奈緒「よし、今週も魔法少女ハートフルままゆの時間になったぞ」 (54)

――深夜、神谷家(奈緒の部屋)

奈緒「よし、そろそろまほまゆの時間か」

奈緒「先週はミユミユの扱いがなー。ちょっと女児向けアニメであれはなかったな。スレも荒れてたし」

奈緒「まあ女児向けアニメとはいっても深夜にやってるし……アリっちゃアリなのかな」

奈緒「それにキャラ人気も、ままゆなんてもう本スレで話題にもなってないしな。やっぱりミズキとミユミユの2強か……」


奈緒「おっ、はじまったぞ……」


――
――――


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リアタイ視聴だ

『前回までのお話し』


――さいたまスーパーアリーナ前


まゆ「あなただけは生かしておきませんよおおお!!」ビューンッ!!

シュパアアアアンッ!!

魔物「ぴぎゃああああああああっ!!!!」ブシャアアアアアッ!!!!

ドガアアアアアアンッ!!!!

まゆ「えっ!? いつもは倒しても爆発しないのに何で今日は爆発するんですかぁ!?」


P「うおおおおおおっ!?」ヒュー……


ふじとも「ああっ! 魔物に捕まっていたプロデューサーが爆発の衝撃で吹っ飛んでいったわ!!」

もりくぼ「このままだとままゆが間接的に加害者になってしまうんですけど……そうなってくれると放送事故扱いで番組が終了できるんですけど」

美優「いけないっ、Pさん!」ヒューンッ!

ガシッ!!

P「おうふっ……」

ミズキ「ミユミユ!」

まゆ「Pさぁん!!」

もりくぼ「空中でナイスキャッチなんですけど」


美優「間に合った……大丈夫ですか、Pさん……?」

ムギュッ、ムニュッ

P「あっ、ああ……はい……」ポー……

美優「よかった、あなたを助けることが出来て……本当に……」ムニュッ、ムニュッ

P「う、うう……」モゾモゾ

P(プリティーミユミユ、こんなにボロボロになって服も破けているのに、こうやって抱いてくれるなんて……やらわかい……)

まゆ「……」ギロッ


まゆ『……美優さぁん?』

美優『えっ? あっ、わ、私は……』

瑞樹『まゆちゃんったら……またフォローが面倒ね』


ふじとも「とりあえず魔物も倒せてよかった……でも、このブサイクの強さは一体……」

もりくぼ「いつもの魔物より強かったんですけど、何かしらの悪意を感じるんですけど……」


……
…………




『第20話 妖精たちの故郷、魔法の国マジカルランドへ!』



――事務所

P「……」ポケー……

ガチャッ!

まゆ「お疲れ様です……あらぁ、Pさん、どうしたんですか?」

瑞樹「プロデューサー君、仕事の手が止まっているみたいだけど……」

美優「お疲れですか? 少し、お休みしたほうが……」

P「いえ……はぁ……」

瑞樹「どうしたの?」

P「昨日、さいたまスーパーアリーナで仕事してたじゃないですか」

瑞樹「ええ、いつもの場所ね」

P「そこで……また化け物がでたんですけどね、プリティーミユミユに助けてもらったんです……」

まゆ「あのPさん、その場にはPさんのことを命がけで助けようとしてくれたハートフルままゆもいたはずなんですけど」

美優「えっ、えええ……Pさん……」

P「やっぱり凄く美人な魔法少女だったな……それに、こう、抱きしめてもらったときも……はあ、また会いたいなぁ」

まゆ「……」ギロッ

美優「ひっ!?」ビクッ!

<ニャー

瑞樹「あらあらみくちゃん、ごはん食べたいの?」

<ペッ

タタタタッー!

瑞樹「あらま、ご機嫌ナナメだったかしら」

<ニャーッ!

P「ん、どうしたみく? まだ仕事中だから膝に乗っかってこないでくれよ」

まゆ「美優さぁん……?」ゴゴゴゴゴゴゴ!!!!

美優「やっ、やめてっ! このタイミングで仲間割れは後々に響いちゃうから……!」

まゆ「そんなこと、まゆには関係ありませんので……覚悟はいいですかぁ?」

瑞樹「何やってるんだか……」

まゆ「あ、そういえばPさん」トテトテ

P「ん? どうしたまゆ?」

まゆ「その……ちょっと、恥ずかしいお話しなんですけど……最近、お仕事で衣装を着ると、胸が苦しいんです……」

P「えっ!? そりゃ大変だ、具合悪いのか? 胸が苦しいってことは肺炎か?」

まゆ「えっ、あ、いえ、そうじゃなくて……その、衣装のサイズが、なんだか……見てもらえたら、嬉しいんですけど」チラッ

P「ちょっと待ってくれまゆ、その発言は場合によってはハラスメントとして扱われる可能性がある。まずは大人の女性に話してみてくれないか?」

まゆ「そんな誠実さを通り越した事務的な反応をされても、まゆも困っちゃうんですけど……」

P「そうか、すまん。普段着はどうなんだ?」

まゆ「それが私服も……」

P「まあ、まゆも成長期だからな。それじゃあ衣装は俺のほうで衣装屋さんと調整しておくよ」

まゆ「はぁい。ありがとうございます」


……
…………

――夜、女子寮(隠し部屋)

まゆ「えっ! マジカルランドに行けるようになったんですかぁ?」

ふじとも「そうなのよ!」

美優「ずいぶんと……突然のお話しですね」

もりくぼ「いえ、少し前にマジカルランドに戻るために必要なスタージュエルは集まっていたんですけど……上長に申請していた帰還申請が承認されてなくて……」

瑞樹「どうして魔法の国なのに事務手続きには一切の夢がないのかしら……」

ふじとも「そんな事務処理に夢を求められても困るわよ」

まゆ「というより、いつの間にスタージュエルが無いとマジカルランドに行けないってお話になっていたんでしたっけ」

瑞樹「確かこっちの世界にやってきた魔物がいるから、それを何とかしてからマジカルランドに行こうって話しだったような気が……」

ふじとも「まあまあ、魔法少女はそんな細かいことは気にしないものなのよ」

まゆ「明らかに魔法少女っていう言葉を都合よく使ってますねぇ」

ふじとも「気にしないの! というわけで、マジカルランドに行きましょう! 実は王様からの指示もあってね、戻ってきてほしいって言われてるの」

まゆ「マジカルランド……魔法の国!」

美優「本当に行くんですね、おとぎ話みたいな世界に……」

瑞樹「それじゃあ行きましょうか。来週にでも」

もりくぼ「ええええ……さっそく明日、とかじゃないんですか……」

瑞樹「だって私たちアイドルの仕事があるもの」

まゆ「まゆは学校もありますから、出来れば土日に行きたいんですけど……」

ふじとも「現代社会の弊害ね……それじゃあ都合のいいタイミングで行きましょうか」

……
…………

――翌週末、女子寮裏

ふじとも「それじゃあみんな、準備はいい?」

瑞樹「一応、言われたとおり手ぶらで来たけど……」

美優「何も持っていかなくていいんですか?」

もりくぼ「貴重品だけ手元にあれば大丈夫だと思うんですけど……」

まゆ「ここからどうやってマジカルランドに行くんですかぁ?」

ふじとも「大丈夫、みんなの持ってるマジカルコンパクトを出して」

美優「これですね」スッ

もりくぼ「コンパクトにスタージュエルをはめて、蓋を閉じてもらいたいんですけど……」

まゆ「これ、ちゃんとスタージュエルはめないと蓋が閉じないんですよ……痛っ! もう、スタージュエルが尖ってて痛いんですよねぇ」グッ! グイッ!

瑞樹「このコンパクト、便利な道具よね。戦いのときも何度か助けられたこともあるし」

まゆ「夜にコンパクトの鏡を使えばPさんの寝顔も見れますからねぇ……」

ふじとも「それは魔法少女としてはぜひとも控えてもらいたい行為なんだけど」

もりくぼ「不正利用は犯罪になってしまうんですけど……」

ピカッ!

まゆ「きゃっ!? コンパクトから光の柱が……!」

ふじとも「この光の中に入ればマジカルランドにいけるのよ!」

瑞樹「凄いわねぇ……ところで私、昔から気になってたんだけど……アニメとかのこういう場面って、目立つから他人に気付かれてもおかしくないと思うのよね」

美優「そういうときは都合よく誰もいませんよね」

ふじとも「あーもー、これだから大人って嫌だわ自分たちだって夢がないじゃない」


prrrr!


まゆ「あ、ちょっと待ってください。Pさんからお電話です……はい、あなたのまゆですよぉ」ピッ!

P『まゆか? 今日は休みだけど、いま何かやっていたか?」

まゆ「いえ、ちょっとお出かけしようと思っていたんですけど……何かありましたかぁ?」

P『いや、そのな……今日変な夢を見てさ。まゆが遠くに行ってしまって、そのまま事務所に帰ってこない夢でさ……』

まゆ「Pさん……どうして今日に限ってそんな露骨なフラグを立ててきちゃうんですかぁ……」

P『え?』

まゆ「あっ、な、なんでもありませんよ! まゆはPさんの傍を離れませんから……」

P『ゴメンな、変なことで電話しちゃって。それじゃ俺はこれから営業に行くから電話切るよ。また事務所でな』ピッ!

まゆ「Pさん……」

ふじとも「電話はもう大丈夫? それじゃあほら、早くいきましょう!」ピョンッ!

もりくぼ「もりくぼは自分の国に帰るんですけど」ピョンッ!

瑞樹「私たちも行きましょうか」

まゆ「そうですねぇ……えいっ!」ピョンッ!

……
…………

――マジカルランド

まゆ「わぁ……!!」

瑞樹「わーお……凄いわねぇ、周りの建物とか、全部ふじともちゃんたち用のサイズよね?」

美優「空にはたくさんの風船が上がってますね……見てください、空に機関車が走ってますよ」

ふじとも「どう? これがマジカルランドよ!」

もりくぼ「少なくとも人間の世界よりは夢があると思うんですけど……」

まゆ「すごい……すごいです! まゆが求めていたのはこういう魔法の国だったんですよぉ!」

美優「そうですね。魔法少女にはなりましたけど、色々理想と現実のギャップも多かったですし……」

ふじとも「みんなの期待に応えられたみたいで嬉しいわ……っとその前に、スピリチュアルパワー!!」ビビビビビッ!!

まゆ「ぎゃああああっ!! なんですか突然!?」

シュルルルルル……

まゆ「……あら?」

美優「私たちの体……小さくなりましたね」

瑞樹「ふじともちゃんたちと同じサイズになっちゃったわね……等身は違うけど」

もりくぼ「元の大きさのままですと、みなさん建物の中とか入れませんし、不便ですし……」

まゆ「それもそうですねぇ」

ふじとも「というわけで、これからマジカルランドの中に入るわよ! まずはこっちについてきて!」ヒューン

まゆ「はぁいっ♪ 魔法の国なんて夢みたいです!」タタタタッ!

瑞樹「みじゅきも、とーってもわくわくしちゃうんだからっ♪」タッタッタッ!

美優「そ、そうですね……」


……
…………

――マジカルランド(入国審査所)

「はい、はい……それでは担当妖精がいるのであれば、入国希望者の方の身分証等ありましたら……」

ふじとも「あ、そう? みんな、保険証とかもってる?」

瑞樹「あ、はい、持ってます」ゴソゴソ

まゆ「学生証でも大丈夫ですか?」

ふじとも「いいわよ。ちょっとコピー取ってもらうから……これでいい?」

「えー……はい、大丈夫です。それではお預かりしますので、少々お待ちください」


瑞樹「……魔法の国に来てまで保険証の提示を求められるとは思わなかったわ」

まゆ「なんだか一気に現実に戻されちゃいました……」

もりくぼ「こういうのはしっかりしないと犯罪の助長にも繋がりますし、しっかりやるべきだと思うんですけど……」

美優「まあ、そう言われると何とも言えませんけど……」


……
…………

――数時間後、マジカルランド(マジカル大通り)

ふじとも「手続きはちょっと時間掛かっちゃったけど、とりあえずここがマジカルランドよ!」

もりくぼ「お城に行く前に……少し歩きましょうか」

瑞樹「見て、もりくぼちゃんたちみたいな可愛い妖精がいっぱいいるわ!」

美優「何だか可愛らしい町並みですね……あっ、あそこのお店で売ってるものは何なんですか?」

ふじとも「あそこは木こりのわかばおねえさんのお店ね。彫刻や装飾品を売ってるのよ」

まゆ「見てください、あそこにお菓子のお家がありますよぉ!」

ふじとも「ああ、あれ? あれお菓子じゃなくてそういうデザインの家なだけだから」

まゆ「えっ」

ふじとも「だってお菓子の家に住むなんて現実的じゃないでしょ?」

まゆ「そうですけどぉ……」

美優「あそこの通りに、おもちゃみたいな車が走ってますよ。どういう魔法で動いているんでしょうか……」

ふじとも「ガソリンだけど」

瑞樹「エコカーですらないの!?」

もりくぼ「ガソリンを使ってますけど、排気ガスが完全に出ない仕掛けになっているのでとっても環境に優しいんですけど……」

美優「科学技術ですら私たちの世界と比べても見劣りしていない気がしますね……」

まゆ「最初の木こりさんのお家以外、ファンタジー要素が薄いんですけど……来たときに見た風船や空飛ぶ機関車はなんだったんでしょうか」

ふじとも「ほら、他所の世界から来たお客さんへの第一印象って大事じゃない?」

もりくぼ「い、一応、ちゃんと魔法で動かしているものとか、作っているものはありますから……」

ふじとも「まあそんな細かい話しは置いといて、散策してお城にいきましょうか。王様も待ってるし」

まゆ「はぁい……」

……
…………

――マジカルランド(カフェ)

まゆ「フルーツ盛りだくさんのパフェですよぉ!」モグモグ

「はいはいっ! ちょちょいのちょーいっと!」シャシャシャッ!

パアアアッ!!

瑞樹「凄いわ! 魔法でこんなにキレイなラテアートを描くなんて!」

美優「ようやく魔法の国らしい要素を見れた気がしますね」


……
…………

――マジカルランド(コンサートホール)

まゆ「たくさんの妖精さんが集まってますよぉ」

美優「なんのコンサートがあるんでしょうか……」

ふじとも「確か……今日はDJよしのんのライブハウス場になってるはず」

瑞樹「魔法の国でDJって……」

もりくぼ「時代は多様性が求められてるんですけど……」

ふじとも「あ、ほら! ステージによしのんがきているわよ! 曲が始まるみたい!」



よしのん「でし、でし、ででし、ででしててー♪」デュワ! デュワ! デュワ! デュワ!



まゆ「うーん……DJですねぇ」

瑞樹「ライトの設備も完璧じゃないの……!」


……
…………

――マジカルランド(マジカルランド城)

瑞樹「色々現実を突きつけられたけど、食べ物に関しては絶対にこっちの世界のほうがいいわ!」

まゆ「同感です」

美優「お昼ごはんに寄ったカフェ、とっても美味しかったですね」

もりくぼ「み、みなさん……そろそろ王様がいる広間に着くんですけど……」フワフワ

ふじとも「王様! ふじともともりくぼが戻りました!」フワフワ


「ふじともともりくぼだな。王様が待っておられる、入られよ」


ふじとも「はい! よし、みんな行くわよ。この大きい扉の向こうに王様がいるわ!」


……
…………

――マジカルランド、マジカルランド城(広間)


???「ようこそ、魔法少女のみなさん。私がマジカルランドの王です」


美優「ど、どうもはじめまして……このたびはお招き頂き……」

???「いえいえ、そんな堅苦しい挨拶は大丈夫ですから」

まゆ「この人が王様……人?」

瑞樹「えっと……失礼ですけど、王様はもしかして人間……でしょうか?」

???「んー……どうなんでしょうね。人間と言えば人間かもしれませんけど……あ、ふじともちゃん、みなさんの体を戻してあげてください」

ふじとも「はい、スピリチュアルパワー!!」ビビビビビッ!!

ピュルルルルル!!

まゆ「体の大きさが戻っちゃいました……」

瑞樹「お城だけ凄く大きいのは王様がいるからなのね」



ちひろ「そういうことです。改めまして……はじめてまして魔法少女のみなさん。私はマジカルランドの王、千川ちひろです」

まゆ「は、はじめまして」

ちひろ「みなさんのことは、ふじともちゃんともりくぼちゃんの報告書で色々と見させてもらいました。私たちのためにお力を貸していただいて……」

瑞樹「魔法少女なんて滅多なことじゃなれないから、ミズキも頑張っちゃってるわ☆」

ふじとも「ところで王様、みんなをマジカルランドに呼んだ理由は……」

ちひろ「はい。つい最近、魔物を統率する幹部たちを見つけることができたんです。ですが、いまの国の兵士たちの力ではどうすることもできず……」

美優「か、幹部……」

瑞樹「ついに中ボスクラスの敵が登場ってことね……!」

もりくぼ「ちなみに、その敵はどこにいたんですか……?」

ちひろ「この国を出た先にある火山……ハイカキン山です。奴らは山を乗っ取り、マジカルランドを本格的に攻める準備を整えていたみたいです」

ふじとも「そ、そんな!」

もりくぼ「あのハイカキン山が魔物の手に……大変なことなんですけど……」

まゆ「ちょっと待ってください、いままで聞いた話しの中でもある意味一番危険性の高そうなワードが唐突に出てきたと思うんですけど」

ちひろ「ハイカキン山は、王国を支える貴重な資源が取れる山なんです。国民全員でようやく開拓した山で……国にとって無くてはならない山なんです」

美優「国民全員で……」

瑞樹「そりゃあ山にそんな名前も付けちゃうわね」

ちひろ「幹部たちは恐ろしく強いんです。国の兵士たちも山に向かわせましたが……全員血祭りにされてしまって……」

ふじとも「だから魔法少女の力が必要ってことね」

ちひろ「はい……ですからみなさん、どうかお願いします。マジカルランドを助けてください」

まゆ「分かりました」

もりくぼ「即答なんですけど」

瑞樹「だって、私たちは元々マジカルランドを救うために魔法少女になったじゃない」

美優「そうですね……ここに来たのも、悪いやつらを倒すためでもありましたし」

まゆ「まゆたちで出来ることなら、お手伝いさせてください。魔法少女は絶対に負けませんから」

ちひろ「みなさん……ありがとうございます。こんな素晴らしい魔法少女を連れてきてくれるなんて……ふじともちゃんともりくぼちゃんにはボーナスを支給しませんと」

ふじとも「やったわ! 臨時収入よ!」

もりくぼ「これで役目を果たすことが出来たなら退職したいんですけど……」

ちひろ「魔法少女のみなさんには、これを……」スッ

まゆ「これは……?」

ちひろ「私からの贈り物です」

まゆ「銀色のカード……? 裏に、数字の5と、0が4つ並んでいますね」ピラッ

ちひろ「はい。幹部との戦いは苦しいものになると思います。どうしても必要なとき、最後の手段としてそのカードを使ってください」

まゆ「そうですかぁ……分かりました」

ちひろ「それじゃあふじともちゃんともりくぼちゃんは、魔法少女のみなさんの案内をお願いします。ハイカキン山まで、みなさんの護衛を」

ふじとも「分かりました!」

……
…………

――ハイカキン山

まゆ「ここがハイカキン山……」

瑞樹「国民たちの血と汗と涙の結晶……」

美優「その山に、魔物の幹部たちが……」

ふじとも「そう。聞いた話だと幹部はとんでもなく強いみたい。みんなも気をつけて――」



??「あれー? そこにいるのは誰かなー?」


瑞樹「誰!?」ザッ!

??「おやおや? 妖精だけじゃないなー……人間もいるみたいだけど?」

魔物「ぴにゃぴにゃ」

魔物「ぴにゃぴにゃ」

魔物「ぴにゃぴにゃ」

ゾロゾロゾロゾロ……

美優「ま、魔物がこんなにたくさん……!?」

もりくぼ「い、いきなり幹部が出てきたんですけどぉ!」

まゆ「あなたは誰なんですか!」

やっぱちっひがラスボスか…

柚「アタシ? アタシはねぇ……魔物使いの柚だよ。あの子に仕えているんだー」

美優「あの子……?」

柚「それは……おっと、それは秘密だから……そっか、あなたたちが魔法少女? よくこんなところまで来たね」

柚「アタシとしては褒めてもいいかなーって思ってるケド……ぴにゃこら太!」

魔物「ぴにゃぴにゃ!」

魔物「ぴにゃぴにゃ!」

魔物「ぴにゃぴにゃ!」

ゾロゾロゾロゾロ……

柚「ほら、さっさと配置について! 急いで動かないとこうだよ!」ビュッ!

グサァーッ!!!!

魔物「びにゃああああああ!!」ブシャーッ!!

ドサッ!

瑞樹「あ、あいつ仲間を……!」

柚「さてと……ゆっくり喋っててもつまらないよね。ここから先に進ませるわけにもいかないし……準備していいよ」

瑞樹「ずいぶんと余裕みたいね!」

ふじとも「みんな、スタージュエルよ!」ビュッ!

まゆ「いきますよぉ!!」


「「「マジカルチェーンジ!」」」


パアアアアアッ!!!!


まゆ「魔法少女、ハートフルままゆ!」

瑞樹「マジカルミズキ!」

美優「プリティーミユミユ!」

ザッ!

美優「魔法の力を希望に変えて!」

瑞樹「私たち!」

まゆ「マジカルトリオ……」


「「「マジカルガールズ!」」」



柚「名乗りを待つのはお約束ってね、行けぴにゃこら太たち!」

魔物「ぴにゃっ!」

魔物「ぴにゃああああああっ!!」

魔物「ぴにゃぴにゃ!!」

瑞樹「1人あたりノルマ1匹、いくわよ!」バッ!

まゆ「はぁい!」ビューンッ!!

美優「わかりました」タタタッ!!

瑞樹「行くわよミズキの魔法っ♪ アイスコフィン☆」パアアアッ!

魔物「ぴ?」


ビュオオオオッ!!


魔物「」カッキーン……


瑞樹「魔法少女マジカルミズキ、大勝利☆」ビシッ!



柚「え?」

美優「力強い風が悪い子たちをおしおきしますっ! ストームバインド!」ビュッ!

ビシュシュシュッ!!

魔物「ぴにゃっ!?」ギシッ!!

美優「おしおきです! エアカッター!!」パアアアアッ!!

ザシュザシュザシュッ!

魔物「びにゃあああああっ!!」ブシャーッ!!



柚「あれ?」

まゆ「まゆとPさんの赤い糸を切ろうとする悪い子は生かしてはおけませんねぇ……!」

魔物「ぴにゃ!?」

ふじとも「いや、そういう場面じゃないからここ」

パアアアアッ!!

まゆ「死んでくださぁい! クリムゾンスラッシュ!!」シュパアアアアンッ!!

魔物「ぴ――」

ズルッ……

ブシャアアアアアアアッ!!!!

ドサッ!


柚「ちょっ……」

瑞樹「さぁてと……あとはあなた1人だけみたいよ?」

美優「こ、これ以上悪いことをするのはやめてくださいっ」

まゆ「生かしてはおきませんよぉ……」


柚「うーん……思ったよりもやるみたいだね。普通のぴにゃじゃ相手にならないなんて……それじゃあ、これはどう?」スッ

パアアアアアアッ!!

もりくぼ「なんだか召喚魔法を使ってきているんですけど……」

ふじとも「みんな、気をつけて!」


ズモモモモモモモ!!

魔物「ぴにゃああああああ……!!」ドスンッ!


瑞樹「あれは……いつものブサイクと違う……」

まゆ「黒いブサイクですよぉ!」

美優「いつものブサイクとは違って凄い魔力です……」

柚「やっぱりブサイクだよねこの子たち。でも実力は折り紙つきだよ! いっちゃえ!」

魔物「ぴにゃああああ……」ズゴゴゴ……!!

ふじとも「マズイ……みんな逃げて!」

まゆ「ど、どうしてですかぁ!?」

ふじとも「このとんでもない魔力、あのブサイクから破壊光線が飛んでくるわ!!」

ガシッ!!

まゆ「今まで以上にガチなモノじゃないですかああああああ!!!!」ビューンッ!!

美優「そ、そんな魔法防ぎきれませんよ!!」ビューンッ!!

瑞樹「退避よ退避!!」ビューンッ!!

柚「逃がさないよ! やれ黒ぴにゃ!」

魔物「ぴにゃあ!」カッ!

ズドオオオオオオンッ!!!!


「「「きゃああああああっ!!」」」ドサドサドサッ!!


ふじとも「み、みんな大丈夫!?」

もりくぼ「いまのは威力150くらいありそうなんですけど……」


魔物「ぴ……ぴ……」シュウウウウ……

柚「あちゃー、ちょっと張り切りすぎた? 反動で少し動けないぁ」

まゆ「うっ、うう……」グググッ……

瑞樹「あ、アレは反則でしょ……!」

美優「みなさん……いま治療を……」

もりくぼ「これはもうダメだと思うんですけど……」

ふじとも「まだ頑張れるわ! みんな立って!」

美優「で、でも……」

瑞樹「いまの私たちの力じゃ……」ハァ、ハァ……

まゆ「どうすれば……」ハッ!


まゆ「そ、そうです……ふじともちゃん!」ビューンッ!

ふじとも「ままゆ! 突然空を飛んでどうしたの!?」

まゆ「ガチャを回してください! まゆに……まゆに新しい魔法少女の力を!!」

ふじとも「えっ、このタイミングで!?」

瑞樹「確かに……でも、あの黒いブサイクを倒すには……」

美優「凄く強い魔法少女の力が無いと……」

まゆ「10連です! 10連ガチャでお願いしまぁす!」ビューンッ!

もりくぼ「で、でもマジカルランドに行くときにスタージュエルを結構使って……それに戻ってきたときに銀行にスタージュエルを入れちゃいましたし……」

美優「そ、それじゃあ10連は出来ないんですか……?」

ふじとも「いや、まだ手はあるわ! もりくぼちゃん!」バッ!!


http://i.imgur.com/1298wZ5.png


もりくぼ「ど、どうするんですかぁ!」

ふじとも「あたしたち、こっちに来るときに王様からボーナスもらったじゃない! アレよ!」

もりくぼ「あ、あれはもりくぼの退職金代わりにする予定で……」

ふじとも「ちゃんと定年まで働いて退職金貰ったほうがいいから! ほら、10連回すわよ!」チャリンチャリンチャリン!!

もりくぼ「た、確かに……でもその分働かなきゃならない……でも死にたくないですしいいいいい」チャリンチャリンチャリンッ!!

http://i.imgur.com/m5HvlgU.png


ふじとも「ふぁっ!?」

もりくぼ「ま、またなんですか……ここでもりくぼたちは運を使い果たしちゃうんですか……」

美優「で、でもこれはチャンスですよ!」

瑞樹「ままゆ! いますごい魔法少女の力が出てくるから待ってて!」

まゆ「はぁい!」ビューン!

ふじとも「お願い、なんでもいいから強い力を出して……!!」


http://i.imgur.com/h25p9kO.png


ふじとも「でえええええええっ!?」

もりくぼ「タイミング悪すぎですしいいいいい!!」


http://i.imgur.com/MNrR3WE.png


瑞樹「えっ、ダメなの!?」

うごごごごごご……(憤死)

まゆ「どうしたんですかぁ!」ビューンッ!

ふじとも「もう持ってる魔法少女の力が出てきちゃったの! 被ってるからままゆの精神に置くことが出来ないの!!」

まゆ「そういう仕様だったんですか!?」


http://i.imgur.com/SyR9YTA.png


もりくぼ「他に入ってる履歴書も、これまで手に入れた力より強い力はなさそうですし……完全に詰んでるんですけど……」ゴソゴソ

まゆ「……いえ、まだやれます! ふじともちゃん、その力をまゆの精神に無理やり入れちゃってください!」

ふじとも「えええっ!? でも、そんなことしたらまゆちゃんが……」

まゆ「まゆなら大丈夫です、急いでくださぁい!」

ふじとも「ううう……ええい、ままよ!」スススッ

まゆ「うっ、あ、ああ……あんっ! く、苦しいです。主に胸が……物理的に……!」ビクンッ!

パアアアアアアッ!!!!

まゆ「えっ?」ピクッ

ふじとも「こ、これは……ままゆの精神にあるアイドルの力が……!」


http://i.imgur.com/dBsBLPZ.png


ふじとも「覚醒した!」

まゆ「なんだか凄い力が感じられますよぉ! 胸がいっぱいの気分です!」ビューンッ!

瑞樹「そりゃこのアイドルの力なら胸もいっぱいになるわね……」

ブツンッ! ブツンッ!

まゆ「きゃっ! む、胸のボタンが弾け飛んじゃいましたよぉ!?」ブルンッ!

もりくぼ「き、きっとさっき引いた魔法少女の力のせいだと思うんですけど……」

美優「まゆちゃんが胸が苦しいって言ってた原因はこれだったのね……」

柚「ほら、早く動いてよ黒ぴにゃ!」ペシペシッ!

魔物「ぴ……」


まゆ「そこまでですよぉ!」パアアアアアッ!!

柚「ああっ!? あの魔法少女、なんだか空にヤバそうな魔法陣出しちゃってるけど!!」

まゆ「これが……いまのまゆの全力ですよぉ!!」グググッ!!

まゆ「クリムゾンハート……バスター!!」カッ!

ズドドドドドドドドッ!!!!

魔物「ぴ――」

ドガアアアアアンッ!!!!

柚「うぎゃー!?」ヒュー……


ドサッ!!


柚「……」ピクッ、ピクッ……

まゆ「や、やりました……倒しましたよぉ……!」ハァ、ハァ、ハァ……

瑞樹「ままゆ!」タタタッ!

ふじとも「大丈夫ー!?」

まゆ「みなさん……」

美優「ままゆ、いま治療の魔法を……」

瑞樹「これが敵の幹部……さすがに、強かったわね……」

まゆ「そうですねぇ……でも、この調子なら――」


???「ほう……柚を倒したか」

???「思ったよりも、魔法少女って凄いんですねぇ……まあ、昔ほどじゃないみたいですけど?」


瑞樹「この声……」ピクッ!

美優「また敵が……」

まゆ「だ、誰ですかぁ!」



真奈美「おっと、自己紹介が先か……私は戦闘隊長、木場真奈美だ」

美波「あの方の側近、サキュバスの美波です♪」



まゆ「何だか未だかつて無いほどのガチな風貌の人たちが出てきたんですけどおおおおお!?」



つづく

……
…………

『次回予告!』


真奈美「ふん……所詮、魔法少女といえどこの程度か」

まゆ「……」


美波「張り合いがないですねぇ。もっと楽しませてくれるかと思ったんですけど」

瑞樹「……」

美優「……」


――力尽きる魔法少女たち。


蒼「情けない……あんたはそれでも、1度私を倒した魔法少女なの?」

まゆ「あなた、は……」


――これまでの戦いで得たものとは。


朋「乃々ちゃん、そっちは任せたわよ! こっちはフォーチュンパワーで持ちこたえてみせる!」

乃々「これは命を刈り取る弾丸なんですけど……! 撃ち尽くすんですけど……!」


――だが希望は捨てない。魔法少女を、みんなを信じる心を。


まゆ「そう……まゆは魔法少女……この力はみんなを守るための……そして、願いを叶えるための力!」


――魔法少女たちの新しい力が、いま目覚める!



『次回、魔法少女ハートフルままゆ第21話!』

『究極の力! クリムゾンプリンセスハートフルままゆ!』


まゆ「まゆたちは負けません! この力……魔法少女の奇跡を信じていますから!!」


『次回もお楽しみに!』


――
――――

――深夜、神谷家(奈緒の部屋)

奈緒「はー終わった終わった……」

奈緒「今回、作画がしょぼかったなー。あまり動かなかったし……まあ、安定の糞アニメだったな」カチッ、カチッ!

奈緒「ほらもう本スレが荒れてる。いつものままゆ厨が暴れてるけど相手にされてないし……」

奈緒「まあ、来週は強化フォームが来るみたいだし、少しは作画も頑張るだろうなぁ。とりあえずスレの流れは明日まとめサイトで見るか……」

奈緒「ふわぁ……寝よ……」

……
…………

おわり

なんでこのスレの話数が飛んでるのかと言うと、とある大人向けのおもちゃアニメを見たところ
1話1話を最終回のつもりで作れば何でもOKみたいなことが書かれてあったので適当にぶっこ抜いて投下しています。
ガチャのところは出たものに合わせて毎回少し直してるけど。
HTML依頼出して終了。ゆかりはこの調子だと無理か……いや、とりあえず積むか。

特訓前と後の雫を二人セットしたら大変なことになりそう
主に胸が

なんでや!ぴにゃ可愛いやろ!

ぴにゃ(笑顔です)

(おかしい・・・黒いぴにゃは肉弾戦メインのはず・・・まさか何かのサインなのでは・・・?)

ぴにゃよりもサキュバス美奈の方が気になります、公式の暴走の結果という
ラスボスはちひろぉぉぉぉだよね、正に自演乙

SSの合間に個人的な感情が割り込んでるの笑うわ

カブトボーグは最高だったな(毎週誰か死んで次回何事もなく生き返ってた)

マンソン君がいるからこのスレもあるだろ(白目)

21話までキッチリ観てる奈緒さんに笑う


あまりにもコテコテ過ぎるから、ちひろはラスボスでは無さそうだが…

ぴにゃといえば綾瀬さんだから、ノーマルボスが穂乃香でラスボスが常務とか?

まさかの2クール
この奈緒は劇場版があれは観に行きそう

ままゆの監督は間違いなくヤンキーのモトハル

クソだクソだといいながら最後まで見れる作品は名作


牛3かぶりなん…?(震え声

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