幼女は、きらいだ (6)

休日 昼

幼女「開けろーさみゅい」ピンポンピンポン

男(また隣の幼女か)

男(今度はなんの用だろうか。また暇だからお菓子をたかりにきたのだろうか。それとも、またご両親が喧嘩しているのだろうか。

あるいは両親が仕事で、また預かる羽目になるのか

いずれにせよ、面倒ごとには間違いない)

男「しかし、助け合いの精神を捨てられない俺でした」ガチャガチャ

男「なに?」ギィ

幼女「なんでチェーンしてから開けたの?」

男「防犯意識は大切だよ。君も知らない男の家にのこのこ入っちゃいけない」

幼女「ぬぐぐぐっ…くっ!?」ズリズリ

男「なんかドアの隙間に身をねじ込もうとしているけど、聞いてる?」

幼女「はさまった…くる…しい…しぬ」ジタバタ

男「わぁああああああ!今開けるから、動くなよ!」ガチャコン

幼女「はぁ…はぁ…」ケホケホッ

男「はぁ…はぁ…」ドキドキ

幼女「しぬかとおもった」キッ

男「無理やり入ろうとした幼女ちゃんが悪いからね。今度は親御さんにちくってもだめだからなー」

幼女「…」

男「残念でしたwwwwwwww」

幼女「おぉぉぉぉぉおかぁああああああしぃいいいいいいいいいいい!!!」

男「うるさっ」


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男の部屋

幼女「ダイブッ!」ズドーン

男「そんなに気に入ったの?その新品のソファ」

幼女「うん、あたたかい」

男(それは真冬なのにセーター一枚でいるからだろう)

幼女「おぉぉぉかぁぁああしいいい!」

男「分かったよ。ほら」パシッ

幼女「うまい~棒だ!しかもサラダ味!」ピョンピョン

男(子供の機嫌をとるのは安くていいな)

幼女「たべていい?!」

男「もらったら食べる前に、言うべき言葉があるよね」

幼女「え」

男「ほら、『あ』から始まって『う』で終わる言葉だよ」

幼女「あう」

男「短いよ!もうちょっと考えて」

幼女「んんんわかんない!」

男「正解は、『ありがとう』だよ」

幼女「じゃあ、それで」

男「君が言わなきゃ」

幼女「あり、がと」

すると、幼女はうまい棒の包装紙へ向かってぼそりと言うのだ。

さては照れているのだろうか。

生意気だと思っていたが可愛いところもあるじゃないか。

うまい棒に懸命にかじりつく幼女を微笑ましく思いつつ、俺は冷蔵庫へむかった。

男「ジュース、なにを飲みたい?」

幼女「!!んっご!」ムシャムシャムシャ

男「え、なんて?」

幼女「りんごっ!」ブバッ

男「…ソファの上で…なんてことを…」

幼女「こぼれた」指ペロペロ

男「いやそんなレベルじゃないって。口から機関銃ばりにぶっ放してた」

幼女「…」チラッ

男「…」フキフキ

幼女「…」チラッ

男「…どうしたんだ?」

幼女「なんでもない」プイッ

男(こいつなりに、罪悪感を感じているのかもしれない)

男(なら、償わせて、気を楽にしてあげよう)

男「なぁ、手が空いてるなら雑巾がけ手伝ってくれるか」

幼女「んっやる」

男「じゃあ、この汚れた雑巾を洗面所で一度洗ってきてくれるか」つ雑巾

幼女「うぇえええ…ばっちいい」ツンツン

男「かつては君の口に入っていたものなんだけどねぇ」

幼女「ほい」つ雑巾

男「お、ありがとう」

幼女「あーおわった」

男「いや、洗っただけだよね?」

幼女「げーむしていい?」

男「やれやれ、飽きるのも早いな。いいよ」

幼女「げーむは…おうまさんごっこがいいなぁ…」チラッ

男「君の後始末をしているからむりだ」

幼女「うーっ!」

男「一人でできる遊びをしなさいな」

幼女「とりついた!」ガバッ

男「なんか背中が重っ!って、君か!」

幼女「むふふふっ」ギュゥ

男「このっ振り落としてやる!」

幼女「あははははっ!はははははあっ!」


ビキィッ


男「あー、腰いった」

幼女「だいじょうぶ?」

男「俺も年かな、もうあんまり無理はできないな」

幼女「パパもとりついたら同じこと言ってた」

男「だろうね」

幼女「でもその日は外に行かずに、家にいてくれたからよかった」

男「…そっか」

幼女「でもパパね、それからあたしが後ろに回ると警戒するようになったよ」

男「よほど痛かったんだろうね…」

幼女「こんどは成功させる」

男「君の家から悲鳴が聞こえたら、成功したんだと思っておくよ」

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