沖矢「さて始めるか」 盗聴電波受信器『んっ、工藤君、好き…』(27)

深夜

―工藤邸―


沖矢「」

 『ふ……はぁん……あ、あ、……好きよ、好き、なのぉ……』クチュ…クチュ…

沖矢「」

 『はぁ、はぁ……そう、もっと……あんっ……あっあっ』クチュクチュクチュ



沖矢「……」コホン

沖矢「彼女も本来なら年頃だからな……自慰行為くらい」

沖矢(しばらく切るか……)

 『だめっ……やぁっ……そんな激しっ……あぁっ!!』グッチュグッチュグッチュ

沖矢「……」

沖矢「いや、任務を放棄するわけにはいかない」モゾモゾ

次の日



―通学路―


灰原「ふわああああああああああああ……」

コナン「おいおい、これまたずいぶん盛大なアクビだな」

灰原「ゆうべは……BSで興味深い戦争ドキュメンタリー映画をやっていてね、つい」ゴシゴシ

コナン「ったく、小学生がんなもん見て夜更かししてんじゃねえよ」

灰原「あら、あなたには言われたくないわ。テレビか推理小説かの違いだけじゃない」ワフ…

コナン「うっせ」ジト

電柱の影から覗く沖矢「……」

数日後



―阿笠邸―


阿笠「いやー、いつもすまんのう昴くん!」ガツガツモグモグ

灰原「あなたがおかず持ってくるとカロリー計算が狂うのよ」

沖矢「それはすみません。では今度は肉を使わないヘルシーなものに挑戦してみましょうか」

灰原「そうね、そうして頂戴」

阿笠「おいおい、こってり料理は君頼みなんじゃ! 余計なことはせんでくれよ!!」アセアセ





阿笠「っはー食った食った! ワシは一眠りしてくるから、すまんが哀くんあと頼んだぞ」

灰原「ちょっと博士、食べてすぐ寝るのは良くないわよ!」

阿笠「いやー最近歳のせいか疲れやすくてかなわん。昴くんは構わずゆっくりしていってくれ」

灰原「全くもう……」ハァ

キッチン


灰原「悪いわね、おすそ分け持ってきてもらったのに、片付けまで手伝わせて」キュッキュッ

沖矢「いえ、私もこちらでご馳走になってしまったので。お皿洗いくらいやりますよ」ジャブジャブ



沖矢「……」チラッ

灰原「……」キュッキュッ カタン

沖矢(この未発達の幼い少女が、夜毎あんな声を……)マジマジ


――あっ……あんっ……! 愛してるっ……もっと、もっと深くッ……――


沖矢「……っ」ボタッ

灰原「? 昴さん、どうし……え、ちょ」









ソファに横たわる沖矢「……すみません、ご迷惑を……」

灰原「それはいいけど大丈夫なの? 最近頭をぶつけた覚えは?」

沖矢「い、いえ、そういうことは何も……」



沖矢(不覚だ)

沖矢(……)チラ

沖矢(おそらくこのソファで、あられもない姿で、いやらしい音を立てながら、その白くて細い指を……)

沖矢(いかん、また出る)

灰原「成人の鼻出血の原因としては、ストレスに飲酒喫煙、それと寝不足もあるわね」

灰原「あなた、ちゃんと寝てるの?」

沖矢(寝られるわけないだろ)



灰原「ま、私が言えることでもないけれど……どうせ知ってて様子でも見に来たんでしょ?」

沖矢「えっ」ギクッ

灰原「ふふっ、図星って顔」

灰原「さすがのあなたも鼻血吹くくらい弱れば、少しは油断してくれるのね」クスッ

沖矢「……」

沖矢(やはり盗聴は感づかれている……つまりこの子は俺が聞いていると知りながら……)ウッ

沖矢「コホン……連日の夜更かしは感心しませんね」ハナオサエ

灰原「そうね、でも生活に支障が出ていないことは今確認したでしょ? ならもう放っておいて」



沖矢「……そんなに彼が大切なんですか」

灰原「……」

灰原「当然じゃない、だって私は彼を……!」

沖矢「そんなことをしても報われないのに?」

灰原「――っ」キッ

沖矢「失礼、失言でしたね」

灰原「そんなのわかってる……わかってるわよ……それでも、私は……」

沖矢「よろしければ私がお手伝いしましょうか?」

灰原「えっ」

沖矢(しまった! 俺は一体何を)

沖矢「も、もちろん変な意味ではなく……ただ一人では、その、何かと大変ではないかと……」

灰原「……」

灰原「……結構よ。あなたに出来ることなんて何もないもの」

灰原「それとも、後片付けでもしてくれるのかしらね?」クスッ

沖矢(片付けだけ……それはそれで)ゴクリ

灰原「なあんてね……私のためを思うなら、このまま知らないふりをしていて頂戴」

灰原「お願いだから彼には黙っていて。……あなたは、今まで通りでいてくれればいいから」

次の日

深夜

―工藤邸―



沖矢(もしや振られたのか? 俺は)

沖矢(いや、あれはつまり……今まで通り黙って聴いていろ、ということ……)

沖矢(痴態を聴かれて悦ぶマゾかと思えば、とんだ女王様だ)

沖矢(思えば明美もそういうところがあった。さすがに姉妹だな)



沖矢(さあ、そろそろ時間だ。ティッシュを……)イソイソ

 『ねぇ、脱がせて……』スルスル

 『嫌……恥ずかしいわ。そんなに見ないで……』


沖矢(ホー、今日はストーリー仕立てか)


   『いいじゃねーか、……綺麗だぜ、灰原』


沖矢「!? ボウヤ……?」


 『ひゃんっ! ちょっと、そんなとこ触らないでよ……馬鹿』

   『ははっ、いい反応だな』


沖矢(いつの間にそんな関係に? だいたい幼馴染の少女はどうした)

   『好きだぜ、灰原』チュッ

 『んぅ……嬉しい……私もよ、工藤くん……』ンチュ…


沖矢(まあ、彼女が幸せなら構わないか……)モゾモゾ



……――灰原「あなたに出来ることなんて何もないもの」――……



沖矢「……」チクリ

沖矢「成程、こういう意味、か」モゾモゾ





 『ね、もういいでしょ? 早く来て……私、もう』クチュクチュ


沖矢「……」ゴクッ


   『うわ、もうグチョグチョじゃねえか……オメー意外と淫乱なんだな』クチュクチュ

 『う、うるさいわね、でもあなただってここがもう、ほら』サワ…サワ…

   『んっ……お、おい、そんなにしたらっ……うっ……』コスコスコスコス

 『ふふっ……工藤くんの江戸川くん、可愛い……きゃっ』ドビュルルルッ

   『……ワリィ、顔に……』

 『ううん。私、嬉しい』

   『え?』

 『だって私のこんな小さな手と、何の色気もない身体だけで、こんなにたくさん……』ヌチャ…ペロッ

   『ば、バーロ』ムクムク

 『なあに? もう復活したの? 若いっていいわね』

   『お、オメーがやらしー顔すっから……』

沖矢(俺はもう若くもないのに過ちを……)モゾモゾモゾ


   『いいか、灰原』

 『ええ、お願い……』

   『いくぞ』グッ

 『んっ……ふぅ……あ……っ』ズプッ

沖矢「」


   『いてぇか?』

 『ううんっ、大丈夫、だ、から、はや、く、奥、まで……っ』ハアッ

   『……』ジュプ…ヌチュ

 『はあ、はあ……ああ……工藤くんが、全部、入ってる……熱い……おっきい……』

沖矢「」



 『あっあっあっあっ』グチュグチュグチュグチュ

   『くっ……』ヌチュヌチュヌチュヌチュ

 『あんっ! あはぁっ! ダメっ、も、私、……!!』グチュグチュグチュグチュ

   『お、れもっ……イキそっ……』ジュッポジュッポジュッポジュッポ

 『出、してぇっ、あっ、わたし、の、中、にっ……いっぱいっ、あぁっ!!』

沖矢「」



.






 『あんっ、あ、くど、く、あ、……ああぁ 

   『らああああああああああああああああああああああん!!!!!』ドビュビュビュビュビュビュ





沖矢「」ガタッ

沖矢(あろうことか絶頂時に他の女の名前を叫ぶとは!!!!!!)

沖矢(愛し合う二人ならばと目をつぶっていたが、たとえボウヤでも捨て置けん!!!!!!)




お隣



バーン

沖矢「志保!!!!!!!!!!!!!!」









阿笠「わしじゃよ」ドビュルン

コナン(翌日、博士は変わり果てた姿で発見された)

コナン(死因はライフルのようなもので肛門を撃ち抜かれたことによるテクノブレイク)

コナン(チョーカー型変声機を悪用し倒錯的な自慰行為に溺れた、哀れな老人の末路だった)



コナン(時を同じくして、FBIの赤井さんが黒の組織のボスを仕留めたという連絡が入った)

コナン(頭を失った組織は勝手に空中分解。悪の組織の終焉など、いつの時代もこんなものなのかもしれない)

コナン(しかし、俺の推理が正しければ……まだ何も終わっちゃいない!)





灰原「出来たわ……工藤くん」フラフラ

コナン「え、出来たって……解毒剤か!?」

コナン「けど組織からは結局データは見つけられなかったって、ジョディ先生が……」

灰原「そのようね、でも何とか、記憶を辿って、自力で……これで、完璧なはずよ」

コナン「オメーが最近ずっと寝不足だったのって、まさかこれを」

灰原「私は、あなたを……あなたの人生を狂わせてしまったんだもの」

灰原「私が出来ることは、これしか……」クラッ

コナン「おい、大丈夫か!?」ガシッ

灰原「平気よ、これくらい……ほら、私のことはいいから」

灰原「とっとと飲んで、彼女の元へ帰りなさい!」

コナン「……っ」

コナン「こんな……オメーを放っておけるかよ!!」ギュッ

灰原「!? 工藤くん、は、離して……///」

コナン「何で俺に黙って無茶すんだよ……」ギュウッ

灰原「……/// ……だって、バレたら絶対に止めるでしょう。あなたは優しいから」

灰原「隣の盗聴男にはバレてたけどね。黙っててくれたようで助かったわ」

コナン「ったく……ところで、オメーの分の解毒剤もあるんだよな?」

灰原「……大丈夫、心配しないで」ニコッ

コナン「やっぱりな……オメーの嘘くらい見抜けんだよ。探偵舐めんな」

灰原「え……」ギクッ

コナン「オメーが戻らねぇんなら、俺も戻らねえ。一緒に生きよう、灰原」

コナン「今オメーを見て思った。俺にはオメーが必要だ、ってな」

灰原「やだ、それってプロポ……」///

灰原「……じゃないわよ! じゃあ私の血と汗と涙の結晶はどうするつもり!?」

灰原「こんな薬、幼児化していない人間が飲んだら体内で爆発する猛毒でしかないのよ!!」

コナン「心配すんなって。無駄にはしねぇよ」ニッ

灰原「……?」

コナン(俺は、かねてよりある仮説を立てていた)

コナン(それは「『ボス』と『あの方』は別人である」ということ)

コナン(現に、俺が密かに目をつけていた人物は未だのうのうと学校に通っている)

コナン(つまりそいつが、APTX4869で俺たち同様に幼児化した『あの方』なのだ)

コナン(何を企んでいるのか知らねえが、組織ごと潰して小学生の姿のまま雲隠れするつもりだろう)

コナン(だが、このまま逃しはしねぇ。俺が絶対に正体を暴いてやる!!)

光彦「で、なんです? この怪しすぎる薬は」

コナン「灰原の体液の結晶」

光彦「いただきます!!!!」ゴックン

光彦「」ドカン



コナン(俺たちの命懸けの戦いは、こうして幕を閉じた)

コナン(これでようやく全てが終わった。平和が戻ったんだ)

コナン(灰原は本当によくやってくれた。オメーは最高の相棒だよ……)



コナン「しっかし、赤井さんが灰原引き取るって言ったときには焦ったぜ」チュ…チュゥ

灰原「アメリカ、に、連れて、行かれるって、思ったんでしょ……んっ」ピクン

灰原「あっ……あの人も、変わった、人、よね……」ハァッ、ハァッ

コナン「オメーが小学校卒業するまでは日本を拠点にするっつーんだもんな」ペロペロ

コナン「そんなワガママ通せるなんて、まさかそこまで優秀とはな」ペロペロペロペロ

灰原「んんっ……ちょっとあなたそれ、舐めすぎ……あぁんっ」ビクンッ

灰原「けど、仕事、とはいえ、毎週必ず、渡米する、なんてっ……あっ……そこ……」

灰原「ぅん……保護者、のくせに、無責任、だわ……」ハアッ…ハアッ…

コナン「お、いい感じに濡れてきたな」ジュルッ

灰原「ひぁんっ!!」ビクゥッ

コナン「ま、お陰で気兼ねなくオメーとこういうことできるわけだし……感謝しねーとな?」ナデナデ

灰原「ん……/// ねぇ、そろそろ……」

コナン「ああ、……好きだぜ、灰原」チュ

灰原「私もよ、工藤くん……」チュ…



―ニューヨーク―


ジョディ「シュウったら、さっきからイヤホンつけて何聞いてるの?」

赤井「ん? 保護者の責務を全うしているだけさ」フッ

ジョディ「……鼻血出てるわよ」






END

おつおつ
良い話だった

博士……

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