【SS】鞠莉「嘘っ! ファーストキスはレモン味じゃないの!?」 (29)


・ファーストキスといえばレモン味ですよね

・すごく短いです

・ダイマリです


【SS】善子「へぇー、ファーストキスはイチゴ味なのね……」
【SS】善子「へぇー、ファーストキスはイチゴ味なのね……」 - SSまとめ速報
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~ 生徒会室 ~


ドッサリ

ダイヤ「最近、Aqoursの練習や試験勉強で忙しくて、生徒会の仕事が溜まってしまいましたわ……」

ダイヤ「さすがに、この量を空いた時間だけで片付けるのは無理ですね……」

ダイヤ「仕方ありません、仕事が片付くまで練習は休ませてもらいましょう」

ガチャ

鞠莉「ちょっと! 聞いてよ、ダイヤ!」

ダイヤ「何ですの、この忙しい時に……」

ダイヤ「しょうもない話だったら怒りますわよ!」

鞠莉「さっき、ネットを見たらファーストキスはレモン味じゃなくてイチゴ味なんですって!」

鞠莉「レモンが好きな私にとって、すっごくショッキングだわ!」

ダイヤ「やっぱり、しょうもない話でしたか……」


ダイヤ「鞠莉さん、あなたも理事長の仕事が山ほど残っているんでしょ」

ダイヤ「私は生徒会の仕事で忙しいんです! あなたもさっさと仕事を片付けてきなさい」シッシッ

鞠莉「……」

鞠莉「しょうもなくないわよ……」ボソッ

ダイヤ「……鞠莉さん?」

鞠莉「だって……小さい頃からずっと楽しみにしていたのよ……」

鞠莉「本当に好きなレモンの味がするのか、好きな人ができて、初めてキスする時をずっと楽しみにしていたのに……」シュン

ガチャ

ダイヤ「鞠莉さん……」


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ー 次の日 ー


~ 黒澤家 ~


ルビィ「うゅ……お姉ちゃん、おはよう……」ポケー

ダイヤ「おはよう、ルビィ」

ダイヤ「早く朝食を食べないと遅刻してしまいますよ」

ルビィ「はーい」

ダイヤ「……」カプッ

ルビィ「お姉ちゃん、何食べてるの?」

ダイヤ「レモンですわ」


ルビィ「お姉ちゃんが朝食にレモンを食べるなんて珍しいね」

ダイヤ「えっ……ほら、レモンはビタミンCが豊富ですから、風邪の予防になるんですよ!」アセアセ

ダイヤ「健康のためですわ!」

ルビィ「へぇー」

ダイヤ「ルビィも1つ食べます?」スッ

ルビィ「レモンは酸っぱいから、ルビィはいいや……」

ダイヤ「そう……」カプッ


~ 3年生の教室 昼休み ~


ダイヤ「あら、鞠莉さんは?」

果南「鞠莉は理事長の仕事を早く片付けたいから、理事長室で昼食を食べるみたい」

果南「しばらくの間は練習も休むんだって」

ダイヤ「そうですか……私も生徒会の仕事をしないといけませんので、練習を休ませてもらいますわ」

果南「わかった、千歌達にも伝えておくよ」

ダイヤ「それでは、頂きます」

果南「……ダイヤ、お弁当と一緒にあるレモンは何?」


ダイヤ「食後に食べようと……」

果南「えっ、デザートでレモンをそのまま食べるの?」

ダイヤ「えっと……ほら、レモンはビタミンCが豊富ですから、美肌効果があるんですよ!」アセアセ

ダイヤ「美容のためですわ!」

果南「へぇー」

ダイヤ「……」モグモグ

ダイヤ「……」カプッ

ダイヤ「ご馳走様でした」


ダイヤ「さて、私は昼休みが終わるまで生徒会の仕事をしてきますわ」ガタッ

果南「今から仕事するの? ダイヤも大変だね……」

ダイヤ「あっ、私がレモンを食べていることは鞠莉さんには内緒にしてくださいね」

果南「えっ!?」

ダイヤ「それでは、失礼しますわ」スタスタ

ガラッ

果南「……何で内緒にするんだろう?」


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ー それから1週間後 ー


~ 黒澤家 ~


ダイヤ「……」カプッ

ダイヤ「……」モグモグ

ダイヤ「……」カプッ

ルビィ「お、お姉ちゃん……」

ダイヤ「どうしたの、ルビィ?」カプッ

ルビィ「えっと……最近、レモンの食べ過ぎじゃないかな……」

ルビィ「いくらなんでも、毎日、朝昼晩、間食の時も、ずっとレモンを食べ続けてるよね……おかしいよ……」

ルビィ「本当に健康のために食べてるの?」

ダイヤ「うっ……」ドキッ

ダイヤ「そ、そういえば! 冷蔵庫のプリンを早く食べないといけませんわね!」アセアセ

ダイヤ「ルビィ、私の代わりにプリンを食べていいですよ」ニコッ

ルビィ「本当! わーい♪」ガタッ


ルビィ「プリン、プリン♪」ニコニコ

ルビィ「あれっ、この袋に入っているのは何だろう?」ゴソゴソ

大量のレモン「」ドサッ

ルビィ「」

ルビィ「お、お姉ちゃん……これ……」

ダイヤ「どうかしました?」

ルビィ「このレモン……お姉ちゃんが一人で食べるつもりなの!?」

ダイヤ「そうですが……ルビィも欲しいのですか?」

ルビィ「お、お姉ちゃんが変になっちゃったよぉ……」ポロポロ


~ 3年生の教室 昼休み ~


ダイヤ「……」カプッ

果南「ダイヤ……ルビィが心配していたよ」

果南「ビタミンCを摂りたいなら、サプリメントとかでもいいんじゃないの?」

ダイヤ「サプリメントでは駄目なんです……」

ガラッ

千歌「ダイヤさーん!」

ダイヤ「千歌さん、私に何か用ですか?」

千歌「果南ちゃんから聞きましたよ! 健康と美容のためにレモンを食べてるって!」

千歌「でも、レモンをそのまま食べるのは大変ですよね……」

千歌「そんなときはみかんです!」

千歌「みかんは甘くて食べやすいですし、レモンほどではないですけど、ビタミンCも豊富で栄養がたっぷりあるんですよ!」

千歌「今度、ダイヤさんのために、美味しいみかんをたくさん持ってきますね!」ニコッ


ダイヤ「千歌さん、私のために気をつかってくれて、ありがとうございます……」

ダイヤ「千歌さんのお気持ちはすごく嬉しいですわ」

ダイヤ「……ですが、『レモン』じゃないと駄目なんです」

千歌「どうして、レモンなんですか?」

ダイヤ「それは……」

ダイヤ「すみませんが、それはお答えできませんわ///」カー

果南(何で赤くなるの?)


~ 部室 ~


ルビィ「うぅ……ぐすっ……」ポロポロ

千歌「ルビィちゃん、泣かないで……」ヨシヨシ

ルビィ「このまま、お姉ちゃんがレモンしか食べなくなっちゃったらどうしよう……」ポロポロ

果南「大丈夫だよ、ルビィ……」ナデナデ

果南「その時は私がこれ以上レモンを食べないようにダイヤを力尽くで止めるから……ほら、ハグしてあげるから元気出してね……」ギューッ

ルビィ「ぐすっ……果南さん……」ギューッ


ガチャ

鞠莉「みんな、お疲れ様! やっと理事長の仕事が全部片付いたわ♪」

鞠莉「今日から私も練習に参加でき……あれっ、何でルビィちゃんは泣いているの?」

ルビィ「ぐすっ……最近、お姉ちゃんがおかしいんです」グスッ

鞠莉「ダイヤが?」

果南「鞠莉は一緒にお昼を食べていなかったから、知らないと思うけど……最近、ダイヤは家でも学校でもレモンばかり食べているんだ……」

千歌「私がみかんをすすめても、レモンじゃないと駄目っていうんだよ……」

果南「理由を聞いても健康だとか美容だとか言って、本当のことを教えてくれないんだ……」

果南「あっ! そういえば、鞠莉には黙っていてくれって言われてるんだった……」ヤッチャッタ

鞠莉「レモン……」

鞠莉「もしかして……」


~ 生徒会室 ~


ダイヤ「この書類は……」カキカキ

ダイヤ「ふぅ、まだ生徒会の仕事がたくさん残っていますわね……」

ダイヤ「みなさんに迷惑かけないためにも、早く終わらせないと……」

ダイヤ「……」カプッ

ガラッ

鞠莉「ダイヤ!」

ダイヤ「ま、鞠莉さん……」サッ

鞠莉「隠さなくてもいいわよ……果南とルビィちゃんと千歌ちゃんから話は聞いたわ……」

鞠莉「あなた、いつからレモンを好きになったのよ……」

ダイヤ「これは健康と美容のために……」アセアセ

鞠莉「ごまかさないで、本当のことを教えて!」


鞠莉「ねぇ、自惚れていると思ってくれても構わないわ」

鞠莉「……もしかして、私のファーストキスのためなの?」

ダイヤ「///」カー

鞠莉「……やっぱり、そうだったのね///」カオマッカ

鞠莉「それで……私といつキスするつもりだったのよ?」

ダイヤ「そ、それは……」

鞠莉「あきれた……私とキスする時まで、ずっとレモンを食べ続けるつもりだったのね……」ハァ


ダイヤ「いつか、鞠莉さんに想いを伝えようと、ずっと考えていましたわ……」

ダイヤ「でも、いざ告白するとなると勇気が出なくて……」

ダイヤ「とりあえず、鞠莉さんのために、いつキスしてもレモンの味がするようにしておこうと……」

鞠莉「バカ! いくらレモンが体に良いからって、毎日、そんなにたくさん食べ続けていたら体に悪いって、普通はわかるでしょ!」

鞠莉「このまま、レモンを食べ過ぎていたら、いつか体を壊していたかもしれないのよ!」

ダイヤ「……すみません」


鞠莉「もう……キスする前に食べればいいだけなのに、毎日食べるなんて、本当にダイヤはバカなんだから……」ギュッ

ダイヤ「鞠莉さん……」

鞠莉「こんな私のしょうもない話のために、ここまでしてくれるなんて……」ギューッ

鞠莉「ありがとう……ダイヤ……」ポロポロ

ダイヤ「鞠莉さん……小さい頃からずっと、あなたのことをお慕いしていました」

ダイヤ「こんな私ですが、付き合って頂けますか?」

鞠莉「もちろん、いいに決まっているわ」ニコッ

鞠莉「大好きよ、ダイヤ///」

ダイヤ「鞠莉さん///」


鞠莉「そうだ! みんなに心配かけたんだから、後で謝っておくのよ」

ダイヤ「もちろん、みなさんに謝りますが……理由を言うのが恥ずかしいですわ///」

鞠莉「理由を聞いたら、しょうもなすぎて、みんな怒るわね」クスクス

ダイヤ「でしょうね」フフッ

鞠莉「ねぇ、ダイヤ」

鞠莉「その……私にキスしてくれるんでしょ///」

ダイヤ「……今更ですが、鞠莉さんの初めてのキスの相手が私でいいのでしょうか?」

鞠莉「ダイヤでいいかですって?」クスッ

鞠莉「私の初めてはダイヤにあげたいのよ……」スッ

チュッ



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ダイヤ「ふぅ、やっと生徒会の仕事が全部片付きましたわ……」ノビッ

鞠莉「お疲れ様、ダイヤ! コーヒーでも飲む?」スッ

ダイヤ「ありがとうございます、鞠莉さん」ニコッ

ダイヤ「鞠莉さんが私の仕事を手伝ってくれるなんて珍しいですわね」

鞠莉「たまには、ダイヤの役に立ちたかったのよ」

鞠莉「ねぇ、ダイヤ! せっかく、恋人同士になったんだから、今度の休日は二人でデートしましょうよ♪」

ダイヤ「ふふっ、いいですわね♪」

ダイヤ「……」

ダイヤ「ねぇ、鞠莉さん……」

鞠莉「うん?」ニコニコ

ダイヤ「その……ファーストキスの味はどうでしたか///」テレッ

鞠莉「ふふっ」クスッ

鞠莉「やっぱり、ファーストキスはレモンの味だったわ♪」ニコッ


おわり


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ファーストキスといえば、やっぱりレモン味だと思うので、甘酸っぱいダイマリも書きました。

閲覧ありがとうございました。


せっかくなので、ファーストキスの思い出があれば、ここで自由に語っても大丈夫です。

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