若林智香「机の下からエールを」 (12)


これはモバマスssです

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カタカタカタ


P「…ふぅ、もう直ぐ終わりそうだな」


智香「お疲れ様ですっ!」


P「おう、ありがとう」


P(おそらく後ろに智香かいるんだろう。もう結構遅い時間なのに残っているなんて、宿題でもやってたんだろうか)


智香「Pさん、何時もこんなに長い時間書類書いてたんですね」


P「いや、今日はかなり長いだよ。普段はもう少し…ん?」


P(…気のせいじゃなければ、智香の声が足元から聞こえる気がする)


智香「もう少しですよね?じゃあアタシが応援しちゃいます!!」


P「まって智香何処にいるの?なんか下から声が聞こえるんだけど」


智香「それは勿論です。だって下にいるんですから!」




P(下…?疑問符を浮かべながら机の下を覗き込むと…)


P「…やぁ、智香。こんな場所で何してるの?」


智香「言ったじゃないですか。応援ですっ!」


P「まぁ、うん。それは分かってるんだけどさ」


智香「あと少しですよね?頑張って下さいっ!フレー!フレー!」


P「よく机に腕をぶつけず振れるな…ってそうじゃなくて」


智香「思ったより狭いんですね、机の下って。でもPさんが頑張ってるんですから、アタシが頑張らない訳にはいきません!」


P「いや別にさ…机の下じゃなくていいんじゃないか?ってかそもそもなんで机の下にいるのさ」


智香「思ってたより長い時間居たせいでちょっと身体が痛いです」


P「すまん、今日は普段よりやる事が多くてな…」


智香「あっ、すみません。責めているわけじゃないんです。輝子ちゃんやまゆちゃんみたいに、もっとほぐさないといけませんね!」


P「そもそも机の下に入らなければいいんじゃないかな」



P「…出ないの?」


智香「言ったじゃないですか。Pさんが終わるまで此処で応援しますよ!」


P「いやほんと机の下じゃなくていいんじゃないか?」


智香「此処が、頑張るPさんに一番近い場所なので」


P「そうか…と言うか全く気付かなかったよ」


智香「声を出さなくたって、応援は出来るんですよっ!」


P「ありがとう。じゃあパパッとやって終わりにするか」


智香「フレー!フレー!Pさんっ!」


P「…ここが…この箱を抑えて…」


智香「フレー!フレー!」


P「…ここで…フレー、フレー…っと、違う違う」



智香「今更気づいたんですけど、此処からだとPさんの顔が見えないんですね」


P「そりゃまぁ机があるからな」


智香「もっと足元に寄れば…っしょっと、見えましたっ!」


P「ほぼ抱き付いてる感じになってるな」


智香「これなら顔を見て応援できますっ!」


P(…なんだろう)


智香「あと少し、頑張って下さい!」


P(…今更ながら、なんとなく恥ずかしくなってきた)


智香「応援して頑張っている人の顔を見るの、大好きなんです!」


P(顔をずっと見られてると、恥ずかしいもんだな)



P(それと…)


智香「アタシのエール、届いてますかーっ?」


P(あぁ、足に感触がばっちり届いているよ)


智香「ファイトー!Pさんっ!」


P(…仕事、仕事に熱中するんだ。心頭滅却すればなんとやら…)


カタカタカタカタカタカタ


智香「さすがPさん、速いですっ!」


P(…いける!次々と文書が思い浮かぶ!手が脳に追いつかない!)



P「っよし、あと一息」


智香「あ、こんな場所にキノコが…」


P「ち、違うぞ?!」


智香「え?これキノコですよね?」


P「…そうだな、輝子が置いていったキノコだ。間違ってない、間違っていたのは俺の方だ」


智香「へんなPさんですね…あっ」


P「ゴメンやめて察っさないで。もう仕事終わるから」


智香「…少し、離れますね」


P「…すまん」



P「…よし、おわりっ!」


智香「お疲れ様でしたっ!」


P「智香も応援ありがとな…にしても、ほんとなんで机の下だったんだ?」


智香「新しい角度からPさんを見たかったから、じゃダメですかっ?」


P「新しい角度ってそう言う意味なのか…いや、ダメじゃないな。うん、ありがとう」


智香「照れてます?」


P「多少な。それにしても、今日に限ってなんで応援を?」


智香「応援は何時でもしてますよっ!Pさんがアタシ達の為に頑張ってる事、分かってますから!」


P「そりゃまあ、智香達が頑張ってるんだから俺も全力で応援したいからな」


智香「つまりPさんと一緒です、頑張る人を応援するって幸せですから!」


P「成る程な…」



智香「それといつでも一番近くで、Pさんを見ていたかったんです。最近、お仕事終わるの遅いから…」


P「まぁ最近仕事多くて…すまん」


智香「あっ、謝らないで下さい!アタシも分かってますから!」


P「まぁつまり、だから仕事が終わるまでこの部屋に居たのか」


智香「もう一歩!」


P「…側にいてくれたのか」


智香「はいっ!誰よりも近くで、誰よりもずっと、エールを贈りたいんです」


P「ちゃんと届いたよ。さて…そろそろ帰るか」


智香「お夕飯、何がいいですかっ?」


P「そうだな…智香が作ってくれるのなら、なんでも」



ちひろ(…机の下に隠れたはいいけど、何の拷問ですかこれ…)


お付き合い、ありがとうございました

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