五月雨「こたつまだ出さないんですか?」提督「まだだろ」 (67)

白露「えー!いいじゃん出しても!」

陽炎「ここまで寒くなったらもう出してもいいじゃない!」

提督「いや、まだ出さん。俺は暖房器具を出すのは師走の月になってからと決めてるんだ」

五月雨「でも今年は例年より早く冬が来てるらしいですし、少しは早めても…」

提督「駄目だ。まだ早い。」

陽炎「頭硬いわよ司令!」

白露「若いうちからハゲちまえー!」

提督「ひっぱたかれてえか」

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白露「自分の部屋にはすぼらなのに何で変なとこでこだわるかなー」

提督「エアコンで部屋あっためてるだろ。これ以上何が不満なんだよ」

陽炎「足が冷えるのよ」

提督「わざわざ自分で持ってきた毛布掛けてるのにか?」

白露「それじゃあちょっと風情がないんだよねぇ提督。冬の足をあっためるのはこたつじゃなきゃ」

提督「俺の部屋に風情を求めんな。そんな文句でこたつを出す気にさせられると思ったか」

白露「ちぇー」

提督「足が寒いならなんか履け。姉妹艦からタイツなり長めのソックスなり貸してもらえるだろ」

五月雨「あ、じゃあ私のニーソックス貸しましょうか?姉さん」

白露「いやいい」

五月雨「? どうして?」

白露「普段足出してる身としては寒いから何か履くっていうのはなんか負けた気がするから」

提督「変なこだわり持ってるのは自分じゃねーか」

陽炎「同感」

提督「来月になったらちゃんと出してやるから。それまで楽しみに待ってろ」

白露「まだ結構長い…」

提督「別に待たずとも部屋の仲間で金出し合って買って置いてもいいんだぞ?」

陽炎「それも思いつかなかったわけじゃないのよ」

五月雨「それにはある重大な問題があったんです」

提督「なんだ」

陽炎「私達艦娘は四人一部屋でシェアしてるじゃない?」

五月雨「部屋のほとんどはベッドで使われているのでフリーのスペースは基本的に小さいんです」

白露「結論、置いたとしたら足の踏み場が無くなるほど部屋が狭くなるんだよね」

提督「あー…」

陽炎「そんなこたつを置けるのは司令官の私室くらい大きい部屋じゃないとね」

白露「一人部屋のくせにこんな大きい部屋使ってずるいぞー!」

提督「てめえ俺を誰だと思ってやがる。軍の一施設と戦力を任されてる司令官だぞ。この程度は上官特権の範囲内だ」

五月雨「駄目ですよ姉さんそんなこと言っちゃ!私達がこの部屋に入れてもらえるのは提督が配慮してくださってるお陰なんですからね!」

白露「う…」

五月雨「もうこの部屋に入れてもらえないなんてことになったら、嫌でしょう?」

白露「分かったよぅ…ごめんなさい」

五月雨「申し訳ありません提督…身の程を弁えない失言をして」

提督「いやいい、全く気にしてないから」

提督「それにこの程度のことで今更怒る気にもならんくらい、白露には色々言われまくってるしな」

五月雨「ええっ!」

陽炎「うん。白露とは口喧嘩みたいなことも割とよくやってるしね」

五月雨「わ、私知らないですよ!?」

提督「五月雨がその場にいない時も多かったしなー」

五月雨「もう!白露姉さん!」

白露「てへ♪」

提督「まあいいさ。こうやってお前ら駆逐艦と部屋で過ごすのは嫌いじゃないしな」

白露「ほらね!提督は白露達とおしゃべりするのがいっちばーん好きなんだよ!」

提督「おう、白露はいつも楽しませてくれるよ」

白露「えへへー、白露のこといっちばーん好きー?」

提督「いっちばーん好きだぞー」

白露「わーい、嬉しいから頭撫でさせてあげるー」

提督「おっ、ありがとな」

ナデナデ

白露「んふふ~…」

陽炎「…」

五月雨「いいなぁ…」

白露「! ねぇ陽炎のことは?」

陽炎「!? は、はぁ!?」

提督「陽炎?」

白露「うん、陽炎のことも好き?」

提督「おう、陽炎も好きだぞ」

陽炎「! ふ、ふーん。でも一番は白露なんでしょ?」

提督「何言ってんだ。陽炎もいっちばーん好きだよ」

陽炎「なによそれ、一番が二人じゃおかしいじゃない」

提督「だってなぁ、お前らに順位なんてつけたくないし」

白露「あたしも陽炎なら一緒にいっちばーんになってもいいよ?」

陽炎「そ、そう… ありがと」

白露「か~わいいねぇ~陽炎ちゅあんは~」

陽炎「うっさいわねお調子者!」




五月雨「…」ソワソワ

五月雨「て、提督…」

提督「ん?」

五月雨「あ、あの…」モジモジ

提督「どうした五月雨」

五月雨「…う、うぅ~」///

五月雨「わ、わたし…」

五月雨「わたしのこともしゅきでしゅか!?」

白露「噛んだね」

陽炎「噛んだわね」

提督「噛んだな」

五月雨「はぅっ!?」カァァ///

陽炎「さすが五月雨、ドジっ娘の定番を行ったわね」

白露「でも五月雨らしくて正直ちょっと安心した」

五月雨「うぅ~…は、恥ずかしいです…」

陽炎「ほら提督も、意地悪しないで言ってあげたら?」

提督「ああ、もちろん五月雨も、いっちばーん好きだぞ」

五月雨「ほんとですか?えへへ…」

提督「…かわいいな」

五月雨「ふぇっ!?」

提督「いや、好きって言われて嬉しそうな五月雨めっちゃかわいいなって」

五月雨「ててて提督!?」

提督「うん、かわいい」

五月雨「は、恥ずかしいですよぉ…」テレテレ

提督「かわいいから頭撫でさせてくれ」

陽炎「それが目的ね変態」

白露「変に褒めると思ったら案の定だよ髪フェチめ」

提督「いいだろかわいいのは事実だし」ナデナデサラサラ

五月雨「んぅ…」ホッコリ

陽炎「五月雨も言われるがまま撫でられてるし」

白露「好きって言えって自分から言ったくせにかわいいって言われるのは恥ずかしかったの?」

五月雨「今思えばどっちも恥ずかしいです。うぅ~…」

白露「あたしと陽炎に妬いちゃった?五月雨はかわいいねぇ~」ギュッ

五月雨「きゃっ、ね、姉さん?」

白露「お、五月雨あったか~、こりゃいいねー」ギュ- スリスリ

五月雨「も、もう、姉さんってば」

提督「あ、いいなそれ、白露それ俺にも貸してくれ」

五月雨「えええっ!?提督!?」

白露「ダメ!これは今あたしが使ってるから!」

五月雨「私は物扱いなんですか!?」

提督「ちっ、撫でてた時に確保しとけばよかった… お?」

陽炎「え?」

提督「…」

陽炎「…」

提督「come on 陽炎」

陽炎「え、やだ」

提督「なんでだよ」

陽炎「いやなんでじゃないわよ」

提督「ほら、膝空いてるぞ? 座れるぞ?」

陽炎「それは今はいいわ」

提督「抱き締めてやるし頭撫でてあげるから。陽炎これ好きだろ?」

陽炎「好きだけど今はいいってば」

提督「冷たいなぁ陽炎は」

陽炎「だって今の司令官なんかやらしいし」

提督「えっマジ?」

白露「うん、今の提督なんか気持ち悪い」

五月雨「ごめんなさい提督…私も同感です」

提督「なんだと…」

白露「うん、女の子抱き締めたくて必死に口説く男って傍目から見てどうよ?」

提督「…」

提督「ほんとだ気持ち悪っ!すまんかった陽炎!」

陽炎「い、いいわよ別に」

陽炎「…分かれば座ってあげなくもないけど」ボソ

提督「ん?なんか言ったか?」

陽炎「なんでもないわよ!」

白露「…」ニヤニヤ

陽炎「…」

白露「わー!」ギュ-

五月雨「ひゃあああ!」

提督「俺としたことがなんたる無様な…あー、お茶ぬるい」ゴク

五月雨「じゃあ淹れて来ますね。ほら白露姉さん今は離れて」

白露「はーい」

陽炎「あれ?さっき淹れた時にお茶っ葉もう無いって言ってなかった?」

五月雨「あ、忘れてた。じゃあ私アイテム屋さんまで買いに」

提督「待て五月雨、行かなくていい」

五月雨「はい?」

提督「五月雨には散々お茶汲みさせてるからな。そこまでさせるわけにはいかん」

五月雨「これくらい平気ですよ?秘書艦ですし」

提督「今は仕事中じゃない。五月雨は家政婦じゃないんだからここは俺たちに任せとけ」

五月雨「うーん…それならお願いしますね」

陽炎「そうそう、買い物くらい司令官に任せておけばいいのよ」

白露「部下の代わりに自ら寒い中おつかいに行く上司の鑑だね提督は」

提督「おい待て、五月雨の代わりにおつかいに行くのはお前らも候補だからな」

白露「ええーーーやだー」

陽炎「そこは司令官が行くとこじゃないの!?」

提督「自分を差し置いて当たり前のように上官をおつかいに行かそうとするんじゃねぇ!じゃんけんするぞ!」

提督「くそ…白露なら初手はチョキで来ると思ったんだが…」ゴソゴソ

陽炎「早く帰ってきてよね」

提督「寂しいから?」

陽炎「バカ!風邪ひかないうちにってことよ!」

五月雨「お母さんみたいですね」

白露「いや、恋女房にも見て取れる」

陽炎「うるさいわよそこの白露型」

提督「ついでに適当にお菓子でも買ってくるわ…うーさぶっ」ガチャ バタン

白露「いってらー」

陽炎「あら?何してるの五月雨」

五月雨「提督が帰ってくるまで軽く片付けでもしておこうと思って」

白露「もー五月雨は。そんなことしなくていいのに」

五月雨「提督をおつかいに行かせてますから、これくらいしないと申し訳なくて」

陽炎「もうあんたって娘は…私も手伝うわ。白露もさっさと立ちなさい」

白露「やれやれ良い妹を持って幸せ者だねあたしは」

五月雨「ありがとう、じゃあ陽炎ちゃんはあっちで白露姉さんは…」

白露「しっかしなんで提督の部屋は片付けてもすぐ汚くなるんだろうね。あ、また飴の包装落ちてた」

陽炎「あの司令官が片付けられないタイプの人だからでしょ。なんで空き箱がここにあんのよ」

五月雨「でも執務室のデスク周りとか書類整理はとっても綺麗なんですよ?」

五月雨「それだけじゃなくて仕事の効率的なやり方も知ってて、事務を終わらせるのはすごく速いんです」

陽炎「知ってる。私達に仕事の基本教えてくれたのは司令官だし」

白露「でもちょっと仕事から離れたらこの有様なのはどうなの?多分どの艦娘の部屋よりもいっちばん汚いよ」

陽炎「本人はオンオフの切り替えって言ってるけど、こう極端なのも考えものね」

白露「ん?なにこれ」

五月雨「どうしたんですか?」

白露「髪の毛落ちてた。なんか変わった色の」

陽炎「赤っぽいわね。うちの嵐かしら?」

五月雨「とても長いですし、江風ちゃんかも」

白露「いや、どっちかといえばピンクっぽいし、うちの春雨かも」

五月雨「他のピンクの髪の娘といえば卯月ちゃん、子日ちゃん、漣ちゃんあたりですね」

陽炎「誰かしら…」

「「「…」」」

白露「なんかこれって夫の浮気相手探してるっぽくない!?」

陽炎「ちょっと思ったけど口に出して言うなバカ!」

五月雨「夫…提督が…えへへ…」

白露「あれ?五月雨?」

五月雨「あ、でも浮気…ふえぇ…」グスッ

陽炎「ちょ、ちょっと五月雨!白露あんたのせいなんだからなんとかしなさい!」

白露「ストーップ五月雨!妄想を今すぐやめて!お姉ちゃんのお願いだから!」

五月雨「ごめんなさい…なんだか悲しい気持ちになっちゃって…」

白露「よしよし、五月雨は悪くないよー、悪いのは提督だからねー」

陽炎「いや司令官も悪くないでしょ実際」

白露「どんな方法であれ五月雨を泣かしたんだから提督が悪い!帰ってきたらとっちめる!」ドン!

五月雨「だ、ダメですよ姉さん!訳も分からないのにそんなことしたら提督がかわいそうです!」

白露「もー五月雨は優しすぎるよー」

陽炎「よく見ると女の子の物っぽいものもいくつかあるわね」

五月雨「そうだね、このヘアゴムとかも誰かが置いて行ったのかな」

陽炎「梳き櫛がいっぱいあるわ。もしかして艦娘ごとに違う櫛で髪いじってるのかしら」

白露「あ、このゲーム機の横のマット、もしかして舞風が買ったって言ってたダンスゲームのコントローラーじゃないかな」

陽炎「どうやら部屋が散らかる理由は提督だけじゃないようね」

白露「どんだけ部屋に女の子連れ込んでんだあの提督」

五月雨「その言い方は悪いですよ姉さん、みんな私達みたいに自分から遊びに来てる娘ばかりです」

白露「まあ、そうだろうね。あたし妹全員から提督の部屋に行ったって聞いたことあるし」

陽炎「あたしもよ。次女から末っ子まで全員司令官の部屋で遊んだって」

五月雨「吹雪ちゃんや他の型の娘たちも前にそんなこと言ってた気がします」

「「「…」」」

陽炎「ここ遊び場?」

白露「幼稚園とか児童公園とかそんな感じの…」

五月雨「それ私達にも跳ね返ってきますからね二人とも」

ガチャ

白露「あ、帰ってきた」

五月雨「おかえりなさいていと…」

「あなたーでいーてねー♪」

提督「まけないでーもーおーすこしー」

「さーいぃごまで、はしりぬーけてー♪」

提督「どんなにはーなーれーててもー」

「こーこぉろはそーばーにいーるわー♪」

「「おーいー、かけーてはーるーかーなーゆぅーうめをー♪」」

提督「よっと」ストン

白露「…」

陽炎「…」

五月雨「…」

提督「なかなかうまいじゃないか」

「ありがとう。礼はいわん…」

提督「言ってるし」

「あっ… ふっ、たまには口にするのもいい…」

五月雨「あの、提督…?」

提督「あ、ただいま五月雨。これお茶とお菓子入ってるから頼む」ガサッ

五月雨「あ、はい。…じゃなくて」

白露「提督それどしたの」

提督「ん?」

陽炎「その運んできて膝に乗せたのよ」

提督「これ知らない?」

白露「いやそういうことじゃなくて」

提督「これ、なんだと思う?」





提督「これね、睦月型の9番艦」

菊月「菊月だ。共にゆこう」

陽炎「いやどこによ」

今日はここまで

今日はここまで

五月雨「どうして菊月ちゃんが?」

提督「さっきは陽炎に気持ち悪がられて抱き締められなかったからな」

提督「何か代わりにならないかと思ってたらちょうどいいのが落ちてたから拾ってきた」

菊月「司令官に拾われたぞ」

白露「いやそんな綺麗な石見つけたような感覚で拾ってくるものじゃないでしょ」

提督「綺麗な物見つけたってのは合ってるかもな。菊月の髪銀白ですごく綺麗だぞ」サラサラ 

菊月「むぅ…くすぐったいぞ司令官…」

菊月「だが悪くない…」

白露「この娘も落ちてんのか。なにこの提督」

提督「まあ抱き締めたいから拾ったというのは冗談だ」

陽炎「冗談だったんだ」

白露「この提督ならガチの理由だと思ってたけど」

提督「張り倒すぞ。今我が鎮守府の艦娘はローテーションで北方海域に行ってるだろ」

白露「うん、やってることはサンマ漁だけど」

陽炎「私も昨日行ったけど黒潮と磯風のテンションがすごかったわ」

提督「今日も大勢そこに出してるわけだが、偶然にも睦月型は菊月以外全員が出撃している」

白露「あー」

陽炎「なるほどそういうことね」

提督「一人で海見ながら歩いてたからさ、連れてきたんだ」

菊月「む…この菊月、別に寂しくなど…」

提督「部屋に来るか?って聞いたとき超明るい顔になった奴が何を言うか」

菊月「…ありがとう。実は寂しかった…」ギュッ

白露(かわいい)

陽炎(かわいい)

提督「よしよし」ナデナデ

陽炎「よしよし」ナデナデ

白露「あっ! ずるいあたしもー!」

五月雨「お茶淹れてきました…みんななにしてるんですか?」

白露「菊月を可愛がってる」ナデナデ

 
陽炎「もー強がって無理しちゃ駄目よ?」ナデナデ  

菊月「うぅー、なんなのさっ」///

提督「ほらもうその辺にしといてやれ」

菊月「むぅ、髪が乱れてしまった。司令官なんとかしてくれ」

提督「おう」クシクシ

菊月「ん…」

白露「わー気持ち良さそうな顔」

五月雨「珍しいですね菊月ちゃんのこんな様子は」

陽炎「普段クールぶってるけど中身は仔犬みたいなもんよこの娘」

菊月「あまり見ないでくれ… ところで先程五月雨が普通にお茶を運んできたがそういうものなのか?」

五月雨「はい?」

提督「どういうことだ?」

菊月「いや、五月雨はお茶を運ぶと決まってぶちまけると聞いていたのだが」

五月雨「ええっ!?」

陽炎「あー」

白露「あながち間違ってないかも」

五月雨「二人ともひどい!?」

提督「それは違うぞ菊月。たしかに以前までそういったドジは人より多かったが、今は五月雨もしっかりしてきて気をつける事を覚えている」

提督「現にドジやミスは今は確実に減っている。これは自分の悪い点を克服しようとした五月雨の努力の賜物だ。こういう所は見習うに値すると思うぞ」

五月雨「提督…ありがとうございますっ」

白露「おおー」

陽炎「司令官もたまには良いこと言うじゃない」

提督「たまにはは余計だ陽炎」

菊月「そうだったのか…じゃああの噂もどこかで尾ひれが付いたのかもな」

提督「噂?」

菊月「五月雨秘書艦はお茶を淹れて運ぶと必ず転んでお茶を湯のみごと司令官にかけ、司令官に淹れたお茶を飲ませた事は一度もないという話だ」

五月雨「えええっ!?」

菊月「来客がいる時に複数のお茶を運ぶ際にも同じ事をして、その時は鎮守府名物『お茶の五月雨』を見ることができるという話もある」

五月雨「」

白露「いやいや」

陽炎「いくらなんでも誇張しすぎでしょ」

提督「そんな奴にお茶汲み続けさせるわけねーだろ。秘書艦も外すわ」

菊月「うむ、私もいくらなんでもと思っていたが、よく考えなくとも司令官の言う通りだ」

五月雨「」

五月雨「…はっ」

五月雨「そうですよ!確かに私はドジが多いですけど、それは盛りすぎです!昔でもそこまでお茶を運ぶ時に転ぶことはなかったです!」






五月雨「転んで提督にかけてたのはせいぜい三回に一度程度です!」

提督「超頻繁にやってんじゃねーか」

提督「そーだ思い出した、俺がまだ着任したての頃はこれがあったから執務室に着替え常備してたんだ」

陽炎「日常茶飯事だったものね。五月雨がお茶運びを失敗するのは」

白露「あの頃と比べたらほんと成長したよね五月雨」

五月雨「あの頃はいつもご迷惑をおかけしました…」

提督「まあいい、今となっちゃそれも良い思い出だ」

提督「何度かけられても成長を信じてお茶汲みをさせ続けた甲斐があったもんだ」

陽炎「あっ、思い出した!確かその頃執務室の机に傘立ててたわよね」

白露「あー、あったあった! 懐かしいなー」

菊月「傘…? それはお茶を防ぐための?」

提督「そうだ。まさに噂のお茶の五月雨に頻繁に見舞われてたからな。その対策だ」

五月雨「お茶の五月雨って名前もう色んな人に認知されちゃってるのかな…」ガクリ

菊月「そんなものがあったのか。私は見た事がないが」

提督「菊月が着任する前に撤去したからな。五月雨の成長を認めた証として」

提督「これを知ってるのは初期に長く務めた五月雨、陽炎、白露、吹雪だけだ」

菊月「古参の四人だな。そういえばこの場に吹雪だけ見当たらないが」

陽炎「司令官、今日の吹雪の予定は?」

提督「訓練指導。新入りの妹の浦波の教導艦をさせている」

五月雨「わー…この寒い中吹雪ちゃんも浦波ちゃんも大変だなぁ…」

白露「吹雪たちも出撃してるみんなも御愁傷様だねぇ」

提督「他人事じゃないぞ白露、お前明日秋刀魚漁任務だろ」

白露「げっ、そうだったー!陽炎代わってーっ」

陽炎「真っ平御免よ!私だって昨日すっごく寒い中行ってきたんだからね!」

白露「じゃあ五月雨ー!」

五月雨「ええっ!秘書艦の引き継ぎ準備何もしてませんよ!?」

白露「菊月…」

菊月「私も秋刀魚漁任務の予定だ。今日は姉妹達が頑張っているから明日は私の番だ」

白露「ううー、提督なんとかなんないのー?」

提督「諦めろ。今日非番だった分明日はちゃんと仕事するんだ」

白露「お願い!髪触らせてあげるから!」

提督「なるほど、それは魅力的な交換条件だな」

白露「えっ、マジで?」

陽炎「司令官?」ジト

五月雨「提督…」

提督「そんな目すんな!冗談だ!仕事に関しては己の趣好に左右されたりはしないからな白露!」

白露「ちぇー、ダメかー」

提督「それに今は間に合ってる」ナデナデ

菊月「司令官?」

提督「菊月の髪は綺麗だなー、サラサラで良い匂いするし」

菊月「し、司令官、それは恥ずかし…」

提督「菊月あったかくてやわっこいし」ギュ-  

提督「陽炎の代わりじゃないけど、やっぱり持ってきて正解だったわ」モフモフ

菊月「むぅ、司令官が良いなら別にいいが….」

白露「うわー絵面が犯罪的だよ提督」

提督「何言ってる、お前にも似たような事やってるだろ」

白露「いやそうなんだけどさ、菊月くらい小さい子でやるとなんか…」

陽炎「…」

菊月「ところで司令官、歌の事なんだが」

提督「ん?ああ、どうすっかなぁ」サラサラ

五月雨「歌?」

提督「菊月に会ってここに戻る間に菊月と話をしててな」クイクイ

提督「陸上での訓練の後半、みんながラストスパートでやる気を出すにはどうしたらいいかという話になったんだ」

菊月「卯月や皐月、望月が後半でやる気を失うことが多いからな」

提督「それで応援歌を歌ってはどうかと
結論が出て、その選曲をしてた」シュル

五月雨「お戻りになった時歌ってた「負けないで」ですか?」

提督「おう、どうだ?」

白露「え、やだ」

提督「えっ」

白露「それへとへとになって走ってる時とかに提督が歌ってくるんでしょ?」

提督「そうだが」

白露「想像したらすごい嫌なんだけど」

提督「なんでだよ」

陽炎「ただでさえ走るのに必死なのに司令官が女性の歌で応援してくるとか多分ウザいと思うわ」

提督「えええ」

白露「そんなことしてる暇あんなら代われとか思うかも」

提督「じゃ、じゃあ演奏するとかどうだ?例えばヴァイオリンとか」

白露「ヴァイオリンで応援て」

陽炎「司令官ヴァイオリンなんて弾けるの?」

提督「…並には?」

陽炎「信用できないわね、却下」

五月雨「わ、私は良いと思いますよ?提督が自ら応援してくださるんですから、きっとみんなもやる気を出してくれます!」

提督「五月雨は優しくて良い子だなぁ…」クイクイ

提督「というわけで菊月、応援歌ではなく他の手を考えたほうがよさそうだ」パチン

菊月「そうか。ところで司令官は先ほどから何をしてるんだ」

提督「これか。菊月の髪を一本に編み込んでた」

菊月「なっ、勝手になにをっ…」

提督「これを肩越しに前に出せば、どうだ?」

陽炎「あら似合うじゃない」

五月雨「菊月ちゃん可愛いよ!」

白露「似合う似合う、時雨と似た髪だね」

菊月「そ、そうか?しかし三つ編みなど子供っぽくないか…?」

提督「ああ大丈夫だ。三つ編みは強く締めずにほぐして大きめに仕上げるとな、ゆったりして大人っぽく見えるんだよ」

白露「なんでそんな知識あんの「髪が好きだからだ」 わお、単純明快」

五月雨「うん、今の菊月ちゃん、落ち着いた雰囲気があります」

陽炎「銀白の髪だとどこか神秘的にも見えるわね」

白露「いいなー、提督あたしにもそれしてよ」

提督「時雨くらい伸ばしてきたらいいぞ」

白露「やっぱそれかー、アイテム屋に一瞬で伸びる育毛剤とか無いかなー」

提督「ねーよ。それに育毛剤なんて若い艦娘ばかりのここに需要無いだろ」

白露「え?提督が」

提督「無い!この歳であってたまるか!」

菊月「大人っぽい、か…」

提督「菊月もこういうことに興味無いわけじゃないだろ? 女の子は色々試して楽しめばいいんだから」

菊月「いや、私の柄じゃないというか… 卯月や皐月にからかわれそうでな…」

提督「あいつらか…大丈夫だ。今の菊月はからかう隙もないくらい本当に似合ってるから」

菊月「そうなのか?」

提督「もちろんだ、他の姉妹だって絶対褒めてくれる」

白露「菊月ちゃん似合ってるにゃしい!とか」

陽炎「髪型変えたんだ、かわいいね! なんてね」

五月雨「えと…ふわぁ~、菊月ちゃんかわいい~」

菊月「…ふふっ、睦月と皐月と文月だな。確かにそんな風に言いそうだ」

提督「ぷっぷくぷぅ~、菊月が可愛くなっててうーちゃんびっくりしちゃったぴょん!(高音)」

「「「「…」」」」

提督「えっ」




陽炎「きっもーい!」

白露「きっもーい!」

五月雨「提督ごめんなさい! き、きっもーい!」

菊月「あなたって、キモいのね!」

提督「そのノリ分かるのかよ菊月」

今日はここまで
先日うちに山風が来てくれました。この子いいですね、適度に情緒不安定で庇護欲を誘って
この子でSS書きたい

白露「ごめんってばていとくー」

陽炎「私も謝るからどうか機嫌直して…」

五月雨「ごめんなさいごめんなさい提督!悪ふざけが過ぎました!」オロオロ

菊月「お、おい、窮屈だぞ司令官」

提督「なんだよなんだよ。女の子にキモい呼ばわりされて男がどれだけ傷付くか分かるもんかよ」フテネ-

白露「だってあれは流石にダメだよ。卯月に謝ったほうがいいレベルで」

陽炎「アンタは謝るか追い打ちかけるかどうしたいのよ」

提督「いいよいいよ。菊月を抱き枕にして髪の匂いかいでふて寝してりゃ気がすむから。お前ら邪魔すんなよ」ギュ-

菊月「あんまり力を入れないでくれ、苦しいぞ」

提督「お、すまん」

五月雨「あわわわ、どうしましょう提督が機嫌を損ねて菊月ちゃんが抱き枕にされちゃいました」

菊月「司令官、頭の下に腕を置いてくれ。寝づらい」

提督「おう」

白露「いやもういいよ。なんか二人とも役得みたいだし。しかも菊月は腕枕要求したし」

提督「あー… 菊月はやわっこくてあったけえな、そんで髪は綺麗でいい匂いだし」

菊月「むう、恥ずかしいぞ司令官…」

陽炎「…」

陽炎「…五月雨、ほら、時間よ」

五月雨「え?あ、ほんとだ。…こほん」

五月雨「提督、秘書艦として提督に時間報告をいたします」

提督「ん、頼む」

五月雨「時刻は一七〇〇」

五月雨「全艦娘の本日の軍務終了時間です。同時に出撃している艦娘の帰投予定時間となります」

菊月「本当か!」ガバッ  

提督「あっ」

五月雨「あ、はい、サンマ漁に出ている菊月ちゃんの姉妹も帰ってくると思いますよ」

菊月「そうか、すまん司令官、みんな、今日は感謝する」ダダッ バタン 

五月雨「菊月ちゃん行っちゃいましたね」

白露「よっぽど姉妹がいないのが寂しかったんだねー、尻尾が付いてたらみんな帰ってきた時にすっごい振ってそう」

五月雨「ふふっ、容易に想像できます」

提督「よっこいしょ…ちぇー、良い抱き枕で寝れると思ったんだが」

白露「そもそもなんで菊月は嫌がらなかったの?前はもっと抵抗の強い子だったのに」

提督「頭撫でて褒めてただけだ」

白露「飼い慣らしたと、うちの夕立みたいに」

提督「人聞きの悪い事を言うんじゃねぇ」

提督「あーなんか人寂しい。五月雨膝に来るか?」

五月雨「えぇっ、あ、あの…」///

白露「ダメだって提督、五月雨や吹雪は真正面からそう言ったって来れないんだから」

提督「ああ、そうだったな」

陽炎「…」スッ

提督「ん?」

陽炎「…」チョコン

提督「お」

白露「おや」

五月雨「え」

陽炎「何よ、人寂しいんでしょ? それとも私じゃ不満?」

提督「そんなことないが…どうしたんだ?」

陽炎「別に」

白露「もしかして陽炎、ずっとそこに入りたかったんじゃないの?」

五月雨「そうなの?陽炎ちゃん」

陽炎「…」

白露「提督が抱き締められなかった代わりに菊月拾ってきたって言った時、惜しそうな顔してたじゃん」

陽炎「…私だってこうするの好きだし」ギュ スリスリ 

提督「そうだったのか。俺の膝はいつだって大歓迎だぞー」ナデナデ 

白露「提督は役得なだけじゃん。それにしたって陽炎はもう少し素直になってもいいんだけどねー。提督は怖くないんだから」

提督「俺は犬じゃねーぞ」

陽炎「…」スリスリ

提督「…陽炎さっきから何やってるんだ」

陽炎「…匂い」スリスリ

五月雨「匂い?」

陽炎「司令官に菊月の匂いがいっぱいついてて、なんか気になる」スリスリ  

提督「え?菊月ってそこまで強い匂いじゃないだろ?」

陽炎「強い匂いってわけじゃないのよね。微かな移り香って感じ」スリスリ

提督「っていうかお前、自分の匂いを上書きしてんのか?」

白露「どれどれ」クンクン

提督「うおっ」

白露「うーん、言われなきゃ分かんないけど、菊月の匂いは付いてるかな?」クンクン

五月雨「私も失礼します… 菊月ちゃんっぽい匂いがしますね」クンクン

提督「お前ら分かるのかよ!? 夕立の姉妹艦だからか!?」

白露「いやあの娘はガチで犬っぽいだけだから関係ないと思う」

五月雨「…」クンクン

陽炎「まだ消えないわね。大分長い時間膝に乗せてたからかしら」スリスリ

提督「陽炎そこまで匂いを消したがるってお前菊月のこと…」

陽炎「まさか。あの子は好きよ。頑張り屋でとってもかわいいし」

陽炎「でも今だけはここを自分の場所にしたいって感じなのよね」」

白露「えっ、それ独占欲強くない?なんか怖い」

陽炎「失礼ね!今だけって言ってるじゃない!」

五月雨「…」クンクンスリスリ 

提督「それで自分の匂いを擦りつけてると、猫みたいだなお前」

陽炎「ちょっと司令腕上げて、こっちも気になる」スリスリ
 
提督「うわっ! おい脇腹はこそばゆっ」

五月雨「…」スリスリ

提督「!? 五月雨なにしてるんだ!?」

五月雨「…はっ、す、すみません…」パッ

五月雨「…すみません!」スリスリコシコシ

提督「なにがだよ! まさかお前もか!? 自分の匂い擦りつけてんのか!?」

白露「ずるーい!あたしも混ぜろー!」ギュ

提督「こ、こら白露!」

白露「あたしもいっぱい匂いつけてマーキングしてやるー!」コシコシ

提督「目的変わってんだろ! 陽炎もうその辺で我慢しとけ!」

陽炎「ちょっと動かないで!」スリスリスリスリ  

提督「夢中になってんじゃねーよ!五月雨も!」

五月雨「こっちも…まだ匂い付けてないかな…」コシコシ

提督「ダメだマーキングが目的になってる!やっぱり夕立の姉妹か!」

白露「なんか楽しくなってきた! この辺あたしのナワバリー♪」

提督「人の体に縄張りをするなよ! お前ら何がしたいんだ!」

陽炎「匂い気になる」

五月雨「なんだかこうしなきゃって…」

白露「自分のゾーン作るってなんか楽しいよね!」

提督「人の体で勝手なことをするんじゃない!ああもう一旦離れて…」


吹雪「…何してるんですか…」

「「「「!?」」」」

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2016年11月15日 (火) 17:09:02   ID: oyc97VjV

かわええ

2 :  SS好きの774さん   2016年11月16日 (水) 21:01:31   ID: hmtd6qT5

最後ミキプルーンの苗木やんかwwww

3 :  エルニーニョ現象   2016年11月27日 (日) 00:23:32   ID: T-xloGax

あなたってキモいのねww

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