【ガルパン】GKBR・ウォー! (154)

キャラ崩壊ありあり
ちょい百合

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みほ「ど、れ、に、し、よ、う、か、な、」

優花里「…………」

みほ「ティーガーパンターマーウースっ、えいっ」

ぴっ

がこん

みほ「あぁ!ふぇぇ……」

優花里「あらら、甘酒……」

みほ「ど、どうしよう優花里さん……私、甘酒……」

優花里「はい。西住殿、私のおしること取り替えっこしましょう?ちょ、ちょっとだけ飲んじゃいましたけど」

みほ「優花里さん、ありがとう!」

優花里「わ、私は西住殿が良いならそれが一番で……むにゃむにゃ」

みほ「んー?」

優花里「そっ、それより西住殿、なんで飲むジュースを運だめしなんかで?」

みほ「いつも同じのばかりじゃ脳に良くないってテレビで言ってたの」

優花里「ははあ、脳に……」

みほ「うん。なんかね、新しい刺激が脳にいいんだって。活性化するんだって」

優花里「……やっぱり、甘酒もちょっと飲んどきます?」

みほ「い、いいよ!甘酒はいいの!別!」

優花里「あははは」

みほ「ん………はぁぁ、おいひい。さ、行こう!」

優花里「ええ、参りま」

???(ガサガサガサ)

優花里「ん?」

みほ「どうしたの優花里さん」

優花里「?いえ……自販機が……ん、なんでもないです!さ、遅刻しますよ!行きましょう!」

みほ「んー?変なの……」

???(ガサガサガサガサ)


ーーーーーーーーーーーー

桃「会長、例のブツが届きました」

杏「ご苦労。モノは?」

桃「ここに」

パリッ

杏「おほおおお、こ、この粉のさらつき……やはりあそこはいい仕事するねぇ」

桃「へっへっへっ」

杏「ひっひっひっ」

むしゃあ

華「あのー、干し芋ですよね?」

杏「ほうらよー」

桃「五十鈴!!会長の楽しみに水を差すな!!」

柚子「桃ちゃんがやりたがってるんでしょ」

桃「う、うるさい!」

華(じゅるり)

沙織「あ!あのあの!そ、それって」

杏「ん?ああ、ん、……経費で落ちるよ。ほい、五十鈴ちゃん、あーん」

華「んむぅ……!」(お、おいひい……!)

沙織「す、すごい!はいはいはい!結婚情報誌は経費に入りますか?」

杏「資料は必要だよねー(にやり)」

沙織「しゅごい!」

桃「お前な……」

柚子「その代わり、ちゃーんとお仕事覚えて、学校のために働かなきゃだめだよ?沙織ちゃん」

沙織「はーい!」

杏「いーい返事だねぇ」

桃「……まあ、やる気があるのはいいことですね」

ガチャ

優花里「秋山優花里、ただいま諜報活動より戻りました!」

杏「おふぁえりー」

華「おかえりなさい、優花里さん」

沙織「ゆかりん大変だねぇ、副会長のお仕事って。肩こりそうだよー」

優花里「おろ?そうですか?秘密の広報体験は楽しかったですよぉ。普通におしゃべりスキルな部分もあるので、やっぱり武部殿なら完璧にやれそうですよ」

桃「おしゃべりって……遊びに行かせたわけじゃないんだぞ」

優花里「もちろん!しっかり聞き出してまいりました!最近噂の黒い影について!!」

沙織「あー、あの、最近、物陰から音がしてどうのこうのっていう、例の?」

華「私の方にもクラスの方からちょくちょく相談を頂いてたのですが、いまいち雲を掴むような話で……」

優花里「あー、それがその、正体とかはやっぱりわからなかったんですよ。すみません……」

桃「いや、そうすぐ上手くはいかんものだ。気にするな」

杏「でも、手ぶらで帰る秋山ちゃんではないよね?」

優花里「はい!聞き込みの結果ですね、どうやら黒い影の出る辺りは限られてるみたいなんですよ」

柚子「限られてるって、どういうこと?場所?条件?」

優花里「その両方ですね。具体的には、暖かくて、影になっているようなところでしょうか」

杏「ふむ……」

沙織「んー、でも、今は秋も暮れだし、暖かいところっていったってなあ」

華「………船舶科は、なんと?」

桃「は?船舶科?」

優花里「さすが五十鈴殿、鋭いですね。黒い影の目撃証言は、船舶科の子に多いんです。具体的には艦の内部ですね。ボイラー室とかはしょっちゅうあるみたいで、皆さん気味悪がってシフトに悪影響が出てるらしいんです」

華「ボイラー室……」

杏「秋山ちゃん、他にはあった?」

優花里「他は、目ぼしいのはあまり……すみません」

杏「んーん。ばっちりだよ秋山ちゃん。ありがとねん。はい、あーん」

優花里「はっ、はい!あーん………ありあおうごあいあふ」

沙織「あー、先輩いけないんだ」

杏「ふっふ、西住ちゃんに怒られちゃうね」

華「ほんとですよ」

優花里「?」もぐもぐ

ーーーーーーーーー

麻子「そんなことより西住さん、このパンを見てくれ。こいつをどう思う?」

みほ「まっ、麻子さ、麻子さんこれ、このこれ!ボコ!!!」

麻子「そう。ボコ蒸しパンだ。シール付き」

沙織「こら麻子。話を変えようとしないの」

みほ「違うよ今の本題はこれだよ!!」

麻子「そうだ。だからそういう怖そうな話は打ち切りだ。はいっ。西住さんはどうしたい?」

みほ「こっ、こここ交換!交換しよ!!あと売ってた場所教えて!!」

麻子「ふふふ、もちろんだとも。その購買のレア商品であるケーキパンとならな」

みほ「ひゃい!あげましゅ!」

華(ああ、みほさん、尻尾が見えますわ……)

麻子「よしよし、それで売り場はな、その購買のレア商品である」

優花里「冷泉殿ぉ!西住殿にそれ以上の狼藉は許しませんよ!というか結構大事なんですからね!黒い影じけ」

麻子「あー!あー!あー!どうしよう西住さん、売り場忘れそう!」

みほ「優花里さんチームはだまっててください!」

ぎゅむっ

優花里(ほああ!だまりますぅ!!)

麻子「ふっふっふ……将が射られて馬がどうして平気でいられるものか」

沙織「麻子ぉ~……!!」

麻子「う!さ、沙織、だって、わざわざお昼時にそんな話する必要は」

華「じゃあ夜に話しましょうか?」

麻子「だめだだめだだめだ!お風呂入れなくなる!ていうか今されてもだめだ!」

華「沙織さん」

沙織「うん、じゃあ一緒に入ろ。私がシャンプーしたげるから」

麻子「えっ!!うっ、うっ、うう~………うう(がくっ)」

沙織「決まりだね」

華「ほんとにむっつりさんですね」

みほ「待って、パン!ボコパン売り場」

沙織「麻子」

麻子「……スーパーだ。うちの近くの」

みほ「はああっ……盲点っ……買い尽くさなきゃ」

華「それで、麻子さんはどう思います?暖かくて、影になっていて、黒い影」

麻子「はあっ、はああ、やめてぇ、ファンシーな感じの響きの言葉を使ってくれぇ」

沙織「じゃあ黒りん。黒りんの正体」

みほ(なんか嫌だなぁ……)

麻子「黒りん……うん。うん、………あぁ、いやしかし、それは考えにくいな」

華「心当たりが?」

麻子「なくは無い。が、この艦の防疫設備はしっかりしているし、侵入経路がない。……もし私の予想が当たっていたら大問題だしな」

優花里「大問題ですか?」

麻子「ああ。ま、それだけに杞憂ということだ。どうせ妙な噂が勘違いを起こさせているんだろう。さて、私は寝る。沙織、約束だからな」

優花里「あっ、まっ、待ってくださいよ!その知恵を」

麻子「寝るっ」

優花里「もぉ~……」

沙織「はいはい。ごゆっくり」

麻子「ん」

カチャ

パタン

華「IV号は麻子さんのお昼寝スポットですねぇ」

みほ「麻子さん、午後の授業大丈夫かな」

沙織「私がなんとか叩き起こすから心配しないで。ほんと、テコでも起きようとしないけど」

優花里「冷泉殿の単位は武部殿の双肩にかかってますからねぇ」

沙織「かかりすぎだよ、全く」

あ゛に゛ゃ゛ーーーーーーっ!!!

沙織「まっ麻子!?」

みほ「どうしたの麻子さん!?」

ガツン!ゴツン!ドタドタ……

ガチャッ

ゴロゴロゴロん!

優花里「うわぁっ!!」

みほ「ちょっ」

華「だ、大丈夫ですか?」

麻子「はひ、はひ、はひ……!!!」

沙織「あっぶないよ麻子!!!どうしたの!!?」

麻子「さささ沙織!!!よよよIV号!!中に!!中に!!!」

みほ「なっ、なにっ、なにっ、なにっ」

優花里「あででで西住殿握力握力!!!」

沙織「なになになんなの!?」

華「みなさん落ち着いてください。麻子さん、何を見たのですか?」

麻子「ごっごっ」

華「ごりら~」

麻子「ゴキブリが!!!」

・・・・・

ひえええええええ!!!!!!


ーーーーーーーーーーーー

杏「緊急会議だ」

でん、でん、でん、でん、でんでん
でん、でん、でん、でん、でんでん

桃「今回、皆に集まってもらったのは他でもない。今日の昼に発生したバイオハザードに関することだ」

カエサル「バイオハザード?」

桃「ああ。事態は深刻だ。発覚すれば大洗学園艦の責任問題になりかねん。作戦は一刻を争う」

柚子「急に集まってもらってみんなには悪いんだけど、今回の案件には速度と鉄の結束が必要なの」

ねこにゃー「バイオ~ハッザード(小声)」

ナカジマ「アウウウウン……」

梓「それじゃないと思います」

柚子「ナイスマジレスよ、澤ちゃん」

桃「発見者は冷泉麻子。今日の昼、いつもの如く昼寝をしようとIV号に潜り込んだところ」

そど子「ちょっと!冷泉さん!戦車の無断私物使用は禁止でしょ!」

麻子「まあ待てそど子。今はそれより重要なことがあるだろう」

そど子「ぐっ、もっともらしいことを……!」

桃「……潜り込んだところ、件の生物が操縦席の辺りに出没した、ということだ。数は3。確保済みだ」

典子「件の生物?」

桃「……ゴキブリだ」

!!!!!

カエサル「……まずいじゃないか」

ナカジマ「おいおい、シャレにならないね、マジで」

杏「……ああ」

桃「そうだ。何とか穏便に、秘密裏に、事を荒立てず、速やかに収束させたい」

梓「あのぅ、なんでゴキブリなんかでそんなに大騒ぎしてるんですか?」

桃「なっ……!?」

典子「あっ、それ私も思った」

ねこにゃー「わっ私も」

優花里「しょっ、正気ですか皆さん!」

華「んー、実は私も事の重大さがいまいち把握できておらず……」

みほ「華さんも?」

沙織「ごめん、私もなんか、先輩達がエバンゲリオンみたいだったから深刻なオーラをつい……」

カエサル「おっ、おいおいおいマジか……」

桃「まずい、皆の意識の低さがまずい……!!!」

杏「知らなきゃしょーがないよ、かぁしま。秋山ちゃん。いい機会だ、説明してみて」

優花里「へっ?………はい、分かりました」

みほ(優花里さんキリッとしてる。かわいい)

ガタッ

コツコツコツ、コツン

優花里「まず、皆さんが暮らしているこの学園艦は文字通り学校であり、また生活圏であり、ある意味で擬似国家としての側面があります」

優花里「学園艦間の交流には毎回そこそこ面倒な手続きがあり、学園艦同士で貿易の真似事をしていることをご存知の方も少なくはないはず」

ねこにゃー「ほええ……」

梓「あ、そういえば練習試合で同時に停泊すると、トラックみたいなのが行き来してましたよね」

優花里「それです。聖グロなら茶葉、サンダースなら映画、プラウダならウォッカ、黒森峰ならビールにソーセージといった具合に、それぞれの学校の特色あるものをやり取りしています」

みほ「黒森峰のビールがたまに高いけど置いてあるなあと思ったら……」

沙織「サンダース生謹製の映画、普通にお金取ってくるしそういうレベルだったけど、元々商品として出してたんだねぇ」

優花里「ええ。もちろん学園艦全体の収益としては微々たるものですが、ここで問題になるのは『信頼』です」

典子「信頼?」

優花里「そうです。我々大洗の特産は干し芋。ほとんどの他校と同じ食品ですが、皆さん、ペヤ○グの騒ぎは覚えていますか?」

ねこにゃー「あれ、ひどかったよ。私、ペヤング大好きなのに」

そど子「まあ、ゴキブリ焼きそばだのなんだの……あれから買おうとは私は思えなくなったわね」

優花里「ああなります」

へ?

優花里「ああいう扱いを受けます」

へ?

優花里「あらゆる外交において我々は、大洗『ゴキブリ』女子学園という扱いを受けます」

典子「そっ、そんな!」

沙織「タチの悪いミドルネームみたいになってるじゃん!!」

優花里「まさに。血の如くついて回ります。『あ、この干し芋美味しそう!どこの?ぴらっ、ゲ、大洗……』こうなります」

みほ「い、いやすぎるね……」

カエサル「いや、まだそのケースはマシだ。輸入してもらえているからな」

梓「へっ?」

桃「……鈴木の言う通りだ。発覚した場合、最悪我々は、あらゆる国交を断絶される恐れすらある」

典子「さっ、さすがにそれはやり過ぎでしょ!」

梓「だって、たかがゴキブリでしょう?そんなまるで、流行り病みたいに」

ナカジマ「甘いね」

優花里「甘いです!私は実家が学園艦なので分かります。回りを海に囲まれた船において、病気や細菌、食料品への被害にケーブル!電気配線にまで被害を及ぼすゴキブリの存在はまさに恐怖!!!命に関わります!!絶対に招き入れてはならない災いなのです!!」

杏「そして、大大的な検疫と清掃が入るだろうね」

!!!!!!

華「……最悪のシナリオまで見えますね」

沙織「な、なるほどね……」

杏「君達が聡い子で助かるよ、五十鈴ちゃん、武部ちゃん」

典子「?ヤバいのは分かりますが……」

梓「すみません、どういうことですか?」

ねこにゃー「三行でplz」

華「役人 大喜び 廃校」

典子「なああああにいいいいいいいい!!!」

梓「役人を殺しましょう!(錯乱)」

ねこにゃー「やっ、ヤバいにゃ!ヤバいにゃあああああ!!!」

杏「みんなが焦ってくれて嬉しいよ。でも澤ちゃん、ヤバいね。あのメガネ君はかわいそうな板挟みさんだからね。穏便にね」

梓「じゃあその上の人達を沈めましょう!(錯乱)」

杏「うん、そこが本質なんだけど、穏便にね」

桃「ヤバいな澤……」

みほ「さ、澤ちゃん、役人さんを殺しちゃだめだよ」

梓「はっ、はい!」

麻子「そうだ。我々が今するべきことは何だ?」

カエサル「駆逐することだな、ゴキブリを。徹底的に」

麻子「会長、戦おう。私もこの艦には愛着がある」

杏「冷泉ちゃん……」

そど子「……殊勝じゃないの。見直したわ」

麻子「参謀は任せろ。あんこうチームとカメチームは作戦室でブレイン。他が実行部隊。そど子は切り込み隊長だ。船内の方、よろしくな」

そど子「くわっ」

麻子「痛い!チョップするな!やめろ!」

沙織「そど子さん、もう一撃どうぞ」

麻子「わ!沙織!お、おまっ、あたってふぎゃっ!!」

みほ「あ、あはは……」

優花里「冷泉殿、おでこもほっぺも真っ赤ですね」

華「とにかく、作戦開始ですね?」

杏「ああ、これは小さな戦争だ。ゴキブリ・ウォー、開戦!!」

一旦ここまでです
読んでくださってありがとうございます

完全見切り発車なので、のんびり読んでもらえると嬉しいです

梓「というわけで、私たちは学校を隅々までチェックしながら、この殺虫ペレットを置きまくります」

あゆみ「んー、なんというか、ペレットって、それで間に合うの?」

梓「うん、とりあえずはチェックの方が大事かな。どういうわけか、どこに根城があるのかさっぱりわからないのがヤバいらしいの。だから早急に調べて、それに合わせて対策練るみたい。そのついでだって」

桂利奈「他のみんなは?」

梓「うん。基本的にチームごとに割り振られてる場所で同じことしてるはず。特別な役割としては、冷泉先輩が相談役で、武部先輩が通信手。このマイクを繋げればすぐに通信できるよ」

優季「わぁ~」

梓「それと、五十鈴先輩とカメさんチームと、レオポンさんチームは別のことするらしいね。……どしたの?あや」

あや「んんー、これ。こんなん置いとくだけでいいの?」

桂利奈「あ、私もそれ気になる」

梓「これね、食べたゴキブリが死んで、その死んだゴキブリを食べたゴキブリが死んで……ってなるらしいよ」

優季「まゆつば~」

あや「ゴキちゃんってすごい食欲だね。……あ、五十鈴先輩みた」

桂利奈「あや!さすがにそれは失礼すぎるよ!」

紗希(ぷるぷる)

あゆみ「あれ?紗希どしたの?ゴキブリ苦手なの?」

紗希(こくこく)

優季「意外かも~」

あや「うん。蝶々とかてんとう虫とか平気だし、けろっとしながら潰せるかと思ってた」

紗希(ぶんぶんぶん)(真っ青)

あゆみ(かわいい)

梓「ん、じゃあ紗希はペレット置き役をお願いね。みんなにもそれぞれ役目を割り振るから、分担して素早く作戦遂行だよ!」

はーい!!

~生徒会室~

麻子「……………」

沙織「麻子、結局ブレイン役を固持したね」

麻子「ん、ああ。当然だ。私のいるべき場所はここだ」

沙織「まあ、いいけどね。その代わり相談が来たらちゃーんと頭使ってもらうからね」

麻子「常に使っている(がさごそ)」

沙織「あっ、麻子!何してるの!?」

麻子「使途不明金の調査だ。この戸棚は色々あやし……おっ、ケーキ!ケーキあるぞ沙織!!」

沙織「こっ、こぉら、麻子、そっ、そんな、そんな………おおお………」

麻子「女子力も味力も高そうな見た目じゃないか……名前が書いてあるな……かわしま……ふむ……」

沙織「……だめだよ。だめだよね?」

麻子「……いいんじゃないか?今カメさん達は別行動だし……それに河嶋先輩……逆にいいんじゃないか?」

沙織「………や、だめだよ。さすがにだめだよ」

麻子「………こんなところにこんなものがある方が問題じゃないか?管理が甘くないか?もし今のようにいきなりガサ入れがあったとして、これが発覚したら、まずいだろう?なあ?」

沙織「そっ、そっかぁ。そういう考え方もー……できなくはないかぁ」

麻子「そうだ沙織。避難させよう。これを避難させよう」

沙織「どっ、どこに」

麻子「ここに」

ちょんちょん

沙織「あっ、こらっ。………な、泣いたりしないよね、河嶋先輩」

麻子「そしたら、今度奢ってやれば良い。生徒会の新旧広報同士、話をする良いきっかけにもなるだろう」

沙織「ま、麻子……そこまで……!」

麻子(まあ私は九割五分食べたいだけだが)

沙織「……よ、よし、避難、避難誘導開始ー……!!」

ザザッ、ザーッ

『武部せんぱぁい?聞こえますかぁ?』

沙織「うひゃあっ!」

麻子「うおっ!」

『はひっ!なっ、なになに、どうしたのぉ』

沙織「あっ、ごっ、ごめん、優季ちゃん?こちら生徒会室。どうしたの?何かあった?」

『えっ、あの、何でもないですぅ。えへ、なんとなく、武部先輩に繋がるかなーって』

沙織「……かわいいこと言ってくれちゃって、もう。でも、私用での無線の使用は禁止だからね。他に大事な用事があったら困るでしょ?いい?」

『はぁ~い。気をつけまぁす』

沙織「ん!じゃあみんな、頑張ってね!」

『みんな、武部先輩頑張ってだって~(はぁーい!!!)頑張りまぁす!失礼しましたぁ』

ザザッ

沙織「ふー……焦った」

麻子「えらい好かれてるな、沙織」

沙織「えへ、嬉しいね。少しでもいい先輩らしく………」

麻子「………」

ケーキ(かわしま)「………」

沙織「………」

麻子(ちらっ)

沙織「や、やっぱだめだよぉ!麻子、だめ!戻して戻して戻して!!!」

麻子「わ、分かった。分かった」

ケーキ(かわしま)「………」

麻子(ちらっ)

沙織「だめなものはダメ!危ないとこだったよ、全く!」

麻子「くっ、せっかく他の連中が働いている中優雅に一服かましてやろうと思ったのに……」

沙織「そう、みんな働いてるんだから!私たちも仕事仕事!!」

麻子「ああ、了解だ。ちぇ……」

ごそ、ごそ、ぱたん

………………

沙織「艦の最深部みたいな超アヤシいところに行ってるチームもいるし、気合入れようね!」

麻子「はいはい」

沙織「はいは一回!」

麻子「はーい」

ーーーーーーーーーー

~学園艦最深部前~

エルヴィン「で、なんで私たちなんだ(半ギレ)」

おりょう「さすがのエルヴィンもカメラ目線で切れてるぜよ」

左衛門佐「カメラ?なんだそれ」

カエサル「たまに変なこと言い出すからな、あいつら」

エルヴィン「実際おかしいだろう!なんで流れるように我々が艦内最深部に行くことになってるんだよ!」

カエサル「他の連中だって、それぞれ広ーい活動場所割り振られてるだろ。むしろマシじゃないか」

エルヴィン「そうじゃなくて!どう考えてもここが一番ヤバいだろ!!こう……巣食ってるだろ!!!」

カエサル「……我々はさ、ちん○ん付いてる扱いされがちだからな」

左衛門佐「まあな、ビジュアルも振る舞いもな……」

おりょう「聞いた話だけど、私たちのファンクラブとかあるらしいぜよ。一緒に暮らしててみっともない姿知ってるからおいおいマジか大丈夫かとしか思えないぜよ」

エルヴィン「だとしても女尊男卑ってやつだろ?問題だよ!」

カエサル「女であることを捨てちゃだめだぞエルヴィン」

左衛門佐「バリタチの彼女持ちが何言ってんだか」

カエサル「違いない!」

カエサル・左衛門佐「はっはっは!!!」

エルヴィン「くっ、お気楽極楽な……」

おりょう「とにかく、ここ降りたら最深部ぜよ。船舶科もたまの整備の時くらいしか入らないらしいから、気を付けて行ってくるぜよ~」

エルヴィン「お前も行くんだぞ?」

おりょう「むぎゅぎゅ!」

カエサル「ま、我々が命運を握るポジションであり得るのは確かだ。気を引き締めてかるぞ」

「「「おう!!」」」

カエサル「もんざ、一番でかいライトと詳しい調査頼むな。 「合点承知」 私は連絡係を兼ねつつ、この殺虫ペレットを普通には見えないところに置きまくる。おりょう、お前は調査と、このスプレー持っとけ。我々は『交戦』の可能性が高いと予想されている。 「……了解ぜよ」」

エルヴィン「私は?」

カエサル「これだ。丸めて使え」

つゼクシィ

エルヴィン「…………」

スパァン!!!

カエサル「い゛っっった!!!」

エルヴィン「よし、行くか」

カエサル「おいっ、待て!なんではたいたんだ、おい!」

エルヴィン「私の気は済んだ。行くぞお前たち!カバさんフォー!!」

カエサル「貴様!私にも一発殴らせろ!」

ギャイギャイ……



ギギギギ

バタン

ガササッ

ーーーーーーーーーー

話あんまり進んでませんが、とりあえずここまでです

読んでくださった方、ありがとうございます

~学園艦、科学室~

柚子「ほっ、ほんとにやるの桃ちゃあん……」

桃「あっ、当たり前だ。会長……元会長と五十鈴は各所に根回しをしてくれている。私たちには手伝いようもない。しかしゴキブリを退治するどころか、自由に動き回るゴキブリを探す勇気すら私にはない……騒ぎまくって足を引っ張るのが関の山だ」

柚子「それはその通りだろうけど」

桃「フォローしてぇ……」

柚子「だ、だからって、ゴキブリの生態を調べるったって、解剖してみるったって、なんでそんなことを……」

桃「ほ、他のチームは自分の足で探してるんだ!私もきついことしなくちゃ割に合わないだろ!!」

柚子(ああ、久々に出た、『桃算』。桃ちゃんの脳内には昔っからわけがわからない方程式があるんだよなぁ~……)

桃「そ、それにはこれしか思いつかなかったんだもん。お、思いついちゃったんだもん……」

メス(プルプルプル)

柚子「ふ、震えてるじゃない。やめようよぉ」

桃「や、やる!!だからこそやる!!」

柚子「お腹開いて分かるの?それで何が分かるの?科学者じゃないでしょ桃ちゃん、CSIの見過ぎだよぉ……」

桃「やってみなきゃ分かんないだろ!……よ、よし、瓶、出すぞ、出すからな」

柚子(密閉してる瓶すら怖がってるのに……)

桃「ふっ!うひっ!……あれ?」

カサカサカサ……

柚子「い、一匹しかいない……?」

桃「なんで……?」

ーーーーーーーーーー

~学園艦、倉庫ブロック~

みほ「えーんたーえーんたーみっしょーーんはやくーここにおいでー」

優花里「いーっしょーけーんめーおいかけーたいよー」

みほ・優花里「ちからいっぱ『ガタン!!!』うわあっ!!!」

みほ「ゆゆゆゆゆ!!!」

優花里「にっ西住殿!手が!!手がああああ!!!」

みほ「ご、ごめごめごめん!!」

優花里「はぁ……はぁ……ぐおお…………だ、大丈夫、大丈夫です」ジンジン

みほ「う、うそ、だってほら、手が真っ赤っか」

優花里「大丈夫です。ゆかりん大丈夫」ジンジン

みほ「ゆかりんオーケー?」

優花里「ゆかりんオーケー」ジンジン

みほ「ご、ごめんねえ……」

優花里「平気ですって。……どうやらこれみたいです。物置の……。適当に積むんだから、もう」

コトッ、コトッ

みほ「ふえええ、やっぱり私たち二人だけっておかしいよお。割り振りはずっと狭いけど薄暗いし怖いし……」

優花里「い、いいじゃないですか。冷泉殿と角谷前会長が何を考えてるかは分かりませんが、我々を信頼してくれているのは確実です」

みほ「そうかなあ……」

優花里「そうですよ。……ん、ここまでチェック完了です」

みほ「見つからないね。卵とか……見つかって欲しくもないけど」

優花里「ええ。内心カバさんチーム以外では、我々の担当区画はトップクラスにヤバいはずと思っていたのですが……」

みほ「あ、待って。………………こちらゆかみほさんチーム、了解です」

優花里(何度聞いても安直すぎる……)

みほ「沙織さんから定時連絡です。まだ敵のフラッグは発見出来ず、探索続行されたし、とのことです」

優花里「ふーむ………」

みほ「どうしたの優花里さん」

優花里「流石におかしくありませんか?」

みほ「ふぇ?」

優花里「学園艦広しといえど、あまりにもなんというか……相手が上手すぎません?」

みほ「…………」

優花里「一寸の虫にもとは言いますが、なんというか、ここまでいる痕跡すら残さないというのは可能なんでしょうか」

みほ「………不可能ではない、とは思うけど………」

優花里「言い方は何ですが、いくら脅威とはいえ相手の知能はたかが虫ですよ?そもそもの噂からして黒い影……冷泉殿が見つけるまで実体すら掴めなかったというのは、流石におかしいのでは」

みほ「待って!」

優花里「!」

みほ「……………こちらゆかみほさんチーム、了か……えええ!?」

優花里「何と!?」

みほ「カバさんチームが接敵したそうです!……………そんな!!」

優花里「どうしました!?」

みほ「ゆっ、優花里さん!!!撤退命令です!!!アヒルさん、アリクイさん、カバさん、ゆかみほさん各チームは現状の持ち場を放棄し、急ぎ表層まで撤退します!!!」

優花里「撤退!?ゴキブリ相手に!?」

ガササッ
ガサササッ

みほ「!!いっ、急いで!早く!!」

優花里「に、西住殿、何、を……」

ガサッ!!

弩級ゴキブリ「…………」

みほ「ひ……!!」

優花里「でかあああああああああ!!!!?」

ーーーーーーーーーー

~学園艦内部~

ガササササササ!!

典子「ははは走り込みだ!!!これは走り込みだ!!!プラウダ戦を思い出せ!!!根性ーーーーッ!!!!!!」

あけび「はいいいい!!!」

妙子「待って待って待ってでかすぎだよあれ大型犬くらいあるよ!?」

忍「流石に普通ほど機敏には動けないみたいだけど……!!!」

典子「こ、個性だ、きっとあいつらにも個性があるんだ!!!」

あけび「青春っぽくいえばいいってもんじゃないでしょーー!!!」

忍「待ってください!!!このルート……まずい!!!」

典子「何………ええ!?行き止まり!?」

妙子「お、追い込まれたの?これわざと追い込まれてない!?」

あけび「そ、そんなわけ……」

ギチギチギチ……

あけび・妙子「ひいいいいいい!!!」

典子「河西いいいいい!!!ブロードクイック!!!」

とんっ

忍「!!!アターック!!!」

巨大ゴキブリ「!!!」

メシャアッ

巨大ゴキブリ「…………」

ガサッ……ピクッピクッピクッ

典子「イエー!!かわにしぃ!!」

忍「ナイストスキャプテン!!」

パシーン!!

妙子「す、すごい!!!ナイスキーーーー!!!」

あけび「忍!!忍結婚してぇ!!!」

典子「うちのスーパーエースを舐めるなぁ!!!」

忍「次は代々木じゃーーー!!!」

「「「「根性ーーーーーーッ!!!!」」」」

ガサッ

典子「………え」

ガササササササッ

あけび「あ、あれ、なんか、音が……」

巨大ゴキブリ「…………」

巨大ゴキブリ「…………」

巨大ゴキブリ「…………」

忍「…………」

妙子「増えてない?」

典子「……根性で逃げろーーーーッ!!!!!!」

ーーーーーーーーーー

~学園艦内部、表層付近~

カエサル「どおおおおおっっ!!!」

左衛門佐「せえええええい!!!」

ぽーん

どさっ

おりょう「ぐへっ」

左衛門佐「エルヴィン!!!もういい!!!走れ!!!」

エルヴィン「ひいっ!!!ひいっ!!!ひいいいっ!!!」

ダカダカダカ……

巨大ゴキブリ「!!!」

巨大ゴキブリ「!!!」

ガササササササッ

エルヴィン「うおおおお!!!」

ずさーーーー

ねこにゃー「ふぁいとおおおおお!!!」

ももがー・ぴよたん「いっぱああああああつ!!!」

ぎぎぎぎ……がごん

ドザザザッ
ガシャガシャガシャガシャ……

エルヴィン「さっ、殺到してる……」ゾワワ

ねこにゃー「こちらアリクイチーム!!!全隔壁封鎖完了!!!」

沙織『ありがとう!これでとりあえず表層にはそうそう来れないはずだよ!』

カエサル「船舶科の連中は!?」

沙織『もう半自動航行にして全員脱出済み!安心して!』

左衛門佐「流石に艦内はお任せってことか」

エルヴィン「う、うぐっ、えぐっ……」

カエサル「え、エルヴィン、お前、すごい、お前すごいよ」

左衛門佐「ゼクシィがあれほど戦えるなんて……」

カエサル「突きはヤバいな。ゼクシィの突きはヤバい……」

典子「なんとか全員無事か……」

ねこにゃー「う、うん。とりあえず全チームみんな欠けなく集まってるよ」

ももがー「ははは、ほんと、マジ死ぬかと思ったもも……」

ぴよたん「レオンもクレアもほんとすごいずら……もうショッピングモールに閉じ込められる妄想とかする気にならないずら……」

妙子「……ん……?」

カエサル「しかし、危険度のベクトルがもはや完全に別向きだな」

左衛門佐「ああ。こうなってくるとリアルに命の危険だ。もう我々だけでどうこうできる問題ではないぞ」

エルヴィン「私もうだめ。私もうだめ……」

おりょう「エルヴィン……よしよし」

エルヴィン「おりょううううう」

カエサル「ああ、おりょうの母性の塊が疲れ果てたエルヴィンの魂を休ませてあげている……」

左衛門佐「ただの運動不足でぶ重りからランクアップだな……」

おりょう「言い過ぎぜよ!聞こえてるぜよ!!」

『とりあえずみんな、一旦生徒会室に……』

妙子「待って!!!」

典子「ど、どうした近藤」

忍「妙子、今は緊急事態だよ」

あけび「妙ちゃん、どうでもいいことなら後に……」

妙子「西住隊長と秋山殿先輩、いなくない?」

ーーーーーーーーーー

とりあえずここまでです
読んでくださってありがとうございます

~通信室~

杏「ん、そう。だから、全然中止されても仕方ないし。……もし良ければ、どんなことでも力を貸して欲しいんだけど」

『………どうしますか?』

杏「………………」

『……………無論です。私達に何が手伝えるかわからないけど、とりあえず合流するわ』

杏「助かるよ~。それと、このことは」

『分かってる。わざわざ秘匿回線なんか使ってるんだもの。それくらいのデリカシーは備えてるつもりよ』

杏「ありがたいねぇ」

『じゃあ、切るわ。どうせ忙しいんでしょ?』

杏「へへへ、ほんと良く汲んでくれるよねぇ。うちに来て欲しいなぁ?」

『冗談。むしろ、…………、首を洗って待ってなさいとでも言っといて』

杏「……ああ~……。悪いね」

『あ?何を思ったのか知らないけど、きっとあんたの予想は』

杏「うへっ、じゃよろしくぅ!」

『ちょっ』

ガチャン!

杏「………あー、全く。変なところに地雷があるね」

華「会長、指示のあった資料、集めてきました」

杏「さんきゅー五十鈴ちゃん。でも、会長は君だろ?」

華「あ、これはうっかり」

杏「ふふふ、困るよ。これからの大洗をゆるーくまとめるのは君なんだからさ」

華「ええ。これからの大洗、必ず私が取りまとめさせていただきますわ」

杏「んふふ、よしよし」

華「?」

杏「なんでもないよ。(ぺらり)………ふむ」

華「出入り業者の貨物は、搬入時に監査局から万全の検疫をされている、という話ですよね」

杏「うん……だから基本的に貨物に紛れて入り込むということは、ありえない。偶然に入るって可能性も限りなくゼロかな」

華「かい……角谷さんの仰る通り、この状況が人為的なものでしたら、むしろこちらのリストでは?」

杏「うん?」

《寄港時外出申請者表》

杏「……五十鈴ちゃん、自分で色々考えてくれたんだね?嬉しいよ」

華「…………」

杏「でもごめんね、そっちではおそらくないんだな。身内を疑うのは最後でいいし、今回それは必要ないと思うよー」

華「そ、それはもちろん私も……ですが、何故言い切れるのですか?」

杏「欲の皮の突っ張った方々は、とんでもない行動力ってこと。五十鈴ちゃん、今度はこのラインを引いた業者を調べまくってちょーだい。あの端末でね」

華「了解しました。……会長の権限、濫用しまくりですね」

杏「んふふ、学園艦の会長には清濁併せ呑む度量がいるのだ」

華「肝に銘じますわ……」

ザザッ

沙織『こちら生徒会室!!全員聞こえる!!?』

杏「はーいこちら通信室、たぁけべちゃん、どったの?」

沙織『全員、今すぐ下層に急行して!!早く!!!』

華「なっ」

杏「どうしたの武部ちゃん。落ち着いて、簡潔に状況を伝えて」

沙織『ゆかみほさんチームがまだ下層に取り残されてます!!でっかいゴキブリがいっぱいいる中に!!』

華・杏「!」

ーーーーーーーーー

~生徒会室~

沙織「みんな!!すっ、すぐ下に戻って!!!今すぐ!!!」

麻子「落ち着け」

沙織「なんで!!!じゃあ私行く!!!」

麻子「落ち着け!」

沙織「無理だよ!!」

麻子「いいか沙織、まず今隔壁を開けてどうなる。巨大なゴキブリは入ってくる、我々は有効な攻撃手段を持たない。いたずらに被害を大きくするだけだ」

沙織「じゃあ二人は!?でっかいゴキブリに今頃二人とも、早く助けなきゃ!!!」

麻子「二人が簡単にくたばるようには私はとても思えん」

沙織「そんな!二人とも普通の……うん!!普通の女の子じゃん!!二人がもし……」

麻子「今は信じるほかないぞ、沙織」

沙織「でも!!」

ザザッ

沙織「!こちら生徒会室!送れ!!」

『こちらゆかみほさんチーム!こちらは無事です!!』

沙織「み、みほ、ゆかりん!!!よ……良かったぁ……」

麻子(ほ……)へな………

『沙織さん、連絡出来ずにごめんね、ヘッドセット、思わず投げつけちゃって……』

沙織「へ?じゃあ二人は今どうやって……」

『それが……うわぁ!!優花里さん!!撃って撃って撃って!!』

了解です!

ドガガガガガ

沙織「え?へ?」

『あ、あの!あんまり持ちそうにありません!!いや、持ちそうなんだけど、命とかは大丈夫そうなんだけど』

いいいいーーーっ!!し、汁がぁ!!!

『あああ閉じよう!もう見たくないよ閉じよう!!』

麻子「??」

沙織「み、みぽりん?」

ぐろいですううううう!!!

『沙織さん!!心が折れる前に来てえ!!!』

麻子「一体どういう……」

沙織「……分かった!!場所は!?」

『そ、倉庫ブロック!A3のはず!』

沙織「了解!!なるべく急ぐけど、身の危険性、状況の危険性はどれほど!?」

『うううう……ふうううう……私達は、今は安全、安全だけど!周りのゴキブリは大きさが物凄く物凄くてほんともうやばいです………!!』

(ガサゴソガサゴソ)

あああぐろいいいいい!!!音があああああ!!!

ドガガガガガ

沙織「りょ、了解!じゃあ、決して焦らず、急いで歩いて、それでゆかみほさんチームをたすけに行きます!」

『走ってええええ……!!あっ』

ザザッ

沙織「み、みぽりん!?みぽりん!!?……切れちゃった」

麻子「…………」

沙織「…………」

麻子「……よく分からんが」

麻子・沙織「なるべく急ごう」


ーーーーーーーーー

~学園艦内、倉庫ブロック、何かの中~

ガサガサガサガサ

ぱんぱんぱぱぱん

みほ・優花里「マジカルバナナ!」

優花里「バナナといったら黄色!」

みほ「黄色といったらレモン!」

優花里「レモンといったら酸っぱい!」

みほ「酸っぱいといったら酢の物!」

優花里「す酢の物!といったらあの日の思い出……」

みほ「(!?)あっ、あの日の思い出といったら夕焼け!!」

優花里「(!)夕焼けといったら優勝!!」

みほ「優勝といったらみんな!」

優花里「みんなといったら幸せ!」

みほ「幸せといったらお風呂!」

優花里「お風呂といったら西住殿!!」

みほ「な、……なんで!?」

優花里「(やば)なんでといったらこの状況!」

みほ「こっ、この状況といったらガサガサガサ……」

優花里「ガサガサガサといったら……」

ガサガサガサガサ

みほ「ふ、ふぇぇぇ……思い出しちゃった、思い出しちゃった……」

優花里「耳をぽんぽんしながらあーわわわうーわわわうーしましょう!」

みほ「あーわわわうーわわわうー」

優花里「あーわわわうーわわわうー」

ガサッ、ガサッ、ガサッ……

みほ「あーわわわ……だめだよぉ、合間合間にガサガサが入って耳の中で踊りだすよぉ」

優花里「あ、合いの手です、合いの手」

みほ「み、みんな私達のこと忘れてるんじゃ……」

優花里「大丈夫ですよ。大丈夫です。皆さん決める時は決めてくれる方ばかりですから。そんな方々が我々の絶対的ピンチを見逃すわけありませんよ」

みほ「り、理論がよくわかんないよぉ」

優花里「まぁまぁ。とりあえずマジカルバナナで気を紛らわせましょう!」

みほ「う、うん」

ぱんぱんぱぱぱん

みほ・優花里「マジカルバナナ!」

ーーーーーーーーー

~会議室~

典子「冷泉さん、今すぐカチコミかけなくていいの!?」

ねこにゃー「い、いつでも行けるよ、私たち」

麻子「落ち着いてくれ、武闘派さんチーム。どうやら、西住さん達は今すぐに命がどうこうってわけではないらしい」

梓「でっ、でも、あんなゴキブリの群れの中に二人きりなんて……!!」

麻子「ああ。ほっておいては決して良く無い。が、無策で行けるほど楽観的な状況でもない。西住さん達には沙織が交信を試み続けてくれている。………手短に情報を整理しよう」

麻子「まず、最初にゴキブリを見つけたのはカバさんチームだった。そうだな?」

カエサル「……ああ。最深部、ちょうどエンジンブロック付近だ。辺りに卵の痕跡とかも無かったんだが……」

左衛門佐「エンジンの影響で辺りがまた暑くて、照明も最低限だから暗くて暗くて」

麻子「エンジンブロック……最深部も最深部だな」

おりょう「ぜよ。それで、ちょうど我々が手入れすらされていない物置に入りきった時ぜよ。まさに最悪のタイミングで、後ろからガサガサガサっと……」

エルヴィン「ひいいいい!!」

梓「え、エルヴィン先輩?」

カエサル「一番勇猛に戦ったんだ。戦いの後遺症なんだ……」

おりょう「よしよし」

麻子「それから?」

カエサル「後はもう、ひたすら上に上に逃げ続けたよ。おりょうのでぶちんはすぐバテて『もう無理』しか言わなくなるし、遅いし」

左衛門佐「ああ。キレたエルヴィンが身体張ってくれてなかったら今頃どうなっていたか」

おりょう「で、でぶちんじゃないぜよ!マシュマロ女子ぜよ!」

エルヴィン「二度とやんないからな!!二度とやんないからな!!!」

麻子「ふむ。……他のチームも似たような感じか?」

典子「私たちも大体同じだね。深く入って、追っかけられたところも含めて」

ねこにゃー「私たちのとこは数もかなりいっぱいいたから焦ったにゃ……」

ぴよたん「まあ、それでも大きさはでっかいネズミくらいのものだったから、一匹二匹思い切り蹴っ飛ばしたらびびったのか寄ってこなくなったずら」

麻子「んん……?」

そど子「冷泉さん、考えるのもいいけど、西住さん達のことも早くなんとかしなくちゃ不味くない?」

麻子「分かっている……そど子達、表層組はでかいのには遭遇しなかったんだよな?」

そど子「ええ、風紀委員総動員で当たったけど、見つけたのは十数匹……それも、自販機とかの中にポツンといたのくらいなものよ」

麻子「自販機?単独で?」

そど子「自販機よ。徹底的にって言われたもの。そのくらいやるわ」

梓「ど、どうしよう、すみません、私達そこまで徹底的にはできてないかもしれません」

麻子「いや、良い。表層のは大丈夫だ。案もある。それより、何故やつらは群れたり群れなかったりするんだ。大きさもまちまち。それに、エルヴィンさんだけ最後までやたら追いかけられたのも気になる……」

妙子「ねぇ隊長と秋山殿先輩が心配だよ冷泉先輩!!」

あけび「こっ、こら、妙ちゃん!」

麻子「……いや、そうだな。その通りだ。今は具体的な救出策か。とにかく身を守る術だ」

あや「身を守る術」

麻子「どうにも奴ら、虫にしては頭が冴えるらしい。丸腰どころか、生身で行くのは自殺行為だ。ゴキブリは雑食だしな」

紗希(ぞぞぞぞ)

あゆみ「だ、大丈夫大丈夫。さすがに食べられやしないよ」

典子「冴えるか……私達が追い詰められたのは」

麻子「信じがたいが、作為的なものかもしれん。カバさんチームにも不意を取ろうとしたように思える。……身を守りながら、圧倒的に有利を取れる武器がいる」

桂利奈「そんなの一つだよ!」

優季「はぁい、戦車戦車!」

あや「私もそれ!」

梓「どうやって持ち込むの」

桂利奈「気合で入り口を壊す」

優季「がんばって押し込む」

あや「こう、そいやっ!そいやっ!って」シュッ!シュッ!

梓「あのね……ていうかあや、何その手の動き……」

あや「壊した入り口から戦車を押し込んでるんだよ。わかるでしょ?」

あゆみ「くっ、これで高校生だなんて……」

紗希(…………)

麻子「…………」

麻子「…………割り切ることも必要だな」

紗希「!?」

典子「なっ……!」

そど子「ちょっと冷泉さん!?何言って」

麻子「そど子、艦内見取り図くれ」

そど子「へっ、ええ?……何を」

麻子「早く」

そど子「むっ、わ、分かったわよ。はい、どーぞ!」

麻子「ん」

バララッ

麻子「…………」

左衛門佐(な、なんだなんだ)

ねこにゃー(いつも眠そうな冷泉さんの目がVガンダムの敵モビルスーツみたいになってる)

麻子「…………」

ぎゅるるるるるるる

カエサル(うおっ)

あや(め、目玉がすごっ、きもすごい!)

麻子「………分かった」

妙子「な、何が!?」

麻子「ここと、ここだな」

とんとん

紗希「………?」

優季「なになに?どうしたの?」

麻子「……そど子」

そど子「な、何?」

麻子「器物損壊って、こういう時も適用されるのか?」

ーーーーーーーーーー

~学園艦内、倉庫ブロック、何かの中~

ガサガサガサガサ

ぱんぱんぱぱぱん

みほ・優花里「マジカルバナナ!」

みほ「バナナといったら甘い!」

優花里「甘いといったらお菓子!」

みほ「お菓子といったらマカロン!」

優花里「マカロンといったら西住殿!」

みほ「私といったらどんくさい!」

優花里「どんくさいといったらそんなことない!」

みほ「そんなことないといったらそんなことある!」

優花里「西住殿は素敵!」

みほ「そ!そ、そんなことない!」

優花里「にっ西住殿はかわいい!」

みほ「ゆっ!かりさんこそかわいい!」

優花里「に、にに西住どのぉ!!」

みほ「ゆっ、ゆっ、ゆかりさぁん!!」

ひしっ

みほ「ゆ、優花里さん、優花里さん……」

優花里(ああ、やばいです。結構危険な状況なのに西住殿いい匂いすぎて、どうにかなりそう)

みほ「ううう優花里さん……」

ぎゅうう

優花里(ほああああ)

みほ「私達見捨てられて、助けられなくて、出ることもできなくて、このままこの子の中で餓死しちゃうんじゃ……」

優花里「……何をおっしゃる西住殿。さっきも言いましたけど、助けは必ず来ますよ」

みほ「でも、もしきたくても、こんな状況じゃ……」

優花里「みんなを信じましょう、西住殿」

みほ「でも……」

優花里「そういう絶望的な状況で、西住殿は二度も仲間を救い出してます。一度目は黒森峰のチームメイト、二度目はウチのウサギさんチーム」

みほ「!」

優花里「私の自論ですけど、悪いこともいいことも、必ず自分に返ってくるものです。西住殿には、みんな借りがあるんです」

みほ「ゆ、優花里さん……」

優花里「そんな借りを返さないなんて筋の通らないことを、私達のチームメイトがするはずありませんよ」

みほ「………はうう」

優花里「?西住殿?」

みほ「ゆ、優花里さんがまぶしすぎて……むにゃむにゃ」

優花里「?すみません、よく……」

みほ「な、なんでもない!大丈夫で……あれ?」

シン………

みほ「……………」

優花里「………お、音が聞こえない?」

みほ「も、もしかして諦めたんじゃ……」

優花里「……………」

みほ「……………」

優花里「待って。安全かはまだわかりませんよ。とりあえずクラッペから……」

かちゃ

優花里「……………」

みほ「ど、どう?いる?」

優花里(いませーーーん!!)(小声)

みほ(やっったーーー!!)(小声)

優花里(とりあえず、なんとか脱出経路を探してみます。西住殿は無線機が復活しないか試してみてください。入れ違いとか笑えませんし)

みほ(う、うん、でも無理しないでね、絶対無理しないでね)

優花里(わかってますよっ、と)

カチャ

ゴキブリ「…………」

みほ「!!!」

優花里「しまっ……!!」

ガザザッ

優花里「おおおおおおお!!!」

みほ「優花里さん!!優花里さぁん!!!」

ガザザッ、ガザザッ

優花里(こいつら待ち構えてたんだ!!私達がここを開くのを!!理解していたんだ!!物事を理解している!!)

みほ「わあああっ!わあああっ!」

ゴキブリ「…………」

ガザザザザッ

優花里「こ、こいつ……無理くりに!!」

みほ「ゆっ優花里さん、ハッチ、わ、私、私も閉じる!」

優花里「さ、下がってて!!ゴキブリは噛みますよ!!」

ガチガチガチガチ

みほ「ひ………!!」

優花里「んぎぎ、こ、こうなったら」

みほ「………だめ!」

ガシッ

優花里「う!」

みほ「ダメだよ優花里さん!!自分ひとりヒーローぶるのは許さないよ!!」

ガザザッ、ガザザザッ

優花里「そ、そんなこと……!!」

みほ「よ、よーし……!こ、ここなら!」

がしっ

みほ「うげげ……!」

優花里「ににに西住殿!!?」

みほ「む、む、む……!」

ぐぐっ

ゴキブリ「……!!」

ガサガサガサ

みほ「ひいい、力つよい、トゲトゲしてる、ギトギトしてるうううう……!!」

優花里「西住殿!!危ないって!!!」

みほ「ぜ、絶対助かる。絶対助かるよ。優花里さんが言ったんだよ、みんなきっと来てくれるって」

優花里「いやでも………間に合わないです!!」

みほ「ううん、き、きっとみんなくる。大洗はラスト5分の逆転ファイターって言われてるんだよ。このシチュエーション、みんなだったら必ず駆けつける。優花里さんが言ってくれたんだよ!」

優花里「でも!!」

みほ「くる!!」

ズガァァン!

ガラガラガラ……

ゴキブリ「!?!?」

優花里「な、なんの音!?」

みほ「きっ、きた!きっとみんな!!」

『西住隊長ー!!秋山殿先ぱーい!!無事ですかー!!?』

みほ「た、妙子ちゃん!!!……もしかして天井ぶち抜いちゃったの!?それは流石に読めなかったなぁ……」

ゴキブリ「!!!」

ガザザザッ

みほ「あわわわっ」

優花里「うおおお!!早く助けてくださあああああい!!!」

???「よし、やれ」

???「了解!」

バチュン!

ゴキブリ「…………」

ガサッ

みほ「ふぎゃああああああ!!」

優花里「しっ、しんだああああ!!」

???「みほ!もじゃ頭!そいつほっぽってさっさとそのボロ戦車に引っ込みなさい!邪魔よ!」

優花里「そ、その性格悪そうな物言いは……」

みほ「エリカさん!?」

エリカ「ったく何をどうすればこんな……隠れてなさいってば!!」

みほ・優花里「はっはいいい」

ポーイ

ガチャッ

エリカ「ふうう………」

???「あれなら手は出せまい。一安心だな」

ねこにゃー「あれ地味に大ピンチだったよね!QTEな感じだったよね!!」

梓「よ、よかったああああ……」

典子「あ、ありがとうございます!隊長のお姉さん!!つり目の人!!」

まほ「何を。礼を言うのは私さ。妹が世話になってる」

エリカ「M3の子!!周囲警戒!!!このブロックだって完全に安全確保されてるとは限らない!!!」

梓「はいいい!!」

まほ「………みほを救ってくれた大洗女子学園。借りは返して返しきれるものでもない。私的には今回また借りを作ってしまったようなものだがな」

エリカ「そういうことですね。ほんと癪ですけど。あとそこの八九式の。私の名前は逸見エリカ。これが来年あんたらをぶちのめす顔と名前よ。確と覚えときなさい」

典子「お、おお……」

妙子「すごい上から目線で喧嘩売ってきますね」

桂利奈「エリカ様だ(ぼそっ)」

優季「エリカ様だね(ぼそっ)」

エリカ「そこ!聞こえてんのよガキども!!」

あや「ガキじゃないですぅー、同じ高校生ですぅー」

優季「エリカ様こそ集中してくださぁい」

エリカ「クッソぎゃきゃあ……」

まほ「戯れるのは後だエリカ。悪い虫共を蹴散らせ」

エリカ「くっ、了解!」

エリカ「…………」

バチュンバチュンバチュン

ゴキブリ「!!!」

あけび「ふわわ!!あ、頭?頭だ!!!」

あゆみ「かっ、神業……」

左衛門佐「むむ……那須与一か」

エルヴィン「シモ・ヘイへか」

カエサル「いや、ゴルゴ13(イツミ)だ」

「「「それだぁ!」」」

梓「言いたかっただけなんじゃ……」

エリカ「ふふん」ドッヤァ

ガシャコン!

まほ「おい、弾残ってるだろ。見栄を張るな。かっこつけるな」

エリカ「す、すみません……」

妙子「なんでライフルなんて持ってるの黒森峰さん。こわい」

典子「こ、ことと次第によっては……」

ジャコッ

エリカ「企業秘密よ」

まほ「内緒だからね。……我が校の学園長の極めてヤバめの趣味だ。そしてエリカは祖母の実家のドイツで銃の扱いをみっちり仕込まれている」

エリカ(年齢的に無免だけど)

まほ「使わん手はあるまい」

バチュンバチュン!

妙子「そっかぁ」

典子「ヤクザじゃないんだ!なら安心だね!!」

忍「そこですか!?」

バチュンバチュンバチュン!

左衛門佐(多分あの銃、勝手に持ってこられたんだろうなぁ)

カエサル(ウチのスポーツカーといい、学園艦の偉い人ってそういう目に遭う運命なのかな)

ゴキブリ「…………」

エリカ「所詮は虫ね。Auf……」

バチュン!

エリカ「Wiedersehen」

エルヴィン(んひゃああ!かっこいい!)

おりょう「エアガンとか買っちゃだめぜよ?」

エルヴィン「わわっ、分かってるよ!」

エリカ「フッ」

ばっさー

まほ「ここぞとばかりにクォーターぶってからに……髪の毛振り回してからに……」

エリカ「いっ、いいじゃないですか!」

ゴキブリ「………!」

ガザザッ……

エリカ「!逃がすか!」

まほ「待て。良くやったぞエリカ。休め。……奴らの消える先を良く見ておこう。あれだけ巨大なんだ。タネがある」

エリカ「すぅ……はぁ……了解」

ガザザッ、ガザザザッ

典子「あ!」

あけび「うそ、あんなところに……!?」

エリカ「む……」

まほ(これはよくないな)

あや「ちょっと!壁の中にどんどん消えてるよ!!」

カエサル「学園艦はブロック毎に二重壁で仕切られて防火と配管を効率よく行うようになっている。あのヒビ、目立たないが……多分その隙間に潜んでたんだな」

エルヴィン「あ、あ、あんな細いところにぞろぞろと……」

紗希(ぞわわわっ)

あゆみ「あっ、ああ、紗希、大丈夫大丈夫。そこの壁にいたとしても出てこれないでしょ」

ガチャッ

麻子「まさか、虫如きにコンクリ壁を破れるなんて思いもしなかったがな。しかし、ということは……」

みほ「おっ、おーーーい!!!みんなーーー!!!みんなーーー!!!」

優花里「命があるって最高ですーーー!!!ありがとうございますーーー!!!」

妙子『やったーー!!!いぇーーい!!!』

麻子「……とりあえず、二人を拾ってからだな」

典子「こら近藤!!スピーカーでさわぐな!!」

はいいい………

ーーーーーーーーー

一旦ここまでです

間が空いてしまってすみません
待っててくれた方がいたら、ほんとにありがとうございます

長くなってきましたが、つきあってもらえると嬉しいです

~生徒会室~

沙織「ふえええみぽりんゆかりん、よ、良かったよおおお」

みほ「えへ、沙織さん、ありがとう」

優花里「ほ、ほんとに、ほんとにありがとうございます」

沙織「何言ってるのおおお友達でしょおおお」

みほ「えへへ、私、沙織さんと、みんなと友達で良かったよ」

沙織「ふえええええん」

麻子「沙織、泣きすぎ」

沙織「う、うるさぁい!」

エリカ「……今後の話し合い、情報共有でしょ。さっさとしましょう」

あや「出たなエリカ様」

優季「妙子ちゃんくらい空気読めないね」

妙子「逸見先輩嫉妬してるの?」

まほ「そうだよ」

エリカ「ちょっ、まほさん!?」

麻子「そろそろ会議だ。まずゴキブリの生態だが……」

そど子「ちょっと待ってよ。私は部外者の人が来るなんて聞いてなかった。あの時は西住さん達が危なかったからヘリの無茶苦茶な乗り入れを許可したけど、なんで二人がここにいるのか、説明が欲しいわ」

麻子「二人は仲間だ」

そど子「そのくらいは分かるわよ。そうじゃなくて、私の立場上どういう関係で外部の人がいるのかちゃんと把握しておきたいの」

カエサル「かたいなぁ」

おりょう「まぁ、だから信用できると言えるぜよ」

まほ「ん、角谷から説明は行っていないのか?」

そど子「黒森峰から姉住ちゃんといっつみちゃんが来るからよろしく~ってだけの無線が説明といえるなら、ちゃーんと説明してもらいましたとも」

まほ「姉住……ふふ、私が姉住か」

みほ「お姉ちゃん?」

エリカ「(嬉しそうな顔されてまあ)……私達は元々、大洗との冬季合同演習の件でここに来る予定だったからね。そのついでよ」

そど子「ついでね……その話なら聞いてたけど、その装備は……」

まほ「『みほが助けを求めているなら、今度こそ助けないわけにはいきませんね、まほさん!!』とスクランブル前、ライフルを肩にかけながら言うエリカの顔は、とても輝いていた」

エリカ「ちょっ」

みほ「ふぇ」

エリカ「ふん……言ってないわよ」ばっさー

典子「斬新に誤魔化すね」

妙子「むむ」

あけび「妙子ちゃん、かわいい子を見る度対抗心燃やすのやめなよ」

みほ「……ね、園さん、いい人達でしょ?」

そど子「……まぁ、そうね。その鉄砲さえ人目につけさせなければ、風紀委員はあなた方を歓迎するわ」

エリカ「ふん、当然よ。むしろゲストよゲスト。丁重に」

ずびしっ

エリカ「いだっ」

まほ「ありがとう。改めてお邪魔させてもらう。エリカもそう言っている」

エリカ「た、たいちょお~……たいチョップやめてくださいよぉ」

まほ「お前が心身ともにちゃんとするまでは何度でも唸るからな。あとまほチョップだ」シュッ、シュッ

みほ「ふふ」

優花里「お二人とも、意外にひょうきんなところがあるんですねぇ」

みほ「家とか寮の部屋だと結構あんな感じだったけど……でも、前よりなんだか仲良しかも」

優花里「へええ……」

麻子「……いいか?」

そど子「ええ。話の腰を折って悪かったわね」

麻子「いや、構わない。……今回確信を得たが、ゴキブリはやはり学園艦のブロック毎の隙間にいるらしい」

カエサル「厄介だな」

麻子「ああ。なんといっても広いし、隙間は配管の関係上基本的に繋がっている。つまり生息域は物凄いことになっている」

紗希「ひぇっ……(小声)」ぴょんこ

あゆみ「おわわ、さ、紗希、足を床に着けてても大丈夫だから。学校の床にいるわけじゃないから」

麻子「そしてライフラインに関わるパイプもある以上、無理やり燃やしたり爆破してみたりなどもできない」

ぴよたん「バイオ式はだめかぁ……」

ねこにゃー「な、なにげに詰んでないかにゃ」

ももがー「無理ゲーぞな……」

優花里「……あの、気になったのですが」

麻子「なんだ秋山さん」

優花里「私達を助けてくれた時、天井ぶち抜いてましたよね?どうやったかM3まで持ち込んでましたし……あれ、地上への道を作ってしまったようなものじゃ……」

エリカ「あんたバカ?それくらい考えてないわけないじゃないの」

優花里(むかっ)

まほ「すまない秋山さん。君達のことはとりわけ良く聞いてるから。こいつ嫉妬してるんだ」

エリカ「ちっ、違います!!」

麻子「大丈夫だ秋山さん。抜かりない。私達はゴキブリが絶対通れないブロックを通って内部に入ってきた。帰り道、覚えてるか?」

みほ「……?」

優花里「絶対通れないブロック……そっか!!」

麻子「ああ、巨大冷凍庫だ」

優花里「なるほど……さすが冷泉殿です!」

みほ「ふぇ、なんで?」

麻子「ゴキブリは寒さに非常に弱い。そしてうちは航行中に海産物を獲って保存する用にバカデカイ冷凍庫を備えている。あいつらが外に出るには必ずそこ……それも、あの巨体で天井を這ってでなければならない」

麻子(……そのはずだ)

そど子「一応穴はみんなを引き揚げたあと簡単に、シートと金属板でぴっちり塞いでおいたけど、有り体に言えば物理的には不可能でしょうね」

みほ「な、なるほど」

優花里(こ、この際修繕費と電力消費量は気にしないでおきましょう。私は助けられた身ですし、何も言えません……)

あや「……!!!……閃いちゃった。私やっぱり天才かも」

桂利奈「みんな、賢将あやが出たよ!」

優季「ひかえおろ~」

あゆみ「めっ!めっ!」

梓「ほんとすみません、うちの子が……」

麻子「いい。一応聞いておこう。なんだ」

あや「まず冷凍庫の穴を拡げます」

優季「ふむふむ」

あや「そして出力を最大にします」

桂利奈「!!……ま、まさか!!!」

あや「そう!!これで艦内全域冷凍庫!!!ひえひえ作戦です!!!」

ドヤァァァァァア

優季「あや、すっごぉい!!」

桂利奈「この学校設立以来の天才の記録が塗り替えられちゃったよぉ!!」

あや「ふふふよせやい」

麻子「oh……」

沙織「かわいいなぁもう」

梓「すみません、ほんと尺取ってもらっちゃってすみません」

妙子「……えっ、それダメなの?」

典子「わ、私もちょっと感心してたんだけど」

カエサル「……まず学園艦の広さを考えてくれ」

左衛門佐「それから冷却装置は働かせるとかなり、いや非常に熱を持つな」

エルヴィン「というかあいつら断熱素材の壁の隙間の中にいるんだぞ」

おりょう「つまり無理ぜよばかちん」

「「「それだぁ!!!」」」

あや・優季・桂利奈(ガーン)

忍「で、でも例えば、ありったけの殺虫剤を投げ込むとかはどうですか?」

麻子「足りんだろうな。それに奴ら、神出鬼没だ。運良く多く生息してるところに殺虫剤を入れられたとして、艦内の把握しきれていない別の何処かの隙間から這い出てきてパニックになるのがオチだ」

麻子(それに、おそらくあの隙間の連中をどれだけ駆除しても……)

忍「むむ……」

あけび「こ、こうなったら全員でバレーボールしか」

タシンタシン

エリカ「ば、バレーボール……!?」

カエサル「逸見さん、アヒルさんこと魁乙女塾さんチームは特別なんだ。バレーボールであいつらを始末できるんだ」

エリカ「ば、ばかな……アホな少年漫画じゃあるまいし」

桂利奈「男塾は名作だよ!!」

麻子「……実は大野の案は当たらずとも遠からずかもしれない」

梓・あや「ええっ!?」

優季「ほらぁやっぱり天才だったんじゃん」

桂利奈「梓ちゃん謝って!!私達をバカ扱いしたことを謝って!!全方向に向けて謝って!!回りながら!!」

梓「れ、冷泉先輩、どういうことですか」

麻子「艦内を冷凍庫にするのは無理でも、冷凍庫に入りに行くことはできる。……航行ルートを変更すればいい」

忍「……そうか!強制的に冬にする!とにかく赤道から離れればいいんですね!」

カエサル「ご、強引だが、学園艦ならではだな……」

あや「あれ?私の案殆ど正解じゃない?」

紗希(その理屈はおかしい)

あゆみ「その理屈はおかしいって、紗希が言ってるよ。私もそう思う」

麻子「……だが、それだけでは艦内の奴らはどうにもならんだろう。それに操舵室は艦内にある。どちらにせよ戦いは免れない」

……………

麻子「そして、奴らにはいくつかのヤバい生態系がある」

典子「生態系?」

ねこにゃー「ヤバイ生態系も何も、ゴキブリがでっかくてバイオでハザードな時点で十分ヤバいにゃ……」

麻子「それなんだが、少し遠回りだが説明がいるな……河嶋先輩」

桃「ふぇっ!?」

桂利奈「えっ」

妙子「河嶋先輩いたの?」

桃「い、いたわい!ずっといた!」

柚子「ご、ごめんね、桃ちゃん、ほんとに虫とかだめで……」

ジーーッ……

桃「そ、そんな目で見るなあ。私が行ったってどうせワーワーしちゃうだけなんだからぁ……」

麻子「いや、河嶋先輩の功績は実は大きい。解剖した時の話、教えてくれ」

梓「解剖?」

柚子「うん、みんな大変な思いしてるんだから、私も大変な思いするんだーってゴキブリをね。おばかさんだよね?」

あゆみ「ううん、やっぱりこっそり頑張ってくれてたのが分かったので。心証全然違いますよ」

桃「か、解剖の時ったって……け、結局、うう、結局なんにも分からなかったし」

麻子「いや、腹の中は……まあ問題だが、そこよりも、数だ」

妙子「数?」

桃「数……ああ、元々三匹いたはずなのが、一匹になってた。詰める時に逃げたのかなと思ってたが……」

麻子「そこだ」

桃「へ?」

麻子「確かに三匹、瓶に詰められた。私は見た」

そど子「私が詰めました」

ゴモ代「そんなモスバーガーの野菜の人みたいに…」

麻子「そしてあのサイズのゴキブリにあの瓶、絶対に中から開けることはできまい」

桃「で、でも確かに一匹だけだったぞ!私は逃がしてないからな!!」

麻子「分かってる。いや、それで分かったんだ。二匹が消えたのは、もう一匹に喰われたからだろう」

…………?

麻子「おそらくあいつらの主食は、あいつら自身。共喰いだ」

!!!

麻子「恒常的に。奴ら同士で喰いあっているとみてほぼ間違いない」

優花里「うっ……!」

みほ「しゅ、主食が共喰い……!」

沙織「生きてる相手を、こ、殺してってこと……!?」

紗希「はぁぁ!はぁぁぁ!(小声)」

あゆみ「さ、紗希大丈夫?大丈夫じゃないね!落ち着こう!」

まほ「……なるほど、おぞましいが合点はいく。あれだけの大きさの個体がばれずに、かつ身体を維持するには、共喰いは数の調整にも、栄養源にも最適だったわけか」

麻子「……そして、強い虫だけが残る」

エリカ「でっ、でもそれじゃあ、どうやってあれだけの数を……」

麻子「それなんだがな、さっき二人を引き揚げる前、ゴキブリの死体を検分したんだが……」

梓「そ、そういえばひぃひぃ言いながら棒でつんつんぐちゅぐちゅしてましたね……」

忍「ちょっと泣いてるのにやめないからマゾなのかと思いました……」

麻子「違う!マゾじゃない!」

沙織「嘘つき」

みほ「えっ」

麻子「ごほん!……で、あいつらなんだがな、みんなオスだったんだ」

エリカ「は?じゃあ増えようがないじゃないの」

麻子「これはまだ仮説だが……あいつら、多分蟻に近い」

エリカ「蟻……?」

ねこにゃー「に゛ゃっ……」

ぴよたん「か、改名したくなったずら……」

優花里「そういえば、シロアリとゴキブリはおなじようなものって聞いたことありますね」

麻子「そっちではない。いわゆる社会性昆虫。ハチとか蟻とか、役割を設けて集団を形成するタイプの昆虫だ」

まほ「な……なるほどな……」

麻子「うん。信じられんが、辻褄は合う」

優季「な、なになに、なんなのぉ」

妙子「頭いい人だけでわかり合わないでよぉ」

中途半端ですが一旦ここまで

今日中に続きあげます

麻子「……女王がいる」

エリカ「ごっ、ゴキブリに女王……!?」

みほ「あ、あんなでっかいのの……!?」

優花里「と、とてもじゃないけど笑えませんね……」

麻子「そして女王を中心に社会を形成し、自ら進化を促し、この学園艦を乗っ取ろうとしている」

カエサル「ありえん!!」

エルヴィン「し、進化ったって、そんな、あいつら古代からああいう姿なんだろ!?完成系だ!!なんでそんな急に!!」

麻子「分からん。仮説はいくらでも立てられるが、この学園艦がよほど新鮮な刺激になったのかもしれない。それとは他に、何かああの要因が合わさって……」

バターン!!!

ツチヤ「たたっ大変だよ!!!」

沙織「どうしたのツチヤちゃん!!」

ツチヤ「たたた武部先輩!!が、ガレージに物凄いでかいゴキブリが出た!!!」

みほ「ええええ!!」

優花里「ちょちょちょ待ってください!!それって、外に……!!」

麻子「ぐっ!!か、数と被害は!?」

ツチヤ「一匹だけ!!作業中だったから先輩達が鉄パイプでタコ殴りにしてなんとかみんな無事だけど、ジマさんが深刻なトラウマおっちゃった……」

エルヴィン「ああっ……!ナカジマさん……!」

沙織「ヤバイよ麻子!!」

麻子「恐れていたことが現実になったな……あいつら、あのサイズのまま表層へ出る経路がある。つまり、どこも安全じゃないぞ……!!」

ねこにゃー「ばばばバイオハザードにゃ、逃げ逃げ逃げ逃げないと」

ももがー「逃げるったって、どこへ!?」

典子「ダメだ!!私達でこの艦を守るんだ!!!」

忍「し、しかしキャプテン、事はもはや完全に我々の手に余ります!」

左衛門佐「救援を呼ぼうにも、今は完全に沖合。超長距離無線でも陸地には遠すぎるし……」

おりょう「基地局も海底ケーブルもない今いるこの海域じゃ、ケータイも届かないぜよ!!」

紗希「たすけてぇぇぇ……(小声)」

あゆみ「わ、私達普通の女子高生なのにそんな、無理ですよぉ!!」

妙子「や、やばいよおおおお!!!」

桃「柚子ちゃああああ」

柚子「桃ちゃああああ」

あや「……ま、待って!!みんな、なんでそんなに焦ってるのさ!!」

!?!?

梓「あ、あや!?何を……」

あや「よくわかんないけど、上に出てきた奴をバンバン倒して、それでゴキブリの女王を倒せばいいだけでしょ?じゃあむしろ事態はシンプルじゃん!」

麻子「!」

優季「わ、私達でも分かるよねぇ」

桂利奈「今私達、特撮ヒーローみたいだよ!!!やったろうよ!!!」

エリカ「あ、あんたら……」

まほ「……確かに、そうだな」

みほ「お姉ちゃん?」

まほ「自分を取り巻く戦況に対して右往左往しても始まらない。むしろ今、早急に対処するべき問題と、打倒する目標……敵フラッグを把握できたんだ。救援が望めないのなら、我々で現状を打破する他はない」

あや「さすが隊長のお姉さん!」

優季「でも硬そうな言葉が多くてよくわかんないぃ……」

桂利奈「あいいい……」

梓「や、やさしく例えてくれてたでしょ……」

妙子「つまり、どういうことですか?」

まほ「……西住流に後退はない!!」

デェェェェェェェン

あや「なるほど!!」

優季「なんとなく分かる!!」

桂利奈「魂で理解できたよ!!」

みほ「ええっ」

まほ(グッ)

エリカ(ま、稀に見るほど満足気……)

麻子「……その通りだな。少し難しく考えすぎていたかもしれん」

沙織「麻子?」

麻子「この事態の背景、誰が何を思っているのか、このゴキブリはなんなのか……そんなことはもはやどうでもいい」

麻子「というか裏で暗躍してる角谷さんと五十鈴さんに任せる」

麻子「我々がするべきことは変わらない。奴らを一匹残らず駆逐することだ。今度は生きのびるために」

ガタッ!

典子「私は戦う!!私は絶対にこの艦でバレーボールを続けるぞ!!!」

あけび「きゃ、キャプテン!」

妙子「わっ、私だって!代々木に行くんだ!!」

忍「やりましょう、キャプテン!!根性見せつけましょう!!!」

ガタッ!

梓「……私達が受け継ぐ前に、大洗が無くなるなんて我慢できない!!あや、ありがとう」

あや「なっなんで?」

あゆみ「バカでありがとうってことでしょ!」

あや「にゃにおぉ!!!」

ガタッ!

カエサル「わ、我らの戦場に赴こう!!」

左衛門佐「やるなら徹底的にだ。ここが大阪夏の陣……!!」

おりょう「バカ、お前、覚悟が悲壮すぎぜよ」

エルヴィン「虫ケラ共に教育だ。私を、私達を怖がらせた罪の重さを教育してやるぞ……!!」

ガタッ!

そど子「これ以上風紀を乱されてたまるもんですか!!ゴモ代、パゾ美、やるわよ!!!」

ゴモ代「こ、こわいよそど子ぉ」

パゾ美「大丈夫。今回もきっとなんとかなるよ」

ガタッ!

ねこにゃー「私達がレオン、ううんクリスだよ!!!」

ももがー「キルゼムオールぞな!!」

ぴよたん「何が女王だじょうじだろおらぁん!!!」

エリカ「な、なんちゅう気迫……これが背水の大洗……」

ガタッ

まほ「……大洗の危機はみほの危機だ。黒森峰新旧隊長コンビとして、乗らないわけにはいかんよな、エリカ」

エリカ「……ふん、当然です!」

みほ「お姉ちゃん、エリカさん……」

ガタッ!

沙織「やろう、みぽりん。私達が勝ったのは、ゴキブリなんかに大洗を乗っ取られるためじゃないよ」

ガタッ!

優花里「わ、私はここにお父さんとお母さんがいるんです。西住殿も家族も、私が守ります!」

ガタッ!

みほ「……ありがとう。私に何ができるかわからないけど……私にできることならなんでもやるよ」

麻子「みんな、これはもはや完全に戦争だ。虫ケラ如きに癪だが、一切手は抜けん。絶対に勝つぞ。人間の尊厳にかけて」

おおーーーーっ!!!

とりあえずここまで
読んでくださってありがとうございます

こんな展開になるとは思いませんでしたが、付き合ってもらえると嬉しいです

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