高垣楓「prank show」 (151)


P「皆さんこんばんは! いかがお過ごしでしょうか?」

P「人気アイドルに過激なドッキリを仕掛けるこのコーナー、『prank show』のお時間がやって参りました!」

P「さて、本日も素敵なゲストに来ていただいております。毎度お馴染みのあの方です。どうぞー!」



常務「常務の美城だ。よろしく頼む」





SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1480060894


P「ゲストというか、実質レギュラーですよね」

常務「正直、この手のものは大好物だからな」

P「実は今回も一部、仕掛け人として協力していただいております」

常務「ふっ、私の演技力を以ってすれば容易い事だ」

P「では、常務の活躍は楽しみにしておくとして、まずはこのVTRに参りましょう!」



P「ぶいてぃあ~る」

常務「キュー!!」




http://i.imgur.com/mImDIfD.jpg

安部菜々(17)

ウサミン星からやって来たという彼女。今でこそ人気絶頂だが、メイド喫茶でバイトを続けながらアイドルを目指し、苦労も多かったと聞く。

年齢は永遠の17歳。

しかし、17歳という若い年齢でバイトをしながら長年アイドルを目指していたという点に疑問が残る。

もしかしたら年齢を偽っているのではないのか?

確かに容姿は17歳に見えるが、時折自爆芸を繰り広げ、アラサー疑惑もちらつく彼女。

我々番組スタッフは、そうした疑問を解き明かすべく、彼女にぴったりなドッキリを仕掛ける。



題して──







『果たして彼女の本性は? 深夜の職質ドッキリ! 安部菜々はこのピンチをどう切り抜けるのか!」




P「はい、というわけで菜々さんにはニセ警察官による職質を受けてもらいます」

常務「ふむ」

P「国家権力を相手に、どう立ち回るか楽しみですね」

常務「うーん、彼女なら怯えしまうんじゃないか?」

P「その辺はVTRで確認してみましょう。どうぞ!」

常務「…………」ワクワク




11月の某日。

この日のロケはスケジュールの都合で大幅に遅れ、帰りは深夜になってしまう。

本来であれば、18歳未満の年少者は労働基準法で22時を超える労働をしてはならないのだが、ここは割合させていただく。



常務『もう最初から分かってやってるじゃないか!』

P『確信犯ですよね』







こうして、深夜の帰路につく安部菜々。



菜々「…………」



その表情からは年不相応の疲れが顔に滲み出ていた。



P『本来なら必ず私が家まで送り届けていますからね。今回はドッキリの為にやむなくですから』

常務『当たり前だバカ者』




そして、彼女に仕掛け人の魔の手が近づく。



警官「ちょっと! そこのキミ!」

菜々「……え?」ビクッ

警官「キミだよ、キミ!」

菜々「わ、私ですか?」



突然の来訪に怯える安部菜々。




警官「こんな時間に何やってるの?」

菜々「え? えーと……その……」

警官「うん? ハッキリしないねぇ」

菜々「あっ、いやお仕事で、そのぉ……」

警官「仕事? こんな時間まで?」



P『思わずテンパっちゃってますね』

常務『うむ。かわいい』




警官「でも見たところ、キミ未成年だよね?」

菜々「え!?」

警官「未成年がこんな時間に出歩いちゃいけないのよ。わかる?」

菜々「は、はぁ……」




いよいよ本題にせまる仕掛け人。ターゲットはどう切り抜けるのか!




警官「親御さんはどうしたの?」

菜々「じ、実家で元気にしてますけど……」

警官「実家? キミもしかして一人暮らししてるの?」

菜々「ま、まぁ……」

警官「へぇ、若いのに偉いね!」

菜々「ありがとうございます……」





警官「それはさて置き、とりあえず補導という形になるから。交番まで付いてきてくれる?」

菜々「えぇ!? 補導!?」

警官「当たり前だろう。深夜に未成年が出歩いちゃダメだよ」

菜々「い、いや! ナナはですね、実は!」

警官「詳しい話は交番で聞くから」

菜々「ま、待ってください! 誤解なんですよ~!」




警官「その慌てよう……何か隠してるのかね?」

菜々「あっ、隠すというか、なんというか……」

警官「もしかして、さっきの仕事と関係あるの?」

菜々「そ、そう! 実はナナはアイドルなんです!」

警官「アイドルぅ?」




警官「…………」ジー

菜々「…………」ドキドキ



警官「あー! アイドルの安部菜々だ!」

菜々「そうです! 安部菜々です!」ホッ






P『凄いホッとした顔してますね』

常務『誤解が解けて安心したんだろう』




菜々「だから今日は撮影が押しちゃって! だからこんな時間になっちゃったんです!」

警官「ふーむ……」

菜々「わ、わかって貰えましたか?」

警官「…………」

菜々「それじゃあナナは失礼しますね!」



しかし、安心も束の間。

仕掛け人はこれでは引き下がらない!




警官「待ちたまえ!」

菜々「な、なんですか?」

警官「安部菜々って、あの安部菜々だよね?」

菜々「そうです! ウサミン星からやってきた安部菜々ですっ! きゃはっ!」

警官「って事はだよ?」



警官「キミ17歳だろ? ほら、やっぱり未成年じゃないか!」

菜々「えええええぇ!!??」



思わぬ反撃に、思わず声を荒げてしまう安部菜々(17)。



P『いやぁ、裏目に出ましたね』

常務『ど、どうなるんだろう』ワクワク




菜々「い、いやぁ、17歳は17歳なんですけれど……なんというか……その」

警官「?」

菜々「あっ、17歳は17歳でも、永遠の17歳というか……」

警官「???」



要領を得ない回答をするターゲット。

仕掛け人の納得する答えを導き出せるのか!?




菜々「そ、そうだ! 身分証!」



常務『おお! なるほど! その手があったか!』

P『普通だったら真っ先に思い付くんですけどね、かなりテンパってましたから』



菜々「これを見てもらえれば……」

警官「身分証? 学生証かな?」

菜々「あっ、いや……学生証はもう随分前に……じゃなくて!」

警官「免許証? 原付バイクは16歳で取得出来るからこれじゃあ……」

菜々「とにかく! これを見てもらえれば全部わかります!」



しかし、この免許証が原因で思わぬ事態を招くことになるとは、誰もが想像しなかった!!



中断します。


警官「どれどれ……こ、これは!」

菜々「?」

警官「キ、キミ! これはゴールド免許じゃないか!」

菜々「えへへ……ペーパーですけどね」



警官「17歳じゃゴールド免許は取れないよ! も、もしかして偽造免許か!?」

菜々「ええええ!?」




警官「これは大事件の予感だ! 補導じゃ済まないぞ!」

菜々「ままま待ってください! ほ、ほら! 保険証です! これなら!」

警官「こ、これも生年月日が合わないじゃないか!」

菜々「ええ!?」

警官「そうだ! キミの干支を言ってみたまえ!」

菜々「え、干支ですか!?」

警官「うむ」

菜々「えーと……17歳だと干支は……じ、じゃなくて実際のを言うべきなのか……」



免許証で身分を証明をするつもりが、まさかの事態に!




警官「そ、それにこれは!」

菜々「今度はなんですか~!」

警官「本籍が千葉県になってるじゃないか! ウサミン星じゃないのか!?」

菜々「ええええ!? そこですか!!!???」




警官「もう言い逃れは出来ないぞ! 拘束させて貰う!」

菜々「ま、待って! 違うんです! 話せばわかりますから!」



そらそろターゲットが泣きそうなのでネタばらし。




警官「さぁ、行くぞ!」

菜々「な、なんでこんな事に~!」



???「どうしたのよ一体」




警官「あっ、先輩」

菜々「さささ、早苗さん!!」



早苗「何か事件?」



ここでスペシャルゲスト、元婦警の片桐早苗が登場!




菜々「早苗ざ~~~ん! 助げで~~~!」

早苗「よしよし」

菜々「わだじ~~~逮捕されちゃうんでず~~~!」

早苗「うんうん」

菜々「ごの人の上司なら誤解を解いでぐだざい~~~!」



早苗「そっかそっか……あれ?」



ターゲット、あまりのショックのせいか、片桐早苗を本物の警官と勘違い。




早苗「あ、あのね菜々ちゃん」

菜々「ふえぇぇぇん」

早苗「これ見て、これ」



菜々「……え?」




菜々「ド、ドッキリ……?」

早苗「そうなのよ。ごめんね?」

菜々「じ、じゃあこの人は?」

早苗「ニセ警官よ」

警官「すいません、すいません」ペコリ



菜々「ええええぇ!!!???」




菜々「よ、よかった~~~」ヘナヘナ

早苗「な、菜々ちゃん!」

菜々「だってこの人ナナが17歳って信じきっちゃってて、何を言ってもダメなんですよ~!」

警官「…………」ペコペコ




早苗「菜々ちゃん、これテレビに映ってるわよ」

菜々「はっ!?」



菜々「あああ、あの! ナナは本当に17歳で! えっと、その! 千葉県じゃなくてウサミン星の17歳で……あれ?」




菜々「これって『元祖ドッキリカメラ』ですか? それとも『スターどっきり㊙︎報告』?」

早苗「もうどっちも終わってるわよ」

菜々「え? さ、再放送で観たんだっけな~! あ、あはは~!」



早苗「じゃあ最後にカメラに向かって一言お願いね。さ、立って」

菜々「よっこい……あ、あれ? 腰が……あっ、いや! 歳のせいじゃなくてですね!」

早苗「せーの!」



菜々「ま、待ってください! えっと、あの、ド、ドッキリ大成功~!」



ちゃっちゃらー(菜々さんリクエストの効果音)




P「はい。という事でVTRをご覧いただきましたけども」

常務「いや~よかったよかった」

P「涙目の菜々さん可愛かったですよね」

常務「うむ。早苗くんに抱きついてるところも良かった」

P「早苗さんって背小ちゃいですけど、菜々さんは更に小ちゃいですからね」

常務「私と並ぶと30センチくらい小さいんだぞ?」

P「いいですね~」

常務「ああ!」




P「まぁ、今回も菜々さんは色々と自爆してましたが、それは置いといて」



P「次はなんと! あの元モデルのアイドルがドッキリの餌食に!」

常務「ふむふむ」ワクワク



中断します。


http://i.imgur.com/KPGrIbt.jpg

高垣楓(25)

人気モデルからアイドルに華麗に転身。

歌にドラマに大活躍の彼女。

若い女性からは勿論、近年放映されたお酒のCMで魅せた妖艶な姿に、お父さま方からも絶大な支持を得て『お酌して欲しい芸能人』のNo.1も獲得。

今や日本を代表するアイドルといっても過言ではない。



そんな彼女は大のお酒好き。

ミステリアスな風貌からは想像出来ないが、ほぼ毎晩のように飲み明かしているという。



そして、そんな彼女にぴったりのドッキリを仕掛ける。



題して──







『もしもミネラルウォーターの中身がお酒に切り替わっていたら? 酔いどれドッキリ! 高垣楓は一体どんな反応をするのか!!』




P「というわけで、楓さんの飲み物をこっそりお酒に変えちゃいます」

常務「少し前に一緒に呑みに行ったんだが、すっごい呑むぞあの子」

P「ことあるごとに誘われますからね」

常務「うむ。だがまあ仕事中に呑むということはないだろう」

P「まぁ、そこらへんはVTRで確認してみましょう。どうぞ!」




11月の某日。

この日は雑誌のスチール撮影で、都内のスタジオに訪れていた。



カメラマン「はい! それじゃあ一旦休憩に入りましょうか!」

楓「はい。ありがとうございました」

カメラマン「今までいい感じだったから、後半もこの調子でよろしくね!」



寒くなってきたとはいえ、室内の写真撮影はライトやフラッシュに当てられて、被写体は中々に体力を奪われてしまう。




P「お疲れさまです。よかったらこれどうぞ」

楓「ふふっ、ありがとうございます。少し喉が渇いていたので助かります」



担当プロデューサーから受け取ったミネラルウォーター。

しかし、この中身はなんと高級純米酒。

果たして、高垣楓はどういう反応をするのだろうか!




ペットボトルのキャップを開けるターゲット。



楓「?」



そして何かに反応する高垣楓。

開けた瞬間の香りで気付いたのだろうか?

まさかの作成失敗か!?




しかし、次の瞬間。



楓「…………」コクッ



口に含むターゲット。



常務『ホッ。バレてなかったか』

P『僕もこの時は心臓が爆発しそうでしたからね』






楓「!!!???」




一口飲み、衝撃を受ける高垣楓。

困惑の表情を浮かべる。



楓「え? あの、これ……」

P「どうかしましたか?」

楓「いや、これって、あの……」



P「そうそう。今回は控え室を用意してくださったみたいなので、そちらに行きましょうか」

楓「プ、プロデューサー。そうじゃなくて……」

P「ほら、行きますよ」

楓「は、はい」



発言する隙を与えない仕掛け人。

言い出せぬままプロデューサーの支持に従う。




控え室



P「それじゃあ時間になったら迎えに来ますから、ゆっくりしていてくださいね」

楓「わ、わかりました。あの……それよりもこれって……」

P「あっ、ごめんなさい! ちょっと電話掛かってきたので、また後で!」

楓「え? あ、あの! プロデューサー!」



電話と言い立ち去る仕掛け人。

そして、一人残されたターゲット。



果たして、彼女はどうするのだろうか!




楓「…………」ジー



P『うわっ、ずっとペットボトルを見つめてますね』

常務『あの瞳で見つめられると、素直におしゃべり出来なくなるんだよな』



P『…………』

常務『…………』





楓「…………」ジー



P『見つめたまま微動だにしませんね』

常務『警戒しているのかな?』




そして、見つめたまま5分経過……。

すると?



楓「…………」



P『あっ、手に取りましたね』




楓「…………」クンクン



キャップを開け、香りを確認するターゲット。



楓「…………」



しかし、そのまま硬直。



P『…………』

常務『…………』




だが、次の瞬間!



楓「…………」コクッ



常務『あっ! 飲んだぞ!』



ついに再び口に含むターゲット!




楓「はぁ……美味しい……」



そして、恍惚の表情を浮かべる高垣楓。



常務『色っぽい』

P『ですね』

常務『というか、また飲んじゃったぞ』

P『警戒してたっぽいですけど、なんか色々誘惑に負けたんですかね』








楓「でも、なんでミネラルウォーターに日本酒が入ってるのかしら?」コクッ



常務『疑問を感じながらも、普通に飲んでるぞ……』



当たり前のように飲み始めたターゲット。

しかし、罠はこれだけでは無かった!




コンコン



楓「!? は、はい!」



突然の来訪に慌てるターゲット。



P「失礼します。楓さん、実はですね」

楓「な、なんでしょうか!」

P「ん? どうしたんですか? なんか様子が……」

楓「な、なんでもないですよ?」






P「そうですか。あっ、それよりもですね」

楓「はい」

P「実は機材トラブルがあって、撮影の再会が遅れそうなんですよ」

楓「そうなんですか?」

P「はい。なので、しばらくここで待って貰うことになりそうです」

楓「わかりました。私は大丈夫です」

P「助かります。また進展あったら連絡しますので」

楓「はい」




P「それじゃあ、また」

楓「はい」



控え室を後にするプロデューサー。



楓「…………」コクッ



そして、またもや飲み始める高垣楓。




ガチャ



P「あっ、一個忘れてました」

楓「!?」



いきなり戻ってきたプロデューサーに、思わず噴き出しそうになる高垣楓。



楓「けほっ……けほっ……」

P「だ、大丈夫ですか!?」

楓「だ、大丈夫……です……」




楓「そ、それよりどうかしましたか?」

P「あっ、いや、実はロケ弁をいただいたのを忘れてたので届けに」

楓「そ、そうですか。ありがとうございます」

P「それじゃあ今度こそ失礼しますね」

楓「は、はい。お疲れさまです」



再び立ち去るプロデューサー。




楓「ふぅ……びっくりした」



楓「それよりもロケ弁は嬉しいですね。空きっ腹で呑むのはどうもあれだったので」



常務『もう、この子呑む気満々じゃないか』

P『ですね』




楓「えっと中身は……わぁ!」



弁当の中身を確認するターゲット。

そして、歓喜の声をあげる。



楓「鯖味噌にカラスミ、牛すじも! どれも相性ぴったり!」



なぜか弁当に入っているおつまみ各種。

しかし、それに疑問を持つ様子はない。



楓「…………」パクッ



楓「…………」モグモグ



楓「…………」クイッ






楓「はぁ……♪」





P『むちゃくちゃ幸せそう』

常務『これは私も呑みたくなってくるな』




そんな幸せを噛み締める高垣楓に、さらにトラップを仕掛ける……。



楓「…………」パクパク



コンコン



楓「!?」



楓「は、はい!」




スタッフ「失礼しまーす」

楓「ど、どうぞ」

スタッフ「あっ、高垣さん」

楓「な、なんでしょうか?」

スタッフ「この部屋寒くないですか?」

楓「え?」

スタッフ「実は空調の調子が悪いみたいで。最近冷え込んできたから、大丈夫かなと思って」

楓「そ、そうですか? 結構暖かいですけど……」



常務『それは日本酒呑んでるからだろ』

P『はははっ』




スタッフ「実はこれ、セットで使う達磨ストーブなんですけど」

楓「わぁ! 可愛いストーブですね!」

スタッフ「これ置いていきますので、よかったら使ってください」

楓「そうですか。わざわざありがとうございます」

スタッフ「使い方わかりますか?」

楓「実はあまり……」

スタッフ「じゃあ、やっておきますね」

楓「はい、助かります」




スタッフ「あと加湿器の代わりに、やかんも用意しておきましたので、乗せて使ってください」

楓「何から何まで、ありがとうございます」

スタッフ「ははっ、高垣さんの声が出なくなったら大変ですもんね」

楓「ふふっ」



スタッフ「よし、これでOKです。また何かありましたら呼んでくださいね」

楓「わかりました」

スタッフ「それでは失礼します」

楓「はい、ありがとうございました」



スタッフの好意を受け、満足そうな表情を浮かべる高垣楓。

お酒も飲み、まさに幸せの絶頂だろう。




ストーブ「」シュー



楓「ふふっ、暖かくて気持ちいいですね」パクッ



楓「…………」モグモグ



楓「…………」コクッ



楓「ふぅ……♪」




楓「…………」



突然、物思いにふける高垣楓。

一体どうしたのだろうか?



楓「うーん」



P『何か悩み始めましたね』

常務『なんだろう?』




楓「……冷も美味しいけど……熱燗でも呑んでみたいわ」



常務『!?』





ストーブ「」シュー



楓「…………」



目の前のストーブを見つめるターゲット。



楓「……よし」



そして、おもむろに立ち上がりストーブの前へ!




楓「よいしょ」



なんと、やかんを手に取り、そして!



楓「えいっ」



中身のお湯を捨ててしまった!



常務『ま、まさか!』

P『そのまさかでしょうね』




やかんに日本酒を注ぎ始める高垣楓。



楓「湯煎じゃペットボトルが溶けちゃうかもしれないし、いい器がないから直接やるしかないわよね」



そして、やかんをストーブの上に乗せる。



楓「慎重にいかないとアルコールが飛んじゃうし、気をつけましょう」



そのままやかんの中身と格闘すること数分……

ついに!




楓「よし、完成だわ」



熱燗が完成!



楓「盃の代わりに、お弁当に付いてた受け皿を使いましょう」トクトク



楓「…………」



楓「…………」クイッ



楓「~~~~~っ!」






楓「ふわぁぁぁ……美味しい……」






楓「もう、幸せすぎて……どうしましょう……」



楓「…………」パクッ



楓「…………」クイッ



楓「~~~~~~っ!!!」





常務『もう、完全に出来上がってるだろ』








もう完全に仕事中だという事を忘れ、飲み続けるターゲット。

そんな彼女に、ついにネタばらし!

天罰がくだる!!




楓「…………」クイッ



ガチャ!!



楓「!?」



???「そこまでよ!」




楓「え? え? 早苗さん?」

早苗「両手を上げなさい!」



先ほどに続き、再び登場! 片桐早苗!




楓「あ、あの……どうしてここに?」

早苗「飲酒検問よ!」

楓「ええ!?」

早苗「さぁ、こっちに来なさい!」

楓「あ、あの……」



P『見る見る青ざめていきますね』

常務『むちゃくちゃビビってるな』



突然の来訪に、混乱するターゲット。




早苗「さぁ、ここに息を吐きなさい」

楓「な、なんですこれ……」

早苗「アルコール検知器よ」

楓「ええ!?」

早苗「ほら、『はぁ~』って」

楓「ま、待ってください。私飲んでないですよ」

早苗「なら問題ないじゃない」

楓「い、いやぁ……その……」




楓「で、でも確か飲酒検問って任意ですよね!?」

早苗「残念。拒否した場合は罰則があるわよ」

楓「ええ!?」



P『まぁ、早苗さん現職じゃないから任意も罰則も何も無いんですけどね』

常務『もう混乱して、何がなんだか分からんのだろう』




早苗「ほら、楓ちゃん」

楓「う、うぅ~」

早苗「ここよ、ここ」



しかし、ついに観念したのか。



楓「は、はぁ~~~」



アルコール検知器に息を吐く高垣楓。




早苗「うーん」

楓「…………」



早苗「残念ね、クロよ」

楓「ま、待ってください! 私は何も知らなかったんです!」

早苗「熱燗にまでしといて、何言ってんのよ」

楓「うっ……」



常務『ごもっともな意見だ』

P『見事な論破ですね』






早苗「職務中の飲酒で逮捕よ」

楓「ご、誤解なんです!」

早苗「問答無用!」

楓「そ、それだけは!」



特に法に触れているわけでも、片桐早苗はもう警官ではないので、そんな権限があるわけ無いのはさておき……

少し可哀想になってきたのでネタばらし。




早苗「楓ちゃん楓ちゃん」

楓「は、はい?」

早苗「これ見て、これ」プラカード



楓「…………え?」



早苗「ドッキリよ、ドッキリ!」



楓「ええええ!?」




早苗「アンタ、私がもう警察官じゃないって忘れてない?」

楓「そ、そういえば……」

早苗「でも仕事中に飲酒は感心しないわね」

楓「すみません……」



楓「あれ? でも早苗さん前に……」

早苗「え?」



常務『これは後で詳しく聞かなくてわな』

P『き、気づかなかった……』




早苗「と、とにかく! 今後はこんな事がないように!」

楓「はい……反省します……」

早苗「よし」

楓「ところで、これって全部撮られてました?」

早苗「もちろん隠しカメラで一部始終バッチリよ」

楓「うぅ……あと、もしかして皆さんグルですか?」

早苗「もち」




早苗「それじゃあ、カメラの前にひとことお願いね」



楓「はい。わたくし高垣楓は、もう仕事中にお酒を飲んだりしません。ちゃんと仕事が終わってからにします」



早苗「ドッキリ~」

楓「大成功……です!」



楓「……ところで、残ったお酒持って帰ってもいいですか?」





P「はい。というわけでどうでしたか?」

常務「まぁ、熱燗までやるとは思わなかったぞ」

P「狙いはあったんですけどね、実際にやるとは僕も思いませんでしたよ」

常務「あと艶っぽい」

P「確かに」

常務「一緒に呑んでて、特に酔って何かする子じゃないのは知っているし、向こうからどうこうしてくるわけじゃないんだが……なんというかこっちは襲いたくなってくる」

P「マジっすか」

常務「お前とは二人きりにはさせんぞ」

P「……わかってますよ」



P「では、続いては元局アナウンサーのアイドルがドッキリの餌食に!」

常務「ついでに私の出番もあるぞ!」




中断します。


http://i.imgur.com/Lhkqjqb.jpg

川島瑞樹(28)

元地方局の女子アナからアイドルに転身した、

大人の魅力が溢れるお姉さん。

持ち前のキャラクターで、司会からバラエティまで引っ張りだこの超人気アイドルである。



そんな彼女に仕掛けるドッキリは、大人気のあのコーナー!







── ハニートラップ ──




P「というわけで、やって参りました。ハニートラップのお時間です!」

常務「待ってました」パチパチ

P「えー、前回は速水奏ちゃんが東郷あいさんのハニートラップに引っかかるという内容でお届けしましたが」

常務「あいくんの格好よさはヤバかったな。奏くんが完全に堕とされてたぞ」

P「放送後に男女問わず『私も堕として!』ってメールが多数来てましたよ。それもうドッキリじゃないだろって思いましたよ」

常務「まぁ、気持ちはわからなくもないな。『Hotel Moonside』のサックスVer.はほんとヤバい。奏くん沸騰してたもん」

P「堕とされたい方は今度大規模ライブがあるので、そちらで是非」

常務「近いうちにチケット発売だぞ」




P「と話が逸れましたが、今回、川島さんがお見合いを受けるという内容になっております」

常務「うむ」

P「では早速VTRに参りましょう! どうぞ!」




11月某日。

この日、川島瑞樹は美城常務に呼ばれ会議室に来ていた。



瑞樹「それで、お話というのは?」

常務「うむ。実はキミにお見合いを受けて貰おうと思ってな」

瑞樹「…………は?」

常務「キミは確か恋人はいなかったはずだね?」

瑞樹「え? い、いませんけど……」

常務「なら問題ないな」

瑞樹「いやいやいや、大有りですよ!」






瑞樹「大体、急になんでお見合いなんか」

常務「先方から良い縁談があると言われてな」

瑞樹「……えーと、常務は確か独身でしたよね?」

常務「そうだが?」



瑞樹「なら常務がお受けになればよかったのでは?」



常務「…………」

瑞樹「…………」




もっともな意見を言われ、何も言い返せなくなる美城常務。




常務「せ、先方たっての希望でな! 是非キミが良いと言っているのだ!」

瑞樹「は、はぁ……」



P『おっ、上手い返ししましたね』

常務『本気で焦ったぞ、あの時は……』




瑞樹「ちなみに、お見合いはいつ頃なんですか?」

常務「明後日だ」

瑞樹「はぁ!? 明後日!?」

常務「心配はない。着物や髪のセット等は全てこちらで持つ」

瑞樹「いやいや、それはともかく急過ぎますよ!」

常務「あと、これは高級エステの券だ。早速行ってくるといい」

瑞樹「こ、高級エステ……?」ゴクリ

常務「ちなみに年間フリーパスだ」ニヤリ



瑞樹「わかりました。お受けしましょう」



こうして、なんとか説得に成功。

川島瑞樹は意気揚々と高級エステに向かって行った。




2日後……

お見合いは、都内の高級料亭で行われる。



カコーン

瑞樹「またベタな場所ですね」

常務「普通こういう場所でやるだろ?」

瑞樹「したことあるんですか?」



常務「…………」

瑞樹「…………」



常務「先方はもういらっしゃってるそうだ」

瑞樹「わかりました」




瑞樹「よーし、やるわよー!」

常務「な、なんだ? えらくやる気ではないか」

瑞樹「せっかく受けたんですから。どうせならチャンスはモノにしますよ」

常務「そ、そうか」



瑞樹「あっ、そういえばお相手の事聞いてませんでしたね」

常務「どうせ時期にわかる」

瑞樹「それもそうでしたね」




常務「さて、着いたぞ。準備はいいか?」

瑞樹「はい!」



スー

瑞樹「本日はよろしくお願い致します。川島瑞樹と申しま…………す?」



その時、川島瑞樹が見たものとは!




???「こちらこそ、よろしくお願いします」



なんとそこにいたのは!



瑞樹「ま、真奈美ちゃん!!!???」



真奈美「木場真奈美です」



人気アイドルの木場真奈美だった!!



中断します。


瑞樹「……ちょっと待って。少し整理させて頂戴」



瑞樹「…………」



瑞樹「えっと、これってお見合いで合ってるわよね?」

常務「ああ」

瑞樹「それで、相手というのは」

真奈美「私だ」



瑞樹「……頭が痛いわ」






真奈美「どうかしたのかい?」

瑞樹「どうもこうも無いわよ! なんで真奈美ちゃんが相手なのよ!」

真奈美「私じゃ不服かい?」

瑞樹「あのね、不服とかそういう問題じゃないのよ! 普通のお見合いは男女でするものであって、私達は女同士でしょ!?」

真奈美「ふっ、些細な問題だな」



瑞樹「わからないわ……」



木場真奈美の登場に混乱するターゲット。




瑞樹「……これって、もしかしてドッキリじゃないの?」

常務「」ギクッ



流石は元アナウンサー! 前代未聞のドッキリ看破!

このまま企画終了になってしまうのか!?




瑞樹「どこかに隠しカメラが……」



絶体絶命のピンチ! しかしその時、木場真奈美がおもむろに立ち上がり!



真奈美「御手を拝借」

瑞樹「え?」



真奈美「ふふっ、あまり興奮すると着物が崩れてしまうよ? せっかくの美しい姿が台無しだ」

瑞樹「ま、真奈美ちゃん?」ドキッ

真奈美「とりあえず座って落ち着こう。さあ、こちらに」

瑞樹「そ、そうね。ありがとう」



木場真奈美のファインプレー! 華麗なエスコートで、なんとかその場を乗り切る!




席に着き、向かい合うふたり。



瑞樹「では改めて。本当に真奈美ちゃんがお見合いの相手なの?」

真奈美「そうだね。ただ、あまり見合いだと気構えないで欲しいかな」

瑞樹「?」

真奈美「見合いというよりは親睦会とでも思って貰えばいい。それなら気が楽だろう?」

瑞樹「うーん、そうねぇ」



P『おー、上手いですね。というか常務全然喋りませんね』

常務『いや、もう、あの時は心臓バクバクで喋る余裕無かったからな』

P『木場さんがじゃなかったら企画潰れてましたよ……』




真奈美「それに、ここの料理は絶品らしい。ですよね常務?」

常務「え? あ、ああ」

瑞樹「それは楽しみねぇ」



P『ちょっと、もう少し自然にしてくださいよ。また警戒されますよ』

常務『す、すまん』

P『ちなみに隠しカメラは晶葉が作った超小型高性能カメラなので、まず見つかる事は無いです』




ここで、美城常務が限界の様子なので退室させる。



常務「では、後は若いふたりでということで」

瑞樹「またベタなこと言いますね……」

常務「ちょっと用事があるのだ」

瑞樹「用事?」

常務「え、えーっとだな、そ、そう! 『逃げ恥』の録画を忘れてしまってな!」

瑞樹「は、はぁ……」



常務「ということで失礼する。アデュー!」



どこかの社長のような台詞を言いながら退室。

そして、ふたりのお見合い(親睦会)が始まる……。




まずは、運ばれてきた料理に舌鼓を打つふたり。



瑞樹「本当に美味しいわね!」

真奈美「うん。是非調理法が知りたいよ」

瑞樹「そういえば真奈美ちゃんは料理が趣味だったわよね?」

真奈美「そうだね、料理には自信があるよ。瑞樹さんは?」

瑞樹「そうねぇ、料理もそうだけど、家事全般が得意かしら。洗濯とか掃除が好きね」

真奈美「ほぉ」




真奈美「私の家はあまり家具が無いからな。掃除が楽でいいよ」

瑞樹「あら? でも簡単だと思って油断してると、結構ほこりとか溜まっちゃうのよ?」

真奈美「そうなのかい? では今度、瑞樹さんに直接ご教授願おうかな?」

瑞樹「ふふっ、いいわよ。じゃあその代わり真奈美ちゃんの手料理をご馳走になろうかしら?」

真奈美「フッ、お安い御用さ」



P『見ました? さりげなく家に招待する約束を取り付けてますよ』

常務『こういう事が出来る者がモテるんだろうな』




瑞樹「それにしても、こう料理が美味しいとお酒が飲みたくなるわね」

真奈美「おっと、まだ早いんじゃないかな? まだ陽も傾いてのに」

瑞樹「ふふっ、それもそうね」

真奈美「なら私の行きつけのBARがあるんだが」

瑞樹「あら、いいわね」




瑞樹「あっ、でも着物でBARに行って大丈夫なのかしら」

真奈美「それなら大丈夫。着物でBARに行ってはいけないなんてルールはないし、重要なのは立ち振る舞いだからね。瑞樹さんなら完璧さ」

瑞樹「ちょっと、おだてたって何も出ないわよ?」

真奈美「?」

瑞樹「も、もう……」トクン



P『木場さんも完全に天然ジゴロだな……』

常務『うわぁ……うわぁ……』




食事を終え移動するふたり。



瑞樹「真奈美ちゃんのおすすめのお店はどこにあるの?」

真奈美「横浜だよ。私の車で行こう」



そして、木場真奈美の愛車が登場。



常務『うおっ、外車か!』

P『木場さんのガチの愛車です』




瑞樹「ずいぶん格好いい車ねぇ」

真奈美「シボレーのカマロさ」

瑞樹「あら、左ハンドルなのね」

真奈美「海外が長かったからね。さあ、どうぞ」

瑞樹「ふふっ、ありがとう」



エスコートも忘れない木場真奈美。




真奈美「では、行くとしようか」

瑞樹「あっ、でも車だとお酒飲めないんじゃ……」

真奈美「代行でも頼むさ。せっかく瑞樹さんと一緒なのに、飲めないのは勿体無いからね」

瑞樹「あら、嬉しい」



ターゲットを乗せ、夕焼けの湾岸を進むふたり。



P『絵になりますね』

常務『外車で横浜デートとか、女の子の憧れだぞ』

P『え? 女の子?』

常務『なにか言ったか?』

P『いえ! なにも!』




横浜某所・BAR



瑞樹「お洒落なお店ね」

真奈美「だろう?」

瑞樹「よく来るの?」

真奈美「たまにかな。普段はあまり飲まないからね」




真奈美「それじゃあ頂こうか。乾杯」

瑞樹「ふふっ、乾杯」



瑞樹「うん、美味しい」

真奈美「そうだね」




瑞樹「はい、真奈美ちゃん。どうぞ」

真奈美「ありがとう」



P『こうナチュラルに料理を取り分けてくれる辺り、川島さん女子力高いんだよなぁ』


小洒落たBARで歓談を楽しむふたり。

緩やかに時間が過ぎていく。




瑞樹「ふふっ、最初はどうなるかと思ったけど、なんだかんだで楽しいわ」

真奈美「そう言って貰えて何よりだよ」



瑞樹「ねぇ……」

真奈美「?」



瑞樹「あの時、うやむやになっちゃったけど……どうしてお見合いなんか?」

真奈美「……そうだね、少し外に出ないか?」




海が見渡せる公園



瑞樹「ふぅ……気持ちいいわね」

真奈美「お酒は回ってないかい?」

瑞樹「あれくらいなら平気よ」

真奈美「だが慣れない着物で足元も心許ないだろう。ほら」

瑞樹「あ、ありがとう……」



常務『きゃー! 横浜の! 港で! 手を繋いでいるぞ!』バシーン バシーン

P『い、痛いです! 常務!』




真奈美「それに少し冷えるね。これを羽織って」

瑞樹「ふふっ、暖かい……でも真奈美ちゃんは寒くない?」

真奈美「フッ、鍛えているからね」



常務『もう! もう!』バシーン バシーン

P『し、死ぬ……』




真奈美「……普段、こうしてふたりでという事はあまり無かったね」

瑞樹「そうねぇ。飲む時もみんな一緒だったし」



真奈美「それで、さっきの続きなんだが……」

瑞樹「…………」



真奈美「私は……ずっと瑞樹さんの事を尊敬していたんだよ」

瑞樹「え?」




真奈美「いつも皆の中心に立って……周りを引っ張っていってくれる」



真奈美「時には茶目っ気たっぷりに、だけど芯はそこにしっかりとあって」



真奈美「可愛さと格好良さを合わせ持っていて」



真奈美「本当に……私の憧れだよ……」







真奈美「だからこそ、瑞樹さんが欲しくなってしまったのかな?」

瑞樹「ま、真奈美ちゃん?」ドキドキ




真奈美「だけどその前に、ひとつ謝らなければならない事がある」

瑞樹「?」



真奈美「最初の見合いは、番組の企画だったんだ。申し訳ない」

瑞樹「…………」




真奈美「だけど、瑞樹さんに憧れているのは本当だ。これだけは信じて欲しい」

瑞樹「真奈美ちゃん……」




瑞樹「ふふっ、いいのよもう……」

真奈美「?」

瑞樹「きっかけがどうあれ、こうやって本心で慕ってくれるのはわかるもの」

真奈美「瑞樹さん……」



瑞樹「でも、それって恋愛感情として?」

真奈美「フッ、どうなんだろうな……少し違うとは思うが……」

瑞樹「ふふっ」



P『あれ? 企画倒れ?』




瑞樹「さて、カメラはどこかしら……?」



瑞樹「あっ、あそこね」



瑞樹「一応……ドッキリ大成功! ってところかしら? ふふっ」




真奈美「さて、そろそろ冷えてきただろう。送るよ」

瑞樹「ふふっ、ありがとう」

真奈美「お安い御用さ」

瑞樹「そうだ! 真奈美ちゃんも、もっとお姉さんに甘えてきていいのよ?」

真奈美「か、からかわないでくれ」

瑞樹「ふふふっ、可愛い」



P『仕掛け人も自由か!』




瑞樹「あっ、でも常務には後でじっくり話を聞かないとね?」



常務『え?』



こうして、ハニートラップは番組史上、前代未聞の結末を迎え、自由な大人ふたりは夜の街に消えていった──。




P「え、えーと……とんでもない結末を迎えましたが、常務」

常務「待て! 私は何もしてないだろ! お前も同罪だぞ!」



P「というわけで、『prank show』 また来週!」

常務「おい!!!!」




エンディング 蔵出しドッキリ映像

http://i.imgur.com/MAZ0wWM.jpg

もしも、神崎蘭子の撮影中に、知らない女性が隣に立っていたら?






蘭子「ククク、魂が猛るわ (頑張ります♪)」



スタッフ「それじゃあ本番! よーい、スタート!」



蘭子「我が魂の──」

女性「」スッ

蘭子「え?」



スタッフ「カーット! 蘭子ちゃんどうしたのー?」

蘭子「え? あ、あの……と、隣に……」

スタッフ「隣? 隣がどうしたの?」




蘭子「ぴゃっ!!」バターン!!



蘭子「」






終わり




東郷あい「ハニートラップ」
http://ex14.vip2ch.com/i/responce.html?bbs=news4ssnip&dat=1460554133

市原仁奈「じょーむのきもちになるですよ!」
http://ex14.vip2ch.com/i/responce.html?bbs=news4ssnip&dat=1454510156

美城常務「華麗なる美城一族」
http://ex14.vip2ch.com/i/responce.html?bbs=news4ssnip&dat=1462206990

もよろしくお願いします

このSSまとめへのコメント

このSSまとめにはまだコメントがありません

名前:
コメント:


未完結のSSにコメントをする時は、まだSSの更新がある可能性を考慮してコメントしてください

ScrollBottom