露伴「もしもし」メリー「私、メリーさん」 (17)

露伴「メリーさん?」

メリー「そう、メリーさん」

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露伴「自分の名前に『さん』を付けている時点でまともな名乗り方じゃあないが」

露伴「まあいい、暇ではないが話は聞いてやろう。一体どこのメリーさんが、どういう用件で電話をしてきたというんだい?」

メリー「私が今『どこ』にいるのか、それは聞かれるまでもなく伝えるつもりだったわよ」

メリー「私、メリーさん。今、『杜王グランドホテル』にいるの」

露伴「ぼくが聞いた『どこ』というのは具体的な場所じゃあないよ。メリーさんと名乗る人間は『どこのどいつだい?』っていうニュアンスで聞いたんだ」

メリー「小難しいことを言うわね。『メリーさん』は『メリーさん』なのよ。それ以上でもそれ以下でもないわ」

露伴「それじゃあ困るな。あいにく『メリーさん』という名前の知り合いには覚えがないものでね」

メリー「あなたが私を知っていようがいまいが、私には問題にならない。私は今、確かにあなたの存在を『知った』――岸部露伴というのね。職業は漫画家。ふぅん」

露伴(ぼくのことを知っている?)

露伴「おい、お前――」

メリー「また『電話』するわ」

プツゥッ

露伴「……切れたか」

露伴「イカれたファンからイタ電とかされるのは面倒だから、住所も電話番号も公表してないんだがな」

露伴「『メリーさん』からの『電話』か。まさかとは思うが、用心するに越したことはないな」

電話「」シーン

露伴「もっとも、受話器を取らなければ問題はないがね」

露伴「さて、取材に出掛けるとしよう」

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