白坂小梅「ないとめあ・びふぉあ・くりすます」 (50)


幸子「これで頼まれてたものは全部ですね! まったく、暗くなってからお使い頼むなんて!」

輝子「う、うん……買い出し、終わり……」

小梅「く、クリスマスだから……色々足りなくなっちゃうのはしょうがないよ……」

幸子「そうですかね? もっと計画的に用意するべきなんですよ! 前の日の夜にこんなに買うなんて!」

小梅「まぁまぁ……」

輝子「……イルミネーションを眺めるリア充どもが……今だけ停電しろ……ツリーがただの木になっちまえ……!」

小梅「まあまあ……」

幸子「それにしてもあそこの広場すごいですね。あんなおっきいクリスマスツリーとサンタのバルーンなんて初めてみましたよ」

輝子「どっちも30mはあるんじゃないかな……」

小梅「あのツリー……なんか仕掛けがあるんだって……」

幸子「仕掛け?」

輝子「な、何か隠してるみたいだけど、おたのしみだって……秘密にされた……」

幸子「秘密ですか」



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小梅「……へ、へくちっ」

輝子「だ、大丈夫か、小梅ちゃん……?」

小梅「うん、大丈夫……だけど寒いから、もう帰ろう?」

幸子「そうしましょう。輝子さん、忘れたものありませんよね?」

輝子「えっと、パーティ用のお菓子、クラッカー、ジョークグッズ、エリンギ……」

輝子「うん、全部あるぞ」

小梅「エリンギ?」

輝子「さ、早く帰ろう……」

幸子「エリンギほんとに買ったんですか?」

輝子「……」

幸子「まぁ別にいいんですけどね?」

小梅「あ、見て……流れ星……」

輝子「ほ、ほんとだ……願い事しなくちゃ……」

幸子「フフーン! カワイイボクにお願いごとされるなんて流れ星も幸せですね!」

輝子「フヒ、さすがだな……で、何をお願いしたんだ……?」

幸子「間に合いませんでした!」

小梅「あちゃー……」

幸子「つ、次です! 次が本番です!」


キラッ

幸子「来ました!」

小梅「ね、願い事……!」

輝子「おお……!」

幸子(クリスマスくらい体を張らず休めますように……じゃなくて、あーっとえーっと)

輝子(ボッチたちが集まって、楽しめますように……リア充に負けないくらい)

小梅(どんな子も集まった……にぎやかなパーティができますように……)

幸子「あっ、消えちゃいました……」

小梅「願い事、できた?」

輝子「フヒ……やっぱ三回は無理だな……」

幸子「へ? 三回?」

小梅「い、一瞬すぎるね……」

幸子「……か、カワイイボクとしたことが、大失敗です……!」

輝子「ありゃ……」

小梅「早く帰って、ごはんたべよ……」

幸子「はい……」






幸子(このとき、ボクたちはまさか願い事があんな形で通じるとは思いもしなかったのです)




・・・・・・

翌日 女子寮

幸子「うーん……フフーン、カワイイボクでもさすがにそれは……すぴー……」

ワー…… ドタバタ……

幸子「んん……? ふああ……朝からうるさいですね……」

幸子「まったく今何時だと……ってええ!? め、目覚まし時計が壊れてるんですけど!?」

幸子「す、スマホ! ……もうお昼!? ど、どうなってるんですか!」

ドンドン!

幸子「ヒイッ!」

小梅「さ、幸子ちゃん!起きて……!」

ガチャッ

幸子「なんだ、小梅さんでしたか……」

小梅「あ、起きてた……す、すぐに下に来て! た、大変なの……!」

幸子「下? ま、まさかこの騒ぎってツリーとかプレゼントが盗まれたからですか!?」

小梅「も、もっとすごいの……!」

幸子「……??」


女子寮 リビング

幸子「な、なんですかこれ……!?」

拓海「だああああ!! このっ、クソっ!!」

ぬいぐるみ「ケケケーッ」ピョンピョン

幸子「なんでぬいぐるみが勝手に動き回ってるんですか!?」


カサカサカサカサ

夏樹「おい! そっちいったぞ!」

里奈「ひいい!! キモい!! マジキモイ!!」  

涼「なんでプレゼントの箱からこんなに蜘蛛が出てくるんだよ!!」

小梅「く、蜘蛛なんて誰も入れてないのに……」

亜季「で、電飾が勝手に動くなんて初めての経験であります!」

幸子「ボクの時計といい、これは誰のイタズラですか!」

小梅「こ、これ……亜季さんが今抑えてる電飾……動かしてる子がいる……!」

幸子「動かしてる子? だれもいませんけど……」

小梅「あの……ポルターガイスト的な……」

幸子「ってことは……えっ!?」

拓海「オラッ! やっと捕まえヘブッ!」

ぬいぐるみ「ケーッケッケッケ!」バリーン

幸子「あっ、外に出ちゃいました!」

小梅「お、追いかけよう……!」

ダッ





拓海「いって~~~!! あいついいモンもってんな……!」

夏樹「おい大丈夫か?」

涼「まさかぬいぐるみにKOされるとはな」

拓海「うるせえ!!」

里奈「たくみんもぬいぐるみには弱い女の子ってコトかー」

亜季「お、上手いですな!」

拓海「こんの……!」ポトッ

拓海「ん?」

里奈「た、たくみん! 蜘蛛、蜘蛛!」

拓海「ひっ」

キャアアアアアア


・・・・・・

ぬいぐるみ「ケケーッ!」

バリーン! ガシャーン!

幸子「あのぬいぐるみ大暴れじゃないですか!」

小梅「な、中に入ってる子がいる……それより、いつもよりいっぱい集まってる……!」

幸子「集まってるって……」

小梅「あの子の友達とか仲良しさんとか……」

幸子「いいいい言わなくていいですってば!」

小梅「す、すぐ横にもいるよ……ほら」

幸子「ほらって」クルッ

オバケ「ヒヒヒ……」

幸子「フギャーーーッ!!」

小梅「この騒ぎ……たぶん、この子たちのせい……」

幸子「でしょうね!」

ぬいぐるみ「ケケケーーッ!!!」

小梅「あ、行っちゃう……待って……!」

ガッシャーン!バタバタ

幸子「暴れすぎですよ! しかも、信じたくはないんですけど……ゆ、ゆーれいも色々してるみたいですし……」


フヨフヨ フワフワ

モブ「おいなんか浮いてるぞ」

モブ「えぇーなんかのイベントかな?」

小梅「リ、リースとか、サンタ帽が、あちこちで飛んでるもんね……」

ぬいぐるみ「ケケッ?」

クリスマス限定セール! カップル割引!

カップルで来店の方にケーキプレゼント!

女性限定サービスやってます!」


ぬいぐるみ「ケケーッ!!」

クリスマス限定セール! ●●割引!

●●●来店の方にケーキプレゼント!

●●●●サービスやってます!

幸子「看板にまでイタズラを! さ、さすがにやりすぎです!」

小梅「と、止めなきゃ……!」

幸子「はい! って、そういえば輝子さんは?」

小梅「騒ぎの様子を見てくるって、先に出てって……」

幸子「だ、大丈夫なんでしょうか!?」




ヒャッハァァァァーーーー!!!!




小梅「大丈夫みたい」

幸子「広場のほうですかね……」


ワー! キャー! ショウコー! ショウコチャーン!

輝子「ブラッディィィィクリスマァァァァアス!!! どいつもこいつも浮かれやがって! リア充どもだけではっちゃけて! ボッチたちは、困ってるんだぞォォォ!!」

ワアアアア!

輝子「だがなぁ……毎年毎年やられてばかりと思うなよォ! ボッチにはキノコを! リア充どもにはタケノコをプレゼントしてやるぜえええええ!! おらああ!!」

ワーーーーーー!!!!

輝子「ヒャッハァァァ!!!!」

ワアアア!!ヒャッハァァァ!

ぬいぐるみ「ケケーッ」ピョンピョン

輝子「フヒッ……なんだ、お前もボッチか……? 安心しろ、わ、わたしはボッチの味方だ……! 昨日買ったエリンギをあげよう……」

ぬいぐるみ「ケッケッケ♪」

幸子「ほんとに何やってるんですか!」

輝子「あ、幸子ちゃん……今日、クリスマスだろ……? だから、その、リア充がいっぱいいて、ボッチたちが胸張って歩けないから……その……ムシャクシャして……」

幸子「だからってゲリラライブしないでくださいよ!」

小梅「あ、でも……お客さんの中にもいっぱい……」

幸子「ああ……なんかまた浮いてるのいっぱい……どこから持ってきたんでしょう……」

輝子「フッヒャ! ライブ見てるヤツにあの世もこの世も関係ねえぜェェ!」


幸子「輝子さん、ストップ」

輝子「あ、ご、ごめん……それより、なんでここに……?」

小梅「女子寮から逃げ出したぬいぐるみを追いかけてるの……」

輝子「どういうことだ……」

幸子「でもあちこちでイタズラしてるから抑えないと!」

輝子「ほんと……なんなんだ……?」

ぬいぐるみ「ケケケッ」ダダーッ

幸子「あっ! また逃げた!」

小梅「ま、まてー……」

輝子「フヒ……ぬいぐるみと鬼ごっこなんて……15歳にもなってするとは、思わなかった……」

幸子「アイドルだからセーフです!」

小梅「ど、どんな理論……?」

輝子「にしても……う、浮いてるのがサンタ帽とかだから、あんまり怖くないな……」

幸子「怖くないといっても、看板にイタズラしてるし、浮かせてるものだってどこから持ってきたのかわからないんですよ? あちこちに迷惑です!」

小梅「……」

ぬいぐるみ「ケッケケッ」

幸子「ビルに入ったみたいです! 袋のネズミですよ!」

輝子「ん? このビル……」

小梅「じ、事務所……?」


・・・・・・・・

事務所

ガチャッ!

幸子「観念しなさい! 追い詰めましたよ!」

志希「んー、カワイイねーこの子! ここまで自由に動くぬいぐるみ初めて見たよー!」

フレデリカ「ねー! ずるいよー! フレちゃんも抱っこしたーい!」

志希「えー、さっき交代したばっかりじゃーん」

フレデリカ「昔のことは水に流してー! もう一度やりなおしてー!」

志希「フレちゃん……お前さんとは、終わったのさ……! 今は、この子と添い遂げるのさ」
ぬいぐるみ「ケケー」

フレデリカ「そ、そんなっ! 捨てられちゃったの!? 今日は燃えるゴミの日なのに!」

志希「やっぱり捨てたくない~~~!! 絶対に捨てない~~~!! リサイクル!」

フレデリカ「やったー! 生まれ変わったー! カワイイもの頂戴ばぶー?」

志希「おぉーよちよち……じゃあとっておきのカワイイものを上げよう!」

フレデリカ「おぉー! なになに?」

志希「ね、ちょっときて!」

幸子「フフーン! しょうがないですねえ! カワイイといったらこのボk」

志希「はい、小梅ちゃん!」

フレデリカ「やったー!前から欲しかったんだー!」

小梅「わ、わー……!」

幸子「そんな!?」

チョイチョイ

幸子「はい?」

輝子「さ、幸子ちゃんは……カワイイぞ……?」

幸子「しょ、輝子さんっ……!」

志希「んでー、何しに来たの?」

幸子「はっ! そうでした!」


フレデリカ「んもーお茶目さんなんだからー! あ、お茶飲む? ジュースしかないけど」

輝子「い、いただきます……」

志希「あ、あたしにもちょーだい!」

フレデリカ「志希ちゃん……アンタとアタイの関係は……もう資源ごみの日さ……」

志希「あ、リサイクルしてくれるんだ」

フレデリカ「ゴミとか言って本当にごめんね?」

志希「アタシもゴメンね?」

小梅「仲良しだね……」

幸子「話戻していいですか?」

志希「いいよ」

フレデリカ「何の話だっけ?」

志希「ぬいぐるみがどうとか」

フレデリカ「そうだった! 抱っこさせて!」

幸子「そう! ぬいぐるみですよ! ここに逃げてきたぬいぐるみを追いかけてきたんです!」

志希「ありゃ? いない」

小梅「あ、あそこ……」

ぬいぐるみ「ケケーッ!」ピョーン


幸子「窓から逃げた!」

小梅(なんで窓に手の跡ついてるんだろ)

フレデリカ「やだー! 抱っこしたかったー!」

輝子「ま、また鬼ごっこ……?」

志希「ねえねえ、あれやっぱりオカルトとか? 触った感じ、綿しか詰まってないのにあんなに動いてるし」

小梅「そ、そう……」

フレデリカ「オバケかー。さっき話してたのほんとみたいだね」

幸子「さっき?」

フレデリカ「うん! 奏ちゃんとー、周子ちゃんとー、美嘉ちゃんと!」

志希「5人でいたときなんだけどさー」

・・・・・・・

少し前 事務所

美嘉「た、大変だよみんな!」

フレデリカ「んー? どしたのー?」

志希「財布スられた?」

周子「地味にイヤやなー」

奏「貸さないわよ」

美嘉「違うわ! 外見て外!」

周子「外?」

フレデリカ「またまたー! からかおうとしてる~!」

志希「にゃははー! ひっかかんないもんねー!」

美嘉「なんで疑ってるの!?」

奏「まぁ、ちょっと見てみましょう?」

周子「寒いから窓開けないけどね。どれどれ」

バンッ!

周子「わっ!?」

奏「て、手!?」

バンバンバンバン!

バババババ!

周子「な、なにこれ!?」

奏「美嘉……さすがに趣味が悪いわ」


美嘉「い、今ので驚かせたかったんじゃないって! 外もあんな感じでオバケとか幽霊が出るって大騒ぎなの!」

奏「オバケ……?」

周子「えっ、じゃこの手のヤツ、仕込みじゃないの?」

美嘉「うん、ガチ!」

周子「……あかん」

フレデリカ「志希ちゃーん! オバケ退治できる道具ないのー?」

奏「そんなのあるわけ」

志希「あるよー!」

周子(あるんかい)

フレデリカ「なんであるの!?」

志希「作っちゃった!」

フレデリカ「すごーい! 天才だー! 早く見せて!」

志希「いいよー! えーっと……」ゴソゴソ

美嘉「胡散臭いなぁ……」

周子「せやなぁ。でも出来そうな気もしなくはない」

志希「じゃーん! プロトンパック~~~~!!」

奏「何ですって!?」


美嘉「なにあれ?」

周子「んー? どっかで見たことある……かな?」

フレデリカ「ね、それどうやって使うの?」

志希「えっとねー、美嘉ちゃん! 来て!」

美嘉「あ、アタシ!?」

志希「いいから! まずはねー、この箱みたいなの背負って―!」

美嘉「よいしょっ……」

志希「んでんでー、横っちょのホースみたいなのもってー構えて」

美嘉「こう?」

志希「で、スイッチ押して」

美嘉「これ?」ポチッ

バチバチバチバチ!!!!!

美嘉「」

フレデリカ「わお!」

志希「にゃっはっはー!」

周子「あっ、これ……」

奏「ええ、その通りよ」






「「「「ゴースト・バスターズのアレだ!!!」」」」






美嘉「なんでそんなものあるの!?」

志希「だから作っちゃったんだって」

周子「なんで作ったの……」

志希「だって……奏ちゃんがどうしてもって」

美嘉「えっ!?」

奏「欲しかったのよ」

フレデリカ「名作だもんね」

奏「さて、これあと何個あるのかしら?」

志希「全部で三つあるよー」

奏「一個足りないじゃない」

フレデリカ「本当に申し訳ない。時間がなかった」

奏「まぁいいわ。行くわよ。美嘉、周子」

美嘉「えっ」

周子「えっ、あたしも!?」

奏「あそこの二人にこんな危ないもの持たせられないわ」

志希「えー」

フレデリカ「えー」

美嘉(言えてる)

志希「まあいいや。はいこれ」

奏「ありがとう。さ、仕事の時間よ!」

美嘉「あーもー! まずは女子寮かなぁ……」

周子「うへー、幽霊退治か……信じられへん……」

志希フレ「「いってらっしゃーい」」

美嘉「軽いな!」

バタン



・・・・・・

志希「ってわけ」

幸子「えっ、ゴーストバスターズのアレって」

小梅「あの、ビーム出るアレ?」

フレデリカ「そだよー! あそこコゲてるでしょ?」

輝子「だ、大丈夫なのか……?」

幸子「ぬいぐるみの行方も気になりますけど、一回女子寮に戻りましょう!」

志希「あ、じゃあ伝言頼んでいい?」

小梅「な、なに……?」

志希「あれ、衝撃に弱いから気を付けて!って」

幸子「わかりました!」

輝子「じゃあ……行ってくる」

志希フレ「「いってらっしゃーい」」


・・・・・・

女子寮

バチバチバチ!

周子「つ、捕まえたのかな!?」

美嘉「えーっと……うん、入ってるね」

奏「映画とはちょっと違うのね。背中の箱に直接閉じ込めるなんて」

周子「見たことあるけど昔だから忘れちゃったわー」

奏「見なさい」

美嘉「でも、見えない幽霊どうやって捕まえるのかわからなかったけど、浮いてるもの狙えば楽勝だね★」

奏「緑色のゴーストとか出ないかしら」

周子「諦めたら?」

拓海「いやー助かった! それすごいな!」

奏「礼には及ばないわ」

涼「なんでかわからないけど蜘蛛も消えたしな」

夏樹「助かったはいいんだが……」

ボロボロ……

里奈「的外しすぎぽよー」


周子「ごめんってー。慣れてなくて」

夏樹「これ片付けるのか……」

奏「ところで、他に幽霊がいるところ知らないかしら?」

美嘉「どんだけ退治したいの」

周子「乗りに乗ってるね」

亜季「そうですな……先ほど、小梅殿たちがぬいぐるみを追いかけて広場のほうに向かったのですが、それが心配であります」

美嘉「広場って、おっきいツリーとサンタのあそこ?」

周子「行ってみよっか」

奏「幽霊はいるの?」

美嘉「落ち着きなさいよ」

周子「幽霊とかより怖いわ」

亜季「たしか、輝子殿がゲリラライブみたいなことをしてたみたいです」

周子「……クリスマスに? こんな騒ぎの中?」

夏樹「アタシも聞いたな。なんかボッチとかリア充とか叫んでたって。ま、あいつらしいな」

周子「幽霊とぼっち、ねえ……」

美嘉「まさか今回の事件って……」

奏「ええ、あの子たち何か知ってるかもしれないわ」

美嘉「と、とにかく行ってみよう!」



・・・・・・

幸子「えっ!? 今出て行ったところ!?」

亜季「ここで幽霊退治だ! と何やら光線を出してたであります!」

拓海「なんだあいつらに用だったのか」

小梅「そ、それでこんなに、あちこちボロボロなの……?」

涼「そうなんだよ。助けてもらったからいいんだけどな」

輝子「で……か、奏さんたちは、どこに……?」

里奈「広場に行ったみたいぽよ」

夏樹「でも気を付けろよ? あいつらお前らのこと疑ってたぞ」

幸子「へ?」

涼「幽霊騒ぎと、広場でやってたボッチだなんだって騒いだゲリラライブもどきのせいで、こじつけたみたいだ」

輝子「こ、こんな騒ぎ、起こせるわけないだろ……!」

幸子「そ、そうですよ! ねえ、小梅さん!」

小梅「…………う、うん、そうだね」

拓海「とにかく連中は広場に行ったぞ」

幸子「ボクたちも行きましょう!」

輝子「フヒ……なんか、RPGのたらいまわしみたいだな……」

小梅「い、行ってきます……」

バタンッ



・・・・・・

小梅「あちこち行ってたら、日が暮れてきたね……」

輝子「もう、夜か……はやいな……」

幸子「まったく、なんでボクたちが疑われなきゃならないんですか!」

輝子「そもそも……オバケの呼び方なんて、知らない……」

幸子「知っててもやりませんよ!」

小梅「そ、そのことなんだけど……一個だけ、心あたりが……」

幸子「なんですって!?」

輝子「ど、どういう、ことだ……?」

小梅「き、昨日の夜……流れ星に、何をお願いした……?」

幸子「ボクは『ゆっくり休みたい』って一瞬思っただけでちゃんとお願いは出来ませんでした」

輝子「ぼ、ボッチでも楽しく、とかだったかな……」

小梅「願い事、二人とも叶ってない……?」

輝子「……そうかな?」

幸子「輝子さんはゲリラライブ、でいいんですかね? 大騒ぎしてたじゃないですか」

輝子「ああそうか……でも幸子ちゃんは?」

小梅「目覚ましが止まって……ぐっすりだった……」


幸子「えっ、そんな理由で時計止まったんですか!?」

輝子「フヒ……なんでもアリだな……小梅ちゃんは、何をお願いしたんだ……?」

小梅「『どんな子も集まってパーティできますように』って……」

幸子「えっ」

輝子「あっ」

小梅「……原因、私かもしれない……」

小梅「私が、あんな願い事しなければ……」

幸子「そ、そんなこと……」

小梅「私のせいで……」

輝子「……そんなわけ、ない」

小梅「だって……みんなが迷惑……」

輝子「こ、小梅ちゃんは、いろんな子にクリスマスを楽しんでほしいって、お願いしただけなんだ……その願い事は、ホンモノなんだ」

幸子「輝子さん……その通りですよ! 小梅さんの願い事は何も間違ってません!」

輝子「だから……えっと、幽霊とかオバケ……わ、私にはわからないけど……みんなクリスマスのおもちゃ持って、遊んでるんじゃないかな」

幸子「そういえば……浮いてるのってサンタ帽とかだけですね」

小梅「で、でも……看板のイタズラ……」

輝子「あ、あれは……」

幸子「よくみたら『限定』とか『カップル』とかの指定してる部分だけイタズラされてますね」

輝子「…………じゃ、これ私のせいでもあるのか……?」

小梅「そ、そんなことは……!」

輝子「ど、どうなんだろ……」



幸子「はい! そこまでです!」

小梅「幸子ちゃん?」

幸子「お二人のかっこいいところは、ひとりぼっちの子、幽霊の子、ちょっと変な子たちも一緒に楽しもうと声を出せるところです! そして、流れ星に願ったことの何が間違いだったって言うんですか!」

輝子「でも……ちょっとやりすぎというか……」

幸子「小梅さん! ボクにオバケの声は聞こえません! あの子たちみんな、嫌がらせで物動かしたりしてるんですか?」

小梅「えっと……ねえ、どうなの……?」

フヨフヨ

ブンブン! ブンブン!

輝子「浮いてるサンタ帽、めっちゃ動いてるな……」

小梅「『そんなことない』って……楽しくなりたかっただけだって……」

幸子「じゃあ、いいじゃないですか! ただ、今回ちょっとはしゃぎすぎちゃっただけですよ!」

輝子「フヒ……そ、そういうことか……なら、やりすぎたぶん、謝らなきゃ……」

小梅「だ、大丈夫かな……許してくれるかな……」

幸子「大丈夫ですよ! ボクも一緒に謝ります! そしたら絶対に許されます!」

幸子「なぜならボクがカワイイから!!」

輝子「フフ……さ、さすが……」

小梅「あ、ありがとう……!」

幸子「さて、それじゃあ幽霊退治してる奏さんたちを止めないといけませんね」

輝子「えっと……ひ、広場に向かったんだっけ……?」

小梅「は、はやくいかないと……!」


・・・・・・

広場

奏「いっぱいいるわね……」

美嘉「あちこちにイタズラして!」

周子「もー……これ全部捕まえるの?」

奏「やるしかないわね。プロトンパックもってるの、私たちだけなんだもの」

美嘉「迷惑してるぶん、とっちめてやるんだから!」

周子「おりゃー!」

バチバチバチバチ!

ぬいぐるみ「ケケッ!」

周子「ん? なにこのぬいぐるみ」

美嘉「こいつもオバケの仲間?」

ぬいぐるみ「ケッケッケ……」

奏「……なんでエリンギ持ってるのかしら?」

周子「あたしたちを止めようとしてるみたいだけど」

奏「きのことオバケ……やっぱり、そういうことね……」



幸子「待ってください!」




美嘉「あっ! あんたたち! これどういうことなの!?」

輝子「おお……さっきあげたエリンギ、まだ持っててくれたのか……」

周子「さっきあげた? てことは、ホントにグルなの!?」

小梅「えっと、今回の騒ぎ……わ、私たちのお願いのせいで……」

奏「どういうことか、説明してもらえる?」

輝子「わ、私たちは……ただ、いろんな子と楽しみたかっただけで……その……」

周子「なんかよくわからんなー」

美嘉「楽しみたかっただけでも、こんなにメチャクチャされたんじゃしょうがないよ!」

幸子「やりすぎたのは本当に予想外なんです! というか、この事態そのものが予想外なんですよ!」

周子「って言われてもなー」

奏「はぁ……やりすぎた自覚はあるのね。でも……」

スチャッ

奏「謝罪は全部終わってから聴くわ」

小梅「ま、待って!」

ぬいぐるみ「ケケーッ!」

ダッ!

美嘉「えっ!? キャアッ!」ドカッ!

周子「ぶっ!!」バコッ!

奏「くっ!?」ガッ!



ぬいぐるみ「ケッケッケー!!」

美嘉「このっ! あ、あれ!?」

周子「ご、ゴーストバスターズのアレ、盗られた!!」

奏「ま、まずいわ!」

ぬいぐるみ「ケーッ!」

グッシャア!!

幸子「こ、壊されました!」

小梅「す、すごい、いっぱい出てきた……!」

輝子「だ、大丈夫なのか……!?」

小梅「えっと……『よくも閉じ込めてくれたな』『やってくれたな』『お返ししてやる』って」

幸子「お、怒ってるんですか!?」

美嘉「な、何よ! あなたたちだってさん、ざ……ん」ドサッ

輝子「な、なんだ……!?」

奏「な、なんだか……眠く……」ドサッ

周子「うーん……」ドサッ

小梅「『邪魔な三人には寝てもらう』『ここからが本番だ』『オレたちの本気見せてやる』って」

幸子「ほ、本気ってなんですか!?」


輝子「さ、さささ、幸子ちゃん……!」

小梅「あ、あれ……!」

幸子「あれって……あっちのほうには大きいサンタのバルーン、しか……」

ぬいぐるみ「ケケッ! ケケッ!」ズボッ

幸子「は、入り込んだ!?」

ズッ……

ズズズッ……

輝子「う、うそだろ……!?」

小梅「さ、30mはあるサンタが……!」




サンタ「グオオオオーーーッ!!」


幸子「う、動いてる!?」

サンタ「グオオオオーーー!!」

ズシーン ズシーン

輝子「あ、ありえるのか……? こんなこと……」

小梅「ま、マシュマロマンじゃないんだから……」

幸子「い、言ってる場合ですか!? 逃げますよ!」


輝子「待ってくれ……こ、この三人は……」

幸子「担いで……は、とても無理ですね……!」

小梅「ど、どうしたら……」

ヴーッ ヴーッ

幸子「電話!? こんなときに誰からですか!! はい! カワイイ幸子です!」

志希『もしもーし! 合流できたー?』

幸子「志希さん!?」

志希『いやー、伝言頼んどいたけど自分で電話したほうが早いって思ってさー、でも繋がらなくて』

幸子「だって三人とも今寝てるんですよ!?」

輝子「説明雑だな……」

志希『えっ、なんで!?』

幸子「オバケ退治してるの止めようとしたらぬいぐるみがゴーストバスターズのアレ壊して眠らされて怒らせちゃって巨大サンタが動き出したからです!!」

小梅「説明雑だね……」

志希『ええ!?』

輝子「そりゃ驚くよな……」

志希『わかった! じゃあ秘密兵器だす!』

幸子「わかったんですか!?」

輝子「志希さんの理解力、ものすごいな……」

小梅「ひ、秘密兵器……?」


志希『ツリーから離れてて!』

幸子「えっ!? 何する気ですか! ちょっと!」プー、プー……

幸子「切られました……」

小梅「と、とりあえず、離れよう……」

輝子「この三人担ぐのは無理だな……」

幸子「あそこの物陰に避難させるくらいならなんとかなりそうですよ」

輝子「よ、よし……」


・・・・・・・

志希「にゃははー! アレを使う時が来たよ! フレデリカくん!」

フレデリカ「了解です博士!! パイロットの手配は済んでおります!」

志希「乗組員、応答せよ!」

「いつでも!!!!!いけます!!!!!!」

「これバラエティでちょいだしするヤツって聞いてたんやけど」

「世界平和のためなら特大の着ぐるみも着こなしたるばい!」

「サイキックエネルギー、万全です!」

「わからないわ」

フレデリカ「全員います!」

志希「よーし! ハッチオープン!」

フレデリカ「どのボタン?」

志希「青いの」

フレデリカ「これ?」

志希「それそれ。押して」

フレデリカ「おっけー」

志希「ハッチオープン!」

フレデリカ「あいあいさー!」ポチッ


・・・・・・

ゴゴゴゴゴゴゴ

幸子「な、なんですかこの地響き!」

輝子「つ、ツリーがうごいて……」

小梅「し、下から何か出てくる……!?」


志希「にゃーーーっはっはっは! 監修、一之瀬志希! 協力、池袋晶葉! お手伝いフレちゃん!」

フレデリカ「おやつ運んでた!」

志希「クリスマスにちょっと驚かせるつもりだったけど、もっとびっくりな登場!」

フレデリカ「その名を!」

幸子「その名を?」

輝子「その名を?」

小梅「その名を?」



「「「「「 サ マ カ ニ ロ ボ !」」」」」

ドーーーーン!!!!





幸子「カニだーーーー!!?」

輝子(シイタケくんへ。お元気ですか。今日はものすごくでかいカニのロボットが出てきました。理解が追いつきません)

小梅「ええ……?」

・・・・・・
サマカニロボ 内部 コックピット

瑞樹「ねえ、これどうやって動かすの?」

鈴帆「十字キーで移動、Aでジャンプ、Bでそれぞれの特殊技らしいばい」

笑美「ファミコンか!」

裕子「シンプルでいいですね!」

茜「さあ! いきますよ!!! ボンバーーー!!!!!」

・・・・・・・


サマカニロボ「ボンバーーー!!!」

幸子「喋った!?」

輝子「あ、茜ちゃんの声……?」

ヴーッヴーッ

小梅「あ、電話だ……もしもし」

志希『説明しよう! サマカニロボとは!』

小梅「志希さん……」

志希『絶賛発売中のTHE IDOLM@STER CINDERELLA GIRLS
STARLIGHT MASTER 07サマカニ!! をモチーフにしたカニロボットである!』

幸子「まあ見たまんまですね」

志希『サマプリの五人が操縦していて、一人一人に特殊技がついているのだ!』


輝子「特殊技?」

志希『そう! 日野茜の技は!』

サマカニロボ「ボンバーーーッ!!!! トライッッッ!!!!」

サンタ「グオオオオッ!!?」

志希『強烈な突進!』

幸子「すごい! 押し倒しましたよ!」

輝子「おお……!」


茜「どうですか!!!」

笑美「すごいわー!! よっしゃ! 次はウチの番や!」

サマカニロボ「イクデーーー!!」シャキーン

幸子「今度は笑美さんですね!」

小梅「ハサミがハリセンになった……?」

志希『難波笑美の特殊技!』

笑美「っせーーーの!!!」


サマカニロボ「ナンデヤネーーーン!!」

バシィィィーーーンッ

サンタ「グオーーッ!」

志希『ハリセン攻撃!』


幸子「おおっ!」

サマカニロボ「ナンデヤネーン!ナンデヤネーン!」

バシーンッ!バシーンッ!

輝子(でっかいカニがハリセンででっかいサンタしばいてる……)


サンタ「グググ……グオーーーッ!!!」

サマカニロボ「ナンデヤッ……!?」

ドガァッ!

幸子「あっ! 弾き飛ばされました!」

小梅「だ、大丈夫かな……」

輝子「が、がんばれー……」


笑美「あたたー! 油断したわー!」

鈴帆「怪我はなか!?」

裕子「大丈夫です!」

茜「あっ! 来ますよ!!」

瑞樹「任せて!」


サマカニロボ「ワカルワ!」

幸子「わかりやすいですね」



志希『川島さんの技! それはバリアー!』

瑞樹「ミズキ・シールド!!」

サマカニロボ「アンチエイジング・フィルター!」



笑美「技名バラバラやないかい!」

サンタ「グオオッ! グググ……」

幸子「でも防御できましたよ!!」

輝子「結構強いなサマカニロボ……」

小梅「……」

志希『チャンス! 大技で決めちゃって!』


鈴帆「よっしゃ! 任せんしゃい!」


サマカニロボ「ギャアアアアッス!!」



幸子「ハリセンじゃないほうのハサミがドラゴンに!!」

輝子(幸子ちゃん楽しそう……こういうの好きなのかな……)


鈴帆「食らえ! 今必殺の! スズホ・ドラゴン・ブレス!」


サマカニロボ「ギャアアアッス!」

キュインキュインキュイン……

サンタ「グググッ……!」

幸子「決まる!」


輝子「おお……! あ、あれ? 小梅ちゃん?」

幸子「へっ?」









小梅「やっ……」


小梅「やめてーーーーーーーっ!!!!」


鈴帆「な、なんね!?」

瑞樹「小梅ちゃん!?」



サンタ「グオッ!!!」



裕子「あっ、逃げられました!」

茜「そ、それより!!! あぶないですよ!!!!」


輝子「こ、小梅ちゃん! あ、あぶないから、下がって……!」

小梅「だ、だめ……わ、私が止めなきゃ……!」

輝子「な、なんで……!?」



笑美「な、なんで止めに入ったんや!」

茜「やっつけないとダメなんじゃなかったんですか!?!?!?」



小梅「えっとね……そ、その子たちが集まったのは……わ、私がきっかけなの」

小梅「色々、やりすぎちゃったけど……ほ、本当は、一緒にクリスマスを楽しく過ごしたかっただけ……」

小梅「だ、だから……えっと……やりすぎちゃって、ごめんなさい……!」

輝子「わ、私からも、ごめんなさい……」

幸子「ごめんなさい!」

小梅「ふ、二人とも……!」

幸子「いっしょに謝るって言ったじゃないですか!」

輝子「と、トモダチだからな……」

幸子「だから! 虫がいいとは思いますが!」

輝子「どうか、許してくれないか……!?」


「「「お願いします!!」」」


サンタ「……」

ギュムギュム……

すぽんっ

ぬいぐるみ「ケケッ……」

小梅「ぬいぐるみさん……?」

ぬいぐるみ「ケケー」

ぺこり


瑞樹「ふう……ここまでお願いされて……」

笑美「『許さん!』なんてどついたらウチらが悪者やんか」

茜「悪い事したらごめんなさい!!!! それでおしまいです!!!!!」

裕子「もう、やめましょうか」

瑞樹「ええ!」


小梅「ぁ……ありがとう……!」

幸子「これで一件落着ですね!」

周子「これは、あたしたちもごめんなさいしなきゃねー」

輝子「しゅ、周子さん……!? ね、寝てたんじゃ……!」

美嘉「あんなにドタバタされたら嫌でも起きるよ」

奏「それより……ろくに話も聞かないで退治だー、っていじめてたのは私たちよ。謝るのはこっちだわ、ごめんなさい」

美嘉「ごめんね?」

周子「三人にも疑いかけちゃったね。ごめんね」

輝子「フヒ……」

幸子「カワイイボクが!全部許してあげますよ!」

小梅「えへへ……!」

ぬいぐるみ「ケケッ」





鈴帆「なー、大団円ムードの中、大団円ムードん中、ほんなごと悪かんばってん……」

サマカニロボ「ギャアアアアッス!」

キュインキュインキュイン

鈴帆「これどげんやっち止めると?」

笑美「えっ!? 今までずっとチャージしとったん!? 長っ!!」

瑞樹「というか止め方ないの!? し、志希ちゃん!」

フレデリカ『あー、もしもし? 今志希ちゃんお花摘みに行っちゃってて』

茜「今ですか!!!!!」


幸子「えっ、あれ止まらないんですか?」

輝子「ま、まずいな……」

美嘉「もう! 何やってんの!」

周子「あかん、めっちゃ光ってる。ドカーンってなるんじゃない?」

フレデリカ『大丈夫だよー! マニュアル借りといたから! えーっとね、困ったときは……』


サマカニロボ「アト十秒」

鈴帆「余裕なっ!?」


笑美「でも兵器としちゃ欠陥品もええとこやで!?」

瑞樹「で、電源切るとかできないの!?」

茜「無いです!!!!」

笑美「元気ええな!!!」

茜「それが取り柄ですから!!!

笑美「ホンマ元気ええな!?」

フレデリカ『あったー! 困ったときは……ユッコちゃん! B押して!』

裕子「はっ! 困ったときこそ頼れる美少女サイキッカーユッコの出番ですか!」

瑞樹「頼むわ!」

裕子「いきます! えいっ!」



ポチッ

サマカニロボ「ムムムーン!!」




シーン……

フレデリカ『堀裕子の特殊技、スプーンっぽいものが大体曲がる、だって』

笑美「いらんわそんなの!!!!!!」


茜「ま、待ってください!!! サマカニの腕が!」

瑞樹「あっ! ちょっと曲がって上向いてる!」

笑美「スプーンの定義ガバガバやん!!!」

鈴帆「もう十秒経つ!」

サマカニロボ「ギャアアアッス!!!」


カッ!  


ヒューーーーーー…… ドッパーーーーーン


輝子「……た、たーまやー……」


幸子(その日、今までで一番ドタバタしたクリスマスは、特大の花火で締めくくられました)

幸子(そして、あちこちに浮いてたサンタ帽やおもちゃはいつの間にか地面に落ちていました)

幸子(巨大なサンタはもう動きません。イタズラ好きのぬいぐるみもどこかへ行ってしまいました)

幸子(クリスマスパーティ前のオバケ騒ぎ……人によっては悪夢かもしれませんが、ボクたちにとってはなんだかんだ楽しい一日でした)



女子寮

瑞樹「みんな、グラスは行きわたったわね?」

拓海「おう!」

奏「待って、まだ食器を出してなかったわ」

輝子「スプーンとフォーク……全部曲がってた……」

裕子「えっ」

笑美「箸ならあるでー」

涼「いやー、すごい一日だったな」

周子「ほんとにねー」

里奈「蜘蛛出たときはマジ終わったと思ったね!」

美嘉「もう勘弁してほしいよ……」

夏樹「ま、たまにはいいだろ。たまには」

鈴帆「いやー、サマカニロボの活躍! 我ながらしゅごかった!」

茜「終わりよければすべてよし!! です!!」

幸子「フフーン! どんなことがあろうと、カワイイボクがいれば素敵な時間は保証しますよ!」

志希「わー! さすがだー!」

フレデリカ「カワイイー!」

幸子「フフーン!」

亜季「それじゃ、乾杯しましょう!」


小梅「みんな一緒に……せーのっ」






メリークリスマス!!












ぬいぐるみ「ケケッ!」

おしまい


クリスマスなのでこうなりました。ボッチでも変な子でも、楽しく過ごしてください。

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