吉良吉影「君の名は…」 (90)

吉良「私の名は吉良 吉影。33独身。家は杜王町北東部の別荘地域にあり結婚はしていない…」

吉良「植物のように平穏な人生を望んでいたのだが…あるときクソッタレどものせいでそれは途切れてしまった」

吉良「幽霊の…振り向いてはいけない小道に引きずり込まれ、私は意識を失った」

吉良「しかし今、私はこの杜王町に住んでいる…この新しい私について説明しよう」

吉正「私の名は吉正 影正。16歳高校生。中学時代に親が事故死…私の記憶が戻ったのもこの時期だった」

吉正「自宅は杜王町南西部にある。」

吉正「キラークイーンも私の元に帰ってきてくれた…ふふふ。やはり女性の手は美しい」

吉正「前回の反省を踏まえ、基本的に外では隠れた場所で眺めることにした。発端は重ちーとかいうクソッタレのガキのせいだったからな」

吉正「しかし…最近、妙なのだ。記憶に隙間があるというのか…スタンド攻撃だろうか?」

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ピピピピ ピピピピ ピピピピ…

吉正「ん…んん…」

吉正「うるさい…!?」

吉正?「…!?声低!え、なに!?」

吉正?「…!なんや、ある…!?」

吉正?「…」ムンズ

吉正?「キャァァァァッ!」さ

ブーッ ブーッ ブーッ

三葉「む…朝…か」ムクリ

三葉「なん…だ?妙に息苦しいな…!?」

三葉?「声が高い…なんだこの…丸い…胸?」

三葉?「ハッ!…この手!…!」

吉正「アフゥゥゥ~…白く…すべすべしている。美しい…手だ…」スリスリ

四葉「…お姉ちゃん、なにしとるの?」

吉正「レオナルド・ダ・ビンチの…モナリザって、あるでしょう?あれを始めてみたとき…ん?お姉ちゃん?」

四葉「なに寝ぼけとるの。ご飯!はよきない!」ピシャン

吉正「…?お姉ちゃん…?この手…確かに自分の感触だ…しかし、この声の高さ…」

吉正「まさか、女になっている?…スタンド攻撃か?」

吉正「…キラークイーン!」

キラークイーン「…」ドンッ

吉正「キラークイーンは作動する…夢の世界と言うわけでは無さそうだな」グゥー

吉正「…腹が減ったな…ご飯、と呼ばれていたのだし…着替えて降りるか」

吉正(スカートと言うものを履くのは初めてだな…手を操るのを楽しんでいるうちに履き終わっていたがな…)

吉正(しかしこの町…美しい景色だ。キラキラと光る湖がなんとも…)

早耶香「三葉、おはよ」

吉正(…誰だろうか…しかし気軽に話しかけている辺り友人といったところだろう)「ああ、お早う」

早耶香「三葉、あんたなんで髪結んどらんの?」

吉正「む…?髪を結ぶ…」(そうか、今は女だから結ばなくてはいけないのか)

勅使河原「なんや、どうかしたんか?」

吉正「いや…なんでもない。髪を結ぶ…とは言うがどうしたものか」

早耶香「もしかして結び方忘れたん?」

吉正「まあ、そう言ったところだろうな」

早耶香「もう、何か変やよ。ほらこっちおいで結んであげるから」

吉正「ああ、すまない…」(出来るだけ静かに行きたいしな…無駄に避けようとする必要もないだろう)

~~~~~~
昼飯時

勅使河原「しかしあれやな。三葉、なんか変やぞ」

吉正「む…そうだろうか」

早耶香「やっぱストレス貯まっとるん?…大変やしねえ、三葉も」

吉正(変わった…と言うことは、元の別の人格があった…と言うことだろうか)

早耶香「…どうかしたん?」

吉正「いいや、なんでもない…しかし、この町はいいな…空気が澄んでいる」

勅使河原「本格的にヤバイな…」

吉正「なにがだ?」

早耶香「何って、あんたいつもこの町出ていきたいって言っとったやん」

吉正(…元の人格の私はどうも贅沢だな…)

早耶香「あの儀式ももうすぐやしねぇ…」

吉正「あの儀式?」

勅使河原「…お前なんかに憑かれとるんとちゃうか」

早耶香「なんでもオカルトと絡めんの!」

勅使河原「いて…しかし、ほんまヤバイぞ。一回ばあちゃんにお祓いしてもらえよ」

吉正(私はいたって正常だが…しかし突然文字どおり人格が変わったのだからそう思われるのも仕方無いだろう)

吉正「ああ…そうしてもらうよ」

吉正(そう言えば…ばあちゃんにお祓い?…神社か何かだろうか)

~~~~~~


吉正「全く、よくわからない現象だな…スタンド攻撃の可能性は捨てきれないが今のところそれらしい事がないから様子見でも良いだろう」

四葉「お姉ちゃん、今日は晩ごはんお姉ちゃんやろ」

吉正「……分かった。今行くよ」

吉正(今日は、と言うことは交代制のようだな。…母親がいないのだろうか)

四葉「あ、お姉ちゃん髪結んだんやね。今朝は結んどらんかったのに」

吉正「ああ。早耶香に結んで貰ったんだ」

四葉「ふーんそうやの…所で晩ごはん何?」

吉正「そもそも何が入っているのか分からないからな…」ガチャ

吉正「ふむ…これなら…これをこうして…」

吉正「…午後の10時か…そろそろ寝る頃だろうな」

吉正「そう言えばあの古典教師が宿題を出していたが…私には関係のない事だ」

吉正「風呂は…まあ良いだろう。せめて歯は磨いておくか」

吉正「キラークイーン」

キラークイーン「…」ドンッ

吉正「やはりキラークイーンは作動するな…」

吉正「スタンド攻撃でないとするなら…やはり振り向いてはいけない小道のような超常現象だろうか…」

吉正「入れ替わっている…としたなら、やはりこの体の持ち主…ミツハと言ったか、の人格は…」

吉正「入れ替わっている…と考えた方がいいのだろうか」

吉正「とにかく、一回だけ、目が覚めたら元に戻っていたなら良いのだが…」

吉正「寝るか…いや、その前にもしもの為に…」

ノート「お前は誰だ?」

吉正「さて、寝るか…全く、さんざんだったな…」

~~~~~~
ピピピピ ピピピピ ピピピピ

吉正「…朝か…なにか…夢を見ていたような…ん?」

吉正「…なぜ制服のまま寝ているのだ…」

吉正「まあ良いだろう。朝飯を作るか…ん?」

吉正「手が…!私の彼女がなぜここに…!?机にッ!」ドドドドド

吉正「ハッ!保存していた冷蔵庫が開きっぱなしだ…!何が起こっている!」

吉正「まさ…か…承太郎達にまた見つかって…!」

吉正「…いや、それならばその前に殺されているだろう…杞憂か…?しかしなぜ…」

吉正「…考えるのは後にしよう…とにかく彼女をしまわなければ…」

吉正「様子見のために…まず今日は普通に過ごしていくか…」

~~~~~~

吉正(…特になにもなく終わったな…)

同級生「吉正、どっかに遊びに行こうぜ。…昨日はなんかおかしかったけどさ」

吉正「…昨日?私は何かしていたか?」

同級生「何って、覚えていないのか?…まあ、色々あるのかもだけどさ」

吉正「…今日は帰らせてもらうよ…ちょっと確認したい事があるのでね」

同級生「そうか?分かった。じゃあな」

吉正「ああ…また明日」

麗子「吉正くん、今日は普通ね。昨日はなんか可愛かったけど」

同級生「…やめとけ!やめとけ!悪いヤツじゃあないんだが、あいつはなんだか胸騒ぎがするんだ」

~~~~~~

吉正(…ドアに仕込んだトラップに異常は無し…冷蔵庫の中身も配置は全く変わっていない…)

吉正「そして隠しカメラや盗聴機などもない…やはり杞憂だったか…」

吉正「なにか昨日、あったのだろう…自分でもわからない何かか…」

吉正「ふん、下らん。しかし念のため彼女は消しておくか…」

吉正「明日はなにもなければいいが…」

~~~~~~

早耶香「三葉、三葉!昨日のあれやってよ!」

三葉「え?あれって?」

早耶香「超能力!触っとらんのに椅子動かしとったやん!」

三葉「なに言っとるんあんた。私がそんなこと出来るわけないやろ?」

早耶香「え、でも昨日は巫女パワーとかなんとか」

三葉「なに言っとるんやさ!」

勅使河原「俺も見せてほしいのう…まさにあれは超能力やった…」

三葉「やめてよもう!なんのことやさ!」

吉正「な…何を言っているんだ?」

麗子「なに、吉正くん忘れたの?昨日切れたスカート直してくれたじゃない」

吉正「いったい何を言っているんだ…全く、下らない」

麗子「ほら、ここ。ハリネズミの刺繍がしてあるでしょ?」

同級生「なんだ吉正、忘れたのか?ほんと最近どうしたんだよ」

吉正「二人とも私を騙そうとしているのか…?私はそういうことに興味はないぞ」

麗子「でも…」

同級生「…やめとけ!やめとけ!覚えてないんだ。必要以上に追究する必要は無いだろう。きっと色々あるのさ」

麗子「…まあ、いいけどね」

生徒「ちょっと吉正…こっち来てくれるかな?」

吉正「な、何を?」

生徒「オメー!抜け駆けしやがったなッ!」

吉正「何を言っている…」

生徒2「すっとぼけてんじゃあねーぞテメー…交代交代って約束したろうがよ」

吉正「だからなんの話だ」

生徒3「覚えてないの吉正君!麗子さんと一緒に帰るのは交代制ってクラスで決めたじゃないか!」

吉正「私はそんな約束をした記憶はないッ!まったく…」

~~~~~~
三葉「ずっと手を見続けてる?髪型がおかしい!?なに言っとるんやさもー!」
~~~~~~
吉正「私がカラオケで赤いスイートピーを歌った…!?そもそも私はカラオケに行った記憶は無いぞ!」
~~~~~~
三葉「なにやさこれ…?ノートに手のスケッチが…」
~~~~~~
吉正「誰だッ!私の金でパフェを食べたのはッ!」
~~~~~~
三葉「松本達を吹き飛ばしたってなんなんやさ!」
~~~~~~
吉正「みつはとやらのせいかッ!みつはが私に入っていたと言うのか!?」
~~~~~~
三葉「ってことは!私はもしかして夢の中であの男の子と!」
~~~~~~
吉正「私は夢の中であのアマと!」

三葉、吉正「入れ替わっている(ーッ!?)ッ!」

三葉(だんだん、何が起こっているのか分かってきた)

三葉(殺人鬼の吉正影正くんはM県S市杜王町に住む同い年の高校生で…)

吉正(手の美しい三葉との入れ替わりは不定期で週に2、3度。不意に訪れる。トリガーは眠ること。原因は不明。スタンドは今のところ関係ない)

三葉(入れ替わっていたときの記憶は、目覚めるとだんだん不鮮明になってしまう)

吉正(それでも私たちは確かに入れ替わっている…周囲の反応が、それを証明している)

三葉(だから私たちはお互いの生活を守るためルールを決めた。入れ替わっているときの注意点や守るべき禁止事項。特に吉正くんは殺人鬼だったせいで、項目が30行を越えた)

吉正(それから、入れ替わった日の出来事を日記として何かしらに残すこと)

三葉(この現象をとにかく乗りきるために協力し合うこと)

三葉「それなのに…あの男は…!」
吉正「それなのに…あの女…ッ!」

三葉「吉正くん、私と入れ替わりが起こってる時は杜王町でも人殺ししないでって言ってるでしょ!?手が増えてるんだけど!」

吉正「自分の本能に抗えるものが意るだろうか…いやいない…」

三葉「悟ったよーなことを言ってんじゃないわよッ!交通事故にでも会うわよ!」

吉正「やってみろッ!貴様の友人や家族を全員爆破するぞ!」

三葉「とにかくやめてよね!あと、松本くん達を吹き飛ばすのやめて!」

吉正「悪口を言われてイライラしただけだ。爆破しなかっただけありがたく思え」

三葉「そういう問題じゃないの!私のキャラクターと違うことをしないで!」

吉正「なら貴様もやめろッ!私の金でばかすかパフェを食べやがって!」

三葉「食べてるのは君の体ー」

吉正「麗子と仲良くするんじゃあないッ!人の人間関係を勝手に変えるなッ!」

三葉「あの子、あんたに興味あるみたいだから近づけてあげただけだもん」

吉正「あいつからは嫌な予感がするのだッ…!」

三葉「ちょっと吉正くん、なんでラブレターなんて貰ってんの!?しかも考えておくって言ったの!?」

吉正「貴様の為を思ったのが分からんのか!それだから彼氏も出来んのだお前はッ!」

三葉「自惚れないで!あなたもいないじゃない!」

吉正「お前私の性癖を知っていて言っているのか…!?」

吉正「私は…!」

三葉「私は…!」

三葉、吉正「いないんじゃなくて作らないんだッ!(のッ!)」

吉正「んんー!やはりお前の手は良い…自分で動かしてみるのも実にいいな…」

三葉「せめてもの慈悲で私の手を動かすのはいいけど他の部位には触らんといてよね!」

吉正「分かっているさ…ところで、お前の友人の早耶香と言ったか…実に美しい手をしているなァー」

三葉「あんた、やってみなさい?即座に重症の怪我を負うわよ」

吉正「冗談だ…本気にするんじゃあない」

三葉「どうだか…ところであんた、なんで手なんてあつめてるのよ」

吉正「お前に話してなにか得があるのか?…まあいい。その昔…レオナルド・ダ・ビンチのモナリザってあるだろう?あれの手を見たとき…下品だが…勃起してな…手の部分だけ切り取ってしばらく部屋に飾っていたよ…」

三葉「変態過ぎない!?」

吉正「私もひとつ聞いたのだから聞かせてもらうが…お前は巫女の仕事が嫌だと言っているそうだが…なぜやめないのだ?」

三葉「いろいろあるのよ。千数百年前から続く神社だったり、父親が町長だったりとね」

吉正「大変な思いをしているようだな。どうせだし一気に爆破させるか?」

三葉「もう一度言うわよ。即死級のダメージを夜中に食らうからね」

吉正「ただの冗談だろう」

今日はここまで


この会話は全部交換日記で?

>>26
その通りです
日数的には全然足りないけどもそこはまあご愛敬で


つか三葉、殺人鬼相手なのに意外と冷静なんだな

>>29
吉正(吉良)の体に入っているので原作にもあった体の記憶によって軽減されてます
勿論多少驚きますが

入れ替わってるとはいえ目立つ事を嫌う吉良が
人をふっ飛ばしたり能力を見せびらかしたりする事に違和感

>>31
その辺は確かに書いてる方としても違和感はありましたが、入れ替わり、手がすぐそこにありハイ状態などの理由と脳内で補完していただければ幸いです
常に平穏に生きようとする吉良では入れ替わっていることに気がつかない可能性もあるので

吉正「ん…今日は三葉か……」

吉正「アフゥゥゥ~~……やはり…いい…特にこの三葉の手は今までのどんな彼女たちよりも美しい…」

四葉「お姉ちゃん、また手擦っとる」

吉正「おはよう四葉」

四葉「出掛けるよ!はよきない!」

吉正「では、この美しい指を使って…」


四葉「あれ、お姉ちゃんなんで制服着とるん?」

吉正「…?」

四葉「今日は御神体に御奉納の日やって、何回も言っとったでしょ。山登りの服に着替えてきない」

吉正「あ、ああ…分かった」(そう言うことは日記に残しておくものだろう…)

吉正(しかしこの吉良吉影…運命や幸運などは信じて神を信じたことは無いが…まさかこんなことになるとは)

吉正「神社に詳しいわけでは無いが…御神体と呼ばれるものは普通本殿に奉られているものではないのか?」

一葉「繭五郎のせいでワシにも分からん…」

吉正(誰だ)ボソッ

四葉(知らんの?有名やよ)ボソッ

吉正「しかし空気がいいな…町自身も良い空気だが、車が走っていない分もっと良い…」

四葉「お姉ちゃん、おばあちゃん背負ったげてよ」ボソッ

吉正「なんで私が…」ボソッ

四葉「お姉ちゃん!」ボソボソ

吉正「全く…おばあちゃん、私が背負うよ」

四葉「お姉ちゃん荷物」ヒョイッ

吉正「ああ、ありがとう」

一葉「…三葉、四葉、ムスビって知っとるか?」

吉正「…?」(くそ、今度ジムにでも入会するか…いや三葉の体なのだから無駄か…)

一葉「土地の氏神そまのことをな、古い言葉で産霊って呼ぶんやさ。この言葉には、いくつもの深い意味がある」

吉正(神と言うものを信じたことは…多分無いだろうが…しかし妙な説得力がある)

一葉「糸を繋げることも、人を繋げることも、時が流れるのも、すべてムスビ。それは神様の呼び名で、神様の力。ワシらの作る組紐も、神様の技。時間の流れそのものを表しとる」

吉正(時…バイツァダスト…そういえば現在も発現するのだろうか…)

一葉「より集まって形を作り、捻れて絡まって、時には戻って、途切れ、またつながり。それが時間。それがムスビ。」

一葉「だから今日の御奉納は…神様と人間を繋ぐための大切なしりたりなんやよ」

吉正「ここが…宮水神社の御神体…」

一葉「ここから先はカクリヨ」

吉正「カクリヨ?」

一葉「あの世のことやさ」

四葉「わーい!あの世やー!」

吉正(そう言えば…私は当然のように生まれ変わったが…何故だろうか)

吉正(決して安心することのない場所と…聞いていたのだがな)

一葉「彼岸に戻るには、あんたらの一等大切なもんを引き換えにせにゃいかんよ」

吉正「…聞いていないぞ」

一葉「言っとらんからの。安心せい。口噛み酒のことやさ」

吉正「口噛み…酒…」

一葉「あんたらの半分やさ。御神体の下に、小さなお社がある。そこにお供えするんやさ」

吉正(…三葉の半分…ふん。爆破してやるか?…いや、戻れなくなるな…)

四葉「もうカタワレ時やなー」

吉正「カタワレ時…?ああ、黄昏…」

吉正(やはり方言を勉強してよかったな。…湖が綺麗だ)

四葉「そうや、彗星もう見えるかな?」

吉正「…彗星?」

一葉「おや三葉、あんた…」

吉正「…ん?」

一葉「夢を…見とるな?」

~ ~ ~
吉正「ハッ!」ポロポロ

吉正「…涙?何故…」

プルルル プルルル

吉正「…電話?知らない番号だな…ハイ、吉r…吉正です。」

??「吉正くん、お早う」

吉正「…その声は…麗子かッ!何故私の番号を知っている!?」

麗子「なんでって昨日教えてくれたんじゃないの。そんなことより、今日はよろしく!」

吉正「よろしく…?何の話…おいッ!切るんじゃあないッ!」

吉正「まさか三葉のやつ、何かしたのでは…!ハッ!」スッスッ

三葉『明日は麗子ちゃんとデート!悪く思わないでね?麗子ちゃんの為だから!』

吉正(クソッ!三葉め、あれほど近寄るなと言ったのに!)

三葉『どっちになるかは分からないけど、もしも影正くんになったときの為に最初からデートスポットを決めておきました!』

三葉『私が行きたかったけどきちんとしなさいよ!勿論爆破させちゃダメだからね?』

吉正「はぁ、はぁ…今度葡萄ヶ丘高校の近くにジムが新しくなると聞いたが…真剣に入会を考えるか…」

麗子「吉正くん!」パシッ

吉正「…おはよう」

麗子「待った?」

吉正「良いや全く…(仕方無いが)行くか」

麗子「…うん」

吉正(…『彼女達』と…デートはしたことがなかったな…)

吉正(と、言うことはこれが私にとっての初デートか…妙な気分だ)

麗子「レストラントラサルディ…高そうなお店だけど大丈夫なの?」

吉正「あ、ああ…」(よりによってイタリアンレストランだとッ…!)

麗子「こう言うとこよく来るの?」

吉正「いや、そんなことはない…」

~~~~~~

吉正(なんだか…全く楽しくないな…当然だな)

吉正(突然決められたも同然なのだ。楽しいはずがない)

吉正(…三葉相手ならまだ軽口も叩けるのだろうがな…)

吉正「もう、カタワレ…じゃあなく、黄昏時だな…」

麗子「冥界と繋がる時間、だっけ?………!?」

吉正「…?どうかしたか?」

麗子「…ううん、何でもない。今日は楽しかった。またね?」

吉正「…ああ…」


麗子(私…どうかしてるわ。まさか吉正くんが…『吉良吉影』に似てるだなんて…)

麗子(そしてこの記憶は…まさか、私の前世の…杉本鈴美の…)


吉正「全く…散々な一日だった…今夜は熟睡したいな…」

吉正(デートの結果も、文句も、また入れ替わったときに伝えれば良いのだ)

───しかし、この日を境に、三葉との入れ替わりは起きなくなった。

今日はここまで

吉正(…三葉との入れ替わりが途切れはや一週間…)

吉正(正直な話私の人生を狂わせる要因が減った…熟睡を毎日出来るようになったのだ。喜ぶべきなのだろう)

吉正「結局…赤の他人なのだから…」

同級生「どうかしたのか?影正」

吉正「いいや…何でもない」

麗子「ねえ吉正くん…最近変わったよね」

吉正「ああ…そうか?」

吉正(そうだろうな…一週間前までは時々三葉と入れ替わってたのだから)

麗子「一ヶ月前からは毎日楽しそうだったのに…最近顔暗くなったし」

吉正「……一ヶ月前から…毎日?」

同級生「ああ確かに。よく笑ってたな」

吉正(……)

麗子「何かあったのなら、相談に乗るけど」

吉正「いや…良いんだ。気にしないでくれ」

吉正(入れ替わっていなくても…私は…)

吉正「………」

吉正(以前も…あったな。この妙な感覚は…)

吉正(川尻浩作に成り済ましていたとき…嫁、確か……川尻しのぶ…と言ったかをサボテンから助けたとき…)

吉正(あの時は自分の人生を脅かされる物だからと結論付けていた。しかし今は…)

吉正(いいや、そんなはずはない。この吉良吉影が…生きた人間に対して…)

吉正(もし次入れ替わったとき、事故にでも合っていたら、そのときのための対処が必要だ。風邪でもひいたのかもしれない)

吉正(私の為に彼女に会いに行くのだ。ただそれだけだ。他意はないのだ…)

吉正「あった。これだ…」

吉正(入れ替わりが起こった翌日、隠れてつけていた日記だ。確かここに彼女に関する情報が乗っているはずだ)

吉正「宮水三葉。糸守町。そこに彼女は…」

吉正「今週末、学校を休んで会いに行こう。どうせ一度は習った内容だ。どうと言うことはないだろう」

~~~~~~

吉正「さて…どうせ一人旅なのだ。ゆるりと羽を伸ばすつもりで…」

吉正「………どうしてここにいるッ!」

同級生「悪い悪い。お前のノートチラ見したら今日旅に行くらしいだろ?高校生一人でってのは流石にダメだろ」

吉正「人のノートを見るんじゃあないッ!そして麗子ッ!何故貴様もいる!」

麗子「だって同級生くんから聞かされたんだから、行くしかないでしょ?…あなた、旅先で何をするのか分からないし…」

吉正「…?」

同級生「まあ、行こうぜ。早くしないと新幹線来るしな」

吉正「勝手に着いてくるんじゃあないと言っているんだッ!こ…こいつら!」

吉正(一刻も早く爆破してやりたいところではあるが…まあ我慢してやるか)

麗子「ところで吉正くん、何しに行くのよ」

吉正「貴様らに言う義理は無いだろう。勝手に着いてきておいて…」

同級生「人に会いに行くみたいだぞ」

吉正「何故知っているッ!」

同級生「ノートのはじっこにみつばって」

吉正「隅々まで見るんじゃあない!それと彼女の名前はみつはだッ!二度と間違えるな!」

同級生「わ、悪かった悪かった。名前くらいで熱くなるなよ…」

吉正「貴様らが着いてくるからだろうが…」

麗子「どんな関係?まさかメル友とか…彼女とか?」

同級生「出会い系とか?」

吉正「違うッ!いい加減にしろ!ただの知り合いだ!」

麗子「ふーん…そうなんだ」ニヤニヤ

吉正「なんだその顔は…!」

~~~~~~
単なるでかい田舎駅

吉正「さてここまで来て…向こうだな。…おい、何をしている?」

同級生「へえ、なるほど…」

麗子「それで…」

同級生「やめとけ!やめとけ!そういうのは………」

吉正「…早くしろッ!ああこいつらッ!」

~~~~~~

吉正「乗り換えは…」

同級生「へェー材質良いなァー」

麗子「可愛いィィーッ!もふもふしてるわ!」

吉正「………」ガリガリ

~~~~~~

麗子「ここから先は?」

吉正「…分からない」

同級生「…は?なんだよそれ…あきれた幹事だな…」

吉正「幹事じゃあないッ!…メモが消えていた…なんという町に住んでいたのかすらも記憶から消えた…」

麗子「どっ…どう言うことよ!」

吉正「私に聞かれても知らん。いつの間にか…」

同級生「もういいよ。…そんなことより、これからどうするんだ?」

吉正「景色が良いところだったのでな。記憶に残っている景色を説明しながら行くしかあるまい」

麗子「先は?」

吉正「真っ暗だな…全く面倒くさい…」

~~~~~~

吉正「腹が減ったな…そこのラーメン屋にでも入るか」

麗子「ラーメン屋?もっとオシャンティックでナウいのが良いわー」

同級生「死語の時点で既にナウくないと思うぞ」

吉正「…」ハァ

~~~~~~

吉正「…もう……帰るか…」

同級生「良いのか?人に会いに来たんじゃないのか?」

吉正「…なんと言うのか…段々検討違いのことをしているような気がしてきてな…」

麗子「本当に良いの?……」

吉正「もしかしたら…ただの夢だったのかもしれない。あいつのことも全てな」

おばちゃん「どうしたんやさ。どこかに探し人でもいるんか?」

吉正「探し人と言うよりも…場所も分からないんですがね」

吉正「これだけは覚えてる。大きな丸い湖と…そして時計台。確か小学校で…そうだ、神社…神社…」

『途切れ、また繋がり…』

吉正「そうだ!宮水神社!…という神社があったはずなんですが…」

おばちゃん「……え?」

吉正「…?」

おばちゃん「それ、糸守の事かい?」

吉正「糸守…そう、糸守だ!思い出した。どうやったらそこまで行けますか?」

おばちゃん「え、あんた糸守ってのは…」

店主「糸守がどうかしたんか?」

麗子「糸守…!?」

同級生「……糸守…って!まさかあの、彗星事故の!?」

吉正「…?」

今日はここまで

吉正(ラーメン屋の店主は糸守出身らしく…糸守で店を経営してたそうだ)

吉正(しかし高山に出掛け、渋滞にあいようやくついた頃には…)

吉正(私達は今、その現場についたのだ)

吉正(そこは…私の記憶にはない、荒れ果てたものだった…)

吉正「ハァッ…ハァッ…ど…どう言うことだッ!」

麗子「本当にここなの…?」

同級生「…そんなわけないだろ!なにかの間違いさ…」

吉正「違う…覚えているッ!この校庭、この山並み!」

同級生「何を言ってるんだよ吉正!お前らしくもない!覚えてるだろ?三年前に彗星の片割れが落下して、多くの死者が出たあの事故を…」

吉正「三年前…死んだ…!?そんなはずはないッ!ここに、三葉の書いたメモも…!ハッ!」

吉正(メモが、何者かに消されるかのように、消えていく…)

吉正「消えた…三葉の痕跡が…全て…」

吉正(私達は今度は図書館に移り、三年前の彗星事故について調べた)

吉正(しかしそこには私の記憶を否定するものしかなかった)

吉正(そして全て三葉が死んだことを裏付けるものだった…)

~~~~~~

吉正(……死んだ…?三年前に…)

吉正(なら、私が見ていたものは…夢?もしくは多重人格だった…)

吉正(幽霊…もしくは…妄想…)

吉正(そんなはずはない。それならば死亡者名簿であいつの名前を見つけられるはずが…)

吉正(あいつ…?名前は…一体なんだったか…)

吉正「……三年前…時…ハッ!」

吉正「キラークイーンッ!」

キラークイーン「…」ドンッ

吉正「キラークイーンのバイツァダストならば…時を戻して…」

吉正「…ダメだ…キラークイーンのバイツァダストは私が絶望したときにのみ発現する能力…それにバイツァダストは…」

吉正「一時間ほどしか時間を戻せない…」

麗子「…吉正くん」

吉正「ああ、麗子…どうかしたのか」

麗子「折り入って話があるわ。あなた…」

吉正「…?」

麗子「『吉良吉影』?」

吉正「一体なんのことだか…」

麗子「とぼけないで。…分かるのよ。私の名前は…杉本鈴美。覚えてるでしょ?」

吉正「……」

麗子「根拠がある訳じゃあないわ。でもわかるの。それは私が元幽霊だからか…それともあんたと同じく生まれ変わったからなのかー」

吉正「…チッ……だからなんだというのだ」

麗子「知っているのなら教えて欲しいわ。なぜ殺人鬼のあなたが…小道に連れ去られたあなたが私と同じく生まれ変わっているのか」

吉正「さあな。知らん」

吉正(キラークイーンで…[ピーーー]か?いや…)

麗子「私を[ピーーー]のはおすすめしないわ。同級生も[ピーーー]ことになるわよ。そして…あなた一人だけ帰ってきて例の人達が動かないかしら?」

吉正「脅しているのか…」

麗子「そうよ」

吉正「チッ…」

吉正「……」

麗子「…私が…幽霊になったのはきっとあなたを捕まえるため。杜王町の平和を取り戻すため」

麗子「人はなにか役割があって産まれ、そして死ぬわ。ならば…」

麗子、吉正「「私(あんた)にも…なにか役割があるのではないか」」

吉正「…だろ?」

麗子「ご名答…」

吉正「…ふん。人には役割があって産まれてくる?そんな聖書のようなことを…」

吉正「しかしならばなぜ私は…お前のように生まれ変わっている?」

吉正「……………なぜ私は…あいつと入れ替わった?」

吉正「私は…あいつと…」

麗子、吉正「「ムスビ」」

麗子「人と人が繋がること…いえ、物でもなんでも、なにかとなにかが繋がることムスビと言い…」

麗子「そしてそれはこの地方の神様だそうよ。そしてなにかを成し遂げることもまたムスビ」

吉正「ムスビ…そんなものが…」

麗子「という割りに、あんたのその腕の…組紐でしょ?」

吉正「これか?ああ…昔人にもらって…誰だったか…」

麗子「……あなたがなぜここに来たのか…それは分からない。だけど…」

麗子「あなたはスタンドを持っている。生まれ変わっている。それは…ここに来てなにかを結びつけるためのものなんじゃあないの?」

吉正「ムスビ…ムスビ…ハッ!」

吉正(ムスビ…口噛み酒…御神体…山頂のクレーター…隕石……スタンド…入れ替わり…宮水…)

吉正「スタンドの原点は…隕石のウイルスによるものだ…」

吉正「ティアマト彗星の隕石がそのウイルスを持っていたならば…そこに入るものは宮水のものだけなのだから…」

吉正「『代々受け継がれるスタンド…』という可能性も…ある…?」

吉正「ムスビ…あの場所ならば…!」

麗子「……なにかを見つけたの?」

吉正「さあな…間違っているだけかも知れん。…しかし」

吉正「私がやろうとしていることは…」

吉正「それは…利他行動…」

吉正「人のために…自分を…そうか」

麗子「…」

吉正「私の生まれ変わりは贖罪なのだ…私は…人を助けるために生まれ変わったのか…」

??『影正くん!』

吉正「ならば…私はそれを受け入れる」

麗子「……あなた…本当に吉良吉影?」

吉正「…何を今更」

麗子「私の知っている吉良吉影は…己の欲求のためだけに動き…己の欲求のためだけに生きていたわ」

吉正「さあな。…知らん」

麗子(同級生も言ってたわ。最近変わったと…きっと、会いに来た子が…吉良を変えたのね)

吉正「明日にでも出発するか…いや、早い方がいい。今朝にでも…」

麗子「ひとつ聞くわ。何をどうするつもりなの?」

吉正「……話せば長くなるが…私は三年前、まだ死んでいないあいつと入れ替わっていた…そして…」

吉正「口噛み酒…あれは…あいつの半分。ムスビ…もしかしたらもう一度戻れるかもしれない」

麗子「それだけ?」

吉正「それだけだ」

麗子「それだけに全てを賭けるの?死んだ彼女になるだけかもしれないのよ?」

吉正「それでもいい。私はあるがままを受け入れる…そう決めたのだ」

~~~~~~

吉正(宮水神社の御神体に行くために、まずは地図にメモをした)

吉正(サインペンや簡素なものだけを持った。私のしていることは…)

吉正「『キラークイーン第四の爆弾』…」

吉正(正確にはバイツァダストの強化と言うべきか…)

吉正(廃墟の町に進み御神体に行くのは無茶だった。…しかし、早朝にもしやとラーメン屋の店主に電話をしたら…)

吉正(いい人…と言うのだろう。早朝にも関わらず送ってくれた)

吉正(これ以上道がない、という場所で店主は車を止めた)

吉正「ありがとうございました…」

店主「…これ、上で食いない」スッ

吉正「…ありがとうございます」

店主「事情はわからんが…あんたならなにかをしてくれるような気がする。…きいつけえ」ブロロロ…

吉正「…行かねば」

~~~~~~

吉正(豪雨の中、記憶にある道を辿っていく)

吉正(時に洞窟に入り休憩をする。店主から渡された握り飯を食べる)

吉正「これもムスビ…か」

吉正(ぼそりとつぶやく。人の中になにかが入るのもまたムスビ)

吉正(私はこれから、命をムスビに行く)

吉正「あった…夢ではなかった…」

吉正「宮水神社の御神体……ここに、あいつの半分が…」

~~~~~~

吉正「耳が痛くなるほど静かだ…水が滴る音しか聞こえん…そして」

吉正「あった。……こっちが妹…こっちが…私が持ってきた方だ…」

吉正「口噛み酒…ムスビ。時間が戻っていた…?」

吉正「神など信じたことはない…が…もしもあるなら…私に力を…」

吉正「キラークイーンッ!」

キラークイーン「…!!」ドンッ

吉正「口噛み酒をッ!収納しろ!」

キラークイーン「…!」ガシャンッ

吉正「私の予測が正しいのなら…入れ替わりは…この御神体のウイルスによるスタンドの発現!もうすでにウイルスが死んでいたとしても…」

吉正「受け継がれるスタンドッ!幽霊がスタンドになるのだ。あってもおかしくはないッ!そして!」

吉正「能力者が作り出したムスビ!半分ッ!」

吉正「なにかが起こるはずだ!いいや、起こるに決まっている!」

吉正「キラークイーンッ!スイッチを押せ!」

キラークイーン「…!」カチリ

ドグオォーーンッ

吉正「……!!やったぞ!戻る!バイツァダストと同じ感覚だッ!」

吉正「過去に戻る!どこまで戻るのか分からないが、戻れるのだ!」

吉正「ハッ!」バシャァン

吉正「…ここは…!?」

??『あなたの名前は…三葉…』

吉正「…!?」

??『二人は父さんの宝物だ』

??『三葉、あなた、お姉ちゃんになったんやよ』

吉正「三葉…!?ということは…三葉の両親ッ!」

吉正「ハッ!」

??『お母さん、いつ――』

??『すくえなかっ――』

??『神社など――』

??『出てい――』

??『今日からずっと…』

??『一緒やでな―――』

吉正「三葉の…!?」

三葉『…いいなぁ…今ごろ二人は…』

三葉『あれ、なんで、私…?』

三葉『私、ちょっと東北行ってくる!』

四葉『え!?何言っとんの!?』

三葉『夜までに帰れるか分かんないけど…出来るだけ早く帰ってくるから!』

~~~~~~

三葉《》

~~~~~~

三葉《…急に訪ねたら…驚くかな…?》

三葉《嫌がるかな…迷惑…かな》

三葉《殺されちゃう…かもなんて…》

三葉《でも…喜んでくれるかも…》

三葉『……』

スマホ『お掛けになった電話番号は…』

三葉『杜王町って…思ったより広いんやね』

三葉『会えないかもなあ…』

三葉『…』

三葉『あっ…もうそろそろ戻らんと…』

三葉『やっぱり…会えんかったなあ…』

三葉『…!!いたっ…!』ボソッ

三葉『ハァッ…ハァッ…あの!影正くん!』タタタ

吉正『…?はあ』

吉正「…!私だ…!三年前、中学生の!」

三葉『あの、覚えて…ない?』

吉正『…誰だお前は』イラッ

三葉『えっ…』

吉正『…?………!?』

三葉『……ごめん、なさい……人違いでした…』

吉正『…そうか』

三葉『……』

吉正『あの…お前…名前は?』

三葉『…!三葉…!名前は、三葉ッ!』シュルルッ

吉正『三葉…美しい手の人だ…そして…』

吉正『『キラークイーン』…『吉良吉影』…』

吉正「キラークイーンは…記憶が戻ったのはこのときか!三葉は私に会いに来ていたのだ!」

吉正「ハッ!」

三葉『おばあちゃん、お願いがあるんやけど…』

三葉『なんや、てっしーか…』

三葉『なあなあ、彗星が見えるよ!』

吉正「まさか!」

三葉『――割れとる!?』

吉正「そこから逃げろッ!離れろ!三葉!三葉ッ!」

三葉『嫌ッ…!いやぁぁぁっ!』

吉正「三葉ァァーッ!」

吉正「ハッ!……」

吉正「……」

カァー…カァー…

吉正「…杜王町…戻ってきた…?」

吉正「戻ってきた!杜王町ッ!ハッ!日付は!」

2013/10/3

吉正「彗星落下の…一日前!まだ行けるッ!行けるぞ!」

吉正「そしてこの日付はまさか…!」

??「ハァッ…ハァッ…あの!影正くん!」タタタ

吉正(―やはり、そうか)クルッ

吉正「―三葉」

三葉「あはっ!影正くん!やっと会えた!」

吉正「…三葉…!」ギュッ

三葉「え、ええ?…影正くん?」

吉正「今まで女性というのは…喋らない方が美しいとばかり思っていた。しかし…」

吉正「三葉。君だけは…喋っている方が美しい」

三葉「え、な、突然美しいとか言われたって反応に困るんやけど…」

吉正「いいんだ…そして三葉。やらなきゃあいけないことがある。聞いてくれ」 

今日はここまで

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