森久保乃々「二人そろって、」 (14)

かなり短いです
地の文のみ
キャラが崩れてたらすいません



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「むーりぃー……」

なんか仕事が来てるらしいよ、なんていきなり言われても困るんですけど。
いぢめられてる気分です。

いつもでもどこでもなんどでも。
ののが一番可愛いよって。

女たらしかも、なんて思いましたけど。
私のいないところでも、いつでもどこでもだれにでも。

そんなことを人に聞くたび恥ずかしいから止めて下さいっていってるんですけど。

ずっと止めることなく、ののが可愛いののが可愛いって言ってるみたいです。

他のアイドルさんとか女性のスタッフさんにも誰彼構わず言うくらいなんで、とりあえずたらしではないみたいでした。


でも、他にもいっぱい私なんかより可愛い子がいる中で、もりくぼを可愛いって言うくらいには変ですから。
ドジでうっかりで、ぐーたらで。

他のプロデューサーさんたちほど、仕事ができる訳でもないし、やる気がある訳でもない。
むしろサボってばっかりです。

それだけ可愛いと思ってるなら、ちゃんと売り込めなんて、良く言われてます。
売り込まれても困るんで、もりくぼ的には嬉しいですが。

そんな自分の事を会社のお荷物なんて、笑いながら言うのはいいですけど。

嘘か本気か、ののが将来養ってなんて。
中学生に、普通は言わないです。


口癖通りにむりとは言いましたけど。
嫌とは言ってないですから。

もりくぼ一人で、私とあなたの二人はむーりぃー。

だから、私があなたを養いますから、あなたは私を養って下さい。

別に裕福じゃなくてもいいです。

二人で帰るお家がひとつと、3食たべれるお金があれば、きっと幸せ。

あの狭い六畳一間でもいいですから。
シャワーくらいは付いてる部屋に引っ越して欲しい気もしますけど。

入り浸ってるうちに通い慣れた銭湯も楽しくなったんで、どっちでも。
まあ、おばちゃんたちに可愛がられるのは恥ずかしいですけど。


なんとはなしに、こんな関係。

事務所に近くて、ほんとに困ったらここに隠れなって連れてきてもらいました。

いつからか困ってない時にもいるようになってしまいまして。

二人並んで慣れない料理もやってみました。

もりくぼ用の、ちっちゃな布団も買ってきました。

遅くなると危ないから泊まりますって、おとうさんおかあさんには言ってます。

遅くなくても、お泊まりしますが。


クーラーがなくて、二人並んで突っ伏して、扇風機の風を浴びようとポジションを取り合いました。

一人用のコタツに無理やり二人で入ってたら、お互い段々慣れてきました。

じゃんけんして負けた方がおでん買いに行くなんてやっても、結局二人で買いに行きました。

遅くにぐったりと帰ってきた、ほんとに辛いことのあった時には、のの慰めてと抱きついてきました。
変態さんです。もりくぼ、取扱注意なんで壊れちゃいます。

でも、あなたからほんとに必要とされてる気がして。ちょっとだけですけど、嬉しかったです。


お互い口には出さないですし、恥ずかしすぎてとても言えないですが。

というか、あなたがもりくぼにちゃんと言ったら事案ですけど。

たぶん、きっとそうだと、疑いながらも信じてます。

そんな気持ちを確認することば。

いつか聞けたら嬉しいです、もりくぼ的に。

その時くらいは、私もむりでも頑張ります。

今も見れないあなたの目をみて。
ちゃんとお返事してみせます。

たぶん、ですけど。


営業さぼって話すあなたと、レッスン怖くて行けない私が、机の中と椅子の上。
そんなこんなを考えながら、ゆっくり流れる時間が幸せ。

私がこの先何をしてるか。
あなたがこの先何をしてるか。

もりくぼには、分からないですけど。

私がアイドル辞めちゃったら、あなたも一緒に辞めるんですかね。

とりあえず、家賃くらいは今のうちから稼ぎます。

私に仕事があるってことは、あなたも仕事をするってことですから。

ほんとはアイドル辞めたいですけど、まだ私とあなたで一緒にクビになるには早いですし。

その仕事も、ちょっとだけですけどやってみます。
どれだけできるかわからないですけど。


でも、あなたはいつも通りがいいです。
張り切られても、困ります。

つられて私が張り切っても、大したことは出来ませんし。

いつも通りを目を逸らしながらそう言うと、張り切らなくてもののは可愛いから大丈夫と、頭をグシャグシャ撫でられました。
ついでとばかりに、私みたいに目を逸らしながら俺もあんまり頑張りたくないって。

嬉しくなって、シャツの袖を引っ張っちゃいました。床を見ながら。

袖がのびちゃってたらすいません。

でも、あんまりぴちっとされると似合わないんで、それくらいでいいです。
その方がもりくぼ的には安心します。


めんどくさいし、今日はこっそり早く帰ろうかなんて、こんどは優しく撫でてくれます。

やっぱりたらしです。もりくぼ、騙されてます。
変なひとです。ぐーたらです。

でも、そんなあなたがいいです。

こっそり直帰で、机の中と椅子の上から、ちっちゃなコタツに横並び。


二人揃って、ダメ人間。

一人じゃダメと、一人じゃダメでも。
二人そろうと、いいぐあい。

終わりです。

なんとなく森久保が好きになるのは仕事できるタイプじゃなくて同じようなタイプの人と共依存するカンジじゃないかとふと思って書きました。
ではでは、おやすみなさい

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