提督「山風かわいい」 (25)

山風「提督……おは……おはよう……!」


提督「おはよう。今日も元気に行こう」


山風「……今日は、どうするの……?」


提督「まずは朝ごはんかな」


山風「あ……それならあたし……作る……?」


提督「いいのか?なら頼みたい」


山風「!……待ってて……!」パタパタ


提督「……かわいいなぁ」

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山風「お待たせ……はい……」


提督「早いな、ありがとう」


山風「簡単な……ものだから……」


提督「麦飯、みそ汁、漬物……朝にふさわしい品々だな」


山風「じゃあ……食べよ……?」


提督「ああ、いただきます」


山風「いただきます……」


山風「はぐはぐ……」


提督(小さな手で箸を持ち、少しずつ麦飯と漬物を食べていく姿もかわいい)


提督(すぐに飲み込まず、しっかりと噛んでから食べているのもポイントが高い)


山風「提督……?食べないの……?」


提督「あ、ああ、すまん考え事をしててな」


山風「そっか……」

提督(こっちをちらちら見てきているな……自分の作った食事の感想が気になるのだろうな)


提督(まずは麦飯……麦と米のバランスがよく、ふっくらと炊けている)


提督(触感も麦の風味がしつこくなく出ている、配合を間違えるとパサパサしたり匂いがきつくなるのだが、これは素晴らしい塩梅だ)


提督(そしてそれをみそ汁で流す。みそ汁も具はお揚げとわかめだけのシンプルなものだ)


提督(しかし、みそ汁はあまり具を入れすぎたりすると、もはや様々な味がしてしまい、飲みにくくもなる)


提督(シンプルイズベスト……味の濃さはやや薄めだが、頭を起こすには丁度良い優しさである)


山風「…………」そわそわ

提督(最後に漬物……これは大根だな)


提督(甘めの味付けか……麦飯だけでは少しくどくなるが、みそ汁と合わせることで、こいつは化ける)


提督(みそ汁を飲み、その味が口の中に残っている状態でこいつを含む……すると、塩辛さと甘さが合わさる)


提督(そこに追加で麦飯……完璧だ……とどのつまり……)


提督「……美味い」


山風「……!……そう……かな」によによ


提督「ああ、いくらでも食べれそうだ」


山風「おかわりも……少しなら……」


提督「是非とも頂きたい」


山風「分かった……!」ぱたぱた


提督「……かわいいなぁ」

提督「ごちそうさまでした」


山風「ごちそうさまでした」


提督「素晴らしかったよ、また作ってくれるか?」


山風「うん……提督が言うなら……」


提督「山風はきっと将来いい嫁になるだろうな」


山風「お嫁さん……!?そんな……はやいよぉ……」


提督「さて、食器片づけるか」


山風「あ……やるから……」


提督「二人でやった方が早いだろう?」


山風「……うん……ありが……とう……」


提督(かわいいなぁ)

江風「あ!提督に山風の姉貴!」


提督「お、江風か。おはよう。遠征だったな」


山風「……江風……」


江風「おはようさン!そうだねーちょっち4時間くらい出てくるよ!」


提督「気をつけてな」


江風「この江風さんだぜ?ヘマなんざしやしないよ!」


山風「…………」ぎゅっ


提督「お?どうした山風、寒いのか?」


山風「……べつに……」


江風「……ははーン……提督、気を付けなよ?」


提督「……?なんのことだか」

江風「姉貴、くれぐれも離しちゃダメだぞ?敵はいっぱいいるんだからな!」


山風「…………江風は?」


江風「江風?んー……ま、取ったりはしないから安心しなって!」


山風「そう……いってらっしゃい」


江風「おうよ!行ってきまーす!じゃーなー!」


提督「何だったんだ……?」


山風「江風なら大丈夫……行こ……?」


提督「……分かった」


山風「…………」ぎゅっ


提督(手を握ってきた……身長も姉妹で一番小さいし、そこもかわいいなぁ)

提督「…………」カリカリ


山風「…………」


提督「……そろそろ昼にしようか」


山風「うん……」


提督「何食べるかね」


山風「あたし……おにぎり用意してある……もちろん、提督の分も……」


提督「ほう、ならそれを食べるとしよう」


山風「いくつ食べる……?」


提督「2,3個あればいいだろう」


山風「具は……梅と……鮭があるから……」


提督「一つずつ食べるよ」


山風「……お茶もあるから……はい……」


提督「ありがとう、いただきます」


山風「いただきます

提督(このおにぎり……おそらく朝の米を使っているのだろう、やや冷めている)


提督(しかしおにぎりというのは基本的に冷めたものを食すことが多い)


提督(今日は天気もいい、おにぎりというのは食べやすいし、ピクニック気分にもなれる)


提督(それに、この形が不揃いなところが手作り感を出し、山風の小さな手で必死に作ってくれたのだと思える)


提督(さて、まずは……やはりおにぎりといえば梅だ)


提督(酸っぱさと甘い御飯との相性は言わずもがな、まさに王道)


提督(梅にも真っ赤で歯ごたえがあるものと、オレンジ気味でふやけたようなタイプがあるが、これは後者だ)


提督(しかも、この梅干し、きちんと種が抜いてある。種を吐き出すという行動をしなくて済むというのはかなりありがたい)


山風「…………」ちらちら


提督(あっという間に食べることができてしまった……次は、鮭だ)


提督(これは……鮭の身が大きい……コンビニなどで売っているものは具が小さめで、フレークという感じがしてしまうものだが、全く違う)


提督(身の歯ごたえもいいし、甘さと塩辛さが絶妙だ。丁寧に作られてるのが実感できる)


提督(なんてことだ……これも一瞬で腹の中に……朝はしっかり食べたのだが……)

山風「……どう……?」


提督「こんなおいしいお握りは、そうそう食べられない。美味過ぎる」


山風「そ、そう……?べ、別に嬉しくなんか……」


提督「すまんがもういくつか貰えるか?」


山風「あ……じゃあ、あたしの分……あげる……」


提督「いや、山風もちゃんと食べないとだめだろう」


山風「あたしは大丈夫だから……作りすぎて困ってたくらい……」


提督「うーん……なら貰うか」


山風「うん……!いっぱい、食べてね……?」


提督「これで午後も頑張れそうだ」


山風「……やった……」


提督(かわいいなぁ)

提督「ごちそうさまでした」


山風「ごちそうさまです」


提督「朝から作ってもらって済まないな」


山風「いいの……なんなら、夜も……」


提督「ずっとは気が引けるな……何処か行きたいところとかあるか?」


山風「行きたいところ……」


提督「なんでもいいぞ?」


山風「じゃあ……間宮……」


提督「間宮か、そこでいいのか?」


山風「前から……行きたかった……でも、ちょっと高くって……」


提督「あー……そうか、最近艦隊に来たから間宮券が無いのか」


山風「自腹だと……ちょっと厳しい……」


提督「よし、なら夜は間宮で好きなものを食べるといい」


山風「……ありがとう……!」


山風「……なににしようかな……」


提督(かわいいなぁ)

山風「あ……那智さん、羽黒さん……」


提督「やぁ、二人は今日は非番だったな。どこか行くのか?」


那智「ああ、夜に飲み会をな。その準備だ」


羽黒「お二人ともお疲れ様です」


那智「どうだ?提督も来るか?」


山風「……!」ぎゅっ


提督「あー……すまんが先客がいてな」


羽黒「あはは……それなら仕方ないですね」

那智「日が浅いのに随分と懐かれたものだな」


提督「普通に接してるだけだが……」


羽黒「司令官さんはそういうところがいいところですから」


那智「一理ある」


提督「変なことはしてないんだがなぁ」


山風「……提督、約束……」


那智「大丈夫だ、こいつを取ったりなどしない」


羽黒「お仕事大変だろうけど頑張ってね?」


山風「心配……ありがとうございます……。大丈夫です……」


提督羽黒那智(かわいいなぁ)

提督「もうすぐ夜だ」


山風「……うん」


提督「間宮、行くか」


山風「うん……!」


提督「何を頼むか決められたか?」


山風「……オムライス、食べたい……」


提督「オーケー、腹いっぱい食べような」


山風「…………♪」

提督(というわけで間宮でオムライスだ)


山風「…………」はぐはぐ


提督(山風は夢中になってオムライスにありついている)


提督(注文して実物を見ただけで明らかに目が輝いていたからな。こんな山風の姿はそうそう見れない)


提督(実際このオムライス、絶品だ)


提督(タマゴはふわふわ、そのタマゴを切り取って出てくるチキンライスもケチャップとよくからんでいる)


提督(オムライスのソースにはケチャップとデミグラスがあるが、当然ケチャップにした)


提督(デミグラスが悪いわけではないが、やはりデミグラスのさっぱりした風味よりケチャップのどろっと濃厚な味のほうがクる)


提督(オムライスを食べる際、一番気になるのはケチャップの量だが、どちらかというとパサパサよりはぐちゃっとしている方が食が進む)


提督(タマゴのほうは逆にパサパサがいい。ライスと一緒に食べると最もバランスが良くなるからだ)


提督(口の中に入れ、噛んでから飲み込む。喉にはしつこい酸味など感じず、むしろ唾液をださせ、さらに食べるように体が動く)


提督(水など不要。止めど無くあふれる唾液が、口から胃へスムーズにオムライスを運んでいく)


提督(気が付けば完食。この鎮守府では食の質に困ることなどありえないだろう)

山風「……美味しかった……!」


提督「お、いい食べっぷりだったな」


山風「ん……おなか一杯……」


提督「デザートも頼めるが、どうだ?」


山風「そこまで……してもらうのは……」


提督「朝食と昼食を作ってくれる子っていうのは貴重なんだ。そのねぎらいをしたい」


山風「……いい……の?」


提督「もちろん」


山風「……じゃあ……!」


提督(かわいいなぁ)

提督「今日はご苦労様。そろそろ部屋に帰ってもいいぞ?」


山風「あ……うん……」


提督「どうかしたか?」


山風「夜……夜は怖くて嫌い……」


提督「大丈夫だ、俺が指揮してる限り、決して危険にさらしたりはしない」


山風「……うん……」


提督「全く……安心してくれって」なでなで


山風「……ん……」


提督「山風の髪、すごくさらさらだ」


山風「姉さんたちが……いっぱい手入れしてくれるの……」


提督「いい姉妹を持ったな」


山風「うん……みんな、いい人で……好き……」


提督「なら、この場所を大事にしないとな」


山風「……絶対に」

提督「じゃあ、もう帰るといい」


山風「提督……お仕事はまだあるの……?」


提督「少し残ってるが一人ですぐ終われるくらいさ」


山風「手伝う……」


提督「別にいいぞ?」


山風「あたしが……やりたいの……」


提督「……そうか。なら頼む」

山風「……寒い」


提督「もう秋も越して冬だからなぁ」


山風「暖房……出さなきゃ……」


提督「倉庫から今度出さなきゃいかんな」


山風「…………」ぽすん


提督「……どうした山風、俺の膝上に乗って」


山風「……こっちの方が……あったかい……」


提督「確かにそうだが……」


山風「湯たんぽ……代わり……ダメ……?」


提督「いいや、ありがとう」ぎゅっ


山風「……えへへ……」


提督「明日も頑張ろうな」


山風「うん……明日も、ずっと一緒だよ……?」


提督「ああ」


提督(あぁ……山風はかわいいなぁ)

終わり。数か月後、そこにはろーちゃんもびっくりな姿になった山風の姿が!



3か月ぶりに艦これ開く程度にはストライクな子が来ました。小動物っ子ほんとすき
久々にやってますが、E4甲がゴミ過ぎてやっぱクソゲーだと思いました()

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