やよい「また、甘えちゃうの……いいですか……?///」 (17)



やよい「それで、その人はその鰻どうしたの?」


伊織「喉元に包丁を刺して、そこからスーッと切れ目を……」


ヴー……ヴー……


伊織「あら?スマートフォンが……電話?」スッ


伊織「……あら?珍しい人からね」ピッ


伊織「やよい、ちょっと待っててね」


やよい「?」


伊織「もしもし?どうしたの?」


伊織「……え?じゃあ、お父様は来れないの?」


伊織「まぁ、忙しいから仕方ないわね……」


伊織「それじゃあ、誰が……え?兄さんが?」


伊織「そう、分かったわ、じゃあ当日はよろしくね」ピッ


伊織「お待たせ、やよい」


やよい「今の電話、誰からだったの?」


伊織「え?あぁ、お兄様からよ」



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伊織「もうすぐ三者面談があるんだけど」


伊織「お父様が来れないから、代わりにお兄様が来るって通達でね」


やよい「へぇ~、確かお兄ちゃん2人いるんだよね」


伊織「まぁね、どっちもお偉い様になっちゃってるけど」


やよい「頼りになるお兄ちゃん達がいて、よかったね!伊織ちゃん!」


伊織「た、頼りになるなんて……」


伊織「……ま、まぁ、相談事に乗ってくれたり、アイドルになる時には色々と援助してくれたけど……」


やよい「えへへ、仲良きことは……えーっと」


伊織「美しきかな、ね」



伊織「ま、まぁ、ちょーっとは良いところもあるし……」


伊織「仲違いは、あまり無いし……仲は良好っていえば、良好ね」


伊織「で、でも、ほーーーーんの、ちょーーーーっと、ね!///」


やよい「えへへ……」


やよい「そっかー……伊織ちゃん、お兄ちゃんと仲良しで……」


やよい「頼れる兄弟に、甘えられるんだー……」


やよい「………………」


やよい「そっかぁー……甘えん坊に……」


やよい「………………」





響「うぅ……静かにしてよぉ~……自分の体の一部だろ~?……」


グルルルル……グルルルル……


響「うんぎゃ~!言うこと聞いてー!」


響「うぅ……お腹の虫が……讃美歌奏でてるぞ……」


やよい「響さん?」


響「あっ……やよい」


やよい「お腹ペコペコなんですか?」


響「うっ……うん、ちょっとお金が底ついちゃって……」


響「家族(動物)みんなの食費代が、増えちゃって増えちゃって……」


やよい「みんな、育ち盛りなんですか?」


響「ううん、家族自体も増えちゃって増えちゃって……それで」





ヴー……ヴー……


響「あっ……電話だ」


響「えっ?にぃに?」ピッ


響「もしもし、どうしたヌ?」


響「……え!?ウリフントー!?」


響「やったぁ!ありがとう!にぃに!」ピッ


やよい「うり……ふんとー?」


響「朗報だぞ、やよい!」


響「にぃにが、家庭栽培で取れた、いっぱいのゴーヤ送ってくれるって!」


やよい「よかったですね!響さん!」


響「へへへ、やよいにもお裾分けしてあげるからな!」


やよい「……本当、いいですよね、響さん」


響「うん!自分ゴーヤ料理は大の得意だし……」


やよい「頼りになる、ステキなお兄ちゃんがいて……」




響「え?にぃにが?」


響「あははは!にぃにが頼れるなんて、思ってもないぞー!」


響「……でも、自分が困ったり、助けが欲しい時は」


響「迷わず駆けつけてくれたり、手伝ってくれたりしてくれて……」


響「そういう所は、頼もしくてカッコよく思っちゃったり……ね」


響「な、なんてなー!時々だけだぞ!時々!///」


やよい「……お兄ちゃんに、助けてもらったり……」


やよい「いっぱいいっぱい、お願い聞いてもらったり……」


やよい「…………」





やよい「………………」


P「ん?やよい?」


P「どうした?思いつめた表情して」


やよい「……あっ……プロデューサー……」


P「なにか、辛い事でもあったか?」


P「1人で抱え込まずに、俺に相談してほしいな」


やよい「……………」


やよい「あの……その……」


P「なんだ?」


やよい「………………///」モジモジ








やよい「また、甘えちゃうの……いいですか……?///」



P「………………」


P「なんだ、また前みたく甘えん坊を?」


やよい「………………///」こくっ


やよい「伊織ちゃんや、響さんがお兄ちゃんに甘えちゃう所を聞いて……その……」


やよい「また……私も同じ様な事、したくなっちゃって……///」


P「ははは、お安い御用さ」なでなで


P「そういう事なら、何なりといつでも言ってくれればするよ」なでなで


やよい「ワガママ言ってすみません……私、どうしても我慢出来なくって……///」


P「下の兄弟達を、いつもお世話してるやよいなんだ」


P「そりゃあ、欲求不満になっちゃうよな、無理ないよ」


P「今は何にも考えず、やよいがしたい事をすればいいさ」



やよい「えへへ……じゃ、じゃあ、早速……///」


P「あぁ、行くぞ?やよい?」


やよい「はい!いつでもどうぞ!」













P「みぅ~~~!やよいねぇたん、ひじゃまくらちて~!!」ジタバタ


やよい「は~い、どうぞ!ゆったりくつろいでいいよ~!」ポンポン


P「んわはぁ~い!!やよいねぇたんのひじゃまくらだぁ~!!」しゅりしゅりしゅり……


やよい「よしよし、もっともっと、お姉ちゃんに甘えていいからね~!」なでなで


P「やよねぇたん、お腹もにゃでにゃでちてぇ~」しゅりしゅりしゅり……


やよい「は~い」なでなで


やよい(……プロデューサー……ありがとうございます)なでなで


やよい(伊織ちゃんと響さんが、お兄ちゃんに頼りにしてる話を聞いて……)


やよい(兄弟に甘えられたい気持ちになって……『お姉ちゃん本能』が働いた時)


やよい(いつも弟の役回りになって、ストレスを発散させてくれて)




やよい(きっと、プロデューサーも、本心は抵抗があるはずなのに)


やよい(私のため、無理に付き合ってくれてるんだろうなぁ……)


P「んみょぉ~!おねぇたん!!手が止まってりゅ~!やんやん!」バタバタ!


やよい「あっ、ごめんね~?Pの助~?」なでなで


やよい(プロデューサー……ありがとうございます)なでなで


P「今日はやよいねぇたんと、いっちょにねたいぃ~!」


やよい「はいはい」ニコニコ


P「あっ、お風呂もいっちょに洗いっこちよ~ねぇ~!」


やよい「はいはい」


P「ご飯食べる時は、口移しでおねがいにぇ~!ぴゅふふ!」


やよい「はぁ~い!」ニコニコ


P(………………)



P(アイドル……日々鍛錬を怠らず、切磋琢磨し、人々から評価を得る役目)


P(この子達のストレスは、一般人の想像を遥かに凌駕する物であろう)


P(人には理解されぬ世界、仲間は時に商売敵と化す……厳しき舞台に立つ者よ)


P(我らはプロデューサーは、その者達を支え、人柱となるが役目)


P(彼女が望む事ならば、我が身に構わず、振り向かず、ただ叶えんとするだけの事)


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