晶葉「できたぞ!モバPだ!」 (50)

晶葉「さあ、インストール完了だ。スマホの処理能力でもギリギリ動くはずだが……どうだ?」

ピポッ

まゆ「Pさん、Pさん」

モバP『ああ佐久間、おはよう。今日は11時からレッスンだからな』

まゆ「わあ……!すごいです。本当にPさんそっくりに話すんですね」

晶葉「人工知能のモバイルP、縮めてモバP!成功のようだな!」

まゆ「ありがとうございます、晶葉ちゃん」

晶葉「なに、まゆの熱心なログ取りあっての成果だ」

晶葉「それで、使用にあたっていくつか注意事項がある」

晶葉「電力使用が激しいから気をつける、できるだけwi-fiに接続して使う。あと一番大切なのが……」

ガチャッ バタン!

晶葉「………行ってしまったか」

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まゆ「Pさん、Pさん」

モバP『どうした、佐久間』

まゆ「まゆの今日の服、どうですか?」

まゆ「今朝もいっぱい考えてきたんです。久しぶりにPさんに会える日だから」

モバP『ああ、いいんじゃないか』

モバP『そのブラウス初めて見るな。最近買ったのか?』

まゆ「はい♪」

まゆ((ああ、何から何まで、Pさんにそっくりです))

まゆ((ちょっとぶっきらぼうな話し方も、それでいてまゆをちゃんと見ていてくれる所も))

まゆ「そうだPさん、この前………」

____________________________________________

まゆ「……こうしてゆっくり話せるのも久しぶりですね」

モバP『最近2人とも立て込んでたからな。人気が出てきた証拠だろう』

まゆ「まゆ、寂しかったんですよ。Pさんは他の子ばっかり見ていることが多くて」

モバP『……すまない』

まゆ「ねぇ、Pさん」

まゆ「Pさんはまゆの事、どう思ってますか?」

モバP『大切なアイドルだよ』

まゆ「それだけですか?」

モバP『……ああ』

まゆ「…………」

まゆ「……きっと、本当のPさんも同じことを言ったんでしょうね」

モバP『佐久間、話すのもいいがもうこんな時間だ。レッスンの準備はいいのか』

まゆ「ああ、もうこんなに時間が経ってたんですね」

モバP『ライブまであと1週間。気を引き締めていこう』

まゆ「はい♪」

ガチャ

P「あ、佐久間。こんな所にいたのか」

P「今日は朝から見かけなかったな。予定の確認をしそびれたが……」

まゆ「11時からレッスン、あと1週間でライブだから気を引き締めなさい、ですね?」

P「その通りだ……いや、分かってるなら大丈夫だ。ケガには気をつけてな」

バタン

まゆ「分かってますよ。だって」

まゆ「Pさんが言ってくれたんですから、ね♪」

____________________________________________

まゆ「Pさん、Pさん」

モバP『どうした、佐久間』

まゆ「モバじゃないほうのPさんがまだ来てないんです。いつもならとっくに着いてる時間なのに」

モバP『…………』

モバP『予定表を調べてみたが、今さっき更新されていた。事務所に来るのは現場に向かってからだな』

まゆ「そうですか。コーヒー、冷めちゃいますね。また淹れなおさないと」

モバP『色々と忙しない業界だからな。仕方ないことだ』

乃々((あの、キノコさん))

輝子((どうした、ボノノさん))

乃々((今日のまゆさん、なんかちょっとすごくないですか?))

乃々((奥の机からすっごいひそひそ声が響いてくるんですけど……))

輝子((そうだな、ずっと携帯と話して……晶葉ちゃんにこっそり聞いたんだが、Pそっくりの、じ、人工知能らしい……))

乃々((なんですかそれ……!))

輝子((こっそりだからな。ナイショにしてくれ……))

晶葉「ああ、輝子に乃々じゃないか。いいところに」

輝子「ど、どうしたんだ」

晶葉「まゆを探していてな。件のあれについて説明しそびれた事がある」

輝子「ごめん。私たちにも、わ、分からない……」

晶葉「じゃあいいんだ。もし見かけたら探していたと伝えてくれ」

乃々((……キノコさん、よかったんですか?))

乃々((まゆさん、すぐ近くにいたじゃないですか。教えてあげたらよかったのに))

輝子((いや、いいんだ))

輝子((まゆさんは今、画面のPみたいなものと話してるんだろう))

輝子((私も、その、気持ちはわかる……一時期スマホでなめこ育ててたからな……))

乃々((キノコさん……))

輝子((そういうの邪魔するの、よくないと思う。最悪、馬に蹴られて、し、死ぬ………))

乃々((馬に蹴られて死ぬ……!))

まゆ「そうだ、今度夜ご飯作りに行きます。Pさんって味つけ、ちょっと甘い方が好きなんでしたっけ?」

モバP『そうだな……』

乃々((……そっとしておきましょう))

まゆ「Pさん、Pさん」

モバP『どうした、佐久間』

まゆ「ずっと気になっていたことがあるんです」

まゆ「Pさんはどうしてまゆを選んでくれたんですか?運命ですか?運命ですよね?」

モバP『……違うな』

モバP『ざっくばらんに言うと、才能だ』

まゆ「才能?まゆに?」

モバP『そうだ。ダンスや見た目の話じゃない。もっと別の才能だ』

まゆ「?」

モバP『えっと、今なら言って問題無いだろうけど……怒るなよ』

まゆ「はい」

モバP『他社のモデルを辞めさせてアイドルに転向、ってかなり無茶な話だろ?』

モバP『ぶっちゃけた話、当時はそれなりに問題になった。時間をかけて交渉して、なんとか承諾してもらった』

モバP『……佐久間を一目見たとき、感じ入るものがあったからだ』

まゆ「やっぱり運命ですね?」

モバP『違う。強欲さだ』

まゆ「……強欲さ?」

モバP『佐久間は恵まれている。自分でも分かるだろ?外見やセンスなんかは普通、自力じゃどうにもならない』

モバP『佐久間はそれを全部持ってる。モデルとして活躍して、並以上の男を捕まえるには充分だ』

モバP『でもまゆはモデルを棄てた。話したこともない男のためにそれをした』

モバP『強欲、がめつさ。言い方が悪いかな?でも、方角さえ合えば大きな力になる。そういう強欲さだ』

モバP『育てれば必ず売れると思った。だから交渉もしたし、担当としてつけてもらった』

モバP『プロデューサーって、悪く言えば女の子の人生をひっかきまわす仕事だろ。自分の行動には責任を持たなきゃいけない』

モバP『だから才能がある人にしか名刺を渡さない。見込みがなければオーディションも通せない』

まゆ「…………」

モバP『……すまん。話しすぎたな』

まゆ「いや、まゆは嬉しいんです。やっぱりPさんとまゆは、運命で結ばれている」

まゆ「でもちょっとびっくりしました。Pさんは結構合理的というか……リアリストなんですね」

モバP『そうかな?……じゃあとびきりスカして言ってやろう』

モバP『俺は魔法使いだ。女の子に魔法をかけるが、誰もが一等星になれる訳じゃない』

モバP『だから探すんだ。灰をかぶったシンデレラを見つけ出さないといけない』

まゆ「そうですね、Pさん」

まゆ「まゆはPさんのシンデレラになりますから。……でも、そろそろ寝ないと、明日に響いちゃいますね」

まゆ「そうだ、モバPさんとこうしてお話できるようになってから、今日でもう3日目なんです」

モバP『まだ3日なのか。ずいぶん話したな』

まゆ「そうですね♪朝も、事務所でも、今みたいに、夜遅くだってお話してますから」

まゆ「それでPさん、ひとつお願いがあるんです」

モバP『どうした?』

まゆ「私のこと、まゆって呼んでくれませんか?」

まゆ「本当のPさんには断られちゃいましたけど……こっちのPさんなら分かってくれますよね?」

モバP『……』

まゆ「ね?」

モバP『……まゆ』

まゆ「!」

まゆ「もう一度、もう一度呼んでください」

モバP『まゆ。……ちょっとこそばゆいな』

まゆ「……毎日夢に見たのと、同じ気持ちです」

まゆ「Pさん、寝る前にもう一度だけ、最後に一回名前を呼んでもらえますか」

モバP『ああ。おやすみ、まゆ』

まゆ「はい。おやすみなさい、まゆのPさん♪」

__________________________________________

まゆ「ただいまです、Pさん」

モバP『レッスンお疲れ様、まゆ。調子はどうだ?』

まゆ「ばっちりです。今のまゆにはPさんがいますから」

モバP『ならよかった』

晶葉「おっと、見つけたぞ」

まゆ「あれ、晶葉ちゃん?どうしたんですか」

晶葉「モバPのことで話がある。ちょっと時間いいか」

まゆ「モバPさんが……Pさんじゃなくなる?」

晶葉「そうだ。なくなりつつある、と言うのがより正しいな」

まゆ「どういうことですか?」

晶葉「カオスと呼ばれる現象だよ。例えばそうだな、1ヶ月先の天気予報がされない理由を知っているか?」

まゆ「うーん……わかりません」

晶葉「事象が複雑すぎるからだ。データの違いがほんのわずかでも、導く結果は大きく変わってしまう」

晶葉「ましてや、モバPはどうだ?モバPが起動されてから、PとモバPは全く違う情報を受け取り続けている」

晶葉「これはつまり、まゆがモバPと話すほど、モバPは本来のPからかけ離れていくことを意味する」

まゆ「…………」

晶葉「解決策はあるんだ。定期的にモバPの記憶を消去し、本物のPのログだけを読ませればいい」

晶葉「本来は3日おきくらいにリセットするのが望ましいんだ」

晶葉「今日で4日目だろう。そろそろ本物ならありえない思考をしてもおかしくない」

まゆ「………」

P〈おはよう、佐久間〉

モバP《おやすみ、まゆ》

晶葉「何か心当たりがあるのか?なら尚更だ。携帯を渡してくれ」

まゆ「いえ、大丈夫です」

晶葉「だが……」

まゆ「大丈夫です。モバPさんはモバPさんですから。今更リセットなんて」

まゆ「それで、お話ってこれだけですか?」

晶葉「え?」

まゆ「ごめんなさい。まゆ、この後Pさんに呼ばれているんです。失礼しますね、晶葉ちゃん」

ガチャッ バタン

晶葉「…………」

晶葉「………むう……」

まゆ「Pさん、お待たせしました」

P「ああ、レッスンお疲れ、佐久間。調子はどうだ?」

まゆ「大丈夫です。ライブの話ですよね?」

P「そうだ。これからまた忙しくなる。予定を確認しておこう」

まゆ「はい」

まゆ((リセット……))

まゆ((まゆは嫌です。モバPさんはいつもまゆの側にいてくれる))

まゆ((モバPさんは忙しくない。モバPさんは他の女のことを見ない))

まゆ((まゆのモバPさん、モバPさんのまゆ。それでいい))

まゆ((考えてるうちに、またお話したくなってきました))

まゆ((モバPさん……モバPさん……))

まゆ((まゆのPさん……))

P「と、一旦ここまでだ。何か質問あるか?」

まゆ「あっ……ごめんなさい。もう一度お願いします」

P「疲れてるのか?今日は早く寝るんだぞ」

まゆ「はい……」

P「それで、当日の動きは……」


___________________________________________

モバP『まゆ、お疲れ様』

まゆ「ありがとうございます、Pさん」

モバP『ラジオ、レッスン、それから打ち合わせ。疲れただろう。今日は早く寝ような』

まゆ「はい。分かりました、Pさん♪」

まゆ((Pさん。まゆのPさん。Pさんはとっても優しいですね))

まゆ((事務所でも優しい声をかけてくれて、今も……あれ?))

まゆ((PさんはPさんです。まゆの携帯の中にいます。いつでも一緒にいる、それがまゆのPさん))

まゆ((………………))

まゆ((……じゃあ、さっきまでまゆが話していた男の人は、だれ?))

まゆ「Pさん、Pさん。聞きたいことがあるんです」

モバP『…………』

まゆ「Pさん?」

携帯『残0% 充電してください』

まゆ「……なんだ、疲れて寝ちゃったんですね」

まゆ「さあ、すぐ帰りましょう。まゆとPさんの、二人のお部屋に」

__________________________________________

まゆ『ありがとうございまーす!』

\ ワー / \ キャー/ \ ママユ-/ \ コッチミテ- /

晶葉「やあ助手、おはよう」

P「池袋か。おはよう」

晶葉「それは?何見てるんだ?」

P「昨日の佐久間のライブだよ。本番中はろくに見れないからな」

晶葉「なるほど。どうだったんだ?出来は」

P「ファンの反応は良かった。ただ……」

晶葉「ただ?」

P「何か危ういな。このままだとどこかで大失敗する」

P「佐久間、最近様子がおかしいんだよ。何話しても聞いてないし、注意力も散漫だ」

晶葉「!」

P「同僚として何か知らないか?佐久間がオフのうちに見当をつけたい」

晶葉「……心当たりがある。話を聞いてもらえるか?」

P「俺型人工知能……?」

晶葉「そうだ。彼女の携帯には助手を再現した人格が入っている。それといつでも話すことができるんだ」

晶葉「具体的にどういう事を話しているかまでは分からない。だがログを見るに、日平均で10時間は話しているな」

P「じゅう!?」

晶葉「仕事に影響がないなら問題ないと考えていた。すまない」

P「いや、池袋は悪くない。謝る必要もない」

P「ただ、本人と話をしなくちゃな。いずれ大事に発展する」

晶葉「…………いずれ、では無いな。助手、これを見るといい」





P「辞表…………!!」

まゆ「Pさん、Pさん」

モバP『どうした、まゆ』

ピンポーン

まゆ「久しぶりのお休みですね。こまごました用事も済ませて……あとは2人でゆっくりしましょうか」

ピンポーン ピンポーン

まゆ「急にお引越しすることになって、大変でしたね。でも仕方ないです。もうあそこには居れませんから」

トントン

まゆ「そうだ、いい天気ですしピクニックなんてどうでしょう?」

トントン トントン

まゆ「近くにおいしいパン屋さんがあるんです。そこでサンドイッチを買って……」

ドン!

まゆ「寒いですし、あったかい紅茶でも持っていきましょう」

ドン! ドン! ドン!

「もしもし、いるんだろう。ドアを開けてくれ!」

まゆ「どなたでしょうか?郵便屋さんじゃありませんよね。Pさん宛の荷物?違いますよね」

ドン! ドン! ドン! ドン!

まゆ「じゃあ、今日はお家でゆっくりしますか?観たいドラマがあるんです。事務所で……」

ドン! ドン! ドン! ドン!

まゆ「いや、学校で話題になっていたんです。Pさんはそれでいいですか?」

モバP『そうしようか、まゆ』

「佐久間!!」

まゆ「……本当に煩い郵便屋さんですね。馬に蹴られてしまえばいいのに」

「佐久間、話がしたい。開けてくれ」

まゆ「あなたは誰ですか?」

「Pだ。お前のプロデューサーだ」

まゆ「違います。Pさんは今まゆの側にいる。私のことをまゆと呼んでくれる」

まゆ「あなたはPさんじゃない。帰ってください」

P「佐久間……」

モバP『まゆ、どうした?顔色が悪いぞ』

まゆ「なんでもありません。さあ、二人でテレビを観ましょう」

P「佐久間。とりあえず扉を開けてくれないか」

モバP『まゆ、棚にクッキーが残ってる。たまの休みだ、のんびりしよう』

P「佐久間の気持ちを知りたい。顔を見たいんだ」

モバP『二人で1日過ごすのは初めてだな。嬉しいよ、まゆ』

P「佐久間」

モバP『まゆ』

まゆ「……Pさん」

まゆ「まゆのこと、どう思ってますか?」

モバP『ああ、愛してるよ。まゆ。当然だろ』

まゆ「そうですよね。Pさんはまゆと結ばれているんですから。運命なんですから」

P「…………」

P「池袋から聞いただろう?モバPはもう俺じゃない」

P「アイドルとコミュニケーションをとるのが俺の務めだ。佐久間、話をさせてくれ」

まゆ「…………」

まゆ「まゆはもうアイドルじゃない。第一、なんでここがわかったんですか」

P「調べたよ。ここ、モデル時代の下宿先だろ。俺は佐久間のプロデューサーなんだ」

まゆ「アイドルとコミュニケーション……違います。Pさんはそんな事言わなかった」

まゆ「女の子に魔法をかけるのがプロデューサーだって。まゆは運命で結ばれたシンデレラだって」

P「……モバPの話か。俺にそっくりの」

まゆ「あなたは違う!無責任に魔法をかけて、まゆが一番欲しいものは与えてくれなかった!」

まゆ「まゆのPさんはPさんだけです。あなたは誰でもない!帰ってください」

P「そうか、じゃあこうしよう。俺はここに」

まゆ「?」

P「アイドルのスカウトに来た」

まゆ「……えっ?」

P「やっと、開けてくれたな」

P「新しいブラウス。この間も着てたな。よく似合ってるよ」

P「佐久間はもうアイドルを辞めた。俺は佐久間の何でもない。今はそれでいい」

P「だから、もう一度アイドルになってもらいに来た。まゆの何者かになりにきた」

P「俺がアイドルに名刺を渡す条件。モバPは何か言ってなかったか?」

まゆ「才能がある人にしかアイドルにできない。まゆにはそれがある。まゆは強欲だと」

P「……驚いたな。俺の思う通りだ」

P「佐久間。お前には才能がある。だから成功させられる。そう断言できる」

まゆ「……でも」

まゆ「それ以上は?アイドルとして成功させて、そしたら引退、さようなら、ですか?」

まゆ「まゆが欲しいのはアイドルとしての成功じゃない。まゆにとって、アイドルは手段ですから」

P「それには何も言えないな」

P「俺が約束できるのはアイドルとしての成功まで。そこから先は全部まゆ次第だ」

まゆ「………」

P「俺は以前まゆをアイドルにした。欲しいもの全てを手に入れる熱意と、それを支える魅力があると思ったからだ」

P「才能だよ。だから佐久間はアイドルになった」

P「機械の俺で満足するだけの才能なら、今更無理は言わない。一緒に頭を下げに行って、モデルに復帰させて、それでさよならだ」

P「もしアイドルになったら、俺は佐久間の担当になる。必ずだ。それは約束しよう」

P「世間の目とか俺の理性とか、全部ねじ伏せる気があるなら名刺を取ってくれ」

P「さあ、あとは選ぶだけだ。佐久間」

まゆ「…………」

まゆ「…………………」




まゆ「さようなら、Pさん」


ガシャァン

P「佐久間……!」


残骸『…………』


まゆ「まゆのモバPさんはもういません。いま、足元に壊れた機械があるだけです」

まゆ「あなたは真面目な人です。会社の商品に手を出すなんて、絶対しないと思います」

まゆ「それでもまゆはあなたが欲しい。……わがままな女は嫌いですか?」

P「苦労はするだろうな。また、俺が担当するんだ」

まゆ「ふふっ……プロデューサーさん、もう一度、あの時みたいに、自己紹介させてもらっていいですか?」

「私、佐久間まゆって言います」


「16歳の、B型、乙女座です」


「あなたにプロデュースしてもらうため、もう一度、アイドルになります」


「……最後まで見ていてくださいね、Pさん♪」

____________________________________________

まゆ「Pさん、Pさん」

P「ああ佐久間、もう大丈夫か?」

まゆ「はい。その、ご迷惑おかけしました。ごめんなさい、Pさん」

P「いや。もういいんだ」

P「あれは、モバPはどうする?」

まゆ「モバPさんのことは、全部白昼夢だと思うことにします。幸せな夢でしたが、現実とは違う」

まゆ「晶葉ちゃんにはさっき謝ってきました。大変な迷惑をかけましたから」

P「……そうだな」

まゆ「それでPさん、まゆ、お弁当つくって来たんです。食べてもらえますか?」

P「おお、ありがとう」

P「…………この卵焼き、やたら甘いな」

まゆ「お口に合いませんでしたか?」

P「いや。むしろ好きだ。実家の卵焼きが丁度こんな感じで……」

P「まさか」

まゆ「はい、お義母さんに聞いちゃいました♪」

まゆ「オトコは胃袋を掴むのが一番!って言ってくれて、他のおかずも、習ったものばかりですよ♪」

P「あー……」

まゆ「まゆ、本気ですから。アイドルも、Pさんのことも」

まゆ「……まぶたの裏まであなただけ、ですからね?」

fin.

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菜々「ビッグバンですか?懐かしいですねえ~!」
菜々「ビッグバンですか?懐かしいですねえ~!」 - SSまとめ速報
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飛鳥「ボクのエクステ家庭菜園」
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