西住みほ 「 ミスト、ですか? 」 (219)


ザーッ

みほ「雨、止まないね」

沙織「みぽりん、今日は模擬演習止めとく?」

みほ「そうだね、風も強いし、みんなに言っておこっか」

沙織「うん、わかった、それじゃあ私からみんなに言っておくね!」

みほ「ありがとう、沙織さん」


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沙織「今後の日程もあるだろうから、一回格納庫に集まる方がいいかな?」

みほ「そうだね、今から集まってもらおっか」

沙織「私は少し用事してから行くね、5分くらい遅れるかも」

みほ「わかった、それじゃあ先に行って待ってるね」

沙織「うん、それじゃあまた後でっ」


みほ「今日の模擬戦が出来ないとなると、これからの日程は...」ブツブツ

みほ「明日使って、休日にあのメニューを...っと」

みほ「あれ、晴れてきちゃった、まあでも、またすぐに雨、が...」

みほ「...なんだろう、あの、霧」


杏「お、西住ちゃん、きたきた」

みほ「すいません、ちょっと遅れてしまって」

麻子「沙織はどうした」グテー

みほ「ちょっと用事で遅れると」

そど子「レオポンも遅れるって聞いたわよ」

桃「全く!けしからん奴らだ!」


みほ「すいません、私が急に呼んだばかりに」

杏「他の子は集まってるんだし、始めちゃえばー?」

みほ「そうですね、では、今後の予定について」

ウウゥゥゥゥゥ――

みほ「話し...て...」


華「サイレン、でしょうか」

そど子「防災無線、よね、何かあったのかしら」

桂利奈「わぁぁぁ、初めて聞いたぁ!」キャッキャッ

梓「か、桂利奈、騒いじゃダメだよっ」キラキラ

みほ「ど、どうしたんでしょうか...」

麻子「...なんだ、あの霧」


ツチヤ「た、助けて...っ!」ゼェゼェ

みほ「ツチヤさん?あ、あの、何があって...」

ツチヤ「...ぃる」

みほ「え、あの、なんて」

ツチヤ「霧の中に、何かいるっ!」


優花里「な、何かって、なんのことでしょうか」

ツチヤ「とにかく、中に何かいる!」

ツチヤ「早く!早くシャッターを閉めて!」

そど子「何かってなによ!そんな抽象的じゃ伝わらないわ!」

そど子「分からないなら私が見てくるから!」ダッ

ツチヤ「あ、待って!ダメ!いったら...っ!」


そど子「きゃああああああああああああああああああ!」

みほ「ひっ」ビクッ

そど子「いやあああああああああああ!あああああああああ!」

そど子「ああああああああ、あ」ビチャッ

華「な、なにが、なにが起きて...」


ツチヤ「シャッター!早く!」

桃「っ、仕方ない!」ガララッ

ガシャーン

みほ「.........」

妙子「な、なに、どうなってるの、やだ、やだぁ...」


麻子「おい、そど子を助けに行った方が良いんじゃないのか」

梓「で、でもあの霧の中には、それこそ」

麻子「まだ何があったかもわからないだろっ!」

梓「ひぃっ、ご、ごめんなさい!」

杏「...ほら、みんな、落ち着いて、一回、落ち着こう」


杏「何があったのか、推測でしか今は言えない、だから」

杏「とにかく今は落ち着い、ひっ!」グラッ

みほ「きゃあああああああ!」グラグラグラ

優花里「じ、地震です!皆さん頭を守って!」グラグラグラ


あゆみ「や、止んだ...?」

桃「どうなってるんだ!くそっ!どうしたらいい!」

桂利奈「うわああぁぁん!帰りたいよぉぉぉ!」

ザワザワ

典子「.........」

典子「...これは、死だよ」


優花里「あ、あの!」

みほ「あ、秋山さん、どうしました?」

優花里「わ、私、家族が心配です」

優花里「家まで、様子を見に行きたい、です」


桃「それは、あの霧の中に入る、ということか」

優花里「で、ですから、誰か一緒に来てください」

華「.........」

みほ「...えっと、その」

優花里「お願いします、誰か、ついてきてください」

優花里「だ、だれか...」


「.........」

優花里「そう、ですよね、仕方ない、ですよね」

優花里「私、一人で、行ってきます」ダッ

桃「おい!シャッターを開けるな!」

優花里「隣の小さな扉から出るだけなので、大丈夫、ですよ」

優花里「皆さんと、会えることを祈っておきますね」ポロッ


みほ「秋山さん!まって!」

優花里「それでは」ガチャッ

みほ「あ、秋山さんっ!」ダッ

華「みほさん!」ガシッ

みほ「華さん!秋山さんを追いかけなくちゃっ!」

杏「西住ちゃん、落ち着こう、外に何かいる、それだけは本当だよ」


みほ「でも!」

桃「西住の言うことも分かる、だが、今は秋山の無事を祈るしかない」

みほ「...っ、わかり、ました」

麻子「.........」

麻子「...沙織」


杏「みんな、聞いてほしい」

杏「色々と思うことはあると思う、推測するしか出来ないこともある」

桃「ただ、外には何かいる、これは、今一番可能性の高いことだ」

桃「無意味に外に出ず、中で助けを待っていよう」

梓「あ、あの、助けって、いつになれば...」

杏「分からない、でも、今は待つしかない」


典子「会長!徹底抗戦ですよ!せっかく、格納庫には戦車があるんですから!」

杏「相手が、戦車で打ち倒せるとは限らない、それは、最後の手段にしよう」

典子「大丈夫です!根性でどうにかなります!」

桃「今はまだ様子を見ろと言ってるんだ!」


典子「.........」ギリッ

桃「.........」イライラ

柚子「と、とにかく今はみんな落ち着こう」アセアセ

華「私達、どうなるんでしょうね...」

みほ「.........うん」


桃「しかし、ここの電気は生きているんだな」

柚子「ええ、元々戦車道の為に作られた高校だから」

柚子「不測の事態にも対応できるよう、発電機が裏にね」

桃「なるほどな、そういうわけで、うわっ」バチッ


あけび「て、停電ですか」

杏「まずいね、この状況で停電になると、みんなの不安が一層」

みほ「あ、あの、私、裏の発電機のところ見てきますね」

桃「そうだな、発電機のところに扉がある、そこから様子だけでも見てこれるか」

みほ「分かりました、大丈夫そうなら、皆さんに手伝ってもらうかもしれません」

桃「分かった、じゃあ、頼んだぞ」

みほ「はい」


みほ「確か、この辺に、あった、この扉だ」

みほ「っと、なんか焦げ臭い、もしかして、ショートしちゃった?」

みほ「それなら、外の配盤をみ、て...」

ドア「」ガンッ ガンッ

みほ「え、え、な、なに、誰かいるの」


ドア「」ガンッ ガンッ

みほ「あ、あの!誰ですか!」

ドア「」

ドア「」ガンガンガンガン

みほ「ひっ!」ダッ


桃「本当なんだな、扉の前に何かいたと」

みほ「はいっ、扉を何度も何度も攻撃していて」

杏「だとしたら、ちょいとまずいかもしれないねぇ」

みほ「ほら、見て下さ...あ、あれ?」

ドア「」


みほ「ち、違うんです!本当にさっきまでは、あの扉が」

杏「まあまあ、今はいないってことだろうし、鬼のいぬ間に、ってね」

桃「そうですね、みんなの恐怖が増幅する前に、早く電気を」ガチャッ

みほ「っ、あ、あれ」

桃「ほら、何もいないじゃないか、まあ何も見えないけどな」

みほ「そ、そうですか、それなら、よかったで、す…」ハッ


杏「河嶋!後ろ!」

桃「え、うわああああああああ!」ガシッ

触手「」ウネウネ

みほ「きゃあああああああ!」

杏「西住ちゃん!河嶋引っ張って!」


桃「くそ!離せ!くそ!くそ!」

触手「」ペタッ

桃「っぁ、ぎゃあああああああああああああああああ!」

杏「河嶋どうし、た...」

触手「」ニクヘンベッタリ


みほ「いやあああああああああああああああああ!」

桃「たす、たすけて!会長!会長!たすけ」

触手「」ペタペタ

桃「ぎゃああああああああああああああああああ!」

杏「か、かわしま...」ガタガタ

みほ「あ、いや、こないで、いや、いやああぁぁぁ...」


桃「ああああああ、あ、あ、あぁ、ぅぁ」

触手「」グルグル

桃「ああぁぁぁぁぁぁぁ...... ...  」ズルズル

扉「」ガチャンッ

みほ「うそ、ゆめだ、ゆめだよ、いや、いやぁ...」

杏「あ、あぁ、うああああああああああああああ!」

就寝します昼か夕方また来ます金曜までには終わらせます
失礼します


柚子「そ、んな、桃ちゃんが...」

杏「すまない、すまない、本当にすまないっ」ポロポロ

みほ「.........」

華「みほさん、気を、落とさないでください」

みほ「う、ん」


典子「戦うしかない!根性で相手を倒そう!」

典子「自分達の戦車を信じて相手を打ち破ればいい!」

妙子「キャプテン、相手が戦車で倒せるか分かりませんよ」

あけび「でも、それも一つの手かもしれないですね」

ツチヤ「失敗したら逃げ場がなくなるかもしれないのにっ!」


麻子「まだ、外で逃げてるやつもいるかもしれない、だろ」

優季「外のこと何も分かってないんですから、まずは様子を見て」

梓「もう待つのも限界だよ!」

桂利奈「じゃあどうすんの!」

エルヴィン「私が偵察に行く!」


カエサル「なっ、本気か!」

エルヴィン「こうなっては、誰かが行くしかないだろう」

エルヴィン「私はプラウダ戦であの銀世界の中を偵察したんだ」

エルヴィン「任せてくれ、最前線は慣れっこさ」

みほ「エルヴィンさん...」


おりょう「…ここで行かねば、時代の先駆者を支えるソウルネームが廃るぜよ」

左衛門佐「政宗公は、いつだって大きな壁を乗り越えてきたからな」

カエサル「やれやれ、リーダーが動かぬ軍は好きではないからな」

エルヴィン「みんな...」

カエサル「カバさんチームはいつだってカバさんチームだ」

カエサル「どんなことになってもこの4人で行こう、賽は投げられた、だ」


杏「本当に、いいんだね」

エルヴィン「ええ、誰かがしないといけないことですから」

杏「ありがとう、それじゃあ、頼みたい」

みほ「あ、あの」

エルヴィン「ん、どうしたんだ、隊長」


みほ「どこまで行ったか、その、あの、行動範囲が目に見えないので」

みほ「このロープをつけて、行って、もらえますか」

カエサル「なるほど、確かにそれは良い案だな」

エルヴィン「わかった、任せてくれ、やるからには徹底的にしよう」

みほ「すいません、お願いします」


エルヴィン「それじゃあ、行ってくる」

カエサル「扉を開けた先に、確か渡り廊下があったはずだ」

おりょう「渡り廊下の先は見知った校内ぜよ」

左衛門佐「何も恐れることはないな、そこは我らの戦場だ」

エルヴィン「戦場の霧は晴れた、だな」


みほ「気を付けてくださいね」

エルヴィン「ああ、もちろんだ、っと、そういや」

エルヴィン「これ、誰か持っていてくれないか」

華「...まあ、銃、ですよね」


エルヴィン「ああ、風情が欲しかったから、F型の中に飾っておいていた銃でな」

エルヴィン「観賞用ということだけど、一応まだ現役だ、弾もこれだけある」

エルヴィン「隠れて数回撃っただけだが、使えることは確かだったから」

エルヴィン「そうだな、最強の砲手だから銃だってきっと使えるだろう」


華「そ、そんな簡単には...」

エルヴィン「大丈夫、きっと使いこなせる、これでみんなを守ってくれ」

エルヴィン「それじゃあ、行ってくるからな」ガチャッ

みほ「はい、お気をつけて」


みほ「.........」スルスル

杏「西住ちゃん、どう」

みほ「ええ、何もないようです、正常です」

みほ「あれ、少し早くなった、走ってるのかな...っうわ!」


柚子「な、なにそのロープの速さ!」

みほ「分かりません!みんなでとめ、っ!」

華「みほさん!大丈夫ですか!」

妙子「グローブをつけて、みんなで止めましょう!」

ねこにゃー「今こそ私達の出番にゃ!」

ぴよたん「力強すぎだっちゃ!」


みほ「っ、動きが、なくなった」

華「一度引っ張ってみましょう、何か、分かるかもしれません」

みほ「う、うん、わかった、引っ張ってみるね」スルスル

みほ「...っ!」

杏「こ、これって、血だよね」


柚子「あ、あのロープの先に付いてるのって」

エルヴィン「」グチャッ

華「きゃああああああああああああああああああああ!」

みほ「んぷっ、おぇ、おえぇぇぇ」


ツチヤ「扉閉めなよ!早く!」

柚子「わ、わかった!」ガチャッ

麻子「...中が安全なら、中でいるのが一番いい」

杏「...今日はもう、何も考えないでいよっか」

みほ「う、うぅ、うぅぅぅぅぅ...」ポロポロ


華「みほさん、みほさん」

みほ「ん、う、どうしたの、華さん」

華「なんか、変な虫が窓に止まってるんですよ」

みほ「変な虫?」

華「何か、光に集まってるらしいです、ほら」


みほ「うわ、ホントだ、気持ち悪いね」

梓「うわぁ、光ある場所に集まってくる、きもちわるー」

あや「とか言って梓、目キラキラさせてんじゃん」

梓「そ、そんなことない、きゃあ!」バリッ


ツチヤ「なに、どうしたの!」

梓「何かが窓に突っ込んできてっ」

あゆみ「梓しゃがんで!」

梓「え、きゃあああああああああああ!」パリン


杏「どうした!何があっ、た...」

翼竜「」バサバサ

虫「」ブゥン

柚子「ひっ、あ、あ、あぁ」

柚子「きゃああああああああああああああああ!」


桂利奈「やだああああああああああああ!」

桂利奈「虫きもいきもい!寄んないでよ!」

桂利奈「っ!いた、刺され、た、あ、ぇ」

桂利奈「っ...ぁ...」ドサッ


ももがー「この!この!この!」

ももがー「た、倒せた!私にも倒せた!やった!」クルッ

翼竜「」キシャー

ももがー「...っぁ」

翼竜「」グチュッ

ももがー「ぎゃああああああああああああ!」


典子「ぁ、ぅ、っあ」

虫「」ジロジロ

典子「や、やれるもんならやってみろ、ほら!」

虫「」ヨジヨジ

典子「ひぃっ、うあ、あ、あ、ああぁ...」


みほ「ツチヤさん!火をつけてください!」

ツチヤ「わかった!」

みほ「うう、うわああああああああああああああ!」ブンブン

翼竜「ギュァァァァァ」ヒダルマ

みほ「皆さん!掃除用具でもなんでもいいです!松明のようにして相手を燃やしてください!」


柚子「この!焼けちゃえ!うわああああああああ!」

柚子「あっ」ツルッ

柚子「ぎゃあああああああああああああああああああああ!」ヒダルマ

杏「小山!」

柚子「熱い!熱い!熱いいいいいいいいいいいいいいいい!」


柚子「熱い!熱い!熱いいいいいいいいいいいいいいいい!」

杏「しっかりしろ小山!今助けてやるからな!」

柚子「会長!死にたくないです!いやだ!助けてください!」

柚子「ああああああああああああああああ!」


梓「あ、あ、ああぁぁ」ブルブル

翼竜「」ジワリジワリ

梓「た、たすけて、だれ、か...」

みほ「梓ちゃん!」ガバッ

翼竜「」キシャー


華「二人共伏せてください!」

ドンッ

翼竜「」

みほ「...た、たすかった」

梓「ぁ、せん、ぱい、先輩ぃぃぃ!」ポロポロ


華「は、はぁぁぁぁ、なんとかなりましたね」

麻子「五十鈴さん、初めての射撃だろう、凄いな」

華「ふふっ、案外的を射るものはなんでも得意なのかもしれないですね」

杏「おい!小山しっかりしろ!小山!」

小山「っぁ...あぁぁあぁ...」


みほ「会長!どうされ...っ」

杏「小山が、小山が、小山がぁぁ...っ!」

麻子「これは、まずいな、ヤケドの範囲が大きすぎる」

杏「どうにかして治療できないの!ねえ!」

ツチヤ「隣の倉庫に、工具に混じって救急箱があったと思います」

麻子「厳しいかもしれないが、ないよりかはあった方が良いだろう」


麻子「ただ、誰が行く?この状況で外に出る奴がいるのか?」

麻子「なあ、会長」

杏「私は行く!もうこれ以上、友達を見捨てたくない!」

杏「私一人でもいい!何もしないまま過ごすよりかは」

麻子「ふざけるな!」

杏「っ!」ビクッ


麻子「私だって、沙織やそど子を見捨てたくなかった!それでも!」

麻子「会長の言うことに従わないと混乱するから従ったんだ!」

麻子「なのに会長は助けに行くだと!じゃああの二人はどうなる!」

麻子「誰にも助けられず、見捨てられた二人はどうなるんだ!」

麻子「沙織とそど子だって、だって、あ、うああああああああ!」

杏「.........」


みほ「...会長、それは私だって同じです」

みほ「私だって、秋山さんを追いかけられなかった、助けられなかった」

みほ「でも、だからこそ、救える命は救いたいです」

杏「に、西住ちゃん...っ!」

みほ「目の前で救えるかもしれない命を放っておけません」

みほ「行くなら時間との戦いです、急ぎ準備して、すぐに行きましょう」


ツチヤ「私も、行くよ、あそこの倉庫は自動車部のお得意先だから」

杏「みんな、みんな...っ!」

麻子「...すまない、会長、少し頭に血が上っていた」

麻子「西住さんの言う通りだ、事実としてあるのは、助けられなかったことだけだ」

麻子「行ったら助けられた、二人共亡くなった、それはまだ事実じゃない」


麻子「目の前で救える命を見捨てていいわけがない」

麻子「私も行く、任せてくれ」

杏「ありがとう、ホントに、ありがとう!」ウルッ

みほ「感動するのは小山先輩を助けてからですよ、会長」

杏「...あぁ、もちろんだ!」

みほ「では、行きましょう」

用事です、抜けます、また夜中に少しと、明日夕方に現れると思います
失礼します


ツチヤ「な、なんとか倉庫まで辿り着けたね」ガチャッ

みほ「はい、倉庫まで来れば一安心ですね、救急箱を探しましょう」

麻子「うわ、汚いな、なんだここ、蜘蛛の巣ばっかじゃないか」

杏「でもなー、前来た時はこんなに蜘蛛の巣無かったような気がするけど」


ツチヤ「そうですねよね、ここまで汚れて、なん、て...」

みほ「...ツチヤさん?」

ツチヤ「...ぃ」

ツチヤ「いやあああああああああああああ!」


麻子「おい!どうした!落ち着け!何があった!」

ツチヤ「あ、あそこ...っ」ガタガタ

麻子「...っ!」

ナカジマ「」


みほ「ひっ!」

杏「な、なんなのさ、その蜘蛛の糸!」

ナカジマ「ご、めん、ごめん、ごめん...」

ツチヤ「ナカジマ!しっかりして!大丈夫!今助けてあげるから!」

ナカジマ「だめ、だよ、にげ、て」クラッ


ツチヤ「ナカジマ、だいじょう...っぁ」ハッ

ナカジマ「」セナカパックリ

子蜘蛛「」カサカサカサカサ

みほ「きゃああああああああああああああああああああああ!」


杏「ひ、に、にげ...」ドンッ

親蜘蛛「」キシャー

ツチヤ「いやああああああ!」

麻子「全員逃げろ!」

みほ「っ痛!」ドテッ

麻子「西住さん!」


親蜘蛛「」キシャー

みほ「あ、あぁ、ああぁぁぁ...っ!」

ツチヤ「うわああああああああ!」バール

親蜘蛛「ギュァァァァァ!」

杏「ほら西住ちゃん!立って!早く!」

みほ「は、はい!」ダッ


ツチヤ「あ、あぁ、あぁぁぁ...っ」グスッ

ツチヤ「ナカジマぁ、大丈夫だって、言ってたじゃんかぁぁぁ...」

ツチヤ「みんなぁ、会いたいよぉぉ、どこにいんのぉ...っ」

ツチヤ「ああああああぁぁぁ...」


柚子「」

杏「ごめんな、小山、よく頑張ったな、本当に今までありがとう」

杏「私が、私がお前を救って、やれなくて、っだから、ぅあ」

杏「なん、で、なんで河嶋も小山も、私の前から、いなく、なって」

杏「う、うあ、あああああああああああああぁぁぁ...」


みほ「.........」

華「元気を出しましょう、みほさん、いえ、その、難しいかもしれませんが」

華「みほさんの後ろには、まだ沢山の方がいます、応援しています」

華「だから、顔をあげましょう、まだ、終わってませんよ」

みほ「......ん、そう、だね」


典子「ツチヤは蜘蛛を一匹殺したんだろ!バールで!」

典子「相手の固さなんてそんなもんだよ!倒せるに違いない!」

典子「シャッターすら破れない相手に装甲を破れてたまるもんか!」

典子「後はみんなの根性だけだよ!ほら!立ち上がろうよ!」


あけび「なんだか、キャプテンの言うことが正しい気がしますね」

忍「言ってることは確かだからな、後は本当に、根性なのかもしれない」

妙子「み、みんな落ち着こうよ、まだ、全然日数だって経ってないし」

あけび「そんな悠長なこと言ってらんないよ!」

妙子「ご、ごめん、なさい...」


あや「も、もしかして、磯辺先輩の言うことって、正しいんじゃ」

梓「そんなことないよ!ここは西住先輩の言うこと守ろうっ」

優季「でも、それで、桂利奈ちゃんも亡くなったんだよ!」

ねこにゃー「ももがーの敵を取らないと!」

ぱぞ美「もう、もう、これ以上我慢できない!」

典子「そうだ!自分から待ってても何も変わらない!相手を倒そう!」


麻子「まずいな、恐慌状態に陥ってるせいで、みんな冷静な判断が出来てない」

華「で、でも、典子さんの判断も聞いてる上では間違ってるとも言えないですし」

みほ「...いや、あの敵に戦車が通用するか分かりません」

みほ「確かに、今まで見た敵は倒せると思います、その判断は間違ってません」

みほ「でもだからと言って、外にいる敵が倒せるとは限りません」


みほ「思い出してください、あのロープを引っ張る強さ」

みほ「あの強さで引っ張られたら、戦車だって横転します、ですから」

杏「でも、だからって、このまま行けばジリ貧だよ、きっと」グスッ

みほ「はい、イチかバチか外に出るのは、間違った選択肢だとは思いません」


みほ「問題は、シャッターを開けることによって完璧に逃げ場がなくなること」

みほ「そして、戦車の動きが遅いことです」

みほ「外に出るのは戦うためじゃありません、より良い逃げ場を探す為です」

みほ「もしもの為に、シャッターは閉めたまま、ここは確保しておく方がいいですね」

みほ「良い場所が見つかれば、皆さんに伝えて、そこに移動しましょう」


ツチヤ「外に、自動車部のソアラが置いてある、多分、まだ使えるよ」

みほ「ツチヤさん、信じてもいいですか」

ツチヤ「うん、さっき、倉庫に行く時、チラッと見たら、だい、大丈夫、そう、だったからっ」グスッ

みほ「...わかりました、では、それで一度外を探索しましょう」


麻子「でも、アヒルさんが黙って私達を通してくれるか、だな」

華「難しいと思います、話し合っても平行線ではないでしょうか」

ツチヤ「ソアラに乗れる人数だって、限界があるよ」

みほ「でも、説得するしかありません、何も言わずに飛びだしたら、皆さん戦車に乗ってしまいます」

みほ「私達だけが助かることが目的ではありません、帰ってくる場所として、倉庫は必要です」


杏「西住ちゃんに全て任せるよ、私達は」

みほ「...説得してきます、典子さん達も、きっと分かってくれるはずです」

ツチヤ「ソアラの他にも車はあるかもしれない、全滅は防ぎたい、から」

麻子「今ここにいる5人以外に、後一人か二人欲しいな、まあそれはあっちで決めよう」

みほ「分かりました、では早速みんなに考えを伝えて...」


あけび「いました!キャプテン!ここです!」タタッ

典子「ありがとう佐々木!おい!河西から聞いたぞ!」

典子「お前達、自分達だけで逃げようとしてたらしいな!」

みほ「なっ、違います!」

忍「嘘です!外にある車に乗って逃げると言っていたではありませんか!」

華「それで新しい隠れ場所を探そうとしていただけです!また戻って来ます!」


典子「そんな苦しい嘘が通用するわけない!逃げるなんて許さないぞ!」

あゆみ「そんな、先輩達、私達を置いて逃げようとして...」

あや「やっぱり自分のことが一番なんだよ!みんなそうなんだよ!」

梓「ま、待ってください!先輩の言うことも聞いてみないと!一方的ですよ!」

あや「残されて殺されるのは梓かもしれないんだよ!」


麻子「西住さん、この状況が続いて良い結果になるとは思えないぞ」

みほ「分かっています!とりあえず今は騒ぎを収めましょう!話が出来ないことには」

典子「こうなれば先手必勝だ!シャッターを開けるぞ!」

ツチヤ「なっ、それはまずい!」


忍「分かりました、キャプテン!」ガシッ

あけび「くっ、お、重い、けど」ググッ

典子「みんな根性だぁぁぁ!」

妙子「なんでこんな時に争い合うんですか!」

妙子「みんな止めてください!一度話し合いましょう!」バッ


妙子「一度頭を冷やしましょう!それで、みんなで助かる手段を」

典子「甘ったれんな近藤!よく考えろ!」

典子「勇気を伴わない決断に満足することなんてないんだ!」

典子「受け身を取って犠牲を得るか、前に進んで成功を得るかしかない!」

妙子「その場に留まる勇気だって、あるじゃないですか!」


典子「うるさい!うるさあああああい!」ドガッ

妙子「きゃあっ!」

典子「私を信じろ!前に進んでみんな助かるんだ!」

典子「バレー部は永久に不滅だ!大洗女子学園を、滅ぼされてたまるかあああ!」ガララ


ツチヤ「開けられたら終わりだよ!西住隊長!」

みほ「典子さん!やめて!」

妙子「キャプテン!」

典子「わあああああああああ!」


パンッ

典子「......ぇ」

みほ「......あ」

華「.........」ジャキッ


忍「きゃ、キャプテン!」

典子「いそ、すず、お、まえ」

華「...すみません」

パンッ


典子「か、はっ」ドサッ

典子「...ぁ...なん、で...」

典子「みんな、と、たす、か、り ... だ、け... 」ドクドク

典子「」


あけび「きゃぷ、てん...?」

忍「うわああああ!キャプテン!キャプテン!」ユサユサ

みほ「典子、さん...」

ツチヤ「今しかないよ!西住隊長!」

ツチヤ「早く!」


みほ「...っ、扉から出ましょう!」

麻子「急がないと私達が殺されかねないぞ!」

みほ「分かってます!急いで!」ガチャッ

華「撃ちたくはなかったんです、他に方法があれば、本当に」ワナワナ

みほ「華さんが撃ってないと、私達全員死んでましたよ、きっと」


梓「先輩!私も、連れていってください!」

みほ「うん、梓ちゃん、もちろんだよ」

みほ「ずっと私の味方でいてくれてありがとうね」

梓「先輩の行くところなら、どこまでも付いていきますから!」

みほ「うん、ありがとうね、梓ちゃん」


杏「西住ちゃん!もう待ってられないよ!行こう!」

華「みほさん!」

みほ「分かりました!ツチヤさん、だいたいで良いので場所を教えて下さい!」

ツチヤ「扉出て左の駐車場!車までは走って10秒くらい!」


杏「そこの駐車場だと他の車もある!もしかしたら他のも空いてるかもしんないね!」

みほ「分かりました!何があっても皆さん辿り着きましょう!」

みほ「せーので扉を開けて一気に走ります!」

みほ「せーの!」ガチャッ

寝ます、昼来て夜までには終わらせます、失礼します


杏「左に真っ直ぐだよね!」

華「はい!先頭は任せてください!」

みほ「ツチヤさんのソアラって前と同じだよね!」

ツチヤ「そう!シルバーの、ナンバー覚えてるよね!」

華「覚えています!」


みほ「華さんありましたか!」

華「っ、はい!ありました!空いてます!」

華「ほら、皆さん!ここです!ここ!」

みほ「華さん!ありがとう!すぐ追いつ、く...」


麻子「五十鈴さん!逃げろ!」

五十鈴「え」クルッ

大カマキリ「」

五十鈴「...ぁ」


大カマキリ「」ガシッ

五十鈴「あ、あぁ」ヒョイ

五十鈴「いやああああああ!助けてえええええええええええええ!」

みほ「華さん!」ダッ


大カマキリ「」ドン ドン 

五十鈴「ああああああああああああああぁぁぁぁぁぁ.........  」

みほ「華、さ、ん...」

杏「西住ちゃん!後ろにもなんかいる!早く!」

みほ「あ、で、も、はなさん、が」


杏「西住ちゃん!」

麻子「立ち止まるな隊長!前を向け!」

梓「先輩!」

みほ「...っ、はい!」


ツチヤ「エンジン点いたよ!すぐ出すからね!」

杏「西住ちゃん!急いで!」

みほ「すいません!すぐ乗ります!」ヒョイ

麻子「と言ってもどこに行く、場所は大事だぞ」

みほ「学園艦の先端に戦闘機の格納庫があるはずです」

みほ「あそこは船内設備に繋がる数少ない場所です、そこに向かいましょう」


杏「なるほど、確かにあそこなら頑丈かもしれないね」

ツチヤ「わかった!運転は任せて!なるべく飛ばして行くから!」

みほ「いえ、住宅街を疾走しても逃げ場がありません、大通りを通りましょう」

みほ「あと、あの、私の教室の前に、一度寄ってもらえませんか」

みほ「沙織さん、教室に残るって、でも、もしかしたら、まだ...」


麻子「...ツチヤさん、危険は承知だが、私からも頼む」

麻子「お願いだ、この通りだ」

ツチヤ「...わかった、二人の想いを無碍には出来ないよ、気持ちは、分かるよ」

みほ「ありがとう、ツチヤさん」


ツチヤ「ここだよね、隊長の教室」

みほ「う、ん」

梓「先輩、どう、でした」

みほ「.........」フルフル


麻子「...さお、り」

沙織「」

麻子「なあ、沙織、なんでだ、なんで、逃げなかったんだ」

麻子「お前を失ったら、もう、私は何も出来ない、のに、なのに...」

麻子「あ、ああ、うああぁぁぁ...っ」ポロポロ

みほ「ごめんね、沙織さん、ごめん、ごめん、ごめ、ん...ね...」ポロポロ


梓「ツチヤ先輩、あの車、たしか...」

ツチヤ「...うん、ホシノとスズキが、よく二人で乗ってたやつだよ」

ツチヤ「あの時、ナカジマは別の作業で倉庫裏で仕事してて」

ツチヤ「私達は、近くの工場でお手伝いしてて、そうしたら、あの霧が来て」

ツチヤ「ホシノとスズキは、私をここまで送った上で、知り合いを、捜しに行って」


ツチヤ『なんで!私も連れてって!』

ホシノ『ダメだ、すごい、嫌な予感がするんだ、あの霧は』

ツチヤ『だったら尚更じゃない!なんで私だけなの!なんで!』

スズキ『...ツチヤが可愛い後輩だからだよ』

スズキ『先輩命令、ツチヤ、降りて、逃げて、あなたは、無事でいて』


ツチヤ「いつもは、後輩扱いなんかしないくせに」

ツチヤ「あんな時だけ、後輩扱い、して、ほんとに、ねぇ」グスッ

ツチヤ「ほんと、ほんと、いやな、せんぱい、だよっ」ポロポロ

みほ「ツチヤ、さん...」


スズキ「」

ホシノ「」

ツチヤ「みんな、なんで、なんで、私を置いてくのっ...」

ツチヤ「あああぁぁぁぁ......っ」


みほ「っ、ツチヤさん、車止めて!」

ツチヤ「な、なに!」

梓「せ、先輩、どうしたんですか」

みほ「.........」スッ


杏「...なんだ、あれ」

THING「」ズドン ズドン ズドン

梓「ば、ばけもの...っ」ガクガク

麻子「...100mは、下らないぞ」

THING「」ズドン  ズドン 


杏「...あんなのがいたら、もう、勝ち目なんて、さ」

梓「あんなのに、殺されたくないよぉ...っ」

ツチヤ「......どっか、行ったから、とりあえず進もう」

みほ「.........」


ツチヤ「あの、さ、凄く、言いにくいんだけど」

ツチヤ「ガソリン入ってないの、忘れてて、さ」

杏「...そっか」

ツチヤ「戦闘機の格納庫までは持つと思う、から」

ツチヤ「とりあえず、行けるとこまでは、行ってみるね」


梓「それって、帰れない、って」

梓「もう、みんなに、会えないって、ことですか」

ツチヤ「...ごめんね」

梓「帰ってくるって!そう言ったじゃないですか!」

梓「先輩そう言いましたよね!ねえ!先輩!」


みほ「.........」

梓「...っ、私、帰ってこれるって聞いて!だから!」

梓「先輩がやっぱり凄い人だって、みんなに分かってほしくて!」

梓「それで、みんなに驚いてもらいたかったのに!なのに!」


みほ「.........ごめんね、梓ちゃん」

梓「戻ってこれない、なら、せめて、みんなと一緒にっ」グスッ

梓「う、うぅ、うぅぅ、みんなぁぁぁ...」ポロポロ


ツチヤ「う、んぷ、おえぇぇっ」

みほ「.........」

麻子「これは、ひどいな」

杏「...みんな、最後まで、戦ったんだね」

杏「船内への入口、あの感じだと、中は、もう...」


みほ「...行きましょう」

ツチヤ「行くって、どこに」

みほ「...逃げれるところまで、逃げましょう」

みほ「今は、選択肢は、それしかないんですから」


ツチヤ「.........」

みほ「.........」

杏「.........」

麻子「.........」


梓「...ん...ぅ...」スゥスゥ

杏「西住ちゃん、澤ちゃんは、寝てる?」

みほ「はい、多分、泣き疲れたんだと思います」

杏「そっか...」


杏「...なあ、これってさ、もう、さ」

麻子「...ツチヤさん、ガソリン、もう、無いんだな」

ツチヤ「...うん、ごめんね、ごめん、ねぇっ」

みほ「気にしないでください、ツチヤさん」


麻子「ああ、やるだけはやった、それだけは確かだ」

杏「うん、それだけは、間違いないよ」

麻子「...終わった、な」


杏「こんな開けた場所で止まるなんて、皮肉にしても酷いもんだよ」

麻子「むしろ、ここまで襲われなかったのが奇跡的だろう」

ツチヤ「私達も、襲われたら、ああなっちゃうんだろうね」

杏「ったく、ここまで苦しい中を生きてきたんだから、最期くらい、報われたかったねぇ」

みほ「.........」


麻子「西住さん、何を探しているんだ.?」

みほ「.........」ガサゴソ

みほ「...あった」スッ

ツチヤ「それ、って」

麻子「五十鈴さんの、銃か」


杏「最後まで徹底抗戦、ってわけじゃ、なさそうだね」

ツチヤ「...楽、だろうな、怖くも、苦しくも、なくて」

麻子「...昨日から、全然寝てない、もう、疲れた」

杏「......西住ちゃん」

みほ「.........」コク


みほ「......弾は、これだけです」

ツチヤ「4発、だね」

杏「...どうする?」

みほ「...皆さんを、ここまで連れてきたのは、私の責任です」

みほ「私は、一人でどうにかします」


杏「...ありがとう、西住ちゃん」

ツチヤ「隊長、来世でも、よろしく、ね」

麻子「先に、あっちで待ってるぞ」

麻子「今までありがとう、西住さん」

みほ「.........っ」グスッ


みほ「.........」ジャキッ

みほ「.........」スッ

梓「......ん...ぅ」

梓「せ、ん...ぱい...?」

みほ「.........」カチッ


パンッ

パンッ

パンッ

パンッ


みほ「.........っ」

みほ「...ぅ、ぁ、あぁ、あぁぁ」グスッ

みほ「ああああああああああああああああああぁぁぁぁぁぁぁ......っ!」

みほ「うあああああああぁぁぁぁぁぁ......  」


みほ「う、うぅ、うぅぅ、うああぁ、あぁぁぁ...」ガチャッ

みほ「早く!早く殺して!殺して!殺してよ!」

みほ「私はここにいるよ!早く殺して!殺してったら!ねえ!」

みほ「殺せええええええええええええ!」


ガサッ

みほ「.........っ!」ビクッ

みほ「...どうしたんですか、来て、早く、来て」

みほ「早く、きて!私を殺して!さあ!早く!早く!」

みほ「きて!私を殺してよ!ねえ!はやく!」


ガサッ ガサッ ガサササッ

みほ「.........」ゴクッ

みほ「...そう、そう、そのまま、きて、早く、殺して!」

みほ「はや、く...」

みほ「.........ぁ」


ティーガ-Ⅰ「」キュラキュラキュラ

JS-2重戦車「」キュラキュラキュラ

チャーチル「」キュラキュラキュラ

スーパーギャラクシー「」ギュィィン


ケイ「ヘイ!全部焼き尽くしてちょうだい!」

カチューシャ「気持ち悪いわねえ!一掃するのよ!」

ダージリン「そう焦る必要は無いわ、ゆっくりと追い詰めましょう」

アンチョビ「うわぁ!この糸固いな!乾麺でももうちょっと柔らかいぞ!」

みほ「......ぇ、ぁ、どう、いう」


エリカ「ほら!さっさと動いて!ここはまだ安全じゃないんだから!」

みほ「.........っぁ」

優花里「......ぁ」

みほ「...秋山さん、そのご家族の方、それに」

みほ「倉庫のみんなも、助かって...」


まほ「みほ!みほ!大丈夫か!」ダッ

みほ「お姉、ちゃん...?」

まほ「よかった、無事で、本当に、よかった...っ」ウルッ

みほ「これって、どういう…」


まほ「大洗女子学園艦が原因不明の霧に包まれて、敵に襲われたと聞いている」

まほ「すぐに我々が召集されて、艦内の人々を救助する運びとなった」

まほ「見たことのない生物に、見上げるほどの化け物」

まほ「一時はどうなることかと思ったが、本当に助かったよ」


まほ「戦車でなら、容易に倒すことができて」


みほ「.........ぁ」

みほ「う、そ、なら、わたしが、みんなを、ころ、して」

まほ「倉庫にいなかった時はみんな諦めていたが、私はお前が生きていると信じてたぞ」

まほ「本当に生きてて良かった、みほ...みほ?」


みほ「い、や、いや、いや、そんなの、そんなのって」

みほ「あ、ごめ、なさい、あ、あぁ、やだ、いや、いや」

みほ「あ、あああ、あぁぁ、いや、だ、っぁ」

みほ「いやあああああああああああああああああああぁぁぁぁぁぁぁ..... .... ... .. . 」


――――
――


優花里「と、絶望的な状況で、最後は諦める人も少なくない昨今」

みほ「不法侵入秋山さん、警察呼ぶのでその場で待機してください」

優花里「如何なる状況でも諦めなかった西住殿は、まさに軍師の鑑です!」

みほ「私は今まさに、秋山さんとの会話を諦めてるけどね」


優花里「私は、西住殿の判断は間違ってなかったと思います!」

みほ「不法侵入されるなら黒森峰に残ってたよ?」ニッコリ

優花里「凄い、西住殿にありがとうって言われちゃいましたぁ」

みほ「明日お医者に掛かりましょう、頭のですよ、秋山さん」

優花里「えへへっ」


おしまい


読んでいただいてありがとうございました

お暇あれば過去のもどうぞ

黒森峰みほ「もし流されたのが私の戦車だったら?」
西住みほ「みんなの心の闇、ですか?」


お疲れ様でした、失礼します

監督「はいカーット!!」
みほ達&スタッフ「「お疲れ様でしたーー!!」」


なんてのをを期待してたからオチで安心w

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