フレデリカ「怪談ごっこ、その1」 (23)


これはモバマスssです
途中からガッツリ地の文が入ります
不愉快な描写、展開等あるかもしれません

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フレデリカ「フンフンフフーン、ホラー」


杏「Fどころかフですらなくなったね」


フレデリカ「じゃあフィアー!」


肇「ホラーですか?怪談は夏にやるものの様な気がしますが」


文香「…怪談、ですか…いいですね。夏のキムチ鍋、冬のアイスの様な素晴らしさがあります」


杏「え、まじで怪談する流れ?」


フレデリカ「杏ちゃん怖いの苦手?」


杏「いや、珍しく長くなりそうだなーって」


肇「誰から行きますか?」


フレデリカ「じゃー言い出しっぺのフレちゃんから!」



フレデリカ「えっとねー、こないだフレちゃん一人で家にいたんだけどね」


杏「おぉ、ありがちな出だし」


文香「…ダシ、ですか?」


肇「文香さん鍋から離れて下さい」


フレデリカ「突然ね、ドアの鍵閉めたかなーって気になって確かめに行ったんだ」


フレデリカ「泥棒や変質者に襲われたら大変だからねー」


肇「フレデリカさんなら倒せますよね?」


杏「ほら、騒ぎを起こすのは良くないからさ」


フレデリカ「まぁ閉まってたんだけどねー」


文香「…ありますね、そういった経験は…特に、家を出て駅に着く頃によく…」





フレデリカ「でねー。確認して直ぐ次に部屋の窓閉めたか不安になったんだ」


フレデリカ「猫とか変質者に入られたら大変だからね」


肇「猫、苦手なんですか?」


杏「猫じゃなくて変質者の方が不味いんだろーね」


フレデリカ「まぁ閉まってたんだけどね」


杏「閉まってたんかい」


フレデリカ「そしたら今度はね、裏口の鍵閉めたっけなーって不安になっちゃって」


文香「…空いてたんですか?」


フレデリカ「閉まってたんだけどねー」


フレデリカ「でもね、その時また不安になったんだー。もしかして表口のドアの鍵閉め忘れてないかなーって。確認したつもりになってるけど、それって部屋の窓の鍵と勘違いしてないかなー」


フレデリカ「結局閉まってたんだけどね」


フレデリカ「次々に、いろんな場所の鍵が気になりだしたんだ。一個一個確認してくんだけど、確認した場所が増えると逆に最初の方に確認した筈の場所が不安になって」






フレデリカ「だからねー、逆に全部のドアと窓全開にして過ごしてたんだ」


肇「発想が凄い…」


フレデリカ「そしたらねー、警察が来たんだよ。裏口から誰かが入っていくのをお隣さんが見たんだって」


フレデリカ「こわいよねー、何もしなければ何も起こらなかったのに」


杏「フレデリカちゃんの発想と記憶力の方が怖いよ…」


フレデリカ「ちなみにその侵入者って文香ちゃんだったんだけどね」


文香「…記憶にございません…」


杏「なんで本人が知らないのさ」


文香「…シラス、ですか?」


肇「誰も言ってませんね」


フレデリカ「明後日杏ちゃんとアタシは江ノ島でロケなんだー!シラス丼食べてくるよー」


肇「そんな事より、身内に空き巣がいる事が何よりの恐怖なんですけど…」



フレデリカ「もちろん、文香ちゃんが家に入ってたの以外作り話だよ?」


杏「結局鍵空いてなかったのにどうやって入ったのさ…」


文香「…良い恐怖感ですね…場が温まってきました…」


杏「ホラーであっためるってどうなのさ。ついでに別に何も怖くなかったし」


フレデリカ「あれー?やっぱりクマに襲われた実話にすれば良かったかな」


肇「それ私と文香さんも一緒にいましたから」


文香「…仕方ありません、次は私のターンですね…」


杏「期待してるぞー、焼肉が怖いとかそう言うのはナシね?」


文香「…少々お待ち下さい…お話を作り直しますので…」


杏「うっそでしょ…」


肇「では、文香さんが話し終わったら夕飯食べに行きましょうか」





「それでは…」


ふぅ、と文香が一息つくと、まるで世界が変わってしまったかの様に一瞬で雰囲気が変わった。
気温が一気に下がったような、電気が暗くなったような。
そんななか、三人六つの目に囲まれて文香は本を閉じる。


「…そうですね、では…これは、私の体験談…とでもしておきましょう」







ある日私が机の引き出しを開くと、一冊の本が出てきました。


一度読んだ本の表紙を私が忘れる筈が無いので、つまりまだ私が読んだ事の無い本となります。
目算で大体350ページ程でしょうか。
表紙には特に何の表記もなく、タイトルも作者も出版社も分かりません。
当然、気になった私は本の適当なページを開きます。


「……?」


何故か、文章は何処にも見当たりません。
ありえませんよね?そんな事。
印刷ミスかと思ったのですが、両ページの端にはきちんと数字が印刷されています。


「…あ、こんな事をしている場合では…」


殊勝な心がけの私は、遅刻しないためにその場は一度本を閉じます。
けれどどうしても気になってしまい、事務所で空いた時間に読もう、とカバンの中にその本を入れて向かいました。
レッスン中は、気になって気になって仕方がなく身が入りません。
ダンスレッスンなんて無くなれば…失礼、話が逸れましたね。


ようやくレッスンを終える頃には、既にクタクタになっていまして。
コーヒーを淹れてソファで一息つき、そこでようやく今朝の本の事を思い出しました。
今日はもうレッスンも仕事もありませんし、集中して読めます。
目の前で杏さんとフレデリカさんが騒いでいましたが、そんなもの耳にも入りません。


ペラッ


1ページ目を勢い余って飛ばしてしまい、2ページ目を開いてしまいました。
けれどその両ページにも、文章は記されていません。
逆に、やはりページの端には数字が印刷されています。
もしかして、全てのページにページ数しか印刷されてないのでは?と思ったところで、ふと違和感を覚えました。




左下の数字が12、そして右下の数字が14となっているのです。
幾ら何でも、まさか印刷ミスに次いで綴じる順すら…いえ、これはこれでレアな本ですね。
…いえ、ありえません。
12ページ目と14ページ目が、順番を間違えたにしても同じ見開きで表れる筈が無いんです。


ペラッ


次のページはどうなっているのかと気になって捲れば、やはり文章はまっさらで。
今度は、左下に12、右下に15となっていました。
…意味が分かりません。
12ページ目が2回、そして前のページで12だった裏に15だなんて。


…変な本ですね…
一息つこうとコーヒーカップに手を伸ばし。
…しかし、手は空を切りました。


「……あら?」


何故か、コーヒーカップが消えています。
ほんのつい先程まで、私が飲んでいた筈なのに。
まさか、フレデリカさんが勝手に飲んでしまったのでしょうか…


「…フレデリカさん?新しいコーヒーを淹れて謝るなら今のうちですよ?」


顔を上げ、テーブルから先程まで騒音を放っていた二人の方を見れば…
フレデリカさんの姿は、ありませんでした。
何処かに隠れたのでしょうか?
それとも新しいコーヒーを淹れに行ったのでしょうか?


そんな疑問を頭に浮かべている私へ。
先程まで居なかった筈の肇さんが、告げます。


「…何を言っているんですか?この部屋には文香さんと私だけですよ」


「…え?」


既に疑問が渦を巻いていた私は、もうオーバーフローしそうでした。





「大丈夫ですか?フレデリカさんと杏ちゃんは撮影に出掛けてるって、先程文香さんが言っていた筈ですが…」


「…そう、でしたか…?…そうだったかもしれません」


何が何だかよく分からなくなった私は、一度思考を放棄するために話を流しました。
肇さんが私を騙すために嘘を付いた可能性もありますが、表情からしてそれはないでしょう。
ではほんのすこし前に言ったことを忘れてしまう程の記憶力かと言われれば、そんな筈もありません。


…状況が、よく分かりません…


自分を落ち着ける為に、手に馴染む紙を持つ為に、私は再び本を開きました。
特に栞を挟んでいた訳ではないのに、先程と同じページ。
ページの左下には12、右下には15。
ペラッと次のページを開けば、今度は左下に12、右下に16です。


…もしかして、左下が12は固定なんでしょうか…?


一体どんなギミックの本なんだ、と新鮮味よりも呆れを表しながら本を閉じようとして…
私は、信じられない様な光景を目にしました。


「うーん、美味しいねー!文香ちゃんも食べる?」


「いやそれ杏のやつだからね。お土産用のは別にあるから待っててって」


目の前に、先程まで居なかった筈の。
肇さんによれば撮影に出掛けてる筈の二人が、笑って喋っていたのです。




「…お二人とも、撮影の方は…?」


「もちろん昨日で終わったよー、フレちゃん達は有能だからねー」


「はい、昨日のお土産。お茶と合うから淹れてあげよっか?肇ちゃんは出掛けてるし」


…なかなか、意味が分かりません。
いえ、杏さんが優しいからとかそう言うのではなく。
何故、フレデリカさんと杏さんが居なくなったり戻っていたりするのか。
何故、肇さんは居なくなってしまったのか。
何故、私のコーヒーは消えたのか。


まるで、世界か時間が変わってしまったとしか…


「…すみません、お二人が撮影した場所は江ノ島ですよね?」


「いえーす!人多いけど楽しかったよー」


「昨日も平日なのに結構混んでてビックリしたよ…」


…まさか、まさか!


「すみません…!今日は何月の何日ですか?」


「え?今日?12月の16日だよ。花金だよ花金」


ありえない、そう否定するのは簡単でした。
けれど、あまりにも出来すぎていて。
偶然にしては、重なり過ぎていて。
一周回って冷静になり、ようやく私は状況を理解出来ました。


…つまり、この本に記された数字は。
ページ数ではなく、月日なのだと。
私は、未来へ来てしまっているのだと。




状況を理解した私は、急いで本を開きました。
何を挟んでいるでもないのに、丁度12-16のページが開かれます。
焦りながらも、ページを2つ前へ。
表記された数字は左に12右に14、つまり私が元々いた筈の日。


本から顔を上げれば、同じようにフレデリカさんと杏さんが喋っています。
けれど、ほんの数秒前とは服装が違い。
そして、私の前にはコーヒーカップが湯気を立てて置いてありました。


「…杏さん、今日は何月の何日ですか…?」


「え?今日は12月14日だよ。まだ水曜日、花金は遠いねー…」


…戻って来れたようですね。
それにしても、この本は一体…
状況を落ち着いて整理してみましょう。
こんな時こそ、クールにいかないと…


この本を開けば、まず最初はその日が記されたページになります。
そしてページを捲れば、その記された月日に移動してしまう。
時間は、おそらくそのまま綺麗に24時間分ぴたりと移動。
落ち着いて考えてみれば、なんてことありませんね…


…いやいや、ありえません。
時間の移動だなんて、普通は…


なんて否定はしてみますが、実際に体験した事なのですからどうしようもありません。
私がどう思っていたところで、この本が変わる訳ではないのですから。
未来を見ておけば宝クジや競馬や株で必ず勝てるかとも思いましたが、こういう物は大体過去を変えたところで未来が変わらないので諦めます。



こういった場合、誰かに相談したいものですが…一人、うってつけの人物がいますね。
彼女なら、あるいは。
この本について、何か分かるかもしれません。


「…と、いう訳です。何か、こう言ったものはご存知ありませんか?」


「せめて、その…と、いう訳での部分を説明して頂けませんか?」


「…すみません、焦りすぎました…」


超常現象で困った時の解決人、鷹富士茄子さんを頼りました。
彼女は人並みならぬ幸運を持っていますし、何かしらヒントを得られるかもしれません。
詳しく話そうとすると感情が混じってしまうので、話の大筋を掻い摘んで説明します。
この本を開けば、表記された日時へ飛んでしまう事。
そしてそれについて、誰も気付いていない事。


…ですが…


「…すみません、疑ってる訳ではありませんが…この本、普通の小説ですよ?」


「え?そんな筈は…」


そんな事はありません。
どこの世界に、何処の出版社に数字しか表記されていない本をだす者がいるんでしょう。
普通の小説は、もっと…


色々と言おうとして本を覗き込み。
私は、再び驚く羽目になりました。


「…文章が、あります…表紙もきちんと…」


「おそらく、開く人が一人でないと。もしくは文香さん一人の時でないとその様な状態にはならないのかもしれません」


…困りました。
その現象、せめてその状態を見て貰わない事には診断すらできません。


「これは私の手に余るモノですねー…まぁ、文香さんが悪用しない限り問題はありませんねっ!」


「…それも、確かにそうですね」


ふと、私が翌日へ跳んだ場合元々翌日にいた私はどうなるのか気になりましたが…
使わなければ、なんの問題もありませんね。


「…ですが、1つだけ注意して下さい」


神妙な顔つきで、茄子さんは此方に向き直りました。


「本のページ数には、必ず限りがあります。それだけは、忘れない様に…その時が来たら、また私に相談して下さい」






翌日、当然ながらフレデリカさんと杏さんは江ノ島へ撮影に出掛けました。
事務所の部屋には、肇さんと私しかいません。
昨日本によって見せられた未来と同じ様に、静かな部屋です。
目の前にコーヒーはありません、丁度お湯が切れていたので。


「フレデリカさん達が居ないと静かですね」


「二人は…確か、江ノ島へ撮影に行っていますから」


結局、この本はなんなんでしょうか…
謎は解けず、けれど考えるのを放棄する事も出来ず。
なんとなく開いてみれば、丁度12-15のページでした。


必ず…その日のページが開かれるのですね
そんな事を考えながら、ページの端に指を掛けて…


「…本当に大丈夫ですか?文香さん」


「…え?私、何かしましたか…?」


唐突に、肇さんに話し掛けられました。
私は特になにもしていません。
周りから見ればいつも通り、本を捲ろうとしていただけです。


「いきなり、フレデリカさんと杏ちゃんは何処へ?だなんて…」


「…私、そんな事は言ってな…」


そこで、思い出しました。
昨日、本によって今日へ跳んだ時。
確かに、私は肇さんにそう質問した、と。


「…大丈夫です。なんでもありません」


私は改めて、この本の恐ろしさを理解しました。


この本を通して形作られた事柄は必ず現実になり。
一度作られた現実の通りに、私は行動してしまい。
そして過去の私が何かを行った場合、その日にいる私の意識はその間完全に無くなってしまう事。
つまり、この本によって今の私が上書きされてしまう事。


…二度と、開かない様にしましょう。
そう固く心に誓い、本は部屋の奥へとしまう事にしました。





翌日も、少しの時間だけ記憶が飛びました。
おそらく、14日から跳んできた私がその時杏さんに日時を聞いていたのでしょう。
けれどもう、おそらく私の意識が飛ぶ事はありません。


しかし、どうしても試してみたい事があり。
その翌日、意識が飛んでいた時間帯に私は本を開きました。
数字は12-17。
それを、1ページほど前へを戻しました。


目の前には、江ノ島の撮影を終えた杏さんとフレデリカさんがいます。
ここで、私は別の行動を取れるのでしょうか…


…立ち上がれません。
まるで身体と心が離れてしまっているかの様に、私の身体は全く動いてくれませんでした。
杏さんに起こして貰おうと口を開くも、言葉が出てきません。


「すみません…!今日は何月の何日ですか?」


「え?今日?12月の16日だよ。花金だよ花金」


突然、私の口が動いたかと思えば日時を尋ねました。
これで確定です。
一度現実になった事は、この本ですら変えられません。


そして、この後私は。
元いた日に帰ろうとする。
半分半分の賭けです、下手したらここから14~16日をループしてしまうかもしれません。


けれど17日から私は来ている、つまり現実に17日が無くてはおかしくなります。
14日へ戻ろうとする、と言う現実と。
元いた日へ戻ろうとする、と言う現実。
どちらが再現されるでしょう…


本を手に取った私はきちんと、元いた日に戻る為に17日を開いてくれました。
多少ではありますが、過去や未来を変える事は出来るみたいですね。
おそらく、14日から来ていた私も元に戻れたでしょう。
現に、あの日私は帰れたのですから。
そしてあの時私に意識があった事は分かっているので、つまり未来から過去へと戻っても意識は無くならないみたいです。


…取り敢えず。
本当にもう二度と、この本は開きません。





それから、約一年ほど本に触れる事はありませんでした。
私は二十歳になり、仕事もかなり増えてきました。
割と忙しい日々だったので、最早忘れていたのでしょう。


ある日、私が部屋を掃除していた時。
本棚の奥から、その本が現れました。
懐かしいですね…あの頃は、今ほど忙しくなかった気がします。
結局、この本が何なのかは分かりませんでしたし。


懐かしくなって、本を開いた時。
一つ、不安がよぎりました。


本を開いて表示されている数字がその日、つまり今日。
そして…残されているのが、あと1ページになっていたのです。
もし、この本が終わってしまった場合。
私の未来は、きちんと用意されているのでしょうか?




翌日、不安になった私は茄子さんを探します。
けれどタイミング悪く、地方へロケへ行ってしまっていました。
ここへ来て一気に不安が募りました。
本を開けば、最後の見開き。
次のページはありません。


ここで迂闊な事は出来ません。
一度現実になってしまえば、過去へ戻ってもやり直しがきかないのですから。
けれどその日は仕事が忙しく、自由に動ける様になったのは23時半を回ってしまいました。


流石に焦り、私は茄子に電話を掛けました。
けれど、何コールしても出ません。
無機質な電子音が、私の焦りを加速させます。


夜道を歩く足が、自然と早くなります。
もう23時55分を回っています。
どうしよう…どうしよう!
他の人に今から事情を説明してアドバイスをもらう時間はありません。
茄子さん以外誰にも相談していなかった事が、ここで裏目に出るなんて。


気付けば、私は走り出していました。
不安をごまかす為に、明日を迎える為に。
この本のページが終わったからと言って、私の人生が終わると決まった訳では無いのに。
けれど直感で、不味いと分かっていました。





腕時計を見れば、既に23時59分。
何処だか分からない道を走りながら、私はカバンから本を取り出しました。
両手で大きく開いてみると、やはり最後の見開き。
そして裏表紙を開いている手が、勝手に動き出しました。
まるで、本を閉じようとするかの様に。


きっと、この本を閉じた瞬間。
私の未来は、ここで潰えてしまう。


時計の秒針が頂点を指そうとするその瞬間。
一気に私の視界は光に埋めつくされました。
眩しくて何も見えません。
けたたましいクラクションの音が聞こえます。
どうやら、信号が赤なのに私は飛び出してしまった様でした。


きっと、私はここで轢かれます。
やはり本の残りページの通り、終わってしまう様です。
何故か冷静に物事を考えられるのは、心の何処かでわかっていたからでしょうか。
心のどこかで、諦めていたからでしょうか。


…まだ、諦めませんっ!


私は勢いよく、本のページを捲りました。
閉じようとする左手を抑えつけ、右手でページを全て掴み。


一気に、最初の見開きへーー







文香「…如何でしたか?」


杏「重い話なのに淡々と語ってて逆に怖かったよ」


肇「…少し頭がこんがらがりました」


フレデリカ「フレちゃん難しい話は分からないかなー」


文香「…それにしても、お腹が空きました。この辺りに、いい居酒屋があるんですよ…」


肇「…え?」


杏「…文香ちゃん?」


文香「…冗談ですよ、美味しい焼肉屋に行きましょうか」


フレデリカ「…フンフンフフーン!文香ちゃん上手いねー!」



いつも通り即興なので話に矛盾点があるかもしれませんが、それで問題ありません
お付き合い、ありがとうございました

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