芽衣子「スイート・リグレット」 (23)


・並木芽衣子さんと間中美里さんのSSです



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~事務所にて


美里(芽衣子さんが休憩室のこたつでうなだれてる……)

芽衣子「……」

美里「あ、あのぅ……どうしたんですかぁ?」

芽衣子「あぁ……美里ちゃん……」

美里「この世の終わりみたいな表情ですけど、まだ水曜ですよぉ?」

芽衣子「月の終わりだけどね……」

美里「明日から12月ですねぇ」


美里「今年も気づいたらすっかり冬で」

芽衣子「うん……」

美里「この前、雪も降りましたよねぇ」

芽衣子「うん……」

美里「行楽の秋、なんて言いますけど、結局どこにも行けなかったなぁ」

芽衣子「うん……」

美里「……心ここに在らず、って感じですねぇ」

芽衣子「……えっ、あ、ごめん。ぼーっとしちゃって」


美里「風邪ですかぁ?」

芽衣子「どう、だろ。熱っぽくはないような……」

美里「元気ないように見えますけどぉ……」

芽衣子「うーん、自分じゃわかんないや」

美里(風邪じゃないとなると……)


美里「……もしかして」

芽衣子「うん?」

美里「ケンカしちゃったとかぁ」

芽衣子「そんなのじゃないよ。プロデューサーとは普通、だとおもう」

美里(誰と、なんて言ってないのになぁ)

芽衣子「もっとくだらないことだよ……私個人の」

美里「聞いていいこと?」

芽衣子「んー、ちょっと恥ずかしいけど、美里ちゃんが聞いてくれるなら」

美里「こう見えて口は堅いんですよぉ」


芽衣子「えっとね……本当にくだらないことなんだけど」

美里「その人の悩みはどんなものだって大変なことですからぁ」

芽衣子「……月末にいろいろ測るでしょ?」

美里「ですねぇ。テストみたいですよね、あれ」

芽衣子「うん……それでね、あの……」

美里(なぁんとなく察しはつくなぁ)


芽衣子「えっと、その……体重、が……」

美里「うん……」

芽衣子「……そういうこと、です。はい……」

美里「少しなら誤差みたいなもの……」

芽衣子「……」スッ

美里「い、一ヶ月でかぁ……」

芽衣子「うぅっ……」


美里「見た感じ、そういう風には見えませんけど……」

芽衣子「……最近太ももとか胸がちょおっとキツくて……いや、着れるんだよ? 着れるんだけどね?」

美里「あぁ……」

芽衣子「この歳で成長期きたかーって」

美里「捉え方がポジティブすぎですよぉ」

芽衣子「誤魔化すのがうまくなってくる……」


美里「でも、そんなに増えることありましたかぁ?」

芽衣子「……」

美里「レッスンだって同じ量をやってるわけだし……」

芽衣子「……えーっとね」

美里「思い当たることが?」

芽衣子「たぶん……」


芽衣子「最近、事務所にこれ、こたつ置いたでしょ?」

美里「みんなの憩いの場になってますねぇ」

芽衣子「私もよくだらーってしてるんだけど」

美里「今もそうですよねぇ」

芽衣子「プロデューサーもよく休憩にくるんだよね」

美里(休憩にくる、というか、芽衣子さんがさせてるというかぁ)


芽衣子「こたつだからみかんは絶対置いてあるし、小さい子にってお菓子もあって」

美里「ついそれに手が伸びちゃうと」

芽衣子「プロデューサーが食べさせてくるんだよ~」

美里(餌付け)

芽衣子「みかんを、はいって渡されたら美里ちゃんも食べちゃうでしょー?」

美里「まぁ……そう、ですかねぇ」

美里(そういう状況になったことがないからわからないけどぉ)


美里「それくらいじゃ……」

芽衣子「それだけじゃないんだよ!」

美里「他にも?」

芽衣子「今年ってたぶん去年より寒いじゃない?」

美里「そうですねぇ。あっ、この前買ったコート、早速使ってますよねぇ」

芽衣子「あれすっごいお気に入り! みんな似合ってるって言ってくれてー」

美里「惠さんと3人で選びましたからねぇ。よかったぁ~」

芽衣子「プロデューサーも珍しくいいなって……じゃなくて!」

美里(まさかノロケが入るなんて)


芽衣子「寒いとさ、コンビニの肉まんとかおでんがすっごいおいしく感じない?」

美里「あっ、それはちょっとわかるかもぉ」

芽衣子「自分ひとりだと我慢できるんだけど、いっつもプロデューサーがいるからすぐ誘惑に負けちゃって」

美里「そ、そうなんですかぁ?」

芽衣子「だって、ひとつの肉まんを分けたりできるわけだし」

美里(もはやカップルのそれ)

芽衣子「おでんだってあれもこれも食べたいって欲張っても大丈夫だし」

美里「な、なるほどぉ~」

美里(惠さんじゃないけど、至近距離で聞くと胃が重いぃ……)


芽衣子「だからプロデューサーのせい! 焼きいもも食べさせられたし!」プンプン

美里「でも、結局食べたのって芽衣子さんですよねぇ」

芽衣子「だって『並木はうまそうに食べるな』って言うんだよ! そんなの食べちゃうに決まってるよ!」プリプリ

美里「理不尽だぁ……」

芽衣子「だってプロデューサーと帰ってなかったら食べてないもん!」


美里「最近はコンビニのスイーツもおいしいですからねぇ」

芽衣子「新作が出てるたびに食べてる気がする」

美里「それは……」

芽衣子「だってプロデューサーが買ってくるから……」

美里「もう一回言いますけど、食べる必要はないですよねぇ」

芽衣子「……だって、目の前に新発売ってシールが貼られたプリンが置いてあって、我慢できる?」

美里「たぶん……無理ですぅ~」

芽衣子「だよねぇ~」


美里「でもさすがに我慢はしないとぉ……」

芽衣子「後悔って後に悔やむって書くんだよ~」

美里「まぁ、今日からやればまたすぐ戻りますよぉ、きっと」

芽衣子「う~……がんばる……」

美里「気づいたときは私も言いますから、プロデューサーにも協力してもらいましょぉ」

芽衣子「だね~……もうトレーナーさんに怒られたくないし……」


モバP(※以下表記P)「ふぅ……あら、ふたりとも戻ってたのか。お疲れ」

美里「お疲れ様ですぅ」

芽衣子「……」

P「間中」

美里「はいぃ?」

P「俺はなんで並木に睨まれてるんだ」

美里「……さぁ?」

芽衣子「……お疲れ様ですー」

P「あぁ、お疲れ。別になにもやってないよな?」

美里「なんで私に聞くんですかぁ」


P「ま、いいけど……ほら、これ」ガサッ

美里「これは?」

P「コンビニで買い物したついでに、新しいの出てたからふたりにあげるよ」

芽衣子「むぅ~~~~~!」

P「だからなんだよ」

美里「あぁ、えっとぉ……とにかくこれはいただいときますねぇ。ありがとうございますぅ」


P「あぁ、あと」

美里「?」

P「この前、並木がおいしいって言ってたやつも買ってきたから」

美里(あぁ、これは……)

芽衣子「……美里ちゃん」

美里「……なんですぅ?」


芽衣子「明日からでいいかな?」

美里「……イインジャナイデスカァ」

芽衣子「棒読み!」


おわり


コンビニのおでんってなんであんなに美味しいんでしょう。


続きものではないですけど、同じ世界観のお話です。
よかったらどうぞ。

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