【ガルパン】みほ「未来詰め合わせ」 (29)

参考:ミカ「未来が知りたいなら自分の目で確かめればいいんじゃないかな?」
http://ex14.vip2ch.com/i/responce.html?bbs=news4ssnip&dat=1473254635

※かなり独自設定入れてます
※ガルパン続編6章構成万歳!
※アクタス頑張れ

みほ「もうあれから10年も経つんだ」

エリカ「何を読んでるの?....月間戦車道?『大洗の奇跡を振り返る?』」

みほ「この前取材を受けて、見本誌を貰ったの」

エリカ「.....ふーん、って事はそろそろね」

みほ「何が?」

エリカ「何でもないわ、こっちの話よ」

みほ「そうそう、お姉ちゃんの帰国スケジュール決まったから」

エリカ「奥様の?」

みほ「う、うん」プクク

エリカ「何よその笑いは」

みほ「いや、何だか変な感じだなって」

エリカ「うるさいわね」



SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1479082553

みほ「お姉ちゃんに会うのも久しぶりだなぁ。元気かな?」

エリカ「奥様は元気よ。電話くらいしてあげたらどうかしら?」

みほ「うーん、わざわざ電話するような話題もないし、どうせもうすぐ会うんだからその時に話せばいいかなって」

エリカ「特に用事がなくても連絡くらいこまめに取ればいいのよ。あなた達やっぱり姉妹よ。揃って似たようなこと言って手紙の一つもよこさないんだから」

みほ「あはは。そういえば、あの人は?」

エリカ「......知らないわよあんなやつ。名前すら覚えてないわ」

みほ「その、一応お姉ちゃんの旦那さんだし、エリカさんの雇い主だよ?」

エリカ「わたしの雇い主はまほ奥様よ!あんな戦車道のせの字も知らなかったようなのがどうして.....」

みほ「それはお姉ちゃんに聞いてみないと....わたしも驚いたなぁ、まさかお姉ちゃんが

むほ「えりかーっ!」

エリカ「あら、お嬢様どうしました?」

むほ「えりかーっ!バッタ捕まえ.....みほおばさまだ!いらっしゃい!」

みほ「むほうちゃん、こんにちわ」

むほ「こんにちわ!」

エリカ「お嬢様、その手に持っているのは?」

むほ「これね、しょーゆばった!お口からおしょうゆでるの!」ギュ

バッタ「ぐえー」

エリカ「ばっちいからお外に捨てておいで」

むほ「でもこのまえ、えりかおしょうゆがたりないってこまってたでしょ?」

エリカ「今は足りています。捨てて来なさい」

むほ「はーい」

みほ「うふふ、エリカさんお母さんみたい」

エリカ「あの子の母親は奥様よ。.....なんで奥様の子なのにあんなにお転婆なのよ」

みほ「でも、小さい頃のお姉ちゃんそっくり。見た目もだけど性格も」

エリカ「いいえ、あの男の悪い部分が移ったのよ」

みほ「でも初対面でいきなりグーで殴る事はないと思うなぁ」

エリカ「う、うるさいわね!そのネタいつまで引っ張る気よ!!」

エリカ「あと、あの子を『無縫ちゃん』って呼ぶのいい加減やめなさい」

みほ「え?かわいいと思うけど....」

エリカ「あの子、その『無縫』が自分の名前だと思い込んで、自分のことむほーむほーって言ってるのよ」

みほ「え?そうなの?」

エリカ「だいたいね、あの子には奥様がつけた立派な『

むほ「えりかーっ!せみのぬけがらみつけた!」

エリカ「捨てなさい!」

むほ「えいっ」

セミの抜け殻「髪にくっついちゃろー」ピタ

エリカ「きゃああああああああああ」

みほ「なんか、『天衣無縫』って言うより『無法』って感じだね」アハハ

みほとエリカと娘 了

大洗生「本日は教官をお招きしている。我が校の卒業生であり、あの大洗の奇跡を支えた武部沙織さんだ!」

大洗生「おーっ!」

沙織「教官の武部沙織です。普段は中等部の子を教えてるんだけど、こっちも新入生の子が多いって事だったので初心者向けの講座を行います。みんな、よろしくぅー!」

大洗生「あ、あの!10年前の戦車道大会で優勝したって本当ですか?」

沙織「本当だよ。あの時は大変でね」

大洗生「私たちでも戦車道強くなれますか?」

沙織「もちろん!努力は必要だけどね!」

大洗生「た、武部教官、お会いできて光栄です!わたし、通信手の武部殿に憧れて大洗に来たんです!」

沙織「本当?ありがとう!」

大洗生「あのあの!教官に聞きたいんですけど」

沙織「ん?なに?」

大洗生「戦車道やるとモテるって本当ですか?!」

沙織「......」

沙織「撃破率は120%よ!」

大洗生一同「「「「「おぉ~」」」」」

沙織「撃破率120%って何?」

アリサ「いや、知らないわよそんなの」

沙織「なんか憧れの目で見られて逆に騙してるようで辛かった」

麻子「だったら言わなきゃよかっただろう」

沙織「だってぇ、夢を壊したくなかったって言うかぁ」

優花里「まぁ、でもモテますよね、戦車道女子」

麻子「沙織達は彼氏いないけどな」

沙織「麻子もじゃん!」

アリサ「って言うか、このメンバーの中で彼氏持ちはそこのオッドボールだけよ」

優花里「いや、あはは」

沙織「お相手は整備員の人だっけ?」

優花里「はい、同じ戦車好きで意気投合しまして」

麻子「しかし、珍しいな。男で戦車好きだなんて」

優花里「えぇ、実際戦車の整備員も大半は女性ですからね」

沙織「ゆかりんは出会いがあっていいなぁ。あたしなんか女の子ばっかりだし、生徒にはからかわれるし」

アリサ「からかわれる?あんたが?」

沙織「『わたし、先生と結婚したいです!』とか、『先生が男の人ならよかったのにぃ』とか」

麻子「モテモテじゃないか」

沙織「違うの!わたしは男の人にちやほやされたいの!」

アリサ「だからオトコが寄ってこないんでしょ」

優花里「まぁ、戦車道やってると一部は同性から慕われますからね。わたしはありませんでしたが」

麻子「わたしもないな」

アリサ「わたしもね」

沙織「もう!みんな他人事だと思って!」

沙織「やだもー!」

結論:(男は)戦車道やるとモテる。(一部女子は同性から)モテる。

武部教官(婚活)頑張ります! 了

麻子「だから沙織ー、結婚してくれー」

優花里「モテモテですね、武部殿」

アリサ「スイマセーン、お冷ください!」

沙織「もう麻子、ここで寝ないで、起きてってば」

麻子「おばあが、婿はまだか、孫はまだかとうるさいんだ」

沙織「だったらわたしじゃ何も解決しないじゃん!」

麻子「いや、沙織ならおばあも納得する。だから養ってくれ」

沙織「いや、意味わかんないし。それに麻子の方がお給料いいじゃん」

優花里「一流企業ですよね。戦車道の関連部品を請け負う会社の」

アリサ「社会人リーグでも活躍して開発研究部門でも今度チームリーダーになるんだっけ?超エリート様じゃない」

麻子「おまけにフレックス勤務で昼近くに出社しても怒られないからありがたい」

沙織「だったらわたしを養ってよ」

優花里「武部殿、冷泉殿と結婚する流れになってますよ?」



麻子「気づかれたか」

沙織「もう、麻子ったら!」

優花里「でも、冷泉殿は出会いとかはないんですか?」

アリサ「一流企業ならよりどりみどりでしょ?」

麻子「いや、そうでもない。皆エリート意識ばかり高くてわたしの求める条件に合わない」

沙織「条件?」

麻子「家事ができて、おばあとわたしを大切にしてくれて、かつ、家に帰ったらちゃんといてくれるやつがいい」

アリサ「それって主夫がいいってこと?」

麻子「そうだな。だから沙織ならぴったりだ」

沙織「わたしは旦那様が欲しいの!」

優花里「まぁでも確かに一流企業だといなさそうですよね、そう言う男の人」

アリサ「逆にその辺の男だとヒモになりそうな感じよね」

沙織「理想が高すぎて結婚できない、みたいな?」

アリサ「理想が高いのか低いのかもよくわからないわね」

麻子「わたしは早くに両親を亡くしているだろう?だから、できれば暖かい家庭を築きたい」

沙織「そっか、そうだよね」

麻子「一番は働きながらわたしの世話をしてくれる男だが、まぁ、今の仕事も嫌いじゃないから主夫でいいな」

アリサ「アンタもいろいろあるのね」

麻子「まぁ、しかし、時間がない。と言うのも事実だな」

優花里「どうしてです?」

麻子「おばあももういい歳だからな。いつまで元気か」

沙織「おばあ歳の割にまだ元気って言うか、10年前から変わってなくない?」

アリサ「何それ怖い」

麻子「そうは言っても病院に通うことも多くなったし最近も入院したからな」

沙織「えっ!?うそっ!」

麻子「ギックリ腰だそうだ」

優花里「あぁ、それは大変そうですが....」

沙織「よかったぁ、病気かと思った」

麻子「わたしも職場で知らせを聞いた時はそう思った」

アリサ「ま、元気そうで何よりじゃない」

麻子「元気すぎても困るぞ」

麻子「とにかく、そう言うわけだからわたしも少し結婚を焦っている」

沙織「一応言っとくけど、わたしは結婚を焦ってるわけじゃないからね」

アリサ「そう言って行き遅れるのよねぇ」

沙織「あさりんも一緒じゃん!早く一緒に彼氏作ろうよ!」

アリサ「ハイハイ、今度合コンのセッティングするから」

麻子「そうか、頑張ってくれ」

沙織「え?麻子こないの?」

アリサ「あんた込みで3対3のつもりだったんだけど」

麻子「言っただろ、わたしは結婚を焦っている」

麻子「だから今度お見合いをすることにした」

沙織アリ「「えぇっ!!?」」

麻子の恋愛事情 了

沙織「周りはどんどん結婚しちゃうし麻子もお見合いかぁ」

アリサ「本当、気づけばって感じよねぇ。ウチのチームの男はオッドボールに取られちゃうし」

沙織「そう!そういえば、この前のゆかりんとみぽりんの試合凄かった!」

アリサ「でしょう?なんてったてジャイアントキリングだもの。これでもう弱小チームだなんて言わせないわ!」

優花里「いやぁ、あの試合はチームの存続がかかってましたからね」

麻子「あの頃を思い出すな」

優花里「メンバーも大洗出身の選手が多いですからね。澤殿やエルヴィン殿、あと選手ではありませんがカメさんチーム」

沙織「監督だっけ?角谷先輩」

優花里「えぇ、プロチーム発足の際にまだ大学生にもかかわらずプロチームを発足。卒業後はチーム運営会社の社長として小山殿河島殿と切り盛りしていたのですが」

アリサ「プロチームなのによくぞここまでってくらい練度の低いのが集まってたわよね」

優花里「有力選手は他のチームに軒並み取られてしまいましたからね」

優花里「でなければわたしが隊長なんて人事あり得ませんよ」

沙織「その話もビックリだけど」

麻子「西住さんのチームに勝てなければチーム解散と聞いた時はもっと驚いたな」

優花里「あまりにも結果を出せませんでしたからね。スポンサーが降りることになってしまって」

アリサ「でもあの時は社長を見直したわ。干し芋食べてる姿しか見たことなかったから」

優花里「本気を出せば優秀なんですけどね。まぁ、普段の角谷殿の方がウチらしくていいと思いますけどね」

アリサ「それは大洗の、しかも選手時代を知ってる人間だけよ。でもまぁ、よく戦車道連盟説き伏せた上に新スポンサーまで見つけてきたわ」

麻子「ウチの会社だな」

沙織「へぇ、そんなことになってたんだ。勝てなきゃチーム解散くらいしか聞いてなかったから」

麻子「おかげでプロリーグの試合に助っ人でいきなり参戦するはめになって大変だった」

優花里「このまま残ってくださいよ」

麻子「断る。流石に仕事をしながらプロリーグは無理だ。会社には好きにしていいと言われているがな」

沙織「それならあたしも.....って、流石にプロチームに参戦は無理か」

麻子「いや、沙織が、あとは五十鈴さんもだな、二人が来てくれればもっと楽だった」

アリサ「何よ?わたしが通信手じゃ不満だったわけ?」

麻子「優秀な車長が一人増えてただろう」

優花里「いやぁ、あの時はアリサ殿を監視下に置いておきたかったので」

アリサ「どう言う意味よ!」

優花里「だって、我々が止めなければ打ち上げてたでしょ、アレ」

麻子「一度同じ手を使って負けてるのにな」

アリサ「うるさいわね!他に方法が浮かばなかったのよ!!」


麻子「そうそう、試合前の秋山さん、かっこよかったぞ」

アリサ「その時の映像がこちら」

優花里「ちょ、ちょっと!どうしてそんなものが!」

アリサ「最後だと思ってたから記念にビデオ回してたのよ」

沙織「わぁ!見せて見せて!」

アリサ「はい。再生するわよ」

ピッ

ザーッ

優花里『いやぁ、緊張しますね』

メンバー『ど、どうしてそんなにのんきなんですか!!』

メンバー『負けたらチームが無くなっちゃうんですよ!』

桃『そうだぞ秋山!もっと緊張しろ!!慌てろ!!!』

柚子『桃ちゃん落ち着いて』

桃『桃ちゃんと言うな!』

優花里『アハハ、そうですよね。相手は西住殿。負ければ解散。普通はもっとあわてる場面なんですが』

優花里『......不思議とわくわくしてるんです。昔は西住殿を相手になんて考えたこともありませんでした。ずっと憧れてて、それで終わるんだと』

優花里『それが、こうして隊長として向かい合う日が来たんです。追いかける存在じゃなくて、対等に、戦う相手として』

優花里『正直、西住殿に敵う気がしません。チームも勝ちはほとんどないくらい弱いです』

優花里『それでも、負ける気がしないんです。なんて言うか、やれる気がするんです』

桃『お前が西住に勝てるか!なんだその自身は!!』

杏『かぁしま、うっさい』

優花里『とにかくやりましょう。精一杯とかじゃなくて、勝つんです。我々は勝てます!』

エルヴィン『よく言ったグデーリアン!』

梓『勝ちましょう!西住先輩にっ!』

全員『おーっ!!!!』

アリサ「と、この名演説の後試合開始。こっからはテレビで見てたんでしょう?訓令戦術を主軸に市街地戦で各部隊奮闘。最後は一騎打ちにもつれ込んで、ほぼ相討ちの判定勝利よ」

優花里「訓令戦術も狙ったわけじゃなくて、結果的にそうなっただけなんですけどね」

麻子「あの秋山さんの演説がそうさせたんだろう。西住さんは試合の後、『昔の大洗と戦ってる気分だった』と言っていたな」

沙織「あ、みぽりんに会ったんだ。って、当たり前か」

麻子「今度あんこうのみんなで飲みに行こうというはなしになったな」

沙織「うーん、でもみぽりんも華もスケジュール合うかなぁ?」

優花里「プロリーグは一応オフシーズンがありますが.....西住殿は取材や撮影で忙しいですからね。でも、休みは取れると思いますよ!」

沙織「あとは華かぁ。華どうしてるのかなぁ」

不肖秋山優花里、隊長やります! 了


新三郎「お嬢、お疲れ様でした。次の予定ですが」

華「えぇ、次は汐留でしたね」

新三郎「はい。個展の方も盛況なようで、奥様もお喜びになられてましたよ」

華「そうですか、それはよかったです」

新三郎「あ、こちらですが、戦車道の西様と西住様より祝電と差し入れが」

華「まぁ、絹代さんとみほさんから?」

新三郎「はい、お嬢。五十鈴流皆伝のお祝いにと。......っと、いけねぇ、癖で。若奥様」

華「お嬢、でも構いませんよ。お母様はうるさくおっしゃるでしょうけど」

新三郎「そういうわけにもいきません。若いのに示しもつきませんし」

華「みほさんからは、お菓子、ですね?」

新三郎「はい。熊本の.....デコポン?って変わった名前のマカロンですね」

華「移動中一緒にいただきましょう。新三郎、荷物をお願い」

新三郎「へい!」

五十鈴流家元の娘 五十鈴華
現在マルチタレントとして活躍中の彼女は華道の第一人者として幅広く活動を行い、枠にとらわれない発想で五十鈴流を昇華させながらも、伝統を守り新旧の混在した作品を作り上げる。
一方でTVのバラエティ番組等で持ち前の上品さとどこか抜けた天然キャラで老若男女から人気を集めている。

新三郎「っと、お嬢、じゃねえや、若奥様も立派になられて。感激です」

華「新三郎は昔からそればかり。ところで、一番近いお休みはいつだったかしら?」

新三郎「あー、ここ一月は埋まってますね。......お疲れですか?」

華「いえ、私はまだまだ元気です。ただ、沙織さん達からお食事のお誘いが」

新三郎「それは.....すいませんお嬢。俺が上手くスケジュールを組めないばかりに」

華「いいえ。新三郎はよくやってくれています。ですが、そうですか。まだしばらくは無理そうですね」

新三郎「お盆を過ぎれば数日は取れますが.....ですが、よろしいかったんですか」

華「残念ですが、お仕事です。やるからには全力で」

新三郎「いや、それもなんですがね。今日この後のスケジュール」

新三郎「食べ歩き、グルメレポ、その後さらに食事関係の仕事が続きますぜ」

華「あら、足りるかしら?」

新三郎「そういえば、おじょ、若奥様。また縁談をお断りになったと聞きましたが.....」

華「えぇ。私はまだそういうお話は」

新三郎「そうですか。しかし奥様も心配されていますよ。そろそろ身を固めた方が......」

華「新三郎はどうなのかしら?」

新三郎「俺ですか?俺は.....そうですね。奥様と同じ意見です。家族ってのはいいもんですよ?」

華「.....」

新三郎「今度二人目が生まれるんですがね、いやぁ、女の子だそうで、お嬢みたいに育って欲しいんですが。女房も俺には勿体無いくらいですからね。いい子に育ちますよ」

華「......」

新三郎「お嬢?」

華「若奥様です」

新三郎「し、失礼しました。......なんか怒ってません?」

華「怒ってません」

新三郎「そ、そうですか」

華「......はぁ」

華(縁談、ですか。新三郎も結婚してしまいましたし、もう待っても意味がないですね)

華「......今度縁談があれば前向きに考えます」

新三郎「本当ですか!そりゃめでたい。奥様も喜びますよ!」

華「.....っ!」

新三郎「お、お嬢?」

華「若奥様です!新三郎なんて知りません!」

新三郎「す、すいません!」

華さん大忙し 了

一旦休憩します

夜に戻ります

エリカ「洗濯物に洗い物......よし」

エリカ「あとはお昼前にお嬢様を連れてお寺に向かえば間に合うわね」

エリカ(結局あの時未来のわたしが言ったまほ奥様が死ぬ、と言うことは起こらなかった)

エリカ「『未来は自分の手で掴みなさい』か」

エリカ(わたしはあのわたしが望んだ未来を掴めたのかしら?)

エリカ「それにしても早いわね、奥様が去年の大会で優勝して西住流を継いでもう一年.....」

逸見『......奥様、まほさんはね、一年前の戦車道の大会の試合で

エリカ(......ん?)

エリカ「きょ、今日の予定.....お昼からお寺でドイツから帰ってくる奥様、大奥様、大旦那様とお食事で......」

むほ「えりかーっ!こっちきてーっ!」

エリカ「え?お嬢様?.....ちょ、ちょっとよそ行きのお洋服なんですからまだ外に出ないで、汚さないでくださ

むほ「せみーっ!」ぽいっ

蝉「ミーンミンミンミンミ"ー」

エリカ「きゃぁああああああああ」ズテン

むほ「あ、えりかころんだ」

むほ「.......」ポクポクポクポクチーン

むほ「せんりゃくてきてったい!」ダッ

エリカ「イタタ.....あ、お嬢様お外は今日はダメです!」

むほ『せみぶつけたらころんであいたたたしてたからおこられるとおもってにげたの』

エリカ「........あ、今日あの日だ」



エリカ

エリカ「お嬢様ー?」

エリカ(今日が"あの日"ならわたしは今頃お嬢様と合流して公園にいるはず......)

エリカ(どうして?奥様は死んでいないのに......)

逸見『お盆に帰省するのは何も幽霊だけとは限らないのよ?』

エリカ「あ、あーっ!!!」

通行人「」びくっ

エリカ「そうか、そう言う意味だったのね....って、今更気付くなんて」

エリカ「それじゃあ、わたしが西住家の家政婦になった意味って、去年の大会で出場を必死に止めた意味って.....」

エリカ「はぁ.....『人の話は最後まで聞きなさい』だったかしら?よく言えたわね、未来のわたし」

エリカ「.....まぁ、今からわたしが言うんだけど」

ミーンミンミンミンミ"ー

エリカ「確かこの公園よね?」

エリカ「......いた」

エリカ「お嬢様ぁ!」

むほ「あ、えりか」

逸見「え?」

エリカ(わ、知ってはいたけどわたしがいる。.....若いうちからこんなに気難しい顔をしてたのね.....くっ、この頃の積み重ねのせいで小じわが.....っ!)

エリカ「お嬢様、やはりこちらでしたか......」

むほ「おねえちゃん!ふけてるほうのえりか!」

ごちん

むほ「いたい......」

エリカ「人にセミを投げてはいけません!」

逸見「......あの」

エリカ「......お嬢様、少しあちらで遊んでいてください」

ミーンミンミンミンミ"ー

..........................

..........,,........

エリカ(結局、あの日の通りになってわたしは過去へ帰っていった。おそらく奥様が死ぬと勘違いしたまま」

むほ「えりか?」

エリカ「どうしました?お嬢様?」

むほ「おかあさまむほーのこと覚えてるかな?」

エリカ.....え?」

むほ「おかあさまむほーがわるいこだからきらいになってわすれてない?」

エリカ「大丈夫ですよ。昨日も電話でお話ししたじゃありませんか?」

むほ「うん、でもね、おあいするのはひさしぶりだから」

エリカ「そうですね」

むほ「だからむほーがわるいこなのおかあさまにいわないで」

エリカ「良い子にしてたら言いませんよ」

むほ「ほんと?」

エリカ「本当です」

むほ「じゃあね、今日はいい子いい子してもらうの」

エリカ「......今日だけじゃありませんよ。明日も明後日もずっとです」

エリカ「奥様は留学を終えて帰ってくるんですから」

エリカ「ですから、奥様に会ったらなんて言うか分かりますか?」

むほ「ここであったがひゃくえんねん?」

エリカ「どこで覚えたんですか?その言葉.....いい子にするんでしょ?」

むほ「うん」

エリカ「いい子はなんて言うのかしら?」

むほ「あのね」


むほ「おかえりなさい!」

まほ「ただいま」

END


終わりです。HTML出してきます。

ママうさぎさんチームとかママ隊長とか、役人その後とか書きたかったですが、長くなりそうだったのでやめました。役人の話はそのうち別に書くかもですが

正直、無縫ちゃんと秋山殿の話をやりたかっただけ。

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