奈緒「さーて、今週も魔法少女ハートフルままゆの時間になったぞ」 (55)

――深夜、神谷家(奈緒の部屋)

奈緒「もうそろそろで始まるな……っと、その前に今日買ってきた雑誌っと……」

奈緒「久しぶりに女児向け雑誌を買ってしまった……なかよろし、ハートフルままゆの付録が欲しかったんだよな」ペラッ

奈緒「おっ、なんだ、雑誌でキャラクター人気投票なんてやってたのか。どれどれ1位は……」

奈緒「マジカルミズキかー……ままゆは7位か、低いな」


奈緒「おっ、はじまったはじまった」


――
――――

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おっ新シリーズ
期待

『前回までのお話し』


――廃工場


瑞樹「ミズキブリザード!」ビュオオオオオオッ!!!!

アイオライトブルー(以下蒼)「そんな吹雪、私の蒼炎の前では……これで最後だよ、蒼の剣!」ヒュッ!!

美優「マ、マジカルミズキ!」

瑞樹「くっ……」

ビュンッ!

まゆ「あなたは死んでくださああああいっ!!」ビュッ!!

ヒュカカッ!!!!


まゆ「え……」

パキンッ……!


ふじとも「ま、ままゆの包丁が……折れた……」

もりくぼ「このままじゃどうしようもないんですけど……もうもりくぼたちの旅はここで終わりでいいんですけど……」

美優「そ、そんな……」



蒼「……ふんっ、所詮あんたたちはその程度……これで分かったでしょ。私との実力差」

ヒュッ!

瑞樹「ま、待ちなさいっ!」

蒼「じゃあね、そこの紅いのとコスプレおばさんたち。次は……もう容赦しないから」ビューンッ!



まゆ「……」ギリッ……!!

ふじとも「ままゆ……」


……
…………



『第11話 輝子ちゃんのために、デスメタルままゆ!?』


――事務所

瑞樹「はぁ……」

ふじとも「んー……あの魔法少女、ホント厄介だね」

もりくぼ「魔力も身のこなしも、みなさんよりずっと凄いというか……もう諦めたほうがいいと思うんですけど」

美優「でも……私たちが魔物退治をしないと、スタージュエルを集めてマジカルランドにもいけないわ……」

瑞樹「そうなのよねぇ、ホント魔法少女って困難ばっかりなんだから」

もりくぼ「あ、あと……年齢的にもあの魔法少女……アイオライトブルーのほうがずっと適性があると思うんですけど……」

瑞樹「何か言ったかしら?」

もりくぼ「あ、あうううう……迂闊なことを喋らないようにもりくぼは机の下に隠れたいんですけど! 静かにしたいんですけど……」トテトテ

もりくぼ「あの、まゆさん、そういうわけなのでもりくぼの場所からどいてください……」


まゆ「……」ズーン……


ふじとも「あらら……」

瑞樹「まゆちゃん、すっかり落ち込んじゃってるわね」

美優「その……げ、元気出してください」

まゆ「いいんです……所詮まゆは、Pさんを助けるのもあの魔法少女に出し抜かれて、おまけに戦いでも負けちゃった負け犬なんです……」グスッ

ふじとも「まあ完敗だったもんね。最後は鼻で笑われたし」

もりくぼ「まゆさんがもりくぼみたいに後ろ向きなんですけど……おまけに後ろ向いたまま机の下に隠れてますけど……」

ふじとも「……ん、プロデューサーたちが帰ってくるみたい。もりくぼちゃん」ササッ!

もりくぼ「もりくぼはこれから存在を掻き消しておくのでお気遣い無く……」スゥー……


ガチャッ!

P「ただいま戻りました」

輝子「た、ただいま……」

美優「あら……お2人とも、おかえりなさい」

あれ?なんかめっちゃ話飛んだ?俺が追い付けてないだけ?

瑞樹「お帰りなさいプロデューサー君。どう、輝子ちゃんのお仕事は?」

P「それがですね……ふっふっふっ!!」バサッ!

瑞樹「資料? あらっ、駅前のフェス会場でライブバトルの仕事じゃない」

輝子「そ、そうなんだ……いま、練習してる曲で……さ、参加することに、なったんだ……」

瑞樹「よかったじゃない! プロデューサー君も、営業頑張ったものね」

P「そうそう、よかったなー輝子! そーら、次の仕事は頑張ってくれよ!」

輝子「フ、フヒッ!? い、いきなり高い高いはやめてくれ……あ、あああああヒャッハアアアアアアッ!!」

<ニャー

P「ん? おお、みくも輝子の初仕事のお祝いに来たか? 輝子ならちゃんとやってくれるぞー」ナデナデ

<ニャーゥ

P「そういえば、なんか事務所が静かだと思ったけど……まゆは来てないんですか?」

美優「ま、まゆちゃんならそこに……」

P「ん?」クルッ

まゆ「所詮まゆは弱者……輝子ちゃんのきのこみたいになって強者に捕食されるのがお似合いなんです……でも食べられるならせめてPさんに食べられたいです……」ブツブツ

P「ど、どうしたんですかまゆの奴……」

瑞樹「ま、まぁ、お年頃なのよ」

輝子「ま……まゆさん、げ、元気出してくれ……マ、マイフレンズも、まゆさんのこと心配してるぞ」ヨシヨシ

まゆ「し、輝子ちゃん……まゆは、本当にダメな子なんです……」グスッ、グスッ

瑞樹「そっ、そういえばプロデューサー君! ほら、この前話した、魔法少女……ハートフルままゆだったかしら? あれからまた会えたの?」

P「えっ? ああ、そうですね、この前も仕事帰りに変な化け物に遭遇したんですけどね、そのときに助けてもらって……」


『大丈夫ですよぉ……あなたのことは、何があっても守ってあげますから』


P「なんて言われちゃって……男としては情けないんですけど、あんなに可愛い子にそこまで言わるのは嬉しいっていうか……」

まゆ「……」ピクッ

3話切りしなかったんか

P「ああ……ハートフルままゆ、また会えないかなぁ。可愛くて強い魔法少女……次に会ったらせめてお礼は言いたいですね」

サササッ!!

まゆ「うふっ♪ Pさん……ハートフルままゆのことがそんなに好きなんですかぁ?」

P「えっ!? い、いやぁ、好きというか……まあほら、命の恩人だし、何かお礼をしたいなって」

まゆ「うふっ、うふふふふふふふ……」ニヤニヤニヤ


瑞樹『はぁ……何とか調子が戻ったみたいね。まゆちゃん、こういうところは単純で助かるわ』

美優『そうですね……』

まゆ『お2人とも、念話聞こえてますよぉ? 後で覚えておいてくださいね?』


P「ま、そういうわけでこれからの仕事なんだが――」


……
…………

――レッスン場

まゆ「……」

「星さん、いまの部分、もう1度歌いますよ」

輝子「は、はい……ヒィヤッハアアアアアアアアッ!!!!」

まゆ「……」

「はいオーケー。少し休憩しましょうか」

輝子「つ、疲れた……」ハァ、ハァ……



まゆ『……ふじともちゃん、そっちは何してるんですかぁ?』

ふじとも『魔物探し。ほら、この前逃がしちゃった変なブサイク、隣町にいるってあたしの占いで出たから』

まゆ『その占い、当たった試しないですよね?』

ふじとも『うぐっ……ま、まあほら、スタージュエルも集めたいし、今度アイオライトブルーと戦うときにまでに少しでも力をつけておかないと!』

まゆ『そうですねぇ……』

ふじとも『というわけでまゆちゃんも、泣きべそかいて体育座りしてパンツ丸見え状態にならないで、もっとポジティブに行こうよ』

まゆ『なんでふじともちゃんは、いつもそう一言も二言も多いんですかねぇ』

輝子「ま、まゆさん……休憩……」

まゆ「はっ、はい……お疲れ様です輝子ちゃん。はいタオル」

輝子「フヒッ! あ、ありがとう……ごめん、わ、わざわざ付き合ってもらって……」

まゆ「いえいえ、まゆもPさんから頂いたお仕事ですから気にしないで下さい。輝子ちゃんがフェスに出るときのトークのお仕事、まゆも楽しみです」

輝子「わ、私は最初……まゆさんも一緒に仕事をするって聞いて、まさか一緒に歌うのかと思ったぜ」

まゆ「星型のペイントとかシルバー巻いてヒャッハーとか言うのって、まゆのキャラじゃないですから……」

輝子「そ、そうだな……」フゥ……

まゆ「あらぁ……輝子ちゃん、大丈夫ですか?」

輝子「ん……な、何が……?」ピクッ

まゆ「いま、とっても具合の悪そうなお顔だったので……」

輝子「つ、疲れてるだけだと思う……まぁ、私でも、今回はもうちょっと頑張らないと……」

まゆ「そうですかぁ……」

輝子「まあ、プロデューサーが、私のために……と、取ってくれた仕事……し、失敗したく、ないから……」

……
…………

――都内某所

瑞樹「アイススピアー☆」ドシュシュシュッ!!


グサグサグサァーッ!!!!

魔物「びにゃああああああっ!!!!」ブシャーッ!!

ドサッ……


美優「うっ……あ、相変わらずマジカルミズキの魔法は……すごいですね……」

瑞樹「そうでしょ? 魔法少女みじゅきだもんっ♪」

もりくぼ「お、お茶の間に放送できないお見苦しい光景が広がっているんですけど……」

ふじとも「まゆちゃんがいないと、この空間の魔法少女の平均年齢が飛躍的に上昇しちゃうわね」

瑞樹「でもぉ、心はいつだって魔法少女に相応しいんだからっ! ね、ミユミユ?」

美優「そ、そうですね……」

ふじとも「心は魔法少女だとしても見た目は完全にイメクラなのよねぇ……」

パアアアアッ!!

ジャラジャラッ!

もりくぼ「あっ、魔物の死体が消えてジュエルが出たみたいですけど……早く回収して帰りたいんですけど」

瑞樹「そうね。まゆちゃんはまだ輝子ちゃんとレッスンしているだろうし、私たちも今日は女子寮に帰りましょうか」

ふじとも「でも探していた魔物はいなかったわね。どこに逃げたのかしら」

……
…………

――数日後、夜、女子寮(居間)

ガチャッ

まゆ「ふわぁ……眠いです」


ふじとも『魔法少女は早く寝なきゃダメだからね。明日のお仕事の確認したら寝ましょう』

まゆ『眠いから寝るのはいいんですけど……どうして魔法少女だからって早く寝なきゃダメなんですかぁ?』

ふじとも『魔法少女を夢見る女の子たちの夢を壊しちゃダメでしょ? 模範になるよう、規則正しく生活しなきゃ』

まゆ『その発言が既に夢をぶち壊してるんですけどねぇ。まあ、フェスは明後日ですから、まゆもそろそろ体調を整えておかないと』



まゆ「あら……ソファに……?」


輝子「……」


まゆ「輝子ちゃん……? お休みですかぁ?」

輝子「……」

まゆ「輝子ちゃん?」

輝子「ん……まゆ、さんか……う、うっかり、ここで寝るところだった……」

まゆ「大丈夫ですかぁ? レッスン、大変ですけど……本番も近いから、しっかり準備しておかないと」

輝子「そ、そうだな……それじゃあ、部屋で……寝ようかな……」フラフラ……

まゆ(輝子ちゃん……)


……
…………

――翌日、女子寮(輝子の部屋)

ガチャッ!

P「おい輝子、大丈夫か!」タタタッ

まゆ「ダメですよPさぁん!!」ドスッ!!

P「ぐふっ!? ま、まゆ……いまの肩の入ったタックル……け、経験者のような動きだぞ……」

まゆ「あっ、す、すみません……」

まゆ(最近は近接戦闘が多かったからでしょうか……)

まゆ「で、でもPさん、女の子の部屋にいきなり入るのは……ダメですよぉ」

P「あ、ああ……そうだった、すまん」ゲホッ

輝子「……プロデューサー、か」

P「輝子、大丈夫か? 熱はどれくらいあった?」

まゆ「38度ですねぇ。最近はレッスンも大変でしたし、過労だと思ったんですけど……」

P「わかった。輝子は俺が病院に連れて行くから、まゆは悪いけど今日は1人でラジオ局に行ってくれ。落ち着いたら俺も行くから」

まゆ「はい。輝子ちゃん、お医者さんにちゃんと見てもらって、早く治しましょうね」

輝子「そ、そうだな……」


……
…………

――ラジオ局

まゆ「それでは今日の、まゆの何でも答えちゃいますコーナーです。まずはペンネーム、なさしよみさんからのお便りです」

まゆ「『まゆちゃんこんにちは。質問があるんですけど、あたしはいま欲しいゲームが2つあって、どっちを買うか悩んでいます』」

まゆ「『1つは長年買っているシリーズ物RPGの新作、もう1つはロボットに乗って2対2で戦う対戦ゲームです』」

まゆ「『RPGのほうは見た目がお気に入りのキャラクターがいるけど、対戦ゲームは家庭用で練習しておけばアーケードで対戦するときに有利になるので、対戦ゲームのほうを買おうと思います』」

まゆ「『それじゃあまゆちゃん、これからも頑張ってね!』」

まゆ「そうですかぁ……このお便りについては、まゆの力は必要ないみたいですねぇ……」クシャクシャポイーッ

まゆ「それじゃあ次のお便りです。ペンネーム――」

まゆ(輝子ちゃん、大丈夫かな……)

……
…………

――夕方、女子寮(廊下)

ガチャッ……

まゆ「ふぅ……今回のお便りは変な内容ばかりでした……」ハァ……

まゆ「……あら、居間に誰かが」スッ


輝子「……」


まゆ(輝子ちゃん? 熱は下がったんでしょうか……)


輝子「……うっ、うっ」グスッ


まゆ(……泣いてる?)


輝子「せ、せっかく……プロデューサーが……仕事、取ってくれたのに……こんなときに、風邪なんて引いて……」

輝子「まゆさんも、毎日……レッスンに付き合ってくれたのに……全部、無駄に……」グスッ……


まゆ(輝子ちゃん……)


輝子『まあ、プロデューサーが、私のために……と、取ってくれた仕事……し、失敗したく、ないから……』


まゆ「……!」


……
…………

――女子寮(玄関)

ガチャッ

瑞樹「今日もイマイチな成果だったわねー」

美優「そうですね……スタージュエルは順調に集まっていますけど」

ふじとも「まー気長にやらないと」フワフワ

もりくぼ「も、もう諦めて静かに暮らしましょう。もりくぼはそのほうがいいと思うんですけど……」フワフワ

タタタタタッ!

まゆ「ど、どいてくださーい!」

バンッ!!

もりくぼ「へぶっ!?」ビターンッ!!

タタタタタッ……

瑞樹「まゆちゃん? こんな時間に外に出るなんて……どこに行くのかしら?」

ふじとも「ああっ!? も、もりくぼちゃんが物凄い勢いでドアに挟まれて……!!」

もりくぼ「あうううう……」ペラー……

美優「潰れて薄くなっちゃいましたね……お湯かければ戻るでしょうか……?」

……
…………

――夜、事務所

バンッ!

まゆ「Pさぁん!!」ハァッ、ハァッ!

P「ど、どうしたまゆ? こんな時間に事務所に……来て」

まゆ「あ、あの……明日のフェスは……」

P「輝子があの調子だし、残念だけど参加はキャンセルするしかない」

まゆ「……」

P「俺としては出てもらいたかったが、輝子に無理をさせるわけにはいかないから――」

まゆ「……まゆがフェスに出ます」

P「まゆ?」

まゆ「まゆが……輝子ちゃんの曲を歌って、輝子ちゃんの代わりにフェスのライブバトルに参加します」

P「待て、でもまゆは曲の練習は……」

まゆ「……」

P「……そうか。わかった」

まゆ「Pさん……!」

P「トレーナーさんは帰っちゃったから、俺がレッスンを見てやるよ。まゆ、輝子の代わりに参加するなら、分かっているよな?」

まゆ「はい、分かっています。まゆは……まゆは……」



まゆ「デスメタルまゆになります!」



P「いや、俺はただ輝子の分まで頑張れと言いたかったんだがな」


……
…………

――翌日、フェス会場

瑞樹「ついにきたわね、まゆちゃん」

まゆ「はい……なんだかトントン拍子に話しが進んだ気もしますけど」

P「気合十分ってところだな。それじゃあ俺は受付に寄ってから監督に挨拶してくるから、まゆたちは控え室に行っててくれ」

まゆ「はぁい」

P「それじゃまた後でな」

タタタタタッ!


美優「私たちも控え室に行きましょうか」

瑞樹「私と美優ちゃんは応援だけどね。あ、ふじともちゃんたちも出てきていいわよ」

モゾモゾ

ふじとも「ぷはっ! 今回のお仕事も、凄いたくさんの人が来てるのね」

もりくぼ「こんなに大勢の人間がいると、小さい存在のもりくぼが尚更小さく感じるんですけど……」

まゆ「事実小さいじゃないですかぁ」

もりくぼ「うう……所詮もりくぼはスタージュエルがないと何も出来ない妖精ですし、むしろ妖精だから小さいだけですし……」

ふじとも「そんなこと言ったらあたしだって――」


キィィィィンッ!!


瑞樹「この感じ……!」ピクッ

美優「会場のすぐ近く……ですよね」ピクッ

まゆ「なんでこういうときばかり魔物が出てくるんですかぁ!」

ふじとも「そういうものなのよ。みんな、ここは人間が多いからもしものことがあると被害が大きくなるわ。急いで行きましょう!」

もりくぼ「あううう……もりくぼは静かに暮らしたいんですけど……」

瑞樹「やることやってからね。ほら行きましょう!」ガシッ!

もりくぼ「あああああああ……」

まゆ「もし魔物がフェス会場まで来たら、今日のお仕事が……それだけは絶対にダメです……!」

タタタタタッ!

……
…………

――フェス会場周辺

美優「ここから結界が……魔物はどこにいるんでしょうか……」タタタタッ

ふじとも「あっ、みんないたわよ! あそこ!」ヒューン

まゆ「あれは……この間まゆたち逃がした魔物ですよぉ!」


魔物「ぴにゃ?」カサカサカサカサカサッ!!


瑞樹「うわっ、何あの動き気持ち悪っ! あれがこの前まゆちゃんが戦った魔物?」

美優「なんであのブサイクだけ手足がとても長いんでしょうか……カサカサ動いているんですけど」

もりくぼ「しかもあの大きい身体で素早いですし……パワーとスピード兼ね備えた強敵っぽいですし……」


魔物「ぴにゃ? ぴにゃぴにゃ?」カサカサカサカサッ!!


まゆ「フェスの時間まであと少しですし、急いで倒さないといけませんねぇ……ふじともちゃん!」ザッ!

ふじとも「はいまゆちゃん、スタージュエルよ!」ビュッ!

もりくぼ「瑞樹さんも美優さんも、今日のジュエルなんですけど……」ポイポイッ!

瑞樹「いくわよっ!」

美優「は、はいっ」

まゆ「マジカルチェーンジ!」

パアアアアアッ!!!!

シュパアアアア……

もりくぼ「あ、す、すみません……美優さんの変身のときに、ぼかし機能を追加するの忘れてました……」

美優「え、あっ……きゃああああああっ!?」

瑞樹「変身中に裸を見られるのも魔法少女の仕事のうちよ!」

まゆ「規制対象になりますよぉ!」

ふじとも「いつも思うけどもう少し静かに変身できないのかしら」


パアアアアア……


まゆ「魔法少女、ハートフルままゆ!」

瑞樹「マジカルミズキ!」

美優「プ、プリティーミユミユ……」

瑞樹「私たち!」

まゆ「マジカルトリオ……」


「「「マジカルガールズ!」」」


もりくぼ「あ、すみません、王国ですか……はい、美優さんの魔法少女プランの変身コースなんですけど、ぼかし機能を追加してほしいんですけど……」

ふじとも「ちょっとそのプラン変更、後にしてくれないかしら?」

魔物「ぴにゃ?」カサカサッ!!

まゆ「気持ち悪いブサイクな魔物は生かしておきませんよぉ!」ビューンッ!

まゆ「まゆの包丁でバラバラになってくださぁい!」ヒュカカカッ!!

魔物「ぴにゃ!!」ビュッ!

ガキィンッ!!

まゆ「あああっ!? ほ、細長い手で包丁が捌かれちゃいましたよぉ!」

ふじとも「ダメ……この前アイオライトブルーに包丁を折られたからか、ままゆの攻撃に勢いが無いわ!」

瑞樹「それなら任せて! マジカルミズキの氷魔法……全部凍らせて動けなくさせちゃうわよ!」パアアアアッ!!

瑞樹「ミズキ……ブリザード!!」ビュオオオオオオッ!!

魔物「ぴにゃぴにゃっ!」ピョーンッ!!

まゆ「と、飛びましたよ!?」

ふじとも「細長い手足を上手く使ってあんなに高く飛ぶなんて……!」

瑞樹「あらら、避けられちゃったわ……」

魔物「ぴにゃあああああああ!!!!」ヒュー……

もりくぼ「あのままこっちに突撃する気みたいなんですけどおおおおおお!!!!」

美優「シールドですっ」サッ!

ガキィィィィンッ!!!!

魔物「ぴ、ぴ……」

美優「う、ううう……」ググググッ……

魔物「ぴにゃあああああああ!!!!」ズドォンッ!!


「「「きゃああああっ!!」」」ドサドサドサッ!!


ふじとも「みんな!」

もりくぼ「あううう……や、やっぱりあいつ強いんですけど……」


美優「あう……」

瑞樹「コイツ、やるわね……ちょっとピンチかも……」

まゆ「そ、そんな……」

魔物「ぴにゃ……ぴにゃ」カサカサカサッ!!

美優「ま、魔物が……フェス会場のほうに……」

まゆ「だ、ダメ……このままじゃ、せっかくのフェスが……Pさんも、いるのに……」

まゆ(輝子ちゃん、ごめんなさい……まゆは……)


輝子『まゆさんも、毎日……レッスンに付き合ってくれたのに……全部、無駄に……』


まゆ「……!」

まゆ「ダ……ダメ、です!」ググッ!

ふじとも「ままゆ……!」

まゆ「まゆは……輝子ちゃんの夢を代わりに叶えにきたんです。フェスに出て、優勝すること……」ハァ、ハァ……

まゆ「大きな夢の途中の、ほんの小さな夢かもしれない……だけど、輝子ちゃんにとっては……とっても大事なこと……」

まゆ「夢を守るのも……まゆたち、魔法少女の大事なお仕事なんですよぉ!」パアアアアッ!!

瑞樹「な、なに!?」

美優「ままゆの魔力が……」

もりくぼ「魔力が高くなってるみたいなんですけど……マジカルスカウターでも数値が測れなくなっちゃったんですけど」

まゆ「まゆは負けませんよぉ! 絶対……絶対にですっ!」ビュンッ!!


魔物「ぴにゃっ!」ビュッ!

まゆ「えええいっ!」ビュッ!

ガキィンッ!!

魔物「ぴ、ぴにゃ……!?」

まゆ「やああああああっ!!」ヒュカカカッ!!

ザシュザシュザシュッ!!

魔物「びにゃっ!?」

瑞樹「魔物の手足を切り刻んだわ!」

まゆ「まゆは絶対に負けませんよぉ! 魔物にも、あの魔法少女にも!!」パアアアアッ!!

ふじとも「ままゆの魔力が高まり続けている……ままゆ、いまがチャンスよ! 必殺技で倒して!!」

まゆ「ええええええっ!? ひ、必殺技ってなんですかぁっ!?」

ふじとも「ほら、あるでしょ何か、こう、ズバーッ!! とかブシャー!! とか!」

まゆ「そんなこと突然言われても……」オロオロ


『これで最後だよ、蒼の剣!』


まゆ「……っ! それなら、あの剣に負けないような……まゆの全力ですよぉ!」

まゆ「クリムゾン……スラッシュ!」シュパアアアアンッ!!



魔物「……ぴにゃ?」

まゆ「……」

魔物「ぴにゃ! ぴにゃ!」

ズルッ……

魔物「ぴ――」

ブシャアアアアアアアッ!!!!

美優「ひぃっ!?」

瑞樹「わーお……すっごい血しぶき……」

もりくぼ「ま、魔法少女にあるまじき残虐ファイトなんですけどぉ……!」

ふじとも「一撃で真っ二つ……ままゆの残虐ファイトにも磨きが掛かってきたわね」

まゆ「はぁっ、はぁっ……!」


魔物「……」


まゆ「やった……倒しましたよぉ……!」

パアアアアッ!!

ジャラジャラジャラッ!

ふじとも「わわっ!? す、すごいたくさんスタージュエルが出てきたわよ! これもままゆの魔力のおかげかしら?」ヒューン

もりくぼ「結界が消える前に急いで回収しなきゃダメなんですけどおおおお」ヒューン


美優「そ、そうです、まゆちゃん……」

瑞樹「後のことは私たちでやっておくから、まゆちゃんは急いで会場に戻ってフェスの準備をして頂戴!」

まゆ「は、はぁい! お願いしますね!」ヒューンッ!


……
…………

――数時間後、ライブステージ

司会「さて次は、星輝子ちゃんの……おおっと、どうやら今日は輝子ちゃんの初戦の代役として、佐久間まゆちゃんが出場するみたいです!」

<パチパチパチパチ……


まゆ「……」

まゆ(まゆは……今日だけはいつものまゆを捨てます。輝子ちゃんのために……)


輝子『ヒャッハアアアアアア!!』


まゆ(昨日のPさんの特訓の成果……いまだけは、まゆも……!)


司会「それでは佐久間まゆちゃんのステージです。毒茸伝説!!」


まゆ「ヒィヤッハアアアアアアアアアアアアアアア!!!!」



P「ホントにあのノリでやるのかよ……」

ちょっと今からやってくるんで

リアタイわろた


http://i.imgur.com/t8Xepzx.png



司会「おおっと!? 衣装と曲の内容が全く合ってないように見えるが何かいい感じだぞ!! これはどうなる!?」

P(そりゃヒャッハアア! とか叫ぶために用意した衣装じゃないからな……)


まゆ(まゆは……絶対に負けませんよぉ! 輝子ちゃん、見ていてくださいね!)



http://i.imgur.com/syFBjd9.png


……
…………

――夜、女子寮(隠し部屋)

瑞樹「フェスの初戦突破おめでとう、まゆちゃん」パチパチパチッ

美優「おめでとうございます」

まゆ「ありがとうございます」

ふじとも「いやー、まゆちゃんがいきなりヒャッハアアアアなんて叫ぶからビックリしちゃったわよ」

もりくぼ「悪魔のような形相だった気がするんですけど……」

まゆ「何か言いましたか? もりくぼちゃん?」

もりくぼ「も、もりくぼは空気になりたいんですけどおおおおお!!」ヒューンッ!

瑞樹「まあ、次からは輝子ちゃんが頑張る番ね」

まゆ「そうですねぇ、輝子ちゃん、だいぶ体調も良くなったみたいですし……次はまゆも安心して応援できます」

ふじとも「優勝できるといいわね」

まゆ「輝子ちゃんなら大丈夫ですよ」

美優「ふふっ、そうですね」

マスターフルパフェとか尊敬する

まゆ「……そうです。ふじともちゃん」

ふじとも「ん、なに?」

まゆ「スタージュエル、どれくらい集まりましたか?」

ふじとも「んー……たくさん。うん、ホントたくさん集まったかも。しばらくは魔物退治も積極的にやってた分もあるしね」

まゆ「それなら、ガチャを回してもいいですかぁ? できるだけたくさん……」

瑞樹「それは……あの魔法少女、アイオライトブルーに勝つため、かしら?」

まゆ「はい」

ふじとも「そうね……確かに、まゆちゃんも川島さんも強くなったわ。美優さんだって……でも、やっぱりアイオライトブルーは強い」

ふじとも「ここは、新しい魔法少女の力を貰ったほうがいいかもしれないわね」

もりくぼ「それなら……もしかして、10連をやるんですか?」

まゆ「10連……?」

ふじとも「そう。スタージュエルは1度にたくさん使うことで、より多くの魔力を生み出すことができるの。それで他の世界にいる、もっと強い魔法少女の力を貰うことができれば……」

まゆ「それなら、その10連をやりましょう。アイオライトブルー……蒼の魔法少女には絶対に負けられませんから」

瑞樹「そうね。私たちも好き放題されてばかりってわけにはいかないもの」

ふじとも「結構ジュエル使うのは痛いけどね……それじゃあ、えーいっ!」


http://i.imgur.com/XVWmQL0.png


まゆ「……これ2500個もスタージュエル入れるの、大変ですねぇ」チャリンチャリンチャリンッ!!

瑞樹「腱鞘炎になりそう……」チャリンチャリンッ!!

美優「もう少しスタージュエルが入れやすかったらいいんですけど……」チャリンチャリンッ!!

http://i.imgur.com/XVWmQL0.png


ふじとも「ふぁっ!?」

もりくぼ「た、たいへんなんですけど……!」

まゆ「封筒が出ましたよ……って、どうしたんですかぁ?」

ふじとも「これは……感じない? 凄まじいスピリチュアルパワー……じゃなかった、魔法少女の力……!」

瑞樹「そ、そういえば……何だかいつもの封筒と違うかもしれないわね」

美優「開けてみますか?」


http://i.imgur.com/4DCJHnx.png


まゆ「なんだか明らかに履歴書の様式になっていないものが混ざっていたんですけどおおおおお!!」

もりくぼ「あわわわわわ……」

瑞樹「1枚だけブロマイドみたいなのが混ざってるわね」

美優「なんでしょう、これ?」

ふじとも「それは他の世界にいる魔法少女の中でも、特に強い魔法少女たちの力なのよ!」

まゆ「な、なんですってー」

もりくぼ「これは……たいへんな戦力アップになったと思うんですけど……勝ち目も出てきた気がするんですけど……」

ふじとも「滅多に出てこないものなのよ! やったわ!」

瑞樹「確かに他に入ってる履歴書はちゃんとした履歴書ね……」ゴソゴソ


http://i.imgur.com/ziYI2Ay.png

1枚目の画像ェ…

>>38訂正

http://i.imgur.com/vx796eF.png


ふじとも「ふぁっ!?」

もりくぼ「た、たいへんなんですけど……!」

まゆ「封筒が出ましたよ……って、どうしたんですかぁ?」

ふじとも「これは……感じない? 凄まじいスピリチュアルパワー……じゃなかった、魔法少女の力……!」

瑞樹「そ、そういえば……何だかいつもの封筒と違うかもしれないわね」

美優「開けてみますか?」


http://i.imgur.com/4DCJHnx.png


まゆ「なんだか明らかに履歴書の様式になっていないものが混ざっていたんですけどおおおおお!!」

もりくぼ「あわわわわわ……」

瑞樹「1枚だけブロマイドみたいなのが混ざってるわね」

美優「なんでしょう、これ?」

ふじとも「それは他の世界にいる魔法少女の中でも、特に強い魔法少女たちの力なのよ!」

まゆ「な、なんですってー」

もりくぼ「これは……たいへんな戦力アップになったと思うんですけど……勝ち目も出てきた気がするんですけど……」

ふじとも「滅多に出てこないものなのよ! やったわ!」

瑞樹「確かに他に入ってる履歴書はちゃんとした履歴書ね……」ゴソゴソ


http://i.imgur.com/ziYI2Ay.png


ふじとも「とりあえず履歴書から魔法少女の力を取り出して、まゆちゃんの精神世界に入ってっと」スススッ

まゆ「あ、そこ……そこの右側、スペースが空いてますから……」

ふじとも(精神を侵されることに順応してきている……)


http://i.imgur.com/lPjC131.png


ふじとも「運がよかったわ。今日は大吉中の大吉だったみたいね」

まゆ「これは間違いなく力が沸いてきてますよぉ……!」

瑞樹「冷静に考えてどうして履歴書で私たちはパワーアップできるのかしら……」

美優「というより……魔法少女の力が、どうして履歴書という形で出てくるのでしょうか」

ふじとも「それはほら、開発の仕様というか……ごめんね、あたしたちも仕組みは良くわかんないまま、使ってるだけだから」

まゆ「だけど……これで戦えます。あの蒼い魔法少女……アイオライトブルーと」ギュッ……

まゆ「Pさんを危険な目に遭わせた魔法少女……必ず、まゆが倒しますから……!」


つづく


……
…………

『次回予告!』


蒼「ふーん……やっぱり私の前に出てくるんだ」

まゆ「当然です。あなたを倒すのはまゆなんですから」


――対立する2人の魔法少女。


蒼「私は雑魚になんか負けない……私が最強の魔法少女なんだから!」

まゆ「それは違いますよぉ! 本当に強いのは……強い魔法少女は……!!」


――互いの気持ちと魔力が激しくぶつかり合う。そのときまゆは……!



『次回、魔法少女ハートフルままゆ第12話!』

『対決! 紅と蒼の魔法少女!』


まゆ「少なくとも剣が武器の魔法少女なんて主人公になれません! 番組タイトルにもなっているまゆが主人公なんですよぉ!」


『次回もお楽しみに!』


――
――――

――深夜、神谷家(奈緒の部屋)

奈緒「はー終わった……」

奈緒「相変わらずの糞アニメだな……実況スレとかどうなってんだろ」

奈緒「来週は山場かぁ……結局あの魔法少女は仲間になるんだろうか」ピッ

奈緒「まあ、来週までのんびり待つか。さて、後番の視聴に切り替えていかないと……」


……
…………

おわり

なんでもいいんですけど、とりあえずこのスレを見る場合、「あ、先週の番組見るの忘れてた」という気持ちを持ってもらえればいいのかなと思います。
HTML依頼出して終了。いま調子良いからこのままユッコとしゅがは狙いで回すか……


雫、今日出したのか…凄いな

まあPaの日で丁度回したかったからやったので。巣に戻るからもうこれやりませんけど

被りでワロタ
ままならんな

森久保乃々は静かに暮らしたい


奈緒はまってるじゃんかw

まゆ、気付け

包丁より剣の方が主人公の武器に相応しい



もりくぼ&ふじともはどこぞの一等空尉とOHANASIして頭冷やしてこい


ふじとも「まゆは最強の魔法少女として、最大の敵(ちひろ)を倒してしまったんだ
もちろん後は、最悪の魔女(シンデレラガール)になるしかない」
「今のまゆなら、おそらく十日かそこいらでこのアイドル業界を壊滅させてしまうんじゃないかな?
ま、後は君たち芸能界の問題だ あたしらの課金回収ノルマは、おおむね達成できたしね」キュップイ

牛さん被りかよすげーな

2クールなんかな

クソアニメクソアニメ言いながらしっかり録画もスレ巡回もしちゃうやつだろこれ

なぜガチャ更新を待てなかった!

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