイト「うん、いい子いい子」

アリス「……」ニタァァァァ

ラ・ピュセル「くっ……! 覚えてろ」


結衣「まずい……帰って寝てたらこんな時間に! もう夜の11時……スノーホワイト達は多分キャンディーを集めてる時間だよね……」

結衣「どうしよう……ぶっちゃけ、家から出たくない……」

結衣「ルーラは消えたけど、あの人…………ううっ」ブルッ

結衣「でもキャンディーは集めないと……」


 結衣は……>>直下

 1.素直に寝た
 2.スノーホワイト達と合流した


結衣「…………やっぱり、キャンディーは集めよう」


キノに変身し、屋根の上を移動すること数分……キノはいつもの鉄塔やキャンディーを集めている地区を見回ってみたが何も見つけることができなかった


キノ「あれ……? 今日はやってない? それとも帰った?」

キノ「焦り損かなぁ……」


 身体能力(59+10)ロール……直下コンマ二桁

 成功→遠くに高速で移動する影が2つあった
 失敗→何も見つけられず、徒労に終わった


キノ「っ……なんだろう……アレ……人影?」

キノ「住宅街から離れていってる……追ってみよう」ダッ


2つの人影を追うこと数分……キノは港湾地区へとたどり着いた

遠くからなにやら音が聞こえる。何かがぶつかり合う音、建物が壊れる音……戦いの音だ


キノ「な、なんなの……? もしかしてさっきの人影、魔法少女……!」


 精神力ロール(78)(精神力に幸運補正は入りません)……直下コンマ二桁

 成功→とりあえず何が起こっているのかを確認しに行った
 失敗→ビビッて帰った


 98……ファンブル


キノ「い、嫌だ……こんなところにいられない……!」


スイムスイムのあの顔が目に浮かぶ。それを思い出すだけでキノの腰は引け、後ずさるに十分な理由となった

だが、そんなキノの目の前に、何かが吹っ飛んでくる

キノはその姿に見覚えがあった。薔薇の香りが鼻腔をくすぐる。確か森の音楽家――


クラムベリー「ふ、ふふ……やはり強い………………おや?」

キノ「ヒッ……!」

クラムベリー「どうやら野良犬が紛れ込んでいたようですね」シュッ


クラムベリーがキノの首を掴み、持ち上げる。何が起こったのか理解できず、キノはただ苦しそうにもがくだけだ


キノ「やめ、放し……て……」

クラムベリー「いいですよ」パッ


首にかかっていた力がなくなり、地面に足が着くまでの少しの間、キノは解放感を得た

だがその感覚は、突如胸を襲う痛みによって塗りつぶされた

クラムベリーのパンチで吹っ飛ばされたと気付いたのは、建物を1つ貫通してからのことだった


キノ「が……っ、ぁ…………!」

キノ「(い、痛い……痛い痛い痛い……!)」

キノ「に、げなきゃ…………い、嫌……死ぬ……絶対……!」


キノ「足、動く……逃げ、る……!」ググッ

キノ「早く……早く……早く…………早く早く早く、動いて……!」


走って逃げようとするキノの近くで足音がする。キノは戦慄した

駄目だ、逃げられない、死ぬ、殺される……


 幸運(78)ロール……直下コンマ二桁

 成功→倒れそうになったところを抱き留められた
 失敗→追撃の蹴りが飛んできた


キノ「い、いや! 来ないで!」ズルッ

キノ「あ…………」

キノ「(足が、もつれ…………死……んだ……)」


 ギュッ


キノ「え……?」

アリス「…………」

キノ「アリ、ス……?」

アリス「……大丈夫、ですか?」


キノ「なんで……」

アリス「あなたが……何かを追っていた……」

キノ「(追いかけて来たんだ……)」

アリス「どうして……?」

キノ「早く、逃げよう…………クラムベリーが、来る……!」

クラムベリー「もう来ているんですけどね」

キノ「ひっ……!」

クラムベリー「おや……? あなたは……」

アリス「…………」

クラムベリー「まぁいいでしょう。こんなところに来てしまう方が悪いのですよ」ドゴォッ

アリス「……かはっ!」

キノ「ッ!! アリスッッ!!」


アリスの背中から、クラムベリーの手が生えている

ああ、もう終わりだ……絶望がキノの心を黒く染めた

今日はここまで

ちょっとした補足をすると、
結衣がカラオケに行っている間……シスターナナとウィンタープリズンはクラムベリーと戦っていた
結衣が爆睡している間……スノーホワイト達はキャンディー集め&暴れたりないクラムベリーが獲物探し
結衣が起きた頃……スノーホワイト達解散。スノーホワイトは帰宅

といった感じ 原作よりちょっと時間軸が駆け足なのはただ単にミス


クラムベリー「フフ…………ん?」

アリス「……」ガシッ


生命を絶ったはずのアリスがしっかりとクラムベリーを見て、あまつさえ胸を貫かれたまま右腕でクラムベリーの頭を掴む

クラムベリーとキノの顔は驚愕に歪んだ。否、クラムベリーは……笑っていた


アリス「……!」グググ

クラムベリー「面白い……!」


クラムベリーは残った左腕で頭を掴むアリスの腕を掴み、折った。さらに右腕を胸から引き抜き、手刀でアリスの首を落とす

キノは今度こそ終わりを確信した



アリスの無残な姿を目の当たりにしたキノが胃の中の物をすべて嘔吐する

なにより、落ちた首と目が合ったのが一番のショックだ


クラムベリー「面白い相手でしたが……しぶといだけでしたね」

キノ「ひっ……!」

クラムベリー「あなたも、ここに来なければまだ可能性はあったものを……さようなら」


キノは逃げることも避けることもできずに頭を抱え、身を縮めた。まるで草食動物のように、まるでヒロインのように

だがその攻撃はズシンという目の前の地響きと同時に、キノに届くことがなくなった


クラムベリー「っ、盾……?」

ラ・ピュセル「剣(TSURUGI)だッ!」


ラ・ピュセル「お前の相手は私のはずだろう。途中で逃げて、こんなか弱い少女を痛めつけるのがお前の趣味か、クラムベリー!」

クラムベリー「…………フフッ、やはり、あなたは……」

ラ・ピュセル「キノ、逃げるんだ。ここは私が――」

キノ「で、でも……でも、でも……あ、アリス…………アリスが……!!」

ラ・ピュセル「なに!?」


アリスの残骸を視界に見つけ、憤慨しクラムベリーの名を叫ぶラ・ピュセル

剣を携え、正面からぶつかるラ・ピュセルに対し、クラムベリーは涼しい顔のまま斬撃をいなし続ける


キノ「どうしよう……ラ・ピュセルに言われた通り、逃げるしか……アリスだって殺された……」

キノ「でも、ラ・ピュセルはあの人に勝てるの……?」


 精神力(78)ロール……>>直下コンマ二桁

 成功→ラ・ピュセルのサポートに回った
 失敗→一心不乱に逃げ出した


キノ「(…………ダメだ……)」

キノ「(怖いからって、痛かったからって……今まで助けてくれた人を見捨てて自分だけなんて、出来ない……!!)」

キノ「ラ・ピュセル!」バァン!

ラ・ピュセル「ッ、なんだ? 体が……」

クラムベリー「(斬撃が重くなった……?)」


キノがラ・ピュセルとその剣に立て続けに撃ち込んだ弾――『強度を強くする』『威力を強くする』

更に慣れない手つきでのリロード、ラ・ピュセルの『パンチ力』『キック力』『耐久力』も上げる

自分の体の変化に驚きながらも以前とまるで違う斬撃、体術を使うラ・ピュセルの攻撃を完全にいなし切れないクラムベリー

先ほどまで広がっていたクラムベリーとの差は、格段に埋まっていた


ラ・ピュセル「(よし、なんだか知らないけど、キノの魔法が作用してるんだ……! このままなら……!!)」

クラムベリー「……水入りですか。ですが、それでも勝つのは私です」

アリス「いいえ」

クラムベリー「!?」


突如背後に迫ったアリスのドロップキックをモロに受けるクラムベリー

完全なる不意打ちに、確かにダメージを受けたという声が漏れた


キノ「え、え、ええぇぇぇ!?」

ラ・ピュセル「あ、アリス……殺されたんじゃ……」

アリス「魔法です。私の……ケガの治りが速い」

キノ「け、ケガ……あれってケガで済ませていいの?」


クラムベリー「幻滅しましたよラ・ピュセル。あなたは1対1を重んじる高潔な騎士だと思っていましたが」

ラ・ピュセル「そんな口車には乗らない。私の友達を散々痛めつけたようじゃないか……」

クラムベリー「あああれは目の前に良い感じの餌が……っと、失礼」

キノ「って、なんでラ・ピュセルが? さっきまでクラムベリーと戦ってたのって……」

ラ・ピュセル「ああ、私だ。正々堂々一騎討ちがしたいとのことだったが……まさか、通りかかった魔法少女にまで攻撃を仕掛けるとは……」

アリス「アレを野放しにすると、スノーホワイトに危害が及ぶかもしれない……ここで倒す」


とりあえずアリスにも『パンチ力』『キック力』『耐久力』『堅さ(物理)』『瞬発力』――とりあえず思いつく限りの強化を施す

後は……キノとクラムベリーにどうするか、だ


 キノは……>>547

 1.自身を強化した
 2.クラムベリーを弱体化させようとした
 3.リップルに知らせた

3


キノ「あの、私助けを呼んでみます!」

ラ・ピュセル「その必要は無いだろう。この場に魔法少女が3人もいて、2人は戦闘向けだ。他を呼んでクラムベリーに加担されたらどうする?」

キノ「大丈夫ですよ! 私の師匠ですから……」

ラ・ピュセル「リップルか……」

クラムベリー「作戦会議は終わりましたか? 人数差がある以上、ここからは少しだけ手加減無しでいきますよ」


キノ『師匠! 今クラムベリーと戦ってて……』

リップル『は!?』

キノ『ラ・ピュセルとハードゴア・アリスと一緒に戦ってるんですけど、かなり強くて……』

リップル『…………分かった』


ラ・ピュセル『キノ! 剣の強化を!』

キノ『はい!(威力は上げたから、次は剣自体の耐久力!)』バァン!


ラ・ピュセル「はぁぁーーーッ!!」ズバッ

クラムベリー「……」キィン!

ラ・ピュセル「なっ!? クラムベリーの腕に……見えない何かが……!?」

クラムベリー「フッ……!」


クラムベリーの手に、見えない何か――手甲と刃が現れる

それが彼女の魔法、音を自在に操って出来た産物だと、本人以外誰も分かるはずがない


クラムベリー「避けないと死にますよ」シュッ

ラ・ピュセル「なにを!」

アリス「……」ドンッ

ラ・ピュセル「うわっ!? 何をす――ッッ!?!??」


ラ・ピュセルを突き飛ばしたアリスの末路……それは分かりやすく言えばエクゾディアだった

四肢と首を切断されたアリスの残骸がボトボトと地に落ちる

いくら死なないと分かっていても、この光景は正気を失いそうになる


キノ「(クラムベリーは見えない剣を持ってる!?)」

キノ「(まずい……アリスはともかく、ラ・ピュセルに防御系を重ね掛けしないと!」


まだ8分経っていないが、ラ・ピュセルにまた防御力アップを施す

その銃声に誘われたか、クラムベリーの次のターゲットはキノになった


クラムベリー「どうやらその銃……魔法ですね。それも厄介な」

キノ「(バレ――!)」

クラムベリー「どんな魔法か知りませんが、これ以上戦いに水を差すようならここで……!」シュッ

ラ・ピュセル「キノ!!」


ラ・ピュセルが剣を投げ、クラムベリーとキノの間に盾として差し込む――――が


クラムベリー「生憎と……斬れない物は無いのでね」ニヤッ


 身体能力(59+10)ロール……直下

 成功→クラムベリーの攻撃を避けられた
 失敗→ラ・ピュセルの剣ごとキノは斬られた


なんとか身を屈めてクラムベリーの斬撃を避ける

ラ・ピュセルの投げた剣は見事に真っ二つだが、目くらましになったようでキノへの追撃は行われなかった


キノ「(まずい……私じゃまずクラムベリーに勝てない……なら、2人をもっと強化して……クラムベリーを弱くして……!)」

キノ「(まず私に防御系と回避系……堅さとか耐久力とか、足の速さとか!)」バァン!

キノ「次に……>>564!」


 1.ラ・ピュセルの魔法の強化
 2.アリスの魔法の強化
 3.クラムベリーの弱化
 4.周りの環境の変化


キノ「普通に戦ってもクラムベリーには勝てない……あの倉庫の中に撤退!」ダッ

ラ・ピュセル「敵に背を向けるのはいかんともし難いが……仕方ない!」ダッ

アリス「殿は私が……」

クラムベリー「逃がしませんよッ!」ズバッ

アリス「……!」


3人はアリスの両腕と首と引き換えに、倉庫内に撤退した


ラ・ピュセル「それで、どうする?」

キノ「罠を作って、ハマッたところを奇襲……できたらいいけど」

ラ・ピュセル「なら私は奇襲をやろう」

アリス「私も……」

キノ「罠は私が……時間が無い。早く撃たないと!」


 キノは……>>直下

 1.入口の上にある屋根や梁に強度弱化を撃った
 2.入口の地面に強度弱化を撃った
 3.その他

 そのレスのコンマで幸運(78)ロール

 成功→クラムベリーは罠にハマり隙が出来た
 失敗→クラムベリーに罠を見破られた


キノ「とりあえず、私が罠をしかけるので、2人が――」

クラムベリー「なるほど……罠……か…………小動物にはそれが精一杯……なら、堂々と正面から行ってあげましょう」


キノ「(あの天井や梁を撃って、クラムベリーが来たところで崩れてくれれば……!)」バァン!

ラ・ピュセル「来たぞ……!」

クラムベリー「(罠の内容までは話していなかった……私の能力が見破られた? それとも偶然……?)」スタスタ


ミシミシ……! ガラッ!


クラムベリー「ッ!」


轟音を立て、天井がクラムベリー目がけ崩れ落ちる


クラムベリー「この程度で! ――――なっ!?」

アリス「今……!」ガシッ

ラ・ピュセル「うおおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」


後ろからアリスに羽交い絞めにされ、身動きができない所へアリスごと叩き斬る斬撃が決まった


クラムベリー「が、はっ……!」ゴプッ

ラ・ピュセル「クッ、真っ二つにできない!」

キノ「切れ味を上げます!」バァン!

アリス「はやく……」

クラムベリー「こ、の――ッ!」


クラムベリー「痴れ者がッッ!!」ズオッ

ラ・ピュセル・アリス「!?」


クラムベリーを中心として、突如エネルギーの爆発が巻き起こる

立っていられないほどの音の暴力がキノの耳に襲い掛かる。キノは耳を塞ぎ座り込んだが、地に足を付けられずにエネルギーの奔流に身を任せざるを得なくなった

離れていたキノでさえ衝撃で吹っ飛んだのだ。目の前にいたラ・ピュセルと密着していたアリスは――という思考を最後に、キノは衝撃によって崩れてくる瓦礫を目の前にした


クラムベリー「ハァッ……ハァッ…………意外と、楽しめるもの……ですね……」


自身が放った音の大爆発に巻き込まれ、崩れ廃墟と化した建物を見てクラムベリーは笑みを浮かべた

音の暴力に晒されながら拘束を解こうとしなかったアリスは粉微塵になる手応えがあったが、ラ・ピュセルとキノが分からない

キノはともかく、あれだけのエネルギーを放ったのだ。ラ・ピュセルはまず無事では済むまい。と思った矢先に、呻きながら瓦礫をどけたのは――


 >>直下コンマ一桁

 奇数→キノ
 偶数→ラ・ピュセル


ラ・ピュセル「う、が…………ゲホッ、ゲホッ!」ヨロ

クラムベリー「お久しぶりです」ニコッ

ラ・ピュセル「ッ!?」


クラムベリーはラ・ピュセルの返答を待たず、片手で彼女の首を掴み、持ち上げるえ

呻き声と共に注がれる視線は、最早先ほどまでの戦士のものではない。怯え、竦み、慄いた、キノと同じ小動物のそれだ


クラムベリー「久しぶりにここまで追い込まれましたよ。あなた方の健闘に敬意を払い…………原型もとどめないほどグチャグチャにしてさしあげます」

ラ・ピュセル「が……ぐ、ぁ…………!」

クラムベリー「あなたの次は、あのキノという子…………ハードゴア・アリスは時間をかけてゆっくり痛めつけてあげましょう。どうでしょうか、我ながら良い提案だと思うのですが」ニコニコ

ラ・ピュセル「(コイツの目……狂ってる! アリスの言う通り、こんな奴を、野放しにしちゃ……スノーホワイト………………小雪……)」


 身体能力(59+10)ロール……直下

 成功→キノが起き上がる
 失敗→キノは気を失ったまま


キノ「ク ラ ム ベ リ ー !!」バァン!

クラムベリー「!?」

ラ・ピュセル「キノ!?」

キノ「う、ゲッホ……ゴホ…………私は、まだ、負けてない!」

クラムベリー「無駄だとお分かりにならない?」

キノ「私は、魔法少女……キノ…………魔法少女は、悪を倒す…………悪は、あなただ!」

ラ・ピュセル「!!」

キノ「ラ・ピュセル!」

クラムベリー「個人の善悪を持ち込まれては困りますよ。私からしたら、弱いあなた達こそ悪……ん?」

ラ・ピュセル「そうだ…………僕も……魔法少女だ!!」シュンッ!


立ち上がり様に撃った弾――ラピュセルの『魔法を強化』する弾。クラムベリーにはどうせ当たらない。なら……

ラ・ピュセルの両手に1本ずつ顕現する剣

二刀流をクラムベリーは避けられない


クラムベリー「ギ、あああぁぁ……!!」


ラ・ピュセルの斬撃を片腕で防御したクラムベリーの左腕が落ちる

斬撃は止まらない


ラ・ピュセル「うおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」

クラムベリー「クッ!」


 クラムベリーは……>>直下コンマ二桁

 クリティカル→ラ・ピュセルに倒された
 普通→何とか隙を見つけ、逃げ出した
 ファンブル→???


ラ・ピュセル「まだだぁぁぁ!!」ズバッ

クラムベリー「ぐっ、くっ……私が負ける……? こんな……フフフフッ……!!」ニタァ


その笑みに恐ろしさを感じたキノは急いでラ・ピュセルに耐久力と堅さの強化弾を放つ

勘が当たったのか、クラムベリーは再び――先ほどまでの威力は無い――自身の周りにエネルギーを発生させ、ラ・ピュセルを吹き飛ばした後、キノを見――


クラムベリー「忘れませんよ」

キノ「ッ……!」ビクッ


夜の闇に消えた


キノ「ぁ…………ふぅ……」ヘナヘナ

アリス「……大丈夫ですか?」

キノ「アリス…………うん、大丈夫、だけど…………腰が抜けちゃった」エヘヘ

ラ・ピュセル「こっちの心配は無しか……!」ヨロヨロ

アリス「…………」

ラ・ピュセル「無視、するなぁ……!」ヨロッ

アリス「早く休んだ方がいい」

キノ「そうだね……アリスはいいとしても、ラ・ピュセルが受けたダメージも相当だし……」

ラ・ピュセル「なんの、これしき…………!」

キノ「早く家に帰って、寝よう!」

リップル「なにこれ……」


遅れてやってきたリップルに事情を説明し、ラ・ピュセルをおぶってやるよう頼むまで、キノはまだ生きた心地がしなかった


・・・・・・

~翌日~


結衣は学校に行くだけ行き、帰ると夜は何もしなかった

クラムベリーとの戦いの疲れ……とは言い難いが、何かが尾を引いて残っている

「忘れませんよ」

あの目――好敵手を見つけた嬉しさなのか、腕を持っていかれた憎悪なのか、結衣は推し量れない

だが、ふとあの目を思い出すと、外を出歩くのが怖くなるあたり好意的な目ではなかった


結衣「…………今日は台本読んで寝よう」


そんな折、魔法の端末に届いたメッセージがあった


結衣「ラ・ピュセルから?」


ファヴ「ラ・ピュセルに会いに行くぽん?」

結衣「うん……昨日のこと、色々話したいし、他の魔法少女にも……」

ファヴ「ああー……ファヴはあまりオススメしないぽん」

結衣「え、なにを?」

ファヴ「クラムベリーのことを他の魔法少女に知らせることぽん」

結衣「なんでよ!? あんな奴、皆で倒さないと絶対いつか死人が出る!」

ファヴ「とにかく昨日あったことはキノ、ラ・ピュセル、ハードゴア・アリス……ああリップルはまぁ仕方ないとして、その4人の中の秘密としてとどめておくのがいいぽん」

結衣「ハァーーーーー……聞いてらんない。今からでもチャットルームで――」

ファヴ「クラムベリーはもし昨日の出来事を皆にばらしたらスノーホワイトを殺すと言ってるぽん」

結衣「ッッ!? なにそれ!!」

ファヴ「他の魔法少女にも同じことが伝わってるぽん。まぁもしスノーホワイトを殺してもいいっていうんなら好きにすればいい……とクラムベリーは言ってるぽん」

結衣「…………マジ、最悪……!」


ファヴ「あと、キノ宛てにクラムベリーからの伝言も預かってるぽん」

結衣「……なに…………」

ファヴ「『昨日は楽しかった。いつかまた近いうちに遊びましょう』…………と言ってたぽん」

結衣「くたばれ……そう返しておいて」

ファヴ「キノは尖がってるぽん~」


結衣はキノに変身。魔法の端末を閉じ、いつもの鉄塔へと向かった

鉄塔には、ラ・ピュセルとハードゴア・アリスの姿がある。が、スノーホワイトの姿は無かった


ラ・ピュセル「やぁ……」

キノ「…………ラ・ピュセルにも?」

ラ・ピュセル「ああ。スノーホワイトを盾にされては、私も動けない……」

アリス「……やはり、殺しておくべきでした」

キノ「うん……私も、そう思う…………変だよね。魔法少女が魔法少女を殺すなんて」


言ってから、スイムスイムを思い出すが口に出すほどではない

が、一度現れた不快感はなかなか消えてはくれなかった


ラ・ピュセル「私は、キノとリップルを含めた4人でクラムベリーを倒すべきだと思う」

キノ「4人で……?」

アリス「昨日のことを知っているのは私達だけ……」

ラ・ピュセル「他に頼れる者はいない……どうだろうか」

キノ「…………>>620


 1.そうするべきだ。リップルも誘ってみる
 2.危険すぎる。もっと他にやるべきことがあるはずだ


キノ「……私も、その方が良いと思う。師匠も誘ってみるね」

ラ・ピュセル「そう言ってくれて嬉しいよ」

キノ「でもキャンディーはどうしよう……」

ラ・ピュセル「…………あまり褒められた手段ではないが、ひとつだけ手がある」

キノ「それは……?」

ラ・ピュセル「スノーホワイトに分けてもらうんだ」

アリス「うう……スノーホワイト……」


ラ・ピュセルとアリスが悲しい顔をするのも分かる。スノーホワイトは1人蚊帳の外にされ、その上キャンディーを無心されるのだ。これで快諾したらよほどの聖人だろう

だがクラムベリーの情報を集め、戦いに向けて準備をするにはキャンディー集めをしている暇が無い

キノはラ・ピュセルの通信を待つ間、リップルに誘いを入れた


 幸運(78)ロール……直下コンマ二桁

 成功→リップルは誘いを受けた
 成功→リップルから断られた


キノ『あの、師匠……』

リップル『クラムベリーからの脅しなら知ってる。私も協力する』

キノ『本当ですか!? というか、なんで分かったんですか?』

リップル『このタイミングなら、どうせラ・ピュセル達と一緒にクラムベリーを倒すとかいう誘いだと思った。違った?』

キノ『いえ! 協力してくれて嬉しいです!』

リップル『私としては、キノが賛同したのが意外』

キノ『何でですか?』

リップル『キノはもっと臆病だと思ってた』

キノ『私ってやっぱりそういうイメージあります?』

リップル『気に障ったなら謝る…………とにかく、キノは死なせない。教官として』


ラ・ピュセル「終わったかい?」

キノ「うん。師匠も協力してくれるって」

ラ・ピュセル「こっちもキャンディーの目途はついたよ。スノーホワイトにはかなり疑われてたけどね……でもこうなった以上、嫌われ役も喜んで引き受けよう」


キノ「とりあえず師匠も呼んで、作戦会議をしましょう!」

ラ・ピュセル「ああ!」

アリス「…………私は、今日はスノーホワイトと……」

ラ・ピュセル「お前も行くんだ!」ギロッ

アリス「邪魔をするなら……!」ギロッ

キノ「ああちょっと! 早速チームワークを乱すのはやめてよ!!」


 ラ・ピュセル、アリスと死線を潜り抜け、共に戦う仲間となったことで信頼度が大幅に上がった!

 ラ・ピュセル(06→09)(命の恩人) アリス(03→06)


今日はここまで

そうちゃんの原作での運命の分岐点をクリア(この先どうなるかは不明)
キャンディー集めの代わりに4人(たまに2人か3人)で集まって訓練ができるようになった!
ちなみに、日数が経てば立つほど原作での展開も裏で進んでいきます(数日後にシスターナナがスイムスイムの元を訪問)

明日はお休み


・・・・・・

~山小屋~


クラムベリー「……やはり、片手だとうまく音が乗りませんね」

ファヴ「クラムベリーともあろう魔法少女があんなひよっこ共に後れを取るなんてびっくりだぽん」

クラムベリー「侮りすぎたようです。まぁ、後半はムキになってしまいましたが……ふふ」

ファヴ「その腕、どうするぽん? 再生魔法を持つのに頼めば一発だと思うぽん」

クラムベリー「それもいいでしょうが……あの3人を倒すまではこのままでいますよ。倒した後に、傷跡が残るように再生してもらいましょう。勲章にします」

ファヴ「相変わらずクラムベリーの考えはよく分からないぽん。向こうはキノの魔法でインチキしてるのに怒らないぽん?」

クラムベリー「魔法少女にインチキなんて言葉を使うのはナンセンスです。それに魔法で強化したとはいえ、彼女達は間違いなく強者となった……それが嬉しいんですよ」

ファヴ「生徒が育つのが嬉しいぽん?」

クラムベリー「獲物が増えたのが嬉しいんです」ニヤッ


・・・・・・


3人でリップルに会いに行く道中、キノはリップルと魔法の端末でやりとりをしていた


リップル『やっぱり、キノがそんな恐ろしい相手に立ち向かっていったことがまだ信じられない』

キノ『えー! 私だってやるときはやりますよ!』

リップル『本当に?』

キノ『まぁ……魔法でちょっと色々いじりましたけど』


クラムベリーの放った大爆発の後、朦朧とする意識の中でキノは瓦礫の隙間からクラムベリーに首を絞められるラ・ピュセルの姿を見た

そしてやはり「ああ、勝てない」というネガティブな精神が覆いつくす。だが、キノは怯えながらも考えていた

なんとか自分が立ち上がり、ラ・ピュセルを助ける方法を……ここで逃げてどうする。小さい頃テレビで見ていた魔法少女は敵に背を向けて逃げ出したか。否

右手に銃の感触があった。そうだ、魔法だ。私は魔法少女なのだ。左手をバッグに突っ込み、念じる。「怯えない強い心」を――「戦意の強化」を

1発、込める。だが自分がただ立ち上がっただけじゃ足りない。自分を強化したところで、何もかもがクラムベリーに遠く及ばない

だったらどうする……一か八か、ラ・ピュセルに賭けるしかない。2発目が決まった

自分に1発目を撃ち込み、叫びながら立ち上がる。同時に撃つのは2発目――ラ・ピュセルの魔法を強化する弾だった



キノ『自分でも無我夢中で』

リップル『…………そう』


・・・・・・

~公園~


リップル「それで、なんでここに集まるの……」

キノ「ここって広くて訓練しやすいじゃないですか」

ラ・ピュセル「なるほど……人通りも無いし多少暴れても問題無さそうだ」

リップル「チッ………………キノ」

キノ「はい?」

リップル「……よく立ち向かった」

キノ「えっ、そんな私は……」

ラ・ピュセル「いや、キノの勇気は称賛に価する。もしキノが来てくれなかったら……私はクラムベリー相手にどうなっていたことか……ありがとう」

キノ「そそそそんな! 私なんか!」

アリス「……」

ラ・ピュセル「…………アリスもありがとう」

アリス「ヘッ」

ラ・ピュセル「貴様ァァァ!!」」

リップル「遊ぶなら帰る」

キノ「ああ師匠待ってくださいよー!」


ラ・ピュセル「と、せっかく4人いるんだ。クラムベリーの対策でも考えようか」

リップル「私はクラムベリーと戦っていない……」

アリス「あの魔法は協力……」

ラ・ピュセル「ああ……なんの魔法かは分からないが、とにかく凶悪な魔法だ」

キノ「クラムベリーの魔法……確か」


・見えない剣と盾が使える(超強い)
・なんかすごい爆発が起こる(超強い)


キノ「私達が見たのはこれくらいですよね」

リップル「……分からない」

ラ・ピュセル「私もだ……アリスは?」

アリス「……」フルフル


キノ「クラムベリー自身のことを調べるのは難しそうですね……普段どこにいて何をしているのかも分からないし」

リップル「そうだね…………なら、こちらの魔法を調べよう。ラ・ピュセルとハードゴア・アリスの魔法は?」

ラ・ピュセル「私はこの剣の大きさを自在に変えられる」

アリス「ケガの治りが速い……」

リップル「それは致命傷も?」

アリス「……」コクッ

ラ・ピュセル「致命傷どころか、体がバラバラになっても再生したね」

リップル「……それは使える」

アリス「盾になら、いくらでもなる」

リップル「いいの?」

アリス「スノーホワイトを守るため……」


リップル「私は手裏剣を投げれば百発百中……これは手裏剣に限らず、投げた物ならなんでも」

ラ・ピュセル「遠距離からの攻撃か。キノは…………」

キノ「あ、私はこの銃で撃った弾で色んなものの強化と弱化ができます」


キノの魔法――とにかく何でも強化・弱化ができ、物は勿論人(魔法少女)ですらその対象である。自分にも使える

効果の重ね掛けも可能であり、自分にも使える。魔法少女の魔法を強化する弾を打ち込むと、その魔法の特性が強化される

ただ、どのくらい強化(弱化)できたかは数値化できないため、具体的には分からない。効果時間は8分


キノ「――って感じで……何か気になったことあります? 私自身この魔法、よく分からないことが多くて……」

リップル「>>662

ラ・ピュセル「>>663

アリス「>>664

 ※特に無しでも可


 今日は無しと言ったな、あれは嘘だ けど短いがここまでだ

声の強化を進めれば、
誰の声帯模写だって
可能なのでしょうか?

弾丸は投げ当てるだけでも効果があるのか

別の弾に、魔法強化の弾を当ててから撃てば一発で数発分の効果を発揮できるのか


リップル「その魔法でやろうと思ってやれないことは無さそう……なら、声の模写もできる?」

キノ「声の模写……?」

リップル「例えば、こっちと敵、お互いの姿が見えない時にこちらに誰がいるのか分かりにくくする……とか。キノと思ったらラ・ピュセルだったとかの感じの戦法……まぁ、できなくてもいいけど」

キノ「どうなんでしょう……」

ラ・ピュセル「私はその魔法が、果たして弾丸自体に効果があるのか、銃を介しての前提なのかが気になるな」

リップル「……確かに、もし弾丸そのものに効果があるのなら、私が投げても使える」

アリス「…………」

キノ「アリスは何かある?」

アリス「……弾1発につき、1つしか効果がないのでしょうか」

キノ「えっ?」

アリス「例えば……適当な効果の弾を取り出してその辺に置いてもらって……その弾に『魔法の強化』を撃ち込むと……どうなりますか? 例えば1発に複数発分の効果を込められたり……」

キノ「…………想像もつかない……」


 リップルの発想……↓1コンマ一桁

 ラ・ピュセルの発想……↓2コンマ一桁

 アリスの発想……↓3コンマ一桁

 奇数→できる
 偶数→できない


キノ「とりあえず1つずつ試してみますね。まず声帯模写は………………」

リップル「…………」

キノ「………………どんな強化をすればできるんでしょうか?」

リップル「……声の強化とか」

キノ「じゃあ師匠に『声の強化』を撃ってみますね」バァン!

リップル「      ど     う     ?      」

ラ・ピュセル「ッ!? ぐあああぁぁ!!」ガクッ

アリス「……」パタリ

キノ「」ブクブク

リップル「!?    ち  ょ  、  ど  う  し  ――     」

ラ・ピュセル「喋るなぁぁぁ!! でかいんだよ声が!!! 喋るなぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」

リップル「………………      チ  ッ  !  !  !  !      」

ラ・ピュセル「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!!」


公園の周りの家が騒がしい。どうやら大変な近所迷惑だったようだ

キノは声を強化することで声帯模写はできないが攻撃性を得られることが分かった!


・・・・・・

~裏山~


リップル「チッ……何で公園を追い出されなきゃならない」

ラ・ピュセル「お前がデカい声を出すから、通報されたんだよ! ジャイアンかお前は!? 見つかる前に移動してよかったよホントに!!」

リップル「まさかあんなことになるとは思わないだろ!!」

キノ「うーん……」ムクッ

リップル「……起きた?」

キノ「はっ……師匠…………ここは?」

リップル「裏山。アリスは?」

ラ・ピュセル「私の背中で既に目が覚めていたようだ」

アリス「……あれは、危険です」


キノ「じゃあ続きはここでやりましょうか」

リップル「というか、最初から公園じゃなくてここに集まればよかったんじゃ……」

キノ「ほら、この山名前分からないじゃないですか」

ラ・ピュセル「次は弾は投げても効果はあるのか……だが、どうだろう?」

キノ「どうなんでしょう……じゃあラ・ピュセルさんに『堅さの強化』を投げますね。えいっ!」


キノの投げた弾はラ・ピュセルに当たり、コツンという効果音が聞こえてきそうな軌道で地面に落ちた


ラ・ピュセル「………………」

キノ「どうです?」

ラ・ピュセル「……いや、効果を感じられない」

キノ「あれぇ……?」

リップル「……貸して。私がやってみる」


リップル「ッ」シュバッ


ラ・ピュセルが足元に転がっていた弾をリップルに渡し、再び受けようと仁王立ちになる

リップルはその弾を投げ、魔法を使いラ・ピュセルに命中させた


ラ・ピュセル「おお……! 堅くなった!」

リップル「……やっぱり」

キノ「どういうことですか?」

リップル「弾が命中して効果が発動すると、撃ち込んだ弾はその対象に溶けるように消える。私は今、弾速が最速になるよう意識して投げたから……もしかしたら、銃から撃たれたくらいの速度で命中すれば効果があるのかも」


魔法少女の身体能力は人間のそれと比べて遥かに高い。ピッチャーをすればたちまち世界を獲れるレベルだ。が、それでもキノレベルの肩では銃弾レベルの投球などできない。故にリップルの魔法との相性が良いのだとキノは学んだ


アリス「次は私の考えを……」

キノ「うん。じゃあこの木を使おうか」

アリス「隣り合った2本の木……どうするんですか」

キノ「こっちに堅くなる弾を撃ち込む。そしてもう片方のこっちには……アリスの言った弾を撃ち込む」


まず『堅さの強化』の弾を地面に置き、『魔法の強化』の弾を地面の弾目がけて撃つ。すぐ近くで撃ったため命中

出来上がった『堅さの強化(強化)』と通常の『堅さの強化』を2本の木に撃ち込む


キノ「じゃあ殴ってみて」

アリス「……」ドカッ


まず通常の『堅さの強化』を撃ち込んだ木……アリスのパンチ3発で折れた

次に魔法で強化した方の『堅さの強化』を撃ち込んだ木…………こちらはアリスも手こずった。パンチでは壊せず、最終的にムキになったアリスが蹴りを入れて木をブチ折るまでである


アリス「……どうやらできるみたいですね」

ラ・ピュセル「なるほど……これは凄い魔法だ」

リップル「いざという時、私にも弾を頂戴。銃より効率よく色々できる」

キノ「それは嬉しいんですけど私のアイデンティティが……」

リップル「……よろしく、弾倉」

キノ「師匠ーー!!」


魔法を色々試している内に夜も遅くなってしまっていたようだ。4人は解散し、キノも帰宅した


 4人でキノの魔法について色々考え、キノは色んな発想があるものだと勉強になった! 知力が3上がった!(25)


・・・・・・

~翌日~


「はい、それでは今週の『まれにシスターズ』お相手は……」


結衣「お疲れ様でしたー……」

「ユイちゃん大丈夫? なんか今日無理してる感じあったけど」

結衣「いえ大丈夫です。今日も飛ばしてましたね~!」

「ユイちゃんがローテンションな分頑張らなきゃと思ったしね! まぁ何か悩みがあればいいなよ。それじゃ次の収録でね!」

結衣「はい! お疲れ様ですー!」

結衣「…………はぁ……よし、今日も訓練だ」


キノ、ラ・ピュセル、アリスはスノーホワイトから貰ったキャンディー12000を3等分している。キノの現在のキャンディー数は6000強だ。おそらくこれなら脱落することもないだろう

リップルはというと、スノーホワイトに迷惑はかけられない。と自分で集めている


キノ「(今日も4人で集まるのかな……?)」

キノ「(昨日は私の魔法のことで終わっちゃったから、次は連携? でも4人で連携って言っても相手がいなきゃ意味無いんじゃ……誰かに頼むとか?)」

キノ「(いやいやいや……流石に『倒したい奴がいるからトレーニングの相手になってください』なんて頼めないよ!)」

キノ「(……でもそれしかないよね……いくらなんでも木とか岩じゃとても仮想クラムベリーなんて無理だし)」


 今日は……>>直下

 1.1人で技能訓練
 2.集まって集団訓練
 3.他の魔法少女とコンタクトをとる


キノ「とりあえず師匠に連絡しよう」


キノ『師匠、今用事が終わったので山に行きますねー』

リップル『分かった』

キノ『2人はどうなんでしょう』


 >>直下コンマ二桁

 40以上→ラ・ピュセルだけ来る
 50以上→ラ・ピュセルとアリスも来る


ラ・ピュセル『済まない、スノーホワイトから色々聞かれてて……少し遅れる』

アリス『スノーホワイトを見るので遅れます』

ラ・ピュセル『お前は早く行け!!』


・・・・・・

~夜・裏山~


アリス「というわけで私だけ来ました……」

リップル「ハァーーー……」

キノ「あ、あはは……ラ・ピュセルはうまく言い逃れられたらいいんですけど」


リップル「ラ・ピュセルが来るまでに今日は何をするか決めておこう」

キノ「とりあえず連携の強化じゃないですか?」

アリス「……どうやって、でしょうか」

キノ「…………どうやってだろう?」

リップル「チッ……考えよう」


 知力(25+10)(3人で考えるためさらに+10)ロール……直下コンマ二桁

 成功→連携強化メニューを考える
 失敗→どうすりゃいいのよ……


 05……クリティカル!


キノ「…………あ、そうだ!」

リップル「なにかいい案が?」

キノ「前に貰っただいほ――マンガに、こんな感じの状況があったんですよ! チームワークを鍛えるシチュエーションが」

リップル「漫画頼み? まぁ他に思いつかないから言ってみて……」

キノ「はい、まず――」


 クリティカル報酬 知力+1(26)


ラ・ピュセル「済まない、おまたせ」

キノ「大丈夫でしたか?」

ラ・ピュセル「ああ……まぁキャンディー寄越せってことに関してはもう頭を下げるしかなかったね……理由はまぁ、聞かれたら困るから言ってないけど」

アリス「……それ、まずい」

キノ「確かスノーホワイトの魔法……」

ラ・ピュセル「大丈夫! 終始『理由を聞かれたら困る』としか考えていない!」

リップル「本当に?」

ラ・ピュセル「以前にも似たような状況があってね、私は彼女に知られては困ることがあったが、その時もスノーホワイトには『知られたら困る』という声しか聞こえないようだった」

キノ「前にも隠し事をしてたんですか?」

ラ・ピュセル「………………」カァァ

アリス「女騎士の孤独な戦い……」ボソッ

ラ・ピュセル「何か言ったか?」

アリス「何も……」


アリス「……私はやっぱり、心配です……スノーホワイトを1人にしておくのは……」

ラ・ピュセル「一応襲われたらすぐ連絡するよう言ったが……」

キノ「なにかあったんですか?」

ラ・ピュセル「先週のことさ。ルーラ達が襲い掛かって来たんだ」

キノ「ルーラ……!?」

ラ・ピュセル「私とアリスで撃退したんだが、不意を突かれて……スノーホワイトのキャンディーを半分も奪われてしまった」

キノ「…………」

ラ・ピュセル「それなのに何故かルーラが脱落するし、キャンディーが皆に配布されてるしで訳が分からないんだけどね」


ルーラ達は脱落者発表ギリギリまでキノを探していたが、結局見つからず急遽スノーホワイトを狙ったということを、ここにいる誰もが知らないことだ


ラ・ピュセル「よし、気を取り直して訓練といこう!」

キノ「……ふっふっふ」

ラ・ピュセル「どうした?」

キノ「なんと、いい感じのトレーニングメニューを思いついたという驚愕の事実が!」

リップル「早く教えてやって。時間の無駄」

キノ「はーい……」


 キノの考えた(台本参考)メニューで4人の連携がアップした!


ラ・ピュセル「よし、キノ!」

キノ「はい!」バァン!

ラ・ピュセル「……ん?」

キノ「あ、ごめんなさい」

リップル「本番で外したらどうなるか分かってる?」

キノ「はいぃぃぃぃ……」

キノ「(じゅ、銃の腕磨いておかなきゃ……あとリロードも速くなれるように……)」


ラ・ピュセル「じゃあ次は私が仮想敵だ」

アリス「!!」ブォン

ラ・ピュセル「うわぁ!? お、お前本気で来たろ!!」

アリス「トレーニングとはいえ、やるからには……ひひ」

ラ・ピュセル「貴様ぁぁ……!! その笑いを消してやる!!」

キノ「(あっちはあっちでガチバトルだ!!?)」


・・・・・・

~翌日~


結衣「マジスタの収録終わり! 明日は脱落者発表の日か…………よーし、へんしーん!」パァァ

キノ「…………1回やってみたかったんだよね、変身の掛け声」

キノ「師匠とかもやるのかな?」


キノ『師匠、師匠』

リップル『なに?』

キノ『師匠は変身するときにポーズとか掛け声とかやりますか?』

リップル『今日は覚悟しろ』


キノ「ええええええぇぇぇ!!?」


 今日は……>>直下

 1.個人で技能訓練
 2.集まって集団訓練


キノ『今日はちょっとやりたいことがあるので私はパスで!』

リップル『逃げるな!』

キノ『じゃ!』

リップル『たとえどこにいようと首根っこ掴んで連れて行くからな』


キノ「」

キノ「だ、大丈夫……大丈夫…………」


向かう先は皆が集まる裏山ではなく、敢えて公園だ

ネット通販で買った電動ハンドガンで射撃練習もできるし、ひたすら弾をマグナムに込めるリロード練習もできる


 どっちをやる?……>>729

 1.射撃練習
 2.リロード練習

 そのレスのコンマ二桁で身体能力(59+10)ロール

 成功→上手くなった
 失敗→向いてないかも……

1


 21……成功!


キノ「よし、これで、あそこの壁にスプレーで的を書いて…………と」


まるで悪ガキのやっていることだが、後でちゃんと消せば魔法少女的に±0だよね? と心の中で言い訳し、的を書いてまずは10歩離れる

電動ハンドガンの弾倉内にはいつもの長身マグナムより多くの弾が入っている


キノ「これなら弾もいっぱい撃てるし……!」パァン

キノ「やった、真ん中! とりあえず10回連続で当てられたらもっと距離を……」パァン


キノ「……んー……でも、立ち止まってよく狙えば当たるのは当たり前じゃない……?」

キノ「戦ってる最中に立ち止まってる暇は…………よし」


30歩離れたところまでやっと気付いたキノは再び10歩の場所まで戻る。今度は走りながら……当たらない


キノ「くううう……! 死ぬ気で当てないと後で師匠から……って、師匠はここにいないんだった」

キノ「師匠ビックリするかなぁ……急に私が上手くなってたら……ふふっ」

キノ「よーし、頑張ろう!」


 キノの射撃の腕が上がった!
 これから射撃時の身体能力ロールのみ、+5されます


リップル「ったく……ラ・ピュセルとアリスも来なかったし……キノはどこに…………ん?」


キノ「とぉー! たぁー!」

キノ「よ、よし……ジャンプしながら……」ゼェゼェ

キノ「あ、弾が足りない。補充補充」

キノ「次は起き上がりながら……!」


リップル「…………帰ろう」


 リップルの信頼度が上がった!(07→08)


・・・・・・

~翌日~


キノは収録を終え、公園へと向かう

スノーホワイトもトップスピードも、クラムベリーのことを知らない。キノ達の最優先ターゲットがクラムベリーであるように、彼女達はこの日がもっとも恐れる日だ

流石に1人にはさせられない。とリップル達はそれぞれのパートナーのもとへ向かうことを選んだ

キノももちろん、リップルと共にトップスピードと合流する


ファヴ「今週のビックリドッキリ脱落者発表の日だぽん!」

トップスピード「さて、今週はどうなることかねぇ……」

キノ「うう……」

リップル「……」


ファヴ「と、実は今日はいいお知らせが2つと悪いお知らせがあるぽん」

トップスピード「ん? なんだろうな」

リップル「さぁ」

ファヴ「まずいいお知らせから! なんと皆の為に魔法のアイテムを用意したぽん!」


魔法の端末の画面に、5つの項目が現れる。アイコンと説明文でどんなものかは分かるが、その右下にある数字は……課金アイテムなのだろうか


ファヴ「四次元袋、透明外套、武器、元気が出る薬、兎の足の5つだぽん!」

トップスピード「おっ、気前いいなぁ! って、喜ぶべきか?」

リップル「……どうだろう」


 今週、スイム組は他の魔法少女を……直下コンマ一桁

 奇数→襲った
 偶数→襲わなかった

スノーホワイトとはそうちゃんが連絡取ってるだろうし
シスターナナ組かマジカロイドか


ファヴ「次に悪いお知らせだぽん。マジカロイド44が通り魔に襲われて死んでしまったぽん。悲しいぽん、辛いぽん」

ファヴ「あと、クラムベリーもまた通り魔に襲われて左腕を失ってしまったぽん」

ファヴ「あっちなみにこの2人はまったく関係ないと言っておくぽん」


トップスピード「!?」

キノ「えっ……!?」

リップル「……!」


キノの頭の中にクラムベリーの姿がよぎる。まさか彼女があの後か前にマジカロイドを……だがファヴは関係ないと言っている。ならば他の誰かが……

ふと、クラムベリーの次に脳裏に姿を現したのは、スイムスイムのあの狂った言葉だった

「魔法少女の戦いの中で生き残った方が、よりお姫様っぽいかなぁって」


キノ「(戦いの中で……ということは、あの人は魔法少女同士で戦うことに躊躇しない……でも、本当に……? 分からないよ……)」

リップル「キノ」

キノ「っ……」

リップル「落ち着いて。何を考えてるのか知らないけど、私達は無事。いいね?」

キノ「は、い……」


ファヴ「2つ目のいいお知らせだぽん。マジカロイドが死んでしまったので、今週の脱落者は無し! 皆命拾いしたぽん~」

トップスピード「ふざけんな!」

ファヴ「あ、あとさっきのアイテムだけど~魔法少女育成計画は完全無課金。もちろんお金は取らないぽん」

キノ「えっ? じゃあこの数字は……」

ファヴ「寿命だぽん」

トップスピード「…………もう言葉も出ねぇよ……クソが!」

ファヴ「それぞれ先着1名なのでご利用はお早めにぽん。シーユー!」

リップル「キノ、駄目だ」

キノ「…………」


 キノはアイテムを……>>752

 1.買った(アイテム名も記載してください)  
 2.買わなかった

 買う場合、そのレスのコンマが奇数なら買えます。偶数だった場合は既に買われていました

仲間のいない魔法少女クラムベリー、メアリ、マジカロイドの中で一番狙いやすい相手か

2


キノ「……!」


買えるわけがない。寿命が縮むなんてゴメンだ

そもそも魔法少女育成計画はソーシャルゲームで、現実じゃない。ゲームに寿命を使うなんて……いや、現実だろう。クラムベリーを忘れたか。でもゲームで死ぬなんておかしいにもほどがある。何を言っているこれは現実だ。殺されれば死ぬし寿命も縮む。殺されないために武器なりなんなり……ああもう分からない


リップル「キノ!」

キノ「っ……師匠……」

トップスピード「震えてたぞ」

リップル「買わなくていい。そんなもの」

キノ「…………は、い……」

たまから奪えば良い


トップスピード「大丈夫か?」

キノ「はい……」

トップスピード「ハァーー……にしても、マジカロイドが死んじまって、クラムベリーがねぇ……左腕失うって……クラムベリーが何したってんだよ」

キノ「っ……」

リップル「……」

トップスピード「ん? どうした?」

リップル「いや……トップスピードは気にしなくていい」

トップスピード「なんでだよ!? 一緒に魔法少女やってる仲間みたいなもんだろ!?」

リップル「マジカロイドなんて1回箒に乗せたくらいの仲だろう……ましてやクラムベリーも、話した回数なんて片手で足りるんじゃないの?」

トップスピード「そりゃ、そうだけどよ……!」

リップル「気にすることは無い。私達は無事。それでいい」

トップスピード「……ああ、そうだな…………最近よくどこかに行ってるリップルも無事だもんな」

リップル「っ、それは……」

トップスピード「なぁリップル、言ってくれ。俺と組んでるの、やっぱり嫌か?」

リップル「…………別に、そんなことはない」

トップスピード「……そっか! ならまぁいいんだけどよ。何してるかは知らねぇがあんまり無茶すんなよ? 俺の知らない所でヒッソリ死んじまったら泣くに泣けないからな」


・・・・・・

~王結寺~


ミナエル「いや~うまくいったね!」

ユナエル「ホントホント! スイムちゃんマジキラー」

たま「怖かった……」

スイムスイム「確かにマジカロイドがあんな武器を持っているとは思わなかった。だけど倒した」

ミナエル「皆で羽交い絞めにして……うう、スイムちゃんの凶悪な攻撃を今でも思い出すよ」

スイムのことをみんなに話してないのは忙しかったからだよね


・・・・・・

~回想~


マジカロイドに会いたい旨を伝えて誘い出すのは簡単だった。1人でのこのこと王結寺に現れたマジカロイドを、スイムスイム以外の3人で羽交い絞めにする作戦を決行した

彼女の右腕にはなにか糸のようなものが装備されており、その攻撃をなんとか避け、3人がマジカロイドにしがみつく


マジカロイド「何をスルのデス!? 放しなさイ、コラ!」ジタバタ

ミナエル「3人に勝てるわけないだろ!」

たま「動かないで~!」

ユナエル「右腕塞いだ! スイムちゃん!」

スイムスイム「ん……」グシャッ


ノーガードのマジカロイドの胸の中に腕を潜り込ませ、内部で魔法を解く。スイムスイムの右手はマジカロイドのコアパーツなのか心臓なのか分からないが、とにかく手元にあった部位を思い切り握りつぶした

マジカロイドは口から血を吐いて絶命し、スイムスイムの手には大量の血の跡が残される。だが、死体には傷ひとつないという不思議な状態だった


・・・・・・


スイムスイム「武器も手に入れた……」

たま「でも、本当にいいの? 25年分のこれ……貰っちゃって……」

スイムスイム「たまは5年捧げてくれた。だからそれはたまにあげる。だからこの武器は私がもらう」

ミナエル「ううぅー……真っ先に25年の透明マント買われちゃ、3年分の元気が出る薬も買わざるを得ないよね……」

ユナエル「そうそう。御恩とほーこーだよ」

ミナエル「人の寿命だと思って!」

ユナ「ねぇスイムちゃん、その武器名前付けられるんでしょ? なににするの?」


・・・・・・

~翌日~


今日も今日とて収録を終え、公園で少し練習をし、時間が来たら裏山に集まる

まだ1週間と経っていないが、クラムベリーを倒すまではこれらを日課にするしかない

だが今日はラ・ピュセルとアリスは休みだという。一応理由を聞いてみたところ、シスターナナからの呼び出しがあったとのことだった


キノ「なんでしょうね、呼び出しって」

リップル「私達は呼ばれていないが……あのシスターナナの性格からして、呼び出した理由は想像がつく」

キノ「えっ?」

リップル「ラ・ピュセルは、ルーラ達にスノーホワイトがキャンディーを奪われたことをシスターナナに話していたみたい。それに明らかに戦うためのアイテムの追加、マジカロイドの死にクラムベリーの負傷……あのお節介焼きは、絶対出しゃばると思った」

キノ「???」

リップル「チッ、とにかく、うさんくさい奴ってこと」

キノ「でもシスターナナは悪い人じゃ……本心から皆を心配してそうですけど」

リップル「それが嫌なんだよ……」


リップル「だから、今日はもうトップスピードと合流してキャンディーを集めようかな」

キノ「そうですか……」

リップル「……キノはどうする? 一緒にくる?」

キノ「私は……>>767


 1.リップルと一緒に行く
 2.シスターナナのところに行く
 3.1人で技能練習

「クラムベリーにいったい何があったのでしょうか?」への反応で視方になるかどうかは判る


キノ「私は、シスターナナのところに行ってみます」

リップル「えっ?」

キノ「シスターナナと一緒にいるウィンタープリズン、かなり強いみたいですし。私達の訓練の相手にできたらいいなぁって」

リップル「なるほど……分かった。それじゃ」

キノ「はい!」


キノ『私もシスターナナのところに行きたいんだけど』

ラ・ピュセル『えっ、君もかい?』

キノ『ダメかな?』

ラ・ピュセル『もう今会ってるから、合流してもいいか聞いてみよう』

キノ『お願いします』

ラ・ピュセル『こっちに来てもいいって。場所は――』

練習相手も何も向こうだってクラムベリーには襲われてるんだからそれを聞き出せばいい
クラムベリーの魔法もわかる


・・・・・・

~廃スーパー~


建物の中にはシスターナナとウィンタープリズン、それとラ・ピュセルとアリス、スノーホワイトの姿があった

どうやらラ・ピュセルがいい感じに説明してくれたようで、キノは来るなりナナに両手を握りしめられた


ナナ「まぁ、来ていただきありがとうございます、キノ」ニギッ

キノ「い、いえ……(師匠にああ言われたから、つい身構えちゃう……)」

ナナ「私としては、1人でも多くの魔法少女が賛同してくれればと思っているので、リップル達にもいつか言おうと思っていたんです」

キノ「そうだったんですか。それで考えって……」


シスターナナは自分の考えを余すことなくキノに伝える。スノーホワイトがキャンディーを奪われた件を悲しんだことから、運営に言っても取り合ってくれず、このままでは本格的にキャンディーの奪い合いの戦いが起こる。それは阻止したい、と


ナナ「キノも協力してくれるなら心強いです。リップル達にも、キノから言っていただければ……」

キノ「そ、そうですね……言っておきます。そこの3人も協力を?」

ナナ「はい。カラミティ・メアリと森の音楽家クラムベリーは、残念なことにいい顔をされなかったのですが……」


ナナの後ろで控えていたウィンタープリズンが嫌な顔を隠そうとしない。何かあったのだろうか、と思う前にキノは1つの単語に反応した


キノ「ッ、クラムベリー……!」

ナナ「はい……それどころかクラムベリーは……」

ウィンタープリズン「ナナ」

ナナ「……あっ、すみません。今のは忘れてください……」

キノ「……?」


ナナ「なんでもないんです。それでは、私達はこれで」

キノ「どこかに行くんですか?」

ナナ「これから、キノ達のように同志になってくれるかもしれない方達のところに言って、話してみようと思います」

キノ「そうなんですか」

ラ・ピュセル「私達もこれで」

スノーホワイト「今日こそは一緒にキャンディー集めてね!」

ラ・ピュセル「わ、分かってるよ」

アリス「怒ってるスノーホワイト……」ウットリ

ラ・ピュセル「すまない、どうやら心配を通り越して怒られたようで」ヒソヒソ

キノ「あ、いいですよ」ヒソヒソ

スノーホワイト「キノも一緒に?」


 知力(26+10)ロール……直下コンマ二桁

 成功→シスターナナを呼び止め、誰と会うのか聞く
 失敗→シスターナナを呼び止め、クラムベリーについて聞く

11


キノ「あ、私シスターナナにまだ用があって!」

ラ・ピュセル「そうだったのかい? なら仕方ないね」

スノーホワイト「そっか……じゃあ行こう。またねキノ」

キノ「うん、またね!」


スノーホワイト達と別れ、急ぎ足でナナ達を追う

キノには疑問があった。スノーホワイト達、リップル達、カラミティ・メアリ、クラムベリー、そして自分……それ以外の魔法少女とは誰か、考えてみればすぐ分かる

そしてその相手は、おそらくクラムベリーを除けばもっとも恐るべき相手なのだということも


キノ「いた! シスターナナ!」

ナナ「あら、キノ?」

ウィンタープリズン「どうしたんだい、そんなに急いで」

キノ「あっ、あの! これから会う魔法少女って……」

ナナ「はい、スイムスイム、ミナエル、ユナエル、たまの4人ですが……まだ固まって活動しているとのことだったので」

キノ「それはまずいです!」

ウィンタープリズン「……どうしてだい?」

キノ「あの、スイムスイムは……ルーラを……!」


キノは話した。自分が見た王結寺での光景、スイムスイムの言動、ルーラは謀殺されたということを


キノ「だから、スイムスイム達は危険なんです! ノコノコ会いに行ったら不意打ちでもされかねません!」

ウィンタープリズン「その話が本当なら、スイムスイム達こそキャンディーの奪い合いを加速させることになっているということか……」

ナナ「まぁ、なんてこと……!」

キノ「だから、あの人達に話なんて……」

ナナ「いけませんわ……すぐに行って説得しなければ!」

キノ「――は?」

ナナ「彼女達がキャンディーを奪うというのなら、それを止めさせなくてはいけません。そうすればこの事態はもっと平和になるはずです!」

キノ「い、いやそうなんですけど……」

ナナ「大丈夫、いざという時にはウィンタープリズンが守ってくれますから」

ウィンタープリズン「ああ。心配はいらない」


キノ「(ええぇぇぇー!? 知ってる上で真正面から行くの!?)」

キノ「(それはまずいよ……下手したら2人とも…………)」

キノ「(……でも、ウィンタープリズンがいるかぁ)」

キノ「(いやいやいや! いくらウィンタープリズンが強くても数で劣ってる!)」


キノ「お、お願いですシスターナナ、行くのはどうか……」

ナナ「ありがとうございますキノ、これで目的の達成に近付けそうです」

キノ「(ああもう人の話を聞けー!!)」

キノ「………………どうしても……」

ナナ「?」

キノ「どうしても行くって言うのなら……>>785


 1.力ずくでも止めます!
 2.私も連れて行ってください!
 3.なんとか説得する

3


キノ「(力ずくでって思ったけど私にそんな力無いし襲い掛かったらウィンタープリズンに殺されそう!)」

キノ「(でも、ここで行かせたらなんか絶対ダメな気がする!)」

キノ「(なんとか説得しないと!)」


キノ「お願いします! どうか考え直してください!」

ナナ「……何故そこまでスイムスイム達に会わせないことにこだわるのですか?」

キノ「さっき言った通りです! それに、2人にはこちらからも用があるんです!」

ウィンタープリズン「用とは?」

キノ「>>直下」


 1.素直に言う
 2.ぼかす

キノナナの二重強化と原作以上の奇襲警戒があればアイテムを奪うチャンスだったかも?


キノ「その……私、いえ、私達は……ある目的の為に強くならなきゃいけなくて……その為に、2人の力も借りたいんです」

ナナ「……魔法少女は強くある必要があるのですか?」

キノ「人助けをする限りは必要は無いでしょうが……私達には、必要なんです」

ウィンタープリズン「私達、とは?」

キノ「……師匠――リップル、ラ・ピュセル、ハードゴア・アリスと私、4人で……その、ちょっと色々あって」

キノ「(うう……クラムベリーの事は言えないし、どうしたら……)」


 幸運(78)ロール……直下コンマ二桁

 成功→ウィンタープリズンが察してくれる
 失敗→知力26は口下手

察して


 86……失敗


ウィンタープリズン「君の言うことは分かった。その4人はある目的の為に強くならなければいけない。だが、その目的とは?」

キノ「う……あの、その……」

ナナ「……私達に言えないこと、ですか?」

キノ「………………」

ウィンタープリズン「……ハァ、時間の無駄だ。行こうナナ」

ナナ「待ってください」

ウィンタープリズン「ナナ?」

ナナ「キノ、あなたのその真摯な態度から、今日スイムスイム達に会いに行くのは考え直します」

キノ「ッ! じゃ、じゃあ……」

ナナ「しかし、彼女達が何かをした場合は……その限りではありません。私とウィンタープリズンで説得に赴くでしょう」

キノ「う……」



ナナ「そしてあなたの、私達の力を借りたいという話……私にはそちらの方が危険に思えてなりません」

キノ「そんな! 私はただ……」

ナナ「申し訳ありませんが、私達魔法少女の力は人を助けるためにあり、強くなるためにあるものではありません。そのお話は聞かなかったことにします。それでは」

キノ「…………うう……」グスッ


キノ「(駄目だ私……もしかしたら、ラ・ピュセルとアリス……師匠にも迷惑がかかっちゃった……)」

キノ「ごめんなさい……師匠……」


・・・・・・


カラミティ・メアリは自身のアジトとするビルの一室で酒を飲んでいた。すり寄って来たマジカロイドが無様に通り魔などに殺されてしまい、少しご立腹なのだ。いや、本当に通り魔か?

ファヴに聞いてみても、チクリ魔は嫌われるの一点張りだ。ならばどうするか……あとに残るのはあの魔法少女――リップル

寿命と引き換えにした四次元袋をいじりながら、メアリは笑う


メアリ「…………フッ、まぁいいさ」

メアリ「なぁファヴ」

ファヴ「なんだぽん?」

メアリ「あの小娘に誘いを入れな。パーティーの招待状をね。近いうちに決着とやらをつけようじゃないか」

ファヴ「リップルをどこかに呼び出すぽん?」

メアリ「そういうことさ。待ち合わせ場所は――」

メアリ「(あのギラついた目……私を恐れない目…………気に入らない。くりぬいて飾ってやるよ、お嬢ちゃん)」

じゃあ今からシスターナナが来ると思って地下で待ち伏せしてるたまを撃ちに行こう


今日はここまで

知力については、知力です。統率武力知力政治の知力です。思考力判断力発想力その他諸々を総合した値です。人間生活での知性はそれなりですが、魔法少女としては26です
つまりキノはバッテリーをバッテリーだと判別できず物語が進むにつれゴリラや原始人以下のオツム……ということはありませんが、ここで皆さんが考えてる魔法のすげえ応用はなかなか思いつきません
基本的にリップルをはじめとした知力そこそこ以上勢が助言……極論を言うと常にプフレと通信をしてないと応用はなかなかできないです

そしてこれは魔法少女育成計画なんだぽん生ぬるくはないぽん


今からリップルと一緒にメアリを撃ちに行ってトップスピード死亡か

>>756
トップスピード「なぁリップル、言ってくれ。俺と組んでるの、やっぱり嫌か?」

リップル「…………別に、そんなことはない」

トップスピード「……そっか! ならまぁいいんだけどよ。何してるかは知らねぇがあんまり無茶すんなよ? 俺の知らない所でヒッソリ死んじまったら泣くに泣けないからな」


これはフラグではないから大丈夫
屋上のメアリを警戒しながら階下のスイムを警戒するにはビルごと破壊しかないかな

弾丸は対象にぶつかった時点で消えるみたいだし相殺じゃない?


思ったんだけどメアリのテロ中にキノ達の先制攻撃で潜んでるスイムを倒したとしてそれをシスターナナに知られたらそのまま敵対?


・・・・・・

~翌日~


「ねぇ結衣、週末暇?」

結衣「週末?」

「秋子達とさ~、ボウリング行こうって話になったんだけどやっぱ結衣いないと盛り上がらないって思って」

結衣「…………」

「それとも仕事とかあるかな?」

結衣「……ううん、いいよ! 行く行く!」

「マジ!? 助かる~!」

結衣「(たまには……現実に戻ってもいいよね)」


・・・・・・

~スタジオ~


結衣「(今日は結構出番多いな……マジカル・スターリンとのやりとりが主だ)」


結衣「車はアメリカで生まれました! 日本の発明品ではありません、我が国のオリジナルです!」

「フランスで生まれたんだ! この歴史的バカモンが!」

結衣「少し遅れをとりましたが今や巻き返しの時です!」

「キャディラックは好きだ」

結衣「キャディがお好き? 結構、ではますます気になりますよ!」


結衣「(調子は大丈夫……噛んでないし間もいい感じ。仕事に支障がなくてよかったぁ……って、なんで魔法少女が車売ってるの?)」


・・・・・・


学校に居たり、仕事をしているとあの時間を忘れられる。忘れてはいけないものだと分かっていても、命を懸けた戦いを忘れるという時間は、結衣にとって縋るべき藁だった

そもそも、本当に殺されたら死ぬのだろうか、という考えすらある。自分でも何を思っているのか分からないが、自分の目の前で魔法少女が殺されたわけではない。アリスのアレはこの際、棚にあげておくが――

ルーラを思い出す。あれはルーラ本人だろうスーツの女性をお姫様抱っこして運んでいたスイムスイム。あれは言い訳ができない。現実だ。が、魔法少女の状態で死んだわけではない。そもそも、認めたくない……

こうして普通の生活をしていると、死と隣り合わせの魔法少女なんて嘘で、やっぱり本当はゲームの中の話なんじゃないかという思いが膨らんでいた……いや、そうであってくれという無意識の願いが結衣の考えをうやむやにするまであったのだ


収録を終えて電車を使って帰る。キノに変身してすぐさま帰るという手段は捨て難いが、クラムベリーがどこから狙ってくるか分からないのでなるべく1人では行動しない。というのが4人の間での決まり事だ

規則的なリズムに揺られながら、結衣は一番前の車両で椅子に腰かけていた


結衣「(あーあ……変身すればすぐなのに)」

結衣「(今日はどうしよっかな)」


 今日は……>>直下

 1.1人で技能訓練
 2.集まって集団訓練


・・・・・・

~裏山~


キノ「こんばんは」

リップル「……」シュッ

キノ「おわっ! っとと」

リップル「……少しはマシか…………だけど、それじゃぁ……」

キノ「うう……不意打ちはズルイですよ……ああはい分かってます。敵は不意を突いてきます」

リップル「……キノには避けるトレーニングも必要かもしれない」

キノ「えっ?」


 今日は……直下コンマ二桁

 40未満→2人は来なかった
 40以上→ラ・ピュセルだけ来た
 50以上→アリスも来た


ラ・ピュセル「おまたせ」

アリス「……」

リップル「来たか……2人とも、今日はチームワークと同時に、キノを重点的に鍛えようと思う」

ラ・ピュセル「キノを?」

リップル「私達のチームの要はキノだから」

キノ「ええっ!? ちょ、師匠それはないですよ!」

リップル「いいや。そもそもキノの魔法で強化しなければ、そこの2人はとっくにクラムベリーに殺されていてもおかしくないし、戦い方もキノの魔法頼りなところもある」

ラ・ピュセル「まぁ確かに、強化されてるから心置きなく敵に突っ込めるというのはあるが……」

リップル「だから、クラムベリーもキノを重点的に狙ってくる可能性は高い。キノがやられたら、私達は瓦解する」

アリス「……」コクッ

キノ「ええぇぇぇーー……」

リップル「今日はキノにしぶとくなってもらう。3人でキノを追い立て、キノは逃げる」

キノ「そ、そんなぁ!」

リップル「私達はキノが教えてくれたチームワーク訓練のようにやればいい。今回の仮想敵は木でも岩でもない。動く標的……キノ」

上手に敵の機動を阻害しましょう


ラ・ピュセル「なるほど、大体分かった」

アリス「キノを倒す」

リップル「キノは弱い……念のため、私達の攻撃力を弱くしておいて魔法が切れるまでの8分間を1セットとしよう」

キノ「うう……やらなきゃだめですか……」

リップル「駄目。じゃあ弱化の弾を貸して」

キノ「絶対本気で来たら駄目ですよ!? 弱化の弾をさらに強化して超弱化の弾にしておきます!」バァン!

リップル「本気で行かなきゃキノは逃げないでしょ。2人とも、本気でキノを倒すつもりでかかって」

ラ・ピュセル「了解だ!」

アリス「……」コクッ

キノ「ううー…………あ! そうだ! 3人での連携ってやっぱり不完全じゃありません!? 私達4人チームですよ!」

リップル「キノは私達3人と一緒に敵に近接戦を仕掛けるの?」

キノ「…………」

リップル「決まり。じゃあ、始める」シュッ


リップルが攻撃力超弱化の弾を3つ、空中に投げ、魔法で自分を含めた3人に当てる。ゲームスタートだ


 身体能力(59+10)ロール……直下

 成功→キノは3人の攻撃をなんとかしのぐ
 失敗→ズタボロ

68


 08……クリティカル!
 クリティカル報酬により身体能力が1上がった!(60)


リップル「ッ」シュバッ

キノ「ひいいいぃぃ!!」

リップル「私の魔法は分かっているだろう!」

キノ「そ、そうだ……避けても追ってくる……なら弾くしか…………じゅ、銃で!」キィン!

ラ・ピュセル「そちらばかりに気を取られていていいのか?」ブォン

キノ「うわあぁぁあ!!」

アリス「……」ドゴォッ

キノ「あああああああああああああぁぁぁぁぁ!!!!」ヒョイッ


ラ・ピュセル「意外と避けるじゃないか」

リップル「2人とも、8分を過ぎてもキノを狙って」

アリス「それだと……」

リップル「弱化のセーフティーがあると分かっていれば、キノの心にも余裕が出てくる。プラス2分……10分1セットだ」

ラ・ピュセル「鬼教官か…………分かった。キノのためだ」


キノ「8分経ったでしょ! ストップ! ストーップ!!」

リップル「ッ」シュバッ

キノ「うわあああぁぁぁぁぁ!! 師匠ーー! 終わり終わりー!!」

アリス「……」ゲシッ

キノ「あうっ!?(足掛け……いつのまに!?)」

ラ・ピュセル「はぁぁぁぁーーーっ!!」

キノ「ぎゃああぁぁぁぁぁぁーーーーー!!」


ラ・ピュセルの剣がキノの目の前で寸止めされる。リップルの手裏剣は目くらましで、アリスが音も無く接近、隙を作りラ・ピュセルが叩き込むという戦法は見事にキノに決まったのだった


リップル「さっき言い忘れたけど、本当は10分1セット。あとこれからは超弱化の弾なんて使わない」

キノ「えっ!?」

リップル「死ぬ気で逃げないと、本当に死ぬかもしれない。はい、次のセット開始」シュバッ

キノ「ああああぁぁぁぁーー!! 師匠のアホー!! 鬼ーーー!!」


10セット終え、キノが息も絶え絶えに膝をつく

リップルの手裏剣を弾き、アリスの奇襲を看破し、ラ・ピュセルの本命の攻撃を避ける。単純なようで、その3つのプロセスが延々続くのだ。「戦う魔法少女」3人に追い立てられ、キノは生きた心地がしなかった。いや、本来の訓練ならまだ気楽にいけただろうが、リップルのアドリブが最悪だった


リップル「……うん、いい感じ。これを毎回やろう」

ラ・ピュセル「キノは本当にすばしっこいな……3回くらいしか当てられなかった」

アリス「大丈夫ですか……?」

キノ「む、むぅ~りぃ~……」ゼェゼェ


 リップルの鬼指導によりキノの避けスキルが上がった!
 これからは避ける(逃げる)時の身体能力ロールにのみ+5とクリティカルによりさらに3追加し、+8されます

 キノはいいサンドバッグだ!3人の連携が上がった!


リップル「……今日はここまでか」

ラ・ピュセル「ああ。キノもそろそろ……」

キノ「」

アリス「起きてください」

キノ「ううううう……」ヨロッ

リップル「明日はもっと激しく攻撃しよう」

キノ「か、勘弁してくださいぃー……」

リップル「死にたくないでしょう?」

キノ「うぁぁぁ……はい…………」


 リップルは後輩を指導する楽しさを覚えた!リップルの信頼度が上がった!

 リップル(08→09)

殴り返してもキノの攻撃は一撃必殺だよ
末端に当たっても欠損じゃすまない


・・・・・・

~翌日~


今日も今日とて訓練訓練だ


キノ「そういえば、あの魔法のアイテムって結局誰か買ったんでしょうか?」

リップル「全部売り切れになってたから誰かしら持ってると思う」

アリス「私は、買いました……」

キノ「ええっ!? よく寿命払ったね……」

アリス「スノーホワイトのため……兎の足を、買って、あげました」

ラ・ピュセル「よくやるよ……」

アリス「私は、ラ・ピュセルとは違って、人生捧げてます」ニタァ

ラ・ピュセル「なっ、何故そこでこっちを引き合いに出す!? 僕だってスノーホワイトはなぁ!」

キノ「(僕??)」

リップル「はい、今日もキノを倒す。キノは反撃してもいいからね」

キノ「そんな余裕があったらいいんですけどね……」


ラ・ピュセル「いくぞ! はぁぁぁ!!」

キノ「くっ……反撃、反撃……できないぃ!!」

アリス「……」ゲシッ

キノ「っとと! もう喰わないし!」

キノ「(とりあえず林の中に逃げて身を隠して、魔法で……!)」


リップル「遅い!」

キノ「その辺に落ちてる枝の堅さを上げて……!」

リップル「ッ……枝で手裏剣を叩き落とした?」

ラ・ピュセル「ならば鍔迫り合いができるか!」

キノ「ぎゃあああぁぁぁ!! 無理無理! 枝ごと私も真っ二つになる!!」

キノ「……いや、ラ・ピュセルの剣の強度をうんと弱くすれば……って、弾を作ってる暇が無い! とりあえず弱くなれ!」

アリス「隙あり」ガシッ

キノ「うげっ!?」

ラ・ピュセル「これでこちらの勝ちだな」

キノは
状況確認→弾丸生成→リロード→標準→発射
メアリなら
状況確認→標準→発射


そんな訓練が連日続いた。魔法少女はその人智を超えた感覚により、研ぎ澄ませば周りの状況の変化が分かる。キノは特にそれが顕著になったようだった……そうさせられた

かくれんぼ鬼のようにキノが隠れた状態から始まる訓練もあった。どうにか見つからず、3人から逃げる。そのためには周りの草の動きひとつにも気を配らなければならない。これは疲れた。だがリップルはそれを鍛えろと言う。もうヤケだ

たまにトップスピードとキャンディー集めをしたり、スノーホワイトのご機嫌取り――悪意のある言い方ではあるが――のために3人が来ない日もあった。そんな日は瞑想した。イメージトレーニングもした。頭の中の自分はクラムベリーを倒している……わけがないが

キノが1人で外を出歩けない以上、やることは限られている。動けないなら動かなくていい

リップルから今週は訓練に顔を出せないという連絡があった。キャンディー集めに必死とのことだ。ラ・ピュセルもアリスも、木金と来ない。キノはどうしていいか分からず、とりあえず射撃練習と瞑想とイメージトレーニングを繰り返し、土曜を迎える

練習してると無心になれるからいいが、数時間もやっていれば飽きてくる。朝早くから始めていた訓練も、11時くらいにはやめた

友達とのボウリング待ち合わせは夕方。時間はまだある


キノ「…………暇だなぁ」

キノ「どっかに行こう……」


 キノは……>>871

 1.リップル達のところに向かった
 2.スノーホワイト達のところに向かった


キノ「師匠達のところに行こうっと。とりあえず師匠に連絡とって……必要無いかな。とりあえず公園に行ってみようっと」


公園に向かうと、まだ日が高いというのに誰もいない公園に、リップルとトップスピードの姿があった。それだけならよかった

2人はどうやら言い争っているようだ。両者の語気が強い


トップスピード「だから、のこのこ出ていく必要は無ぇって言ってんだ!」

リップル「これは私が売られたケンカだ! 私の問題なんだ!」

トップスピード「だからってよぉ……! ああもう!」

リップル「…………」

トップスピード「……どうしたんだよ?」

リップル「キノ……」

トップスピード「あ? あホントだ」

キノ「あ…………ど、どうも……」


キノ「あの、何かあったんですか……?」

トップスピード「ああそうなんだよ! コイツにカラミティ・メアリから呼び出しがかかってよ……今日の夜10時に……」

リップル「ッ、言うな!」

キノ「カラミティ・メアリから……? どうして?」

トップスピード「え……お前言ってなかったのか?」

リップル「チッ……」


初めてリップルと会った日、カラミティ・メアリのことを教えてもらったが、何故そこまで警戒しているのか……キノは気にしなかった。前日にシスターナナも言っていたために全員の共通の意識だと思っていたのだが、どうやらリップルにはのっぴきならない事情があるらしい


トップスピード「俺がリップルの教官になった時な、カラミティ・メアリが会いに来て……まぁいざこざがあってな」

リップル「チッ、あの時のことをまだ引きずってる女々しい奴……」

トップスピード「とまぁこんな感じで、いつ爆発してもおかしくないまたの名を『魔法少女界の火薬庫』って呼ばれてて」

リップル「呼ばれてない!」

トップスピード「そのメアリからの呼び出しだ……ロクなことじゃねぇのは確かなんだが、リップルは行くの一点張りでよぉ……」


キノ「師匠、行くんですか?」

リップル「当たり前だ。アイツを倒すならいつかはと思っていた。それにあの時より私は強い」

トップスピード「強いって……誰かと戦ってもねぇのに言えるわけねぇだろ!」

リップル「っ……戦っては……」

トップスピード「…………まさか、お前、最近よくいなくなってるのって……」

リップル「違う!」

トップスピード「じゃあなんだよ!? 俺にはお前が陰で誰かと争ってるってのしか思い浮かばねぇ!」

リップル「違う! 訓練してる!」

トップスピード「訓練ったって、何を……」

リップル「いつかこんな時が来るとは思ってた。だから、コッソリやってた」

トップスピード「そんな、俺に一言あってもいいじゃねぇか! パートナーだろ!?」

リップル「…………」


 知力(26+10)ロール……直下

 成功→キノが2人の仲裁
 失敗→2人の問題にキノは口出しできない


キノ「あ、あの!」

トップスピード「なんだよ!」

キノ「じ、実はリップルさんには私からお願いしてたんです!」

リップル「っ?」

トップスピード「お願い?」

キノ「私、弱っちいから……ルーラがいなくなったとはいえ、今度はスイムスイム達に狙われるかもしれない……から、師匠に稽古をつけてもらってたんです」

トップスピード「そうなのか?」

リップル「…………うん」

キノ「(よかった……口裏合わせてくれる)」

トップスピード「それこそ言ってくれてもいいじゃねぇか!」

リップル「……………………機会が……」プイッ

トップスピード「…………かぁぁ~! このツンデレめ!」

リップル「っ、違うから!」

トップスピード「それならまぁ俺を呼ばねぇのも納得だな。俺は戦闘向きじゃねえし」


トップスピード「ったく、俺が物分かりのいい奴じゃなかったら絶交モンだぜー?」バシバシ

リップル「チッ……叩くな」

キノ「(よかった……2人が喧嘩別れしなくて)」

トップスピード「…………って、問題は解決してねぇ! カラミティ・メアリだよ!」

リップル「……行く」

トップスピード「ああもうラチが開かねぇ……なら俺も行く! それでいいだろ!」

リップル「なんでそうなる……来なくていいから」

トップスピード「お前1人じゃ危なっかしいし、もし本当にただ会うだけなら2人だけだと戦いになっちまうだろ」

リップル「そうなったらトップスピードの方が危険になる!」

トップスピード「大丈夫だって! 俺の逃げ足知ってんだろ? お前ごと逃げおおせりゃいいんだよ!」

キノ「あの、私も……」

リップル「キノ、来たらトレーニングの量10倍にするから」ギロッ

キノ「ひっ」


・・・・・・

~夕方~


「あっ、結衣~こっちこっち!」

結衣「ごめんおまたせ~」

「はやくいこうよ。秋子達待ってるよ」

結衣「今日はターキー目指そうかな!」

「よく言うよ万年ガーターのくせに~!」

結衣「えー! じゃあ点数で勝負しようよ! 負けたら晩御飯ね!」


リップル達との時間が――魔法少女としての時間が嘘のように、楽しい時間だ

結局ガーター多発で友人の晩御飯を奢る羽目になってしまったのだが、それはそれで楽しい思い出だった


・・・・・・

~夜~


ボウリングとご飯会を終え、帰り道が一緒の友達と電車で帰る。実に良い一日だ夕方からこっち笑顔しかない

そうだ、今日はこのまま帰って寝よう。いや、むしろ友達とこのままオールでカラオケという線も……

電車内でそんな会話をしていたところに、非日常が飛び込んできたのは、やはり魔法少女というキーワードありきなのだろうか


『申し訳ありません。現在近くの高速道路で爆発事故が起こり、線路にも被害が及んでいるので、ただいま運転を見合わせております。振替乗車は――』

「えっ、ウソマジー!?」

「マジ最悪ー……」

結衣「もう、せっかくノッてたのにねー………………ん?」


慌てて駅名を確認する…………ここは……聞いたことがある。最近、しかも今日……

「待ち合わせ場所は――」

――ホテル……

結衣は電車を飛び出し、線路を飛び越え、変身した

キノの弾丸がスイムスイムに効くのか効かないのか


・・・・・・

~ホテル近く~


キノは高めの屋根にのぼり、赤くなった光景を見ていた


キノ「道路が……! 何で!?」

キノ「(まだ10時台、交通量も多いはず……助けなきゃ!)」


ふと、銃声が聞こえた。大き目の……キノのそれよりもうるさく強力な音。ホテルの屋上からだった


キノ「(あの上に……多分、居る…………カラミティ・メアリ……銃を使ってる……?)」

キノ「(どうする……!)」


 すぐさま……>>891

 1.ホテルの屋上に行く
 2.高速道路に行く


キノ「あれだけの騒ぎ……きっと他の魔法少女も来る。なら、人助けはそっちに……」

キノ「それにアレを止めれば、被害も止まる! きっと師匠もいるし、トップスピードさんもいる……なら、加勢すべき!」バッ


キノは屋根を飛び、ホテルの壁に張り付き、窓枠を蹴って屋上へと向かった


キノ「(師匠、待っていてください!)」


 知力(26+10)ロール……直下

 成功→戦闘用に考えていた弾丸を生成し、6発ごとにまとめる
 失敗→気持ちが逸り、考え無しに突っ込んだ

36

普段は夜寝る前に台本を読み込んだりする真面目な子なんです


 56……失敗


キノ「(怖い……怖い…………けど、駄目……怖いままじゃ、だめ!)」


屋上に着く一瞬前、『戦意の強化』を自分に撃ち込み、躍り出る

いた。ガンマン風の魔法少女……カラミティ・メアリ


メアリ「戻って来たか――ん? 誰だい?」

キノ「……!」


対峙した。どうしよう。なにしよう……キノは考え無しに突っ込んだため、肝心の戦法を考え忘れていた


キノ「カラミティ・メアリ、ですね……」

メアリ「お前も魔法少女かい……随分と威勢の良い目をしているじゃあないか」

キノ「(戦意の強化……効いてる。逃げない。この人を止める)」


肝心のリップルの姿が見えない。トップスピードのもだ

逃げたか、それとも……最悪なケースを想定する。だとしたらまずキノに勝ち目は無い

キノにできるのは、時間稼ぎだ。その間に、きっとどこかにいるであろうリップル達を待つ

リップルは行くと言っていた。信じるならば、来るはずだ


メアリ「今日はそんな目を潰すためにわざわざ出張ってんだ! ここに来たのを不幸と思い死にな!」バァン!

キノ「(ライフル! なんとか、避けないと!)」


 身体能力ロール(60+10+8)……直下コンマ二桁

 成功→訓練の効果が出て避けられた
 失敗→ぐわああああああああああぁぁぁ!!


キノ「(師匠の手裏剣は、弾丸レベルまでの速さ……あの訓練でも、そうだった!)」ヒョイッ

キノ「(狭い屋上だけど、なんとか逃げる!)」

メアリ「ちっ、すばしっこい!」チャキッ

キノ「(ッ、アサルトライフル!)」

http://fsm.vip2ch.com/-/hirame/hira126179.jpg

メアリ「コイツでバラバラにしてやるよ!」

キノ「あんなの掃射されたら……なら!」バァン!

メアリ「ッ、アイツも銃を? 面白い!」バララララ!


キノが撃った弾は「強度の弱化」、撃った対象は、足元の床だ。数発撃ち込む

メアリの銃撃の一瞬前に、キノは屋上を足で抜き、ホテル内部へと姿を隠した


メアリ「チッ、屋上ブチ抜くほどの威力か? なら……!」


四次元袋に手を突っ込み、取り出したのは2つの手榴弾

メアリはピンを抜くと、キノの消えた穴へとそれらを放った


メアリ「穴の中で吹っ飛びな!」


轟音と共に、穴から煙が起こる。これで死んだだろう

だがあの魔法少女はカラミティ・メアリに単身挑んできた者だ。よほどの身の程知らずの考え無しの阿呆でなければ、こんな攻撃で殺せるはずがない。なにより、魔法少女はしぶとい。死体を確認しなければ一安心もできない

爆発音の余韻も無くなる頃、耳にガラスを破る音が聞こえてきた


メアリ「ふふっ、まぁこれくらいしのいでくれなくちゃあね」

キノ「ゲホ、ゴホ……うう……死ぬかと思った……」


とりあえず建物内部を弱化して足で抜き、最上階の廊下にたどり着いたところで、頭上からカランコロンという音が聞こえてきた

嫌な予感がする。第六感というものを信じるならば、今まさに発動中だろう

キノは大急ぎで廊下を走り、壁際まで走ったところで身を伏せた

爆発をやり過ごした――それでもとんでもない爆発だった――ところで、ガラスを割り、窓枠を蹴って再び屋上に復帰。メアリと2度目の対峙を果たした


キノ「(色んな重火器を持ってる……私は、この銃だけで、ましてや普通の弾なんて撃てない……けど!)」


銃を構える。メアリの不敵な笑みに向かって


メアリ「あの嬢ちゃんが戻って来るまで、お前で遊ぶのも楽しいねぇ!!」ガチャ

キノ「ひっ……!?」

http://fsm.vip2ch.com/-/hirame/hira126182.jpg

キノ「(冗談じゃない! あんなの喰らったら死ぬ!)」

メアリ「ほらほら逃げなよ! 当たらなくても、近くで爆発しても死んじまうからねぇ!」


こんな隠れ場所も無いところでロケットランチャーなんて喰らってしまえば、もう想像するまでもない

人間が使う物とはいえ、今は魔法少女が使う武器だ。もちろん魔法少女に通用するだろうと直感で分かる。あの目はブラフじゃない


キノ「(また床を抜いて……いや、いっそ飛び降りて!)」

メアリ「おせーよ」

キノ「ッ!(考えてる暇が……!)」


メアリの放ったロケットランチャーはキノの足元に直撃。屋上に大穴を空けた


メアリ「肉も残らない……か。まぁコイツは私が念を入れて強化した特別仕様だからねぇ。コイツで嬢ちゃんも……いや、アイツは死体を残して……」

リップル「私がどうしたって?」

メアリ「――ふっ、やっと戻ってきたかい…………ん?」

キノ「し、師匠……!」


避雷針に立つリップル。その腕の中にはキノの姿もあった


メアリ「ほう……お仲間かい?」

リップル「だったらなんだ」

メアリ「ソイツをグチャグチャにしたとき、お前はどんな顔をするのか気になった……それだけさね」

リップル「チッ! ここで倒す!」シュバッ

メアリ「やってみなよ!」


リップルとメアリの死闘が始まる。投げられる手裏剣と放たれる弾丸。それぞれが両者にたどり着くことなく落とされ、弾かれる

キノはその中に入ることはできない……入ろうとも思えない

師匠の本気。鬼気迫る表情と確実に殺すための技。どれも見たことの無いものだったのだ


トップスピード「そんなところにいちゃ危ねぇぞ! 乗れ!」

キノ「トップスピードさん!」


トップスピード「このまま離れるぞ。ったく、アイツめ……街をメチャクチャにしやがって……!」

キノ「あの、トップスピードさん。あの人達の上を旋回、できますか?」

トップスピード「おいおい! そりゃ戦いに参加しますって言ってるようなもんだぞ!? あの戦い見てみろ、巻き込まれたら死ぬ!」

キノ「でも! ただ黙って見てるなんてできません!」

トップスピード「リップルにも言われてんだよ! お前がもし来たら真っ先に逃がせって……」

キノ「師匠が……?」

トップスピード「だから、お前を安全な場所まで運んで、高速道路を……」

キノ「…………駄目です……」

トップスピード「駄目とか駄目じゃねぇとかの問題じゃ……!」

キノ「私は、私達は魔法少女なんです! ひとり指を咥えて見てるなんてできない……カラミティ・メアリは普通じゃない……スイムスイムと同じ、人を殺すことになんの躊躇も無い目をしていました……彼女を倒すことで……悪を倒すことで、それだけ多くの人が救えるのなら……魔法少女キノは、逃げたりしません!」

トップスピード「……………………けっ、師弟揃って同じようなこと言いやがる」

キノ「えっ?」

トップスピード「しっかり掴まれよ! んで、俺のスピードの中でアイツに当てられるくらいやってみろ!」

キノ「はい!!」


トップスピードが引き返す

ラピッドスワローが唸りを上げて吠える。キノはホテルの屋上に再び舞い戻った

狙われないように速度強化くらいは思いつくはず


ホテルの屋上で、2人は取っ組み合いや遠距離攻撃の撃ち合いを続けていた

両者共にキノ達が戻ったことに気付いてはいるだろうが、目の前の相手に手一杯という感じだ


トップスピード「まだドンパチ賑やかにやってるな……おい、いけるか?」

キノ「はい。ここからなら、当てられる……かも!」チャキッ

キノ「(師匠を強化するか、あの人を弱くするか……どうする!)」


 >>直下

 1.リップルの強化
 2.メアリの弱化

 身体能力ロール(60+10+5)……直下コンマ二桁

 成功→弾が当たる
 失敗→外した


 20……成功!


キノ「師匠、気付いてください!」


パンチ力、キック力、堅さ(強化版)、俊敏性、魔法、反射神経、思いつく限りの身体強化を弾にしたらあっという間に6つの弾倉が埋まった

あとはリップルに当てるだけ……気付いてくれれば――

リップルと目が合った


キノ「今!!」バァン!


6発立て続けに撃つ。リップルはメアリから離れ、宙に舞いそのすべてを受けた


メアリ「なんだ……?」

リップル「よし、これなら!」シュバッ

メアリ「ッ!? なんだ?」

メアリを取った隙をスイムがとかないよね?


リップル「(8分間で……仕留める!)」シュッ

メアリ「ッ、動きが速くなっただと!?」

リップル「遅い!」ズバッ

メアリ「ぐ、くっっそ!!」

リップル「(銃で受け止められた……なら……キノ!)」

キノ「(次は、武器の強化!)」


威力を上げる……切れ味、鋭さ、強度を強化する弾を込める

リップルは手に持った忍者刀を魔法でキノに投げた。キノの方には投げたが、対象は自分の手だ

キノは狙いやすくなった忍者刀を見逃さない。強化に成功した忍者刀は再びリップルの手の中へと納まった


メアリ「今のアクション……そうか、トップスピードじゃない、あの小娘に仕掛けがあるのかい!」

リップル「させるかぁぁぁ!!」


リップルは自分の魔法が強化されているのを感じていた。今なら相手に命中させるためにどんな軌道を描くことだってできる

メアリに真っすぐに手裏剣を投げ、銃で防ごうとしたところで急に軌道を変え、円を描いて背中を狙う。メアリの反射神経ならばそれだけを防ぐことは可能だが、手裏剣はいくらでもある。それに、隙ができる


リップル「お留守だ!」ズバッ

メアリ「な、にぃ――!?」


メアリが突き出した銃を真っ二つにする。2つに分かれたショットガンの隙間から、メアリの驚愕に歪む顔が見えた


リップル「(キノの魔法でここまで強くなれるなんて……やはり、要は……)」


 リップルの数値……↓1コンマ二桁

 メアリの数値……↓2コンマ二桁


 リップルの数値が勝っていた場合、メアリ撃破

 メアリの数値が勝っていた場合、メアリの攻撃がキノ達へ向かう

 ※ロール以外でのコンマはいつも通りですので、数字の大小がそのままの優劣です

勝った

すみませんでした


 リップル……08
 メアリ……78


メアリ「(なんだ、この強さ……さっきまでとまるで違う! やはり、あのうるさいハエか!)」

リップル「これで、終わりだぁぁ!!」

メアリ「――――フフッ、どうかな?」


リップルが踏み込んだ床が沈む。ビーッビーッという音が鳴り、リップルの動きが止まった


リップル「ッ、なんだ、これは……!」

メアリ「トラップだよ。お前はもうそこから足を離せない」

リップル「クソッ!」

メアリ「さて、お前の手裏剣にも慣れて来たし……そろそろあのうるさいハエを落とそうかねぇ」

リップル「ッッ!! や、やめろ!」

メアリ「やめるかよ!」


メアリはライフルを取り出し、キノの眉間を狙う。規則的に旋回しているだけの的なら当てるなんて簡単だ


トップスピード「ッ、狙われてるぞ! 掴まれ!」

キノ「へっ? きゃっ!」

メアリ「チッ、外したか……だがまだまだ!」バァン!

トップスピード「くっそぉ! リップルは何してんだ!? あそこから動いてねぇじゃねぇか!」

キノ「多分、動けないんです! 何でかは分かりませんけど!」

トップスピード「なら、こっちで何とかしてやるしかねぇな!」

キノ「どうするんですか!?」

トップスピード「こうするのさ!」


ラピッドスワローがバイクの形を変化させる。カウルが付き、防風窓は前面全体を覆い、後部からはロケットブースターのような音が聞こえた


トップスピード「おいキノ! お前の力でコイツをもっとすげえマシンにしてくれよ!」

キノ「何を強化しますか!?」

トップスピード「景気よく速度とかにするかぁ!」

キノ「はい!!」


速度と、それに負けない強度をラピッドスワローの強化に当てる。トップスピードは嬉しそうに吠えると、ホテルの屋上へと突進していった


トップスピード「行くぜぇ! 特攻番長のお通りだぁぁぁぁ!!」

キノ「師匠ーーーーー!!」バァン!


リップルの足元に「強度の弱化」を撃ち込む。するとリップルは自力で床を破壊し、脱出したようだった

トップスピードはメアリへとハンドルを向ける。アサルトライフルを撃たれているが、そんなものはラピッドスワローに通用しない


トップスピード「どかねぇと弾き殺しちまうぞ!」

メアリ「ちぃぃっ!!」


ラピッドスワローは屋上をブチ抜き、ホテルの内部を通って再び空中へと出た。どうやらメアリを轢いた手応えは無いようだ


リップル「助かった……!」

メアリ「クソが! ならコイツでお陀仏にしてやるよ!」

リップル「(あれは……! クッ、いくら強化されていても、ここからじゃメアリに間に合わない!)」

キノが屋上を撃ってメアリを浮かせる
その後トップスピードがメアリを磨り潰す
そして衝撃波が発生してスイムが飛んでいく


キノ「(あれは、さっきのロケットランチャー!)」

トップスピード「ヘッ、どんなのが来ようと、俺とラピッドスワローは無敵だっつーの!!」

キノ「駄目!」


 キノは……>>直下

 1.ラピッドスワローに強度の強化を撃ちまくった
 2.トップスピードに避けるよう言った


 幸運(78)ロール……直下コンマ二桁

 成功→メアリの攻撃をしのぐ
 失敗→ラピッドスワロー墜落


キノ「(お願い、間に合って!)」


ラピッドスワローに「強度の強化」を撃つ。だが足りない気がする

どうする、どうすると悩んでいた時に思い出したのは、「防爆」という言葉だ

「防爆の強化」を念じて弾を取り出す。うん、色がついてる。効果がある


キノ「お願い、耐えて!」バァン!

トップスピード「いっくぜぇぇぇ!!」

メアリ「死ねよやぁーーー!!」


 トップスピードの数値……↓1コンマ二桁

 メアリの数値……↓2コンマ二桁

 トップスピードの数値の勝ち……メアリ撃破

 メアリの数値の勝ち……もうどうすりゃいいのよ


 トップスピードの数値……18
 メアリの数値……18


ロケットランチャーがラピッドスワローに直撃する。が、ビクともしない

やった! とガッツし、キノはトップスピード越しに迫るメアリを見た


メアリ「ッ、くっそぉ!!」

トップスピード「盾!?」


メアリが構えたのは警察の機動隊に使われる防弾シールド。それで防ぐつもりだろうか、面白い。トップスピードはさらにアクセルを吹かし、メアリへと体当たりを敢行する

トップスピードとメアリが吠える。ラピッドスワローはメアリにぶつかると、そのまま上空へと方向転換、メアリごと持ち上げた。が、倒したという手応えは無い。両者が空中に舞う


トップスピード「コイツでも、ダメなのか!?」

キノ「…………いえ」

止めはキノ


メアリ「は、はははは!! 残念だったねぇお嬢ちゃん達! アタシの勝ちさね!!」


ライフルを構える。狙いは勿論、ラピッドスワローの隙間に見えるキノ。この際トップスピードでもいい

ここはホテルの上空数mだ。受け身を取らずに自由落下したとしても、ホテルの屋上に体が叩きつけられるだけなら安い。お前達2人は死体として落ちてもらう!

スコープを覗き、キノの黒髪が見えた。さようなら――

と呟こうとしたメアリの視界に割って入ったのは、同じ黒色の影


メアリ「なんだ!?」


スコープから目を離し、キノ達よりさらに上……月を見上げる。長い黒髪を横に長し、月と被ってこちらへ向かってくる影――リップルを前に、メアリは身動きが取れなかった

着陸地点を移せば問題ない(スノーホワイトを狙いに行かれる)


決着は、リップルの雄叫びによってもたらされた。

威力の増した忍者刀を、メアリのむき出しの腹に叩き込む。途中、ライフルでガードされただろうがそんなものは関係無い。今のコイツならなんでも斬れる

上半身と下半身が分かれたメアリと共に、リップルはホテルの屋上へと降り立った


リップル「………………っ、ハァッ……!」ゼェゼェ

トップスピード「ぐえっ!」ドテッ

キノ「いたっ」

リップル「…………もうちょっとカッコよく降りられないの?」

トップスピード「コイツも限界だったみたいでなぁ……急にエンストしやがった」

キノ「あはは…………うっ!」

トップスピード「…………死んだか」

リップル「うん……」

キノ「オエエェェェ……!」


もう、メアリではなかった。2つになった金髪の年増の女性……それがメアリを倒したという証だった


キノ「死……死んだん、ですよね……これ……この人……!」

トップスピード「落ち着け落ち着け! 俺もあんまり落ち着いていられねぇが……」

リップル「…………」

トップスピード「もう少し目に優しく倒せなかったのかよ?」

リップル「無我夢中で……」

トップスピード「ま、いっか! これで倒せたんだ!」


 スイムスイム達は……直下コンマ一桁

 奇数→高速道路へと向かっていた
 偶数→ホテルへと向かっていた

良かった、スノーホワイトは無事だ


「ゴー」


喜ぶのも束の間、ホテルの屋上に大穴が開いた

3人は驚く暇もなく落ちていく。舌を見ると、まるでドーナツのようにホテルは縦にくりぬかれているようだった

周りを見ると、天使がいた…………いや、天使の姿をした魔法少女が1人と、大型の鳥に乗った白いスクール水着の少女……スイムスイムが


リップル「ッ、キノ!」

キノ「えっ?」

トップスピード「(ッ、駄目だ! 飛べねぇ!)」

スイムスイム「……」


スイムスイムの手には、薙刀のような物が握られており、その目はまっすぐキノを見据えている。ああ、そっか。私は標的か。そしてあれはきっと魔法の武器か

そんな考えと共にキノは残された防衛本能でなんとか避けられないか模索した


 身体能力ロール(60+10+8)(不意打ちにより-30)計48……直下コンマ二桁

 成功→???
 失敗→キノ、斬られる

頼む!

>>970
困っている俺の心の声にこたえてくれた!


よく斬撃の音はズバッとかザシュッとか、漫画にはそう書いてあり、台本には『(斬撃の音)』と書いてある

キノが想像した音の通り、綺麗に刃が通ればそんな音が鳴り、抉りこめばグチャグチャとした音になる。今聞こえてきたのは、前者だった


キノ「え……?」

リップル「……!?」


キノの目の前にはしぶく血と、落ちる魔女帽子、左腕と左足を同時に斬り落とされたトップスピードの姿だった


トップスピード「いってぇ……」

キノ「と…………」

スイムスイム「……」

キノ「 ト ッ プ ス ピ ー ド さ ん ! ! 」


3人が地面に落ちる。リップルは受け身をとれたようだが、トップスピードを庇ったキノは、少しの痛みと共に着地した


キノ「ちょっと、なんで!? なんで!?」

トップスピード「大丈夫大丈夫……っつ……箒蹴りゃ跳べるって気が付いたら無我夢中だった……」

キノ「喋らないで!」

トップスピード「キノ……今、どうなってる?」

キノ「トップスピードさんの……手と、足が……」

トップスピード「ああー……あれ、俺のか……メアリのかと思った」


リップル「貴様…………貴様、貴様、貴様ァァァ!!」ズバッ

スイムスイム「……」スカッ

リップル「なに!?」

ミナエル「やったー! スイムちゃんスコアプラス1!」


キノ「(あ、ああ…………私、どうしたら……どうしたら…………)」

トップスピード「…………ガフッ」


トップスピードの腕と脚から、血が止まらない。どうすればいい、このままじゃ死ぬ。どうする、どうする……駄目だ、自分の頭じゃ、分からない、パニックだ、駄目だ、死ぬ、このままだと、駄目、それだけは駄目、駄目!


 幸運(78)ロール……直下コンマ二桁

 成功→リップルが叫ぶ
 失敗→パニックに陥る

不用意に投稿するのやめようよ……

>>989
コンマは仕方ない


キノ「あ、ああああ……ああぁぁ……!」


キノは小学、中学と教えられた申し訳程度の応急処置を思い出す。AEDの使い方とか、色々。でもここにAEDは無いしあっても意味が無い。そうだ、血を止めないと、どうやって、どうやって

とりあえず、トップスピードのマントを破り、手足を縛る。これですこしは血が止まってくれるはず。だけど、どうすればいい? これから……

自分達を庇いながらリップルが戦っている。ミナエルと、鳥から姿を変えたユナエルが哄笑し、スイムスイムは無言でリップルを倒さんがために武器を振るう

もうリップルに施した強化もとっくに時間切れだ。


キノ「ぁ……ああ…………あ……」ポロポロ

トップスピード「キノ……リップルを助けてやれ」

キノ「えっ?」

トップスピード「お前がやることは、ここで泣くことじゃないだろ……」

キノ「でも、でも、トップスピードさんが……」

トップスピード「俺の心配より、アイツの心配してやれよ……アイツ、寂しがり屋でさ、お前がいなくなったらきっと泣くし、背中を預ける仲間が必要で……」

キノ「もう、いいですから! お願いだから喋らないで!!」


リップル「殺す、殺す! 殺す!!」

ミナエル「そんな攻撃当たらないよ~!」

ユナエル「お姉ちゃんマジインビジブル~」

スイムスイム「(たまは……)」


たま「(うう……困ったなぁ。このマントを着て、あの2人を襲えなんて……本当にやらなきゃいけないのかなぁ)」

スイムスイム「(たま、やってね)」

>>1000で幸運(78)ロール……コンマ二桁

 成功→トップスピード、一命をとりとめる
 失敗→……

頼む!…頼む!!

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