【恐るべき子供達編】モバP「人助けしてたら大変なことになった」 (164)

*キャラ崩壊注意
 前作
 【人助け編】モバP「人助けしてたら大変なことになった」
 【人助け編】モバP「人助けしてたら大変なことになった」 - SSまとめ速報
(https://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1472135237/)
 とは別作品となっています。

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1482069737

-車-

P「凛!今日のステージ、すごくよかったぞ!」

凛「そう?別にいつも通りだけど」

P「いやいや、キラキラしてたじゃないか。先方も喜んでいたし…あ、何か良いことでもあったのか?」

凛「別に……これくらい普通だよ」

P「そ、そうか」

凛「……」

P(あれだけのステージをやったにもかかわらず、顔色変えずに助手席から外を眺める凛…)

P(本当、頼もしいやつだ…)

凛「ねぇ、そういえば、プロデューサーってさ、今日はこれで上がりでしょ?」

P「ん?ああ、まぁそのつもりだけど」

凛「ならさ、この後、行きたいところあるんだけど、良いかな?」

P「おお、良いぞ」

P(珍しいな、奈緒や加蓮ならともかく、凛がそんなことを言うなんて)

P(なんだかんだ言っても、凛もまだまだ遊びたいざかりなのかもな)

凛(ふぅ…)



凛(長かった、ここまで!)



凛(奈緒や加蓮も居ない、そして、プロデューサーにはこの後予定がない…)

凛(完璧…!この上ないほど完璧……!)

凛(ふふ、今日を機に私とプロデューサーは急接近、そして)

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奈緒「なぁ、凛。最近、プロデューサーとなんかあったか?」

加蓮「うん、やたら目を合わせて意味深なウィンクをしてるし」

凛「あれ、言ってなかったっけ?実は私たち…」

P「ロミオと、ジュリエットなんだ…」っす

奈緒「なっ!プロデューサーが凛の顎に手を!」

加蓮「ていうか、どこから現れて!?」

凛「ロミオ…」

P「ジュリエット…」

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凛(ふ~ん、まぁ、悪くないかな?)

P「……凛?おーい、渋谷凛さん?」

凛「は!ああ、何?ロミオ?」

P(ロミオ?)「いや、何って、これからどこへ行くんだって、さっきから聞いてたんだけど…」

凛「とりあえず、教会なんてどうかな?」

P「え?きょう…?」テロリンテロリン

P「っと、すまん電話だ、後ろ席に置いたジャケットに入ってるんだが…」テロテンテロテン

凛「ちひろさんかな?私が出るよ……!!?」

P「ああ、ありがとう。知らない人なら、ほっといてくれれば良いからな」

凛(奈緒や加蓮だったら知らない人からということにしておこう)ゴソゴソ



凛(ん…母……!?プロデューサーのお義母さん!?)

P「誰だった?」

凛「プロデューサーのお義母さんから、だったよ」

P「ああ、お袋か、つっても、今手が離せないしな…ちょっと耳に当ててくれないか」

凛「うん」ッピ

P「もしもし、ああ、Pだよ。え?オレオレ詐欺じゃないかって?そっちから掛けてきたのに詐欺も何も」

凛(挨拶、した方が良いかな。何て言おう。不束者ですが?とか……)ケイタイアテツツ

P母『ははは、まぁ、冗談はそのくらいにして、あんたんちで、子供を預かることになったから』

P「……へ?」

P母『いや~、ちょっとその子、色々あってね?まぁ、Pは一人暮らしのくせに無駄に広い家に住んでるし、良いかなーって』

P「いやいやいや、え!?」

P母『大丈夫大丈夫、行儀良い子よ~?それに、鍵ももう渡してあるし』

P『鍵…!?って、そんなことならお袋が」

P母『うわー!トンネルでデンパがー(棒)プチツーツー』

P「あ、ちょ……」

凛「?……どうかしたの」

P「…き、切れた」

P(相変わらずむちゃくちゃな人だ……)

P「携帯ありがとな、凛」

凛「良いよ、それより、さっきはかなり動揺してるようだったけど?鍵…とか言ってたし」

P「ああ、うん……凛、申し訳ないんだけど、俺、この後すぐに家に帰らなくちゃいけなくなって…」

凛「……え?」

P「すまん!この埋め合わせは必ず!」

凛「……」

P「えっと、凛?」

凛「…しょうがない…ね」

凛「そのかわり、今度のオフ、どっか連れてってよ、遊園地、とかさ」

P「凛…ああ、必ず!」

凛(…お義母さんが会いに来た、とかでしょ多分。ま、しょうがないか。それに、次は遊園地デート…ふふ)

-とあるマンション-

P「なんてこった、こんなことになるなんて」カンカンカン

P(知り合いの子供を預かることになったから、あんたんところで~って、そりゃ、いくらなんでも!?)ハァハァ

P(!あ、空いてる、ってことは)ガチャ

P(あれ、くら…)

?「……」

P「ほわ!!?」ビクッ

P「って、ん?……」パチッ

少女「…ぁ…」

P「え!?」

P「女の…子?」

-部屋-

P「き、汚いところで申し訳ない」パチ

少女「……いえ」

P(本当、汚いよなぁ…雑誌は散らかってるし、弁当のトレーなんかも置きっぱなし……人をお招きできる状態じゃないぞ…)

少女「…」キョロキョロ

P(腰まで伸びた黒くて長い髪に、それを結った青い大きなリボン)

P(…絵に描いたような美少女だなぁ………)ジョボジョボ

P「………はい、どうぞ」ッス

少女「……いただきます」

P(……灯もつけずにずっと玄関で待ってたのか…身体が冷えてなきゃ良いけど…)

少女「っ」

P「ああ、熱いから、気を付けてくれ」

少女「……」フー

P(確かに行儀が良いし、育ちが良さそうだけど、そんな子がなんで家なんかに…)

少女「……」チョビチョビ

P「………」

少女「……」

P(対面に座ったのは良いものの…)

少女「」メソラシ

P(かなり、警戒されてるなぁ……まぁ無理もないけど……)

P「……えーっと、俺はP。君は……?」

ありす「橘…橘ありすです。」

P「そうか、ありすちゃんか「橘……」?」

ありす「できれば、ありすではなく、橘と……。」

P「ん?そうか。じゃあ、橘ちゃん、で良いかな」

ありす「…はい」

P「うん、じゃあ、これからいくつか質問したいんだけど、わからないことは、わからないって言ってくれればいい。正直に、答えてほしい」

ありす「…」コクン

P「ここへはどうやって来たんだ?」

ありす「兵庫から、電車できました」

P「一人で来たのか?」

ありす「」コクン

P「それは、俺のお袋、いや、母さんに言われて?」

ありす「」フルフル

ありす「私のお母さんに、言われてきました」

P「お母さんに?」

ありす「はい、私のお母さんもお父さんも、お仕事が上手くいっていて、とても忙しいんです」

ありす「今度、海外でのお仕事もきまり、私は、その間一人になってしまうので」

ありす「お母さんの友達の家と言われて、ここに来ました」

P「……」

ありす「ご迷惑であれば、帰ります」

P「え、いや、別に、迷惑ではないけど……」

P「本当はこんなところに居たくないんじゃないか?その、ほら、汚いし、臭い、かもだし」

ありす「確かに、そうですね……でも、私は、お母さんやお父さんの邪魔をしたくないので」

P「邪魔?」

ありす「はい、二人とも私のために頑張って働いてくれているんです」

ありす「せっかく、海外で働けるような、大きなお仕事を掴んだお母さんたちを、私という足枷のせいでつぶしたくないです」


P(しっかりしてるとは、思っていたけど、まさかここまでとは……)

P(俺が子供のころなら絶対そんなことまで考えてなかったぞ)

P(……でも、邪魔に、足枷か……)

ありす「……」

P「…わかった、じゃあ、暫くここに住んでみて、それで、帰りたくなったら俺から君のお母さんたちに連絡する、っていうのはどうかな?」

ありす「…え?」

P「居たいだけ、ここに居てくれて良い、でも、帰りたくなったら、帰ればいい」

P「今日は、遠いところからお疲れ様、橘ちゃん」

ありす「ぁ…はい。お世話になります」

P(まぁ、暫く預かるぐらいなら、良いか。それに、俺もほとんど構えないだろうから、そのうちに、この子も寂しくなって考えも変わるだろうしな……)

P「着替えとか、持ってきた?歯ブラシとか」

ありす「はい、ちゃんとあります。歯磨き粉も持ってきました、これが、調べ物をするタブレットで…」

P(そういって、自分の後ろに置いていた大きなリュックから、これが証拠だと言わんばかりに、イチゴ味の歯磨き粉やストラップのついたタブレットなどを取り出し始める橘ちゃん)

P(その姿は、先ほどまでの「行儀の良さ」はなかったが、年相応で可愛く思えた)

>P「本当はこんなところに居たくないんじゃないか?その、ほら、汚いし、臭い、かもだし」
>ありす「確かに、そうですね……でも、私は、お母さんやお父さんの邪魔をしたくないので」
年頃の女の子に汚い臭いと言われても動じない鋼メンタル

-部屋(夜)-

P「それで、学校とかは」

P母『1週間後。まぁ、たまたま休みと重なっちゃったのもあるけどね~』

P「はぁ……ご両親は本当にこれで良いと?」

P母『…まぁ良いんじゃない?』

P「いや、お袋の話を聞いてるんじゃ」

P母『大丈夫大丈夫、あんたなら大丈夫』

P「その根拠のない自信はどこから…」

P母『ああ!出た!ちょっとカメラ!速く回して!北!15度!』

P「あ、ちょ…」

P「切れたか……相変わらずあの人はどこで何をやってるんだ……」

P「……」

ありす「すぅ……すぅ……」

P(……疲れて座布団の上で丸まって眠る小さな少女)

P(彼女にとって、見知らぬ地で、安心して眠れるスぺ―スは、あのずっと座っていた座布団の上しかないのかもしれない……)

P「とりあえず、今まで使ってた寝室を彼女の部屋に……」ヒョイ

ありす「…ん……ぉかぁさ……すぅ…すぅ」

P「!……」

P(大人びて見えるけど……本当はいつも、寂しいんだろうなぁ……)

P(よし!)

-部屋(朝)-

ありす「あ」パチ

ありす「」キョロキョロ

ありす「布団……重い……」

キィ

ありす「…」キョロキョロ

P「おはよう。早起きだな。橘ちゃん」ジャー

ありす「!……普通です」

P「その辺に座って待っててくれ、今朝ごはんができるから」

ありす「……」

P「そうそう、今日は出かけるから、ご飯食べたら準備してくれよ」

ありす「……出かける?」

-車-

P「ごめんごめん、チャーハン嫌いだった?」

ありす「……朝から、重いです」

P「そ、そうか、そうだよな、はは……」

ありす「……」

P(……朝はチャーハンで失敗、家で留守番してもらおうかとも思ったけど……)

ありす「……」

P(それじゃあ、この子が可愛そうだしなぁ……)

P(にしても、助手席じゃなくてわざわざ後部座席に座るなんて、本当にいいとこのお嬢様って感じだなぁ)

ありす「あの、どこへ「あれ、もう起きてるのか」?」

ガチャ

ありす(誰か乗ってくる……?)

?「良い天気ですねー。おはようございます、プロデューサー……あら」

楓「まぁ、可愛いお嬢さん。まるで童話の中から出てきたみたい」

ありす(わぁ……綺麗な人……あれ)

P「暫く家で預かることになって……それにしても、楓さん。今日は早いですね。」

楓「そうなんですよ、ふふ、折角プロデューサーに起こしてもらえたのに、損しちゃいました」バタン

P「毎回起こすの大変なんですから、いつもこうだと助かります」ブロロロ

楓「ふふふ」

ありす(この人、どこかで……)

楓「お名前」クル

ありす「え?」

楓「何ていうんですか?」

ありす「えっと、橘ありす……です」

楓「ありすちゃ「橘」?」

ありす「橘と、呼んでください」

楓「そう?せっかく可愛らしい名前なのに……」

ありす「……」

楓「私は高垣楓。よろしくね」

ありす「!……は、はい」

ありす「え、高垣楓って……」

-臨海公園-

カメラマン「いいねぇ!もっとちょうだい!もっとちょうだい!」パシャパシャ

P(今日も良い感じだなぁ、いつもあれくらいきりっとしてくれたらなぁ)

高垣楓「」ニコ

カメラマン「わおん!いいねー!ずっきゅんってきたよ!ずっきゅんて!もっとちょうだい!もっと!」

ありす「」ポカーン

P「ああ、そうか、撮影現場なんて見るの初めてか」

ありす「…あれ、ほ、本物……」

P「ああ、彼女は、正真正銘、アイドルの高垣楓で、俺はそのプロデューサーをやってるんだ」

ありす「…プロ……デューサー……?」

P「……と、そろそろ撮影は終わるかな。次は……」

-CDショップ前-

~~♪
楓「見せかけの笑顔も作れないなんて……」



ありす「……」ポー

P「……」

P(聞き入ってるなぁ)

ありす「あ、あの……」

P「ん?」

ありす「どうして、こんなに小さなところでライブを?」

P「ああ、ここは、楓さんが初めてCDを置かせてもらえた店だからなぁ。小さなイベントでも、ライブで呼ばれたら、来るようにしてるんだ」

ありす「CDを……置く……?」

P「うん、良いスポンサーもなかったから、小さな営業からコツコツと置かせてもらって、口コミで噂が広まって…」

ありす「……」


ワーワー
楓「ありがとう!」

-中華料理店-

楓「わぁ、美味しいですね。この麻婆豆腐!ピリリと辛くて、舌がしびれちゃいそうなのに、お箸が止まらない……癖になりそう♪」

女芸人「本当ですか?ふ、ふふん、可愛いボクは、あまり辛い物は得意ではないですが、ピリリくらいなら…はふはふ、ん、んがあああ、ふぁんれふかほれ!?」

楓「あら、そちらのお皿のものは辛さ140万倍って」

女芸人「ひゃ、ひゃうよんひゅうはん!?はかじゃないれふか!?みふみふ!!」

ありす「……ふふふ」

P「…お」

ありす「……な、何ですか」

P「いや、笑うと可愛い顔するなって」

ありす「!?な、何を言ってるんですか。そ、それより、良いんですか?共演者のあの女の子。あんなに体を張って……」

P「ああ、流石に本当に辛さ140万倍なんかで出したりしないだろう。演技しているだけで、辛さは普通のものなんじゃないか?」

ありす「じゃあ、演技であそこまで……すごい方なんですね」

P「ああ、流石はプロだ……!」

ありす(これが、プロ……)

-ラジオ局(夕方)-

楓『はい、次の曲は…疲れた一日、そのまま眠りにつけるような、優しいバラードです………曲は……』

~~♪♬♫~…

P「飲む?ココアか…ブラックコーヒー」

ありす「ココ……!……コーヒーをください」

P「え、まぁ、良いけど、はい……」

ありす「……」フーフー

P「あれ、砂糖もミルクもいれないのか?」

ありす「いりません」ゴク

ありす「……」ニガァ

P(わかりやすいなぁ)

P「今日は、バタバタして疲れたかな?」

ありす「いえ、大丈夫です。それに、勉強になりました」

P「勉強?」

ありす「」コクン

ありす「……私、将来は歌や音楽をお仕事にしたいと思っていました」

ありす「アイドルには興味がありませんでしたけど、今日、少しだけ考えが変わりました。」

ありす「楓さん、何だか、かっこよくて、綺麗で、輝いてて、楽しそうで……」

P「うん」

ありす「あの……プ、プロデューサー……さん」

P(コーヒーを持ったまま、こちらに目を向けると少し恥ずかしそうに、頬を染めて、目を揺らす)

ありす「……私もアイドルになれば、あんな女性になれますか?」










P「……じゃあ、なってみる?アイドル」

2週間後

ありす「……きて………さい……」

ありす「起きてください」

P「…ぅぅ…」

ありす「しょうがないですね……Pさん」

P「………んん?」

ありす「!おはようございます……プロデューサーは大人なのにしょうがない人です」イチゴエプローン

P「ああ、おはよう。あれ、そんなエプロン持ってたっけ?」

ありす「こ、これですか?すぐそこの商店街で買いました……あの、似合ってませんか?」

P「いやいや、似合ってるぞ」

ありす「!そ、そうですか」パァ

ありす「あの、コーヒー入れたんです。飲んでみてください」パタパタ


P(なんか予想以上に懐かれた……)

P(3日で名前で呼ぶ許可が出た)

ありす「どうですか?」

P「うん、美味しいよ、ありす」

ありす「そ、そうですか、えへ」

ありす「あ、でもあんまりゆっくりできませんよ。早く準備しないと、プロデューサー」

P「あ、ああ」

ありす「寝癖、ついてますよ。全く、しょうがない人です」

ありす「あ、いいですから、そのままに座っていてください」

ありす「しゅっしゅ……動かないでくださいね、今、梳いてあげます」

P(そして、2週間で尻に敷かれはじめた……)

-事務所-

ちひろ「いやいやいや、まずいですよそんなの!?」バン!

P「え?いやでも、ありすをスカウトした時は、ちひろさんも良いんじゃないかって」カタカタ

ちひろ「アイドルをスカウトするのは、それは別に良いです。それはそれです」

ちひろ「一緒に住んでるなんて言うのが、今日、初耳なんですよぉ!」

P「あれ、言ってませんでしたっけ……」

ちひろ「おかげで、見てくださいよ!」


ありす「今日は朝、プロデューサーにコーヒーを入れてあげたら、とっても喜んでました。ふふ、単純ですよね」

凛「へ、へー、一緒に住んでるんだ、コーヒーまで?ふーん、ほー」ヒクヒク

奈緒「よ、良かったな~、ありす…」

奈緒(り、凛!相手は子供だぞ……!!)

P「凛たちとも馴染めてよかったです」

ちひろ(駄目だ……このスーパー朴念仁……はやく何とかしないと……)

楓「ありすに負けてちゃ、たちばない、なんて、ふふふ」


凛「」ッキ

奈緒(で、でた~!凛さんのにらみつける攻撃だ―!)

凛(……なんてね)

ありす「奈緒さん、これ、見てください」

奈緒「お!ありすもFGO始めたのか!」

ありす「はい。はじめは大したことのないゲームだと思っていましたが、意外とストーリーが面白いんです」

奈緒「だろ~!?なぁ、なぁ、どんなキャラあたった?オススメの編成教えてあげるよ」

ありす「はい。奈緒さんって、ゲームやアニメの話になると饒舌になるんですね」

奈緒「ぐはっ!?」

ちひろ(子供って怖い)




凛(ふ、今のうちに、せいぜいその可愛いお鼻を伸ばしておきなよ……)


凛(だって私とプロデューサー……今週末は遊園地デートだし?ふふふ)

-遊園地前-

凛「」オシャレリン


P「おまたせー」スーツーン

ありす「遊園地なんて、子供っぽいです」シロワンピー

P「いやいや、案外楽しいぞ?」

ありす「そうですか?……Pさんが言うなら……」

凛「」

きゃあああああ、うわああああああああぁぁ、助けてく……っ………!

P「は、ははは、本格的だな、ここ……」

P(っていうか、なんか、様子がおかしくないかこのお化け屋敷……)

ありす「あ、あの、本当に入るんですか?」

P「……怖いのか?だったら、やめ」

ありす「い、いえ!そんなことは言っていません。大丈夫、です……」

P(そういいつつ、ズボンの裾を握ってくるのはなんなんだ)

凛(ふふふ、ここは怖いって噂だったからね、こういう所なら一気に距離が……)

うわ……うわ……く、くるなああああああああああ!
いやああああああ!!!!
しにたくないいいいい!!!!

凛(あ、あれ……)

?「……やめた方が良いのに……」

凛「!」

ホラーな少女「ここに居る子たち……かなり……性質が悪そう……」

ホラーな少女「気を付けてね……お姉ちゃんたちも……」

ホラーな少女「とくに……出口は……ぜったいに……振り返っちゃ……ダメ……」

凛「…それってどういう……」

P「おーい、凛、どうした?」

凛「あ、うん、今ここに……あれ」

凛(居な……い……?)ゾクッ


店員「では、お気をつけて!」

ギィ…バタン!

P(く、暗いなぁ……)

ありす(ひんやりしてます……それに、不気味な雰囲気…)ギュ…

凛(と、兎に角、私もプロデューサーの手に…)ギュ

P「よし、いくぞ」

ありす「っひ」ギュウ

P「大丈夫、ただの人形だ」

凛「っ!」ギュウ

P「うわ、びっくりした……甲冑か、でも、こういうのって大概…」

甲冑「…!!!」カシャンカシャンカシャン!!

ありす「きゃああ!」ギュウウ

凛「っ!!!」ギュウウ

P「この辺りは、もう、ほとんど暗くて前が見えないぞ……でもそろそろ出口のはずだ」

ありす「……」ギュウウウウ

P(必死に腕に抱き着いてくる)ナデ

ありす「…」ギュウウウ

凛(で、出口……)


ホラーな少女『ぜったい……振り返っちゃ……ダメ……』


凛(で、でも今の私にはプロデューサーもいるし…)

凛「プロデューサー……この手、離さないでね」ギュ

P「この手?さっきから、俺はありすの手しか……」

凛「え?」



凛「……え?」

凛「…グス……ヒック」

P「だ、大丈夫、大丈夫だから。あー、確かに、怖かった、あのお化け屋敷。俺も小便ちびっちゃったし、は、ははは」

ありす「そ、そうです。私も、結構、そこそこ、ちょっぴり、怖かったです」

凛「グス……帰る」

P「え?」

凛「おうち帰る……」

P「い、いや、まだ来たばかりだろ?な?折角来たんだし…」

ありす「ほ、ほら、見てください、ここのエリアなんてどうですか?動物ゾーンで、明るくて、可愛いですよ!」

凛「…グス……ん」

P「ん?」

凛「手、握ってて、ずっと」

P「あ、ああ!」

P(本当はまずいけど、さ、流石にこの状態の凛を放っておくわけにも……)

凛「……ふふ、行こう。ありす、プロデューサー」

P「それにしても、遊園地って、やっぱりすごい賑わいだな」

凛「うん。あ、ねぇ、プロデューサー。昔こういうところでライブしたよね」

P「ああ、トライアドプリムスがそこまで売れてなかった頃だな」

凛「あの頃はさ、お客さんも全然来ないし、チームもバラバラ。正直、このままアイドルなんてできるのかなって、思ってた」

凛「でもさ、絶対になれるって言ってくれる人がいたから……」チラ

P「いや、いないぞ」

凛「!!?」

P「凛、ありすがいないぞ。」

凛「あ、そっち?私、プロデューサーしか見てなかったから……」

P「すぐに戻って探しにいこう……!凛はありすに電話を……」

凛「うん」スッス

P「俺は戻って探しに行くから…」

凛「うん、行こう」ギュ

P「いや、だから手を離して手分けして探しに……」

凛「それだとプロデューサーと手を離さなくちゃいけないでしょ??もっと冷静になって!?」ギュウ

P「あ、ああ、すまん」

P(なんで俺が怒られてるんだ…?)


凛「プロデューサー、電話はつながらない。それに、ラインも送ったけど、既読つかないみたい……」

P「ああ……俺も探しまわってるんだが……この人ごみじゃ…っく、俺がついていながら」

凛「ううん、私もありすがしっかりしてるからと思って、気にしてなかった。って、後悔するのは後。まずは……」

アナウンス『ピンポンパンポーン!お客様の呼び出しをいたします。○〇よりお越しの、P様。P様』

P「!」

アナウンス『まい……お連れの女の……女性がお呼びです。迷子センターまでおこしください』ピンポンパンポーン

凛「……相当迷子って呼ばれたくないみたいだね」

P「ああ……最後の一言で台無しだけどな……」

P(……と、兎に角無事で良かった)ヘナヘナ

-迷子センター-

ありす「あ」

P「ありす!よかった!」っぎゅう

ありす「もう、や、やめてください、大げさです」バシバシ

P「ごめんな。もう、目を離さないから」

ありす「……目、だけですか?」

P「!……いや、今日は手を繋いでてくれ、俺が、はぐれないように」

ありす「はい……仕方ないですね。これからもずっと、離さないでください」っぎゅう

凛「……良かったね、二人とも」

ありす「……凛さん」



ありす「こういう時くらい、空気を読んで手を離してください」

凛「いや」ギュ

-夜-

ドーン!パラパラ…

ありす「わぁ……」

凛「綺麗だね…」

ドーン!パラパラ…

P「……じゃあ、混む前にそろそろ帰るか」

ありす「……そう、ですね」ションボリ

凛「また、みんなで来ようよ。ね?」シャガンデ

ありす「……はい!」

-車-

ありす「……すぅ……すぅ」

凛「寝ちゃったね」

P「ああ、遊び疲れたんだろうな。遊園地なんて滅多にいかないって言ってたし」

凛「そうなんだ、こんなに小さいのに、アイドルはじめたり、プロデューサーみたいな人に預けられたリ……苦労してるね」ツンツン

ありす「……んん……」ムニムニ

P「……本当にな。最近はこっちの学校にも行き始めたし、大忙しだ」

凛「あれ、プロデューサーみたいな人にっていうの、否定しないんだ」

P「本当は両親と一緒にいるのが一番良いからな」カッチカッチ

凛「そうかな。それは、ありすが決めることでしょ」

P「まぁそうだけど……あー、凛、今日はなんかごめんな」

凛「?」

P「いや、今日は本当は凛のために時間を作るって日だったから……」

凛「プロデューサー……」

P「……ほらこれ」ッス

凛「え、これって……」

P「前テレビの取材でアクセサリー屋に行ったとき、欲しがってただろ、その青いネックレス」

P「最近頑張ってるしさ、たまにはな」

凛「本当に……?あ、ありがとう……」

バタン

凛「ただいま」

凛母「あら、おかえり。どうだっt……」タッタッタバタン

凛父「どうしたんだ?あんなに慌てて……」

凛母「あの子、今日は遊園地に遊びに行くって言ってたんだけど何かあったのかしら……」


ボスン

凛「……」キラン

凛「~~~~っっ!!」バタバタバタボスンボスン


バタバタバタボスンボスン

凛母「良かった、いつもの凛だったわ」

凛父「ああ、いつもの凛だ」

数日後……

ありす「それで、その時、私の名前でからかってきた男の子を晴は「人の大事な名前を馬鹿にして楽しいかよ!」って言って怒ってくれて……」カチャカチャ

P「おー、カッコいいなぁ晴ちゃん」モグモグ

ありす「はい、はじめはガサツな子だと思ってましたけど、その、優しいところもあります」

PIPIPI!

ありす「!あ、お母さんから電話……!」チラ

P「ああ、今の話、お母さんにもしてあげると良い」

ありす「そうします。ッピ……はい……どうしたんですか。え、えっと、そんなこと……」ソソクサ

P(友達もできて、学校も楽しそうでなによりだな)モグモグ

P(レッスンもが頑張ってるし、そろそろ簡単な仕事を……)

P「にしても」

P「仕事とレッスンが終わって、夜ご飯にコンビニ弁当」

P(時間がないとはいえ、今の食生活は子供によくないよなぁ……でも、俺は簡単な炒め物とかしか作れないし……)



P(何とかしてあげたいなぁ)

-事務所-

凛「ふっ…」キラン

奈緒「……」

加蓮「……」

凛「最近、寒くなってきたね。でも、首元が出るくらいがちょうど良いかな……」キラン

奈緒「……おい、加蓮、そろそろ触れてやれよ……凛のやつ、この前から意味もなくネックレスをキラキラと……」ヒソヒソ」

加蓮「多分、あれって、そういうことでしょ?だったら、触れたら負けかなって」ヒソヒソ

凛「ねぇ、なんか、私、変わったところないかな、この前から、首元とか首元とか、首元とか?」キランキラン

奈緒「いつも通りだぞー(棒)」

加蓮「どこか変わったー?(棒)」

P(あー、忙しい忙しい……)カタカタ

P(営業先行って、年末の挨拶とライブの打ち合わせとありすの新しい仕事に……)

楓「プロデューサー、今夜、飲みにいきませんか?」

P(相変わらず、仕事の量に対して従業員の数がおかしい)カタカタ

楓「聞いてますか?プロデューサー……むぅ」プンスカ


加蓮「変わったと言えば、奈緒、最近シャンプー変えた?」

奈緒「え!?な、なんでわかるんだ?」

加蓮「この辺のもふもふ具合が更に…」モフモフ

奈緒「お、おい!なにすんだよ」

凛「本当だ。花子といい勝負だね」モフモフ

奈緒「お、お前ら~!」



P(まぁ、幸いなのは、事務所のみんなの仲が良いことか……楓さんも大人一人だけど気にしてないし)

P「はいはい、何ですか?」

楓「……」ツーン

P(あ、あれ)

P「楓さん?」

楓「……」プイ

楓「……」プク

P(頬っぺた膨らませて怒っている……一体何歳なんだこの人……)

P「……楓さん」ツンツン

楓「プッ……プッ…」

P「へのーん」ヘンガオ

楓「ぶふぅー!……ふふふ、あはは!」

P「あ、やっと笑ってくれましたね」

楓「ふふ、もう、それで、今週末、一緒にどうですか?」

P「今週末ですか?……すみません、また今度ってことで……では、お仕事行きましょうか」

楓「え?…………」ツーン

P「あの、楓さん?お仕事行くので、準備を……」

楓「知りません」プク

P(え~……)


ありす「……子供です。普段はあんなにカッコいいのに……」

ありす(あんな子供な人に憧れてアイドルになったなんて……)

ちひろ「そうですねぇ……まぁ、でも楓さんがあんな姿を見せるのはプロデューサーさんの前だけですから」

ありす「え?」

ちひろ「ふふ、大人になると、安心して甘えられる相手って、すっごく少ないですよ?」


P「か、楓さんそろそろ行かないと……」

楓「楓じゃありません、高垣です」ツーン

P(まいったなぁ……こういう時、相手がありすだったら……)

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P『ありす、そろそろ寝ないとダメだぞ』

ありす『別に、平気です。大体夜の10時に寝る小学生なんて、今時いません』

P『なに、そうなのか?いや、そういう問題じゃなくて。寝不足は体に良くないぞ』

ありす『でも、プロデューサーはまだ寝ないんですよね?私がダメで、プロデューサーは良いという理由がありません。論破です』

P『っく、俺は『大人だからという理由は受け付けません、都合の良い言い訳なので』……』

P『しょうがないなぁ……こうなったら…』

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P「楓さん」

楓「楓じゃ……きゃ!?」

凛(!!??)

奈緒(おおお、お姫様……)

加蓮(抱っこ……って!?)

P「ほら、行きますよ」

楓「あ……はい//」カァ


ありす「!!あ、あれ……私の……」

ちひろ「私の?」

ありす「い、いえ」

ありす(……)

-車(夜)-

P「……」

ありす「……」ムス

P(やけに機嫌が悪いなぁ……)

P「ありす、今日は営業先でもちゃんと話ができて偉かったなぁ」

ありす「別に、普通に話をしただけです」

P「でも、その普通が中々できないだよ。しかも、ありすは今回初めての仕事さきだろ」

ありす「…………その、ところどころ、フォロー、してもらいましたし」

P「そりゃ、ありすにはまだわからない話もいっぱいあるからな、こちらもできる限りはフォローするさ」ナデナデ

ありす「や、辞めてください。もう……」

P(助手席に普通に座ってくれるようになったのは、なんか、距離が縮まった気がしてうれしいなぁ)

ありす「……!!ぷ、プロデューサー!と、とめて!」

P「どうした?」

ありす「い、今!人が、人が……」


ありす「海に落ちました!?」


P「な、何だって!?」

P(この季節だ、泳ぎに、ってわけではないだろう!)

P「どこから、落ちたんだ?」

ありす「あ、あの、岬の高いところで……」サァ

P「あそこで!?」

P(高さはそれなりにあるが、せいぜい3階の窓から落ちた程度。落ちても生きているであろう高さだ。自殺ってわけではなさそうだが……誰か足でも滑らせたのか!?)キキィ

バン、バン

P「このあたりか?」

ありす「あ、あそこです!ほら!!……あそこ!水しぶきが!」

P(……!!?お、おぼれてるじゃないか!?)

P「しょ、しょうがない、これ、持っててくれ」カチャカチャ

ありす「え!?わ!?プロデューサー!?」

P(さっむ!!!ええい、ままよ!)ピョン

……ザバーン!

?「あ!っう……わ!」バシャバシャ

?(か、体が上手く動かない……!)

ざぱーん!

?「っ!!!」


?(暗い……寒い……)ゴボゴボ


?(ああ……呆気ないんだな、案外)ゴポ


?(こんな、何もないところで、何も……)


?(…………手!?)ガシ


P「……!」

?「………プハ!!はぁはぁ」

P「大丈夫だ。暴れず、このシャツに掴まって!」

?「……はぁはぁ」

ありす「プロデューサー!……あ!」

P「はぁはぁ……」ザバァ

?「ケホ、ガチガチガチ……」ブルブル

ありす「あの、これ、私が使ったものですが……」タオル

P「ああ、俺は、大丈夫だ。この子に……」ポタポタ

ありす「……どうぞ」

?「ガチガチ……がとう」ブルブル

P「ありす、レッスンで使ってたジャージあるよな。彼女に……」

ありす「で、でも……」

P「ずぶぬれより100倍ましなはずだ。……ふえっくしゅん!」

?「ケホ……」フキフキ

-家-

P「うぅ、さむさむ」

ありす「な、何を考えてるんですか!こんな季節に海なんて!?もしも、プロデューサーまでおぼれたりしたら!」

P「仕方ないだろう、身体がうごいちゃったんだから……はっくしょん!」

ありす「!……全く論理的じゃないです」

?「……そ、その、良いかい?」

P「ん?」

P(ストーブの前でありすにお説教を食らっていると、そこには先ほど溺れていたオレンジ色の髪をした少女が風呂を終え、ありすの着替えを着て、控えめに姿を現す)

飛鳥「……僕はアスカ、二宮飛鳥。この通り、少し、こじらせてしまっているんだけど……いや、それは今は関係ない、君には恩が出来てしまったね。だけどまぁ、その、つまり、助けてくれて……あ、ありがとう」

P「助けられたなら、飛び込んだ甲斐があったさ。俺はP、こっちがあり…」

ありす「橘です」

飛鳥「Pとタチバナか」

P「ああ、実際君が落ちるところを見つけてくれたのもこのありすだよ」

ありす「…人前であまり名前で呼ばないでください……」ボソ

飛鳥「ふーん、そうか、じゃあ、二人には……借りが出来た。というわけだ」

P「別に大したことは……」

ありす「あの、どうして、あんなところから落ちたんですか?」

飛鳥「……タチバナ、だっけ。君は、シュレーディンガーの猫、というのは知っているかい?」

ありす「……いえ」

飛鳥「そうか。残念だ」

ありす「?あの、その言葉が何か……」

飛鳥「ふぅ……あまり十字架を背負っていくのは好きじゃないんだ……いつか、借りは返しに来るよ」スク

ありす「あの…?」

P「あれ、帰るのか?」

飛鳥「あぁ、あるべき場所へ、灰色の世界へ……」ガチャ

マックラ…

飛鳥「……」

P「外も暗いし、送ってくよ」

飛鳥「……そうだね」

しばらくして…

P「ふぅ、ただいま」

ありす「あ……お、おかえり、なさい」

P「ただいま。ありす。うぅ、やっぱり寒いなぁ今日は」ズズ

ありす「あの人……変わった人でしたね。何だか、遠回しなしゃべり方で論点がはっきりしません……」

P「そうだなぁ。まぁ、美城専務も似たようなしゃべり方するし……」

ありす「美城…って、確か、うちの事務所の……」

P「そうそう、美城専務。あの人も、よく城がどうのとか、星がどうのとか…ふ、はっくしょん!」

ありす「大丈夫ですか?あの、もしかしたら、熱が……」

P「いや、多分、大丈…はっくしょん!」

ありす「!そういえば、帰ってきてから、ろくにお風呂も入ってないのに……体が冷えてるんじゃ」

P「大丈夫だって……まぁ、風呂入ってすぐに寝ればよくなるよ」ナデ

ありす「……」

次の日

P(滅茶苦茶、のどが痛い……!!)

P(体は重いわ、寒気はするわ、頭はガンガンするわ……)

P(完璧に風邪だこれー!)

P(で、でもこの忙しい時期に休むわけにはいかない……!)

ありす「あ、おはようございます。Pさん」カチャカチャ

P(よ、よし)

P「おばよ」フラフラ

ありす「……」

P「……」マッカ

P「だ、だめだ、ありす。俺は這ってでも……」

ありす「良いから寝ててください……あ、ちひろさんですか?はい、橘です」

P「ありす、電話、代わって……」

ありす「……はい、そうなんです風邪で……。はい……はい、では。」

P「…」

ありす「……お大事にって、言ってました。今日は一日安静にしていてください」

P「……いや、でも」

ありす「……もし、Pさんが出社して、他のアイドルやちひろさんに風邪が移ったらどうするんですか?それに、悪化して、長引いたら元も子もありません」

P(っぐ、正論だ……)

ありす「いつも、お仕事は頑張っているんですから。今日くらい、お休みにしてください。私もいますから……」

P「え?でも、アリス、学校は……」ケホ

ありす「今日は、お休みすることにしました。」ガサガサ

P「別に休まなくたって……」

ありす「放っておいたら、すぐに仕事しちゃいそうですから。……あ、ありました。はい、温度計です。熱を測ってください……後、何か、飲めますか?すぐそこで買ってきますけど…」

P「…いや、でも……」ゴホ

ありす「スポーツドリンク…が良いそうですね。それなら、飲めますか?」スッス

P「え、あぁ…」

ありす「じゃあ、すぐに買ってきます。温度計にずるしちゃだめですよ」トタタ

P「あ、ありす…」バタン

P(……)

ありす「あの、食欲はありますか?」

P「……あんまり」

ありす「……ちょっと、待っていてくださいね」カサ

P(なんだ、あの袋……さっき一緒に買ってきたのか?見えたのは、インスタントのライスと……卵と…)


P(イチゴのパック…?)

ありす「あの、おかゆ、作りました。初めてで上手にできたか、わかりませんけど……」モジモジ

P「本当か。ありがとう」ゴホ

P(……まさか、こんな形でありすの初手料理を食べられるとは…)

ありす「はい、あの、どうぞ」コト

P「お…ぉ?」

P(見かけは、結構普通のおかゆだ。初めてにしては、かなり上出来だろう)

P(この、ところどころに散らばるイチゴさえなければ……)

P「わざわざ鍋で作ってくれたのか?ちゃんと火は……」

ありす「大丈夫です。それより、あの、食べてみてください」ソワソワ

P(……)

P(イチゴとおかゆ別で食べたら怒るかなぁ……パク)

P(……うーん、おかゆは水気が多くて味がしないな……イチゴは逆に、イチゴって感じだ……)パクパク

ありす「あの、どうですか?食べられませんか?」

P「そんなことないよ。美味しいよ」

ありす「…」ッホ

P(イチゴが、主張してくるな……)モグモグ

P「……ふぅ」

P(う~やっぱり頭痛いな……)ゴホ

P「ありす、色々とありがとう。でもそろそろ、この部屋から出た方が良いぞ。こっちの風邪が移っちゃうかもしれないし……」

ありす「……私がいたら、寝づらい、ですか?」

P「いや、そんなことはないけど……」

ありす「では、今日は、ずっとそばにいます」ッギュ

P「え?」

P(手…?)

ありす「私のお母さんは普段はとても忙しい人でしたが、私が風邪をひいたときには、大事なお仕事を休んで、ずっと隣で看病をしてくれました」

ありす「やってほしいことがなくなっても。すぐそばにお母さんがいてくれただけで、すごく、すごく心強かったです」

P「……」

ありす「なので、私も……今日はPさんの傍にいます。何かしてほしいことがあれば、なんでも言ってください」ニコ

P(……ありす)

P「すぅ……」

ありす「?プロデュー……」

ありす(寝てる……安心してもらえたのかな)

P「すぅ……」ギュ

ありす「……赤ちゃんみたい」ギュ

ピンポーン

ありす「……」

ぴんぽぴんぽぴんぽーん

ありす「……」

がちゃ

ありす「…なんですか」

奈緒「おー、ありす」

加蓮「プロデューサーのお見舞いに来たよー。はいこれ、ゼリーとか」ガサ

凛「……」ソワソワ

ありす「……」

奈緒(露骨に嫌そうな顔してる……)

凛「ここがプロデューサーのハウス!?」

奈緒「うわー、お、男の人の部屋、初めて入った…」

加蓮「ん~、なんか洗面台とか見るに、冷凍食品とかインスタント多め?料理してないんだ」

ありす「ちょ、ちょっと皆さん勝手にじろじろ見ないでください!」

奈緒「うわ、これ64だよ。しかもバンジョーじゃん!」

加蓮「窓とか、部屋はそこそこ片付いてるけど……本棚の上の方とかはちょっとまだ汚いかなー」

凛(深呼吸)

ありす「み、皆さん!!いい加減に…」

凛「ありす、プロデューサーは?」

ありす「え?……あ、そうだ、プロデューサー……」

P「すぅ……」

ありす(良かった、起きてない……)

奈緒「ほあ~、寝てる」

加蓮「本当だ、こんな無防備なPさん初めてみたかも」

ありす「あ、あまり大きな声は出さないでください」コソコソ

凛「写真。OK?」

ありす「ダメです!って、なんでそんな片言なんですか!?」

P「ん?」

ありす「あ」

加蓮「ごめんPさん、起こしちゃった?」

P「加蓮?」

加蓮「うん、私だよ。いつもと立場が逆だね」クス

P「加蓮……」ッス

加蓮「手?どうしたの手なんか握って?何か飲みたいとか…」ギュ

P「……加蓮……すぅ……」

加蓮「……え、えっと、プロデューサー?」

凛「……」

http://i.imgur.com/zqI2Qlo.jpg
先原直樹・ゴンベッサ

都道府県SSの痛いコピペ「で、無視...と。」の作者。

2013年、人気ss「涼宮ハルヒの微笑」の作者を詐称し、
売名を目論むも炎上。そのあまりに身勝手なナルシズムに
パー速、2chにヲチを立てられるにいたる。

以来、ヲチに逆恨みを起こし、2017年現在に至るまでヲチスレを毎日監視。
バレバレの自演に明け暮れ、それが原因で騒動の鎮火を遅らせる。

しかし、自分はヲチスレで自演などしていない、別人の仕業だ、
などと、3年以上にわたって稚拙な芝居でスレに降臨し続けてきたが、
とうとう先日ヲチに顔写真を押さえられ、言い訳ができなくなった。

2011年に女子大生を手錠で監禁する事件を起こし、
警察に逮捕されていたことが判明している。

先原直樹・ゴンベッサ まとめwiki
http://www64.atwiki.jp/ranzers/

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2017年04月28日 (金) 23:14:35   ID: a4EuASmx

うわあすげえ面白いのにいいとこで終わっとる

2 :  SS好きの774さん   2022年02月02日 (水) 10:50:30   ID: S:hMWYsM

最後の何?
まるでこのSS書いてた人がこいつだみたいな流れでビビるんだけど…

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