輝子P「幸子ちゃん…か」 (19)

幸子誕生日記念ssです。初ssなので至らぬ点があるかと思いますがよろしくお願いします


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とある居酒屋

幸子P「んじゃ、142'sスペシャルライブ大成功を祝して!乾杯!」

小梅P「乾杯」

輝子P「乾杯です」

幸子P「いやぁ、しかし良いライブだった!三人とも良い笑顔だったしな!」

輝子P「そうですね、お客さんの盛り上がりも上々でしたし、大きな問題も何も起こりませんでしたし」

幸子P「頭に輝子ちゃんの曲入れたのが良かったな!やっぱりライブの時の輝子ちゃんは惚れ惚れするなぁ…」

輝子P「いやいや、幸子ちゃんの新曲お披露目の時のほうがボルテージは上がりましたよ。曲の間完全に会場揺れてましたよ」

小梅P「一番かわいかったのは小梅」

幸子P「小梅Pはブレねえなぁ…」

小梅P「今日の小梅は最高だった。流石小梅。小梅最高。小梅のためなら[ピーーー]る」

輝子P「あ、あはは…」

幸子P「じゃあお前ら、今日のライブ何点よ。俺は当然100点かな」

輝子P「僕も100点でいいと思いますよ」

小梅P「90点」

幸子P「お、意外な点数。そのこころは?」

小梅P「まだ詰められるところは多い。問題点も全くないわけじゃなかった。それに小梅はもっとかわいい。小梅のかわいさを完全に表現できていない。」

輝子P「まぁ確かに。運営側に立てばいくつか問題は見えますよね。例えばその、最初の幸子ちゃんのバンジーは不要だったのでは?」

幸子P「あぁん?ばっかおめえあれでファンの心をグッとつかんだだろうが」

輝子P「はぁ…そういうものですか」

小梅P「盛り上がったのは認める。」

輝子P「し、しかし、安全面の問題もありますし…」

幸子P「んー?なんだ、お前まだ幸子にお熱なのか?」

輝子P「い、いえっそういうわけでは!」

小梅P「輝子Pは幸子のことが好きだったの?初耳」

幸子P「そうそう、ちょっと前から幸子に熱視線送ってやがんの。全く、アイドルにとってスキャンダルはご法度だってのに」

輝子P「違いますってば!それにアイドルより前に中学生ですよ!?」

小梅P「大丈夫、中学生に恋愛感情を持つのは当然。ようこそ、こちら側へ」

輝子P「こ、小梅Pさんと一緒にしないでください!大体僕はあの芸人のようなパフォーマンスが必要だったのと言いたいだけでですね!」

小梅P「今はアイドル戦国時代。無個性だけでは生き残れない。それより先の発言に対して遺憾の意を表明する」

幸子P「そうだぜ、うちの事務所だけで見てもトライアドだのLipsだの超人気ユニットがゴロゴロしてんだから」

輝子P「う…ぐう」

小梅P「ぐうの音がでた」

輝子P「しかしあまりに強引なプロデュースは双方にとってですね…」

幸子P「…じゃあ、直接話してみるか?」

輝子P「は?」

幸子P「幸子と。ほら恋路の応援も兼ねてさ」

輝子P「こ、恋路って…僕はそういうつもりじゃ…」

幸子P「よっしゃ!んじゃ今ここで142'sプロデューサー交換会を提案するぜ!」

輝子P「はい?」

小梅P「は?」

幸子P「企画自体は前々から考えてたんだよな。ほら、142'sはこれからの有望株だろ。ぜひともこのユニットは俺らとしても事務所としても推していきたい。そこでアイドル、プロデューサー間のコミュニケーションは積極的にとっていこう、という趣旨の企画だ」

小梅P「話にならない。小梅は私のモノ誰にも譲らない」

輝子P「それって担当を外れる、ということですか…?それはちょっと…」

幸子P「違う違う!一日だけ、な。ほら他のアイドルの活動を見るのも勉強になると思わないか?」

輝子P「それは、まぁ…そうですけど」

小梅P「……」

幸子P「小梅Pはどうだ?ダメか?」

小梅P「私の手から小梅が離れるなんて容認できない。けど、小梅のかわいさをあなたたちに教えるのも小梅教教祖の私の仕事だから一日だけなら、まぁ」

幸子P「よっしゃ決まりだな!」

輝子P「て、ていうかそもそも酒の席のノリでそんなこと…アイドルにも負担になりますし…」

小梅P「そう、分かった。小梅、愛してるわ……小梅は構わない、と言ってる。幸子と輝子も同様。」

幸子P「お、流石小梅P。仕事と手の速さだけが自慢と呼ばれた女だぜ」

輝子P「じ、事務所の許可が下りたら、にしてくださいね…?」

輝子P「本当に許可するなんて…うちの事務所、承認緩すぎじゃないんですか…?」

幸子「おはようございます!輝子P さん!」フフーン

輝子P「あ、えっと、おはよう幸子ちゃん。今日は一日よろしくね」

幸子「はい!ボクのカワイさを全世界に伝えるため馬車馬のように働いてください!」

輝子P「うん、できる限りサポートさせてもらうよ」

幸子「あ、えっと…はい」

輝子P「ど、どうかした?」

幸子「い、いえ!少し勝手が違って戸惑ってるだけですので」

輝子P「あ、僕なんかダメだったかな?」

幸子「い、いえ!輝子Pさんはそのままでいてください!……全く、Pさんはもっと輝子Pさんを見習ってですね…」ブツブツ

輝子P「そ、それじゃ今日のスケジュールの確認だけど」

幸子「今日は夜のライブだけ、ですよね?」

輝子P「あぁ、うん。お昼には会場入りするからそれまでは待機、ということで」

幸子「はい、大丈夫ですよ!」

ありがとうございます。ただたぶんもう引っかかるような言葉は出てこないと思いますので…
一応引っかかった部分は死ねる、でした

再開します

同時刻、別室にて

幸子P「うーん、小梅ちゃんまだかな。そろそろ来るはずなんだけど…」

幸子P「はっ、まさか事故に巻き込まれたりとか?!」パッ

幸子P「ん?電気が…停電か?」

小梅「ばあ!」

幸子P「ぬおおおおお!!!!!…あ、小梅ちゃん、か」

小梅「えへへ、ドッキリ大成功…」

幸子P「いやーびっくりした。心臓止まったもん」

小梅「心臓止まってたら死んじゃってるけど…ね…」

幸子P「いや、マジ止まったよ。実際ちょっと指先とか腐敗始まっちゃってるし」

小梅「ゾンビ…!」キラキラ


同じく別室

小梅P「これは…エノキ?」

輝子「そ、それは…シメジくん…だぞ…」

小梅P「ふむ…。ごめんなさい、キノコにはあまり詳しくないもので。あっ、これはトリュフね」

輝子「フ、フヒ、エノキとシメジは…間違えられないと思う…けど…。あと、それは…エリンギくん…だな…。」

ライブ会場

スタッフ「はい!オッケーです!」

幸子「お疲れ様です!」

輝子P「お疲れさま。リハなのに結構飛ばしてたみたいだけど、大丈夫?」

幸子「はい!カワイイボクはペース配分も完璧なので!」

輝子P「そっか、まぁ本番まで時間はあるしゆっくり休んで…」

幸子「あ。あのぉ輝子Pさん?やけに危ない演出なんて…ない、ですよね?」

輝子P「え?…あ、あぁ、そういう予定は聞いてないけど…」

幸子「そ、そうですか、ならいいんですけど」

輝子P「…前から聞いてみたかっただけど、幸子ちゃんってどうしてバンジーとかスカイダイビングみたいな危ない仕事もやってるのかな…
   そういう趣味とか?」
幸子「ちっ、違いますよ!…あれは、その、ボクとしても不本意なんですけど…」

輝子P「い、いやなら幸子Pに直接言った方がいいよ!あいつ調子のいい奴ではあるけど嫌なことを無理やり強制させる奴じゃないし!
   言いづらいなら僕から言ってあげるし!」

幸子「そうですねぇ。ただ、その、ボクはプロですから!
   Pさんがせっかくとってきてくれた仕事ですし、なによりファンの皆さんが喜んでくれるならボクは飛びますよ!」

輝子P「…すごいんだね、幸子ちゃん」

幸子「そうです!なんといってもボクはカワイイですから!それに、空から飛び降りるボク、最高にカワイイと思いません?」

輝子P「…そうだ、ね。すごくかっこいいと思う…」

幸子「うーん、ボクとしてはカワイイと言ってほしいところではあるんですが…」

スタッフ「おい!アリゲーターの搬入早くしろ!」

スタッフ「ウィッス!」

幸子「ちょ、ちょっと!どうしてライブ会場にアリゲーターを搬入する必要があるんですか!聞こえてますよ!」

スタッフ「やべ!ばれた!」

ライブは無事に成功した

ライブ後

輝子P「改めて、ライブお疲れさま。すごくよかったよ」

幸子「ありがとうございます!ボクとしてはあの段階でアリゲーターの存在に気付けたのは上出来でした!流石ボク!危機回避能力まであるなんて!」

輝子P「あはは…じゃ、出発するけど、家までの方がいいかな」

幸子「事務所までで大丈夫ですよ!今日は輝子さんと小梅さんと寮に泊まる予定なので!」

輝子P「そっか、了解」ブロロー



車内

輝子P「それで、今日一日プロデューサーを務めさせてもらったわけだけど、どうだったかな。何か、不手際とかなかった?」

幸子「そうですねぇ、お仕事の失敗はありませんでしたけどボクノプロデューサーを務めるならもっと褒めてください!」

輝子P「あ、あはは…次の機会があれば善処するね」

輝子P(あれでも足りないんだ…)

輝子P「でも、僕のほうが勉強させてもらっちゃったかな」

幸子「そうです!ボクのカワイさをもっと輝子Pさんは知るべきです!」

輝子P「…………幸子Pはさ、強引でやることなすこと滅茶苦茶だけど事務仕事は早いし人望もあるしで結構有能なんだ、僕なんかよりずっと。」

幸子「…」

輝子P「え、えっと!だから、たぶんまた変なこと言い出すと思うけど仲良くしてやって、ね」

幸子「…輝子Pさん!面白い話教えてあげましょうか?」

輝子P「え?」

幸子「プロデューサーさんは、いまでこそあんなんですけどね、ボクがまだ新人だったころ、
   ライブの前でガッチガチに緊張してたボクの手を握ってくれたんです」

輝子P「…へえ」

幸子「ここからが面白いんですけどね、プロデューサーさん、自分から握ってきたくせにボクよりずっと震えてるんですよ。
   震えた手と声で『大丈夫だ』って『頑張れ』って『幸子は世界一カワイイ俺のアイドルなんだ』って泣きそうな目をしながら言ってくれたんです。
   情けないと思いません?」

輝子P「…幸子ちゃんも緊張するんだね」

幸子「はっ!ち、違いました!Pさんが緊張してたから手を握ってあげたんです!なんて優しいボク!」

輝子P「そう、だね。幸子ちゃんは優しいもんね」

幸子「輝子Pさんもですよ!」

輝子P「え?」

幸子「輝子さんがいつも言ってますよ、優しいんだって、いつもちゃんと話を聞いてくれるんだって」

輝子P「それくらい、普通のことなんじゃ…」

幸子「輝子さん、せっかくカワイイのにあの性格でしょう?どうしても学校では浮いちゃうらしいんですよ」

輝子P「…みたいだね」

幸子「だから、輝子さんのプロデューサーさんが輝子Pさんでよかったです!輝子さんのこと、これからもよろしくお願いしますね!…っと、着きましたね」

輝子P「あぁ…、お疲れさま。…そうだね…幸子ちゃんも、またどこかのお仕事であったらよろしくね」

幸子「ええ!こちらこそよろしくお願いします!」

後日、とある居酒屋

幸子P「小梅P!折り入ってお願いがある!」

小梅P「拒否する」

幸子P「小梅ちゃんを俺に担当させてくれ!手続きとかも全部やるしちゃんと愛を注ぐから!」

小梅P「拒否するといったはず!絶対にだめ!」

幸子P「そこを何とか頼むよぉ!」

輝子P「は、はは」

幸子P「っと、輝子P。お前はどうだったんだ?愛は育めたのか?」

輝子P「育んでませんよ!」

幸子P「なんだよ、俺が小梅ちゃんのプロデューサーになった暁には幸子はお前に任せてもいいと思ったのに」

小梅P「なら輝子Pが幸子を担当することは絶対にない」

輝子P「そうですよ、それ以前にアイドルを道具みたいにポンポン交換なんてできるわけないでしょう?」

幸子P「ちぇー頭の固い奴らめ」

輝子P「……幸子ちゃんは、あれなんでしょう?」

幸子P「ん?」

輝子P「宇宙一カワイイ俺のアイドル、なんでしょう?」

幸子P「なっ!てめえそれどっから!」

小梅P「なに今の意味深な発言。詳しく。1から100まで詳しく」

輝子P「いいですよ、これは内緒なんですけどね?」

幸子P「本人前に内緒も糞もあるかーーーー!!!!」

以上です
短いものになりましたがありがとうございました

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