【安価】提督「終戦?」 (56)

提督「はぁ......本当に終わったんだな」

提督(敵陣の本拠地を総攻撃で潰して海は平和に戻った......俺達の戦いは終わったんだ)

提督「ほんと、長かったなぁ」

提督(心から嬉しい。そりゃ艦娘達との生活は楽しかったけどそれでも激務やら敵の攻撃やらで気の休まる暇もなかった)

提督(それが、ようやく解放されたのだ)

提督「......家に帰るのも久しぶりだな」

提督(鎮守府に寝泊まりしてたから自分の家に帰ってくるのなんていつ以来だろうか......)

提督「ここら辺、懐かしいなぁ。全く変わってないや」

提督(......ああ、空気で分かる。なんてここは平和なんだ)

提督(敵の攻撃に怯えることなく眠れるなんて、最高だ......)

提督(夢にまで見た平穏な暮らし)

提督(誰にも邪魔されることなく一人で......)

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提督「......一人、か」

提督(まぁ、ほんの少しだけ、寂しい気がする)

提督(いつも騒がしくてちょっと嫌なときもあったがいざいなくなると考えると寂しいもんだ)

提督「あいつら、何してるかなぁ」

提督(艦娘たちとは鎮守府で別れてきた。皆、色々な人生を歩むんだろう)

提督(願わくは、皆、幸せになって欲しいものだ)

提督「っと、その前に自分の幸せを見つけないとな」

ガチャッ

提督「ただいまー、なんてね」

↓2「お帰りなさい!」

誰か艦娘を

文月「あっ!司令官!おかえ」

バタン

提督「......」

ガチャッ

文月「し」

バタン

提督「......オーケー、状況を整理しよう」

提督(自分の家の扉を開けたら部下がいた......しかもなんかエプロン付けてた。え?なにこれ?訳分かんない)

提督「えーと......表札、まちがいなく俺の名字。住所間違いなし」

提督「......まさか幻覚?」

提督「これが噂のPTSDなのか......?」

提督「......んなわけない、か」

提督「ね、念のためもう一度」

ガチャッ

文月「司令官?さっきからどうしたの~?」

提督「......」ツネリ

文月「いひゃい!な、何でほっぺたつねるの~!?」

提督「いや夢かと」

文月「うぅ~......」

提督「それで何してるんだよ......てか聞きたいことが色々ありすぎて困るんだが」

文月「......あっ!」

提督「ん?なんだ、どうし」

文月「司令官!おかえり~!」ニコッ

提督「......」

文月「えへへ、これがいいたかったの~」ニッコニッコ

提督「......ああ、ただいま」ハァ

提督「......それで?」

文月「え?」

提督「どうやって入ったかとか色々聞きたいが」

文月「あ、えーと......」

提督「......答えにくいならこれだけ教えてくれ。どうかしたのか?」

文月「......↓2」

悩み事をなにか

文月「......」

提督「......?」

提督(何か様子が変じゃないか?)

文月「......司令官さん」

提督「ん、どうし」

文月 ポロポロ

提督「ふ、文月!?」

文月「ご、ごめんなさい......ごめんなさい......」ガタガタ

提督「......文月」ギュッ

文月「......」

提督「大丈夫、大丈夫だから」ナデナデ

文月「......しれー、かん」

提督「何かあったんだろ?でも、大丈夫。俺が何とかしてやるから」

文月「......ふぁい」

提督(......グッバイ、俺の平穏な暮らし)

文月 スースー

提督「泣きつかれて寝ちゃったか......」

提督(......しかし、何があったか調べる必要がありそうだな)

提督(はぁ、せっかく戦争が終わって平和になったのになぁ)

提督「......」

提督(しかし文月から直接聞くのは流石にあれだな......)

提督「......となると」

提督「↓2に頼るか」

誰か艦娘を

提督「......よし」

プルル......

ガチャッ

大淀『はい、大淀です』

提督「俺だ。大淀」

大淀『......提督?どうかなさいましたか?』

提督「少し聞きたいことがあるんだが」

大淀『何でしょうか』

提督「文月は戦争が終わった後、確か養子として引き取られたんだよな?」

大淀『えぇ、そうですが......それが?』

提督「その後のこと、何か知らないか?」

大淀『その後、ですか?いえ......』

提督「......そうか。それなら」

大淀『ですが調べることならできます』

提督「え?」

大淀『何か、あったんですね?』

提督「......頼めるか?」

大淀『お任せを。すぐに報告します』

提督「助かる」

ガチャッ

提督「......さて、と。あっちは大淀に任せればいいか」

提督「......で、だ」

文月 スースー

提督「こっちはどうするかなぁ......」

文月「し......れぇ......」

提督「......ま、やれることをやるか」

提督(......↓2でも、やってみるか)

提督「......このぐらいの女の子が喜ぶことって何だろうか」

提督(......うーん、分からん。調べるか)

提督「えーとなになに......」カタカタ

提督「......お菓子作りか」

提督「料理すら危ういが出来るだろうか......」

文月「......んー」スースー

提督「......頑張ろう」グッ


文月「......ふぁ?」パチッ

提督「お、起きたか」

文月「......しれー、かん?」ポー

提督「ほら、顔を洗ってこい」

文月「ふぁーい......」

提督「さて、と。準備するか」

文月「あれ?司令官、どうしたの~?」

提督「ん、いやさ文月。甘いものを食べたくないか?」

文月「甘いもの?」

提督「そう、簡単なものだけどさ、お菓子作らないか?」

文月「......うん!」ニコッ

提督「そうか、じゃ、やろうか!」

提督(......良かった、かな?)

↓2コンマ
お菓子の出来
00~33:ダメダメ
34~66:まあまあ
67~99:完璧

(材料あるのか?)

コンマ81:完璧なお菓子、完成


提督「えーと、まずは生地を混ぜる、か。文月、出来るか?」

文月「うぅ~、そのくらいできるよ~」

提督「よし、じゃあ任せたぞ」

文月「うん!......んっしょ、んっしょ」

提督「......」

提督(......こうしてる分には普通なんだがなぁ)

提督「......っと、そろそろ良さそうだな。んでこれを伸ばしてっ......よし、次は型抜きか」

文月「あ!私これがいい~!お月様の形!」

提督「お、いいな」

文月「よいしょ......よいしょ......うん!いいかんじ~」ニコニコ

提督「ん、オッケー。それじゃ焼こうか」

文月「うん!」

>>28
(文月が寝てる間に提督が準備しました)


文月「まだかなまだかな~」

提督「あと少し......おっ」

チーン

提督「よし、出来たぞ!」

文月「わぁあー......」キラキラ

提督「おお!?初めてだがよく分からんがうまく出来たんじゃないかこれは!」

文月「司令官!早く食べよぉ~!」

提督「そうだな、じゃあ用意するから机で待ってて」

文月「はーい!」トテテ

提督「......ふふっ」

提督「では、クッキー。完成です!」

文月「わぁー」パチパチ

提督「よしじゃ、食べようか」

文月「うん!」

提督「では......」パク

文月「......」パク

提督「!」

文月「!」

提督「う、うまい!」

文月「おいしぃ~!」

提督「これも文月が作ってくれたからだな!ありがとなー、文月!」ナデナデ

文月「えへへ~」

提督「ほら、もっと食べな?」

文月「うん!」パアッ

提督「......」ホッ

提督(......お菓子作り、大成功だな)

提督(......)チラッ

文月「♪」モグモグ

提督(......大淀、早く、頼むぞ)

プルル......

提督「!」ガタッ

文月「?」

提督「文月、悪い。電話だ」

文月「あ、うん」

提督(......)

ガチャッ

提督「もしもし......」

大淀『大淀です。調査完了しました』

提督「早いな......まだ数時間しか経ってないぞ」

大淀『早い方がいいかと思いまして』

提督「......流石だな。それで?」

大淀『結論から述べるなら文月さんは養父から虐待を受けているようです』

提督「なっ!?だ、だが文月の体に傷とかは......」チラッ

文月「?」

大淀『あ、いえ。文月さんの場合、どうやら精神的虐待のようで』

提督「精神的?」

大淀『ええ、簡単に言えばお前を引き取らなければ良かった......のようなことを言われてたみたいです』

提督「っ!どうして......」

大淀『どうやら文月さん、初めて鎮守府の外に出て萎縮しちゃったみたいで......』

提督「......え?」

大淀『養父の人達を怖がっちゃって心を閉ざしちゃったみたいなんです』

提督「あ......」

提督(そう、か......そうだよな)

大淀『養父の人達も最初のうちは頑張ってたみたいなんですが......それでも文月さん、心を開いてくれなかったみたいで』

提督(いきなり外に出て、知らない人に預けられて)

大淀『それでついに養父の人達も我慢できなくなってしまったようです』

提督(友達も、仲間も皆いなくて、一人で......)

大淀『それが心を閉ざしてるところに追い討ちになってしまったようで......』

提督「俺のところに来たのか......」

提督(......俺に、助けてほしくて)

大淀『はい、そのようです』

提督「それで?これから俺はどうすればいい?」

大淀『......実はですね、この話を聞くために養父の人達と話をしたのですが』

提督「っ!?」

大淀『......どうやら彼らも悪いことをしたと反省してくれていて』

提督「......信頼できるのか?」

大淀『はい、元々は文月さんのためにいろいろしてくれてた人達ですから』

提督「......そうか」

大淀『それで提督、ここからが本題です』

提督「......」

大淀『文月さんを、説得してほしいんです』

提督「養父達のところに戻るように、か?」

大淀『ええ。それから、心を開くように』

提督「......無茶な頼みだ」

大淀『ですが提督にしか出来ません』

提督「......」

大淀『私に出来ることはやりました。あとは提督次第です』

提督「......ああ、ありがとうな。大淀」

大淀『いえ、では提督。私はこれで』

ガチャッツーツー

提督「はぁ......」

提督(俺次第......ねぇ)

文月「しれーかん、何のおはなししてたのぉ?」

提督「......いや、ちょっとな」

提督(......ま、考えるまでもない、か)

提督「文月」

提督(やるしか、ない)

文月「え?」

提督「ちょっと、話があるんだがいいか?」

文月「うん、なになに~?」

提督「......お前の養父のことだ」

文月「!」

提督「話は聞いた......辛かったな文月」ギュッ

文月「あ......」

提督「よく、頑張ったな」ナデナデ

文月「う......うぇ」グスッ

提督「......それでな文月」

文月「え?」

提督「......もう一度、頑張れないか?」

文月「......え?」

提督「もう一度、やり直せないかって」

文月「やだ」

提督「ふみづ」

文月「絶対、やだぁ!」

提督「お、おい」

文月「司令官の、嘘つき!」ダッ

提督「なっ、ま、待て!文月!」

提督(......嘘つき、か。文月にそんなこと言われるとはな。キッツイなぁ)

提督「......でも、言わなくちゃな。ちゃんと」

提督「......文月、ここにいたのか」

文月 グスッ

提督「横、いいか?」

文月「......ゃ」

提督「......じゃあ、そのままでいいから話を聞いてくれ」

文月「......」

提督 フゥ......

提督「文月、ごめん!」

文月「え?」

提督「鎮守府を出た後のことを全然考えられてなかった......本当に、すまなかった」

文月「司令、官」

提督「寂しかったよな......本当にひどい上官ですまなかった。お前のこと、なんにも考えてやれなくて」

文月「......」

提督「一人はさ......寂しいもんな。俺もこの家に帰ってくるときに知ったよ。いなくなって初めて気がついたよ」

文月「......うん」

提督「......だから、さ。文月」

文月「......」

提督「今度は、今度は二人で行こう」

文月「......え?」

提督「ああ、言っただろ。俺が何とかしてやるからって」

文月「あ......」

提督「怖くて、逃げたくなったら支えてやる。だからさ文月......」

提督「もう一度だけ、頑張ってみないか?」

文月「......しれ、かん」





提督「文月......行こう?」

文月「......うん!」



.

大淀「......それで結局、二人で養父さんの家に行ったわけですか」

提督「あぁ、そしたらものすごく謝られちゃってさ」

大淀「あの人達も、根はいい人ですからね」

提督「文月も、それを見てかちゃんと心を開いてくれてな」

大淀「ふふ、それは良かったです」

提督「ま、俺も定期的に顔を出す約束してるしな。なんとかやっていくさ」

大淀「お疲れ様でした、提督」

提督「ああ、大淀もありがとな......っと」

大淀「提督?」

提督「そろそろ家に帰るわ。ちょっとやることもあるし」

大淀「そうですか。では、提督。久しぶりに、お会いできて楽しかったです」

提督「俺もだよ。それじゃあな」

大淀「はい、では」

提督「......ふぅ」

提督(あれから文月は養父さんの家に再び引き取られた)

提督(今ではちゃんと家族のように過ごせてるらしい)

提督(......文月は一人ではなくなったんだ)

提督(対して俺は一人となった)

提督(これでようやく、念願の平穏な生活を送れるだろう)

提督「......」

提督(でも少しだけ、文月を羨ましく思うのは多分気のせいじゃない)

提督(改めてわかる、一人は寂しいもんだ)

提督「はぁ......」

提督(一人は寂しい......だから)

ガチャッ

文月「司令官!おかえり~」

提督「......お前、また勝手に」

文月「えへへ~」

提督「はぁー」

文月「ほら司令官!おとーさん達と~、クッキーやいたんだよ~!」

提督「はいはい、じゃ、手を洗って食べようか」

文月「はーい!」トテテ

提督(夢にまで見た平穏な暮らしとは程遠いけど)

提督「こういうのも、悪くない、か」

【安価】提督「終戦?」

おしまい

安価スレの癖に安価めっちゃ少なくてすみません
読んでくださった方ありがとうございました

一応過去作
よかったらどうぞ

【安価】提督「名前?」
【安価】提督「名前?」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1480248638/)

あとブーン系一杯

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