文香「殺意の籠もった視線」 (26)

【モバマスSS】

タイトルはミステリ風に

でも、シリアスではないよ

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文香「……」

ちひろ「凄い視線がプロデューサーに向けられてますね」

モバP「……」

ちひろ「……」

モバP「……」

ちひろ「……何やったんですか」

モバP「……イヤ、ベツニナニモシテナイデスヨ」

ちひろ「あからさまに怪しいっ!?」


モバP「いやいや、マジで、ホントに、全然身に覚えがナイデスヨ?」

ちひろ「絶対何かやってますよね」

モバP「……」

ちひろ「昨日までは、普通でしたよね、文香ちゃんも」

モバP「いやぁ、元々あんな視線」

文香「……」ギロリ

モバP「スイマセンっしたーーーっ!!」


ちひろ「……だから何やったんですか」

ありす「プロデューサーが悪いんですよ」

ちひろ「あ、ありすちゃん」

ありす「橘です」

ちひろ「プロデューサー、何やったんですか?」

ありす「さあ、わかりませんね」

ちひろ「今、プロデューサーが悪いって」


ありす「プロデューサーと鷺沢さんですよ? どっちが悪いかは一目瞭然です、はい、論破」

ちひろ「プロデューサーが悪いのはわかってます。問題は何をしたかと言うことです」

ありす「それは知りません。ただ……」

ちひろ「ただ?」

ありす「昨日のお昼頃までは普通でした」

ちひろ「ということは、プロデューサーが何かをしたのは午後ですね」

ありす「そうですね。あ、それじゃあ、レッスンがあるので失礼します」


ちひろ「頑張ってくださいね」

ありす「はい。それでは、鷺沢さん、行ってきます」

文香「橘さん、頑張ってくださいね」

ありす「はい」

モバP「よし、文香が元に戻っ……」

文香「……」ギロリ

モバP「……ってねぇえええぇっ!?」


ちひろ「だから、何したんですか」

モバP「わりと本気でわからんのです」

ちひろ「本当に?」

モバP「今度ばかりは本気です」

ちひろ「無意識に何かしたとか」

モバP「……覚えが無いんですよ」

ちひろ「この前も雫ちゃんに睨まれてたじゃないですか」


モバP「あれは、ついうっかり、雫に他のアイドルの物真似で挨拶しただけですよ」

ちひろ「愛海ちゃんの物真似ですよね」

モバP「登山は愛海の立派な挨拶ですよっ!?」

ちひろ「美城専務の前で同じ事言ってもらいましょうか」

モバP「ごめんなさい。二度としません」

ちひろ「まさか文香ちゃんの前で愛海ちゃんの物真似を……」

モバP「してませんて。流石に同じ過ちを二度とは犯しませんよ」


ちひろ「普通は一度目もしませんから」

モバP「反省してます」

ちひろ「しかし文香ちゃんの視線、ただ事じゃないですよ」

モバP「確かに。しかし、既視感はありますよ」

ちひろ「普段から唾棄蔑視の果てに蛇蝎のごとく不浄のように忌み嫌われているんですか」

モバP「よーし、ここぞとばかりに言葉のパンチを連打するのは止めてもらおうか、ちっひ」

ちひろ「普通の視線じゃないですからね」


モバP「まあ、パンを奪われたみちるみたいなもんだな」

ちひろ「ドーナッツを奪われた法子ちゃん」

モバP「ロボを奪われた晶葉」

ちひろ「ギターを奪われた夏樹ちゃん」

モバP「金を奪われたちっひ」

ちひろ「プロデューサーは奪われても平気なようですので、お給料の七割はスタドリで」

モバP「前言撤回するからやめてぇええゑええっ!!!」


ちひろ「わかってくれればいいんです」

モバP「ほっ」

ちひろ「五割にしておいてあげます」

モバP「おい」

ちひろ「で、何をしたんですか」

モバP「いや、よくよく考えたら、昨日の昼以降は文香と会話していないような気がする」

ちひろ「つまり、何か変なことをしたわけではないと」


モバP「さっきからそう言ってるよね」

ちひろ「じゃあ、存在自体が唾棄すべき忌まわしさなんですかね」

モバP「しまいにゃ泣くぞ、おい」

ちひろ「謎ですね」

モバP「……いや待て」

ちひろ「何か思い出しましたか?」

モバP「睨まれているのは俺」


ちひろ「はい、殺意の籠もりまくった頼もしい視線ですね」

モバP「頼もしいのか」

ちひろ「失言でした」

モバP「うん」

ちひろ「つい、本音が」

モバP「おい」

ちひろ「話を進めましょう」


モバP「……まあいいや。とにかく、睨まれているのは俺」

ちひろ「はい」

モバP「ちっひは睨まれてない」

ちひろ「時間の問題かも知れませんけど」

モバP「なんかしたのか」

ちひろ「いえ、プロデューサーと一緒にいるので仲間だと思われたら」

モバP「ホントに泣くよ、俺も」


ちひろ「ハンカチは予備があります」

モバP「ありがてぇなぁ……。それで、ちっひは睨まれてないわけだ、いまのところ」

ちひろ「はい」

モバP「じゃあ、直接聞いたら?」

ちひろ「え?」

モバP「いや、なんで俺を睨むのかってちっひが文香に聞いてみたら?」

ちひろ「ああ、その手が」


モバP「あっさり、素直に行こう」

ちひろ「じゃあ、ちょっと聞いてみますから、どこかに隠れていてくれます?」

モバP「隠れるの?」

ちひろ「プロデューサーの見てる前だと本音が言えないかもしれません」

モバP「ああ、確かに。どれくらい隠れりゃいいかね」

ちひろ「五億年ほど」

モバP「マジで泣くぞ、おい」


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


ちひろ「聞いてきましたよ」

モバP「二時間経ってるよね、さっき午前中だったのにもう午後だよ」

ちひろ「社員食堂の昼定食はクリームコロッケでした」

モバP「昼休み挟んでんじゃねーよ」

ちひろ「プロデューサー、昨日の午後、休憩がてらに事務室でネット閲覧してましたよね」

モバP「……してたね」


ちひろ「後ろに文香ちゃんもいたんですよ」

モバP「……見られて拙いようなものは見てないぞ」

ちひろ「何見てたんですか?」

モバP「ウチのアイドルのファンサイト掲示板に投稿されてるイラスト見たりSS読んだり」

ちひろ「SS読んでたんですよね」

モバP「読んでたね」

ちひろ「台詞のやり取りがメインのSSが好きなんですよね」

モバP「手軽に読めるからね」

ちひろ「……感想書き込みましたよね」

モバP「書き込んだね」

ちひろ「内容は?」

モバP「地の文嫌い」

ちひろ「文香ちゃんの好きなものは?」

モバP「読書……あ」

ちひろ「……わりと、地雷ですよ。本好きにそれって」

モバP「……悪かった」


 数日後……


比奈「……」ギロリ

ちひろ「……何やったんですか」

モバP「……覚えが無いなぁ……」

ちひろ「もしかして、比奈ちゃんの前でファンサイトのイラスト見てたとか?」

モバP「……」

ちひろ「学習しろーーーっ!!!」

以上、お粗末様でした

モバマスSSお勧めスレに酉付きでネタレス書いちゃったんで、お詫びにネタレスと同タイトルでSS書きました

すまんかった

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