モバP「元日の次の日」 (35)


このSSはモバP「今必殺のお菓子手裏剣」の続きみたいなものです

でも別に読んでなくても大丈夫です


SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1483358719


爺P(以下P)「おや」

ちひろ「あら」

P「あけましておめでとう、ちひろさん」

ちひろ「あけましておめでとうございます、プロデューサーさん」

P「やけに早い出勤だな」

ちひろ「そういうあなたも」

P「俺はアレだ、歳を取ると朝が早いんだ」

ちひろ「では私もそういうことで」


P「何というか…変わらんなちひろさん」

ちひろ「プロデューサーさんだって変わってませんよ」

P「中身も外見も若いまんまだし」

ちひろ「ここだけの話、実は悪魔と契約してまして」

P「……まあありえん話じゃないか」

ちひろ「いやそこは冗談で流しましょうよ」


ちひろ「ほら、そんなことより早く事務所に入りましょう?寒いですし」

P「ああそうするか……でもその前に」

ちひろ「その前に?」

P「今あそこでコケた輿水を拾ってからにしよう」

ちひろ「あら、雪に埋まっちゃってますね」


幸子(E:ジャージ)「うぅぅぅぅ…しゃぶい……」

ちひろ「濡れた服、干しときましたよ」

幸子「ありがとうございましゅうぅ……」

ちひろ「それにしても薄着過ぎます、こんな日くらい厚着してくればいいじゃないですか」

幸子「オシャレは我慢って美嘉さんが言ってましたから…」

ちひろ「若いからって無理しすぎは良くないですよ?」

幸子「大丈夫です…ボクはカワイイので…!!」

ちひろ「カワイイはそこまで万能じゃありませんって」


P「ほれ、とりあえず飲め」

幸子「あ、ホットココア…あったかい…」

P「茶淹れるけどちひろさんも何か飲むか?」

ちひろ「それじゃあ同じのを」

P「ほいほい」

幸子「うぁー…あったまりますねぇー…」


幸子「よし、身体も完全に暖まりました!カワイイボクが完全復活ですよ!フフーン!」

P「外ハネも元気になったみたいで良かった」

幸子「これ別にバロメータじゃありませんからね?」

ちひろ「あ、そろそろですかね」

P「ん?ああそうか」

幸子「えっ何ですか、何か来るんですか」


さくら「おっはよーございまぁーす!!」

P「おはよう村松」

ちひろ「おはようさくらちゃん」

幸子「なるほど、そういうこと」

さくら「お年玉くださぁい!!」

幸子「来てすぐそれですか!?」

P「当然のように貰えると思ってる辺り大物だ」

ちひろ「ふむ、後継者を考えてみるのもいいかも知れませんね」

P「それだけは勘弁してくれ」


P「じゃあ村松」

さくら「はぁい」

P「ここにお年玉がある」

さくら「お年玉」

P「お前にやろう」

さくら「やったぁ!」

P「その代わり約束をして欲しい」

さくら「約束?」

P「ああ、えっとだな…」ガサガサ


幸子(アレなんですか)

ちひろ(恐らくカンペですね)


P「あ、そうだそうだ」


P「健やかな時も、病める時も」

さくら「はぁい」

P「喜びの時も、悲しみの時も」

さくら「ふんふむ」

P「富める時も、貧しい時も」

さくら「とめる時ってなに?」


P「元気でいることを誓いますか?」

さくら「誓いまぁす!」

P「よし、持ってけ泥棒」

さくら「げっちゅう!!」


ちひろ「結婚式じゃないんですから」

幸子「というか病める時でも元気ってメチャクチャじゃないですか…」


ちひろ「では次は私からですね」

さくら「どきどき」

ちひろ「ここに3つポチ袋があります」

さくら「おっきいのとちっちゃいのと中くらいの」

ちひろ「さくらちゃんが選んだのを差し上げましょう」

さくら「全部!!」

幸子「即答しましたね」

P「村松は意外と欲張りだな」


ちひろ「……さすがです、一瞬でその高みにたどり着くとは」

さくら「えへへぇ」

ちひろ「持ってけ泥棒!」

さくら「わぁい!」

幸子「大盤振る舞いですね」

P「まあちひろさんのことだから…」


さくら「あれ?お金じゃなくてなんかカードが入ってる」

ちひろ「あら、間違えちゃったかもしれませんね」

さくら「黒と金と銀かぁ…かっこいい?」

ちひろ「確かにかっこいいかもしれません」

さくら「うーん…ちひろさんこれいる?」

ちひろ「そうですね、飴玉と交換とかいかがですか?」

さくら「3枚で3つ下さい!!」

ちひろ「はいどうぞ」

さくら「やったぁ!もうかった!」

ちひろ「良かったですね」


幸子「あれクレジットカードですよね、しかもブラックまで…」

P「驚かないんだな」

幸子「まあ見たことぐらいはありますから」

P「ちひろさんはお年玉は資産として活用したいタイプらしくてな、本物は村松の口座に振り込んであるそうだ」

幸子「まあさすがに飴玉だけじゃありませんよね…」

ちひろ「若い頃から大金持って浪費癖が付いても困りますから」

さくら「うまうま」

P「美味いか?」

さくら「うん!」

P「それは良かった」

ちひろ「やっぱり後継者として英才教育を…」

幸子「ですからそれは止めましょうって」


―――――――――――――――


P「こたついいよな…」

さくら「いい…」

P「ぬくいよな…」

さくら「ぬくい…」

幸子「みかん取ってください」

さくら「はぁい」


P「村松はさぁ」

さくら「はぁい」

P「お年玉どんくらい貰った?」

さくら「たくさん!」

P「たくさんか」

幸子「さくらちゃんは年配の方にモテそうですよね…もちろんボクほどではありませんが!」

P「そっか…じゃあモテ松だな」

さくら「モテ松」

幸子「ボクだったらモテ子ですかね」

P「モテ水モテ子」

さくら「すごい、モテモテだ」

幸子「フフーン♪さすがボクはカワイイだけありますねぇ!」

P「わかる」


P「それで、たくさんのお年玉はどこへ行ってるんだ?」

さくら「貯金!」

P「…村松、熱あるか?大丈夫か?」

さくら「失礼な」

幸子「ボクもてっきりお菓子に使ってるものかと…」

さくら「えへぇ…さくらにはぁ野望があるのでぇす!」

P「ほうほう、言ってみんさい」

さくら「お城を建てる」

P「お城を」

幸子「建てる」


さくら「おっきなお城を建ててぇ、みんなで楽しく暮らしまぁす!!」

P「みんなって?」

さくら「えっとぉ、イズミンでしょお?アコちゃんでしょお?それからそれからぁ…」

幸子「事務所の皆ってことで良いんですか?」

さくら「もちろんおじいちゃんとかちひろさんとかさっちゃんも入ってまぁす!!」

P「それは嬉しい。前から城とか住んでみたかったんだ」

幸子「そしたらボクはさしずめ女王様ですかねぇ!カワイすぎて王国を築いてしまったらどうしましょうか!」

さくら「だからお金が必要かなって」

P「欲張りなのにも理由があったんだな」

さくら「あと貰える物は貰っとけってアコちゃんが」

P「アイツが原因か」


ちひろ「はい、毎度のごとくお鍋ですよ」

P「今日は何鍋?」

さくら「キムチ!」

P「いやどう見たってキムチの色じゃない」

さくら「じゃあチゲ鍋!」

P「ちげーって」

さくら「それじゃあそれじゃあ!………ん?ダジャレ?」

P「そこは流していいとこだ」

さくら「そっかぁ」


幸子「これは鶏白湯鍋ですね!カワイイボクにはお見通しです!」

ちひろ「大正解、さすがです」

幸子「これくらいはチョロいもんです!フフーン!」

さくら「さっすがぁ!ナデナデしてあげまぁす!!」

幸子「えっ、あっ」


さくら「なーでなーで」


幸子「えっと…その…」


さくら「なーでなーで」


幸子「……んん…♪」


さくら「えへへっ、かーわいい」



P「チョロいな」

ちひろ「チョロいですね」

幸子「何か言いましたか」

P・ちひろ「いいえ」


さくら「もっしゃもっしゃ」

幸子「味が染みてて美味しいですねぇ!」

P「2人とも野菜しっかり食べて偉いなぁ」

ちひろ「プロデューサーさんが2人くらいの頃は野菜大嫌いでしたもんね」

P「いんや、記憶にないな」

ちひろ「私のことニンジン係にしてたの忘れてませんからね」


幸子「プロデューサーさんとちひろさんってそんな前からのお知り合いなんですか?」

P「まあそこそこ長い付き合いかもしれん」

幸子「それにしては、その…」

P「言いたいことはよく分かる」

ちひろ「ここだけの話、実は私プロデューサーさんの若さを頂いてまして…」

幸子「やっぱり」

P「ずっとおかしいと思ってたんだよ」

ちひろ「だから本気にしないで下さいってば」

さくら「にんじんうまうま」


さくら「ごちそうさまでぇす!」

P「シメは?」

さくら「らぁめん!」

幸子「ボクもラーメンがいいです!」

P「了解」

ちひろ「お願いしても?」

P「お任せあれ」


ちひろ「ふぅ…結構食べましたね」

さくら「ちひろさぁん」

ちひろ「なぁにさくらちゃん?」

さくら「ちひろさんはぁ、おじいちゃんのこと好き?」

ちひろ「ええ、好きですよ」

さくら「じゃあ結婚したい?」

ちひろ「うーん、まあぼちぼちですかね」

幸子「ぼちぼちって…どういう返事ですか」


ちひろ「結婚するならお金持ちがいいですしどうせならイケメンがいいですし」

幸子「ブレませんね」

ちひろ「まあ冗談はさておき……そうね、例えばさくらちゃんは亜子ちゃんとか泉ちゃんとか好きよね?」

さくら「無論!」

幸子「どこで覚えたんですかそれ」

ちひろ「じゃあその2人と結婚したいですか?」

さくら「…結婚はしないでぇす!」

ちひろ「でしょう?そんな感じなんです」


幸子「……恋慕というよりは信頼が勝るってことなんでしょうか?」

ちひろ「さぁ?そこまで深く考えたこともありませんし…それに私もあの人もいい歳ですから、今更結婚するよりはこのままの関係の方が居心地が良いんですよ」

さくら「……うん、似てる」

ちひろ「え?」

さくら「おじいちゃんとちひろさんは似てるなぁって!」

ちひろ「…そうなんですか?」

幸子「いえボクに聞かれても」

さくら「えへへぇ!なんか幸せぇ!」


P「どうした村松、楽しそうだな」

さくら「えへへ!なんでもなぁい!」

P「なんだ、気になるな」

幸子「プロデューサーさん、まずお鍋置きましょう!」

P「ああ、はい」

ちひろ「いい茹だり具合ですね」

P「各々火傷しないように」

幸子「では謹んで」

さくら「いただきまぁす!!」


―――――――――――――――
――――――――――
――――



幸子「ご馳走様でした」

さくら「ぽんぽんさくらのおまんじゅ…」

P「またコロ松になってるし」


ちひろ「これからどうします?」

幸子「まだお昼過ぎですからねぇ…」

さくら「雪合戦!」

P「お、やるか?雪上のPチャンとはこの老いぼれのことぞ?」

ちひろ「良いですね、たまには本気を出しますか」

幸子「なんでそんなに燃えてるんですか!?」



P「あ、そうだ。輿水ちょいこっち来い」

幸子「はい?どうかしましたか?」


―――――――――――――――


P「ほれ、これだ」

幸子「えっ…なんですかこれ」

P「何ってお年玉だよ」

幸子「…通帳じゃないですか」

P「親御さんと相談した結果だ、幸子なら無駄に使うことはないだろうって」

幸子「えっと、つまり…」

P「今までは親御さんの口座だったけど、これからはお給金がそこに入る」

幸子「!!」

P「ついでに俺とちひろさんからの祝い金も既に入ってる」

幸子「………あの、0がたくさんあるんですが」

P「俺は知らん、ちひろさんに聞いてくれ」


幸子「どうするんですか、こんな大金」

P「村松みたく城でも建てたらどうだ?」

幸子「いやそれはちょっと…」

P「まあいずれ必要になる日が来るさ」

幸子「………」

P「結婚式には呼んでくれ」

幸子「…おいくつまで生きるつもりで?」

P「村松の旦那をビンタするまで死ぬわけにはいかないかなぁ」

幸子「じゃ、じゃあボクの晴れ姿を見るまでは死なない予定も追加しておいてくださいね!もっとも天使過ぎて即昇天してしまうかもしれませんけど!」

P「任しとけ」


―――――――――――――――
――――――――――
――――――――



さくら「準備出来たぁ?」

P「御意、無問題」

ちひろ「パーフェクトだ、ブロッサム」

幸子「無論ボクは万全ですよ!何故ならば!カワイイから!」


さくら「では総員、戦場まで駆けあーし!」

「「「イエス!マム!!」」」


ガチャ

タッタッタッタッタッタッ




ツルッベチャ



おわり

本当はクリスマスと正月も書きたかったんですが時間が取れませんでした
今年もよろしくお願いします


幸子を猫かわいがりしたい
めっちゃくちゃ甘やかしたい

このSSまとめへのコメント

このSSまとめにはまだコメントがありません

名前:
コメント:


未完結のSSにコメントをする時は、まだSSの更新がある可能性を考慮してコメントしてください

ScrollBottom