二宮飛鳥「ときに、文香さん」 (28)




ガチャ



二宮飛鳥「やぁ、おはよう文香さん」


鷺沢文香「おはようございます、飛鳥さん」






※キャラ崩壊注意

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飛鳥「陰鬱な空が中々晴れてくれないね」


文香「そうですね 雨は読書の供に心地いいものですが、紙に湿気は良くないので・・・難しいものです」


飛鳥「なら文香さんにとっては朗報にも悲報にもなり得るかな、週明けから好転するらしい」


文香「それは・・・良かったです」ニコッ


飛鳥「おっと、どうやら今回は前者だったようだ」

飛鳥「・・・ボク自身、天気予報や占いなんてナンセンスなものに頼るのは癪だが・・・貴女の笑顔が見られたんだ まぁ、偶には悪くない」


文香「飛鳥さん・・・」



飛鳥「フフ、じゃあボクは着替えてくるよ」


文香「月の無い夜は努々気をつけることですね」


飛鳥「何か気に障ることでも言ってしまったかな」


文香「あ・・・すみません、つい心の声が」


飛鳥「なんのフォローにもなってないよ」





《《《《《《《《《《《《《《《《《



飛鳥「じゃあ・・・ボクは着替えてくるから」


文香「・・・? 雨、降っていたでしょうか」


飛鳥「あれほどの驟雨はそうそうお目にかかれるものじゃないね・・・そもそも、凄まじい雨音だったハズなんだが」


文香「驟雨。いわゆるにわか雨ですね・・・正式な気象用語ではないものの、最近では突発的な集中豪雨のことをゲリラ豪雨、と呼んだりもします」


飛鳥「教養を話題逸らしに利用するのはあまり褒められたことではないと思うよ、文香さん」


文香「・・・それにしても、濡れているようにはとても見えませんね」


飛鳥「ああ、そこに乾かしている合羽でね」


文香「なるほど、こういった際に扇風機は便利ですね」


飛鳥「誰かは知らないが億劫がって仕舞わないでおいてくれて助かったよ」







遊佐こずえ「ふわぁー・・・・せんぷうきー・・・?」にゅっ


飛鳥「おはよう、こずえ もしかしてこれは君が?」


こずえ「そうなのー・・・じむしょにきたら、まずせんぷうきに・・・こくはくするのー」


文香「告白・・・ですか?」


こずえ「ふみか・・・おはようございます、なのー・・・ そう・・・こうやってー」


飛鳥「ボクへの返礼がなかった事に関して深い意味はないんだよね?」


こずえ「「こずえは~うちゅうじんなの~」」ブォオ


文香「言葉のニュアンスとしては、信仰告白に近いのでしょうか・・・」


飛鳥「世界中の宗教家に怒られそうな心得違いだね・・・」


こずえ「「こんなかんじでー・・・まいあさじぶんのそんざいを・・・こちゃくさせてるのー・・・」」クルッ


飛鳥「語調をボクに寄せてくれた事はありがたいんだが振り向いたのに声のブレが続いてるのはどういうワケなんだ」


文香「ホーミーの一種、でしょうか」


飛鳥「ホーミー」


文香「はい・・・モンゴルはアルタイ山脈の、周辺民族に伝わる唱法です 1人で同時に2つの音を奏でる、と言われています」


飛鳥「・・・どこかで聴いた響きだと思ったら確か以前茜がそんな歌を歌っていたような・・・ホーミーに動じない、とか何とか」









渋谷凛「こずえ~・・・あ、いた」


こずえ「ふわぁ・・・りんなのー」


凛「今日はベルカント教えてくれるって約束だったでしょ レッスンルームも取ってあるんだから、ほら行くよ」

凛「ごめんね飛鳥、文香さん こずえ借りてくね」


飛鳥「構わないよ」


こずえ「またねー・・・」フリフリ


文香「はい、またいずれ」フリフリ


飛鳥「・・・ボクの中での彼女は小動物のような、俗に言う癒やし系だと思っていたんだが」


文香「意外でしたか?」


飛鳥「認識を改める必要がありそうだね」


文香「こずえちゃんはヘヴィメタルにも造詣が深く・・・輝子さんも師事しているとか」


飛鳥「守備範囲」





《《《《《《《《《《《《《《《《《《《《《《



飛鳥「閑話休題、というやつさ」


文香「こずえちゃんとのひとときを無駄話呼ばわりとは辛辣ですね」


飛鳥「誤用ですらない言葉の綾に些か風当たりが強すぎやしないかい」


文香「ふふ、冗談です」クスッ


飛鳥「今日の文香さんは心臓に悪いよ・・・」


文香「だとすれば、日頃のビジュアルレッスンの賜物・・・かも知れません」


飛鳥「トレーナー諸氏は同僚の肝を冷やして遊ぶために指導しているわけじゃないと思うのだけどね」


文香「あっ・・・私は決してそんなつもりでは・・・」


飛鳥「・・・すまない、ボクも少し言い過ぎたようだ」


文香「飛鳥さんの困った顔を見る度、その縋るような双眸を向けられる度に・・・性的な興奮を覚えるだけです」


飛鳥「この流れで性癖吐露とは恐れ入ったね」


文香「先だって伝えておくことで飛鳥さんが自発的に困ってくれるかも知れませんし」


飛鳥「少しは悪びれたらどうなんだい?」


文香「ああ、その顔です飛鳥さん・・・」ウットリ


飛鳥「その恍惚の表情もViレッスンの成果だね?そうなんだろう?」





ガチャ



橘ありす「橘です!!!!!!!!!!!」


飛鳥「機先を制したつもりかも知れないがそれではただの情緒不安定だよ、ありす」


ありす「文香さんは誰にも渡しませんよ!」


飛鳥「何故どいつもこいつもボクの話を聴いてくれないんだ」


文香「仰る通りです・・・」ペラ


飛鳥「そのリアクション、さては読書中だね?」フッ

飛鳥「・・・冗談のつもりだったのに本当に読んでるじゃないか!」バサッ


文香「あっ・・・」シュン


飛鳥「全く、会話の輪から外れた隙を衝いてこんな分厚い本を読みだす機敏さが文香さんにあったとはね・・・今日は驚かされてばかりだよ」プルプル


ありす「二宮さん、腕震えてますよ」


飛鳥「ボクは飛鳥だ、ありす・・・お言葉に甘えて一旦置かせてもらおうかな」ドサッ


ありす「本を読む文香さんはやはり抜群の可愛さですね・・・!」


飛鳥「さっきから会話がワンテンポ前後してるように思うんだが」


ありす「もうこんな時間ですか、私はこれからレッスンなので失礼します」スタスタ


飛鳥「切り替えの早さ」


文香「いってらっしゃい・・・」ペラ


飛鳥「2冊目」






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飛鳥「ときに、文香さん」


文香「はい・・・なんでしょう」


飛鳥「先ほど返した本なんだが」

飛鳥「【Cults of the Ghouls】・・・海外の寓話か何かなのかい?」


文香「いえ・・・この本の原著は所謂、魔道書と呼ばれるものでして」


飛鳥「あの会話の最中よくもまぁそんな物騒な本を読めたモノだね」


文香「お仕事で使うので目を通しておくように、と---」


飛鳥「ああ、小道具やらの美術の類なのか」


文香「川島さんに訳していただいた次第です」


飛鳥「本物なんじゃないか」






文香「・・・? 『訳本であるからして原典とは比べるべくもない』、と川島さんが」


飛鳥「ボクの知る彼女の口調とは似ても似つかないのだけど」


文香「確かに・・・昨日の彼女は」


飛鳥「うん?」
 

文香「薔薇のように赤い燕尾服を着て」
 

飛鳥「赤い燕尾服」
 

文香「珍しく、長いグローブを肘まで着けて…ステッキで身体を支えていました」

 
飛鳥「ステッキ」
 

文香「この本を懐から取り出して、本の概要と・・・私にして欲しいことを説明したあと一言、」


飛鳥「現時点で川島さんらしさはほぼ皆無だね」
 

文香「『わかるわ』と」
 

飛鳥「ファクターに乏しすぎる」
 

文香「そうでしょうか…?」


飛鳥「そのフレーズだけじゃ片付けられない違和感がそこかしこに転がっていたんだが」

 




 


文香「私は、基本的にお知り合いの人となりを…口癖、もしくは首から下だけで記憶しているもので…」
 

飛鳥「圧倒的初耳」
 

文香「ええと…私はその…前髪が目にかかっていて」
 

飛鳥「確かに文香さんのソレはいつも鼻筋あたりまで影を落としているね」
 

文香「そのせいで…私とそう違わない体格の方の、胸から上は視界から外れてしまうのです」
 

飛鳥「それはさぞ生き辛かったことだろう・・・切ることは考えなかったのかい?」
 

文香「ありがとうございます…そう言って下さるだけで今までの苦労が報われるというものです」
 

飛鳥「おい、何故切らなかったのかと訊いてるんだ」
 

文香「これはその…アイデンティティのようなものですので…///」カァア

 
飛鳥「どこに照れる要素が」


 


飛鳥「・・・先の理論に倣うと、川島さんの確定要素は例の口癖だけなのかい?」

 
文香「いえ、加えてよくお見かけする服装もですね」

 
飛鳥「彼女が普段から燕尾服なんて身につけていたらボクや蘭子が放っておかないと思うんだが」

 
文香「そういうわけではなく…ANDではなくORの考え方に近い、と言えば分かりやすいでしょうか」

 
飛鳥「・・・いずれかひとつを満たしていれば認識し得る、と?」
 

文香「仰る通りです…もし昨日の川島さんにその全てが当てはまっていたなら、私は彼女に…猜疑の目を向けることすら、叶わなかったでしょう」
 

飛鳥「散髪ひとつで解決する問題をさも深刻な事のように語られても困ってしまうね」


文香「お忘れですか・・・最初からそれが目的なんですよ?」ウットリ

 
飛鳥「策士」

 

 


飛鳥「…参考までに聞いておきたいんだが、ボクの確定要素はどこになるのかな」


文香「飛鳥さんの場合は…」

 
 ガチャ

 
飛鳥「おや、今日は早いんだねフレ、デ…」
 

宮本フレデリカ(エクステ装備)「…」スタスタ
 

飛鳥「…悪ふざけの為に人の鞄を漁るのは感心しないな、フレデリカ」
 

文香「あ…!」
 

飛鳥「ん?文香さんどうし---」
 

フレデリカ「…トートロジー」キリッ
 

文香「飛鳥さんが…二人…!?」
 

飛鳥「ボクをボク足らしめる要旨は本当にそれだけなのかい!?」
 

フレデリカ「わかるかい…?今ボクたちはセカイの狭間に」
 

飛鳥「宮本ォ!!!!!!」
 


 



フレデリカ「こんにちハロ〜文香ちゃん♪いつも元気なフレちゃんでーす!」ブチィ
 

文香「フレデリカさん、でしたか…びっくりしてしまいました…」
 

飛鳥「・・・どうやらプロジェクト・クローネの面々はみな都合のいい耳をお持ちのようだ」
 

フレデリカ「お餅食べたい!」
 

文香「お餅は…腹持ちもいいですしね…」
 

フレデリカ「・・・はっ!お餅だけに!?」
 

文香「」コクッ
 

フレふみ「「いぇーい」」ハイタッチ
 

飛鳥「実証が早くて助かるよ…」
 


 



ガチャ

 
城ヶ崎美嘉「あ、こんなとこにいた!」
 

フレデリカ「姉ヶ崎ちゃん!さっきぶりだねー どしたの?」
 

美嘉「どしたの?じゃないわよ!」
 

文香「スケジュールによると、今は確か…」
 

美嘉「トレーナーさん待ちだったのに文香がどうとか言い出して走ってどっか行っちゃって・・・」
 
美嘉「揃わなきゃレッスンになんないからユニット皆で探してたんだよ!?」

 
フレデリカ「え~ でもカナデちゃんシューコちゃんは休憩室でお茶してたし、シキちゃんはミカちゃんをハスハスしてるよ?」

 
美嘉「え? っひゃあああああああっっ!?////////」
 

一ノ瀬志希「クンカクンカ…」ハスハス
 

美嘉「ちょっ、志希ちゃん!?急に脅かさないでよ!!」
 

志希「急にじゃないよ?レッスン室からずっと嗅いでたよ?」
 

美嘉「へっ?…珍しく一番に飛び出してったと思ったらそういうこと!?」
 

志希「イグザクトリィ♪ ドアの裏でタイミング窺ってたんだー」
 

飛鳥「ボクの言葉を取らないでくれないか、志希」

 
志希「ふふーん聞っこえないにゃ〜♪」
 

飛鳥「反応があるだけマシとさえ思えるようになってきた自分が恐ろしいよ…」






志希「でもでも美嘉ちゃん、残りのフタリはちゃあーんと気づいてたよ?これって同罪になりませんこと?」
 

美嘉「あの子たちはほんとにもう…!」
 

志希「奏ちゃん苦笑してたけど、周子ちゃんは口パクで『八ツ橋食べる?』って。二人の分ももらってきたんだー、ほい」
 

フレデリカ「めるし〜♪」
 

美嘉「周子ちゃん、いつもあの量の和菓子をどこから…」モムモム
 

志希「飛鳥ちゃんたちも食べるかーい」
 

文香「ん、ボクらの分もか ありがたいね」
 

志希「はい、文香ちゃんの分!」
 

文香「ありがとう、ございます…」
 


 


志希「飛鳥ちゃんのぶ・ん・は〜…っと」ピリピリ
 

飛鳥「? 何故袋を開け…」
 

志希「ふぇい、ふぁもーんっ!」ヒョイパク
 

飛鳥「はっ?」
 

文香「あれは…生八ツ橋ゲーム…!」
 

フレデリカ「知っているのか文香ちゃん!」
 

文香「ポッキーゲーム・・・両端を二人のプレイヤーが咥え、合図とともに食べ進める・・・その過程で口を離した方が負け、という一種のチキンレースを『ポッキーゲーム』等と呼んでアベックが人前でイチャつくための口実にした事が起源とされています」


美嘉「スゴい熱がこもってるけどイヤな思い出でもあったの・・・?」


文香「学校の同級生に、連れて行かれた集まりで少し・・・」


文香「コホン 一般に知られるポッキーゲームは、その硬度故かフレキシブルなプレイングは望めない・・・その点がいつも有識者の憂慮だったのです・・・」


美嘉「ぷ、プレイって・・・」


文香「しかしながら、生八ツ橋の参入で業界のパワーバランスは一変しました」


美嘉「業界・・・業界!?ポッキーゲーム業界ってこと!?」


文香「歯で支えるとたちまち千切れてしまう儚さ、餡のみならず全てを包み込むような柔らかさ、そのふたつの拳の間に生じる真空状態の圧倒的破壊空間はまさに歯車的砂嵐の小宇宙・・・」


美嘉「今までもそうだったけど途中から輪をかけて意味不明」


文香「という背景を今しがた思いついたのですが、如何だったでしょうか・・・?」


美嘉「真面目にツッコんでたアタシが馬鹿みたいじゃんっ!?」


フレデリカ「そんなことより二人とも、向こうはクライマックスみたいだよ~♪」



志希「ふぉあふぉあ~?」


飛鳥「ちょ、やめ・・・うわッ!?」







フレデリカ「おぉっと!後方確認を怠ったニノミヤ選手、ソファに躓き一気に勝負が傾いた!」


美嘉「急に実況始めちゃうし・・・」


フレデリカ「この試合、趨勢はほぼ決したように見えますが解説のサギサワさんいかがでしょう!?」


文香「はい・・・一ノ瀬選手がこのままトライを決める事が出来れば1本、ゲームセットです」


美嘉「なんかイロイロ混ざってるような」


文香「二宮選手は何とかこのターンを凌いで次に繋げたいところですね・・・」


美嘉「ターン制なのに1本勝ちってルール緩すぎない!?」



志希「ふぇんふほほふぁめふぉひはよ(年貢の納め時だよ)!」


飛鳥「この状況でボクが悪役とは一体どういう了見---」カツッ

飛鳥「・・・膝に何か」


志希「やべ」ポロ


飛鳥「ングッ」



フレデリカ「生八ツ橋が二宮選手の口に吸い込まれたーっ!ジャッジサギサワ、判定は~?」


美嘉「文香ちゃんの負担大きくない?」


文香「トライ前に口から離れた為・・・明後日、再試合を行います」


美嘉「これ日跨ぐの!?」






志希「あ~・・・大丈夫かな・・・?」ゴソゴソ


飛鳥「っん、はぁ・・・志希、今のは」


志希「・・・あ、良かった~無事だった~♪」


文香「香水の・・・小瓶、ですか?」


志希「そーそー 今朝出来たばっかりの新作」

志希「ちょ~っとだけヤバいモノとかも含まれてるから焦った焦った☆」


飛鳥「・・・お前というヤツは、何度バイオテロを引き起こせば気が済むんだ」


志希「志希ちゃん両手の指より多くは数えられないからにゃー」


美嘉「3,4回くらいじゃなかったっけ?」


志希「あれー?そうだったっけ?」

志希「・・・全部が全部アタシってワケでもないんだけどね」ボソ


飛鳥「何か言ったかい?」


志希「んーん、なんでもー」





志希「第一、もうプロダクション内では実験してないんだからとやかく言われたくないでーす」


飛鳥「晶葉に頼んで作らせた地下研究所がありながら、わざわざ社内に持ちこんでおいて酷い言い草だね」


志希「カバンから出すの忘れてました!」


飛鳥「生憎と中学生レベルの弁明に貸す耳は持ち合わせていないんだ」

飛鳥「大体、キミはいつも手ぶらで出社するだろうに」


志希「ヤだなーいくら奔放でセクスィ~♪な志希ちゃんでも服ぐらい着ますわよ?」


飛鳥「そっちじゃない・・・」



文香「あの・・・美嘉さん」


美嘉「ん、何?」


文香「『そっち』の意味の手ぶらとは・・・一体、どういった意味なのでしょうか・・・?」ジッ


美嘉「えぇっここでアタシに訊くの!?」


フレデリカ「テキトーにぶらデリカ~♪・・・の略じゃないかな?」


文香「なるほど・・・」


美嘉「(フレちゃんナイスフォロ~!)」ヒソヒソ


フレデリカ「(ザッハトルテ9皿でいいよ)」コショコショ


文香「謙虚なアイドルは格が違いました・・・」


美嘉「文香ちゃん耳良いね!?」


フレデリカ「それほどでもない」


美嘉「会話の流れどうなってんの?」







志希「ん~~~~~~~~・・・よっし!」


飛鳥「なんだい急に立ち上がって」


志希「この部屋の良~い匂い沢山嗅いで活動的になった志希ちゃんです!」


フレデリカ「お、ぴちぴちシキちゃんだ~♪」


志希「ぴちぴち!ぴちぴち!」スタスタ


ガチャバタン


美嘉「・・・行っちゃった」


飛鳥「全く、嵐のようなヤツだよ」


文香「向こうは男性アイドルですが」


飛鳥「業界の大先輩になんて事を・・・それにしても」


文香「難しい顔をされて・・・どうかしましたか?飛鳥さん」


飛鳥「文香さんとの今後の付き合い方について、少しね・・・」


文香「・・・まずはお友達から、という事で如何でしょうか?」


飛鳥「全く動じないなキミは」




飛鳥「・・・少し気になることがある 美嘉さん?」


美嘉「ん、なぁに?」


飛鳥「ユニットを組んでから、志希に何か変化は無かったかな」


美嘉「ユニットってLiPPSのこと? うーん、皆の奇行についてくので精一杯だからなー・・・」


飛鳥「そうか、なら」


フレデリカ「アタシには訊いてくれないの!?フレちゃんショックで世界恐慌だよ~・・・およよよ」


飛鳥「気持ちの浮き沈みひとつに世界経済を巻き込まないでくれないか・・・フレデリカは何かあるかい?」


フレデリカ「んー・・・分かんない♪」


飛鳥「そんな事だろうと思ったよ」




飛鳥「なら、ファッションに絞ればどうかな 二人とも一家言あるだろう?」


美嘉「ファッションかぁ・・・あ、7月頃からパンツルック増えたかも」


飛鳥「ほう」


美嘉「それだけならまぁ夏だし分かるんだけど・・・暑い日にショーパンで黒いパンスト履いてたり、似合ってるから深く考えなかっただけで今思うと不思議だったなー」


フレデリカ「・・・流行を先取りデリカしてたんじゃないかな?これからドンドン寒くなるし!」


美嘉「先取りデリカーって、服はシーズンで着るモノじゃん?」


フレデリカ「んーそうかなー フレちゃんはオールシーズンこのニット着てる気もするよ?」


飛鳥「オーケー、ありがとう二人とも あとフレデリカはその辺にしておけ」


フレデリカ「はーい♪」


美嘉「ん、なんか分かんないけど・・・どういたしまして★」




美嘉「ファッションといえば、さっき持ってったエクステ・・・アレ何だったの?」


フレデリカ「聞いて嘶け見て駆けろ!フレちゃん探偵七つ道具がひとつ、アスカちゃんエクステだよ♪」


美嘉「なんでリアクションが馬限定なのかは置いといて・・・飛鳥、アンタも苦労してんだね」


飛鳥「あぁ・・・ボクらは似ているのかも知れないな、美嘉さん・・・」


美嘉「えぇ・・・?」


飛鳥「・・・そこまで露骨に心外って顔をされるとさしものボクも傷つくよ?」


美嘉「じょ、冗談だって★」


飛鳥「はぁ・・・それより、ボクと同じ型のエクステなんてどうしたんだい?通販なんてしていなかったハズだが」


フレデリカ「ありすちゃんに調べてもらっちゃった タブレットで、ササッと!」


飛鳥「へぇ、ありすが」


フレデリカ「そう!ついでに一緒にお買い物にも行ったんだよ~ 原宿デート♪」


文香「この、泥棒猫・・・っ!」スッ


美嘉「その襖どっから出したの?」


フレデリカ「フミカちゃん演技派だもんね~大丈夫、取ったりしないよー?」ギュッ


文香「・・・そう、ですね すいません、取り乱してしまいました」


フレデリカ「んーん、アタシもちょっと意地悪に聞こえちゃったかも」ナデナデ

フレデリカ「・・・あ、そうだ! 今度3人でお出かけしようよ~! それでチャラデリカって事でどうどう??」


文香「それは・・・とても、魅力的な提案ですね・・・!」


フレデリカ「よーし決まり! フレちゃんと~?」


文香「私と・・・!」



フレふみ「「飛鳥さん(ちゃん)の3人で!」」



飛鳥「待ておい」





《《《《《《《《《《《《《《《《《《《《《《《《《《《《《




美嘉「やっぱり周子ちゃんとこのお菓子美味しい・・・って、あーっ!」


フレデリカ「如何なされたフロイライン」


飛鳥「キミはいつの間にドイツとのハーフになったんだ」


フレデリカ「うっかりうっかり♪」


美嘉「じゃなくって、もうレッスン始まる時間なの!」


フレデリカ「そんな話もあったね~」


美嘉「いつのならともかく今日だけはダメ、さぁ戻るよっ★」


フレデリカ「まだお餅食べてないのにー」プク


文香「当初の目的はどこに行ったんだい?」


美嘉「・・・周子ちゃんが餅入りのどら焼きあるって」


フレデリカ「れっつらごー! 二人とも、らびゅー♪」ダダダダダ・・・


文香「Au revoir」


飛鳥「イヤに流暢だね」




美嘉「今週のお姉ちゃん同盟の会合、どこ行こっかな~♪」スタスタ


飛鳥「そういうことか・・・大丈夫だと思うけど、手だけは出すんじゃないよ?」


美嘉「分かってるって★ じゃあね~」ヒラヒラ


文香「はい・・・美嘉さん、折を見てまた・・・宴の席を設けましょう」


美嘉「オッケー 連絡するね」バタン


飛鳥「・・・文香さん、宴というのは?」


文香「気になりますか」


飛鳥「まぁ・・・うん」


文香「そうですね・・・」

文香「美嘉さん、あいさんや肇さんを主要メンバーに・・・不定期に行われる」


飛鳥「もういい理解った 文香さんステイ」


文香「雌犬扱いとは、私のツボを的確に押さえてきますね・・・!」ハッハッ


飛鳥「そんなところまで演技派なのか・・・?」




前編おしまい

後編 二宮飛鳥「Cults of the Ghouls?」に続きます

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