御子柴「やっぱ……鹿島ってすげえよな」 (16)

佐倉「どうしたのみこりん?」

御子柴「いや……自分でこんな事言いたくないけどよ……俺って劣化版鹿島だなって思って……」

佐倉「み、みこりん!?」

御子柴「だってよぉ!! 勉強でもスポーツでも……トーク力でも……全部あいつに負けっぱなしなんだよ!!」

佐倉「みこりん……」

御子柴「くそぉ……なんでだよぉ……なんで俺はダメなんだよぉ……」

佐倉「……」

佐倉(ヒロインっぷりでは負けてないと思うなぁ)

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鹿島「へ? どうやって勉強してるか?」

御子柴「おう、なんか自分なりの勉強方法とかあるだろ? 覚え方とかよ」

鹿島「いや、そんなのないけど……それに私、覚えるの得意じゃないよ?」

御子柴「そんなわけねぇだろ!! だったら学年で上位なんて……」

女「鹿島くーん!!」

鹿島「!! 君はいつも私のところに来てくれる……」

女「手作りのお菓子作ったの……食べてくれる?」

鹿島「……ありがとう、喜んでいただくよ」

鹿島「えー……」

御子柴「?」

鹿島「あー……」

女「……?」

鹿島「……お姫様」

女「ありがとう!!」

タッタッタッタッ……

御子柴「……鹿島、今あいつの名前忘れてたろ」

鹿島「うん」

御子柴「……まぁ、人の名前覚えんのと勉強覚えんのはまた別だもんな」

鹿島「うーん……覚えるって言ってもただ黒板に書いてるのを見ただけなんだよなぁ」

御子柴「……じゃあ勉強はおいといて、運動神経の話だ」

鹿島「運動神経?」

御子柴「運動神経いいのはよ、スポーツかなんかやってたからだろ? それとも日頃、トレーニングしてるとかよ」

鹿島「いや、特に何もやってないけど……」

御子柴「はぁ!? じゃあなんでなんでもこなせるんだよ!?」

鹿島「なんでって言われてもなぁ……」

鹿島「……あっ!! トレーニングしてた!!」

御子柴「!」











堀『鹿島てめぇ!!』

鹿島『ぐほっ!!』











鹿島「堀先輩に蹴られたお陰で身体が鍛えられた!!」

御子柴「それはトレーニングのうちに入んねえだろ」

佐倉「鹿島くんから何か聞けた?」

御子柴「いや、何も……」

御子柴「結局俺は何だったら鹿島に勝てんだよ……」

佐倉(みこりんが落ち込んでる……なんとかしてあげなきゃ)

佐倉「うーん……私は鹿島くんよりもみこりんの方がかっこいいと思うけどなー」

御子柴「!! ほ、本当か?」

佐倉「うん! 確かに鹿島くんもかっこいいけど……みこりんの方が周りに沢山女の子いるように見えるしね!!」

御子柴「本当か!? 俺は鹿島よりモテてるのか!? かっこいいか!?」

佐倉「うん!! そう思うよ!!」

御子柴「!!」パァァ!!

佐倉(喜んでくれてる!! よかった!!)

堀「そんなわけねぇだろ」ヒョコ

佐倉(親バカ来た!!)

御子柴「……」

佐倉(一瞬で表情が変わった!!)

堀「いいか、うちの鹿島はな……」ペラペラ

御子柴「は、はい……」

佐倉(堀先輩から鹿島くんの魅力(顔)を延々と聞かされるなんて……)

女「御子柴くーん!!」

御子柴「!」

女「お話しよー!」

女「すいません! 御子柴くん借りますね!!」

堀「あ、ああ……」

女「あっち行こー!!」

御子柴「……っへ、しょうがねえな。 遊んでやるか」

スタスタ……

佐倉「みこりん行っちゃった……」

堀「……あいつも結構モテモテだな」

佐倉「……そうだ!! 堀先輩、ちょっと聞きたいことがあるんですけど……」

堀「なんだよ?」

堀「御子柴がなんだったら鹿島に勝てるか?」

佐倉「はい。 みこりん、結構気にしてて……」

堀(……御子柴といやあ……努力家で……恥ずかしがり屋で……すぐ悩んだり落ち込んだり……)

堀(……どう見てもマミコなんだよな)

堀(けどあいつに『お前の方が鹿島よりマミコに似てる』って言っても困惑するだけだろうしな……それに『恋しよっ』を知らないかもしれないしな)

堀「……」












御子柴「ふー……やっと女子から解放されたぜ」

堀「御子柴」

御子柴「!」

堀「お前が鹿島よりも……女装が似合ってる」

御子柴「!!?」

佐倉「みこりん、結構長い間話してたね」

御子柴「お、おう。 まぁな」

佐倉「みこりん、さっきトーク力気にしてたけど……ちゃんとお話できた?」

御子柴「あ、当たり前だろ!! 色んな話したぜ!!」

佐倉「……じゃあこれは?」

『助けて』

御子柴「う、うるせえ!!///」

堀「もたなかったのか……」

御子柴「苦手なもんは苦手なんだよ!! しょうがねえだろ!!」

佐倉「ご、ごめん……」

御子柴「くっそぉ……何が駄目なんだよぉ……」

御子柴「二択か三択の選択肢ぐらい表示されろっつぅんだよ……」

堀「?」

御子柴「それか次はプレゼントあげたら好感度アップで自然に色んな話できたりとかよ……」

佐倉「??」

御子柴「あとは2周目だと会話飛ばせるとかよ……」

佐倉・堀「???」

別の日

佐倉「という訳でクイズ大会を始めます!!」

御子柴「いや、どういう訳だよ」

鹿島「面白そう!!」

佐倉「全部で15問出題するから早押しで答えて!!」

鹿島「分かった!!」

佐倉(みこりんが有利になるようにギャルゲー関連のクイズを多めにしたんだよね……それだけだと怪しまれるからギャルゲーじゃない問題もいれたけど……)

佐倉(これでみこりんが勝てば鹿島くんよりもクイズが得意ってことになるよね!!)

佐倉「じゃあ第1問!」










佐倉「『野崎くんの服の趣味はなんでしょう』」

鹿島「分からないよ!!」

佐倉「普通の高校生の服!!」

御子柴「お前が答えるのかよ!!」

佐倉「次の問題!!」

佐倉「『ガールズプリンセスのヒロインは、何人いるでしょう』」

御子柴「!!!」

佐倉(みこりん、これなら答えられるはずだよ!!)

鹿島「うーん……聞いたことないなぁ」

御子柴「……」

佐倉(みこりんが答えない!?)

御子柴(やべえ……こういう問題を俺が答えたら隠れオタクだってばれちまう)

佐倉「え、ええと……じゃあ次の問題!!」

佐倉「『ガールズプリンセスのCGの数はいくつでしょう』」

鹿島「分かんないなぁ……」

御子柴「分かんねぇ……」

佐倉(みこりん!!)

野崎「三人とも、何やってるんだ?」

佐倉「野崎くん!! 実は……」かくかくしかじか

野崎「……なるほど、クイズ大会か」

野崎「それに御子柴が解答者か……ちょうどいい」

佐倉「『ちょうどいい』……?」

野崎「実は今度、『恋しよっ』でマミコがクイズ大会の日本代表に選ばれる展開にするつもりだったんだ、いいネタになる」

佐倉「どうやったらそんな展開になるの!? 絶対剣さんに怒られるよ!!」

野崎「クイズには参加しないが見るだけでもいいか?」

佐倉「いいよ!!」

佐倉「……じゃあ第8問!!」

御子柴「こい!!」

佐倉「『わた……」

佐倉「……!!」

鹿島「……千代ちゃん?」

佐倉(言えない……サービス問題として出そうと思ったけど……)

佐倉(『私の好きな人は誰でしょう』なんて言える訳ない!!)

野崎「……佐倉、字が読めないのか? 俺が見てやろうか?」

佐倉「だ、大丈夫だよ!! ありがとう!!」

佐倉「え、ええと……わた……綿の部首はなんでしょう!!」

鹿島「いとへん!!」

佐倉「せ、正解!!」

佐倉(なんとか誤魔化せた……)

野崎「はい、ここで悔しい表情『助けて、鈴木くん……』」

御子柴「お前は俺に何を求めてんだよ」

結局クイズ大会は鹿島くんが勝ちました。

野崎「……佐倉、その答案用紙を見せてもらえるか?」

佐倉「うん!! いいよ!! どうぞ!!」

佐倉「……!!」

佐倉(どうしよう!! 野崎くん関連の問題も見ちゃったら……私が野崎くんのこと好きだってばれちゃう!!)

佐倉(私の口から言いたいのに!!)

野崎「……相変わらずはみ出しがないな」

佐倉「……へ?」

野崎「この表紙だ、お前が描いたんだろ?」

佐倉「う、うん……」

野崎「凄いな……参考にしよう」

佐倉「ひょ、表紙だけ見たかったの?」

野崎「ああ、ありがとう」

佐倉(よかった……)

御子柴「結局クイズでも勝てなかった……」

佐倉「みこりん……」

御子柴「くっそぉ……俺は……なんだったら勝てんだよぉ!!」

野崎「……」











マミコ『なんで……なんで私は何をやっても駄目なの?』

マミコ『私……もう嫌だよ……』












野崎「寧ろそのまま悩んでてくれ」スラスラ

御子柴「ふざけんな!!」

~終わり~

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