東風谷早苗「アクトレイザー2」博麗霊夢「沈黙への聖戦」 (62)

東方ProjectとアクトレイザーのクロスSSです
若干、独自の解釈や設定も入れます

少しキャラ崩壊あり(今回は物理的にも)

※アクトレイザー2とは1993年に発売されたスーファミの神ゲーです

前スレ
東風谷早苗「アクトレイザー」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1470899468/)

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1483320750

(あらすじ)

神は幻想郷の住民と協力し、悪魔との闘いに勝利する
地上は再び人間の土地となった

しかし人間たちが抱くわずかな背徳心と、己の執念を糧に魔王サタンは蘇った

そして隙を狙って神を追い幻想郷にたどり着く
だが既にサタンは絶命寸前だった。息を引きとるのは時間の問題

そんな時、以前からサタンに目を付けていた八雲紫は彼にある提案を持ちかける

~守矢神社にて~

阿求「……では最後に。これからのあなたの目的、夢を聞かせていただきたい」

アクトレイザー「うむ」

訪問に来た稗田阿求は、神・アクトレイザーの取材に来ていた
稗田の人間が代々、書き記してきた『幻想郷縁起』を更新するために

アクトレイザー「人々の平和・幸福…そして文明の発展。それを願い手伝う」

アクトレイザー「そして愛する妻と楽しく暮らしたい」

阿求(生粋の博愛主義。革新的思考。愛妻家…と)カキカキ

アクトレイザー「ただココは幻想郷。全てを受け入れる世界だと聞いている」

アクトレイザー「私もそれを意識し大切にしようと思う…ただし、悪は絶対に見逃さない」

阿求(絵に描いたような英雄。人間レベル見たら病的なまでに善人…と)カキカキ

アクトレイザー「だが人間に友好的で心優しき者ならば、仲良く付き合っていこうと思う」

アクトレイザー「例え相手が鬼や妖怪、悪魔だろうと」

阿求(情が入ると甘くなる節がある。厳格さが欠けている…と)

阿求「他には?」

アクトレイザー「……もう二度と叶わない夢だが」

アクトレイザー「宿敵・魔王サタンとは…一緒に酒を飲みたかった」

阿求「は、はぁぁ!?」

アクトレイザー「私は奴にトドメを刺す直前、手を差し伸べた」

アクトレイザー「悪事を反省し、幻想郷で共生しようと…しかし奴はそれを拒絶した」

阿求「でもなぜ大悪党と酒を?」

アクトレイザー「私が初めて幻想郷での宴会に訪れた時…衝撃をうけた」

アクトレイザー「あらゆる種族が、仲良く酒を飲み合っているからだ」

アクトレイザー「私にとって悪とは絶対に滅ぼすべき存在だった…その価値観を完全に覆された」

アクトレイザー「こんな世界もあって良い…私は心の底からそう感じた」

阿求「……」

阿求(良くも悪くも器が大きすぎる…と)カキカキ

阿求「ありがとうございます。取材は以上です」

阿求(家に帰ったら、幻想郷縁起の項目の1つ『英雄伝』…更新しないと)

アクトレイザー「そうか。力になれて良かった」

早苗「……」ジッ

阿求「何ですか?」

早苗「変な風に書いてませんよね?」

阿求「私は正直に思ったことを書いてます。別に変な事は書いてません。何か不満でも?」

早苗「あなたの記述してある事は、辛辣かつ毒舌で有名ですからね!」

阿求「いずれにしても編集は出来てないので」

阿求「完成まで、もうしばらくお待ちください」

早苗「……」

阿求(それにしても体、大きいわね…)

アクトレイザー「……」

阿求(イケメンだし)

ドゴォォォォォォン!!!!!

全員「!!?」

突如、外からとてつもない爆発音が響く

アクトレイザー「な、なんだ!?この音は!!」

~爆発の少し前・妖怪の山にて~

紫「さあついたわよ藍、橙」

藍、橙「……」

八雲紫と式神たちは、妖怪の山にある、黒く大きな棺おけを見つめる

紫「魔王サタンをこの棺にいれてから一週間…」

紫「サタンの傷は癒え、そして生まれ変わってるハズよ」

~回想・一週間前~

サタン「この棺おけで、一週間眠り続ければいいのか?」

紫「ええ。そのあと私たちが回復の為の呪文を詠唱するわ」

サタン「そうか…ところで、この赤いリボンはなぜ一緒に入れる必要がある?」

紫「それはこの世界に『適応』していくために必要な物」

サタン「……?よく分からんが、まあいい」

紫「最後の仕上げをするわ。ちょっと時間がかかるけど良いわよね?」

サタン「ああ、早くしろよ」

紫「さあ藍、チェン。お絵かきタイムよ」

サタン「……」

サタン(何をやってるのだコイツらは)

紫「うーん…藍のはちょっと幼すぎない?っていうかチェンにそっくりね」

藍「私としてはレミリア・スカーレットをイメージしたハズなのですが…」

紫「全然レミリアに見えないのだけど。チェンを溺愛してるから無意識に似せてしまったのね」

紫「やっぱり私が描いた物の方が良いわ」

藍「紫さまが描いたのは、胸が大きい上に露出も多くて…なんか痴女みたいです」

紫「失礼ね。ドロンジョ様をイメージして書いたのに」

藍「誰ですかそれ…?」

紫「外の世界の漫画キャラクターよ」

紫「さあそんな事よりも、チェンのも見せて」

橙「はい!」

紫「むむ!」

藍「これは!」

橙「えへへ、可愛いでしょ?」

紫「背格好は10代半ば…霊夢や魔理沙と同じ位」

藍「一番、安定感がありますね」

紫「これで決定ね」

藍「同じく異論はありません」

サタン「いつまで待たせる気だ」

紫「サタン、棺おけの中にこのスケッチブックも入れておくわ」

サタン「……?何でもいい。早くしろ」

紫「それでは…一週間、あなたを封印します」

紫「強力な睡眠薬をあげるわね」

サタン「それは必要ない。その気になれば一週間くらい寝ていられる」

紫「そう。妙な特技があるものね」

どす黒い塊と化かしたサタンは、せまい棺おけの中に、強引に入っていく

紫「では、おやすみなさい」

バタンッ…

~回想終了~

紫「さあ、棺を開けるわよ」

ガチャッ…

棺おけを開けた瞬間、黒い霧がブワッと放出される

藍「なんだこの黒い霧は…」

紫「フフフ、いかにも悪魔復活って感じね」

サタン「……」

サタン「む、もう一週間が経ったのか」

紫「おはようサタン。よくもまあ一週間も寝てられたわね。こんな狭い空間で」

サタン「……」

サタン「おお…体が軽い…どうやらキズは癒えたようだ」

サタン「ふふ…ははは…」

サタン「ハーッハハハハハハハハハハ!!!!」

サタン「感謝するぞ八雲紫。褒美にお前は私の部下にしてやる」

紫「……」ニコニコ

藍「……」

橙「……」

サタン「ハハハ…よし、さっそくこの世界を支配するために…」

サタン「……」

サタン「ん?前よりも身長が縮んだか…」

サタン「まあ多少は仕方ない…」チラッ

紫「……」ニコニコ

藍「……」

サタンは、高身長の八雲藍と八雲紫を見上げる

サタン「……さすがに身長が小さくなりすぎてないか?」

サタン「それに声もやけに高くなっているような」

橙「サタン、可愛くなったね!」

サタン「……あ?」

橙「はい、私の手鏡」スッ

サタン(可愛くなっただと?何を言っているのだコイツ…)スッ

サタンは手鏡をチェンから借りる
そして自分の姿を確認するために鏡を見る

サタン「…………………………」

サタン「おい」

紫「なぁに?」ニコニコ

サタン「どういうことだ」

紫「どういう事って、見ての通りよ?」

サタン「……」

以前とは変わり果てた姿となったサタン

黒髪の癖毛にショートカット
頭に角が生え、歯の形状は獣のように鋭い
角にはリボンが巻かれている


服装は、白Yシャツに黒ネクタイ、黒いスカートに革靴
上着にはヴァンパイアが着る、立て襟の黒いマント。内側は赤色で、長さは足首まである

眼は大きく紅い瞳が特徴的。まつ毛が長く、目の下にクマがある
黒いオーラを放っているが、可憐な容姿のせいで威厳が失われている

サタン「私はなぜ女になっているのだ」

紫「ふふふ、知りたい?」

紫「幻想郷ってね…どういう訳だか」

紫「有力者に限って、見てくれ可愛い女の子が多いのよ」

サタン「」

紫「あなたもこれからは幻想郷の有力者の1人になる」

紫「ならばそれ相応の格好をしなければならない」

サタン「……そんな理由で私をこんな姿に変えたのか?」

紫「ええ。それに宴会の時にあんな気持ち悪いものが出てきたら、景観を損ねるわ」

藍「まあ正直、前のごつい中年の頃よりはずっと良いと思うぞ?」

橙「そうだよ。棺おけに入る前なんか、傷が酷くて全身真っ黒で気持ち悪かったし」

紫「ほら、私の式神もこう言ってるわよ?」

サタン「…………」

サタン「」プルプルプル

サタン「ふ、ふ…」

サタン「ふざけるなぁぁ!!!!!!!!!!」

サタンの怒鳴り声で、辺りに衝撃波が起こる

紫「あ~あ~…アナタが怒鳴るから、周りの木々がへし折れちゃったじゃない」

藍「物凄い衝撃波でしたね…」

サタン「ぜぇぜぇ…」

紫「あまり癇癪を起こしすぎるのは体に毒よ?」

サタン「おい!!せめて私の姿を変えるならな!!」ガシッ

棺おけの中に入っていた、スケッチブックを取り出し、挟まっていたペンで描きはじめる

サタン「……」サラサラ

サタン「せめてこういうのにしろ!!」

http://i.imgur.com/6CsxQqM.png

サタン「これこそが魔王というものだろ!!」

藍「可愛くない」

橙「なにこれ海老?」

紫「センス無いわね」

サタン「」プルプル

サタン「黙れぇ!!!!」

サタン「ぜぇぜぇ…貴様ら…絶対に許さんぞ…」ゴゴゴ

サタン「いまこの場で三人とも!皆殺しにしてやる!!!」

サタン「行くぞ!!」

――戦闘開始、スペルカードを宣言せよ

サタン「!?」

サタン(な…なんだこれは…)

――ルールを説明しよう。スペルカードとは…

サタン「頭の中に…言葉が響く…?」

紫「サタン、前に言ったわよね?そのリボンはこの世界に適応していく為に必要な物だと」

紫「それは特殊なリボンでね。あなたに『スペルカードルール』を守ってもらうために」

紫「呪いをかけさせて貰ったわ」

サタン「呪い…スペルカードルール?意味がわからん」

紫「そのリボンが、あなたの脳内へと直接かたりかけ、ルールを説明する。それで理解できると思うわ」

紫「あーそうそう。ルールを破ろうとすれば…体が動けなくなったり、頭痛が起こるから気をつけてね?」

紫「似たようなリボンを付けた妖怪がこの幻想郷にもう一人いるけど…あのリボンなんか比べ物にならない位強力よ」

紫「なんせそのリボンは作るのに数年は掛かった。私以外では解除も不可能」

紫「さあ。幻想郷のルールに則り、美しい弾幕ごっこを始めましょう」

サタン「次から次へと…ふざけた真似を…!」

~数分後~

サタン「ぜぇぜぇ…くそ…上手く力がコントロールできん」

紫「いいえ逆よ。力が上手く制御されてますわ」

サタン「なんなんだコレは!?本気の力が出せないではないか!」

紫「それはお互い様よ。それにこの闘いは絶対的な実力主義を否定するもの」

紫「美しい方が勝ちよ」

サタン「何が美しいだ…馬鹿馬鹿しい」

サタン「こうなったら例え本気が出せなくても…お前を殺してみせる…」

サタン「進化・第二形態」

サタンは渋々、スペルカードを宣言する
すると体中にゴキゴキと気味の悪い音が響く

紫「へぇ…『人型』でも進化が出来るのね」

サタン「……」ゴゴゴゴゴ

第二形態のサタンは、髪と服装には変化は無いものの、容姿は不気味に変形する

眼は、白目の部分が真っ黒になり、瞳が完全に赤くなる
左手の部分が、角の生えた恐竜の頭へと変化する

そして顔の額に、団子ほどの大きさの、丸く赤い模様が浮かぶ

サタンの左手「ギャオオオォォォ!!!」

サタン「第3形態もある」

サタン「第3形態は完全に悪魔らしい姿になれると思うが…あれは魔力の消費が激しいからな。これでいい」

サタン「ぶち殺してやる」

紫「せっかく可愛くしてあげたのに…」

~決闘終了後~

紫「私の勝ちね。サタン」

サタン「……」

サタンは第二形態のまま、グッタリと大の字になって倒れている

紫「さあ大人しく。私のいう事を聞きなさい」

サタン「……」

紫「あなたにはこれから異変を…」

サタン「納得いかん」

紫「……」

サタン「本気も出せないまま終わってしまったではないか」

紫「お腹から撃ってくるレーザーは結構、痛かったわよ?」

サタン「本気の力ならば、痛いだけでは済まない」

サタン「こんなもの…!!!」ググッ

ガシッ

紫「なっ…!!?」

サタンは立ち上がり、自らの角に巻かれたリボンを掴む
自分で触れることすら出来ないハズのリボンを

藍「バカな!?なぜそれに触れることが出来るんだ!?」

サタン「私を誰だと思っている…私は悪魔の王だ…そしてかつて神をこえた者」ググッ

サタン「私を縛るなど!片腹痛いわ!」

サタン「うおおぉぉ…」ググッ

必死にリボンを解こうとするサタン
しかしリボンをビクともしない

サタン「くそ!!いったいどうなっているのだ!!」

紫「無理も無いわ。私だってその呪いを解くのに一週間はかかる」

紫「それに本来、解除できるのは私だけ…貴方では絶対に呪いは解けない」

紫「もっとも、触れることが出来ただけでも凄いけど…」

サタン「ぐぐ…うっ!?」ガクッ

サタンはうめき声と共に、膝を崩す

紫「それを無理に外そうとすると、貴方の身が危なくなるわ」

サタン「ググ…うおぉぉ…」ググッ

サタンは紫の忠告を無視して、尚も強引に解除しようとする

サタン「うっ!ぐあああ!!!」

バチバチ!!バチバチ!!

サタンの全身から放電が起こる

紫「ほら言わんこっちゃない」

サタン「ぐっ…ぅぅ…ぐあああ!!!」

バチバチ!!バチバチ!!

サタン「リボン自体が解けないなら…」

サタン「角をへし折るまでだ!!」ガシッ

ミシ…ミシミシ…

紫「っ!?止めなさい!!そんな事をしたら…あなた本当に死ぬわよ!?」

ミシ…ミシミシ…

サタン「死ぬだと!?馬鹿をいえ!!」

サタン「ガハッ!!」

角にひび割れが起こると同時に、サタンは吐血する
そして目やら額から、大量の血が流れる

サタン「私は滅びぬ…悪は永遠であり、永遠こそが悪だ…」

サタン「私は!!魔王だ!!!」

バキッ

リボンが巻かれた角は、無情にもへし折れる
その瞬間、サタンの体が発光する

――数分後

藍「げほげほ…大丈夫かチェン?」

橙「藍さまが守ってくれたおかげで」

藍「そうか…ほっ。紫さまは?」

紫「爆発の寸前に隙間の中に隠れたから無事よ」

紫「ごめんね。咄嗟だったから二人は間に合わなくて…」

藍「いえ。辛うじて結界を張ったので」

藍「もっとも、いとも簡単に破壊されてしまいましたが…ダメージの軽減にはなりました」

紫「それにしても…辺り一面、焼け野原になってしまったわね」

紫「早く逃げるわよ」

そういうと紫はスキマを開ける

紫「霊夢が来てしまうわ。そうなると私たちが真っ先に疑われる」

藍「霊夢以外も出てきそうですけどね…これほどまでに大規模な爆発があると」

紫「……」

藍「紫さま?戻らないのですか?」

紫「あ…ごめんね。ちょっと考え事してて」

藍「あー…もし霊夢にバレたらどう言い訳しようと…」

紫「いいえ。そっちじゃないわ」

紫(サタンは言っていたわ…悪は永遠であり、永遠こそが悪…)

紫「……まさか、ね」

藍「?」

紫「藍、しばらくの間は幻想郷を注意深く見守ってね」

藍「え?あ、はい」

~爆心地にて~

霊夢「……なんなのこの焼け野原は」

アクトレイザー「博麗の巫女!」

霊夢「アクトさん、それに早苗も」

早苗「何だったんですか!?さっきの爆発!」

霊夢「こっちが聞きたいわ」

文「あややや、霊夢さん。ここ妖怪の山なんですけど、出て行ってもらえますか?」

文「ここの問題は天狗が解決しますので」

霊夢「こんな爆発があって、素直に出て行くわけ無いでしょう?」

文「……」

霊夢「……」

アクトレイザー「お、おい二人とも止さないか」

カミの忠告を無視して、弾幕ごっこを始める霊夢と文

早苗「あなた。あの二人は放っておきましょう」

早苗「どうせ止めても無駄ですし」

アクトレイザー「……そうだな。一先ず見回りをしよう」

アクトレイザー「」ゾクッ

早苗「…?どうしました?」

アクトレイザー「いや、なんでもない」

アクトレイザー(何だ…いま一瞬、物凄い悪寒が)

忘れ去られた2人のキャラが登場します
前スレの>>173-176に出てきた二人です

~博麗神社の近くのとある神殿~

謎の巫女「……」ブツブツ

謎の巫女「違う…違う違う違う違う違う…違う!!!」

謎の巫女「私が本当に求めていた信仰は…神への信仰じゃない」

謎の巫女「私のこの嫉妬心を理解し、満たしてくれるのは…」

謎の巫女「悪魔だけだ!!」

ゴゴゴゴ…

謎の巫女「おお…ちょうど今日は曇り日和…」

謎の巫女「おおサタンよ!どうか私に力を…」

――嫉妬に燃える巫女よ

謎の巫女「っ!?声が聞こえる…」

――お前と私はよく似ている。どうだ?お前と私で1つにならないか

謎の巫女「ああ!喜んで!」

――お前の名前は?

謎の巫女「フレアだ!」

――そうか。ならば嫉妬の意味も込めて…今日からジェラシックフレアと名乗るが良い

謎の巫女「承知した!!」

謎の巫女「さあ、私に力を!!」

ボォォォォン!!!!

暗雲の空から、強烈な稲妻が落ちる

謎の巫女「ハハハハハハ!!ハハハハハハ!!!」

謎の巫女「」ドサッ

嫉妬に燃える巫女は、文字通り炎に包まれながら焼死する

~命蓮寺の門の前~

星「いい加減にしろ!」

中年男「ぐっ……」ドサッ

1人の中年男性が寺が追い出される

星「貴様は別に生活に困っている訳では無いのだろ?」

星「大富豪になりたいなどという理由で、私にたかるな!」

中年男「私は知っているぞ…お前の能力を…」

中年男「質素な暮らしなんて懲り懲りだ!金をよこせ金を!」

中年男「お前なら金銀財宝を集める事位…容易いことなのだろ!?」

星「なんて強欲な男…哀れだ」

星「この寺で修行を積むのなら歓迎しよう」

星「しかし己の欲望を満たすためだけに、この寺に訪れるのは許さん」

バタンッ!

中年男「ぐ…くそ…」

中年男「あああ!!国王として贅沢していたあの頃に戻りたい!」

中年男「だれか…だれか…金をくれ…」

――そんなに金が欲しければ悪魔と契約を交わせ

中年男「天から声が…」

暗雲の空を見上げる中年男性

――お前と私はよく似ている。私と同化する事で

――お前に力を与え、夢を叶えてやろう

中年男「……」

中年男「クク…ハハハ…」

中年男「我が野望を叶える為ならば!何でもする!」

中年男「さあ!この身を売ってやる…契約しよう!悪魔よ!」

ボォォォォォン!!!!

中年男性の真上から雷が落ちる

中年男「ハハハハハハ!!!ハハハハハハ!!!」

中年男「」ドサッ

~神殿の跡地にて~

ジェラシックフレア「集まったか」

ドーム「ああ、どうやらそのようだ」

怠惰「……」

暴食「……」

憤怒「……」

色欲「……」

ドーム「む、1人足りなくないか?」

ジェラシックフレア「『傲慢の悪魔』なら、カッパが開発している『デストラクター』という兵器に憑依している」

ジェラシックフレア「これから我らが起こす『悪魔大異変』の総仕上げが近づいた時に、動き出す予定だ」

ドーム「そうか」

ジェラシックフレア「さあ改めて自己紹介だ」

ジェラシックフレア「私はジェラシックフレア…嫉妬の悪魔だ」

ドーム「私はドーム。強欲の悪魔だ」

赤いローブを来た悪魔巫女と、黄金の鎧をまとった人型の龍の少女が自己紹介をする

ドーム「我らがここに集まったのはいうまでも無い」

ジェラシックフレア「魔王サタン様の復活のためだ!」

ジェラシックフレア「我らは七つの大罪にして、サタン様の分身…」

ドーム「ゆえにサタン様の記憶も共有している」

ジェラシックフレア「諸君も分かっているように、ひょんなことを理由にサタン様はこの幻想郷に訪れ…」

ジェラシックフレア「不運な事故で、二度目の死を遂げた」

ジェラシックフレア「たとえその身が可憐な少女であっても…中身は邪悪そのものお方だ」

ジェラシックフレア「我らの力で、サタン様を復活させようではないか!」

ジェラシックフレア「その為には、背徳のエネルギーが必要だ」

ドーム「この世界の住人どもの心を操り、背徳のエネルギーをかき集めるのだ」

ジェラシックフレア「私とドームは幻想郷にそれなりに詳しい」

ジェラシックフレア「わからない事があるなら、私達に聞くといい」

色欲「ちょっといいかしら?」

露出の多いボンテージ服を来たサキュバスが質問をする

色欲「幻想郷の人里ってそれなりには広いけど…」

色欲「前に住んでた世界の、一国分にも満たいない広さでしょ?そんなんで背徳のパワーをかき集められるのかしら?」

ジェラシックフレア「さっきも言ったではないか。ターゲットは人里だけではない」

ジェラシックフレア「攻略は厳しいが妖怪の山なども標的に入れている」

ジェラシックフレア「それにな…幻想郷は、実は何もしなくても背徳パワーを集める事ができる」

全員「??」

ジェラシックフレア「この世界には瘴気が多い。それに…怨霊だっている」

ジェラシックフレア「わたしは負のエネルギーを具現化しかき集める」

ジェラシックフレア「それに…サタン様復活為の遺品もある」

ジェラシックフレア「これが遺品だ」

嫉妬の悪魔が取り出したのは、リボンが巻かれた角だった

ジェラシックフレア「諸君も知っているように、サタン様は八雲紫に妙な呪いを掛けられた」

ジェラシックフレア「その呪いは、我々にも影響を及ぼしている」

ドーム「全く厄介だ」

ジェラシックフレア「では、これから各自、どのように動くか話し合おう」

~悪魔たち会議中~

ジェラシックフレア「では、大体の方針が固まったな」

ジェラシックフレア「我らは一気に異変を起こすのでなく」

ジェラシックフレア「地道に、じわじわと…背徳の力をかき集めるのだ」

ドーム「この世界にはサタン様に匹敵する強者が多すぎる」

ドーム「最悪、我々は全滅しても構わない」

ドーム「サタン様さえ復活できれば…我らも復活し」

ドーム「そしてあの12人の部下たちも復活するだろう」

エンヴィー「ちょっと待って欲しい」

カニのお面を被った少女が、悪魔巫女に意見する

エンヴィー「私の石化ビームで、この世界の連中を全員石に変えれば良いんじゃ」

ジェラシックフレア「幻想郷の住民を甘く見すぎだ。人里の住民はともかく…」

ジェラシックフレア「石化ビームを喰らっても、すぐに解除されしてしまうのがオチだ」

ジェラシックフレア「それに石化するだけでは、背徳のパワーが集まらないし、魔王復活にも繋がらない」

エンヴィー「……」

ジェラシックフレア「お前は然るべき時が来た時、私と暴れてもらう」

エンヴィー「しょうがないな…手っ取り早く終わらせたいのに」

ジェラシックフレア「今回の任務で一番、重要な責務を背負っているのは…」

ジェラシックフレア「怠惰の悪魔…お前たちだ」

怠惰「zzz…」

死神「……」

ジェラシックフレア「サタン様の復活、そして幻想郷の転覆は…お前達にかかっている」

怠惰「zzz…」

死神「まかせろ。必ず任務を全うする」

怠惰「zzz…」

死神「おい!起きろ!」ゴンッ

怠惰「ふあ?あー…分かってるよ…やりゃ良いんでしょ?」

怠惰「我らの任務は3つ」

怠惰「紅魔館について調べ…そのあと、博麗神社に潜入する」

怠惰「そして然るべき時が来たら、妖怪の山の連中全員を堕落させる…だろ?」

死神「なんだお前、寝ながら聞いてたのか」

ジェラシックフレア「頼むぞ二人とも」

怠惰「zzz…」

~紅魔館・レミリアの部屋にて~

美鈴「失礼しまーす」

レミリア「あらどうしたの?」

美鈴「はい、実はこの紅魔館で働きたいという方々がいて…」

レミリア「へぇ…まあいいわ。通してあげなさい」

美鈴「どうぞ」

悪魔二人「……」

レミリアの視線の先には、黒いローブを来た茶髪の少女と
アロハシャツとスカートを穿いた、水色の髪をした人型のカタツムリ少女がいた

美鈴「んじゃ、私は持ち場に戻ります。あとで咲夜さんも来るので」

レミリア「……ようこそ初めまして」

レミリアはスカートを両手で軽く掴んで、頭を下げる

レミリア「この館の主のレミリア・スカーレットよ」

レミリア「アナタ達は?」

死神「おう。私は…死神のランガーだ」

怠惰「zzz…」

ランガー「おい!起きろ!」ゴンッ

怠惰「ふあ…?あー…お嬢さん。悪いけどタバコ吸っても良い?」

レミリア「館内は禁煙よ」

怠惰「ケチケチすんなよ」シュボッ

カタツムリの悪魔は、オイルライターと取り出しタバコを吸い始める

怠惰「ぷはーっ…それにしてもいい館だな」

怠惰「あ、自分は門番やりたいわ。あの美鈴とか言う門番が気持ち良さそうに寝てるもんだからさ~」

ランガー「てめぇは少し黙ってろ!!」ゲシッ

怠惰「いたい」ドサッ

ランガー「いやー悪いな。ツレがアホでよ」

怠惰「……ぷはぁー」

大の字に寝ながら、呑気にタバコを吸う怠惰の悪魔

レミリア「それで?そこのカタツムリ、名前は?」

怠惰「……ラスティーウォーム」

レミリア「それで?ランガーにラスティーウォーム。アナタ達はどうしてウチで働きたいと思ったの?」

ラスティーウォーム「ここの門番みたいに呑気に寝ながら、仕事をしたいと思って」

ランガー「いい加減に目を覚ませよ!」ゲシッ

ラスティーウォーム「いたい」

ランガー「その…なんだ。料理の修業をしたくてだな」

レミリア「料理修行??」

ランガー「見ての通り、私は死神だし…こいつはカタツムリ。料理修行したくても人里じゃ、邪険にされるんだよ」

レミリア「だからウチを選んだと」

ランガー「ああそうだ」

レミリア「そう…とりあえず、そこの紅茶でも飲みなさい」

ランガー「お、いいのか?いただきます」

ラスティーウォーム「うーん…良い味だ。素晴らしい」

レミリア「でしょ?アナタ達もこれくらい美味しい紅茶が淹れられるようになってもらうわ」

ランガー「お、じゃあ雇ってくれるんだな」

ラスティーウォーム「うめー…この紅茶うめー…」ズズッ

ガチャッ

咲夜「失礼します。お嬢様」

レミリア「あー咲夜。丁度よかった、新入りよ」

咲夜「新入り?そこの死神とカタツムリが?」

レミリア「ええ」

レミリア「紹介するわ。メイド長の十六夜咲夜よ」

ランガー「ああよろしくな…ってぇぇぇ!!!?」

ラスティーウォーム「ブーーッ!!!!」

二人の悪魔が咲夜を見た瞬間、驚愕する
ラスティーウォームは口に含んでた紅茶を吐き出す

咲夜「!?」

レミリア「ちょっ!汚いじゃない!」

ランガーとラスティーウォームは互いに顔を合わせ、ヒソヒソと内緒話しを始める

ラスティーウォーム(どういう事だ!?サタン様を討伐しに来たあの人間共の1人じゃないか!!)

ランガー(ここは悪魔の館なんだろ!?なぜ人間のメイドが!神の軍団の1人がここにいるんだ!?)

レミリア「ちょっと!なんなの二人とも!」

ランガー「い、いや…何でもない。あまりに美しいメイドさんが来たんでな」

ラスティーウォーム「ああそうだ。びっくりして吐いちゃったよ」

咲夜「……?」

レミリア「もう…とりあえず咲夜。二人を頼むわ」

――それから、三ヶ月の時がたった

レミリア「え?ウチを辞めるって?」

ランガー「ああ」

レミリア「どうして?せっかく馴染んできたのに」

ランガー「アンタの事は嫌いじゃないが…」

ランガー「やっぱり無理だったんだよ。我らが労働なんて」

ランガー「俺もツレのコイツほど怠け者じゃいが…正直しんどい」

ラスティーウォーム「そうそう。働くのしんどい」

ソファに座るランガーとレミリアに対し、ラスティーウォームは殻閉じこもって床で寝ている

ランガー「おい起きろ!」ゲシ

ラスティーウォーム「やだ。このまま一生殻に閉じこもっていたい」

ランガー「まあとにかく、我々は元の旅人にでもなるよ」

レミリア「そう…残念ね」

レミリア「咲夜、紅茶を」

咲夜「はい」

ラスティーウォーム「紅茶を淹れてくれるなら起きるしかあるまい」ムクッ

ラスティーウォーム「ズズズ…あーうめぇぇー」ボロボロ

咲夜「涙が出るほど気に入ってるならこの館に残れば?いつでも飲めるわよ」

ラスティーウォーム「そういう訳にはいかんのよメイド長」

ラスティーウォーム「やっぱり私たちに労働なんて無理があった」

レミリア「別に労働なんてしなくても、パチェみたいに匿っても良いのよ?」

ラスティーウォーム「レミリアお嬢…あんた心が広いな。悪魔とは思えん」

レミリア「器が大きいと言いなさい」

レミリア「……私はね。アナタ達の正体を大体分かってるわ」

レミリア「七つの大罪の1人よね?」

ラスティーウォーム「なっ…!!」

ランガー「さすが吸血鬼。やっぱ分かってたか」

レミリア「当たり前じゃない」

レミリア「アナタ達が大物悪魔でなければ…少なくともあのふざけた面接の時点で、二人とも殺してたわ」

ラスティーウォーム「おお怖い怖い」

レミリア「おなじ悪魔にして大物…だから私は心を許した」

レミリア「せっかく馴染んできたんだから、ただで住まわせても良いんだけど」

ラスティーウォーム「いやいや…そう訳にはいかないよ」

レミリア「分かったわ。もうこれ以上は止めない」

レミリア「でも気が向いたらいつでもいらっしゃい」

ラスティーウォーム「ああ、またどこかで」

ランガー「じゃあな」

レミリア「……ああそうそう。1つ聞き忘れてたわ」

レミリア「アナタ達はいつ『異変』を起こすの?」

ランガー「」ビクッ

ラスティーウォーム「な、なな、なんの、ことかな」

レミリア「とぼけても無駄よ。何か異変を起こすんでしょ?私には分かるわ」

ランガー「な、何を根拠に」

ラスティーウォーム「ひ、酷いなレミリアお嬢。いきなり人を悪の化身みたいに…あ、そういえば悪の化身でした」

レミリア「まあ良いわ。楽しみにしてるわよ」

レミリア「アナタ達がどんな異変を起こすのか」

ランガー「……」

ラスティーウォーム「……」

ランガー「1つだけ、約束してほしい」

レミリア「ん?」

ランガー「もし今度会うことがあっても…我々は悪魔ではなく妖怪として接して欲しい」

レミリア「悪魔だという事がバレるとダメなのね?」

ラスティーウォーム「ああ。それと…」

レミリア「異変の事は誰にも言わないわ…ねえ?咲夜」

咲夜「……お嬢様がそう仰られるのなら」ペコッ

~魔法の森にて~

ランガー「おう相棒、まだ体力持つか?」

雲「……」

ランガー「そうか。問題なしか」

死神とカタツムリは、サングラスをかけた雲に乗りながら移動する

ラスティーウォーム「zzz」

ランガー「三ヶ月間、料理修行をしつつ…色々と調べさせてもらった」

ランガー「どうもレミリアお嬢は、あまり悪魔っぽくない」

ランガー「博麗神社に何度も遊びに行ってるし」

ラスティーウォーム「……最近じゃ守矢神社にも顔出してるってな」

ラスティーウォーム「あそこにいるんだろ?あの憎き、神・アクトレイザーが」

ランガー「レミリアお嬢は…あわよくば同じ悪魔として、戦力に加えようと思ったのに」

ランガー「論外だな」

ラスティーウォーム「お嬢は悪魔としての誇りを失っちまってる…お嬢のプライドは貴族的な意識ばかりだ」

ラスティーウォーム「しかも皮肉な事に、魔王討伐に参加していたメイド長までいた」

ラスティーウォーム「……ひとまず紅魔館には攻め込まない方針でいこう」

ランガー「ああそうだな。悪魔としての義理もあるが…」

ランガー「紅魔館の連中は強いのが多すぎる」

ランガー「何にしても、これで紅魔館の調査は終わり」

ラスティーウォーム「……次は博麗神社への潜入だ」

ラスティーウォーム「博霊神社に居候して…」

ランガー「隙を見て巫女を暗殺する…それが私たちの二つ目の任務」

今日はここまで
はじめの注意書きにも書いたけど…今回はこういうお話です
一応、だんだん真面目な話に向かっていきます

悪魔勢の全員分の立ち絵を書いたけど、あまりにもヘタクソなので、もう少しマトモになったら気分次第で貼ります

投下します

(あらすじ)
少女化した魔王は二度目の死
少女化した七つの大罪が動き出す

最重要任務を担う死神とカタツムリは紅魔館での調査を終え次の任務へ移行する

~博麗神社~

ランガー「ここが博麗神社か」

ラスティーウォーム「……誰もいないじゃないか。少し待つか?」

ランガー「いや、私に考えがある」ゴソ

死神のランガーはポケットに手を入れると、中から財布をとりだす

ランガー「聞いた話じゃ博麗霊夢は金が大好きだって話だ」

ランガー「そしてこのお賽銭箱とやらの中に、金を入れるのが神社の習わしらしい」

ランガー「おらよっ」ポイッ

ラスティーウォーム「んじゃ私も」ポイッ

死神ランガーと、怠惰のカタツムリは財布ごと賽銭箱へと入れていく

ランガー「あとは鈴をならして…」

ガララン、ジャララン

ランガー「えーっと…このあと何すんだっけ?忘れちったよ」

ラスティーウォーム「……」

ランガー「……」

ラスティーウォーム「何もおきないな」

ガララッ!!

ランガー・ラスティ「ッ!?」

突如、賽銭箱の前にある扉が開く
その先には瞳を輝かした巫女がいた

霊夢「これは…お賽銭にお金を入れてくれたのね!?」

ランガー「あ、ああ」

霊夢「まあなんて素敵な参拝客なのかしら!」

霊夢「お茶とお菓子をあげるからウチにあがりなさい!」ニコニコ

素敵な笑顔でいい終えると、霊夢は部屋の奥へと消えていく

ラスティーウォーム「……とりあえず作戦成功だな」

ランガー「ああ」

~居間~

霊夢「ふふふーん」ニコニコ

霊夢「はいどうぞ」

ランガー「さんきゅー」

ラスティーウォーム「なんだこの緑色のお湯は」

霊夢「緑茶よ。しらないの?」

ラスティーウォーム「紅茶しか知らん…ずずず…」

ラスティーウォーム「う…美味すぎる…」ボロボロ

霊夢「泣くほど気に入った!?」

ランガー「確かにいい味だ。紅茶とはまた違う素晴らしさだ」

霊夢「このお饅頭も食べてね」

ランガー「うん。このまんじゅうっても美味いな」

ラスティーウォーム「……」

霊夢「あれ?そこのアロハシャツきてるアナタは食べないの?」

ラスティーウォーム「いや、その、私カタツムリだし…性質的にはナメクジと一緒だから」

霊夢「カタツムリ?そういえばアナタ背中に殻あるわね」

霊夢「あれ?でもナメクジの弱点ってたしか塩じゃ」

ラスティーウォーム「甘いのも苦手なんだよ。しらないのか?」ゴソゴソ

ラスティーウォームはポケットから煙草とライターを取り出す

ラスティーウォーム「だから私の楽しみは、お茶と甘くない酒、タバコくらいしか無いんだよ」チャキン

ラスティーウォーム「ぷはーっ…ああ悲しい。甘い物も塩っ気もダメなんて…欝だ」

ラスティーウォーム「あ、でも牛乳はいけるぜ。貝殻の栄養源になるからな」

霊夢「ふーん…所でそのタバコ変わってるわね。白い紙に包まれてて小さいし…」

ラスティーウォーム「香霖堂で安く買えたよ。珍しいけどあまり売れないらしい」

霊夢「キセルは好きじゃないの?」

ラスティーウォーム「アレいちいち葉っぱ詰めなきゃなんないし、めんどくさいんだもん」

霊夢「ふーん、デリケートなのね」

ラスティーウォーム「ああそうさ。私はデリケートなんだ」

霊夢「…………」

霊夢「あ!よく見たら二人とも人間じゃない!?」

ランガー「気がつくのおせぇよ」

霊夢「……」ギロッ

ランガー「お、おい…そんな睨むなよ…」

ラスティーウォーム「ああ…そういや博霊神社の巫女さんは妖怪に対して扱いが雑だって聞いたな」

ランガー「おいおい…ちょっと待ってくれよ。私たち別に何も…」

霊夢「……」

霊夢「まあ良いわ。お賽銭くれたし」

ランガー「ほっ…」

ラスティーウォーム「九死に一生を得たぜ」

霊夢「とりあえず、名前と種族を教えなさい」

ランガー「私はランガー。見ての通り死神だよ」

ラスティーウォーム「ラスティーウォームだ。見ての通りカタツムリの妖怪」

霊夢「死神?カタツムリはともかく…やっぱりアナタはいまここで潰した方が良いかしら?」

ランガー「ちょ、おいおい…」

霊夢「なーんて冗談よ」

ランガー「ほっ」

霊夢「死神ってことは小町とも知り合いかしら」

ランガー「誰だそいつは」

霊夢「あれ知らない?あんたも閻魔の部下なんでしょ?」

ランガー「閻魔ってなんだ」

霊夢「え?」

ランガー「え?」

霊夢「…………」

霊夢「怪しい。やっぱココで潰しておいた方が良いかしら?」

ランガー「ま、待て!私は何もしてない!」

ランガー「それにな、死神って言っても…私は怠け者なんでな。そうそう人殺しなんてしないのさ」

霊夢「ふーん…」

霊夢「怠け者ね…そういや小町もよく仕事サボってるし」

霊夢「死神ってのは怠け者が多いのね。とりあえず納得してやるわ」

ランガー(ほっ…よく分からんがたすかった)

霊夢「ところでそのグラサンかけた雲はなんなの?」

雲「……」

ランガー「コイツはわたしの相棒だ」

雲「……」

霊夢「なんか一輪のとこの雲山みたいね」

ランガー「うんたん?なんだそら」

霊夢「うんざん!まあ…そのうち教えるわよ」

霊夢「で、あんた達はどうしてウチに来てくれたの?」

ランガー「私たちは旅人でな…その、ついでにだな」

ラスティーウォーム「ちょっと前まである館で料理修行してたんだが…怠け者の我らには荷が重かった」

霊夢「ふーん。料理人を目指してたけど、やっぱりやめて旅人にもどったと」

ラスティーウォーム(ランガー、そろそろ本題に入ろうぜ)ヒソヒソ

ランガー(ああ、そうだな)ヒソヒソ

ラスティーウォーム「あーそれにしても、ここの住処は落ち着くなー(棒」

ランガー「あーまったくだー(棒」

霊夢「…?」

ラスティーウォーム「前の住み処は広すぎて落ちつかなくてさー(棒」

ランガー「ここならずっと住んでいたいなー(棒」

ラスティーウォーム「そうだ、ここに住もう(棒」

ランガー「ああ、そうしよう(棒」

霊夢「」

ラスティーウォーム「っと言う訳で今日から居候になるんでヨロシク」

霊夢「」

霊夢「ちょ…ちょっと!!なに勝手に決めてんのよ!?」

霊夢「大体、なんで妖怪と死神もどきをウチで匿ってやらないといけないの!?」

ラスティーウォーム「お賽銭」

ランガー「お賽銭」

霊夢「あのね…いくらお賽銭箱にお金を入れたからって…!」

ラスティーウォーム「中身をちゃんと見たか?」

霊夢「え?」

ランガー「見てみろ…驚くぜ」

霊夢「……財布ごと入れるとはね」ゴソゴソ

霊夢「えーと…ひーふーみー…」

霊夢「え!?なにこのお金の量!?アナタ達なんでこんなにお金もってるの!?」

ラスティーウォーム「だから言ったろ、我らはチョット前まで料理人だったって」

ランガー「その財布の中には三か月分の給料がある…つまり二人合わせて半年だ」

霊夢「」

ラスティーウォーム(我々が悪魔だと見抜いてたレミリアのお嬢は、けっこうサービスしてくれたしな)

ランガー(しばらくは余裕で暮らせるだけの金はある)

ラスティーウォーム「どうだ?我々を匿うには充分過ぎる額だ」

霊夢「こ、これが…下っ端の料理人見習いの貰える給料なの!?嘘でしょ!?」

ランガー「雇い主に気に入られてたみたいでな。サービスしてもらってた」

霊夢「………………」

霊夢「しょ、しょうがないわね!あなた達が悪さしない様に…」

霊夢「『監視』という名目で、あなた達を匿うわ!」

ラスティーウォーム「やったー」

ランガー「ばんざーい」

ランガー・ラスティ(監視されてるのはお前の方だけどな)ニヤリ

~その夜~

ランガー「私たちは元料理人だ。飯の当番は私達に任せろ」

ラスティーウォーム「今夜は私が作る」

霊夢「でも三ヶ月だけなんでしょ?」

ラスティーウォーム「基礎は出来てる。それに私たちの料理はお嬢やメイド長にも評価されている」

霊夢「メイド長?アナタ達もしかして…」

ランガー「ああそうだ。紅魔館にいたんだ」

霊夢「そういえばレミリアが前に、新しい使用人が来たとか良く自慢してたわ」

~~~~~

ラスティーウォーム「さて。米とぎも終わったし…」

ラスティーウォーム「ココからが本番だ」

米が入っている鍋の中に、スッと手をかざすラスティーウォーム
すると手の平から、透明の体液が流れ出る

ポタ…ポタ…ボタタタ…ジャー!

ラスティーウォーム「……」

ラスティーウォーム「これが終わったら味噌と漬物にも、私の体液を仕込まないとな」

ラスティーウォーム「……漬物を扱う時、毎度手荒れ起こすのが辛い」

霊夢「いただきまーす」

霊夢「……」モグモグ

霊夢「あれ…なんだろ。この不思議な感覚」

ラスティーウォーム「美味いだろ?」

霊夢「ええ。この味噌汁も漬物も…」

霊夢「一体何をしたの?」

ラスティーウォーム「隠し味ってやつだ」

霊夢「ふーん。ところで何でアナタはごはんとお茶だけなの?」

ラスティーウォーム「塩は苦手なんだよ。ほら、おかげで手荒れが」

霊夢「そう…手荒れをおこしてまで作ってくれるなんて」

霊夢(割と優しい性格してるのねこの妖怪は)

ランガー「さすがだなラスティ。ま、私には及ばないがな」

~食事を終えた後~

霊夢「ああ、おなかいっぱい」

霊夢「なんだか眠くなってきちゃったわ…」ウトウト

霊夢「ふ、布団しかないと…」

ランガー「布団は我々が敷いてやる」

ラスティウォーム「もうオネンネしなさいな」

霊夢「おやすみ…」バタン

霊夢は着替えもせずに畳の上で倒れるように、グッスリと寝てしまう

ランガー「効果は抜群だな」

ラスティーウォーム「私の体液は人を堕落させる…さらに筋弛緩剤と睡眠薬を足した様な成分も含まれている」

ラスティーウォーム「この巫女は怠惰の気質を持っている。それも相当なレベルの」

ランガー「ああ。紅魔館の美鈴以上の怠惰レベルだ」

ラスティーウォーム「実に堕落させがいがある」

ラスティーウォーム「ケケ、ケケケケケケケ」

ランガー「ククククク」

ランガー・ラスティ「ギャハハハハハハハハハ!!!」

ゲシッ!ゲシッ!

邪悪に微笑み、高笑いする二人
死神のランガーは睡眠中の霊夢の顔面を踏みつける

ランガー「ざまみろ人間!テメェなんざ怖かねぇ!」

ラスティーウォーム「いくら強くたって我々の能力の前には手も足も出まい」ボタタタ

ラスティーウォームは手の平から体液を放出し、霊夢の体を濡らしていく

ビチャ…ビチャチャチャ…

ラスティーウォーム「これからじっくり…じっくりと毒を盛らせてやるからな」ニヤッ

ランガー「ああ!!早くぶっ殺してぇぇ!!」ゲシゲシ

ランガー・ラスティ「ギャハハハハハハハハハ!!!ギャハハハハハハハハハ!!!」

霊夢「zzz…」

~次の日~

霊夢「ん、朝…」

霊夢「あれ?なんで私の服、こんなに濡れてるの?」

ランガー「汗でもかいたんじゃないか?」

霊夢「うーん…?そんなに熟睡してたの私?」

ラスティーウォーム「おーいごはんできたよー」

霊夢「あら、準備が良いのね」

~食後~

霊夢「さてと…境内のお掃除しないと」


霊夢「…な、なんか…だるい…」

ラスティーウォーム「ああ、掃除なら我らがやる」

ランガー「オネンネしてな」

霊夢「ふわぁぁ…悪いわね…」

霊夢「」ドサッ

霊夢は倒れるようにして、縁側で眠りにつく

ランガー「くくく…掃除なんてやるわけねぇだろ!」

ラスティーウォーム「zzz…」

ランガー「テメェもつられて寝てんじゃねぇよ!」ゲシッ

ラスティーウォーム「痛い」

ランガー「我らはこの神社の内部を調査するぞ」

ラスティーウォーム「あーめんどくせー…」

ランガー「ふむ、大体の構造はわかったぞ」

ラスティーウォーム「神社の構造なんて調べて何になるんだよ」

ラスティーウォーム「もう良いから私達も寝ようぜ…zzz」

ランガー「起きろ!」ゲシッ

ラスティーウォーム「痛い」

ランガー「テメェは今日ミッションがあるだろ!」

ラスティーウォーム「あ、そうだ。妖怪の山に行って『実験』してくるんだった」

ラスティーウォーム「でもさ、やるまでもない気がするが」

ラスティーウォーム「前にレミリアお嬢が私の体液入り紅茶飲んだら、『素晴らしい味だわ』って言いながらオネンネしたじゃん」

ランガー「吸血鬼と一般妖怪では効き目に差があるかも知れない。だから調査は必要だ」

ラスティーウォーム「あーめんどくせー…」

ラスティーウォーム「ん?おいコレ見ろ」

ランガー「あ、これは…」

悪魔二人が見たもの、それは

ラスティーウォーム「なんでアイツの銅像が…」

神・アクトレイザーの銅像だった

ランガー・ラスティ「……」

ランガー「オラァァ!!!」

ガシャァァン!!!

ランガーは銅像を蹴り飛ばし、銅像の右腕を破壊する

ラスティウォーム「おい待て」

ランガー「気に入らねぇんだよ!こんちくしょう!!」

ガシャァァン!!!

ラスティウォーム「あーあ…全くもう。目立つ行動は慎めよ」

ランガー「もう遅い!オラァァ!!」

ガシャァァン!!!

ラスティウォーム「ん?隣にも小さな銅像が」

ランガー「これは…たしか妖精の神・チルノだっけか?」

ラスティウォーム「……この銅像は私がやる」

ラスティウォーム「ランガー。墨をかせ」

ランガー「あいよ…相棒。ちょっと失礼」ゴソゴソ

雲「……」

雲の中から箱に入った墨汁と、筆を取り出す

ラスティウォーム「よっしゃ、はじめんぞ」

ラスティウォーム「バカ、アホ、クズ、おたんこなす…と」カキカキ

~二時間後~

霊夢「」

霊夢「ど、どういう…こと…」ワナワナ

博麗霊夢が目覚め、ふと境内の様子を見に行くと
そこには二人の悪魔が境内で昼寝をし

ランガー・ラスティ「zzz…」

さらにカミの銅像が粉々に破壊され、チルノの銅像が落書きされていた

霊夢「」

霊夢「ちょっと二人とも!!これはどういう事よ!!」

ランガー「…ん?はっ!し、しまったつい昼寝を…」

ラスティウォーム「zzz」

霊夢「ちょっとランガー!これはどういう事なの!?」

霊夢「綺麗になる所か、掃除の量が増えてるじゃない!」

ランガー「あ、いやこれは…その…」

ラスティウォーム「zzz」

霊夢「ラスティも起きなさい!」

ラスティウォーム「zzz…ふわ?おはよう。なにそんな怒っての」

霊夢「周りをみなさい!」

ラスティウォーム「ん?わお、こりゃひどい」

ランガー「おいラスティ、お前ミッションはどうした?」

ラスティウォーム「昼寝してからでも良いだろ?」

霊夢「ミッション?」

ラスティウォーム「あ…いや、その、買い物に行こうと思ってだな」

霊夢「そう…で?この有様はなんなの?」

ラスティウォーム「寝ていたから分からない」

ランガー「お、同じく。寝てたから分からない」

霊夢「ざけんじゃないわよ!どうするのよその銅像!」

ラスティウォーム「……やっぱ高かったよねその銅像」

ラスティウォーム(だから言ったじゃないか!目立つ行動をとるなと!)ヒソヒソ

ランガー(あんなもの見せ付けれたらぶっ壊すしかねぇだろ!)ヒソヒソ

霊夢「その銅像自体はタダで貰ったから問題ないわ」

ランガー・ラスティ「え?」

霊夢「とにかく今は、早いところ掃除して片付けるわよ」

霊夢「もしも早苗にこんな所見られたらタダじゃすまないわ…」

ランガー・ラスティ(早苗…ああ、たしかカミの奥さんか)

早苗「誰に見られたらタダじゃすまないですって?」ニッコリ

霊夢「」

ランガー・ラスティ「」

早苗「……」ニコニコ

早苗「久しぶりに遊びに来たと思ったら…これはいったいどういう事ですか?」

霊夢「」

早苗「守矢神社の分社一部として、この博麗神社に送ったはずの…私の夫の銅像が、なぜ破壊されてるのですか?」

霊夢「あ、いや、その」

霊夢「ち、違うのよ!私がやったんじゃ…」

早苗「そんな事わかってますよ。私が言いたいのは管理がなってないって言いたいんです」

早苗「よくも私の愛する夫の銅像を…霊夢さん!お仕置きです!」

霊夢「はぁ!?だから私じゃないって…」

早苗「問答無用!」

霊夢「ああもう!なんで寝起きでいきなり弾幕ごっこ始めなきゃなんないのよ!」

アクトレイザー「待つのだ早苗」

早苗「あなた!しかし…」

霊夢「アクトさんも来てたのね」

アクトレイザー「銅像ならまた送れば良い。たしかストックがあったハズだ」

早苗「もう、アナタったら甘いんだから」

アクトレイザー「それにキミの激怒した姿は見ていて胸が痛い」ギュッ

早苗「あっ…」

早苗「///」ギュゥゥ

アクトレイザー「……」ギュゥゥゥ

ランガー・ラスティ「」

霊夢「あの、いちゃつくのは家でやって頂戴」イライラ

~~~

早苗「へぇ~そのお二人は居候ですか」

早苗(霊夢さんが妖怪を匿うなんて珍しい。遊びにくる妖怪は多いけど)

ランガー「よ、よろしく」

ラスティウォーム「会いたかったぜ神・アクトレイザー」

ランガー・ラスティ(今すぐにでもぶっ殺してやりたい)ギロッ

アクトレイザー「ああ。よろしくな二人とも」

アクトレイザー「……」ジッ

ランガー「ど、どうした」

アクトレイザー「いや…なにか二人とも。私の知り合いと雰囲気が似ていてな」

ラスティウォーム「し、しりあい?」

アクトレイザー「もうこの世にいない…遠い過去となった知り合いだ」

霊夢・早苗「ん?」

ラスティウォーム(ああ、やっぱり)

ランガー(感づかれてる?)

アクトレイザー「仲良くやっていこうじゃないか、二人とも」

カミは二人の肩をポンッと軽く叩く

ランガー「お、おう」

ラスティウォーム「う、うむ」

~~~

早苗「……それにしても、誰が壊したんでしょうね」ゴシゴシ

アクトレイザー「わが友チルノの銅像にまで落書きを…」ゴシゴシ

霊夢「チルノ本人がやる訳無いし…もしかしてあの三妖精かしら」ゴシゴシ

早苗とカミ、霊夢はチルノ銅像の落書きを消していく

ラスティウォーム「三妖精?」

霊夢「いるのよウチの近所に。三匹の妖精が」

ランガー「ああ思い出したぞ。あれだ、前に紅魔館に侵入してきたやつらだよ」

ラスティウォーム「あの三人か」

霊夢「あれ?もう会ってるの?」

ラスティウォーム「実は…」

~回想・紅魔館の廊下~

ランガー「お嬢さん方…いけねぇな。レミリアお嬢の大切な夕食をつまみ食いたぁ…」

咲夜「またアナタ達ね?懲りないわねぇ。早く帰りなさい」

ランガー「おいおいメイド長」

咲夜「妖精は始末してもすぐ復活するのよ。相手にするだけ体力の無駄」

ランガー「そういう理由で追い返すのはダメだな…」

咲夜「ん?」

ランガー「ケジメ、つけないと…」ペロッ

ランガーは大鎌をなめ回すと、大きく鎌を振りかぶる

ランガー「さあ…エンコ詰めてもらおうかお嬢ちゃん」

サニー「いやあああ!!」

ルナ「や、やめてー!!」

スター「小指を切断なんてやだー!」

ランガー「どうせ切り落としたって治るだろ?ケケケケ…」

ランガー「なんなら小指だけじゃなくて、目ん玉も!ハラワタも裂いてやるよ!ゲヒヒヒヒ!」

三妖精「いやーー!!!」

ラスティウォーム「やめろランガー」ブンッ

バリィィン!!!

咲夜「ちょっと、それワインボトル…年代物の…」

ランガー「痛ってぇ!!何しやがる!!ワインは飲むもんだろ!」

ラスティウォーム「ああそうだ。そしてビンはバカヤロウを殴るためにある物だ」

ランガー「ああ!?」

ラスティウォーム「目立ち行動はやめろ。怪しまれたらどうする。任務に支障をきたすぞ」ボソボソ

ランガー「知るか!!私は死神だぞ!!気にいらない奴は皆殺しだ!!」

ラスティウォーム「……」ブンッ

バリィィン!!!

ランガー「痛ってぇ!!」

咲夜「ねぇ、それ料理酒なんだけど…」

ラスティウォーム「責めるなら私じゃなくて、このバカヤロウにして下さいよメイド長」

ランガー「やんのかゴラァァァ!!!!」

ラスティウォーム「上等だゴラァ。こいよ雑魚」

ドス!ドガ!バキ!

咲夜「はぁぁ…やれやれ」

~回想終わり~

ラスティウォーム「んで、ランガーをボコボコしたあと…ふと気がついたら、三人の可愛い妖精さんたちはいなくなってた」

ランガー「あんの三匹の妖精共め…こんど見つけたら絶対エンコの刑だかんな!」

アクトレイザー「」

霊夢「アナタたち、血の気が濃いのね」

~~

三妖精「」

サニー「久しぶりに霊夢さんに会おうと思ったら…」

スター「なんであの死神がいるの!?」

ルナ「ど、どうしよう…あんなのが近所にいるなんて…」

アトクレイザー「では今から銅像を持ってこよう」

早苗「出直し的ますね霊夢さん」

霊夢「はいはい。いってらっしゃーい」

ラスティウォーム「さてと…私も買い物に出かけますかな」

霊夢「買い物?じゃあお魚買ってきて」

ラスティウォーム「あいよ」

ランガー「任せたラスティ」ボソッ

ラスティウォーム「分かってる。お前は『殺戮衝動』をちゃんと抑えてるんだぞ」

ランガー「分かってるよ」

~妖怪の山・川岸にて~

ラスティウォーム「さてと…体液を放出」

ボタ…ボタボタ…ボタタタ…ザァァァァァ!!

怠惰の悪魔の全身から、滝の様な勢いで透明の体液が放出される

ラスティウォーム「うし、んじゃ川に潜りますか」

ラスティウォーム「とりあえず半日…夕暮れまでだな」

ザッパァァン…

ラスティウォーム「……」

はたて「むむむ…文々。新聞にまた売り上げで負けたわー」

はたて「私の花果子念報…もっと売れないかな…」

はたて「はぁぁ…なんか珍しい生き物とかでないかなぁ~」

はたて「さて今日も今日とて、自宅から念写…っと」

パシャッ

はたて「……ん?」

はたて「カタツムリの妖怪…めずらしい…」

はたて「よーし、連射!」

パシャッ!パシャッ!パシャッ!

はたて「え、ちょっ…なにこれ!?滝の様に体液を出してるわ!?」

はたて「ふふふ、これは面白くなってきたわ!文に自慢してこようっと!」

はたて(ところで体液をあんなに出して何がしたかったんだろ?)

~数時間後~

はたて「あ、いたいた…おーい文!」

文「……」

はたて「見て見て!この写真!」

文「……」

はたて「ちょっと文ってば!」

文「あなたの頭の中は能天気そうで羨ましいですよ」

はたて「はぁ!?なによいきなり!」

文「見て分からないの?川の水位が上がってるわ」

はたて「川の水位?」

文「それに…河童たちが倒れてる」

はたて「え…きゃ!?本当だ!」

にとり「」

モブ河童1「」

モブ河童2「」

はたて「え、ちょ…死んでないわよね?」

文「そんな柔じゃないわよ河童は」

文「問題はなぜ水位が上がってるのか…そして泳ぎの得意な河童たちがなぜ気絶してるのか」

ラスティウォーム「ククク、ケケケケ…」

文・はたて「ん?」

ラスティウォーム「効果は抜群だな…」

ラスティウォーム「川魚も大量ゲット。ゲヘヘヘヘ…」

はたて「あー!例の妖怪だ!!」

ラスティウォーム「あぁ?誰だテメェ」

はたて「文!これ見て見て!」

文「!?なんですかこれは…」

ラスティウォーム「あ」

ラスティウォーム(いつの間にか写真撮られたのか…迂闊だった)

ラスティウォーム(でもあの時、周りには誰もいない事をよく確認したのに…おっかしいなぁ)

ラスティウォーム「あー…えと、体の毒素を抜いてたんだ」

ラスティウォーム(あながち間違ってはいない)

文「毒素?なんで川岸で?」

ラスティウォーム「私はジメジメした所が好きなんだよ」

文「じゃあなんで川の水位が上がってるんでしょうか?」

ラスティウォーム「しるか」

文「……」

ラスティウォーム「じゃあ私はこの辺で」

文「あまり見ない顔ですね」

ラスティウォーム「そうか?あんたの頭の記憶力が悪いんじゃなくて?」

文「……お名前は?」

ラスティウォーム「テメェから名乗れ。それが筋ってもんだろ」

文「私は射命丸文、となりにいるのは姫海棠はたて…我らは天狗です」

ラスティウォーム「……ラスティウォームだ。見ての通りカタツムリのあくm、じゃなかった妖怪」

文・はたて「……」

ラスティウォーム「じゃあな」

~~~

ラスティウォーム「いやーびっくりしたぜ…」

ラスティウォーム「この世界には『写真』とかいう物があるのは事前に聞かされていたが」

ラスティウォーム「ありゃどうみても普通の写真とは違う」

ラスティウォーム「嫉妬の悪魔から色々幻想郷のことは教わったが…」

ラスティウォーム「まだまだ予期せぬ出来事に巻き込まれそうだぜ」

ラスティウォーム「……動悸が止まらない。タバコでも吸うか」カチッ

ラスティウォーム「ぷはーっ…さて神社に戻って。今日も霊夢に毒を盛りましょうかな」

ラスティウォーム「あいつが『完全無気力』になるまで…じっくり毒盛ってやる」

今日はここまで

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