姉「ずっと一緒よ、弟ちゃん?」(22)

弟「急にどうしたの、姉さん?」

姉「ふふ、何となく言ってみたくなったの」

姉「弟ちゃんは、ずっとお姉ちゃんと一緒にいてくれる?」

弟「んー、どうだろう」

弟「僕だってこれから結婚するかもしれないし」

弟「姉さんだってするかもしれないでしょ?」

姉「あら、私は弟ちゃん以外と結婚する気はないわよ?」ニコ

弟「それは無理でしょ…」

姉「そうね、結婚は無理かもしれない」スッ

姉「けど、弟ちゃんを愛する事はできるわ」ピト

弟「っ…」ピク

姉「弟ちゃんの頬っぺた柔らかーい」クス

弟「それじゃ、いつまでたっても幸せになれないよ」

姉「あら、どうして?」

弟「だって僕が結婚して、そんな僕を愛したって悲しいだけでしょ」

姉「そうね…その愛し方は寂しいわ」

弟「姉さんの愛は、姉としての愛だよね?」

姉「……どうかしらね」クス

弟「僕、ちょっと出かけてくるね」

姉「こんな時間にお散歩?」

弟「うん、夜は空気が冷たくて好きなんだ」

姉「そう、私も一緒に───」

弟「一人で行かせてほしいな」

姉「───そう」

姉「行ってらっしゃい、弟ちゃん」ニコ

弟「行ってきます、姉さん」

ガチャン

姉「……………ふぅ」

姉「まったく、私も意気地無しね」

姉(いっそのこと強引に………)

弟『やめてぇ…ぐす…!!』

ズキ

姉(いつも考えてしまう、弟ちゃんに拒絶された時のこと)

姉「拒絶されるに決まってるわね」クス

姉「でも、それでも───」

弟「はぁ、やっぱり冷えるな」スタスタ

弟「姉さん、悲しそうな顔してたな…」

弟「でも、僕達は姉弟なんだし」

弟「姉さんだって本気じゃ……」

ズキ

弟(……そんなわけない)

弟(いつも姉さんは真剣で)

弟(僕に想いを告げてきた)

弟「逃げてばっかだよな」

───
──

?「……き…て…」

弟「…………ん……」

?「……起き…て、弟ちゃん」

弟「んん……姉…さん?」ウト

姉「おはよう、弟ちゃん」ニコ

弟「おはよ…う…ふぁぁ」

姉「あら、可愛い欠伸」クス

弟「んんっ……」ウト

姉「昨日は長くお散歩してたみたいだけど、その疲れでぐっすり眠れたみたいね」

弟「お散歩……?」

姉「もう、まだ寝惚けてるの?」クス

姉「ほら、もう朝なんだからしっかりしなさい」ギュッ

ムニュ

弟「んむっ…?!」

弟(わっ、柔らかい…何これ?)

姉「ほんとに弟ちゃんは、朝に弱いわね」ナデ

弟「ふにふに」スッ

姉「えっ?」

ムニュ

姉「あ、ん…っ!弟ちゃん?」ピク

弟「柔らかい」ムニュ

姉「あらら、お手てで何触ってるの」

弟「えっ…これは……ん?」パチ

弟「わわわっ?!」バッ

姉「あら、やっとお目覚め?」クス

弟「ね、姉さん…?!どうして」

姉「いつも通り起こしに来ただけよ」

弟「あ、あの…今のは…」

姉「早く着替えて下に降りて来なさい」ニコ

弟「……あっ!」

ガチャン

姉「っっ……」ドキ

姉(心臓、破裂しそうなほど高鳴ってる)

姉「あれは反則よ、弟ちゃん」

姉「………………ふぅ」スタスタ

───
──

姉「今日はデートしましょう」

弟「げほっ、ごほっ?!」

姉「あらら、大丈夫?はい、お水」スッ

弟「あ、ありがと……んくっ」ゴク

弟「ふぅ…それでデートって?」

姉「弟ちゃん、今日は時間あるでしょ?」

姉「だから、朝食の後にお姉ちゃんとデートしましょ」ニコ

弟「いや、確かに時間はあるけど」

弟「デートって、買い物ってこと?」

姉「ウィンドウショッピングだし、まぁ買い物みたいなものね」

弟「じゃあ、そう言ってよ…デートだなんて」

姉「あら、こういうのは雰囲気が大切なのよ」クス

姉「それに、私は弟ちゃんとデートだと思ってるから」

弟「っ……と、とにかく、買い物には付き合うよ」

姉「そう、ありがとう弟ちゃん」ニコ

───
──

弟「それで何を買うの?」

姉「ウィンドウショッピングですもの、特に決めてないわ」

弟「そう…」チラッ

姉「ん、どうしたの弟ちゃん?」

弟「あっ…いや…別に」

姉「お姉ちゃんのおっぱい気になっちゃう?」

弟「き、気にしてないよ!」

姉「ふぅん、でもさっきから弟ちゃん私のおっぱいばかり見てるわよ?」

弟「そ、それは…」

姉「ふふ」ギュッ

弟「姉さん?」

ムニュ

姉「デートなんだもの、腕を組むくらい…いいでしょ?」

弟「デートじゃないでしょ!」

姉「もう、そういうこと言わないの」

姉「ほら、あのお店入ってみましょう」グイ

弟「あっ、ちょっと!」タッ

ほう

いいぞ

カランカラン

弟(アクセサリーショップか)

姉「見て弟ちゃん、綺麗ね」

弟「そうだね」

姉「弟ちゃんはあんまりアクセサリー興味ない?」

弟「普段つけないしね」

姉「ふふ、ならお姉ちゃんが何か選んであげようか?」

弟「いいよ、つける機会なんてないし」

姉「休日とか遊びに行く時につければいいのに」クス

弟「似合わないから、いいって」

姉「そうかなー、この髪飾りなんて似合いそうだけど」

弟「それ、女物だよね…僕、男だから!」

姉「あら、そうだったかしら?」

弟「はぁ、むしろ姉さんの方が似合うと思うよ」

姉「ほんと?えっと…」スッ

姉「どう、似合う?」

弟「……うん、似合ってる」

姉「もう、ちゃんと見て言って」

弟「ほ、ほんとに似合ってるって!」

姉「可愛い?」ススッ

弟「えっ?」

姉「お姉ちゃん、可愛い?」ニコ

弟「うぅ……」

わっふるわっふる

姉「ちゃんと言ってほしいなぁ」ニコ

弟「か、可愛いよ…」

姉「誰が?」

弟「……お姉ちゃん」

姉「ふふ、弟ちゃんありがと!」ギュッ

弟「ちょっ?!」

姉「すっごく嬉しい」スリ

弟「わかったから、離れて!」ドキ

姉「弟ちゃん照れてるの?」

弟「は、恥ずかしいんだよ」

姉「昔は良くハグしてたじゃない」

弟「子供の頃でしょ!」

姉「恥ずかしがり屋な弟ちゃんも、可愛い」ニコ

弟「…………」

お姉ちゃん、かわいいなぁ。

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