役人「何故、西住流の家元が島田流の家元の恰好で出て来てるんですか」 (46)



役人「本日は世界大会に向けまして、各国の皆様方が遠く日本の戦車道の為に視察に来られたことをうれしく思います」


アメリカ代表「HAHAHA!ジャパニーズのレベルがどの程度か見せてもらいマース!!」

ロシア代表「せいぜい、退屈させないで欲しいとこです」

ドイツ代表「会議を手早く済ませて、観光に行きたい」

イギリス代表「美味しい紅茶はあるのかしら?」


理事長「…我々、連盟も文科省と協力して、この会合を意義あるものにしたいと思っております」

蝶野「つきましては、戦車道のアドバイザーとして島田流から家元が参られております」


しほ「はじめまして、島田流家元 島田千代です」


役人「……」

理事長「……」

蝶野「……」

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役人「皆様方、ちょっと席を外させてもらいます…理事長、蝶野君、それと…家元、隣の部屋へ…」


……

……


役人「何故、西住流の家元が島田流の家元の恰好で出て来てるんですか!!」

しほ「あれ?ばれちゃった?」

理事長「まぁ、両方の家元を知る我々にはわかりますよ」

しほ「好子さんとこでパーマから髪染めまでやってもらったのに…やっぱりこの美貌は千代ちゃんでは隠せないのねー」

蝶野「まぁ目つきからして違いますからね、お二方」


役人「なんで西住流の貴女が島田流の家元に変装してまで…まさか島田流の家元になにかあったのですか!?」

しほ「実はね…」




………




愛里寿「お母様!お休みが取れたって本当ですか!!」

千代「ええ、これで愛里寿と水入らずでお出かけ…ううん、折角だからお泊りもできるわね」

愛里寿「やった!お出かけしたら…お母様と吉野家で牛丼のアタマの大盛りを食べて…夜は安安で焼肉を食べよう!!」

千代「あ、愛里寿…そんなにお肉ばかりだと…それにお出かけするんだから別にチェーン店じゃなくても」

愛里寿「ご、ごめんなさい…」

千代「い、良いのよ…お肉祭りはまたの機会にしましょうね (独り暮らしさせているけど…食生活には注意させないといけないわね…)」


千代「でも楽しみね、来月の4日(よっか)が待ち遠しいわ」

愛里寿「ハイ!来月の8日(ようか)が楽しみです!!」


千代・愛里寿「「えっ?」」




千代「た、確か…愛里寿のお休みは4日(よっか)と聞いていたのですが…」

愛里寿「違います!!私の休みは8日(ようか)と伝えたはずです!!」ウルウル

千代「ちょっと待って!その日は…」

千代「…せ、戦車道の国際会議だわ」

愛里寿「……」ジワッ…

愛里寿「お、お母様!愛里寿は大丈夫です!!」ウルウル

愛里寿「ネットで知った、美味しい牛丼の食べ方を一人で楽しみますし!!」ポロポロ

愛里寿「大洗の五十鈴華さんから一人焼肉のコツも教えてもらいますから!!」ポロポロ

愛里寿「…だから…一人で…大丈夫だから!!お母様は戦車道の為に働いて…うえええ…!!」ボロボロ

 ダッ!

千代「あ、愛里寿!!まって!!」

千代「ああ…愛里寿ぅ…」ヨヨヨ…

千代「どうしましょう…今から、予定をキャンセル…できるわけがないじゃない!」

千代「そ、そうだわ!!愛里寿の予定の方を、島田流の力でキャンセルさせてしまえば…」


???「なーはっはっはっ!! オマエは本当にそれでいいのかい?」 


千代「だ、誰っ!?」





しほ「人は、みほ だ まほ だと言うけれど、ホントは しほさん くらいがちょうどいい、ザ・家元ウーマン!!」(M字開脚)


千代「……」

しほ「ザ・家元ウーマン!!」(菜々緒ポーズ)

千代「…しほちゃん、相変わらずね」

しほ「ツッコまないのね…常夫さんは色んな意味で突っ込んでくれるのに…」

千代「真昼間からシモネタはどうかと思うわよ…」

しほ「…コホン、千代ちゃん、愛里寿ちゃんは貴女とのお出かけの為に、やりくりして予定を開けてたのよ」

しほ「それなのに、千代ちゃんの一方的な都合で愛里寿ちゃんの予定を潰すのは、彼女のメンツを潰すことにもなるんじゃないの?」

千代「じゃあ!どうすればいいのよ!!」

しほ「ふふっ…」




しほ「いや~しかし本当に千代ちゃんは、あれ『ツキ』ですな~」

千代「な、なによ?いきなり」

しほ「あれ『ツキ』ですな~?」

千代「…え、え~と… ゆ、ゆきのさつき?」

しほ「違う!!今のお前は『運の尽き』だ!!」ビシッ

しほ「カモン!!」



 ガチャ


好子(レオタード)「……」

百合(レオタード)「……」

久子(レオタード)「……」


千代「な、何!? 貴女達は?何が始まるの?」


しほ「レッツゴー!!」


しほ「♪西住流はすごいー しほちゃんは美人ー ほんとに家元なのか~♪」

しほ「♪ほ~んとーに子持ちなのかー ほ~んとーに40間近なのかー♪」


千代「…からかいに来たの?」

しほ「違うわよ、千代ちゃん…会議の方は…」



しほ「私にまかせなさいよ」

千代「しほちゃん…」

しほ「島田流の家元の代理を務めるのに、他に適任はいないでしょ」

しほ「私も母親だからわかるのよ、ウチの二人は、もう大きいから距離を取りたがっているけど、千代ちゃんのところはまだ甘えたいみたいだしね」

千代(距離を置かれてるのは、しほちゃんに原因が…言わないでおこう)

千代「い、いいの?本当に…」

しほ「任せなさい!!ポルシェティーガーに乗ったつもりで、愛里寿ちゃんと出かけてきなさいよ」

千代「…その例えはやめて」

しほ「そのかわり、お土産頼むわねー 地酒でお願いねー」


………



しほ「…というわけよ」

役人「…途中のダンスとか意味があったんですか?」

理事長「良い話じゃのう…」ジーン

蝶野「お土産の地酒が届いたら、ご相伴に与らせていただいてもよろしいですか?」ゴクリ

役人「君たちねぇ…」

役人「はぁ…事情は分かりました、とにかくよろしくお願いします…」




― 会議


アメリカ代表「とにかーく!日本の戦車道人口は少なすぎマース!!」

役人「なにぶんにも予算がかかるものでして…」

ロシア代表「その結果が、戦力の偏向化を招いていると言う状態なのでは?」

蝶野「私達、連盟も底上げとして広く活動はしております」

ドイツ代表「ですが、現状では一部の大きな流派が睨みを利かせている…確か、そちらの島田流と…」

しほ「はい、島田流より伝統のある日本最大の流派、みんな大好き西住流ですね」

イギリス代表「西住流?聞いたことございませんわね」


しほ「…あん?」ビキィ


理事長「西住さん…抑えて…」ヒソヒソ



アメリカ代表「国際試合も、もっと活発に行うべきと思いマース」

役人「確かに」

ドイツ代表「国際試合と言えば確か…前回の試合にも西住流の御息女が加わっておりましたな」

しほ「西住まほですね、強さと美貌で名高い西住流家元、西住しほの後継者と噂されるほどの選手でしたわね」

ロシア代表「まぁ、我々の前に完膚なきまで叩き潰されてしまいましたが」


しほ「…ああん!?」ビキビキィ!


理事長「西住さん…我慢、我慢…」ヒソヒソ



アメリカ代表「やはり外部からの環境の整備が必要デース!」

役人「あくまで戦車道は、国の管理ですから外資による干渉は経済問題になります」

ロシア代表「その結果が、年齢も実力も伴わない者による戦車道…これが日本の現状ではありませんか?」

蝶野「そんなことはありません」

ドイツ代表「ですが、現に流派の重鎮が駆り出されて結果を伴っておりませんし」

イギリス代表「そちらの島田流も年端もいかない御息女が大学の神輿に担がれているらしいじゃないですか」


しほ「!?」ブチィ!!


しほ「日本の戦車道の現状もわかりますし…ご指摘もごもっともです…ですが…」

しほ「母親としては、娘達をこう言われては黙っておれません…だから…その挑発受けてやるよ…」


しほ「…演習場に行こうぜ…久しぶりに…キレちまったよ…」


役人「…家元…キャラが…」



……

……


― 演習場 試合前


役人「あぁ…結局、穏便には行かなかったか…」

理事長「まぁ、向こうさんも、あからさまな挑発をしていたけどね」

蝶野「わざわざ、戦車に乗員メンバーまで用意をしてあるとこを見ると、こうなるのは必定かと」

しほ「例え、相手が誰であろうと叩き潰す、それが西住流です」

理事長「一応、今回は島田流の代理なんだけど…」

役人「ふぅ…仕方ありません、こうなってしまったのであれば全力で戦ってください」

しほ「そのつもりですが、よろしいのですか?」

役人「…尻拭いは我々、文科省と連盟でなんとかします」

理事長「個人としては、西住さんと同じ気持ちですし、ガツンとやっちゃってね」

蝶野「私は審判員ですので、私情は挟みませんが、頑張ってくださいとだけ言わせてもらいます」

役人「ところで、我々の戦力は?」

しほ「ええ…もうすぐこちらに到着します」




 ゴゴゴゴ…


役人「三つの中隊を率いるM26パーシング…ということは大学選抜のメンバーですね」


好子「ヨシミ到着しました」

百合「ユリミ到着」

久子「オバミ到着!」パチーン!


役人「…一応、理由聞いておきましょうか」


好子「中隊長達が合コンがあるっていうんで、私達が参りました!」

百合「花は短し恋せよ乙女、とも言いますし、彼女たちの貴重な青春時間の為にひと肌脱ぎました」

久子「百合さんは、ひと肌脱いで胸を強調しすぎだろ」パチーン!

百合「いやん…恥ずかしいですわ」


役人「いかん…頭痛くなってきた」


 ゴゴゴゴ…


理事長「今度はセンチュリオンだね…」

役人「この流れで、この戦車に乗っているとしたら…」

蝶野「まぁ愛里寿ちゃんは不在ですから、代理の娘で…」


???「やーってやる やーってやる…」



沙織「…やーってやるぜー(棒)」


しほ「我が娘…愛里寿(アリス)、改め…沙織寿(サオリス)です!!…言いにくいわねコレ」

役人「……」

理事長「また、えらくムチムチな13歳の少女がやってきたねー」

蝶野「…御息女のみほさんか、まほさんかと思ったけど違ったわね」


しほ「ええ…じつは…」



………



― 大洗 数日前


しほ(千代衣装)「みほ!まほ!待ちなさい!!」ダッダッ


まほ「お断りします!!」ダッダッ

みほ「愛里寿ちゃんのお母さんの恰好で来たってことは、絶対にろくでもない事に巻き込むつもりなんでしょ!!」ダッダッ


華「みほさんのお母様が、みほさん達と追いかけっこしてますわね…」

麻子「仲が良さそうなことだな」

優花里「そ、そうでしょうか?私には西住殿達が必死に逃げているようにしか見えませんが…」


しほ「エリカ達からの報告で、まほがみほの所に逃げ込んでいるとわかったから、まとめて連れて行こうと思ったのに…」


まほ「いい加減、私達の苦労を増やさないでください!!」

みほ「年を考えて行動してよ!!もう、ピー!才にもなるんだから!!」


しほ「ぐぬぬ!この服じゃ走りにくくて!!待ちなさい!!」

しほ「ハァハァ…うっぷ!!」


 オロロロロロ…


華「…うわぁ」

麻子「おおう…」

優花里「あーあ…」


???「…んもー」



沙織「はい、げぽりん、お水だよ」

しほ「さ、沙織さん…」

沙織「もう、年と体力考えなよ…どうせ、昨日飲みすぎたのに走ったから、芋焼酎を吐き出したんでしょ」

しほ「げほ…助かりました よくわかりましたね…」

沙織「それなりに付き合いあるし、わかるよ」

しほ「…そうですか」ニヤリ

 ガシッ

沙織「へ?」

しほ「薄情な実の娘達より、私を気遣ってくれる沙織さんの方がふさわしいわね!!」

沙織「し、しぽりん?!ちょ、ちょっと!何?なんなの?」

しほ「大丈夫です…沙織さんには私の娘役をしてもらうだけですから」

沙織「え?え?ゆかりん!華!麻子!なんとかしてよ!!」


優花里「か、帰りに戦車ショップ寄りましょうよ!! (申し訳ありません!武部殿!)」

華「い、良いですわね!一緒にお茶していきましょう (沙織さん…御武運を)」

麻子「ケーキたべたい (ケーキたべたい)」


沙織「……」

しほ「さぁ!沙織さん…いいえ!愛里寿!出発しますわよ!!」

沙織「やだもー!!」





………


しほ「というわけでして、その後、沙織さんを愛里寿ちゃんに仕立てるべくボコシリーズと私の戦車道を洗脳…叩きこんできました」

好子「今の武部殿は西住殿の戦車道と愛里寿殿の精神をインプットした強化人間…ファイティングコンピューターとなったのです!!」


沙織「シーホー…シーホー…」


理事長「…なんか怨念めいた叫びに聞こえるんだけど」

役人「いかん、胃痛もしてきた…」




― 試合会場


アメリカ代表「HAHAHAHA!なんですか!!そのチームはww!!」

ロシア代表「いささかお年を召しすぎなのではww」

ドイツ代表「日本の高齢化の波が戦車道にまでww」

イギリス代表「ぷふっ…ww」


好子「まぁ…当然の反応ですよね」


沙織「…誰か、私達を見て笑ってやしない?」


久子「皆、笑っているぞ」パチーン

しほ「『寿なんか無さそうなのに沙織寿とかwww』って笑っているわ」

百合「そこまでは言ってませんよ」


沙織「笑うな!!笑うなぁーっ!!」


しほ「落ち着きなさい、沙織寿、その怒りは相手の戦車にぶつけるのよ」

役人「…いや、煽ったの家元でしょうが」



― 試合前 作戦会議


しほ「とりあえず、こちらの30輌と、相手方の混成部隊30輌での殲滅戦になります」

理事長「国際ルールだね」

役人「こちらとしては…相手の足並みが揃わないという所を狙うしかないですかね…」

好子「それはないと思いますよ」

好子「あの4国間では合同演習が盛んと聞きますから、横の連携で大きな綻びはないと見ていいでしょう」

理事長「そんなとこまで、調べていたのですか」

好子「大まかな情報ですけどね」

しほ「ですが、大まかでも情報が無ければ分析もできませんし、判断を下すこともできませんよ」



しほ「作戦ですが私達の方は、好子さん、百合さん、久子さんの3つの中隊に分けます」

役人「あ、あの…この3人で大丈夫なんでしょうか?」

好子「西住殿から、みっちり戦車道を叩き込まれてきました!!自信はあります!!」

百合「道は違えど、私も家元の端くれ…率いてみせます」

久子「伊達に年はくってないつもりだ、まかせろ」パチーン

理事長「辻君は知らないかもしれないが、このメンバー、高校戦車道で大暴れしてるんだよ」

役人「オバさんですよ…この方々…」

久子「細かい事だ、気にするな」

役人「ええ~…」

しほ「…オホン…私と沙織さんの2輌は遊撃という形を取らせていただきます」

しほ「こちらの優位性は地の利と相手が我々の情報が無く、なめてかかってくるだろうという事だと思います」

理事長「まぁ、このメンバーは想像つかないよねー」




しほ「私と沙織さんは、2輌での敵をかく乱、及び撃破を試みます、これは千代ちゃん…島田流の戦い方です」

しほ「三中隊は統制を保ちつつ前進、最終的に三中隊を合流させ、その後に殲滅に移ります…西住の戦い方です」

役人「…なるほど」

理事長「この作戦を取るということは…」

しほ「相手に日本の戦車道…西住と島田の強さを思い知らせます『しほちよ作戦』です!!(みほ真似)」

しほ「厳しい戦いになりますが、勝って証明しましょう!!それでは…(みほ真似)」


沙織「パンツァー・フォー!!(みほ真似)」


しほ「さ、沙織さん…私の決め台詞を…」

沙織「ふふん、今回も、しぽりんに巻き込まれたんだから、これぐらいの意地悪はさせてもらうよ!!」

しほ「ぐぬぬ」






………


― 温泉旅館


愛里寿「お風呂!!すっごく大きかったね!!」

千代「ええ、とっても気持ちよかったわね」

千代(良かったわ…愛里寿も喜んでいるみたいだし、しほちゃんに感謝しないと)

愛里寿「ご飯も楽しみだね!!」

千代「ふふっ、ちゃんとお魚もお野菜も食べるんですよ」

愛里寿「…は、はい」

愛里寿「そうだ!ご飯まで時間あるから、テレビでも見ようよ」


 ポチッ


アナウンサー『次のニュースです…』




― 同時刻 大洗 みほの部屋


まほ「みほ、夕食は残りのカレーでいいか?」

みほ「作りすぎだよ…お姉ちゃん…」

まほ「すまん、実家では食卓に並ぶことがめったに無いから、浮かれて作りすぎた…」

みほ「部屋がすごいカレー臭いよ…」

まほ「そう言うな、今日はお総菜屋で買ったハムカツとカット野菜を皿に乗せて食べよう」

みほ「ズボラ飯だね…」

まほ「コンビニ飯よりマシだろう…みほはちゃんと自炊してるのか?」

みほ「え、え~と…」アセアセ

まほ「少しはした方が良いと思うぞ」

みほ「も、もー!お母さんみたいな事言わないでよ!!」


みほ・まほ「「お母(さん)(様)か…」」




まほ「今頃、どうしているのだろう…」

みほ「多分、沙織さん辺りが生贄にされていると思う…」

まほ「あの、やたらオンナ力(おんなちから)の高そうな、あの子か…」

みほ「…正直、今のお母さんの奇行に渡り合える女子高生って沙織さんくらいしかいないし」

まほ「…そうなのか、凄いな彼女」


みほ「……」

まほ「……」


みほ「く、暗くなっちゃたね!!」

まほ「そ、そうだな!!米が炊けるまで時間があるから、テレビでも見るか」


 ポチッ


アナウンサー『次のニュースです…』




……

アナウンサー『次のニュースです』

アナウンサー『本日、戦車道の国際会議が都内で行われました』

アナウンサー『会議が進む中、戦車道、島田流の島田千代家元からの提案で、急遽、模擬戦が行われることとなり…』


千代「しほちゃん…何してんのよ…」


まほ(やっぱりだ…)

みほ(やっぱりだ…)


アナウンサー『島田流の門下生達と娘である島田愛里寿(13)さんも参戦しての試合が行われました』

沙織『やーってやる やーってやる やーってやるぜー(棒)』


まほ(うわぁ…)

みほ(うわぁ…)


愛里寿「…私、あんなにムチムチじゃない…」

千代「あ、愛里寿、お肉ばっかり食べてると、あんな風になってしまうかもしれないのよ」

愛里寿「ハイ、ちゃんと好き嫌いしないで食べます!」


アナウンサー『なお、一部からは『13歳?』という声も挙がっている模様で…』

沙織『やだもー!!』




アナウンサー『…試合は島田流門下生の一同が西住流を思わせる進撃を見せるかと思えば、合流後は中隊長による鮮やかな連携攻撃を披露しました』


好子『ユリミ殿!オバミ殿!敵の指揮車輌にアレをやりますよ!!』

百合『ええ、良くってよ』

久子『食らえ、我ら三隊長の友情の…』


好子・百合・久子『『『 ババーダアタック!! 』』』


愛里寿「メグミ達が…ルミはお婆ちゃんになってる…」

千代「しほちゃんも大概だけど、この人たちもぶっ飛んでいるわよね」


まほ「ちゃんと指揮ができている…」




アナウンサー『…中でも、圧巻だったのは島田親子による奮戦でした』


沙織『西住レッグブリーカーでござーい!!』

海外チーム『り、履帯が…破壊されました!!』

しほ『それだ!沙織寿ーっ!! 西住流戦法 №1 獲物は逃すな だぁーっ!!』

沙織『イエッサ!!』


愛里寿「…」

千代「思いっきり、西住って言ってるじゃないのよ…」


まほ「西住流戦法…そんな教え、聞いた事が無いのだが…」

みほ「沙織さんが壊れた…」




アナウンサー『…そして、勝敗を決めた、この一撃は見事としか言えません』


しほ『西住タッグフォーメーションAよ!!』

沙織『待ってたよ!そいつを!!』


アナウンサー『2台の車輌が直列で突撃を敢行…』


しほ『…これをただの突撃と思わないことね!!』


アナウンサー『…そして後部車輌の空砲でブーストされた、前の車両が敵車輌に一気に肉薄し接射による破壊という離れ業を見せてくれました』


千代「これって…」

愛里寿「…うん」


まほ・みほ((大学選抜戦の最後にやったアレだ…))




しほ『これが西住流の底力じゃーいっ!!』


アナウンサー『結果は日本の勝利となりましたが、島田流の家元ではなく西住流の家元がいることに対して、国内からは様々な声が…』


千代「やっぱりバレてる…」

愛里寿「…隠す気が全くなかったね」


まほ(ホント、関わらなくてよかった…)

みほ(こ、これで、終わりだよね…)


アナウンサー『また、模擬戦終了後に…』


千代「あっ…(察し)」

愛里寿「?」


まほ「まさか…おい、やめろ…」

みほ「あわわ…」





――アアアン アン♪ アアアン アン♪ アアアン アアアン アン アン アン♪


アメリカ代表『ノォーーッ!!クレイジーにも程がありマース!!』バッバッ

しほ『そら(戦車道が終わったら)そう(あんこう踊りの展開)よ』

ロシア代表『ハラショーッ!!聞いてはいましたが、こんなダンスがあったとは!!』ビシッ

好子『プラウダからの情報ですね!!』

ドイツ代表『うぐぐ…これは結構…しんどい動きだ…』ドタドタ

百合『この激しい動きの後の一杯の為に、もっと頑張って!!』

イギリス『こんな話聞いてないわよーっ!!』フラフラ

久子『EUから離れるかわからんが、肉離れはするなよ』


アナウンサー『会議に参加した各国の代表を始め一同に見世物のような踊りを強要することに、国内外…』


  ブツッ…



千代「……」

愛里寿「……」


まほ「……」

みほ「……」




千代「愛里寿…」

愛里寿「ハイ、お母様…」

千代「…もうしばらく、泊まっていきましょうか」

愛里寿「いいのですか?」

千代「今、帰ると碌な事にならないでしょうから…」

愛里寿「そうですね…」




まほ「みほ…」

みほ「なに、お姉ちゃん…」

まほ「…しばらく、やっかいになっていいか?」

みほ「うん…」

まほ「しばらくは、お母様の顔は見たくない…」

みほ「うん、わかるよ…」






………


アメリカ代表「島田…いえ西住サーン、数々の非礼失礼しましター」

しほ「試合と踊りが終われば遺恨は無し、これぞ、戦車道です」

ロシア代表「あの…情報で聞いた『あんこう鍋』というのはあるんですか…?」

好子「それでしたら、あとで御馳走しますよ!」

ドイツ代表「つ、疲れた…喉も乾いてる…」

百合「これから、美味い酒と料理が待っていますから、もう少し我慢です」

イギリス代表「わ、私は…お茶が欲しい…」

久子「あとで、美味い紅茶が飲める学校に連れて行ってやるぞ」


― 同時刻 聖グロ


ペコ「あ、茶柱」

ダージリン「ひいっ!!」ビクッ




蝶野「店の予約取れましたー!!」

しほ「それじゃ!打ち上げの会場に移動するわよ!!」


代表・ママさん・沙織・蝶野「「「オー!!」」」


役人「……」

理事長「……」


しほ「あれ?お二人は行かないの?」

役人「…ええ、私は仕事が…」

理事長「ワシも…」

沙織「えー、つじりんと、しちりんも行こうよー」

理事長「し、しちりんって…ま、また、今度ね…」

役人「と、とりあえず、ママさんチームとはいえ、君は未成年なんだからお酒は飲まないように…」

沙織「やだもー!!そんなのわかってるよー!!」バシバシ ←やっと年齢相応の扱いをされて喜んでる

役人「い、痛い…」(おばさんみたいなリアクションだな)

理事長「たのしんできてね」




……

……


 プルルルル…


役人「…そちらは?」

理事長「…同じだね」


役人「さっきから、文科省だけでなく外務省からも連絡がひっきりなしに来てますよ…」

理事長「ワシも…」

役人「尻拭いすると言った手前とはいえ…」

理事長「まさか、ここまで酷い事になるとは…」

役人「どーなるんでしょうね?私達…」

理事長「とりあえず、全部終わったら二人で飲もうか?」

役人「良いですね…お互い、その時に肩書があるかわかりませんけど…」


 プルルルル…


役人「…児玉さん」

理事長「…辻君」


役人・理事長「「やだもー!!」」



END


以上です

今回もありがとうございました

乙です。
今回も楽しめました。

乙、いつにも増してひどかった……


継続行ったっけ?

ザ・家元ウーマン!!

戦車道の破壊者達が遂に国の枠を越えちまったか

家元提案の試合なら同門使えよwwwwwwww

とても酷かったです。次回も期待してます(ケーキ食べたい)

西住姉妹は家を出るかどうかをそろそろ真剣に考えても許されるレベルだと思う

しぽりん以外も上達しててワロタ

これは酷い(もっとやれ)

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