【ガルパン】エルヴィン「流行りのFateGOってゲームでもやるか」 (99)

休日の昼、シェアハウスの居間にて

左衛門佐「ぐぐぐぐ……! なんだこのゲームは! 腹が立って来たぞ!」

おりょう「どうしたぜよ左衛門佐」

左衛門佐「どうもこうもあるか! どうして史上類を見ないワガママ王妃がいい奴でシャルル=アンリが悪い奴なんだ! 普通逆だろ!」

カエサル「ああそこか……まぁ、わからんでもないが」

エルヴィン「左衛門佐、確かに王妃マリー・アントワネットは希代の放蕩者として知られてはいるが、『パンがなければお菓子を~』といった悪評はその殆どがねつ造やデマだとも言われている。無論、最悪の状況だった当時のフランスで好き勝手な真似をした愚かな王妃ではあったかもしれんが、しかし悪かったのは時代であって、彼女は心優しく純粋な王妃だったという見解も有るのだ」

左衛門佐「だとしても! 特権階級による圧政により崩壊寸前のフランスで彼女は何をしていた!? その特権を思う存分に享受して、なおかつ民を顧みなかったのは紛れもない事実だ! その立場と時代に同情の余地こそあれ、評価する点などありはしないぞ!」

カエサル「左衛門佐に火が点いてしまったな」

おりょう「愚かな支配者と革命は歴史の華ぜよ」





SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1478613568

おりょう「私はむしろシャルル=アンリの扱いが気に入らんぜよ」

カエサル「ああ、これは……まぁ、ちょっと酷いな」

左衛門佐「処刑人という職業だけでキャラ付けしたような安易さだ」

おりょう「FGOのライターに『イノサン』と『スティールボールラン』を百回読ませたいぜよ」

エルヴィン「そもそも死刑廃止論者であったはずのシャルルが、これでは首切りマニアだな」

おりょう「彼が人の命を断つ行為に対して悲しみを覚えた事はあれど、喜びを覚えた事などただの一度も無かったはずぜよ」

左衛門佐「信心深くて平等主義者だったシャルルがまるで変態のようではないか……!」

カエサル「『スティールボールラン』でも割と変態だけどそれはいいのか?」

左衛門佐「あれはモデルというだけで本人ではないしな」

おりょう「というか変人ではあっても変態ではないぜよ」

エルヴィン「というかぶっちゃけかっこいいしな」

三人『それだ!』


※メインシナリオ以外ではサンソンは普通のいい奴です


カエサル「というかこのゲーム、1面はフランスなのだろう?」

おりょう「ご覧の通りぜよ。百年戦争時のフランスが舞台ぜよ」

カエサル「……じゃぁ、ナブリオーネはいつ出て来るんだ?」

三人『……………………?』

左衛門佐「誰だって?」

カエサル「だからナブリオーネだよ。フランスといえばナブリオネ・ブオナパルテだろ」

エルヴィン「……あ! ああ、ナポレオンか」

おりょう「フランス語で呼べばいいぜよ」

左衛門佐「むしろ何故イタリア語で呼ぶ」

カエサル「ナブリオーネはそもそもフランス人ではない。イタリア語で呼ぶのが当たり前だ」

左衛門佐「また始まったか。世界の中心ローマ人の妄言が」

エルヴィン「イタリア語が公用語だと思い込むのやめろよ」

カエサル「仕方ない。どうしたって全ての道はローマに通じるのだから」

左衛門佐「もうアンツィオ行けよ」

おりょう「カエサルは所属する学校を間違ってると思うぜよ」


エルヴィン「そういや出て来ないな。ナポレオン」

左衛門佐「妙だな。私ももうけっこう進んだのだが」

おりょう「…………まさか、出て来ないとか……?」

四人『………………………………………』

カエサル「いやないないそれは無い」

エルヴィン「うむ。有り得ん」

左衛門座「ナポレオンの出てこない偉人バトルロイヤルなんてマリオの居ないスマブラだ」

おりょう「ピカチュウの居ないポケモンぜよ」

カエサル「ライオンの居ないサファリパークだな」

三人『それだ!』

カエサル「……まあ、最後の方とかで出てくるんだろ。流石に」

おりょう「出て来なかったら頭おかしいぜよ」

四人『はっはっはっは!』

カエサル「……ところで、サーヴァントとして出て来たらクラス何になるんだ?」

エルヴィン「ううむ……やはりライダーか? ナポレオンと言えばアルプス越えだろう」

おりょう「きっとキャスターぜよ。軍師タイプだし」

左衛門佐「アーチャーだろ。大砲マニアだし」

三人『それだ!』

エルヴィン「しかしフランス人で登場したのは……ジャンヌ、デオン、王妃、アマデウス、シャルル、ジルくらいか?」

左衛門佐「なんというか、男臭さが足りんな」

カエサル「仕方あるまい。そもそも、フランスの男というのは穏やかで歌や愛をささやくことを好み、争いごとを嫌うものなんだ」

おりょう「ああ、言われてみれば……フランスの男の偉人って言ったらショパンにドビュッシー、ルノアールにセザンヌ、ゴーギャンにドガにアマデウス……芸術家ばっかぜよ」

エルヴィン「ジャンヌ・ダルクの物語など、始めて読んだときはこれは一種の性差別ではないかと思ったものだ……女尊男卑的な意味でな」

左衛門佐「シャルル7世を始めとしてジャンヌの周りに居た男はフランスの腰ぬけかイングランドのゲス野郎だけだったからな。あれは見ててイライラした」

おりょう「ルイ16世に比べればマリー王妃なんてまだマシなレベルぜよ」

エルヴィン「ん、でもナポレオンが居るじゃないか。彼はまぎれもなく英雄だ」

カエサル「それこそがフランスの男腰ぬけ説の根幹なんだ。ナブリオーネはフランス人じゃない」

おりょう「また始まったぜよ……」ぐでー

カエサル「だって事実だろ! フツーにコルシカ人だぞ彼は!」

エルヴィン「もうアンツィオ行けよ」

左衛門佐「カエサルの頭ん中は万物がローマに通じてるからな」

カエサル「私の頭の中じゃなくて! 普通に全てのものがローマに通じてるの!」

左衛門佐「はいはいわかったから」

カエサル「何と言おうと彼がコルシカで生まれたことには変わりない。それに、激情家の彼の人となりはどう考えても情熱を尊ぶコルシカ人のそれだ」

エルヴィン「ま、確かにフランス男っぽい性格じゃないよな。余裕ないっていうかガキっぽいっていうか」

カエサル「お? 喧嘩か? 買うぞ?」

左衛門佐「かといってイタリア男っぽくも無いがな」

おりょう「生まれはどうあれ彼は世界一有名なフランス皇帝ぜよ」

カエサル「お前たちはわかってないんだよー! ぐすっ! ナブリオネはなー! 本当はフランス人になんかなりたくなかったんだよー! 時代とフランスとルイ16世が全部悪いんだよー!」

エルヴィン「今度はカエサルに火が点いてしまったな」

左衛門佐「落ちつけよたかちゃん」

おりょう「愚かな支配者と革命は歴史の華ぜよ」

カエサル「くっそ、ムカつくなあデオンもシャルルもアマデウスも王妃王妃王妃って! あのお菓子大好きバカ女のどこがいいんだよ」

左衛門座「冷静じゃない奴を見てるとすごい冷静になるな」

おりょう「お前もさっきはあんな感じだったぜよ」

エルヴィン「カエサルはナポレオン好きだからなあ」ボリボリ

カエサル「そもそもルイ16世とあのバカ女がフランスを滅茶苦茶にしなきゃ、ナポレオンだってたった1人であんな力技で国を立て直す必要もなかったんだ! 退役後はコルシカ島に帰ってのんびり余生を過ごせただろうに!」

左衛門座「でもそしたらあの世界に名だたる『コルシカの悪魔』は生まれなかったぞ」

おりょう「ルイ16世とマリー王妃とナポレオン。その誰が欠けてもフランスという国が急激に発展するきっかけとなったフランス革命は味気ないものになったはずぜよ」

エルヴィン「ブリテン王国とアメリカ移民」

左衛門座「織田信長と明智光秀」

おりょう「徳川慶喜と坂本龍馬」

三人『それだ!』

エルヴィン「駄目だ、カエサルを落ち着かせよう……おりょう、何か音楽をくれ」

おりょう「了解ぜよ」~♪

カエサル「……あ、これ好き」

左衛門座「クラシック? なんだったかな」

エルヴィン「ベートーヴェンピアノソナタ第8番『悲愴』」

カエサル「そうそれ! 落ち着いた曲だよなー。ベートーヴェンで一番好き」

おりょう「第九じゃないのか」

左衛門座「クラシックで何が好き? って訊かれたらよくわかんないからとりあえず第九って答えるのどうかと思う」

カエサル「大体エヴァンゲリオンが悪い」

エルヴィン「というかいいのかカエサル。ベートーヴェンはフランス皇帝のボナパルトに失望して曲名を変えたんだぞ?」

カエサル「だがその逸話はベートーヴェンが彼への思いで名曲を作り出した証に他ならないだろう? 『英雄(エロイカ)』といえばナブリオーネの代名詞の様なものだしな」

おりょう「やっぱアマデウスよりベートーヴェンぜよ」

左衛門座「私はメンデルスゾーンのが好きだけどなー」

エルヴィン「ん――――っ! しかしやはりいいなあフランス史は」

左衛門座「パリを『花の都』と形容することがあるが、さしずめフランス史は『花の嵐』といったところか」

おりょう「基本的に戦争するたびに負けてるのに未だに先進国なのがある意味すごいぜよ」

カエサル「基本は腰抜けの国だからな。引き際を心得てるのさ。だから負けても滅びはしない」

エルヴィン「失礼な奴だな、ルノーシリーズは素晴らしい戦車だぞ」

おりょう「でもマジノ女学院はあのアンツィオにさえ負けてるぜよ」

左衛門座「フランスVSイタリア……ヨーロッパ最弱国決定戦かな?」

カエサル「おいイタリア関係ないだろ」

エルヴィン「ははは。でも旅行するなら行ってみたい都市上位だよなーパリ」

左衛門座「うむ。アポリネール大聖堂とか一度見てみたいものだ」

おりょう「ジャンヌが祈りを捧げ、ナポレオンが魂を燃やした街か……うむ、興味深いぜよ」



次の日、シェアハウスの縁側にて



エルヴィン「サーヴァントには☆1~☆5のランクが有るのか」

カエサル「気に入らん。誰の裁量で歴史上の偉人たちをランク付け出来るというのだ」

おりょう「戦闘力基準……にしても滅茶苦茶ぜよ。攻略wiki見たら、ヘラクレスよりもナイチンゲールの方がランクが上になっとるぜよ」

左衛門座「まあしかし、ゲームとして考えれば面白いかもな。お前らなら歴史上のヒーローの中で誰が最強の☆5ヒーローだと思う?」

カエサル「シーザー」

エルヴィン「ロンメル」

おりょう「龍馬」

左衛門座「うん、持ちネタ禁止でな」

カエサル「いやいや。現実問題として、ガイウス・ユリウス・カエサルよりもかっこいい人物が歴史上に存在するか?」

おりょう「いや、このゲームは所詮日本人が作っとるがぜよ。だったら最強は信長に決まっとる。日本人の信長愛はキリシタンがイエスを愛するのと同じようなものぜよ」

エルヴィン「ま、真面目に言うとヒトラーに決まっているだろう。あのヒゲオヤジほどの戦争巧者が歴史上に居るものか」

左衛門座「あー……残念なお知らせだ」

三人『?』

左衛門座「wikiの☆5サーヴァントのページに、カエサルも信長もアドルフも居ない」

三人『……………………』

三人『…………なん……………だと……………』

おりょう「し、信じられんぜよ……このゲームは本当に日本人が作っとるのか?」

エルヴィン「ええっ!? 総統閣下、そもそも登場すらしていないのか!? なんで!?」

カエサル「……あ……シーザー居た……けど……」

左衛門座「ん、居たのか? ……うわ……」

おりょう(デブぜよ)

エルヴィン(おいカエサルから早くスマホを取り上げろ。またキレるぞ)

カエサル「……………………………………」

カエサル「いや、意外とこれはこれで……アリか」

三人『!?』

左衛門座「ど、どうしたんだカエサル! 史実ではやせ型だったはずのカエサルがこんなんだぞ!?」

エルヴィン「熱が有るんじゃないのか!? ショック受けすぎたのか!?」

おりょう「しっかりするぜよ!」

カエサル「いや……まあ私も最初はん? って思ったけどさ……」

カエサル「だって、アーサー王見てみろよ……これだぞ?」

エルヴィン「…………」

おりょう「…………ああ…………」

左衛門座「これは……確かに……好きな英雄がこんなにされたらと思うと……」

歴オタがfateやるとこうなるのかって見本だな

カエサル「正直このカエサルとアーサー王が戦ってみろよ。どうなると思う?」

左衛門座「アーサー王の勝ちが微塵も見えないな」

おりょう「なるほど、まだマシな気がして来たぜよ」

カエサル「それにシーザーは皇帝であって武人ではない。ともすればこの恰幅の良さも王らしくて捨てたものではないではないか!」フンフン♪

エルヴィン(急に機嫌が直ったな)

おりょう(ぶっちゃけシーザーが居ただけで嬉しいんぜよ)

左衛門座「うっぎゃああああああああああああああああああ!!!!!!」

エルヴィン「どうした左衛門座!?」

おりょう「『真田丸』の録画に失敗でもしたのか!?」

左衛門座「…………………………」

左衛門座「…………信長……………女だった…………………」

おりょう「」

エルヴィン(アカン)

カエサル「これ本当に日本人が作ったゲームなのか……?」

>>19
ぶっちゃけFateシリーズの最大の楽しみ方ってこーゆーのだと思う
議論と妄想ですよ。その余地が有るからこそこんな終わらないコンテンツになったんだと思う

おりょう「あ……沖田も……女……」

エルヴィン「!!? 大丈夫か!? おりょう!?

カエサル「気をしっかり持て!」

おりょう「…………………………」

おりょう「うん、まあそうだよな」

2人『!!!!?』

エルヴィン「だ、大丈夫なのかおりょう!? 沖田が女なんだぞ!?」

おりょう「ん? ああ、そうなんだが……」

おりょう「でも正直、沖田ってこの手のゲームでは真っ先に女にされるからな」ハハハ

エルヴィン「慣れてるのか!?」

カエサル「そんな感覚には一生慣れたくないな……」



1章ラスト ジャンヌについて


エルヴィン「そうこう言ってるうちについにラスボスのジャンヌまでたどり着いたぞ」

左衛門佐「まあ、やはりフランスの英雄と言えばジャンヌ・ダルクだろう」

カエサル「ジャンヌが剣とか持ってたら訴訟するぞこのクソゲー……よし、ちゃんと旗だな」

おりょう「落ちつくぜよたかちゃん」

カエサル「たかちゃんって言うな!」

エルヴィン「そりゃジャンヌは旗持ちだったはずだけど、剣も普通に持ってたろ」

左衛門佐「クロヴィス1世の剣を持ってたとかいう伝説も有るがな」

おりょう「剣っていうか、騎乗していたんなら槍だと思うぜよ」

三人『それだ!』

エルヴィン「……うーん」

左衛門佐「どうした? エルヴィン」

エルヴィン「いや……確かにジャンヌは旗持ちだったとされているが……しかし、現実的に考えるとそれも眉唾じゃないかと思えないか?」

カエサル「どういうことだ?」

エルヴィン「だって、旗持ちというのはつまり……先陣だぞ? 真っ先に突撃する役目だ」

左衛門佐「そうだ。真っ先に戦場を駆けて旗を振る、その姿にフランス兵は勇気づけられたんだろう」

エルヴィン「……いくらなんでも、危険すぎると思わないか?」

三人『…………!』

エルヴィン「だって、彼女は信託を受けた聖女だぞ? そんな者に先陣を切らせると言うのは……いくらなんでも……」

カエサル「……旗持ちというのも怪しいと?」

おりょう「先陣を切り、なおかつ生き伸びたことが、彼女の神聖さを際立たせたとも取れるが……」

四人『………………』


『ごめんくださーい!』


エルヴィン「! この声は……」

左衛門座「隊長か?」

カエサル「そうか。今日は隊長が遊びに来る日だったな」

みほ「ジャンヌ・ダルク……ですか?」

エルヴィン「ああ、少し議論をしていたところだ」

みほ「へえ! 今日はジャンヌなんですね!」

カエサル「しっかし、2学期に入ってから隊長は度々うちに来るようになったなあ」

みほ「だって、ここに来て歴史の議論とかするのってなんだか楽しくて! それにシェアハウスも憧れます!」

左衛門座(しかしグデーリアンがそのせいで最近寂しそうなんだよな……申し訳ない……)

みほ「大人になったらあんこうチームのみんなともこんな生活してみたいなぁ……」

おりょう「おうやれやれ。グデーリアンが家を出るとなると、理髪師の親父は反対しそうだがな」

エルヴィン「はははっ、違いない!」

カエサル「だが見てみたいな。もし夢が叶ったら、武部に家事を押し付けてやるなよ?」

みほ「う……が、頑張ります!」

左衛門座「今度、グデーリアンも連れてくると良い。他の3人も歓迎するぞ」

みほ「はい!」

カエサル「それで、ジャンヌ・ダルク……フランスの英雄にして聖人だ。百年戦争のフランス勝利の立役者として名を馳せた」

おりょう「明日発売するこのFateってゲームの新作にも出とる。Fateの中でも重要キャラって感じじゃな」

左衛門座「だがしかし……現実には、天使の声が聞ける人間など居るはずが無い」

エルヴィン「左衛門座。それは日本人的な狭い物の見方だ。日本人は少し、神や天使を余りにもないがしろにする傾向がある。世界的に見れば行き過ぎなくらいに」

カエサル「キリスト教の教えが歴史上余り広まらなかったせいだろうけどな」

おりょう「だがジャンヌの逸話が実際にはどこまで本当なのか……疑問は有るぜよ」

左衛門座「……隊長はどう思う?」

みほ「…………………」

みほ「……先に断っておきますが、私はジャンヌ・ダルクに関して、かなり過激な持論を持っています。それを語ることで、どなたかの機嫌を損ねるかも……」

エルヴィン「構わん。やってくれ」ニコッ

おりょう「むしろそーゆーケンカがしたくて、私たちはルームシェアなんてしてるんぜよ」ふふん♪

カエサル「ああ、むしろ聞いてみたいな。過激な持論とはどんなものだ?」

左衛門座「聞かせてくれ! 隊長!」

みほ「…………………」

みほ「……実は私も……これはやっぱり日本人だからなんでしょうけど……ジャンヌが本当に天使の声を聞いていたのか、疑問に思ってるんです」

4人『…………!』

エルヴィン「……だが、ジャンヌは天啓としか思えない予言を何度も的中させている」

左衛門座「そうだ。臆して攻められないシャルル7世たちフランス男の尻を叩いて、『進むのよ! 神は進めと言っているわ!』と来たものだ」

おりょう「そして、ジャンヌに言われるままに攻めることで、フランスはイングランドに対して快進撃を始める」

みほ「……そうです。ジャンヌは恐ろしいまでの戦術的直感を持っていたのです」

カエサル「……直感?」

みほ「ジャンヌは聖女などではなかった……天才的な才覚を持つ指導者だったとしたら……!」

エルヴィン「…………!」

みほ「ジャンヌ・ダルクは……のどかな辺境のドンレミの村に生を受けました。田舎娘のジャンヌは、文字すらも読めなかったといいます」

カエサル「そうだ。ジャンヌには教養がなかった。これは間違いない」

左衛門座「そのような小娘が、どうして戦争の司令官のような真似ができたと?」

おりょう「天使の啓示としか説明がつかないぜよ」


みほ「……ただ……ジャンヌにも、これだけはわかったはずです」

みほ「フランスが、あのイングランドともう90年以上も戦争していること」

みほ「そして、王家の内輪もめとイングランドの攻勢によって、フランスがもう滅亡寸前まで追い込まれていること……!」


左衛門座「……そんなに後期なのか? ジャンヌ・ダルクが百年戦争に姿を現したのは」

カエサル「ああ。追い詰められたフランスに現れ、大逆転で百年戦争を終わらせたのがジャンヌ・ダルクだ」

おりょう「90年続いてた戦争をひっくり返して終わらせたんだから、まさに聖女ぜよ」


ジャンヌは焦った。

このままでは! 私のドンレミの村が! 父が! 母が! フランスが滅んでしまう!

それだけは……それだけはいけない!

そのためにはイングランドを攻めなければ! 攻めれば負けるかもしれない! だが、このまま何もしなくても同じだ!

齢16歳の少女は、身を焦がすような焦燥感に駆られ――そして走った!

ヴォクラールのボードリクール伯の門を全力で叩き、そして開口一番にこう言い放ったのだ!

それは、国を騙す嘘! ひいては世界を騙すことになる嘘! 神と天使を侮辱する嘘!

それでも、少女ジャンヌはドンレミを守るために叫んだ!


 ――『話を聞いてください! 私には、天使さまの声が聞こえたのです!』――

エルヴィン「……………………………」

カエサル「……………………………」

左衛門座「……………………………」

おりょう「……………………………」

みほ「……………………………………」

みほ「……あ……あはは……なんて……ちょっと突飛すぎますよね……」

エルヴィン「ふむ……」

カエサル「…………面白い!」

みほ「へっ!?」

カエサル「そうか! フランスを救ったのは少女の危機感! 切迫された叫びが功を奏し、結果的に聖女を作り出したというわけか!」

おりょう「なるほど……聖女なんて全然ピンと来なかったけど……ジャンヌに対する親近感がわいて来たぜよ」

左衛門座「日本人としては天使の声が聞こえた聖女というよりも遥かに納得できるな。それに――」


エルヴィン「――単純に、かっこいい!」

三人『それだっ!』


二時間後

おりょう「よーし! やっとジャンヌと元帥を倒せたぜよ」

左衛門座「これでFateGOフランス編も終わりか。なかなか楽しいゲームじゃないか」

エルヴィン「今日はありがとうな隊長。楽しかったよ」

みほ「こっちこそ! すっごく楽しかったです!」

カエサル「ふいー、けっこう長くて疲れたなあ。1章フランス編」

左衛門座「明日は学校だし、今日はこの辺にするか」

みほ「あれ? さっきからやってるの、スマホのFateGOだったんですか?」

エルヴィン「ああ。なんだ、隊長も知ってたのか」

みほ「はい! あれ、2章は古代ローマ編なんですよね! ネロちゃんが可愛くて」

エルヴィン「」

左衛門座「」

おりょう「」

みほ「………………、あれ? …………皆さん?」

???「隊長……今、何と言った?」

みほ「あ……あああ………………!」


カエサル「少し……詳しく話を聞こうじゃないか……………!」ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ!

エルヴィン(あああああもう! 嘘だろ!? 2章がローマなの!?)

左衛門座(やっばいカエサルが恐ろしい目してるぞ!)

おりょう(ああ……悪夢ぜよ……)

左衛門座「カ、カエサル……その……明日も朝練だし……今日はもう『真田丸』を見て寝ないか……?」

カエサル「…………ふう…………」

カエサル「さてお前ら……本当の戦いはこれからだっ!!!!!」

カエサル「2章をクリアするまで今日は寝れないものと思ええええええええええええっ!!!」


三人『嫌だああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!』


みほ「え、えと……あ! 私優花里さんにエサあげる時間だ! すいません帰ります!」ピューッ!

三人『逃げるな薄情者ぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!』


カエサル「ふはは……待っていろシィザァアアアアアアアアアアアアアアアッ!!!!!」



優花里「おしまいでありますっ!」完


緊急会議の人かな?乙です

「出来るだけ公式でありそうな大洗の日常が見てみたい」シリーズの第2弾です

第1弾 【ガルパン】学園艦での生活
【ガルパン】学園艦での生活 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1460127552/)

ガルパンのOVAとか、アンツィオ戦前の戦車に乗ってないシーンが好きすぎる
FGOとか歴史とかを材料にしてますけどとにかくガルパンキャラの公式でありそうな日常を書きたかっただけです
そのうち続きも書くかも。おつかーれ

まあ好きなキャラ使って歴史語るのは良いけどそれでにわか知識でゲームの批判まではしないで欲しいなー

別にサーヴァントは全部史実に忠実なんて言うつもりさらさら無いけどサンソンが首切りマニアみたいになってるのもちゃんとした理由あるし処刑も嫌だっていうキャラだし

肝心の歴史知識もにわかでfgoの設定知識の方もにわか
ただ単に二次元のキャラを使って他作品アンチしたかっただけの酷い読み物

何を言いたいかというと公式はもっと狂化していないまともなサンソンも出してくれよぉ!

>>50
ちゃんとした理由はよ

>>50>>51
すまぬ……サンソンは1章のシナリオが全部悪いんよ……

>>53
>>2でもちょっと書いたけど、メインシナリオに出てくるサンソンは邪ンヌに狂化させられてるんよ
メインシナリオだけだと勘違いされるけど素だと普通のいい奴

>>55
サンソンじゃなくて青王とノッブdisだと思うの
後でおき太だけageてたから余計に

>>56
いや、歴史人の女性化は人物のファンなら戸惑う当然のポイントだと思うんだけど……女の子なら特に
Fateのキャラはあんま気軽にいじらない方が良いですね……依頼出してきます!

>>38
別人です。さっき読んだら面白かったw

だからなんで沖田は「女性化はこういうゲームで良くある事」で済ませるのに、アーサー王や信長は「良くある事」で済ませずに叩くの?って話だろ?

>>65
叩かれねえよ……ガルパンで言うならこのSSは、ガルパンキャラじゃないけど戦車に詳しいキャラがガルパンを観て
「ええ……なんで女だけなんだよ……」って困惑するのを楽しむSSだぞ?
ガルパン好きだけど普通に面白そうと思う。それを許せないのは型月厨くらいだよ

>>73
だからなんで困惑を楽しむssなのにアーサー王と信長の女体化は許せなくて沖田の女体化だけ許容したんだよ
沖田総司はBカップ~を根拠にして沖田の女体化を親しまれてるというなら、なんで同じ時代劇で女体化したことある信長は叩いて同じく女体化だけど実は女性説もある牛若には触れもしないんだよ

第一ジャンヌやマリーについて色々言ってるけど、ジャンヌがホントに神の声を聞いていたとしか思えない逸話やマリーが実は執政者として優れていた実証には一切触れてないの?

要するに「沖田は好きだから擁護しとこ、あとはどーでもいいから適当でいいや」で書いたんだろ?

ガルパンssとして見ても駄作にも程があるわ
カバさんチームの持ち味である歴史の知識を踏みにじってる
ガルパンキャラが映える理由って知ってる奴が見たら頷けるような登場キャラの知識の豊富さ的な所もあるのに、その持ち味を持ち出してきてる癖に原作から超劣化した薄っぺらな知識をひけらかさせてどうすんだよ

なんJ粕に好かれてもなぁ

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