誘拐犯『あんたの娘は預かった』(9)

誘拐犯『あんたの娘は預かった』


父『そうですか、よろしくお願いします』ピッ

父(……、どうして娘の携帯からだったんだ?)

父「まぁいいか、今日も残業頑張ろう」


誘拐犯「……」ツーツー

誘拐犯「も、もう一度」ピポパ

携帯「ただいま電話に出ることができません。ピーという…」ピッ

誘拐犯「クソッ」

娘「どうしたの?」


娘「はやくお家に帰ろうよー」

誘拐犯「うるさいっ」

娘「ご、ごめんなさい」ビクッ

誘拐犯(どうしよう、とりあえず廃墟に監禁するか)

誘拐犯「予定が狂っちまった」ブロロー

娘「お家の方向と違うよー」


誘拐犯(チッ、めんどくせぇな)

誘拐犯「買い物に行くんだよ、晩飯だ」

娘「ごはんー? オムライス食べたいっ」

誘拐犯「はいはい」

-町はずれの廃屋ー

誘拐犯「車から降りて、中へ入れ」

娘「ここお店屋さんじゃないよ?」


誘拐犯「いいから入れ」

娘「やだよぅ、汚いし怖いし」

誘拐犯「パパが迎えに来るまでだから」

娘「……、うん」

ー会社ー

父「もうこんな時間か」

父「さて、帰るとしよう」

父(着信がこんなに? なんだろう)

父『もしもし』

シッター『あっ、やっと繋がりました』



シッター『申し訳ありません、すみません』

シッター『私が時間に遅れてしまったせいで』

父『どうしました、何かあったんですか』

シッター『私が迎えに行った時にはもう娘さんの姿がなくて』

父『どういうことです?』

シッター『娘さんが行方不明に…父『なんだとっ』』

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