美穂「お忍びコーデ」 (32)


※小日向ちゃん可愛い



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ーー―事務所・談話室

美穂「うーん……どうしようかなぁ」

卯月「どうしたんですか?」

美穂「あ、卯月ちゃん。ううん、大したことじゃないから。ちょっと考え事してただけで」

卯月「考え事、ですか……そうだ、悩んでいるならなんでも言ってください! 解決できるかわからないですけれど、相談に乗るくらいならできますから!」

美穂「ありがとう、卯月ちゃん。本当に大したことじゃないんだけどね」


美穂「えっとね、自慢みたいに聞こえるかもしれないけれど……ほら、私たちって少し有名になってきたよね」

卯月「美穂ちゃん、いっぱいお仕事してますもんね。最近だと『いいのか? そんなんでいいのか? うちらアイドルやぞ、小日向美穂だぞ』って発言がネットでもよく取り上げられていますし」

美穂「それは別次元の何かだね。……まあでも、確かにそうなんだよね。アイドルとしてのお仕事もいっぱいもらえるようになってきてることは凄く嬉しいんだ。嬉しいんだけど……」

卯月「だけど?」

美穂「街に出ると、その、目立っちゃうというか……」


卯月「なるほどー。確かにテレビに出始めるようになってからは街で歩いているだけでも声をかけられたりするようになりましたね」

美穂「嬉しいけどね。あ、私のこと知ってくれているんだーって思うし、応援していますって言われると、わあーって気持ちが盛り上がっちゃうもん」

卯月「わかります! 私もつい嬉しくなって握手をしたりするんですけど際限が無くなっちゃって、凛ちゃんが『はい、握手はここまでだよ』って止めてくれるまで続けちゃったりするんですよね」

美穂「ふふ、それはなんとなく卯月ちゃんらしいね。凛ちゃんのマネは、あんまり似てないけれど。ふふっ」

卯月「あー、ひどいです美穂ちゃん!」

美穂「あはは、ごめんごめん」


卯月「もう……それで、気付かれること自体は嬉しいこともあるけど、反面困ることもある、ということですよね?」

美穂「うん……嬉しいんだけど、やっぱり普通の買い物や公園でのひなたぼっこがやりづらくて」

卯月「うーん……あ、そうです! 閃きましたっ!」

美穂「閃いた?」

卯月「はい、ズバリーー変装です!」


ーーー数日後・女子寮

卯月『今度一緒に変装用のお洋服をお買い物に行きましょう!』

美穂(と言われてから数日、今日は卯月ちゃんと街でお買い物だ)

美穂(プロデューサーさんには『最近の私、少しオシャレがわかるようになってきました。正体を隠しつつ可愛い服を選べるんですよ』なんて言ってしまった)

美穂(しかもそのうえに次のおやすみにお忍びモードを披露する約束もしてしまったから、今日はしっかり選ばなきゃ!)

美穂(さてと、それじゃそろそろ卯月ちゃんとの待ち合わせ場所へ行こうかな)

「おや、美穂さん。お出掛けですか?」


美穂「おはよう、幸子ちゃん。これから卯月ちゃんとお買い物に行くんだ。幸子ちゃんはお仕事だよね?」

幸子「はい。今回は動物園で虎とあっち向いてほいをしてきます」

美穂(それってこないだ芸人さんもやっていたような)

幸子「ところで美穂さん、もしよろしければこの帽子を被りますか?」

美穂「え? どうして?」

幸子「いえ、街に出るなら少しは顔が隠れるようにしたほうがいいと思いますから。ボクはこれからお仕事に行くだけなので、よかったら使ってください」


美穂「なるほど……顔を隠すって、帽子を深めに被るとかでもいいんだ」

幸子「そうですよ。まあ、ボクほどのカワイさになると隠しても隠しきれないカワイイオーラが出てしまうので無駄になってしまうんですけどね!」

美穂「あはは、幸子ちゃんは可愛いもんね」

幸子「当然です。とはいえ美穂さんもボクに負けず劣らずカワイイのでこんな帽子だけではこと足りないかもしれませんが、気休めにでもなればいいので」

美穂「うん。ありがとう、幸子ちゃん」

幸子(やっぱり美穂さんのこの天使のようなオーラは帽子ひとつじゃ隠せそうにありませんね、ボクのように)


ーーーショッピング街

美穂(少し早く着いちゃったのかな。卯月ちゃんはまだ来ていないみたいだ。待ち合わせ場所、このモニター前で間違いないよね?)

モニター『ねえ聞いて♪ 素敵な恋をしてるの♪ ドキドキこえてバクバクしてるハート♪』

美穂(あ……ラブレターが流れてる。あんな大画面で私たちのMVが。なんだか嘘みたいだ。自分のことじゃない、他人事みたいに思える。けれどあそこに映っているのは確かに私で、それに卯月ちゃん、響子ちゃん。P.C.Sの三人なんだ)

美穂(こうやって客観的に見てあらためて思う。私もなんとかこの都会でアイドルをやれているんだな、って。誰のおかげか、それはもちろんーー)

「おーーい、美穂ちゃーーん!」


美穂「ふぁっ!? う、卯月ちゃん、声が大きいよ!」

卯月「わわ、ごめんなさい。でも美穂ちゃんも声大きいですけど」

「もしかしてあれ、小日向美穂ちゃんと島村卯月ちゃんじゃない?」

「マジ? わたしうづみほきょーこのファンなんだー! 抱きつかなきゃ!」

卯月・美穂(気付かれた!?)

「ったく、抱きつくならアタシにしなさい。それと、プライベートの芸能人に声をかけるのはよしたほうがいいわ。有名税だなんだって言っても同じ人間、プライベートくらい自由にしたいでしょ?」

「むぇー、わかったよー。ぶーぶー。っていうかそもそもあそこにいるって教えたのあんたじゃーん」

「それはそれ。これはこれ」


美穂「ふう……気付いたのが優しい人たちでよかったね」

卯月「はい……あの、すみません、美穂ちゃん。ついはしゃいでしまって、大声で呼んでしまいました……」

美穂「ううん、それはぜんぜん気にしていないよ。ほら、この間も言ったよね? 気付いてもらえたり、声をかけてもらえることは嬉しいよって」

卯月「うう、次からは気を付けます~」

美穂「あはは、本当、気にしないでね」


卯月「ところです美穂ちゃん、その帽子はどうしたんですか? 美穂ちゃんがそんな帽子を被っているところを見たことないです」

美穂「幸子ちゃんが貸してくれたんだ。街に出るなら顔を隠せるようにって」

卯月「なるほど~! 確かに帽子を目深に被れば顔が隠れますもんね!」

美穂「でも、卯月ちゃんにはすぐ見抜かれちゃったけどね」

卯月「確かに顔は隠れていましたが、雰囲気というか、なんだろう? あ、美穂ちゃんだーって一目でわかりましたよ」

美穂「うーん、卯月ちゃんだから、なのかなあ」


卯月「うーん、どうなんでしょう。でも確かにそうかもしれませんね。私、美穂ちゃんとはずっと一緒にいますから」

美穂「ふふ、確かにそうかも。部屋にいても電話で話すし、事務所でも空き時間は一緒にいることが多いから」

卯月「仲良しです!」

美穂「卯月ちゃんと仲良し過ぎて凛ちゃんに嫉妬されちゃうかも、なんて」

卯月「あはは、大丈夫ですよ。凛ちゃんとも仲良しですから♪」


美穂「さてと。それじゃあお買い物に行こっか」

卯月「はい、せっかくですから色々なお店を見ましょう! 普段は着ないようなもので印象を変えてみたりとか!」

美穂「くまさんシャツ着てみる?」

卯月「キャラものとかってあまり着ないんで、どうなんでしょう。あ、でも最近はB○AMSさんで見かけましたよ、くまさんのシャツ。あれは男性用でしたが」

美穂「つまり時代が私に追い付いてきている……?」

卯月「ところB○AMSさんと言えばシンデレラプロジェクトのユニットごとでイメージシャツを作らせてもらったことがありますよ」

美穂「確かあれって期間限定のネット通販限定だったよね。卯月ちゃんたちのライブに着て来ている人たち、たくさんいたよ」

卯月「普段着にもできちゃうくらいに凄くいいデザインにしてもらいましたからね。ありがたいです!」


~~~ショッピング中

卯月「わあ、美穂ちゃん可愛いです!」

美穂「えへへ、そうかな?」

卯月「はい、すっごく可愛いです! すっかりオシャレさんですね」

美穂「ふふ、これでもちゃんとオシャレのお勉強していますから!」

卯月「本当、重ね着の合わせかたや色合いの組み合わせも華やかで、清楚な雰囲気が美穂ちゃんらしいなって思います」

美穂「卯月ちゃんにそこまで言ってもらえると嬉しいな。自信がつくよ。あ、でもでも、調子に乗っちゃいそう」

卯月「あはは、乗っちゃってもぜんぜん大丈夫ですよ~」


卯月「あ、だけどこの色の合わせかただと、幸子ちゃんに借りてきた帽子みたいなのとは少し合わないかもしれませんね。この帽子は真っ白ですから、合わせるのが難しいのかもしれません」

美穂「確かに。幸子ちゃん、今日は白のワンピースだったから、それに合わせて被っていくつもりだったんだ」

卯月「でも帽子の形としてはこんなのがいいかもしれません。美穂ちゃんが選んだお洋服は清楚な印象の服装ですから」

美穂「幸子ちゃんもワンピースに合わせていたっけ。なるほど、それじゃあこんな形の帽子で色が合わせられそうなのを探してみようかな」


美穂「あった、良く似てる形の帽子。色は……よし、これにしよう! どうかな卯月ちゃん?」

卯月「いいと思います! ベージュの落ち着いた雰囲気はさっきのお洋服にも馴染みます。合わせやすい色合いので幅広くつけられそうですね」

美穂「ふふ、よかった。これを被っていると幸子ちゃんともお揃い……ではないけれど、お揃いみたいに見えるかな」

卯月「美穂ちゃんとお揃いだったら幸子ちゃんもきっと喜びますね。ふふ、羨ましいから私もお揃いで買おうかな?」

美穂「いいね! どうせだったら響子ちゃんにも色違いを買ってあげよう。P.C.Sでお揃いの帽子です♪」

卯月「わあ、すっごくいいと思います! そうしましょう!」


~~~ショッピング後

卯月「たくさん買いましたね~」

美穂「たくさん買っちゃったね。今月は少し節制しないといけないかも?」

卯月「もやし生活ですね!」

美穂「あはは、そこまではしないよ。それに女子寮だと食堂もあるから、食費はそんなにかからないよ」

卯月「女子寮、いいですよね。食堂のご飯は美味しいですし、お風呂も大きいです。でもパパやママから離れるって、私だと寂しくなっちゃうかも」

美穂「卯月ちゃんは両親のことが大好きだもんね。だけど、私もたまに実家のことも思い出すけれど、みんなもいるから、寂しいとかぜんぜんないよ」


卯月「ふわぁ、やっぱり美穂ちゃん凄いです」

美穂「ふふ、そんなことないよ。卯月ちゃんのお電話とか、女子寮のみんなとお話してたりすると、寂しいとか、そういうこと忘れちゃうから」

卯月「あっ、その、電話と言えば私の電話って長すぎたりしませんか? ついつい話し過ぎちゃって」

美穂「ぜんぜん。だって卯月ちゃんと喋っていると楽しいから。もっともっと喋っていたいな、って思うもん」

卯月「ううっ、美穂ちゃん大好きですー!」

美穂「私も大好きだよ卯月ちゃん!」

………
……


ーーー数日後・女子寮

「あれ、美穂さん、今日のおやすみもお出掛けですか?」

美穂「うん、幸子ちゃん。これからプロデューサーさんに、お披露目しに行くんだ」

幸子「はあ、お披露目ですか。なるほど、確かに気合いの入った格好だとは思いますがどこもおかしくないですね」

美穂「よかった、卯月ちゃんに可愛いって言ってもらえていたけど、幸子ちゃんから見てもおかしくないんだ」

幸子「カワイイボクも認める素晴らしいコーデだと思いますよ!」


美穂「ふふ、ありがとう。幸子ちゃんも今日の服装のヒントをくれてたんだよ」

幸子「そうなんですか? いやあ、ボクは自然体でも誰かにカワイさを伝授してしまうんですね。仕方ありません、何せボクはカワイイそのものですから!」

美穂「うん、幸子ちゃんはとってもカワイイからね」

幸子「ふふふ、そうでしょう、そうでしょうとも! だけど美穂さんもボクに負けないカワイさですから、プロデューサーさんも見惚れてしまうかもしれませんね!」

美穂「み、見惚れるだなんてそんな! お洋服をちゃんと選べるんだってことを見てもらえればいいだけで!」

幸子「自信を持ってください、美穂さん。このボクが認めたんですから、バッチリなんですよ! プロデューサーさんなんてイチコロです!」

美穂「そ、そういうのじゃないですから~!」




おわり


以上です。

QGK(急にガチャが来たので)。
私は小日向ちゃんPなのですがカウントアップガチャというのはたいへん救いですね。デレステでのガチャで地獄を味わい尽くした中、たった35kで一枚お迎えできるなんて。天井があるって素晴らしい。
今回の小日向ちゃんもやはり可愛いです。キュートオブキュートなのはもちろん、どんどん磨きがかかるオシャレ、緊張も恐くないというセリフ、アイドル小日向美穂の成長が実感できます。
そんな小日向ちゃんの新SR『[キープオンゴーイング]小日向美穂』でも特にアルバムの台詞は必見です。1月以降には恒常にも追加されるので、ぜひ皆さんも小日向ちゃんをお迎えして見てください。

それでは

デレステ小日向ちゃん復刻に備えて貯金をしましょうね

>>1です。

某まとめサイトで指摘がありましたので一応の説明と、謝罪をさせていただきます。

まず、こちらのSSにおいて小日向美穂とのやりとりであるにも関わらず卯月をですます調口調にしてしまったことを不快に思われたかたに謝罪申し上げます。

ただ言い訳をさせてもらえるならばPCSはタメ口調だ、こんなの違う、と感じられるのはもちろんわかりますが、私個人としましてはモバマスでのやりとりですが、

卯月「美穂ちゃん、緊張しないように手を握ってあげます!」

美穂「そ、そんな…な、なんだかこれはこれで緊張するような…」

こちらの印象が強かった、というのもあります。モバマスでは攻フロントをうづみほにしていますので、このやりとりが強く頭に残っていました。

重ねましてPCS担当の皆様にはお詫びを申し上げさせていただきます。また、一人の小日向美穂担当としても深く謝罪させていただきたく思います。
このたびは誠に申し訳ありませんでした。今後このようなことが起こらないように誠心誠意努めさせていただきます

あと物凄く正直に申しあげますと、卯月の口調をタメ口調にしてしまうと私の頭の中で口調が混ざってしまい、混乱してしまうので、敢えて記号付けされたわかりやすさというものを優先したというのもあります。

口調は分けられるものなら分けたほうが頭の中で整理つけやすいんです。これは凄く個人的事情なので言い訳にもならないのですが。

とはいえ指摘のように、こんなの違う、と感じられてしまってはわかりやすかったとしても意味はありません。やはり申し訳ありませんとしか言えません。

再びとなりますが以後は気を付けます。申し訳ありませんでした

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