絵里「もう駄目よ…おしまいだわ……」 (21)

ほのえりです

よろしくお願いします

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希「…」

にこ「…」

希「それは大変やったね…話なら何時間でも聞くよ?にこっちが」

にこ「はいっ!?」ビクッ

にこ「い、いやいやいやいや!暇じゃない!私そんなに暇じゃない!!」

希「ええやん休みなんやし…」

にこ「アンタもそうでしょうが!なんで丸投げしてんのよ!!」

希「だってどうせまた……」

にこ「だから押し付けないでって言ってんの!!もうこりごりなのよ!!」

絵里「……昨日ってクリスマスだったじゃない?」

にこ「おおおおい!!聞いてないのに語りだしちゃったわよ!?どうすんの!?」

希「ああ…今年はこんな感じで終わるんやね……」

にこ「私はまだ諦めないわよ!!じゃあn」ガシッ

絵里「でもね、バイトが長引いて帰りが遅くなっちゃったのよ…」グググググ

にこ「ちょっ!?せめて話すか放すかどっちかにしなさいよ!!」ジタバタ

希(無駄な抵抗はしない方がよさそうやね…)

絵里「そうしたら……」

~~~~~~~~~~~~
~~~~~~~~~~~~


絵里「た、ただいまー…」


シーン


絵里「穂乃果ー?起きてるー?」


シーン


絵里「あ、あれ?穂乃果ー?」ガチャッ

絵里「…」

絵里「いない…もう寝ちゃったのかしら…」

絵里「ほのかー!?」


シーン


絵里「まずい…相当怒ってるわね……今日は早く帰れるって言っちゃったし……」

絵里「…」

絵里「ん?テーブルの上に何か」チラッ



『絵里ちゃんのバカ!!実家に帰らせていただきます!! 穂乃果』



絵里「…」

絵里「」


~~~~~~~~~~~~
~~~~~~~~~~~~

絵里「ということが……」

にこ「じゃあこんな所で油売ってないであの子の実家に行きなさいよ!!」

希(そもそも同棲してたん……)

絵里「その後すぐ行ったけどもう寝静まってて…もちろんここに来る前にも寄ってきたんだけど……」

希「いなかったの?」

絵里「うん」

にこ「…」

希「…」

希「あ、あの~…非常に言い辛いんやけど」

絵里「?」

にこ「それ……捨てられてない?」

絵里「」

絵里「い、いや…穂乃果に限ってまさかそんな……」ガタガタ

希「だって実家に帰るって言ったのに実家に帰ってないんよ?」

にこ「少なくとも一晩はどこかに泊まったわけで…」

絵里「」

希「最近穂乃果ちゃんに言い寄ってた人とかいないの?」

絵里「さ、最近はずっとバイトで忙しくて……そういうのわからない……」ガタガタ

にこ「……終わったわね」

希「にこっち!!」

にこ「海未とかことりとか…その辺当たってダメならもう寝取られてるわよ」

絵里「」

希「な、なにもそこまで…」

にこ「あの子ってなんだかんだでモテるじゃない?狙ってるのは多いでしょ」

希「まあそんなに軽い子じゃないとは思うけど…」

絵里「と、とりあえずみんなに連絡してみるわ!」

・・・


絵里「…」ズーン

にこ「結構な人数当たったけど手掛かりなしと…」

希「大事になってきちゃったね…」

にこ「しっかしこんだけ聞いて誰も知らないとなると…いよいよって感じかしらね」

絵里「そうなったら相手を殺して私も死ぬわ」フフッ

希「えりち…目のハイライト消えてるけど大丈夫?」

にこ「しかも逆恨みだし」

希「あと残ってるウチらと穂乃果ちゃんの共通の知り合いは…」


・・・


ツバサ『穂乃果さん?私は知らないわよ?』

絵里「そう…よね。忙しいのに時間とらせちゃってごめんなさい」

ツバサ『ううん。気にしないで。久しぶりに声が聞けてうれしかったわ』

絵里「こちらこそ。それじゃ、お仕事頑張ってね」

ツバサ『ありがと。じゃあね』

絵里「ええ」

にこ「しっかしツバサの電話番号知ってるって普通じゃないわよね」

希「そりゃまあ…普通じゃないからね」

にこ「そんな時期もあったのね…信じられないけど」

希「うわおばさんくさい」

にこ「自分で言っててもちょっとそう思ったわよ」

絵里「…」ハァ





穂乃果『ツバサさーん!誰と電話しt』

ツバサ『あっちょっこら!!』ブツッ



ツーツー



絵里「…」

のぞにこ「…」

絵里「聞こえた?」

のぞにこ「……聞こえた」

絵里「そう」


にこ「……まあ、あれよ。相手が悪かったわよ」

希「ええええっ!?」

にこ「だってツバサよ?ツバサ。どう足掻いたって勝てっこないじゃない」

希「いやいや!そういう問題じゃ…」

にこ「富、名声、力……この世のすべてを手に入れた女よ?」

希「海賊王!?」ガビーン

絵里「じゃあきっと死に際に何か言うわね」スッ

希「色々ストーップ!!」

にこ「とにかくツバサの家に行ってみるしかなさそうね…」

絵里「ええ」

希(行っていいのかなぁ…)

・・・


絵里「ここがあの女のハウスね」

にこ「色紙よし…ペンよし…カメラよし……」

希「帰っていい?」


ピンポーン


ツバサ『はい』

絵里「穂乃果を返してもらいに来ました」

ツバサ『はて…何のことやら』クスクス

絵里「とぼけても無駄よ!そこに居るのはわかってるんだから!!」

ツバサ『…』

絵里「いいから早く開けて!!」

ツバサ『……それはできないわ』

絵里「どうして!」

ツバサ『だって…穂乃果さんがそう望んでいるから』

絵里「なっ…」

ツバサ『聞いたわよ?あなた最近全然かまってあげてないそうじゃない』

絵里「そ、それは…」

ツバサ『言い訳なんて聞きたくないわ。穂乃果さんも同じ意見よ』

絵里「…」



のぞにこ(めっちゃ気まずい……)

絵里「そ、それでも私は…世界で一番穂乃果を愛してるわ!!」

ツバサ『まあお熱いこと。でも穂乃果さんはどうかしらね』

絵里「…」

ツバサ『一方通行の愛なんて空しいだけじゃない?』

絵里「そんなこと…」

ツバサ『現に穂乃果さんは私の所へ来た。この意味が分かるでしょ?』

絵里「…」

ツバサ『でもそうね…これじゃフェアじゃないような気もするからチャンスをあげようかしら』

絵里「チャンス…?」



にこ「思ったよりヤバいことに首突っ込んじゃったわよ!?」

希「今更帰るに帰れないし事の顛末だけ……ん?」

ツバサ『そ。この場で改めて穂乃果さんへの愛の告白でもしてもらおうかしら』

絵里「!?」

ツバサ『それが穂乃果さんの心に届いたのなら…きっとまた会うことができると思うわ』

ツバサ『でももしダメなら、わかってるわよね』

絵里「…」

絵里「上等じゃない。受けて立つわ」ゴゴゴゴゴ

ツバサ『届くといいわね』クスクス

絵里「…」スゥ



絵里「穂乃果、寂しい思いをさせてごめんなさい」

絵里「…」

絵里「私ね、昨日貴女に言いたいことがあったの。バイトばっかりしてたのもそれが理由なの」

絵里「でも結果こうなっちゃって………」

絵里「だから、せめて、私の言いたかったこと、聞いてほしい」

絵里「穂乃果は昔から私の太陽で、いっつも暖かくてキラキラしてて…」

絵里「そんな穂乃果のことをね、気づいたら好きになってたの」

絵里「私は穂乃果のこと、誰にも渡したくないし、そのつもりもない」

絵里「気持ち悪いって思うかもしれない。でもね、もうふわふわした関係は嫌なの」

絵里「急でごめんなさい。でも、聞いて」


絵里「穂乃果、あたなが好きよ。大好き」

絵里「世界で一番、誰よりも、私はあなたが好き」

絵里「だから…だから私と……」




絵里「付き合って…くれないかしら」

ツバサ『…』

にこ「…」

希「…」



ドサッ

絵里「……ん?」

穂乃果「絵里ちゃん…嬉しい……嬉しいっ!!」ギュー

絵里「え、えええええ!?穂乃果!?なんでここに!?」

にこ「なーんかアンタが盛り上がってるときに普通に外から来たわよ?」

希「コンビニ行ってたんやってさ」

絵里「コンビニ!?」ガビーン

ツバサ『ぷっ…ふふっ……あ、あははははは!!』

絵里「つ、ツバサさん!?」/////

ツバサ『傑作よ傑作!いい絵が撮れたわ!!』

絵里「撮っ…!?け、消して!!消してぇー!!」/////

ツバサ『いいじゃない別に…私、恋のキューピットよ?』

絵里「うっ…」

ツバサ『ま、とりあえず立ち話もなんだからお茶でも飲んでく?』

絵里「そんな気分じゃないわよ…」

ツバサ『そ。残念』

ツバサ『じゃあこれからは可愛い彼女さん、泣かせちゃだめよ?』

絵里「…ええ」ナデナデ

穂乃果「♪」ギュギュー

希「にこっち」

にこ「うん」




のぞにこ「……付き合ってなかったんかーい!!」

ほのえり「!?」ビクッ!!




にこ「何なのもう…今日は貴重な休日で…なのに……その……なんて日なのよ!!」

希「でもそうなると…えりちの行動ってかなりキm」ムグ

にこ「思っても口に出すんじゃないわよ…」

にこ「まあそれに」チラッ


絵里「穂乃果~」ナデナデ

穂乃果「えへへ~♪」


にこ「結果オーライじゃない?」

希「…それもそうやね」フフッ

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――――――――――――
―――――――
―――


絵里(後から聞いた話だと、穂乃果はあの日たまたま実家に帰る途中でツバサさんと遭遇したらしい)

絵里(そこでお泊り会を提案されて折角だからとお邪魔になったとか)

絵里(終わりよければすべて良しとはよく言ったもので、まあ、私としては一歩も二歩も進めたわけで)

絵里(最終的には、ツバサさんに感謝かな)

絵里(……例の映像が何故か各方面に広まっていることを除けば)

絵里(まあ穂乃果と恋人になったと言っても特別何が変わるわけでもなく)

絵里(早く孫の顔が見たい、なんて急かされてもそういう感じでもなく)

絵里(でもそれなりに、幸せな毎日を送っている)



穂乃果「で、今日は早く帰ってこれるの?」

絵里「……頑張ります」

穂乃果「頑張らなくていいから早く帰ってきてね?」

絵里「……善処します」

穂乃果「…」ジトー

絵里「…」

穂乃果「まあいいや。いってらっしゃい」チュッ

絵里「うん。行ってきます!」

絵里「なーんて。本当は今日お休みなのよね」

絵里「バレたら怒るでしょうね…本当にご実家に帰っちゃったりして」

絵里「どうか知り合いに会いませんように。特にツバサさんとかその辺の人…」

絵里「……と。そういえばお店の人から電話しろって言われてたわね」


プルルルル
ガチャッ


「はい。お電話ありがとうございます」

絵里「あ、すみません。最近よくお世話になっていた絢瀬ですけど…」

「絢瀬様。いつも大変お世話になっております。準備の方、整っております」

絵里「ありがとうございます。なら――」


絵里(そう。私は年齢の割に、ものすごく生意気に、人生で一番重い買い物をした)

絵里(金額も、意味も、たぶん人生最大。悩んで悩んで…穂乃果には内緒で買った)

絵里(それを今日、プレゼントしようと思う。渡したかった日には間に合わなかったけれど)

絵里(喜んでもらえるかもわからないけれど。それでも。だから)





絵里「今からその指輪、取りに行きますね」





おしまい

ほのえり推しとしてリスアニ、再放送と素敵なクリスマスでした

本年もお世話になりました。ありがとうございました
来年もまた、宜しくお願い致します

それでは

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