【モバマスSS】飛鳥「長くて、大きくて、固い物を…」 (23)

こんばんわ。
ネタが出てきたので急きょ書きました。
FAはヨウダイカンを残してみんな決まりましたね。
では次レスからスタートです。

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1480765051

――俺達一行は、オーストラリアの雄大な自然を嫌でも満喫できる小屋で一泊することになっていた。もちろんそのことはアイドルに伝えておらず、夕方に梨沙が『今日の宿はどこなの?』という質問で初めて俺は口を開いた。


――夜


飛鳥「…なんでボクたちがこんなところに」ギャーギャー


梨沙「諦めなさい飛鳥。もう明日の朝まで動けないんだから」ギャーギャー


晴「でもさ、こういうのってキャンプっぽくて良いよな!」ギャーギャー


ネネ「はい。この貴重な瞬間も日本に帰ったらいい思い出になるんですよ。というわけではい、チーズ」パシャリ ギャーギャー


梨沙「不意打ちのカメラやめなさいよ!」ギャーギャー


晴「にしてもうるせーな!何なんだよこの騒音は!」ギャーギャー

モバP「これは鳥や獣の鳴き声だ。夜行性の動物も多いらしいぞ」ギャーギャー


梨沙「こんなんで寝れるの?一睡も出来なかったら許さないわよ」ギャーギャー


モバP「…それはパーソナルな問題だからな」ギャーギャー


裕子「いざとなったら、私のサイキックで何とかしてあげますよ!」


梨沙「あー。サイキックね。サイキック。タスカルワー」


飛鳥「どうしてみんな自然体なんだ…。地震とか火事が起きたら、ボクたちは逃げ場がないんだぞ…」


裕子「大丈夫ですか?飛鳥ちゃん!このユッコがいれば天災も問題ありません!」


飛鳥「…ボクは今日という日こそ、キミたちを羨ましいと思ったことはないさ」


晴「飛鳥は素直じゃねーなー。こういう時こそ楽しまなくちゃ」

ネネ「晴ちゃん。良いこと言いますね。アイドルですが、楽しまなくちゃみんなを愉しませられませんからね」


梨沙「まあ、そのあたりはどうでもいいけど、鳥の音が本当にうるさいだけで、なにもいないわよ」


モバP「まあ、いないなら仕方ないさ。相手は生き物だからな」


梨沙「ま、それもそうね」


裕子「見てください!プロデューサー!星空が綺麗ですよ!」


モバP「本当だな。日本じゃ本当に見えなかったけど、ここでははっきり見えるな」


ネネ「すごく綺麗…。これが写真に残せないのが残念です」


晴「写真のフィルムじゃなく、心のフィルムで記録するのさ…」


裕子「おお!晴ちゃんカッコいいですね!」


梨沙「それ、昨日の夜飛鳥が言っていたわよ」

晴「へへ…。ばれたか…」


飛鳥「やれやれ。真似すれば良いってものじゃないさ。その時に本当にそう思っていなければいけないのさ」


梨沙「ふーん。ま、それは良いけど星空見ないの?こんなに見れるのはこの先ないかもしれないわよ」


飛鳥「そうだね。天体観測の趣味はないけど、満天の星空には興味があるからね」


晴「素直に見たいでいいじゃん…」


ネネ「ふふ…。飛鳥ちゃんらしくていいですね」

――


ネネ「…」


モバP「どうしたんだネネ?視線が下向いているが、首でも痛いのか?」


ネネ「何かがこっちを見ているんです…」


モバP「ん?――デカいな。なんだあれ?目が光ってるぞ!」


梨沙「え?本当だ。目がこっちに来てる…。ヤダ…」


晴「でけえ!なんだよあれ!あんなのこんなところにいたのか!」


裕子「…どこにいるんですか?ちょっと見えにくいですね」


晴「…あのデカさはトラじゃないか!」


飛鳥「トラだな…」


裕子「本当ですか!晴ちゃん!飛鳥ちゃん!どこにいるんですか!」


ネネ「どうしましょうプロデューサーさん…」


飛鳥「何か策はあるんだろうね?」

モバP「明かりが点いているからな。それでこっちに来たんだろう。獣は火を恐れるからもっと近づいた場合は火をつけて威嚇する。幸いにもライターは、ある」


裕子「プロデューサーの火と、ユッコのサイキックで火を大きくしてあげますよ!」


梨沙「後半は関係ないでしょ!種火にできそうなものを探しておいた方がいいわね」


晴「…」ボッ


梨沙「ここで点けないでよね!ここが燃えたら一巻の終わりなのよ!」


晴「あ、ああ…。わりい…。点くかどうか試したかったんだ…」


梨沙「貴重なんだから、無駄にしちゃだめよ!」

――


晴「種火になりそうなものはこれくらいだな…」


ネネ「これくらいあれば松明程度にはなりそうですね」


モバP「…本当にあれはトラか?」


晴「トラだって!目は光ってるし、あんなにデカいねこいねーって!」


飛鳥「晴の言うとおりだ。あんなに大きな猫はいない。飢えたトラが、獲物を見つけて降りてくるのを待っているのさ…」


梨沙「あんた随分、冷静ね…」


飛鳥「こういう時は焦っちゃだめだ。沈着冷静に。――そうだ。万が一のために…」


モバP「何をする気だ?」


飛鳥「バリケードを作るんだ。もし木を登ってきたとしても防いで時間稼ぎが出来る。その間に火を投げればいい。長くて、大きくて、固い物を探さなくては…」

裕子「おお!さすが飛鳥ちゃんですね!頼みましたよ!」


飛鳥「フッ。作って見せるさキミたちを護る為にね!」


ネネ「相変わらずこちらをじっと見ていますね…」


モバP「番組的には面白いんだろうが、こっちとしては困ったな…」


ネネ「まだパニックになった子がいないだけマシですね…」


梨沙「…ねえ。あの獣だけどさ。なんか様子おかしくない?」


晴「どういうことだ?」


梨沙「胴体に縞模様あった?見えないんだけど…」

裕子「本当ですか!先ほどからサイキックで見ているんですが、全く分からないんです!」


飛鳥「ボクは見たよ…。あの歩きかた、胴体も見た」


晴「俺も見た。トラって縦縞だろ?」


モバP「…本当か?」


梨沙「シカっぽくないかしら?」


ネネ「…よく見ると、目の上の方に角のような長いのが…」


モバP「おい!あれシカだぞ!」


裕子「何と!トラだと思っていた動物はシカさんでしたか!」

ネネ「今、カメラのフラッシュ焚いて撮りますね」パシャ!


梨沙「晴!シカよ!角があるわ!」


晴「本当だ!シカだ!今見たぞ!長い角だったな」


ネネ「そうですね。長い角。胴体に縞はなし。シカでしたね。良かった…」


モバP「飛鳥。トラじゃない。シカだったぞ。…って」


飛鳥「そ、そうか…。トラじゃなかったか…。それなら問題ないな…」


梨沙「飛鳥。アンタ何やってたの?そんなふにゃふにゃなマットレスにねっ転がって…」


飛鳥「…バリケードさ。長くて大きくて固いものなんて、これしかなかったからね…」

晴「何だよそれ!だからって、こんなふにゃふにゃなマットレスじゃ、何の役にも立たないだろ!やべえ、笑いすぎて腹がいてえ…」


飛鳥「だから僕が人柱になっているんだ。僕くらいの体重だって、少しの役には立つだろう」


裕子「それならエスパーユッコに任せておけば、サイキックで固めてあげたんですが!」


モバP「冷静沈着に…か」


飛鳥「し、仕方がないだろう!これ以外に押さえられそうなものがなかったんだ!」


梨沙「ふつーに、あたしたちのバックを足元に並べればそれなりに重しになるでしょ?高床式で外から押し上げないと入れないわけだし…」


晴「あーはっはっはっは!だめだ!いきがくるしいー!」


飛鳥「…」プルプル


ネネ「それじゃ、ホッとしたところで一枚…」パシャ


飛鳥「撮るなあ!後生だから…。頼む…」


晴「ひゃーはっはっは!」

――後日


ありす「トラはオーストラリア大陸にはしていません。東南アジアやインド。極東ロシアにしかいないんですよ」


飛鳥「そうだったのか…」


晴「いやー。ありすもいれば飛鳥がどんだけテンパっていたか見れたのによ。あれだけ見れただけでもオーストラリアに行った価値があったぜ」


飛鳥「…あの醜態をテレビでやってくれなかっただけでも助かった。放送当日ボクは生きた心地がしなかったよ」


ありす「そんな大げさな…」


飛鳥「例えで言えば、みくさんが実は魚が大好物で、夜な夜な冷蔵庫から魚をつまみ食いしていたのがばれてしまったくらいかな?」


ありす「大変ですね…」


梨沙「あたしはその時はしっかり、プロデューサーにも意見を言ってしっかり自分を保ったわ」


仁奈・薫・千佳「おおー!」


梨沙「良い?どんなに危険な状況でも、パニックになっちゃダメ。しっかり自分を持つこと。間違ってもふにゃふにゃのマットレスでバリケードだなんて言わないように。分かった?」


仁奈・薫・千佳「はーい!」


ありす「…しばらくふにゃふにゃマットレス事件は終息しそうにありませんね」

――キャンプ特番

美鈴「仁奈。そんなところでうろうろしてちゃ危ないぞー」


仁奈「美鈴おねーさんは誰に話しかけているんですか?」


紗南「…美鈴にしか見えない幻覚だよ」


美鈴「そんなわけあるか!――ってことは」


クマ「…うっひょー!こんなところにぷりちーな女の子たち!逆ナンせねば!」


美鈴「なんか来たぞー!すぐにロッジに避難しろ!」

――ロッジ


クマ「開けるクマ!お前たちは完全に包囲されている!大人しくクマに逆ナンされるクマ!」ドンドン


美鈴「どうするんだよ…。プロデューサーもいないし。うちが一番年上だし…」


ライラ「ライラさんが一番年上ですよー」


美鈴「…何とかしてクマを追い払わないと」


仁奈「こういう時は、ばりけーどを作った方がいいって晴おねーさんが言ってやがりました!」


紗南「それだ!そこで籠城戦だね。でもどんなものが良いんだ?」


仁奈「確か、こんなマットレスが良いって!」フニャー


美鈴「そんなボロマットレスじゃ何の役にも立たないだろッ!」

クマ「クマ―!」バキバキバキ


仁奈「クマさんスゲー力持ちでやがります!あっという間に扉をぶち破りやがりました!」


紗南「でもこのクマってさ、ペル○ナのクマでしょ。このファスナー開けたらさ…」


クマ「や!やめろクマ!」ジィー


美鈴「中に、誰もいない…だと…」


仁奈「すげー!クマさんは巨大な着ぐるみだったんですか!」


ライラ「おー。イッツパラレルワールドですねー」


クマ「や、やめろクマ…。なかみちゃやークマよ…」


仁奈「クマさんの気持ちになるですよー」


クマ「仁奈クマは逆ナンがしてーでやがります!美鈴おねーさん。逆ナンのやり方をしえて下せー!」


美鈴「絶対に教えるかッ!」

――ノルウェー


麗奈「お、オオカミが来たわよ!」


幸子「ど、どどどどうしましょう!小屋の中には銃も何もありませんよ…!」


麗奈「――本当は幸子を囮に!って言いたいけど、本当にシャレにならない状況だから…」


肇「私が落ち着いて対処しないと。――そうだ!バリケードを作って玄関を開けられないようにしましょう!」


麗奈「それならいい方法があるわッ!このマットレスを使って」フニャー

幸子「麗奈さん!ふざけてないで重そうなものを片っ端から集めてください!」


ガンガン


幸子「ああ…。ボクたちはもうダメです…。みんなまとめてオオカミのお腹の中なんです…」


麗奈「怖い…」


肇「大丈夫…。絶対大丈夫だから…」ギュ


みちる「…」

ガラッ ポーイ


肇「――みちるさんがパンを外に投げた?」


肇「――それを見たオオカミが走っていく」


みちる「」ギュン


肇「――みちるさんの姿が消えた!?」


肇「――あっという間にオオカミに追いついて、食べた!?」


みちる「…もう大丈夫ですよ。オオカミはいなくなりましたよー」


――後日


幸子「僕のカワイさでオオカミも食欲を失せたんです」


麗奈「何よ。半べそだったくせに!」


幸子「麗奈さんだって肇さんにべったりくっついていたじゃないですか!」ムキー


麗奈「なによ!本当のことじゃない?」


肇「…」


肇「…本当にみちるさんって何者なんでしょうか?」


みちる「フゴフゴ…。プロデューサー!パンを買うお金がないので、お給料を前借させてください!」


モバP「…そう言って半年分の給料前借してるからな」


――劇終!

以上です。
オーストラリアアイプロを見て書きたくなってしまいました。
ユッコ可愛いよね。無邪気なところが特に。
ちなみに明日は楽天に移籍したキシ投手の誕生日です。
私もですが…。

同じ誕生日のアイドルがいないのは少しさびしいな…。

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