にこ「貴方は白い月の騎士」(29)

にこ「あー疲れた。年末年始は客が多くてバイトでも大変ね…」

「…あれ、にこちゃん?」

「あ、本当だ!おーーい、にこちゃーん!!」

にこ「…その声は」

凛「バイトお疲れにゃー!」

花陽「お疲れ様です。
お腹すいてませんか?肉まんありますけど……」

にこ「…ありがと、頂くわ」フフッ

公園

花陽「はい、にこちゃん」スッ

にこ「悪いわね。それにしてもアンタら、なんでこんな夜遅くに外彷徨いてるのよ」

凛「駅前のラーメン屋に行ってたにゃ」

にこ「あー、あの老舗の…」

凛「そうそう。凛達はそこで評判のチャーシューメン食べてきたんだ!」

花陽「凄く美味しかったよ!」

にこ「そう、良かったわね。
……でも、何故肉まんを…」

花陽「その後少しランニングしたの。
そしたらまたお腹すいちゃって…」

にこ「…花陽らしいわね」クスッ

花陽「に、にこちゃん!?それ、どう言うこと!?」

にこ「冗談よ冗談」

にこ「…今7:30だけど、大丈夫なの?
お母さん心配するわよ?」

凛「もうそんな時間かぁ。
かよちん帰るにゃー」

花陽「うん、帰ろっか。
じゃあにこちゃん、体調に気をつけて」

にこ「ええ、アンタらもね」

凛「ばいばいにゃー」

にこ「さて、私も帰ろうかな」ヨッコラセ

「待ってくださいッ…!」

にこ「…え?私?ってか、貴方誰?」

「あ、申し訳ありません…
私、園田海未と申します」

にこ「はぁ、海未ちゃんね。
…で、海未ちゃん?にこに何の用かな?」

海未「単刀直入に言わせて頂きます。
矢澤にこさん…」

にこ(え?なんでにこの本名を知ってるの…?)


海未「私と付き合って下さい」


にこ「……は?」

海未「貴方は私と付き合わなくてはならないのです」

にこ「ぬぁんでよっ!
何で出会ったばっかりの人と付き合わなくちゃいけないのよ!!」

園田「出逢いが操るミステリー、ですよ」フフッ

にこ「意味わかんない!!」

海未「兎に角付き合って貰わないと困るんです」

にこ「やめなさいよっ!警察呼ぶわよ!」

海未「そ、それは困りますっ!」

にこ「なら諦めなさい!」

海未「……分かりました。今日は諦めます」

海未「ですがきっと、いや絶対に
わたしは貴方と付き合ってみせます」

にこ「知らないわよ!
アンタとにこが付き合うって事は、絶対に有り得ないんだから!」

にこ「なによアイツ、初対面の私に付き合えだなんて…
常識外れにも程があるわ!」

にこ「……でも、顔はカッコよかったような…」

にこ「………いや!人間顔より中身よ!」

にこ「まぁにこは顔も中身も完璧なんだけどね」フフン



海未「………」

翌日


にこ「ふぁーあ…
冬の朝って寒すぎるから嫌なのよねぇ…」

海未「おはようございます」

にこ「うわあああっ!?」ドンガラガラガッシャーン

海未「どうしたんですか、朝からそんなに大きな声を出して」

にこ「な、何でアンタがここに……
ってか、何で家知ってるの!?」

海未「ここら辺で矢澤宅と言ったらここしかありませんでしたので…
あ、鍵は大家さんからマスターキーを頂きました」

にこ「あーあ…一人暮らしするんじゃなかった…」

海未「朝食は既に用意しました」

にこ「聞いてないわよっ!」

海未「頂きます」

にこ「………」

海未「今日は魚が上手く焼けました、よく味わって下さいね」

にこ「………」ミソシルズズーッ

にこ(美味しい…)

海未「味噌汁は朝の毒消しとも呼ばれています。お代わりも有りますよ」

にこ「……ねぇ」

海未「はい?」


にこ「何で海未は、私と付き合おうとしてるの?」

海未「……いつか知る時が必ず来ます。
……ところで、学校は良いのですか?」

にこ「え、……あ!!こんな時間!?」

海未「音ノ木坂でしたよね、私も一緒に行きます」

にこ「あぁもう!!勝手にしなさいっ!!」

「あ、海未ちゃんだ」
「海未ちゃんおはよーっ!」

海未「………」

ことり「あれ、元気無いねぇ?」

海未「…貴方と私は縁を切りましたよね」

ことり「えぇー、そうだっけ?」

穂乃果「もうっ!二人共、仲良くしてよっ!!」

海未「……すみません穂乃果」

ことり「ごめんね、穂乃果ちゃん」

穂乃果「喧嘩ばっかしないでよね、まったく…」

穂乃果「…で、その子は?
海未ちゃん妹いたっけ?」

にこ「妹じゃなーいっ!」

海未「紹介します、この人は私の恋人です」

ことり「………ふーん」

穂乃果「おぉー!遂に海未ちゃんもリア充かぁ!!」

海未「穂乃果、そんな言い方やめてください」

にこ「そうよ!!まだ付き合ってないし!!」

海未「恥ずかしいじゃないですか///」

にこ「そうじゃないでしょ!!」ビシッ

ことり「…で、名前は?」

にこ「にこ。矢澤にこよ」(何コイツ…)

ことり「そっか。
………じゃあ、にこちゃん」

にこ「何?」

ことり「海未ちゃんを、宜しくね♡」

にこ「宜しくじゃなーい!!」

ことり「じゃあ穂乃果ちゃん、行こっか♡」

穂乃果「うん!
じゃあね、海未ちゃんにこちゃん!今度ダブルデートしようね!」


にこ「……ダブルデート、ということは。
あの2人付き合ってるの?」

海未「………はい、認めたくありませんが…」

__
______
_____________
海未(1年)「弓道部の練習が長引いてしまいました、穂乃果とことりに謝らなくては………」タッタッタッ

「………って」

海未(……? これはことりの声ですね。
誰と話しているのでしょう)

ことり(高一)「穂乃果ちゃん、ことりと付き合って!」

海未(!?!?)

穂乃果(高一)「えぇぇ!?急にどうしたのことりちゃん!?」

ことり「ことりね、ずっと前から穂乃果ちゃんのことが好きだったの!」

穂乃果「えーっと……その………」

ことり「恥ずかしがらなくても良いんだよ、ここには私と穂乃果ちゃんしかいないんだから…
それに、穂乃果ちゃんの敵はことりが全部やっつけてあげるから、ね?」

穂乃果「……うん」

海未(穂乃果ッ!?)

ことり「やったぁ♡
穂乃果ちゃん、ずーっと一緒だよ♡」ギュゥッ

穂乃果「…うん♪」

_____________
_______
__
海未「いつも3人だったのに、急に抜け駆けだなんて…」

にこ「……辛かったわね」

海未「うぅ………にごぉ………」グスッ

にこ「…………」ナデナデ

ことり「……矢澤にこ……」

ことり「敵じゃなきゃ良いけど………」

キーンコーンカーンコーン

にこ「……やっと昼が来た…」

にこ「偶には中庭で食べようかな」


穂乃果「あ、にこちゃんだ」

にこ「えーと、穂乃果だっけ。奇遇ね」

穂乃果「にこちゃんもお昼?」

にこ「えぇ。隣座って良い?」

穂乃果「どうぞどうぞ!」

にこ「ねぇ、穂乃果」

穂乃果「ん?」

にこ「海未の事、どう思ってる?」

穂乃果「大事な幼なじみだよっ!」

にこ「じゃあ、ことりは?」

穂乃果「えーっ////?恥ずかしいよぉ/////」

にこ「……ふーん」パクパク

穂乃果「……/////」


ことり「…………」ジーッ

放課後

にこ「はぁ……
なんかめんどくさい事になってきた」

「大変やね」

にこ「そうなのよ、本当疲れるわ…
って」

にこ「誰よアンタ」

「……あ、始めましてか。
ウチは東條希! 趣味で神やってるんよ」

にこ「変な宗教なら入りません」スタスタ

希「変な宗教ちゃう!仏教や!」

にこ「あーそうですか。で、神様が何の要?」

希「えー、矢澤にこさん」ゴホン

にこ「な、何よ」

希「貴方の願いを何か一つ、叶えて差し上げましょう」

にこ「急ね」

希「矢澤にこさん…にこっちでええか。
にこっちは第252521回あなたの望み叶えちゃいます抽選会で、見事特等を当てたんよ」

にこ「はぁ…。
じゃあ、宇宙NO.1アイドルにでもなれるの?」

希「なれるけど…今直ぐこのチャンスを使うのは
あまりオススメ出来ないなぁ」

にこ「そうね、できる訳ないもんね」

希「いや、ホンマに出来るんよ!?」

にこ「はぁ…」

希「…ウチは神田明神居るから、願い思いついたら来てな」

にこ「ただいまー…」ガチャッ

海未「お帰りなさいませ」

にこ「ちょっ、アンタ!!
何でここにいるの!?」

海未「……私には帰る家がありません。
親の亡き後は親戚の家に泊まっていたのですが、今日から友達の家に住むと言ってしまったので…」

にこ「ぬぁに勝手なこと抜かしてんのよ!!」

海未「…………申し訳ございません」

にこ「………。
ご飯の支度するから、お風呂掃除頼むわよ」

海未「ーー!! 承知ッ!」

にこ「…まったく、嬉しそうな顔ちゃって………」フフッ

海未「にこなら絶対認めてくれると信じていました」

にこ「うるさいっ!掃除やれっ!!」

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