喜多見柚「あまあまなバースデー」 (17)


P「あーもー、仕事終わらねえ……」

P「とっとと片付けてあれこれ準備しないとマズイってのに……」

P「早くしないとあいつレッスンから帰ってくるぞ……」

ガチャッ

P「あれ?」

柚「やっほー♪」

P「柚!? まだレッスンの時間のはずだろ!?」

柚「今日はねー、早く終わったんだー!」

P「ああ、そういうこと……」

柚「レッスン頑張ったからさーお腹へっちゃったよ! Pサンなんか奢ってー」

P「おごってやってもいいぞ」

柚「ありゃ珍しい。いつもドケチなのに」

P「こないだ立て替えたメシ代返してくれたらな」

柚「……ふゅーふゅー♪」

P「吹けてない吹けてない」



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柚「まーまー! そんなことよりも……」

P「そんなことて」

柚「そんなことよりも!」

P「ゴリ押してきたね……」

柚「重大なお知らせがあります」

P「お知らせ?」

柚「えぇー? 聞きたい? 聞いちゃう? どうしよっかなー♪」

P「……お帰りはあちらからどうぞ」

柚「わー! 待って待って! ジョーダンだよっ!」

P「わかってるよ。何のお知らせかな?」

柚「えぇ~? 聞いちゃうの~?」

P「なんなんだよ」

柚「ふっふっふー。これを見よっ!」


P「どれどれ……日めくりカレンダー? 昨日の日付だけど」

柚「そう! 見ればわかるよね」

P「こいつ」

柚「からのこうだっ!」

ベリッ

P(12月2日のページにでっかく色ペンで柚のサインが書いてある……)

柚「今日は柚の誕生日だー♪」

P「おー」パチパチパチ

柚「はい拍手ありがとーっ! ありがとーっ!」

P「いぇーい」パチパチパチパチ

柚「どーもどーも、やーありがとー!」

P「ヒューヒューッ」パチパチパチパチ

柚「あ、もういいカナー」

P「はい」


柚「で、誕生日なんだよ!」

P「うん、そうだったな! おめでとう!」

柚「Pサン!」

P「おう!」

柚「なんかちょーだいっ」

P「こいつ」

柚「えー? いいじゃーん!」

P「いや、ダメじゃないけど……まだ早いというか……」

柚「おっ? 何か用意しようとしてたってことカナ?」

P「」ギクッ


柚「へへっ♪ 図星みたいだね!」

P「……ピューピュー♪」

柚「あっ! 口笛吹けてる! ズルいズルい!」

P「ズルくないですぅー」

柚「ズールーいー!」

P「ずるくないって……そうだ、もう一回吹いてみなよ。出来るかもよ?」

柚「ホント?」

P「俺を信じろ」

柚「よーしっいくよ!」

P「うん」


柚「ふゅーふゅー♪」

P「……だめだね」

柚「……だめだこりゃ」

P「さっきと全っ然変わってなかったな」

柚「大器晩成型みたいだねー」

P「そのうちでっかくなるのか」

柚「なるなる。目指せほら貝サウンド」

P「口笛で?」

柚「そーだよ。『ぶおおー』って」

P「あー……できるんじゃないかな」

柚「まさかぁ」

P「自分で言っといてそれかよ……」

柚「Pサンはどう思う?」

P「できる。信じろ」

柚「でもねーPサン信じてもダメだったからねー」

P「んなこたない」

柚「そう?」

P「そう」

柚「そっかぁ」


P「……ははっ」

柚「……へへっ♪」

P「はぁ、しっかしこんなに早く戻ってくるとはなぁ」

柚「そのほうが面白いこと起こる気がしたんだモン!」

P「戻ってきてからびっくりさせよう大作戦失敗か」

柚「大作戦? あずきチャンたちも何かしてるの?」

P「いや、あいつらは女子寮のほうで……あ、いけね」

柚「ナニモキイテナイヨー」

P「よしいい子だ」

柚「でしょー?」


P「いい子の柚にはケーキを食べさせてやろう。小さいがめっちゃいいケーキだ!」

柚「わーいやったー♪」

P「芸能界の情報通、グルメ、スイーツの自信家たちから聞き込みして選び抜いた一品だぞ!」

柚「おぉー! ギョーカイの人っぽい!」

P「まあ、かな子とか志保とかに聞いたんだけど」

柚「がっくー!」

P「おいおい失礼だぞ」

柚「確かにスイーツファイブの主力が選んだケーキって信頼できる……! Pサンと違って!」

P「おいおい失礼だぞ」

柚「へへー♪」


P「それはともかく、これ絶対美味しいから!」

柚「んー……」

P「ほれほれ」

柚「んー……!」

P「あれ? どうした?」

柚「Pサン、さっき『食べさせてやろう』って言ったのに」

P「だからケーキ出したじゃないか」

柚「『食べさせてやろう』って言った!」

P「えっ」

柚「食べさせてっ」

P「そうきたか……」


柚「あーん♪」

P「はぁ……わかったよ。ほれ」

柚「あむっ♪ もぐもぐ……」

P「どう?」

柚「お、おいひいっ!」

P「だろー? もう一口いるか?」

柚「うんっ! あーん♪」

P「はいあーん」

柚「あむ!……~~~~っ!」ベシベシ

P「痛いッス喜多見サン」

柚「もう一口!」

P「マジっスか喜多見サン」

柚「あーん!」

P「はいはい」

柚「あむっ……んー!」

P「しっかし、おいしそうに食べるなぁ」

柚「これ本当においしいんだよ! Pサンも食べてみて!」

P「いいのか? どれどれ」


柚「あー待って待って! フォーク貸して!」

P「今度は何だ?」

柚「はい、あーん♪」

P「マジか!? あむっ!」

柚「はやっ!」

P「アイドルに『あーん』してもらえるなんて飛びつかないヤツのほうがどうかしてるわ!」

柚「アタシでも?」

P「なおさら食いつくって……めちゃくちゃうまいなコレ」

柚「そ、そっかぁ……へへっ♪」

P「おいどうしたんだ? 顔真っ赤だぞ」

柚「えっ!? な、なんでもないよっ!」

P「そう? ならいいけど」


柚「ほらほら、もうひとくちっ!」

P「あむっ。……うめえ……」

柚「ふう……よしっ」

P「もう一個買っとけばよかったかな……」

柚「ね、Pサン」

P「ん?」

柚「誕生日のお願い、聞いてくれる?」

P「できる範囲で頼むぞ?」

柚「すぐ終わるよ! ちょっと目、閉じてて!」

P「何する気だ? イタズラはやめてくれよ?」

柚「イタズラ……そうなるカナ?」

P「……ま、ちょっとならいいか」


柚「目閉じてる? ホントに見てない?」

P「閉じてるよ」

柚「それじゃ……」







チュッ


P「!?」


柚「へへー♪ お願いオシマイ!」

P「お、おい柚! お前いま……!」

柚「ただのイタズラ! ほらほら、それよりPサン! あずきチャンたちが何か用意してるんでしょ? 絶対面白いじゃん! 行こっ!」

P「い、イタズラって……」

柚「いいから!」

グイッ

P「うおっ!?」

柚「へへー♪」





柚「一緒に面白いコト探していこうねっ♪」



おしまい


日付変わる直前に柚(プレミアムサイン)が来たのでこうなりました。

柚、誕生日おめでとう!

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