千川ちひろ「占い......?」 (29)


キャラ崩壊注意
ちひろさん(天使)が、みんなの知ってるちひろさん(天使)になるまで。
ちひろさんは終始天使です。金をむしりません。

今作とは関係ない前作↓
モバP「キスしやすい身長差?」
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ちひろ「あーあー、今日も疲れたなぁ......」トボトボ

ちひろ(私、このままこの仕事続けていていいのかなぁ......)

ちひろ(特に何かに不満があるわけじゃないけど、ぼんやりとこの先に不安があるのよね...)


ー占い(人相、手相、悩み相談)ー
1回3000MC


ちひろ(占いかぁ......)

ちひろ(って、あの占い師の人、プロデューサーさんに似てる!?)

ちひろ(......そんなわけないか、まだ会社にいるはずだし)

ちひろ(............)チラッ

ちひろ(......でも気になるなぁ)

ちひろ(うーん、普段はあんまり占いとか信じないんだけど、ちょっとやってみようかな......?)



~~~~~~

ちひろ「あの......」

占い師「どうしました?」

ちひろ(あ、ちょっと声が低い......プロデューサーさんよりちょっと年上な感じかな?)

ちひろ「えっと、占いをお願いしたいんですけど...」

占い師「そうですか.........わかりました、ではお座り下さい」

ちひろ「はい」


~~~~~~


占い師「...それで、どんなお悩みがあるんですか?」

ちひろ「えっ...そういうのって、こっちから言わなくても当てるんじゃ......」

占い師「......なるほど、そういう感じですか.........」

ちひろ「......そういう感じ?」

占い師「私の考えでは、こうしていただいたお代は、私が見せるものに対して大道芸ような感覚で払ってもらうものではなくて、悩み相談に対するコンサルタント料のように解釈しています」

占い師「コンサルタント料なら、その悩みが解決するために全力を尽くそうと、依頼者に悩みを聞くのは当然でしょう?」

ちひろ「そ、それは確かに...」

ちひろ(な、なんだか丸め込まれたような......)

占い師「まぁでも、得体の知れない人にいきなり悩みを言うのは抵抗があるでしょうから、ちょっとかっこいいところを見せましょうか」

ちひろ「かっこいいところ?」

占い師「利き手を貸して頂けますか?」

ちひろ「......どうぞ」スッ

占い師「......ふんふん、悩みは仕事についてのようですね」

ちひろ「...!......当たってます......」

占い師「ついでに言うとあなたの仕事は事務......それも、芸能関係と言ったところでしょうか」

ちひろ「す、すごい......!」


占い師「あ、いえ、そんなに感心していただくほどではないです」

占い師「服装的に割としっかりとした職であり、かと言ってこの時間に声に疲れが感じられず、服に砂ぼこりもなく、化粧も濃くなく、インカムや受話器を長時間つけていたような跡が髪に無いですし、比較的女性に多い受付係ではない」

占い師「そして、ヒールは高くなく歩きやすい方であるが、かかとはすり減っていないから営業職でもない」

占い師「利き手にインクの汚れがあるが、 ペンだこはないため、あなた自身は活字を書く仕事ではないが、手首にコリがあって少し目が充血気味なため、パソコンを長時間見る仕事である」

占い師「ほら、そう考えると事務員さんってことになるでしょう?」

ちひろ「怖いくらい当たっています......じゃあ芸能関係と言うのは?」

ちひろ(占い師とは思えないくらい論理的......)

占い師「......失礼ですがあなたは、今お付き合いしている人はいませんね?」

ちひろ「えっ......えぇ.........」

ちひろ(なんでわかるのよ...)

占い師「あなたの服装、全体的に気を配られていて、しかもそこそこに良いものを着ていらっしゃる」

占い師「これは裏を返せば、普段着にあまりお金をかける必要を感じていないということです」

占い師「また、手を貸していただきましたが、特にネイル等はなさっていませんでしたし、薄皮の手入れもしていませんでした」

占い師「あなたのように服装にもしっかり気を配るような方は、お付き合いをした場合こうした目に付くようなところにはすぐにお洒落を施すはずです」

ちひろ「うぅ...なるほど......」

ちひろ(返す言葉もない......)

占い師「それなのに、化粧品やハンドクリームなどはきちんとしたブランドのものを使っています。これは、自分ではそこまで必要性を感じていないものの、周りにそういった事に詳し方がいて、その人に勧められるがままに使っているという事でしょう」

ちひろ(......瑞樹さんに勧められたのをそのまま使っているだけだもん)

占い師「化粧も男ウケを狙ったものよりも、スキンケアにいいものや自肌に優しいものを優先されているようです。これは、職場が女性ばかりであまり男性からの視線に晒されていないということです」

占い師「また、タバコの臭いが全くしません。分煙などではなく、社内は完全禁煙なのでしょう。コーヒーの香りもしますが、同じだけ柑橘系の香りがします。ジュースでしょうか?これらから、社内に小さい子供がいる可能性があることが言えます」

占い師「あと、えりに青い糸くずがついていますが、おそらく社員証を首から下げているのでしょう。営業ではないあなたが社員証を下げて事務をしているということは、社員証にICチップなどがついて、社内はセキュリティがかなりしっかりしていて、それなりに大きな企業でかつ情報に対する防衛が必要な業種であると言えます」

占い師「よって、芸能関係...もっと言えばモデルやアイドル系の会社の事務員さんであると言ったのですが、納得いただけましたか?」

ちひろ「お、おみそれしました......」

占い師「まぁ、あなたの年頃の女性の半分は恋愛に悩んでいてもう半分は仕事に悩んでますので、当てられたからと言って落ち込むことはないですよ」

ちひろ「は、はぁ...」


占い師「それで......どうしてお仕事について悩みが?特にセクハラやパワハラは受けていらっしゃらないようですし、お給料も多くはないですが贅沢をしなければそれなりに暮らしていけるだけはあるようですが...?」

ちひろ(当たっているからこそだんだんイラッとしてきたわ)

ちひろ「えっと......確かにその通りなんですけど、周りの子たちがキラキラ輝いてる中、自分は毎日同じような仕事を繰り返してて、このまま年老いていくのかなーなんて思ったら怖くなってしまって...」

占い師「なるほど、芸能関係の職場でしたらなおさらでしょう。しかもあなたはそれだけの美貌をお持ちでありますし」

ちひろ「び、美貌だなんて...じ、冗談はやめてください」カァッ

占い師「いえいえ、とてもお美しくいらっしゃいます」

占い師「そうですね......そろそろクリスマスですし、サンタのコスプレでもしたらいかがですか?」




ちひろ「............は?」



.



占い師「ですから、サンタのコスプレです」

ちひろ「なっ...なんでそんな格好しなきゃいけないんですかっ!恥ずかしいですっ!!!」

占い師「いえ、別にセパレート型のサンタコスプレじゃなくてもいいですよ?」

ちひろ「そっ、そういう問題じゃないです!!!///」

占い師「まあまあ、あ、ほら、ラッキーアイテムみたいなものですよ」

ちひろ「急に占い師みたいなこと言わないでください!!」

占い師「では3000MCをあげますから、帰りにド〇・キホーテで買って、明日の会社で着てみてください」

ちひろ「それはさっき私が払った3000MCじゃないですかっ!!!しかも会社でなんて、できる訳ありませんっ!!!」

占い師「そうですか?芸能関係ともなれば、なかなか奇抜な格好をした人たちもいますでしょうし、浮かないのではないですか?」

ちひろ「そ、それはそうかもしれないですけど......」

占い師「着ないと祟られますよ?」

ちひろ「そんな漠然としたことを言われても信じられません」

占い師「じゃあ、着ないでこのまま変わらぬ生活を送るとしたら、そのうち仕事に嫌気がさして辞めてしまうもなかなか再就職が決まらなくて、どんどん貯金は減り、生活が苦しくなり、主婦パートのおばちゃんたちに混ざって永遠とレジ打ちをし続ける生活になりますよ?」

ちひろ「具体的過ぎて怖い」

占い師「まぁまぁ、騙されたと思って、一度やってみてくださいな。もし何も変わらなかったら、その足でここに来て、私を蹴飛ばしてもらっても構いません」

ちひろ「...うーん、でも.........」

占い師「............」ニコッ

ちひろ「......わかりました、そこまで言うのなら1回だけ、やってみます」

占い師「よかったです......ではほら、気が変わらないうちに買いに行ってください」

ちひろ「は、はい」スッ

占い師「結果報告、お待ちしておりますねー」



~~~~~~


ちひろ(変な人だったなぁ......)


ドン・〇ホーテ「」


ちひろ「..................」

ちひろ(......帰り道にあるのが悪いのよ)


ー店内ー


ちひろ(うわっ、こんなに布が少ない...)ガサガサ

ちひろ(こ、こっちはスカート短すぎっ//)

ちひろ(セパレートタイプも本当にあるのね......)

ちひろ(............)

ちひろ(......最近忙しくてあんまり食べれてなかったから、行けるか...な?)ガサッ



ー翌日ー


ちひろ(本当に着て来ちゃった......)

ちひろ(一応着替えも用意してるけど............)

ちひろ(まぁいっか、何かあったら蹴飛ばしてやるんだからっ)


ガチャ


ちひろ「おはよう...ございます......」

モバP(以後P)「おはようございます......って、どうしたんですか?そんな恐る恐る入ってきたりして」

ちひろ「い、いえ......」モジモジ

P「.........?...えっと、コート脱がないんですか?」

ちひろ「......お、驚かないでくださいね?」スッ

P「!!!!」


ちひろ「ち、ちひろサンタです.........なんちゃって///」

P「」


ちひろ「.........ご、ごめんなさいっ!!!!似合ってないですよね...すぐに着替えてきます!!!!!」ガタッ

P「そんなことないです!!!」

ちひろ「!!」

P「とってもかわいいです!」

ちひろ「ほ、本当ですか?//」カァッ

P「本当です!アイドルの子達にも負けてないですよ!!!!」

ちひろ「あ、ありがとう...ございます......///」


ガチャ


みく「おはようござい...に゛ゃ゛ぁ゛ぁ゛!!!」

P「アイドルが出しちゃいけない声だったぞみく」

前川さん「だ、だって、ち、ちひろさんが、そ、そんな格好を......」

P「みく、語尾」

ちひろ「やっぱり、似合ってないですよね...」

みく「そんなことないにゃ!!!」

ちひろ「!」

みく「冬は普通油断しがちなのに全然そんなことないし、お仕事で水着を着たりするみくたちも見習わなきゃって思ったにゃ!」

P「確かにそうだよなぁー、やっぱり、ちひろさんもアイドルを...」

ちひろ「い、いえ、それは大丈夫です......//」




ちひろ(あの後来た大人組にも褒められちゃったし、ちょっと距離を感じていた小さい子達との距離も、心なしか近づいた気がするわ)

ちひろ(悔しいけど、コスプレのおかげ......なのかな?)



その後、季節に合わせてコスプレをするようになり、いつの間にか彼女の新しい趣味となるのだが、それはまた別の話である



~~~~~


占い師「で、どうでしたか?私がまだ蹴られていないと言うことは、上手くいったということでしょうけども」

ちひろ「はい......なぜかうまくいきました」

占い師「ほらいったでしょー、ラッキーコスプレはサンタだって」

ちひろ「ラッキーアイテムですよ...」

占い師「まぁ、細かいことはいいんです。それよりも次行きますよ?」

ちひろ「細かいことって......と言うか、次??」

占い師「ええ次です。これだけじゃ、あなたの人生が良い方向に向くとは限りません」

ちひろ「そうなんですか......」シュン

占い師「そう落ち込むことはないですよ。大切なのは習慣なのです」

ちひろ「習慣......?」

占い師「人生とは、習慣によって形作られてるとも言えます。いい習慣を作れば、いい人生になります」

ちひろ「なるほど」


占い師「という訳で、次はお弁当作りです」

ちひろ「お、お弁当!?」


占い師「あなた、お昼は食べたり食べなかったり、不規則ですね?」

ちひろ「そ、そうです......」

占い師「まずそれを改めて、必ず食べること!そのために、お弁当を作りましょう」

ちひろ「わ、わかりました...」

占い師「あ、今日あなたの格好を最初に褒めてくれた人にも作るんですよ?」

ちひろ「えっ、なんでですか?」

占い師「自分1人だったらめんどくさくなったりするでしょう?だから、明日その人に会ったら、翌日お弁当を作ってくることを宣言して、自ら逃げ道を塞ぐのです」

ちひろ「な、なるほど......」

占い師「そうですね......最初は簡単に、サンドイッチとかでいいでしょう。あ、ラッキーサンドはポテトサラダです」

ちひろ「なんですかラッキーサンドって...」

占い師「あ、ポテトサラダのポテトは小さくしないと挟みにくいですからね?」

ちひろ「そういう問題じゃなくて...」

占い師「あ、お弁当がないと。なるほど、ではこの3000MCをあげますから、帰りに買って帰ってください」

ちひろ「だからそれさっき私が払った3000MC......」

占い師「とりあえず、1週間続けてみましょう。もし上手くいったなら、その後も続けるんですよ?」

ちひろ「わかりました......」

占い師「そうと決まれば、はい、善は急げですよ!お店が閉まる前に、買いに行ってくださいな」

ちひろ「...そうします」

占い師「では1週間後、またお会いしましょう」



~~~~~~


ちひろ(今度はお弁当かぁ......)

ちひろ(わ、私だって、毎日お弁当作るくらいできるし!)

ちひろ(できる......し?)



ー翌日ー



ちひろ「プ、プロデューサーさんっ!」

P「なんです?」

ちひろ「あ、明日、プロデューサーさんの分のお弁当を作ってきますから、お昼持ってこなくていいですよ!」

P「えっ、いや、なんだか申し訳ないですし、大丈夫ですよ...?」

ちひろ「い、いいんですいいんですっ、私の分を作るついでですからっ!!」

P「そ、そうですか...」

ちひろ「え、あ、ついでと言っても別に嫌々作るんじゃなくて、せっかくなら誰かに食べてもらいたいなぁってことですから!気にしなくていいですからね!!!」

P「そ、それならわかりました...お言葉に甘えさせてもらいます」

ちひろ「えぇ、お任せくださいっ」



ーその日の夜ー


ちひろ(うーんと、一応中身だけでも用意しておこっと)

ちひろ(定番はやっぱりハムチーズとかかしら...あとはタマゴ?)

ちひろ(プロデューサーさん、どんなのが好きなんだろう.........)

ちひろ(..................)ウーン

ちひろ(...一応、ラッキーサンドだがなんだかのポテトサラダも用意しておこーっと)


ー翌朝atちひろの家ー


ちひろ(寒いぃ...)

ちひろ(もう少しだけ布団に......)

ちひろ(.........って、危ない危ない!お弁当作らないとっ)

ドタバタ


ーお昼at346プロダクションー


ちひろ「プロデューサーさんっ、お弁当、食べましょう?」

P「あ、ありがとうございます、ホントに作ってきてくれたんですね」

ちひろ「もちろんですよ!さ、どうぞどうぞっ」

P「ありがとうございます、いただきます」パクッ

P「......!」モグモグ

ちひろ「ど、どうですか......?」

P「おいしいです!」

ちひろ「ほ、本当ですか!」

P「本当ですよ」

ちひろ「あぁ、よかった...」

P「俺、ポテトサラダのサンドイッチ大好きなんですよ」

ちひろ「そうなんですか!?」

ちひろ(ラ、ラッキーサンド......)

P「子供っぽいですよね...」

ちひろ「いいえ、そんなことないですよっ、好きなものは好きでいいじゃないですか」ニコッ

P「......!」ドキッ

P「そ、そうですよね......あ、ほら、ちひろさんも食べましょう?」

ちひろ「はい、そうさせてもらいますっ」


ーその日の夜、帰り際ー


P「あ、ちひろさん、今日はお弁当、ありがとうございました」

ちひろ「いえいえ、私から言い出したことですしっ」

ちひろ「あ、そうだ、明日のお弁当の中身は何がいいですか?」

P「えっ、明日も作ってもらえるんですか!?さすがにちょっと申し訳ないなぁ...」

ちひろ「そんなことないですよ、私の料理の練習に付き合ってると思って、気楽に考えてくださいっ」

P「そ、そうですか...?ならお言葉に甘えようかな......」

ちひろ「腕によりをかけて、頑張っちゃいますねっ」ニコッ

P「......」ドキッ

P「......ちひろさん、いいお嫁さんになるんだろうなぁ」ボソッ

ちひろ「お、お嫁さんっ!?.///」

P「あ、ご、ごめんなさい、声に出しちゃいました...」

ちひろ「い、いえっ、私はまだ、そういうのは......付き合ってる人もいませんし......」

P「そうなんですか!?てっきり、もういい人がいらっしゃるのかと...」

ちひろ「いえそんなっ......」


P「......」メトメガ
ちひろ「......」アウ


ちひろ「......わ、私っ、もう帰りますねっ」

P「あっ、おっ、お疲れ様です!...あ、お弁当、ハンバーグがいいですっ」

ちひろ「ふふっ、わかりました、頑張りますねっ」


これにより料理に興味を持った彼女が、疲れが溜まっていたプロデューサーのためにとあるドリンクを作るようになるのだが、それはまだ先の話である。



ー1週間後ー


ちひろ(明日はオムライスだなんて、プロデューサーさんって結構子供っぽいものが好きよね)

ちひろ(...なんだか最近、明日が来るのが楽しみになるようになったなぁ)

ちひろ(......これも、お弁当のおかげ、占いのおかげ......なのかな?)

ちひろ(......とりあえず、今回もあの人を蹴飛ばせそうにないわね)


~~~~~~


占い師「おー、見事に上手くいきましたか。結構結構」

ちひろ「人に作ったものを食べてもらうと、なんだかやる気が湧いてきますね」

占い師「そうでしょうそうでしょう。今もあなたは明日の献立のことを考えていらっしゃるようですし、習慣づいたと言っても問題ないでしょう」

ちひろ「さ、さすが、よくわかりますね......」

占い師「では、次に進みましょうか」

ちひろ「まだ次があるんですか?」

占い師「と言っても、もうあと少しです。それに、今回は当たり前のことをするだけですから」

ちひろ「......と言うと?」


占い師「私、最初からずっと思っていたんですが、どうして緑色の服を着ていないんですか!?」

ちひろ(黒スーツ)「はい!?」


占い師「アイドルプロダクションの事務員と言ったら緑でしょう!?!?765年前から決まっているんですよ!!!!」

ちひろ「いやでも、普通は黒なんじゃ...」

占い師「認められません。黒なんて、そんな黒いプロダクションなんて認められません!」

ちひろ「は、はぁ...」

占い師「特に規則で黒とは決まってませんよね?だったらこの9000MCをもって、スーツを買いに行くのです、今すぐに!!!」

ちひろ「こ、こんなにいただけません!」

占い師「ほら、30連回して1発でスーツが出たと考えれば安いものでしょう?」

ちひろ「全然1発じゃないじゃないですかっ!!!」

占い師「とにかく、緑以外は認められません!それがあなたには必要なのです」

ちひろ「でも......」

占い師「緑はお好きでしょう?それも、かなり明るい黄緑色が」

ちひろ「た、確かにそうですけど.........」

占い師「それならいいじゃないですか、好きな色の服を着て仕事をするのは楽しいですよ?」

ちひろ「でも、みんなになんて言われるか......」

占い師「ではほら、もしなにか悪いことを言われたら、明日ここに来て私を蹴飛ばしていいですから。まぁそもそも、他人の評価なんて気にする必要が無いのですが...」

ちひろ「.........わかりました」

占い師「あなたらしいスーツを選んで、着てくださいね」


~~~~~~


ちひろ(私らしいスーツって言われても......)

ちひろ(スーツなんて、普通黒しかないわよね...ましてや黄緑なんてあるわk...ってえぇっ!?!?」

ちひろ(ど、どうしてあるのよこんな蛍光黄緑のスーツなんて......)

ちひろ(ここまで来ると、なんだか怖くなってくるわね......)

ちひろ(......買うしかないの......かな?)スッ


ー翌日ー


ちひろ(着て来ちゃった......)

ちひろ(コスプレと違って今日は替えがないから逃げ場がないわ......)

ちひろ(プロデューサーさん......なんて言うかな.........)


ガチャ


ちひろ「お、おはようございます......」モジモジ

P「おはようございます、ちひろさん......?」

ちひろ「.........」モジモジ

P「どうしたんですか?そんなにモジモジして......あっ、もしかして、またサンタの格好を......?」

ちひろ「い、いえ、サンタではないんですけど......」スッ

P「!!!」

ちひろ「どう......ですか?この服......」

P「とっても似合ってますよ!あー、やっぱり事務員さんは緑ですよねぇ...765年前から決まってますし!」

ちひろ「な、なんなんですか765年前って...」

P「なんだか、事務所がパッと明るくなった気がします!...ちひろさん、黄緑色がお好きなんですか?」

ちひろ「え、えぇ、見ていて元気が出てくるので、大好きなんですっ」

P「なるほどだからちひろさんのお弁当箱も黄緑色がなんですね」

ちひろ「えへへ、そうなんですよ、ついつい黄緑色のものを手に取っちゃって」

P「俺も黄緑色好きだからわかりますね、だから、家にもいつの間にか黄緑の小物とか増えちゃったり」

ちひろ「そうなんですか!いいなー、行ってみたいなぁ」


P「えっ?」

ちひろ「............あっ」


P「だっ、ダメですよからね?若い女性が簡単に男の家に上がっちゃ」

ちひろ「そっ、そうですよね、いきなり上がったら迷惑ですよね......」

P「そういうことじゃなくて、ちひろさんみたいにお綺麗な人にそんなことを言われたら、勘違いをしてしまうやからだっているんですからね?」

ちひろ「そ、そんな、誰にでも言ったりしませんもん!」

P「!」

ちひろ「あっ......!...えぇっと.........」


ガチャ


みく「おはようございますにy......に゛ゃ゛ぁ゛ぁ゛!!」

前川さん「朝からなんなんですかこの桃色空間は!!!」

P「みく、前川さんになってるぞ」

みく「Pちゃんたちがイチャイチャしてるのが悪いにゃ!!さっさと仕事するにゃ!!!!」

P「あ、あぁ、すまん...ちひろさんも、仕事始めましょう?」

ちひろ「............」

P「ちひろさん?」


ちひろ「..................////」

みく「に゛ゃ゛ぁ゛ぁ゛!!水持ってくるにゃ!!!!」


~~~~~~


占い師「なるほど、からかわれたけども、服自体の評判は良かったと」

ちひろ「は、はい//」

占い師「それはよかった......あなたも、随分いい顔をするようになりましたよ」

ちひろ「そ、そうですか?」

占い師「そうですよ、最初に来た時は、ただ1日が過ぎるのを眺めているだけのような顔をしていましたから」

ちひろ「確かにそうかもしれません......でも今は、毎日毎日が色付いて、楽しく思えるんですっ」

占い師「それは何よりです...........では、私からの最後のアドバイスです」

ちひろ「最後......なんですか...」

占い師「えぇ、最後です。最後は......そうですね、占い師らしく、予言をしましょうか」

ちひろ「予言.........」


占い師「はい。......明日、あなたの前に、とある人が現れます。」


占い師「その人はあなたの人生に彩りを与え続け、共に過ごすことであなたの生きる励みとなるでしょう」


占い師「もし明日、オレンジ色の手袋をした人があなたの前に現れたら、その人と結婚しなさい。その場で求婚しないにしても、必ずその人と結ばれるような努力をするのです」


占い師「あなたが自分からその人との距離を詰めようとすれば、必ずのその願いは成就します」


ちひろ「...オレンジ色の......手袋」

占い師「そうです。チャンスを逃してはいけませんよ?」

占い師「そうですね、もし、明日その人が現れなかったら、私のことを煮るなり焼くなり好きにしてください」

ちひろ「相変わらず自信満々ですね」

占い師「ふふっ、これでも私は、占い師ですから」

占い師「あなたは今、幸せを掴む一歩前にいます。その最後の1歩を踏み出す勇気、掴み取ろうとする気持ち、それが大事なのですよ」

ちひろ「はい」


占い師「いいですか、1歩を踏み出すよですよ?例え、予想だにしない運命(さだめ)が待っていようとも...」

ちひろ「.........?」


~~~~~~~


ー翌日ー


ちひろ(オレンジ色の手袋の人......かぁ...)

ちひろ(どう出会うんだろう......)


ー午前ー

ちひろ(まだかなぁ...)

ー午後ー

ちひろ(あれー?)

ー夕方ー

ちひろ(そろそろかしら......)



ー夜ー

ちひろ(......蹴っ飛ばしてやる)ツカツカ

ちひろ(結局、それらしい人は現れなかった...)

ちひろ(そう言えば初めてあの人が言うことが外れたなぁ)

ちひろ(不遜でずけずけものを言う人だけど、占いを外したことはなかったのに......)

ちひろ(もっとも、あれを占いと言っていいのかはよくわからないけど)

ちひろ(よしっ、蹴っ飛ばして、ストレス発散してやるんだからっ)

ちひろ(......あれ?)

ちひろ(......いつもここにいるのに)

ちひろ(.........あの占い師の人がいない!?)

ちひろ「ど、どこに行ったんだろう...」ウロウロ

ちひろ(そ、そう言えば連絡先も何も知らないし...)

ちひろ「ど、どうしよう...」


??「どうかしましたか?」

ちひろ「!!」

P「なにか探しているんですか?」

ちひろ「プ、プロデューサーさんっ!!どうしてここに!?」


P「い、いやぁ、俺もさっき仕事が終わったんで、帰ろうt...ちひろ「あぁーーっ!!!」ドキッ

P「ど、どうしました?」

ちひろ「そ、その......手袋.........///」ドキドキ

P「えっ、これですか?......やっぱり、男がオレンジの手袋なんてしていたらおかしいですよね」

ちひろ「い、いえ......そんなこと...///」モジモジ


P「......でもこれ、兄の形見で」


ちひろ「えっ..................?」


P「数年前に、海難事故で......もっとも、遺体は見つからなかったんですけどね......」

ちひろ「そう......だったんですか.........」

P「当たらない占いばかりしていた兄ですが、ここぞという時の占いはホントによく当たったなぁ.........この手袋も、俺に幸せを運ぶとかなんとか言ってたけど...」


ちひろ「!!!!」


ちひろ(ま、まさか、そんなこと...)

P「ちひろさん?」

ちひろ(そ、そんなことって......)

ちひろ「......い、いえ、ごめんなさい......」



占い師『いいですか、1歩を踏み出すよですよ?例え、予想だにしない運命(さだめ)が待っていようとも...』



ちひろ(あの人が言っていた運命って......)

P「暗い話しちゃってごめんなさい...」


ちひろ「......プロデューサーさん」

ちひろ「...プロデューサーさんは占いを信じますか?」

P「占い......ですか...うーん、自分でもわからないです......」


ちひろ「.........」ダキッ


P「ちひろさん!?」

ちひろ「...私、あんまり占いを信じていなかったんです。でも、最近ある占い師さんに出会って......」

ちひろ「その人は、私の知り合いによく似ていて、でも少し年上で声も低くて」

P「............」

ちひろ「占い師を名乗ってるのに全然占い師っぽくなくて、言いたいことをずけずけ言うし、態度は大きいし、こっちを振り回すし」


P「............!」


ちひろ「でも私、その人のおかげで変われたんです。澱んでいた日常が、どんどん色付き出して......プ、プロデューサーさんとも...話す機会が増えて...//」


P「......ちひろさん」


ちひろ「だから私っ、その人の、最後の占いも信じてみたくって!だから、怖いけど、1歩を踏み出してみようって思うんです!」


P「ちひろさん......」


ちひろ「プロデューサーさん...前に言いましたよね、勘違いさせるからやめなって」


P「............」


ちひろ「......プロデューサーさんなら......勘違い............してもいいんですよ?」ニコッ



終わりです。
ぎりっぎり誕生日に間に合ってよかった!!!
ちひろさん、誕生日おめでとうssでした!!

やち天!!!!!!!

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