もし鎮守府が100人の集まりだったら【艦これ】 (49)

今日、私が着任したときに
司令官は嬉しかったですか?

本当に満足していますか?
費やした資材に見合ったものだと思いますか?
私のことを大切だと思いますか?

すぐに「はい、もちろん」と
言えなかったあなたに考えて欲しいことがあります。

今、我が鎮守府には99人の艦娘がいます。
新しい子が着任すると100人になりますか?
さらに新しい子が着任すると101人になりますか?

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1479639484

なる場合 ならない場合があるでしょう

それだけの規模になっているともう初めのころのような「誰が来るんだろう」
と、いう期待感は失われているかと思います

着任してくる子のほとんどは既存の子でしょうから。

結果、『先に着任した自分がいる』
なんて理由で多くの子がなんのチャンスも与えられないまま戦場を後にすることとなります。

けれども考えてみてください

意欲に溢れ、目標を持ち、期待と緊張を抱きつつ命を投げ打つ覚悟で着任。
それなのに一瞬で除隊命令を受ける子らの気持ちを

競争の機会も与えられず……

せめて少しだけでも…

とある後方の鎮守府に着任が決まった私
最初の挨拶をしました

吹雪「はじめまして……吹雪です よろしくお願いいたします……」

テンション低いって?
初雪か? って

私は特型駆逐艦の1番艦、吹雪
安定した能力を誇る改二持ち
なおかつコモン&初期艦候補で誰もが序盤で手に入れられる供給力。

アニメの主役かつ24人姉妹の筆頭
艦これの代表と言っても過言ではない
誰の鎮守府を見ても存在するだろうトップシェア商品

だけに……

わかってしまうんです。
『出迎えに来た人が戦艦だった』
『家具が充実している』
『資材にゆとりがありそう』

この時点で自分が育ててもらえる率が0.1%だって無いことが
居場所がないことが

志願後、本土にて艦娘改造手術を受け、容姿を変え
他の同期の吹雪たちと励まし合いながら訓練と試験を経て
どんなところに着任したいか夢を語り合って

鎮守府に着任→当日に解体除隊命令を受けることもう14,5回

どこの鎮守府にも受け入れ先がない

コモン艦が居場所を見つけるのは大変と聞いていたけれどここまでとは…

だってもうそこには育った私がいるんですもの
新しい私の入る余地なんて

先にいる人の方が経験を積めている
経験を積んだほうが能力が上がる

だから新しいものは要らない
要らないものが来ても迷惑なだけ

あたりまえのこと
コピー機とか不動産の飛び込み営業よりひでぇや

さてここでも解体かなー 近代化改装かなー 結果は同じだけどー

もう田舎に帰ろうかなぁー
出征を祝ってくれた家族にどの面下げればいいのか
そもそも改造手術受けた自分が元の故郷に帰れるのか
このまま機密保持処理とかされないよね…

その晩はとりあえず と寝室を用意され翌日最初で最後のお目通り…

お目にかかった司令官は書類に目を落としこちらを見ようともせず
ぼそっとした声で

提督「吹雪…吹雪 うん、まぁよろしく」

提督「今後は改になるまでは見習い。以降は戦力として期待する」

……はれぇ?

提督「後からの着任で遠慮もあるだろうが我が鎮守府は皆平等」

提督「着任の前後や艦種などで差別はせん」

提督「この鎮守府のルールを守り、懸命に励むように」

提督「細かいところはえーと まぁ詳細は同室の子に聞いて」

提督「装備は…初心者駆逐だとこんなものか?」つ連装砲B型・照明弾

吹雪「普通に結構いい!」

よくわからないけど受け入れてくれるのかな…?

と、思っていると秘書っぽい見ための人が声をかけてきた

大淀「ではあなたの配属番号は47番となります」

大淀「45番46番の二人と同室になるので案内してもらってくださいね」

47番…?

え? 家具も資源も揃ってるような鎮守府にまだ47隻しか船がいないわけが…
っていうか前の私がいないわけが
轟沈したてなのかな…?

どう見ても何人も育成するほど『吹雪』が好きな方には見えず

よくわからないなぁ
とりあえず45・6番の人に聞いてみよう…

睦月「この鎮守府の吹雪ちゃんは他に2人いますよ」

やっぱいるんだ

吹雪「ああ。牧場…」

夕立「牧場はしてないんじゃないかしらー」

睦月「ありえないですよー」

吹雪「牧場じゃないのにどうして同じ子が3人も?」

睦月「だってこの鎮守府は着任した子は全員育ててるから」

吹雪「へ?」

同室の45番・46番の二人が答えた内容は
そんな話があるんだろうかというもので

睦月「それより装備に慣れたほうがいいのよ? 多分明日から訓練が」

夕立「この鎮守府~ 全員平等にお仕事あるっぽい」

睦月「訓練は全員一日3時間で週5回。出撃遠征あった日はお休み。正月と夏休みは5日づつ」

夕立「座学も一日3時間……」

戦時中なのにきっちりしてらっしゃる

睦月「そうでしょそうでしょ 全員平等。差別はしない。皆きっちり育てる自慢の鎮守府だよ!」

夕立「普通の鎮守府なら睦月ちゃんなんて常時遠征か塩漬け放置?」

睦月「夕立ちゃんひどい~」

鎮守府ってそんな穏やかなものなの?

とりあえず気になったことから聞いてみよう

吹雪「本当に着任した子を全員育ててるんですか?」

睦月「もちろん」

夕立「その分建造は一切しないっぽいけど~」

嘘をついてるような顔じゃないよね…
凄いなぁ…

吹雪「あとその… 全員平等って」

睦月「全体方針。実戦もご飯もお給料もぜーんぶ同じ」

夕立「出撃は3か月に1回くらい回ってくるよ~」

吹雪「それって あの 言いにくいんだけど……」

吹雪「白雪初雪深雪磯波ちゃんとか改二がないコモンの子でも?」

夕立「そのとおり! まぁ初雪と磯波って子はいないけど~」

聞いてみると鎮守府自体の出撃回数が全体で月5~6回程度だけ。
それを均一に割り振っている様子

その他の時間は
戦艦や重巡は演習
軽巡や駆逐は遠征が月に3回ほどあるだけで残りは訓練時間に充てるとのこと

効率主義なとこはもとより
平凡な鎮守府でさえ特定の子は常時お仕事
改二もない能力が劣る子は毎日訓練。行く可能性のない出撃に備えた…と聞いてたのに

吹雪「それでは戦力的に」

夕立「ここ前線じゃないからね~」

睦月「うちの提督さんは戦果にも堀りにも興味がないの!」

夕立「まったりだらだらっぽい~」

吹雪「そ、そんなんでいいの!?」

翌日から研修が開始された
改になるまでは近海にて訓練としての戦いなどで育ててくれるらしい

一緒に訓練を受ける仲間も2,3人。

若葉「24番 若葉だ 特技は…24時間労働だが活かせそうもないな」

古鷹「84番 古鷹です よろしくお願いしますね」

酒匂「5番 酒匂だよ! もうすぐ改になっちゃうけどよろしくね!」

赤城「そして訓練担当の赤城です 97番なのは艦攻とか無関係ですね」

わぁー!! 赤城さーん!! 

吹雪「あのあの 私赤城さんと扶桑さんに憧れて青葉さんはどうでもよくてでも由良さんと
   じゃなくてあのお目にかかれて光栄ですはじめましてこんにちわ!!」

赤城「あら可愛い子 これからもよろしくね」

吹雪「は、はひぃ」

嬉しさのあまり日本語が不自由になっちゃった

赤城「でもごめんなさいね この鎮守府には青葉さんと由良さんはいないの」

吹雪「えっと…そうなんですか でも赤城さんに教えてもらえるなんて恐縮です」

赤城「ちなみに指導係も平等にやるから明日は三隈さん 明後日は長月さんよ」

吹雪「えー 今日だけなんですかー」

若葉「まぁ平等だからな」

古鷹「皆平等 とってもいい鎮守府ですね!」

酒匂「あとはまた矢矧ちゃんと会いたいなぁ」

赤城「矢矧さんならさっきドロップしたとの連絡がありましたよ?」

酒匂「本当!?」

酒匂「ずぅ~っと待ってるつもりだったのに… また会えるなんて夢みたいだよぉ」

酒匂さんはポロポロ涙をこぼしています。
確かに矢矧さんなんてレアですし喜びもひとしおでしょう。
私も早く24姉妹全員でお話したいなぁ

張り切った酒匂さんはその日のうちにレベルを3つも上げて研修卒業してしまいました
すごいです!

赤城「では酒匂さんは今後一人前として扱います」

大淀「上出来 では吹雪・若葉・古鷹以外のものは支度ができたら広間に来て下さい」

改への改造命令を受け取った酒匂さんが眩しい 私も頑張らなくっちゃ!

翌日、訓練場に行くと矢矧さんが待機していました

矢矧「軽巡矢矧、着任した 5番…と言われたがこれはどういう番号なの?」

はて5番?

研修終わると番号変わる?

三隈「あら素敵な凛々しい新人さん。三隈的には実にくまりんこ」

反応がよくわからない

三隈「ところであなたは…同じしばふ仲間」

吹雪「あ、やっぱり」

三隈「よしみでいいことを教えてあげるクマクマ」

三隈「扶桑姉妹に憧れてるようだと運的によくない・・わね」

はぁ

三隈「運の値がどういう影響をもたらすのかわからないけれど」

それから訓練を重ねていき、私のレベルは上がっていき
上がるレベルの3分の1くらいのペースで新人は入ってきて

妙高「88番 妙高です 共に頑張りぬきましょう」

五十鈴「12番五十鈴……牧場しない鎮守府って本当?」

子日「子日! 55番! ってこの番号なぁに?」

本当に

睦月ちゃんと夕立ちゃんに聞いてみると「そろそろいいかな」って言って
「抽選の番号」だと教えてくれました。

抽選?

「教育は最初の抽選の後してもらえるから」と言われました。

教育?

お勉強なら毎日3時間やってるけどなー

机を並べて倫理とか道徳とか

翌日、レベル20に到達した私は吹雪改へと進化
装備も10cm連装高角砲が追加。

初出撃は ききき緊張するよぉ

赤城「大丈夫ですよ 新人さんは今のエース達と組むようになっていますから」

いや、あの赤城さんと一緒に出撃するのが緊張するんですよぉ
みっともないとこ見せたくなくて

隼鷹「ひゃっはー!」
飛鷹「全機爆装!」
赤城「第二次攻撃隊、全機発艦!」

まぁ実際はなにもできないうちに敵が全滅しましたが

深雪「深雪だよ。よろしくな!」

あ、ドロップ艦深雪ちゃんだ
確か10番あたりに1人いたよね。一回遠征で一緒だった

深雪「って戦力揃ってる系の鎮守府かぁ ……チクショー やっぱ解体?」

そう言って口を尖らせる深雪ちゃんには私と同じようにとりあえず…と寝室が用意されました。

普通に考えたら… 
今の鎮守府の戦力にこの深雪ちゃんが入る余地はなく、受け入れる必然性もないけれど

でも事前の話だと

…聞いてみよっかな

吹雪「深雪ちゃんはどうなるんですか?」

赤城「どうなる…とは?」

吹雪「えっと もう居るし… 能力的にも…その」

赤城「吹雪ちゃん? うちの鎮守府は皆平等 新しい子はすべて受け入れる そう聞かなかった?」

吹雪「聞きました…」

赤城「あの子も明日から訓練組よ」

…よかったー

赤城「平等の仕組みを疑わないで?」

赤城「この深雪ちゃんには吹雪ちゃんから説明してあげてね 選ばれていなければ」

吹雪「選ばれ?」

そのまま赤城さんに連れられて広間に行くとそこにはたくさんの艦娘がずらっと
訓練中の新人を除いた全ての人だそうです。
私の他の『吹雪』も二人いて、こちらに手を振ってくれました

吹雪「ほえー まだ会ったことない人が一杯だよぉ」

吹雪「えーと90人くらい?」

赤城「訓練中は4人だから95人」

吹雪「挨拶とかしたほうがいいですか?」

赤城「委員の話が終わったらね」

壇上には三隈さんが上がっています

三隈「ごきげんよう また新しい子が着任されました」

三隈「さっそく抽選をさせてもらいますわね」

そう言って三隈さんは籠の中に手を入れて一枚の札を引いて

三隈「46番」

夕立「はーい 夕立やっちゃうよー」

そう言って選ばれた夕立ちゃんは前に立ってあいさつを

皆おめでとう おめでとうって拍手の嵐

吹雪「……これなんのくじ引きなんですか?」

赤城さんはにっこり笑って答えました

赤城「選ばれた子はね 皆の代表になるの」

代表?

赤城「本望を果たことができるの」

本望?

吹雪「まさか その 秘書艦になって司令官とあの えっと 二人っきりで」

頬が熱を帯びるのが自分でもわかった
それを見て赤城さんはケラケラと笑っていた

その晩夕立ちゃんは部屋に帰ってこなかった

やっぱり…?

翌日から自分のことを46番と名乗る深雪ちゃんがルームメートに

深雪「よっ吹雪 同室かー」

深雪「まさかフツーに育ててくれるとは思わなかったぜ」

深雪「平等なんていい鎮守府だねぇー」

吹雪「……あ、はい」

睦月ちゃんは笑顔で「よろしくー」とか言ってます。

どういうことなのでしょうか誰に聞けばいいのでしょうか

よくわからないけどなにか聞きにくいことなのはわかります。

その後も月に2,3人入ってくる新しい子は常に受け入れて

受け入れた日の夜は皆でくび引き
くじで当たった子は翌日から姿が見えなくなってその番号の子が1から訓練を…

新しく着任した子はどの子もどの子も感激しています

特にコモン艦として任を受けた子は鎮守府の熱烈なファンとなり
訓練意欲も高い高い

自分が不要なことも能力が低いことも理解していて
だけれども他の子と同じようにチャンスを、出番を与えてくれる

その嬉しさは私も理解できます

だけれどもその仕組みがうっすらとしか理解できません

ある日私が出撃した時に青葉さんが出現。

翌日彼女は24番だと名乗りました

……24番は訓練で一緒だった若葉さんの番号だったはずなのに
青と若がどこで入れ違ったのか…

青葉「ところでこの番号ってなんですか?」

吹雪「ええ…と」

青葉「なんだろ?なんだろ? 教えてくれないなら青葉自分で調べちゃいます!」

翌日から青葉さんは調べたことを逐次報告してくれて

青葉「24番って元々は若葉って人の番号だったんですねー どこへ行きました?」

青葉「くじ引きしてるとこ見ちゃいました 吹雪ちゃんも知ってたんじゃないですかー」

青葉「選ばれた子がどうなるのか…」

青葉「…どういうことなのかわかりました。司令官はこのこと知っているのか確認しないと」

それから半年ほど姿を見ないと思ったらいつの間にか研修を終えて実戦投入されていたようで
同じ部隊で出撃する機会が

調査の結果について聞いてみたら
表情のない顔でただ「問題ない」「大丈夫」と繰り返すだけ。

出撃で疲れたのでしょうか

質問を投げかけると青葉さんは頭を掻き毟ってかさぶたがボロボロボロ

「わ、私は あれから沢山勉強して頑張ってや、やっと立派な艦娘になれたので」

あ、青葉さん?

「嬉しいです皆のためになることが青葉の喜びです頑張ります頑張ります頑張ります」

ストレスが溜まってるのかな?
こんな平和でいい職場なのに

その話を睦月ちゃんにしてみると

「およ? およよ?」

不思議そうな顔で
「教育は終わってるよね?」って尋ねてきてそのままどこかに走っていって

その後珍しく慌てた表情の赤城さんを連れてやってきて

「同室の先任者が行う規則でしょう」
「はぅー 大人がやってくれると思ってたのよ」
「年齢で役目を押し付けるのは差別です」

ごちゃごちゃ言いながら
二人は一本のビデオを見せてくれました。

そのビデオの中にはどこかの鎮守府が映っていて……

毎日毎日同じように何人もの子が建造建造建造建造解体解体解体解体
建造後誰かも確認しないうちに解体
ドロップした子も着任時のセリフも言う間もなく解体命令
ろくに名前も名乗らせてもらえず冷たく追い出される光景が様々な角度色彩色相で映し出され

後から来ただけで一ミリもチャンスがないその現状に
誰も異議を申す者はなく
なぜならその個人個人が後続のチャンスを摘み取っている邪魔者なわけで
これが噂に聞いていた戦場風景であり

優しい鎮守府に慣れた今では目をそむけたくなるような環境

赤城「これはとある前線の鎮守府の日常風景です」

睦月「どう?」

……どうって言われても

赤城「理不尽とは思いません?」

思うよ

だって自分がされてきたことだもん

赤城「なぜこのようなことが起こると思いますか?」

吹雪「戦争中だから?」

睦月「違うよ。だってここは皆にチャンスが貰えてる」

吹雪「上層部が無能だから?」

睦月「ふえっ? なったこともない管理側のなにが分かるんですか?」

吹雪「……」

返す言葉が見つからなくなった私を見て赤城さんが言葉を続ける

赤城「なぜこの鎮守府では皆を受け入れられるのか」

赤城「色々な要因はありますが一番は平等で多くを求めないからです」

赤城「大きな結果を求めようとすればどこかにしわ寄せがいくに決まっている」

睦月「それがこのビデオ」

赤城「だからね。譲り合いの心がない荒んだ場所にしないために 皆であの決まりを作ったの」

艦娘の在籍数を常時定員マイナス1の99人に固定
新しい子が入ったらくじで誰かが席を譲る…… 

前に青葉さんが教えてくれたこと。鎮守府のルールを語る二人の表情は優しいものでした。

睦月「別に悪い規則じゃないよね? 席を譲った子がどうするかも選択肢があるし」

夕立ちゃんのように単身思いっきり戦って…終わらせる子が過半数を占めるそうです
明石さんなど特殊技能組は裏方転身
残りは他の鎮守府に異動を希望する子と機密保持契約に賭けて民間人になるのが半々

但し、まともな異動先が見つかるのはごくわずか
それだけここの環境がぬるいということでしょう

赤城「だから納得して?」

睦月「皆で笑顔で送り出したほうがこれでよかったと思えるんだよっ」

赤城「仕組みを受け入れてくれますよね?」

それは… 

吹雪「働ける子を解体なんて」

睦月「どの子だって平等に働ける力は備わってるよ?」

吹雪「訓練して強くなってから放りだされるって酷い」

赤城「チャンスさえ与えられないほうが残酷では?」

吹雪「弱い子を戦わせたら効率が」

睦月「効率だけなら睦月型も吹雪型も切り捨てられちゃうの」

吹雪「全体の戦力」

赤城「強い敵は効率的に仕事をしている鎮守府に任せればいい」

吹雪「なんで定員自体を増やさないんですか?」

赤城「そういう意欲のある提督なら今の仕組みを受け入れてはもらえないわ」

睦月「優しい人だねー」

赤城「それにね 貴女が納得してくれないと困るんです」

赤城「本来教育を受けるべき時期。改修時に貴女はこの仕組みを受け入れていることになっているので」

赤城「イヤというなら少々手荒な手段を取らざるを得ないのだけれど」

赤城「今更それをやると私や睦月ちゃんの管理責任になってしまうの だからね? ね?」

手荒な手段って…

赤城「私を助けると思って」

睦月「それにいまから他の鎮守府に入れる? 探せる? 耐えられる?」

赤城「了解してくれるのがあなたのためなの みんなのためなの」

睦月「それにこの制度があったから睦月も吹雪ちゃんもここに居れる」

赤城「あなたに否定する権利はない……」

睦月「ね?」

あの赤城さんに頭を下げられて
睦月ちゃんに袖を掴まれて
私は……

最後に一つだけ尋ねた

「もし明日、くじに当たったら納得できますか」

そしたら赤城さんはこう答えた
「ええ 誇りを汚さぬよう毅然と出撃します……加賀さんのように」

頷く睦月ちゃんにはあえて尋ねる必要もなかった。

二人が差し出してきた手を私は…

~1年後~

初雪「初雪…です。 昨日はふかふかベットをありがとう……それで…いつ解体?」

吹雪「解体? まっさかー この鎮守府はね。来た子すべてを受け入れるの」

深雪「いい鎮守府にに当たったなーおい」

吹雪「初雪ちゃんは45番っと」

深雪「明日からの説明するからちゃんと聞けよー」

初雪「……はぁ」

吹雪「ようこそ! 我らが平等な鎮守府へ!!」

おしまい

テーマ:日ハムの球団戦略

うう、陽ユニ持ってたのに

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2016年11月28日 (月) 17:11:26   ID: 6TbSiTfT

淡々とした狂気 必要以上に平等を掲げてるのでこんなことだろうとは思いましたが、好きですよこういうの

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