【リゼロSS】スバル「みんなに死に戻りの記憶が戻った!?」 (147)


注意:筆者はウェブ版の4章(聖域終了)までしか読んでいないので少し設定がおかしいかもしれません。+この物語ではレムはちゃんと存在を手に入れています。(奪われたことになっていない。)+聖域の試練等は健在です。因みに筆者は学生であり、初投稿初スレ初書き込みなので常識知らずであり、稚拙な文章が目立つ可能性があります。それでも宜しい心の広い方に読んで頂ければ幸いです。


SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1479805631

サテラ「もうすぐ、みん、、なに、記憶が、、、もどる。あなたの身近な人達に、死に戻りの、、、記憶が。」

ロズワール邸でペトラとの会話でうっかり死に戻りに関することを口走ってしまった時だった。


スバル「(みんなに、死に戻りの時の記憶が?)」


ペトラ「どしたの?スバル様。」

突如目の前で固まった俺に不思議そうに声をかけてくるペトラ。

スバル「いや、なんでもないよ。ただちょっと用事ができたから、また後でな!」

俺はそそくさとその場を離れる。

、、、さっきのは一体どういう意味だったんだ。もうすぐ俺の身近な人間に死に戻りの記憶が戻る?

それって俺が死に戻りしてることが皆にばれるってことじゃないか。


ベアトリス「一体なにを悩んでいるかしら。スバルが悩んでいるならベティーにも伝えるべきなのよ。一緒に悩んでやるかしら。」


ベアトリスも可愛くなったもんだなぁ。
おでこが眩しい金髪ドリルロリに癒され、フワフワした気持ちになった俺は、


スバル「いや、実は俺の死に戻っ、」


途端に恒例の暗転が始まった。
しまったあああああ!!俺のバカ。またやっちまった。


サテラ「戻った。、、貴方の、、親しい人達に、、、」


心臓を撫でられる様な感覚を覚えながら、暗闇に光が差し、世界に色が戻っていく。


俺は馬鹿なのか。いくらベア子と仲良くなってきたからってさっきの今でこれはないだろ、、、。


スバル「ご、ごめんベア子。この件についてはたとえお前でも話せないんだ。」


ベアトリス「・・・・・。」


顔を伏せたまま黙り込むベアトリスを見た時、まさかと思った。


スバル「?ベア子?」


問いただす俺に対しベアトリスは弾けるように顔を上げて、


ベアトリス「、、、こんな事をして、ベティーは、、ベティーはスバルの1番にはなれない、なる資格がないかしら。」


スバル「な、何言ってるんだよベア子。俺とお前の仲じゃねえか。」

ベアトリス「でもベティーは今までずっとずーーーっとスバルを拒絶してきたのよ。そのせいで助けられたはずのスバルを見殺しにしてきたかしら。これはベティーが殺したのと同じなのよ!」

自慢のおでこまで真っ赤に染め、泣きながらベアトリスは空間に消えて行った。


、、、やっぱり死に戻りの記憶がみんなに戻ったんだ。つまりみんなは死んだ俺を知っている。それと同時に事情も知らずに俺にひどい事を言った、疑った、殺した自分を知っているんだ。

間接的に助けてくれたベアトリスでさえあの反応。直接その手で俺を疑って殺したレムはいったい、、、。

はやくみんなのところにいかなきゃならねぇ!

まず、誰に会いに行きますか?



ここで、前スレにて安価をとった結果ロム爺になりました。


ロム爺


スバル 「屋敷の連中もすげぇ気になるけど、俺が今屋敷の連中に会って話をしても上手く慰められるかどうか、、、。」


俺は1人では何もできない事を学んだ。ならギリギリ記憶が戻ってそうな奴で、あんまりキズついてなさそうな奴に協力を仰ぐべきだ。

と、いうわけで


スバル「ロム爺さんー。元気か?」


ロム爺「な、なんじゃお前さんわざわざこんなところまで来よって。」


スバル「いや、ちょっとロム爺に相談したいことがあってさ。実は、、、なんだよ。」


ロム爺「あー、そりゃあ無理な話じゃな。」


スバル「っておいー爺さん!俺とロム爺さんの仲なんだからよ。ちょっとぐらい考えてくれてもいいんじゃねぇか?」


ロム爺「確かに、お主には儂やフェルトの命を助けて貰った借りがある。まさか自分を何度も犠牲にして、見ず知らずの儂らを助けてくれるとはのお。お前さんの頼みなら今の儂は断れん。」


真剣な顔でそう言うロム爺に俺は少し歯がゆさを感じた。


スバル「いや、別にそれを交渉材料にするような真似はしたくないんだけど。」


ロム爺「、、、じゃが儂はお前さんらを知らん。1番長く一緒にいたフェルトのことすらちゃんと分かってやれなんだ。儂の広間での画策は逆にあの娘の背中を押す形になった。」


スバル「ロム爺、、、。」


ロム爺「そんな儂が協力をしても、足を引っ張るだけじゃ。儂はお前さんの邪魔をしとうない。」

スバル「、、、わかったよ。」

ロム爺「分かってくれたか、、、。」


スバル「こんな老いぼれガンコハゲジジイに聞くのは間違いだったぜ!なつきすばるっ大失敗の巻!」

一瞬何を言われたかわからないといった顔を浮かべたロム爺だったが、段々と顔が怒りに変わっていく。

ロム爺「こ、小僧っ!(プルプル)」

俺はフンッと鼻を鳴らしてこう言ってやる。

スバル「変な気回してんじゃねえよ!言ったろ、俺と爺さんの仲だって。」

ロム爺は一瞬ビクッとなり、頭を指でかきながら。

ロム爺「う、うむ。」

やれやれだぜといったポーズを取るスバル。

スバル「じゃあなー爺さん。また今度頼むぜー!」

ロム爺「・・・。」

ロム爺「(儂は老いぼれた今じゃからこそ死を享受できる。じゃが、若い時の儂は死を恐れておった。というか、それが普通じゃろう?だというのに何故あの小僧はあれだけの苦しみを受け、どうして今尚元気に笑っていられるのじゃろうか。)」

スバル「おっとと!こんな所に缶捨ててんじゃねえよつまずくじゃねぇか!!、、、って、うわぁぁぁぁああ」

ッガラガラどしゃん!


ロム爺「・・・バカじゃからか。」

次会いに行くのは?

ここで前スレでラムが安価で選ばれました。

ラム

う、ううう。

エミリア「言ってくれなきゃ、わかんないよ。」

や、やめてよ。言えないに決まってたじゃない。わたし何て事を、、、。

スバル「おれはエミリアたんのために、何かしてあげたい、そう思って。」

そうよ。スバルはいつだって私のために、ずっと私のために、、、。

エミリア「自分のためでしょう?」

あ、、、。

エミリア「そうやってなんでもかんでも私のためだって嘘をつくのはやめてよ!」

違うっ違うっ違う!間違ってたのは私。

泣きながら手を伸ばそうとしてもそれは掴めない、変わらない事実。

エミリア「私がスバルを助けてあげた? ……そんなこと、あるわけない。私とあなたが初めて会ったのは盗品蔵のことで、そこ以外でスバルと接点があったはずないもの!」

目の前の少年の顔が悲しみに歪んでいく、

エミリア「スバルの中の、私はすごいね」

エミリア「ーー言ってくれなきゃわかんないよ!」

っスバル!!

やっと伸ばすことができた手は空を掴み、瞬間巨大な虚しさと胸の痛みが襲いかかってくる。

エミリア「、ゆ、、、め?」

あの日、彼に言った言葉。思い返せばどれだけの事をスバルに強いていたかが分かる。

エミリア「いかな、い、で、、、スバル。」

現実から逃避する様に彼女は目を閉じる。きっとこの死に戻りの記憶こそが夢なのだと。そう、信じて。

また悪夢に呑まれていく。


スバル「はぁ、ロム爺の協力も得られなかったしかなりタイムロスしちまったなぁ。」


スバル「はやくみんなに話をしないと。でもこええ。俺に何かしてやれんのかな。」

ロズワール邸の前あたりまで戻ってきたところで、

ッドン

突然入り口のドアが開いて赤いメイドが走ってきた。


ラム「っバルス!!」

スバル「っど、どうしたんだよラム!?」

ラム「レムの居場所が分からない。千里眼が使えない、、、。」


スバル「なんだって!!??どうしてだよ。」


ラム「分からない。仕事中急に屋敷を飛び出していったから、、、。その、バルスに会いにいったんじゃないかと思って。」

スバル「、、、死に戻りの記憶が原因か。」


ラム「それに今屋敷の中はとても悪い状況よ。エミリア様はいくら呼びかけても部屋から出てこない。ガーフもどこかへ消えちゃったし。
何故かペトラも村に帰ってしまったわ。」

スバル「っくそ!まさかそこまでのことが起こってるなんて。」

俺は事態の最悪さをようやく理解した。


ラム「バルス、よく聞いて。悔しいけどレムはバルスに心酔していたわ。この男のどこが良いのかまったく分からないけど。」


ラム「その状況で記憶が戻った。これはレムにとって耐え難いことのはずよ。」


ラム「、、、そして千里眼が使えないということはもしかしたら既にレムは。」


普段は見せることのない悲しそうな顔を張り付けているラム。


スバル「おいおい、縁起でもねえこと言ってんじゃねぇって。」


駆け出しそうになった俺をラムが止める。


ラム「よく聞いてと言ったはずよ、バルス。まだ話は終わりじゃないわ。」


ラムの目付きが急に鋭くなる。風が首にそって巻きつくように撫ぜる。


ラム「もしもそうだった場合はバルス、貴方を殺すわ。」

スバル「っ!!!!。」

ラム「貴方を殺した場合死に戻りが発動してレムが死ぬ前に戻るはず。」

ラムの殺気。これは死に戻りの時ロズワール邸でレムを死なせてしまった時と同じだ。

俺はポリポリと頭をかきながら、


スバル「、、、そうだな。そうしてくれて構わない。俺もレムの居ない世界なんてまっぴらだ。もしそうだった時は頼むよ。」


いつもの無表情へ
ピンクの可愛らしいメイドの、殺気が消えていく、、、。


ラム「はぁ。バルスも大きくなったものね。」


スバル「そういうお前は全然変わってねぇよなラム。死に戻りの時の記憶が戻った筈なのに。」


ラム「別にバルスがいくら惨めに死に絶えたとしてもラムにはどうでも良いわ?」


スバル「って辛辣すぎるだろっ!!」


ラム「冗談よ。ラムの中でバルスは」

ごくっ。と喉を鳴らして期待してみる。
もしかしたらついにラムのツンデレが、、、


ラム「ロズワール様≧レム>超えられない壁>>エミリア様>ベアトリス様>>>>>×20000>ミジンコ>バルスというような具合まではきているわよ。」

スバル「ミジンコより下とかどんだけだよ俺、、、。」

ラム「だけどバルスにしかできないことがあるわ。」


スバル「え?」


ラム「、、、なんでもないわ。ちゃんとみんなを元どおりにしてくれたら教えてあげる。」


そう言って屋敷に入っていった。


、、、ッパン

両手で思いっきり頬を叩いて啖呵をきる。


「なつきすばる!全身全霊をもってみんなを救います!」

ビビってちゃダメだ。こうしてる間にもみんなは苦しんでいるんだ。

次は誰に会いに行きますか?

ここで、前スレの安価でレムが選ばれました。


スバル「あーくっそどこにいやがんだよレムは。」


正直レムがどこにいったか検討がつかない。ラムと波長の合う者と視界を共有する千里眼を使えないということは、なんらかの理由でレムの視界が塞がっているということだ。


スバル「まさか、本当に死んだってこたぁないよなレム、、、。」


流石にレムが自分に好意を向けている事には気付いているスバル。


いまの状況を自分に置き換えて考えてみる、


もしもだが、エミリアが死に戻りをしていたとして、自分が彼女に死をもたらしていたという事実を知ったら俺は死のうとするかもしれない、、、。


スバル「、、、けど俺がそうなった時は絶対、レムは俺を死なせてくれない。」


そうだ。
いつだってレムは俺に厳しくしてくれる。

あの可憐で優しいメイドに教えてやらなければならない。今の自分が笑っていられるその理由を。


スバル「うおおおおお!飛ばせぇーーーパトラッシュ!!」

パトラッシュ「キュオオオオオオオオ!!」

主人の気持ちを理解したように力強い咆哮をあげるパトラッシュ。


スバル「そういえばお前は死に戻り1回目からずっと俺を助けてくれたよな。」

パトラッシュの背を優しく撫でてやる、こいつは本当に賢いやつだ。


、、、そんなことを考えていると急に右の林からハスキーなうるさい声が聞こえてくる。


オットー「う、うわわわわどいて下さいーー!」


見知った顔の商人が物凄いスピードで地龍を走らせてきた。


シュッ!

パトラッシュが華麗にこれをかわしてくれる。


俺は声の主に嘆息しながら声をかける。


スバル「、、、なんでそんな所から出てきてんだよオットー。」


オットー「あ、すみませんってなんでそんな露骨に嫌そうな顔してるんですかナツキさんっ!」


スバル「だってお前が出てくるってことは絶対不幸なことがあるってことじゃねぇかよ。」

オットー「酷いですよ、ナツキさん。親しい友人が折角手助けをしようと思ってきたのに。」



スバル「、、、なら俺をファーストネームで呼んでくれないか?」


オットー「は?」


スバル「親しい友人のお前だからこそ俺をファーストネームで呼んで欲しいんだ。」


オットー「っ!!わかりましたナツキさんっっっじゃないや。その、、、スバルさん。」


スバル「うわー。きもちわりぃー^ ^」


オットー「あんた絶対ゆるさねええええええええ!」


そうオットーが激昂したところを見計らってかなり大袈裟なジェスチャーでこう告げる。


スバル「あー、死に戻りの時にお前に白鯨の前に転がされた時はほんとやばかったなぁーあーあ。」


オットー「ひ、酷いですよナツキさん、、。」


スバル「いや、酷いのはお前だろ。」


オットー「っ!!、、、確かに。」


そう言ってお互いを見つめ合う、自然にこぼれ合う笑みは本当に気持ちのいいものだった。


スバル「なんてな、そんなこと気にしてねぇよ。そんぐらい分かんだろお前なら?」


オットー「はい。ナツキさんの顔を見たらなんとなく。その、、、友達ですから。」


俺はオットーの肩に手を置いて告げる。


スバル「、、、ありがとなオットー。お前までみんなみたいな事になってたらまた面倒だった。なんというかお前と話して気持ちが落ち着いたぜ。」


オットー「やはり皆さんそういう感じになりましたか。」


スバル「ああ。」


オットーとの会話で心を落ち着かせた俺はとある作戦を思いつく。


スバル「それで、オットーに頼みがあるんだが、、、。」



ひた、ひた、ひた。


自分の血でできた血だまりを少女はフラフラになりながらも歩く。


レム「、、、やっぱり、、はあはあ、レムは鬼族の出来損ないですね。」


ガーフィール「おいおい流石にもうやめとけって、テメェが死んだらラムに怒られちまうからよぉ。」


レム「っ大丈夫、で、す。私のゲートの大きさな、らロズワール様の様には、、、はあはあ、なりません。」


ガーフィール「つってもよぉ。さっきから何度も何度も気絶して、そのたびに俺様が連れ戻してきてやってんじゃねぇか。なのにまたボロボロになりやがって。」


レム「、、、レムは超えなければならないんです。そのためには、、、。」



エキドナ「はぁーしぶといなぁこの娘。」

ティーカップを傾けながら退屈そうに少女を見る彼女。
傷ついても傷ついてもそれでもまだ自分に頼み込む少女をみて


彼女は不敵に笑った。


エキドナ「いいこと思いついちゃったぜ♪」


「言霊の加護」

およそ発声器官を持つとされる生物と話しができる。が、その生物の言語に合わせて話すため周りから見ると頭のおかしい奴にしか見えない。

オットー「みょんみょんみょんみょん。」

スバル「どうだオットー。」

オットー「ダメですナツキさん。青い髪のメイドさんを見なかったか聴いてるんですが、どうやらこの辺りは通ってないみたいですね。」

やっぱりそう都合よくはいかねぇよなぁ。


スバル「そうか、なら仕方がない。オットー、バーリエル邸に向かうぞ。」

オットー「バババ、バーリエル邸!?!?」

スバル「ああ。残念ながら俺が王都で面識ある奴の中でプリシラぐらいしか役に立ちそうにないんだ。」

ラインハルト、ユリウス、クルシュ陣営、アナスタシア陣営には協力してもらっても探すことにおいては残念ながらオットー以下の戦力にしかならない。それに見つけた時に俺が居ないと意味がない。


スバル「その点、プリシラの日輪の加護。つまり日の出てる間ならあいつに不利益は生じない、らしい。これを利用する。」

オットー「だからプリシラ様にレムさんを見つけてもらおうということですか。」

スバル「ああ、そうだ。」


だがそのためには当然クリアしなければならない問題がある。


オットー「そんな上手くいくもんなんですかね、、、。だいいち協力して貰えるんですか?」


スバル「上手くいくかどうかは試してみねぇとわからなねぇ。けどちょうど此処からも近いし、それほど時間のロスも少ないはずだ。」


スバル「それに日が傾いた時点でこの案は効力を持たなくなっちまう。試すなら今だ。」


オットー「そうですね。わかりました。なら協力に関してはどうなんですか?」


スバル「考えがないわけじゃないんだ。けど、これにはオットーの力が必要なんだ。付いてきてくれるか?」


スバルは真っ直ぐにオットーの目を見つめる。

オットーはやれやれといったポーズをとったわりに、


オットー「はい!」


しっかりと肯定の返事をしてくれた。


ペラペラペラ。


プリシラ「妾はこう見えて本が好きでの。」


まんま前の死に戻りの時とおんなじなんだが。

プリシラが本を読み終えるまでは話しかけられない。
横のオットーを見ると手が汗ばんでいていかにも緊張しているのが目に見えた。


こいつロズワールん時は別にここまでじゃなかったのに。、、、まぁプリシラは威圧感すごいからなぁ。


っぱん!


プリシラが本を閉じる音が響く。そしてその本をそのまま宙に放り投げ、燃やす。


俺は2回目だから平然としていたが、横のオットーはついに歯をガチガチさせはじめた。


プリシラ「それで、妾になんのようじゃ。」


スバル「、、、前に俺がここに来た時の事は覚えているな?」


プリシラ「さあてどうじゃったかの。貴様が家畜以下の醜い豚の様なあの男と同じというなら覚えておる。」


よかった。苦しい経験だったが死に戻りの記憶はプリシラにもあるようだ。
が、それはあの痴態を晒したスバルのことを覚えているということだ。それはもしかしたら今回の協力に支障をきたすかもしれない。


俺はフゥーと息を吐いて話し始める。


スバル「まずは会ってくれてありがとよプリシラ。正直前の事を思えば会ってくれないと思ってたぜ。」


プリシラ「ふん。妾にあそこまで罵倒されてなお会いに来る貴様に興が乗っただけのことよ。それに」


アル「ううう、まさか兄弟がこんな苦しい思いをしてたなんてなぁーー。俺の涙腺にガツんときちまったぜ。」


プリシラ「バカがうるさいので仕方なくじゃ。」


くいっと、プリシラは顎で再度用件を催促してくる。



スバル「、、、人を探して欲しいんだ。俺の大切な人を。」


プリシラ「大切な人じゃと?あの卑しきハーフエルフのことかの?」


エミリアの事でキレちゃダメだ。落ち着けよおれ、、、。


スバル「いや違う。こんな駄目なおれのことをいつも助けてくれる、好きだと言ってくれる女の子だ。」


プリシラ「女に逃げられたから妾に追いかける手伝いをしろと?」


スバル「あーそうだよ。悪いかよ。」


プリシラ「くく、ふ」


頭を下げ肩を震わせるプリシラ。やはり前の時の似ている。前ならここから凄まじい罵倒のラッシュがはじまる。


プリシラ「ははは! やはり、やはりおもしろいな貴様は。」


突如勢いよく顔を上げて笑うプリシラ。プリシラも俺もこの光景にデジャブを感じているはずだ。


プリシラ「道化の次は、ストーカーとはの。いいじゃろう。前回をなぞって貴様にまたチャンスをやろう。」


きた。脚を舐めろだのなんだの言ってくるやつだ。前回の俺は舐めて失敗に終わったが今度の俺は違うぞ。


そう意気込んで、オットーに合図を送る。


さっきまで緊張でカチコチに固まっていたオットーがはっと我に返る。


よし。プリシラ、くるならこい!


プリシラ「貴様、妾の夫になれ。」


スバル「はぁ?」


前スレはここまでです。諸事情により前スレを載せないことにしたので書きました。

筆者は理系学生でまだ1年生ですが、サークル、バイト等で少し更新頻度が遅くなるかもしれません。
週1は絶対更新すると思います。

あと筆者は感想厨なので、よろしければ感想等書いてやって下さいm(_ _)m

冷たい言い方になるが、作者の近況は別に聞きたくないから書かなくてもいい
更新をやめたいときは「今回はここまでです」とか「更新は来週です」とかで構わないぞ

あと安価(>>1とか)を出すときは、自分のレスから2~5個くらい開けとけばスムーズに進む
「該当しない場合は安価下」とか書いとけば、安価先に関係ない文章とかが来ても、その次のレスが安価の内容ならそれを適応できるから楽だぞ

次の更新を楽しみにしてます


1の筆者です。


あまりに予想外の台詞だったので、思わず間抜けな声を出してしまった。
横にいるオットーも目を点にしている。


スバル「おいおい冗談だろ?」


プリシラ「冗談ではない。貴様は容姿も中身も卑しく醜いが。」


酷い言われようだ。オットーが横でうんうんと頷いていたのでとりあえずグーパンをかます。


スバル「ならなんで俺なんかと結婚しようとするんだよ!?オットーで良いじゃねぇかオットーで!」


オットー「ちょっ、ちょっと何言ってるんですかナツキさん!」


スバル「だってこいつ美形のショタ執事囲ってんだぜ。お前とか頑張ればギリギリストライクゾーンだろ。」


プリシラ「そんなうるさいだけの幸が薄そうな奴はいらん。」


オットー「・・・。」


理不尽に振られて落ち込むオットーが流石にかわいそうだったので俺はその事を茶化さず本題に入る。


スバル「じゃあなんで俺なんだよ。」


今まで散々罵声を浴びせておいて求婚とか流石におかしいだろう。


プリシラ「それはひとえに貴様の死に戻りの能力が理由じゃ。」


死に戻りの能力が??


アル「兄弟。姫さんはこれまで8回結婚している。が、その結婚した全員が謎の没落、変死をとげていやがんだ。」


オットー「血色の、花嫁、、、。」


血色の花嫁。確か王選の表明の時に聞いたな。
人妻だってわかってたけどまさか8回も結婚してたのかよ。しかも全員が全員没落、変死ってとんでもねぇな。


プリシラ「死に戻りの力を使って妾の夫としてせいぜい足掻いてみせよ。退屈しのぎにはなるじゃろう。」


プリシラ「それにあの卑きハーフエルフと貴様を愛するその女とやらの反応も見ものじゃの。」


プリシラは谷間から扇子を取り出し口に当ててクスリと笑んだ。


プリシラ「妾のぱーふぇくとな美貌の前に落ちん男などおらん。貴様も本望じゃろう?」


俺はエミリアとレムをオモチャのように扱おうとするプリシラにキレそうになるのをなんとか制し、行動に出る。


スバル「落ち着けよ俺。そうだ。どちらにせよやろうとしていた事を実行するだけだ。」


プリシラ「なんじゃ?何を訳の分からぬ事を言っておる。」


憎たらしい笑みを浮かべて得意のサムズアップを決めるスバル。


スバル「こっからはハイパー俺らタイムってことだよ!」


威勢のいい啖呵をきるスバル対して、
プリシラは扇子の向こうでとても嬉しそうな笑みを浮かべる。


プリシラ「分かっておらんな。世界は妾の都合の良いように出来ておる。言ってしまえばいつ何時も、はいぱー妾たいむじゃ。」


俺は予想通り乗ってきたプリシラに提案する。


スバル「プリシラ、俺らとゲームをしようぜ。」

今日はここまでとします。


近況報告要りませんね。理由言っといた方がいいかと思いまして、申し訳ございません。>>34さん、分かりました!アドバイスありがとうございます。

ただ筆者は感想乞食であるということは推しておきます笑

ゴンベッサ


1の筆者です。


プリシラ「げーむじゃと?」


スバル「ああ。勝った方が負けた方の用件を呑む。お前が勝てば結婚でもなんでもしてやる。ただし、お前が負けたら俺達に協力してもらう!」


プリシラが自身の豊満な胸の下で腕を組み少し思考しているような態度をとる。


プリシラ「つまりげーむとは勝負するということじゃな?よかろう、受けてやる。
妾が賭け事で負けるわけがないからの。」


前にジャンケンで打ち負かしたけどな。
まぁ、グーチョキパーとか卑怯な手使ったけど。


プリシラ「して、どんな勝負をするのじゃ?前の じゃんけん のようにルール説明に欠損があるのは無しじゃぞ?」


まぁ、流石に前と同じじゃ誤魔化しきれんわな。


俺はチッチと人差し指を揺らし


スバル「勿論そんな事はしねぇよ?
なんてったって今回のゲームはいたってシンプル。」


俺は持っていた袋からそれぞれにイ文字で1~4までの数字が書かれた四つの箱を取り出す。


スバル「この中からプリシラが1つ選んで取る。」


スバル「取った箱は不正が起きないように自分だけで見たあとお前が座っているその玉座に置け。」


スバル「俺は取った箱、取られた残りの箱を見ることも触れることも出来ない。その状態でお前が選んだ箱に書いてある数字を当てるだけだ。な、簡単だろ?」



プリシラ「ふん、妾がお前の選んだ箱に書いてある数字を当てるというのは?」


今までの経験から、プリシラはなんとなく思った数を言うだけで100発100中で当ててきそうだ。流石にそれは無理ゲー確定だよなぁ。


俺はプリシラのその発言に苦笑いしながら


スバル「それだと確実に負ける。」


プリシラはその返答に満足気に笑う。


プリシラ「フフフ、正直な奴め。よかろう。妾は一度受けると言った勝負を降りるつもりはない。」


俺が箱を順に並べる。

そして俺とオットーは背を向ける。


アル「そんじゃあ、姫さん引いてくれや。」


プリシラ「これじゃ。」


プリシラはなんの迷いもなく箱を選び取る。
俺とオットーは後ろを向いてその現場を見ない。

後ろを向きながらにしてオットーが焦る。


オットー「そんなあっさり、、、。」


スバル「まぁお前ならそうだよな。」


そう背後に向かって喋りかける。


プリシラ「当然じゃ。妾の意思は天意同然。妾の選択に間違いなどない。よって悩むだけ時間の無駄ということじゃの。」


後ろを向いていて顔を見ることはできないが自信満々に箱を選ぶプリシラの姿が想像できる。


プリシラは取った箱を誰にも見せずに玉座におく。


アル「おい兄弟、シンキングタイムはどんぐらいだ?」


アルが呼びかける。

スバルはオットーに確認を取る。


スバル「どうだ、オットー?」


オットー「そろそろいいんじゃないですか?ナツキさん。」


スバル「、、、だな。」


プリシラ「ほぅ。妾の興が冷めぬよう手早く行うのは良いことじゃ。して、妾は何番を選んだ?」


プリシラの声が笑っている。どうせ自分が勝つに決まっているがどうこいつらが足掻くか面白そうだといった感情だろうか。


が、スバルは勝ちを確信していた。


俺は背を向けたまま天に向かって勢いよく指を突き立てる。




その数は3。


それを見たプリシラがあからさまに動揺する。


プリシラ「な、なぜじゃ!妾が賭け事で負けるなぞありえん。」


アル「へぇー、姫さんを負かすたぁやるなぁ兄弟。」


俺はその場でくるりとターンしてプリシラ達に向けて舌をだす。


プリシラ「周囲のマナに変化はなかった。一体どういうカラクリじゃ?」


自分が負けたことが余程信じられないのだろう。凄い食いつきっぷりだ。



スバル「俺んとこじゃあ魔法なんて大層なもんは無かったんでな。これはマジックってやつだよ。」


プリシラ「まじっく?」


アル「タネも仕掛けもございませんーってやつだな。」


ま、実際はあるんだけどな。


ハイパー おれら タイムって言ったし。


スバルはプリシラが選ばなかった残りの箱を片付けながら言う。


スバル「お前が選んだ箱を開けてみな。」



プリシラ「っ!まさか箱の中に、、、、。」


プリシラは足早に箱を開けにいく。


ああいうところ見るとプリシラも年相応の女の子っぽいところがあるんだなぁと感じる。


プリシラ「、、、、リンガ?」


プリシラは箱からリンガを取り出し、不思議そうに見る。


スバル「それはやるよ。カラクリについてはちゃんと女の子を見つけられたら教えてやる。」


プリシラ「、、、勝者の特権というやつかの。いいじゃろう。地図を出せ。」


オットーが懐から地図を取り出す。


プリシラ「ここにおる。」


なんの迷いもなくプリシラが地図に指を走らせる。


オットー「ナツキさんここって、、、。」


スバル「まじかよ。」


小学生とかが考えそうな作戦ですが、スバル達が立てたゲームの作戦を説明していきたいと思います。

四つの箱にはそれぞれ、1,2,4番にはネズミが、3番にはリンガが入っていました。
ネズミなどの小動物は人には聞こえない超音波を出すことができます。
それを使って気付かれることなくオットーとの意思疎通が可能です。
中に入っているネズミは、箱ごと玉座に持っていく際に持ち上げられるので自分の入っている箱が選ばれたのだと気付きます。玉座に置かせるという一連の動きは箱を持ち上げる動作を入れさせるためです。
ここで、1,2,4番が選ばれた場合は持ち上げられたネズミがオットーに教えます。逆にネズミからの反応がなかった場合はリンガの入った3番となります。
しかし、このままではスバルは選ばれた番号がわかりません。そこで選ばれた番号に対応するオットーの台詞を予め決めておきます。


例としては

選ばれたのが1の時「おっけーです。」

選ばれたのが3の時「そろそろいいんじゃないですか?」

といった感じです。つまり今回オットーは動物とスバルを繋ぐ媒体となった訳です。これは実際のマジックではアシスタントが予め客に紛れて行うものなのですが。
実はオットー1人で成立しますが、あくまで自分を愛してくれる人(レム)を助けるための勝負にスバル本人が主体で参加しないのはおかしいなと思いまして。プリシラ達も不審に思うかもしれない。

注意:重さはほぼ均一であり、プリシラの性格的に直ぐに選ぶとスバルには分かっていたので箱の中身などのチェックはされないと踏んでいます。また、ネズミを避けてリンガの入った3番を選ばせるという日輪の加護避けも地味に行なっています。

穴とかあるかもしれません。その場合は申し訳ございません。

今日はここまでとします。

コテハンってどうやってつけるんですか?

>>42さん、何かと思って調べました。そんな変な人と一緒にしないでください笑


1の筆者です。


今日は町でお買い物。袋一杯に食材を詰めていく。そう。レムはただ食料を買いに行くだけの事が楽しくて嬉しくてたまらないです。


だって、


スバル「おいレム。他は何が必要なんだっけか?」


袋を抱えて一緒に横を歩いてくれる人。
レムの方が力が強いのにこの人は自分が持つと言って聞きません。


でも、


レム「そうですね、後はリンガだけですよスバルくん。レムとしてはもう少しスバルくんとのお買い物を楽しみたかったのですが、残念です。」


少し照れ臭そうする彼にイタズラに笑ってみます。


なぜなら、




リンガ売りのおっちゃん「ひゅーひゅー熱いねぇお二人さん。」


スバル「う、うるせぇ!さっさとリンガ買って帰ろうぜレム。」


レム「あっ、。」


急に引っ張られた腕。

乱暴なのに一切の不快感はない。
それどころか彼の手に触れ合えて嬉しいと感じる。引っ張られたのではなく引っ張ってくれたと感じる。


そう、


レムは彼が、スバルくんが大好きです。



午後


仕事でとても疲れたのだろう、
少女は膝の上で眠る愛しい少年の髪を指で梳かす。
膝から伝わる温もりがとても愛おしくて。


レム「ふふ、スバルくんったら赤ちゃんみたいで可愛いです。」


レムの指が髪の毛からおでこ。
おでこから鼻、鼻から口、ときてふと思う。


レム「(スバルくんの唇。)」


一瞬キュッと心臓を締め付けられたように感じる。自分の鼓動が急に早くなるのがわかる。

血流が活発になり、蒸気してゆでダコのようになった自分の頬に手を触れる。



、、、熱い。


もしもこのままこの少年に口づけたら自分は溶けてしまうのではないだろうか、そんな気さえする。


レム「、、、スバルくん。」



こんなことをしようとするのはズルいと思う。
少年の好意は自分ではなく別の人に向けられている。

それらを理解したうえで、それでも少しでも近づけるだけなら、近づけるチャンスがあるなら、、、。


少女は唇を近づける。少年の唇に、、、。
そして少年と少女の鼻と鼻が触れ合ったその時



レム「なんて、ダメですよね。レムは悪い子です。」


すんでのところで触れてしまいたい衝動に打ち勝ち、そのまま至近距離にある少年の顔を見つめる。


時が止まったかのような静寂、ずっとこのまま見つめていたい。

この少年の幸せそうな寝顔を見ているだけでこんなに幸福な気持ちになれるものなのか。


レム「、、、頬になら」


、、、口づけても、。キスしても許されるかな。


本当にか細い、自分にしか聞こえないぐらいの声で
そう口にしようとした時だった。



ッグシャ!!!!!


レム「っ!!」


鈍い音と共に急に膝が軽くなった。
身体は硬直し、頭の中が真っ白になっていく。



、、、目の前の出来事が信じられない。


少女の腹部を突き抜ける鎖。
自分自身は痛みも血も伴わない。


常人なら発狂してしまいそうな自分の状況。


しかし、そんなことは少女にとってはどうでもよかった。気にも留めなかった。


、、、それほどまでに目の前の光景を受け入れられなかったのだ。


レム「スバ、、スバルくん、、、?」


それまで膝の上に感じていた “幸せ” は悲惨なまでに粉々になった肉片に、 “最悪” に変わっていた。


給仕服と顔に飛び散った真っ赤な血。
向かいの壁にまで飛んだ少年の一部と“鉄球”。


レム「なんで、、、だれがこんな、、。」


一杯に開いた目から零れていく涙。涙の跡が獣道のように顔から血を落としていく。


一瞬にして飛び出した雄々しい一本の角は、普段は可愛らしいメイドである少女からは想像もできない憎悪を放っていた。


幸せな世界を壊した“それ”は、今自分の後ろに居るはずだ。


一体誰がこんなことを。


レム「許せない許せない許せないっ!許せない許せない許せないっ!許せない許せない許せないっ!許せない許せない許せないっ!許せない許せない許せないっ!許せない許せない許せないっ!許せない許せない許せないっ!許せない許せない許せないっ!許せない許せない許せないっ!許せない許せない許せないっ!許せない許せない許せないっ!許せない許せない許せないっ!」


涙も嗚咽も止まらない。それでも悲しむ前に少年を壊したその元凶の正体を。


レム「ボロボロにしてグチャグチャにしてバラバラにして焼いて苦しめて殺してや、、」


首の可動域の限り肩越しに後ろを見て元凶を見た時だった。


レム「あっ、、、。」


そこにはとてもつもないほどの軽蔑を顔に張り付けて肉片と化した少年を見つめる、、、


ーーー青いメイドが居た。


今日はここまでとします。


すいません、コテハンしようと思って言われた通りにしてみたのですがこれはできている状態なのでしょうか?

>>62
はできてるよ


>>72さん
あ、コテハンする時は全部にコテハンしないといけないんですね。分かりました!


1の筆者です。



プリシラ達と別れた俺とオットーはプリシラが示した場所 ー 聖域に辿り着いた。


スバル「なんでこんなとこに来てんだよレム、、、。」


そう言いつつも彼女の意図している事がなんとなく分かるスバル。分かって改めて彼女の心の強さに驚嘆する。


そう。俺達は言葉数少なく『試練』の場 ー 墓所 に向かっていた。


草を踏み超え見えた先には、墓所の入り口で腕を組んで座る金髪の少年がいた。


スバル「ガーフィール!?」


ガーフィール「、、、随分遅かったじゃねェか大将。」




ガーフィールがこちらに気付いて声をかけてくる。でも少しテンションが低いような、、?


スバル「どうしておまえがここに居るんだ?」


ガーフィールは首を横に振って拒絶の意思を示す。


ガーフィール「そりゃあ言えねぇな。」


理由を話そうとしないガーフィールに少し違和感を感じるスバル。しかし今はそんな事はどうでもいい。


スバル「ならいい。それよりレムを見なかったか?」


ガーフィール「見てねぇ。」



スバル「、、、そうか。ならそこをどいてくれ。俺は墓所に用があるんだ。」


そう言って極めて自然に、スバルとオットーは墓所の入り口へ。つまりガーフィールに近づいていく。


すると、



ッドン!!


周辺の大地が揺れた。ガーフィールが地面に拳を打ち付けて威嚇してきたのだ。


オットー「ちょっ、ちょっと何のつもりですか!?」


ガーフィール「・・・。」


黙り込んだままのガーフィールに俺は表情を変えずにただ近づいていく。


それを見たオットーが慌てて声をかけてくる。


オットー「ちょっとナツキさん危ないですよ!今のガーフィールは少しおかしいです!、、、ガーフィール相手じゃあ僕達じゃ対処できませんよ!」


オットーの制止を無視してなおスバルは歩みのスピードを変えずにガーフィールに近づいていく。


ドンッ!


スバル「・・・。」


ドンッ!


スバル「・・・。」


ドンッ!




ガーフィールは何度も何度も地面に拳を打ち付ける。


同じ地面を何度も何度も打ち付け続ける。


ギラリと鋭い犬歯を露わに打ち付け続ける。


壊れたおもちゃのように、、、。


とうとうガーフィールの目の前に立ったスバルは、ガーフィールの血まみれになったその拳を見て問う。


スバル「、、、お前はさっきから何を殴ってんだ?」


ガーフィール「っ!?」


本気で威嚇のつもりならガーフィールは拳に盾を付けているはず。そもそも地霊の加護の影響で、地面を殴って拳が血まみれなんてありえない。

、、、なら何故ガーフィールの拳は血まみれになっているのか?


スバル「手、見せてみろ」


無理矢理にガーフィールの手を取る。
その手のひらには四箇所の痛々しい裂傷があり、そこからは今もなおトクトクと血が流れ出ていた。


スバル「これはどういうことだよ。」


スバルは今までのガーフィールに臆することなく真剣にガーフィールに問うた。


そこまで言われて観念したのか、今まで沈黙を守ってきたガーフィールが話し出す。


ガーフィール「、、、大将も周りの奴らもどうしてッそんな強えんだよッたくよお。」


スバル「・・・。」


ガーフィール「大将は俺様が怖くねぇのか?その、、、あんな目にあってきてよ。」


ガーフィールがおずおずと聞いてくる。
全く、どっちが怖がってんだか。


俺は正直に答えてやる。


スバル「ああ、正直怖えよ。特に死ぬのはマジで怖ええ。お前が獣化して本気で戦りに来た時は正直漏れちまうんじゃねぇかと思ったぐらいだぜ。」


ガーフィール「だったらっ!」


スバル「でもよ」


っと、突っ込んできたガーフィールの言葉を遮るスバル。
そして、



スバル「お前は大切な仲間だよ。」



ガーフィール「、、、は?」




ガーフィールの目が点になる。たった今この男は自分を恐怖の対象と認めたのでは無かったのか。なのにどうしてそうも真反対の言葉がでてくるのか。普通に考えておかしい。


ガーフィール「、、、ッなんでそんな言葉が出てッきやがんだよお!」


その時のガーフィールの嗚咽の混じった声を聞いて、顔を見て。スバルは目の前にいる自分より強い人間が本当になんの力もない、ただの思春期真っ盛りの14歳の少年に見えた。


俺も中坊ん時、、、っいや。むしろ最近までこんな感じだったっけか。


俺は深呼吸した後ガーフィールの目を真っ直ぐに見つめて話す。


スバル「、、、俺は自分が大切じゃねえとは言わねーし、勿論俺に危害を加えた奴を簡単に許せるような寛大な人間じゃねえ。」


ガーフィール「・・・。」


スバル「ただただ俺は彼女をーエミリアを救いたかったんだ。その障害になるもんは全部取っ払う。」


ガーフィールの表情が曇る。自分もその障害になっていたのだという現実に押し潰されているのだろうか。でも、


スバル「最初は、、な。」


ガーフィール「、、、最初?」


俺は場の緊張を一気に払拭するように笑いかける。



スバル「ああ。最初はエミリアたんだけだったんだけどな。そっからレムやラム、ロズッチやベア子、それに村の皆。もちろんオットーやお前やフレデリカも。」


スバル「この世界で笑いあった色んな人達。皆揃って俺の居場所なんだ。居場所になったんだ。俺はこの居場所を守りたい。」


、、、。


スバル「(やべえなんか言ってってかなり恥ずかしくなってきた。)」



スバル「も、もちろん俺の中のナンバーワンいつ何時もエミリアたん一色だけども?まぁそこに最近ではレムも台頭してきつつあってぇーーって。」


っぽんといつの間にか真後ろに来ていたオットー肩を叩かれる。


ああーっとスバルは頭をかく。





スバル「、、、まぁそのなんだ、俺ん中ではガーフィール。お前もいつの間にか俺の居場所に欠かせない奴になっちまってたんだよ!分かれよそれぐらい!」


このバカ!っという感じでガーフィールのおでこにデコピンするスバル。


その行動と言動にガーフィールは口を開けたまま唖然としている。


スバルはガーフィールの手を再度見て言う。


スバル「お前の怖さを知ってる俺が言うけどさ。」



怖さを知ってるからこそ分かる。その爪で、その握力でやられたらすげぇ痛えんだ。


スバル「、、、お前の爪の鋭さとかお前の握力とかマジで半端ねぇんだからさ。」



スバル「自分を傷つけるのはやめろよガーフィール。」


大切なことを言った。
スバルはガーフィールの腕を放し反応を待つ。

すると、

ぷるぷるぷる、、、


突然肩を震わせるガーフィール。
一体なんだっていうんだ?まさか俺なんかまずいこと言ったか?反抗期の子供って怖いしお兄さんやだよ。


っと、冗談半分で考えていると、



ガーフィール「、、、かっけぇ。」


スバル「?」


ガーフィール「すげぇかっけぇーよッ大将!いつもΣだのδだのかっけぇ呼び名付けたりしてッけど、そんなのッ比にならねぇぐらいかっけぇ!」


ばっと顔を上げかなり興奮気味に話すガーフィール。そんなキラキラした目で言われるとてれるぜ。


しかし、次の瞬間にはその興奮も一気に冷める。


ガーフィール「でもって、」


ガーフィール「俺様はかっこ悪りぃな。」


あー、っと大きくその場で後ろに倒れこみ伸びをするガーフィール。

ガーフィール「・・・。」



5秒ぐらい考える顔をしたまま目を閉じるガーフィール。しかしそれも一瞬。そのあとには付き物がとれたような晴れやかな声音で


ガーフィール「やめだッやめやめ!こんなめめっちいのは俺様にゃあ似合わねえ。クウェインの糸に踊らされるってやつだぜ。」


ふっきれたようなガーフィールにスバルとオットーは安堵の息をつく。


ガーフィール「レムには口止めされてッたんだけどよぉ。協力させて貰うぜッ大将!なんせ大将ッは俺様の大切な居場所ッだからよお。」


スバル「お、おう。それは助かるぜ。(俺様の居場所って、気に入ったのかそれ、、、。)」



とにもかくにもガーフィールの説得に成功したスバル達であった。


今日はここまでとします。



ッバン!

急に音がしたのでそちらを見るスバル。

そこには銃口をこちらにむけたエミリアがいた。

スバル「エミリアたん、なんで、、、、。」

エミリア「だって、スバルが私に構ってくれないんだもん。」

おれはそのまま地面に血反吐を吐き倒れた。


END


1の筆者です。


知らない知らない知らないっ!こんなのは知らないっ!


さっきまで暖かい気持ちで満たされていた部屋は、いつの間にか黒く塗りつぶされていた。


レム「うっ!」


レムは目の前に立っている元凶ー“レム自身”に途轍もない嫌悪感を覚える。


レム「(あの目は、、、)」


同じ。同じだった。ラムと共に育った鬼族の村で、ラムから奪ったと言われた角。ラムがもし二本の角を持って生まれてきていたらと。


、、、周りの人間から生まれてこなければ良かったのにと向けられた目。



その目だった。


そっか。そうだったんだ。


レム「レムはこんな目でスバルくんを、、、。」


怒りに打ち震える自身の腕を無理やり抑えつける。とんでもないスピードで刻んでいた動機を何度も深呼吸をして制そうとする。


そうしてようやく落ち着いた動機に胸をなでおろす。




レム「、、、思い出しました。」


自分の感情を思い出した。主観的だけではなく、外から見て改めてわかった。やはり自分はあの時スバルを亡き者にしたかったのだ。魔女の異臭を撒き散らすこの少年を。


でも、もう1つ同時に思い出したことがある。


レム「ここで自分のやるべきこと。」


レムの声や心は、嫌な事を思い出したにもかかわらずハッキリとした意思を持ち、芯が通っていた。


レム「、、、乗り越えること。」



レムはスバルの居ない世界を望んで、スバルをこの手で確かに殺したのだ。その事実に変わりはなく、その時スバルに抱いた嫌悪感をレムは今ハッキリと思い出した。
しかし、今ではレムはスバルを愛している。嫌悪感と愛情。この少女にとってその2つは最早天秤にかけるまでもなかった。


レム「疑って、心の無い言葉をかけて、妬んで、蔑んで、軽蔑して、殺した。愛する人をースバルくんを。」


レム「そんな自分が確かに居たことをしっかりと受け入れて、乗り越える。そのうえで、胸を張ってスバルくんの隣を歩く!その決意を。」


さっきまで雄々しくたっていた角は消え、握りしめていた手を開き、目の前にいる自分自身をしっかりと見つめる。



レム「認めます。、、、そして笑顔でスバルくんに会いに行って、頑張ったレムをナデナデして貰いたいと思います。あなたもご一緒にいかがですか?」



過去を乗り越えた自分を見て、スバルならきっと褒めてくれる。それは傲慢なことなのかもしれないが、彼はきっとそうしてくれる。



それを想像するだけで、自然に笑みがこぼれる。



レム「あなたは、、、“レムはレムです。”」




パリンッ!っと、暗闇に覆われた世界が崩れ辺りが明るくなる。


目の前で拍手するエキドナの姿が見える。
しばらく目をパチクリさせていたレムだったが、ようやく実感する。


レム「レムに試練を受ける資格を頂き本当にありがとうございました。」


弾けるような笑顔のレムに、あー眩しいっ、といった感じのエキドナ。


エキドナ「いやいやとんでもない、これは言わば僕の愛のプレゼントさ。君にはとても興味が湧いてね。君は本当に良い意味で期待を裏切ってくれるなぁ。100点満点だよ!」



その興奮した様子のエキドナに
?っと疑問符をうかべるレム。


レム「(まあ、変わった方だとお聞きしていましたし、、、。)」


いまだ興奮の冷めないエキドナははっと目を見開らき


エキドナ「ああいけないいけない。僕としたことがドキドキしすぎちゃったな。
、、、さぁ、早く目覚めて愛する人のところへ行っておいで。」


そう言うエキドナにレムは改めてお辞儀をして高らかに返事をする。


レム「はい!」



エキドナがぱちっと指を鳴らすと途端にレムがエキドナの前から消える。
消えた少女の居た場所を名残惜しそうに見つめるエキドナ。


クスリと笑みを浮かべてカップから液体をすするエキドナ。


エキドナ「、、、本当の【試練】はここからさ。」


んーっと自分の体液の余韻に浸ったあと、 自分の矛盾に『気づいたフリをする。』


エキドナ「あ、違った。【試練】じゃなくて【実験】か。」


あはははっと口を大きく開けて笑うエキドナ。


エキドナ「こんなに楽しみなのは久しぶりだよ。」


エキドナ「さあ、君程の眩しい子は一体どうなっちゃうのかな?」


、、、レムは目を覚ました。



今日はここまでとします。
まだ見てくれてる人いますか?笑

pixivの方にも投稿してるのですがこっちは見てる人いるのか微妙で笑
誰か1人でも見てくれてる人が居たらこっちにも投稿します。ご協力お願いします。

あ、あと>>94は全然関係ないです。というか僕じゃないです笑



1の筆者です。



さっきまでの緊張感はどこへやら、ガーフィールは活気に満ちていた。
というかいつもこいつは活気に満ちてたか。
さっきまでのガーフィールが異常だったのだ。



ガーフィール「大将はレムを探しに来たんだろ?ご明察ッの通りレムは試練を受けに来た」



ッけどよ。っとガーフィールは立ち上がってまっすぐにこちらを見る。



ガーフィール「レムには試練の資格がねぇ。だから俺様に外との仲介役を頼んでッきやがったんだよ。」





成る程。ガーフィールという人選はそういうことか。


俺に話さなかったのは勿論だが、


スバル「でも試練の資格が無いのに墓所ん中に入るってことは。」


ガーフィール「当然ゲートの数、大きさに比例してッとんでもないダメージを受けるってぇことだぁな。」


こういう事だろうな。レムは俺に話せば絶対に止められると思ったんだろう。
予想通りだが出来れば違って欲しかった答えをガーフィールは話す。



ガーフィール「そんでッそのたびに俺様が連れ戻す。その後すぐにレムの野郎は鬼の力でッ自分の身体を無理やりに治癒してまた試練を受けにいく。そのッ繰り返しってわけよ。」




スバル「・・・。」



ガーフィール「ッ大将?」



………どうして止めなかった、



なんて心の無い言葉をかけそうになった。


ガーフィールは悪くない。きっとその時のレムを止められる奴なんてこの世界に居ない。いや、それこそ俺だけだ。
血を流しボロボロになりながらも過去を乗り越えようと何度も試練を受けようとするレムの姿が脳裏に浮かぶ。
普通なら責任を背負って自責の念に襲われるところだ。それを乗り越ようと頑張る心に昇華させたレムは流石だ。




流石だが


スバル「(自分を傷つけるような手段じゃ自分を責めてるのと変わんねぇよレム。)」


オットー「ナツキさん、、、。」


ラムの千里眼が無理だったのはレムが完全に気絶していたからか。
俺はブンブンと頭を振って気を取り直して言う。


スバル「次出てきた時には俺がレムを止める。」


ガーフィール「いやそれなんだけどよッ大将。」


ガーフィールが腰に手を当てて笑いながら言う。




スバル「なんだ?」


ガーフィール「レムは試練を受けるッ資格貰えたらしいぜ。さっき出てきた時に言っててよ。実際それから大丈夫ッそうなんだ。」


オットー「おお!それならもうレムさんが傷つく心配はありませんねナツキさん!」


スバル「・・・。」


試練の資格を得られたって事はあのエキドナが?いやエキドナならやりかねないか?
正直わからない。あいつの思考回路は常人のそれとは余りにもかけ離れてやがる。





オットー「………ナツキさん?」


スバル「お、おう。そうだな。」


相手が相手なので考えずにはいられなかった俺は一瞬対応に遅れる。俺は「あーっ」と頭をかき頬を叩く。


スバル「ポジティブシンキングでいくか。」


考えたところでエキドナの思惑は読み取れるものではない。
それに資格を得られたというのならとりあえずはレムは安全なはずだ。



スバル、オットー、ガーフィールの3人は墓所の前に腰掛け話をしながらレムを待つ。彼らがそうやって不安なくレムを待つ形を取ることができたのは、1つはレムが無事であったこと。もう1つはレムなら確実に過去を乗り越えることができると確信していたからである。




ポジティブシンキングね。




「それはあまりに楽観的じゃないスバル?」




今日はここまでとします。

ーーーーーーー




レム「ここは?」




急に無から覚醒したような感覚を得たレム。目をこすりながら辺りを見回してここが墓所の中であることに気付く。


指を折りながら起こったことを思い出していく、そうして自身の記憶の整理を行ったレム。
どうやら記憶に欠損は無く墓所に入る前後から途中の試練までしっかりと記憶にあるようだ。
そうして達成感を得て思わず口が綻ぶ。




レム「よ、よーし!レムは、レムはやりましたよスバルくんっ。」



普段はスバル達以外の前ではあまり面に表情を出さず落ち着き払っているレム。だがこの時ばかりは無意識の内に小さくガッツポーズを取るほどに興奮していた。




はやくあの人に、スバルくんに会いたい。




レム「一刻も早くスバルくんに頭を撫でてもらわなければ。」




いやもしかしたら頭を撫でてもらうだけに留まらずもっと色んな事をして貰えるのではないだろうか。こちらから「頑張ったレムに〇〇して下さい!」なんて頼んでも聞いてくれるのではないだろうか。


レムは傷ついた自分の身体の痛みさえ忘れて駆け出した。


薄暗い墓所の中を駆けると入り口から刺す光がレムの視界を奪う。その眩しさに目を細めるが口元のニヤつきはその時のリアクションにはそぐわない。

そのまま太陽の光に身体を投げ出すように墓所の入り口から飛び出すレム。



そこには金髪で背丈の低い少年ガーフィールティンゼル。白髪で幸の薄そうな商人オットースーウェン。紫髪ですらっと高い優しそうな騎士ユリウスユークリウス。



そして



めずらしい黒髪で三白眼の。おかしな事を言ってふざけているようでいつも他人の為に行動している。自分に価値がないと自暴自棄になっていたときに慰め、自分と寄りかかりあいながら生きるといってくれた男の子。




ナツキスバル君が、、、







居ない。




代わりに居たのは








エミリア「おかえりなさい。」




レム「え?」





なぜ?
どうして?




開いた口が塞がらないレムはエミリアの言葉に返事をすることができない。




エミリア「レム?」




あ、きっとスバルくんは理由があってまだここに来てないんですね。だってレムはスバルくんに墓所に行くなんて言ってないですし。ガーフィールはスバルくんにさえ言わなければ良いと思っていたのでしょうか。



4人がこちらを不思議そうに見つめる。レムは気を取り直して返事を。
しようとして倒れる。無理をしすぎたのだろう、すでに給仕服についた血は固まりちょっとやそっとじゃ取れなさそうだった。




エミリア「っ大丈夫!?」




地に身体を打つまえに抱きとめられる。
あたたかくない?本当に心から温まるにはやはりあの少年に、、、。




意識が途切れた。


ーーーーーーー



ラム「っ目が覚めたのねレム!」



目を覚ますと見慣れたロズワール邸の屋根だった。しかし次の瞬間には既に視界はピンク色で染まる。………髪の毛が鼻に入ってきてくすぐったい。



レム「姉様、くすぐったいです。レムはもう大丈夫ですから。」




ラム「そう?本当にもう痛いところとかないの?」




レム「ふふ。大丈夫ですって。」



やっぱり姉様は優しいな。昔から姉様はレムの目標であり全てだった。




そう、
 



つい最近までは。




レム「ところで姉様。」




ラム「どうかしたのレム?」




もじもじするレム。自分の安否がどうとかよりも優先してスバルを求める自分が少しだけ恥ずかしい。




レム「その、スバルくんは?」




ラム「っ!!??」




レム「?」




姉様はなにを驚いているのだろう。もしかしてスバルくんはこの部屋のどこかに隠れていたりして、、、。




ラム「………バルスは居ないわ。」



レム「え、、、そうなんですか。残念です。スバルくんには今すぐレムに然るべき報酬を与えさせたかったのですが、、、。買い出しにでも行っているのですか?」




ラム「………急に屋敷を飛び出してあんなところに行くからどうしたのかと思っていたのだけれど。そんなに自分を責めていたのねレム。」



その時のラムの顔は哀愁を感じさせた。



どうして?どうして姉様はそんな優しい目でこちらを見ているの?




レム「………姉様?」



ラム「レムの為を思ってハッキリと言うわ。バルスは居ないわ。」




レム「それは先程聞きました。結局スバルくんはどこにいるのですか?」




ラム「………よく聞いてレム。バルスは居ないの。」




姉様は本当に何を言っているんだろう。姉妹間でこんなに意思疎通に難が生じたのは初めてだ。




レム「何を言っ
ラム『バルスは!!』






どうしちゃったのお姉ちゃん。






ラム「バルスは居ないの。」






だからどこにっ!?







ラム「だってバルスは、」






お姉ちゃん?







ラム「あなたが殺したじゃないのレム。」








レム「………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………いや、。ぇっ?」



座ったままどれくらい時間が経っただろうか、スバルは自身の顎に手を触れ、髭の伸び具合を確かめる。



スバル「2時間弱ってところか。」



聖域に着いたのが日を跨いだ今日の朝5時ごろだから7時くらいか。ガーフィールは疲れたのだろう、いびきまでかいて眠っている。



恒例のラジオ体操でもしようかなと身体を起こした時だった。




ユリウス「君はいつもトラブルの渦中にいるね。」




スバル「え?」




急に話しかけられて振り向くとそこには最優の騎士、、、もとい爽やかイケメンキザ野郎のユリウスが居た。



スバル「どうしてお前がこんなところにいるんだよユリウス。」




ユリウス「それはこちらのセリフだよスバル。」




ユリウスが右手を横に広げる。服の下から微精霊が飛び出した。




ユリウス「微精霊達が急におかしな反応を見せてね。」




オットー「おかしな反応ですか?」




ユリウス「ああ。ざわついているんだ。こんなことは今までなかった。そしてその反応を辿った先がここというわけさ。」


微精霊がざわついている?ユリウスから飛び出した微精霊はスバルには普段通りにしか見えない。一体どういことだろうか。



その微精霊がふとスバルの頭上で止まる。




スバル「蛍がとんでるみたいでちょっとかわいいよな。」




オットー「確かに微精霊は可愛いですね。」




スバル「ペットにして飼ってもいいな。淡水魚飼育してインテリア的な扱いで見て愛でるみたいな。オットー微精霊売ってくれ。」




オットー「ちょっと何意味のわからないこと言ってるんですかナツキさん!精霊は飼育するものじゃなくて契約を結んで協力し合ういわばパートナーみたいなものですよ!」



スバル「(なんか普通に売ってたりしそうなイメージだけどなぁ。)」




スバル「悪かった悪かった。冗談だって。」




ユリウス「………いったいどういう、、、。」




ふとユリウスが顔を険しいものに変えてこちらを凝視していることに気づく。もしかして今の俺達のやり取りで気を悪くしてしまったのだろうか。




スバル「どうしたユリウス?」




ユリウス「………いや、なんでもない。急に悪かったよスバル。ところで君達はいったいどうしてここに居るんだい?」




俺達はユリウスにここに居る事情を話した。
 



ユリウス「なるほど。そんなことがあったんだね。僕の用事も別に急ぎという訳ではないし僕もここで待つことにするよ。」




ちらりと俺を流し見した気がする。




………もしかしてこいつ




スバル「おいユリウス」




ユリウス「なんだい?」




スバル「俺は女の子もといエミリアたんが好きなんだお前の入る余地はねぇあきらめろ!」




シッシと手を払うジェスチャーをするとユリウスははぁーと嘆息する。




ユリウス「君の考えていることが全然理解できないよスバル、、、。」




俺達はユリウスを加え再びレムを待つ。
しかしいつまで経ってもレムは墓所から出てこなかった。レムなら絶対に試練を突破出来るという確信はあった。しかし次第に一同に不安が生まれていった。











『ほら、放っておくとこうなっちゃうんだから。』












『私もだよスバル?』




今日はここまでとします。

昨日また新しいssを書き始めました!
ポケモンですが笑

ポケモン廃人がアニポケの世界に降り立つ!
というものです。このサイトでポケモン廃人で検索すると出てくると思うので宜しければご覧ください。

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